JP2004249614A - 二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールの混合物からなるガスバリア層が形成されている二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、変性プロピレン重合体層(A)を介してポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物の層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム。
この複合フィルムは、ポリプロピレンと変性プロピレン重合体(A)を共押出し成形して積層シートを得た後、変性プロピレン重合体(A)層側に、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物層をコーティングした後二軸延伸するか、共押出しシートを縦方向に延伸したシートにガスバリア層をコーティングして横方向に延伸することによって得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリア性に優れた二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムおよびその製造方法に関するものであり、より詳しくは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールの混合物からなるバリア層が形成されている二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械的強度、剛性等にすぐれていることから包装材料を始めとして広い分野で使用されている。ところが、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、僅かではあるが、酸素や水蒸気を透過するという特性があるため、これを食品、化粧品、医薬品等の包装材料として用いる場合には、被包装物の劣化を防ぐために、通常、フィルムの片面に酸素透過度や水蒸気透過度を少なくするためのガスバリア層が積層された複合フィルムが用いられている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−205379号公報
例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコールと、ポリ(メタ)アクリル酸またはその部分中和物の混合物から形成されたフィルムを熱可塑性樹脂の層に隣接して積層することによって得られるガスバリア性積層体が記載されている。
この特許文献1に見られる熱可塑性樹脂層としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体、ナイロン6・12共重合体などのポリアミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸塩共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイドが例示されている。
【0004】
ところが、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸の混合物は、たしかにガスバリア性に優れているが、積層する熱可塑性樹脂の種類によっては、コーティングによりそのまま積層できないものもあることがわかった。
例えば、積層基材がポリプロピレンフィルムの場合には、ポリプロピレンフィルムが、それ自体極性基を有していないために接着性に問題があり、上記混合物をそのままコーティングすることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、アンカーコートなどの前処理を必要とすることなく、二軸延伸ポリプロピレンフィルム層に、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールの混合物からなるガスバリア層を好適に積層した複合フィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、通常の方法では積層できない、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールの混合物からなるガスバリア層を好適に積層した複合フィルムの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、次の要件からなることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、変性プロピレン重合体層(A)を介してポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物の層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合比(重量比)が、(B):(C)=1:9ないし9:1である上記二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、ポリ(メタ)アクリル酸(B)が、3ないし15%の部分中和物である上記二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、ポリプロピレンと変性プロピレン−重合体(A)を共 押出し成形して積層シートを得た後、変性プロピレン重合体(A)層側に、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物層をコーティングし、二軸延伸することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムの製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、ポリプロピレンと変性プロピレン−重合体(A)を共押出し成形して積層シートを得た後、当該積層シートを縦方向に延伸し、次いで、変性プロピレン重合体(A)層側に、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物層をコーティングし、横方向に延伸することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムの製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、発明の実施の形態を説明する。
<二軸延伸ポリプロピレンフィルム>
本発明において用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と呼ぶことがある)とは、プロピレンの単独重合体、または主体量のプロピレンとに少量、通常5モル%以下のプロピレン以外にα−オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンとの共重合体を逐次、あるいは同時に二軸延伸して得られるフィルムである。
この二軸延伸ポリプロピレンフィルムはそれ自体極性基を有していないために、フィルム表面にガスバリア層である、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールの混合物層をコーティングしようとしても、そのままでは積層することはできない。
【0012】
本発明の重要な特徴は、ポリプロピレンフィルムが無延伸または縦方向の一軸延伸の状態で、フィルム表面に変性プロピレン重合体の層を形成せしめ、その上から、上記ポリ(メタ)アクリル酸(以下、「PAA」と呼ことがある」)とポリビニルアルコール(以下、「PVA」と呼ぶことがある)の混合物層をコーティングし、次いで、これを延伸し最終的に得られたフィルムを二軸延伸フィルムとする。
したがって、ガスバリア層を形成する前のポリプロピレンフィルムが無延伸の場合はその後の延伸は二軸延伸になり、ポリプロピレンフィルムが縦方向に一軸延伸されたものであれば、その後の延伸は、横方向への一軸延伸であってよく、何れにしても最終のポリプロピレンフィルムが二軸延伸されていれば良い。
【0013】
<変性プロピレン重合体(A)>
OPPフィルムと、PAAとPVAの混合物層からなるガスバリア層の間に本発明の変性プロピレン重合体(A)が介在することにより、上記したOPPフィルムにガスバリア層をラミネートするに際し、特定の延伸手段を組み合わせることにより、フィルム自体が極性基を有していないOPPフィルム表面に、ガスバリア層であるPAAとPVAの混合物層が優れた接着強度をもって好適に積層される。
【0014】
本発明にかかる変性プロピレン重合体(A)とは、プロピレンの単独重合体、または主体量のプロピレンに、例えば5モル%以下という少量のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンを共重合した共重合体に、極性基を付与して変性したものである。極性基を付与する方法は、とくに限られるものではないが、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフト変性したものがOPPフィルムと上記ガスバリア層との接着性の改善効果に優れている点で好ましい。
【0015】
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(商標名:ナジック酸)などが挙げられ、その誘導体としては、酸ハラミド、アミド、イミド、無水物、エステルなどが挙げられる。
かかる誘導体の具体例としては、例えば、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられ、なかでも、不飽和ジカルボン酸またはその無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
【0016】
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性された変性プロピレン重合体は、好ましくは、変性前のプロピレン重合体に基づいて0.05ないし15重量%、より好ましくは0.1ないし10重量%の不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性されている。
変性プロピレン重合体(A)は、好ましくはメルトフレート(MFR、230℃)が0.1ないし50g/10分、より好ましくは0.3ないし30g/10分である。また、変性プロピレン重合体は、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体のグラフト量が前記範囲内にある限り、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性された変性プロピレン系重合体と未変性のプロピレン系重合体との組成物であってもよい。
【0017】
<ガスバリア層>
本発明においては、OPPフィルムの片面に形成されるガスバリア層として、PAA(B)とPVA(C)の混合物からなる層が用いられる。
PAA(B)とPVA(C)の混合物は、それぞれが水または溶剤を用いた溶液状で混合され、プロピレンフィルム面に積層される。ガスバリア層の厚みは用途に応じて適宜設定されるが、通常0.05ないし10μmであり、0.1ないし5μm程度の厚みに形成されることが好ましい。
【0018】
PAA(B)としては、ポリアクリル酸および/またはポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸のエチルまたはブチルエステルあるいは(メタ)アクリル酸アミドとの共重合体、これらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩が用いられる。またPAAのカルボキシル基の一部を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムアンモニアなどのアルカリを用いてカルボン酸塩とすることにより中和したものがより好ましく用いることができ、中和度が20%未満のもの、とくに3ないし15%のものがより好ましく用いられる。
PAA(B)の重合度は、通常30ないし3000の範囲であり、50ないし1000の範囲のものがより好ましい。PAAの重合度が上記範囲外のものはポリプロピレンフィルムにコーティングした後、ポリプロピレンフィルムを延伸する際に、延伸に追随できない場合がある。
【0019】
本発明者らの実験によれば、後述する実施例にも示したように、PAAとPVAの混合比にもよるが、PAAの中和度によって、得られた複合フィルムの外観、基材との密着性に影響を受けることが見いだされた。
中和度とは、自体公知の下記の式によって求められる。
中和度=(X/Y)×100(%)
ここに、X:部分中和されたPAA1g中の中和されたカルボキシル基の全モル数であり、Y:部分中和する前のPAA1g中のカルボキシル基の全モル数である。
【0020】
PVA(C)は、ビニルアルコールを主体とする重合体で、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られる重合体であり、一部がカルボン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリレート、アクリルアミド、不飽和カルボン酸(エステル)またはその無水物等による変性物であってもよい。かかるPVA(C)は、通常、重合度が100ないし3000、より好ましくは300ないし2000の範囲のものが使用し得る。また、前記PAA(B)と混合する際に水溶性の観点から鹸化度が70ないし99%の高いものが好ましく用いられ、とくに85ないし99%のものが好ましい。
【0021】
PAA(B)とPVA(C)の好ましい混合比は、(B):(C)が1:9ないし9:1であり、好ましくは2:8ないし8:2、より好ましくは7:3ないし5:5である。
PAA(B)とPVA(C)が上記範囲で混合されているガスバリア層をコーティングすることにより、プロピレンフィルムにコーティングした後の延伸(横方向または二軸)に追従することができ、OPPフィルム上に、ガスバリア層が密着し、外観、基材密着性が共に優れた複合フィルムが得られる。
【0022】
この際、重合度が1000未満のPVAを単独で使用した場合は、プロピレンフィルム上にコーティングした後の延伸に追従することができず、最終的にガスバリア層をコーティングしたOPPフィルムは得られないし、反対に、PAA単独の場合は、外観ならびに基材フィルムとの密着性に劣り、やはり好適なガスバリア層をコーティングしたOPPフィルムは得られない。
【0023】
<OPP複合フィルム>
本発明の最終製品であるOPP複合フィルムは、OPPフィルム上に変性プロピレン重合体の層(A)を介して、PAA(B)とPVA(C)の混合物からなるガスバリア層を形成してなるものである。
しかしながら、OPPフィルム上に上記ガスバリア層を単にコーティングしただけでは、OPPとガスバリア層の接着性が劣るため、包装等の目的に使用するに適した複合フィルムとはなり得ない。
【0024】
そこで、本発明においては、無延伸または縦方向に延伸したOPPフィルム上に変性プロピレン重合体の層を介してPAAとPVAの混合物からなるガスバリア層を積層させ、次いでこれを少なくとも横方向に延伸し、最終的に二軸延伸した積層フィルムとすることにより、基材であるOPPフィルム上にPAA(B)とPVA(C)の混合物からなるガスバリア層が強固に密着した複合フィルムが得られる。
【0025】
本発明のガスバリア層が積層されたOPPフィルムにおける各層の厚さは、用途に応じて、柔軟性、機械的強度、あるいは経済性などを勘案して適宜決められるが、通常、基材フィルムであるOPPフィルム層の厚さが10ないし100μm、好ましくは15ないし60μm、変性プロピレン重合体(A)層の厚さが0.2ないし10μm、好ましくは0.5ないし5μm、PAA(B)とPVA(C)の混合物からなるガスバリア層の厚さが0.05ないし10μm、好ましくは0.1ないし5μmの範囲にある。
【0026】
本発明の上記OPP複合フィルムは、少なくとも基材フィルムである二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、変性プロピレン重合体層(A)を介してポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物の層が積層されてなることが必要であるが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、その外層として他のプラスチックフィルム層を積層することもできる。また、この複合フィルムには、各層のいずれかに、紫外線吸収剤、防曇剤、充填剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤などの自体公知の配合剤を添加することができる。
【0027】
<OPP複合フィルムの製造方法>
本発明のOPP複合フィルムは、先ず、基材となるポリプロピレンと変性プロピレン重合体(A)とを共押出し成形してシートを得た後、変性プロピレン重合体層側に、PAA(B)とPVA(C)の混合物の(水)溶液をコーティングした後、当該積層フィルムを二軸延伸する方法、あるいは、ポリプロピレンと変性プロピレン重合体(A)とを共押出し成形した後、縦方向に延伸してシートを得、その後で、変性プロピレン重合体層側に、PAA(B)とPVA(C)の混合物の(水)溶液をコーティングした後、当該積層フィルムを横方向へ延伸する方法によって得ることができる。
つまり、PAA(B)とPVA(C)の混合物の(水)溶液をコーティングする、ポリプロピレンと変性プロピレン重合体の共押出しシートは、無延伸または縦方向へ一軸延伸されたものである。
【0028】
上記無延伸または縦方向への一軸延伸した共押出しフィルムへコーティングするガスバリア層は、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて、上記共押出しフィルム上に、PAA(B)とPVA(C)の混合物の(水)溶液中の固形分の量で0.5ないし100g/m、好ましくは1ないし50g/mとなるように塗布した後、50ないし140℃で10秒ないし3分程度乾燥することによって得ることができる。
【0029】
この際、ガスバリア層をコーティングする変性プロピレン重合体の層側には、ガスバリア層との濡れ性をよくするために、予めコロナ処理等の表面処理を行なっておいてもよい。
OPP複合フィルムを得る際の延伸温度およ延伸倍率は、とくに限定されるものではなく、一般に行なわれている条件、つまり、同時二軸延伸であれば、ガスバリア層をコーティングした後に乾燥して、延伸温度が150ないし190℃で、延伸倍率が縦・横各々3ないし10倍の範囲、逐次二軸延伸であれば、縦延伸温度が125ないし145℃、延伸倍率が4.5ないし6倍の範囲で行ない、ガスバリア層をコーティングした後の横延伸温度を150ないし190℃、延伸倍率が9ないし11倍程度の範囲にして延伸すれば良い。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、PAAとPVAの混合物からなるガスバリア層が強固に接着した複合フィルムが提供される。この複合フィルムは、OPPフィルム本来の特性である透明性、機械的強度、剛性、水蒸気バリア性等の特徴に加え、酸素等のガスの透過性を抑制する性質に優れるので、包装体、特に内容物として酸素や水分の影響を受けやすい食品類、化粧品類、医薬品類等の包装材料として好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、この実施例は本発明の好適な態様を例示するものであって、これにより本発明が限定されるものではない。
【0032】
<実施例1>
二軸延伸フィルム成形機を用いて下記の二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムを得た。
融点:162℃、MFR(230℃):2g/10分のポリプロピレンを基材層とし、その片面に、融点:165℃、MFR(230℃):3g/10分の無水マレイン酸でグラフト変性した変性プロピレン重合体を共押出しして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを縦方向に5倍に延伸した後、変性プロピレン重合体をコロナ処理し、変性プロピレン重合体の層側に、ポリアクリル酸(商品名「ジュリマーAC10L」・濃度20%)とポリビニルアルコール(商品名「PVA103C」・濃度20%)を表1に示した割合で混合した水溶液をコーティングしたのち、140℃、30秒の条件で乾燥した。
なお、ポリアクリル酸については、中和度が0度、5度、10度および20度のものをそれぞれの混合割合で使用した。
次いで、160℃の熱風を循環させたテンター内で横方向に10倍に延伸した後、150℃で5秒間熱風固定して、二軸延伸したポリプロピレン複合フィルムを得た。得られた複合フィルムの各層の厚さは、ポリプロピレン基材フィルム層が20μm、変性プロピレン重合体層が1μm、ガスバリア層が0.7μmであった。
【0033】
得られたOPP複合フィルムの外観、基材との密着性および酸素透過度を以下の方法で評価し、結果を表1に示した。
・外観・・・得られたOPP複合フィルムの外観を視覚によって評価した。
○:良好
△:白いムラが生じる
×:連続した膜(ガスバリア層)が形成されない
・基材密着性・・・セロファンテープ剥離;
OPP複合フィルムのガスバリア層にニチバン社製セロファンテープ(幅24mm)を長さ6cm貼り付け、指で強く押さえた後、貼り付けたセロファンテープを180度の角度で勢いよく剥し、ガスバリア層の状態を観察した。
○:剥離なし
△:10%未満の剥離が認められる
×:10%以上の剥離が認められる
なお、表1中に−で示した箇所は、連続したガスバリア層が形成されなかったため、セロハンテープによる剥離試験を行なわなかったことを意味する。
・酸素透過度;
酸素透過度測定機(MOCON社製OX−TRAN2/20)を使用し、20℃、RH0%の条件で測定した。単位は、ml/m ・day・MPaである。
なお、表1中に−で示した箇所は、フィルム外観が不良のため、酸素透過度測定を行なわなかったことを意味する。
【0034】
【表1】
Figure 2004249614
【0035】
<比較例1>
実施例1における変性プロピレン重合体を用いることなく、ポリプロピレンにポリアクリル酸とポリビニルアルコールの混合物水溶液をコーティングした以外は、実施例1と同様に行なった。
ただし、ガスバリア層としては、10%の中和度のポリアクリル酸7:ポリビニルアルコール3の割合で混合した水溶液を用いた。
得られた複合フィルムは、外観は、良好であったが、基材剥離性は、100%の剥離が見られ、包装材料として使用できるものではなかった。

Claims (5)

  1. 二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、変性プロピレン重合体層(A)を介してポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物の層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム。
  2. ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合比(重量比)が、(B):(C)=1:9ないし9:1である請求項1記載の二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム。
  3. ポリ(メタ)アクリル酸(B)が、3ないし15%の部分中和物である請求項1記載の二軸延伸ポリプロピレン複合フィルム。
  4. ポリプロピレンと変性プロピレン−重合体(A)を共押出し成形して積層シートを得た後、変性プロピレン重合体(A)層側に、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物層をコーティングし、二軸延伸することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムの製造方法。
  5. ポリプロピレンと変性プロピレン−重合体(A)を共押出し成形して積層シートを得た後、当該積層シートを縦方向に延伸し、次いで、変性プロピレン重合体(A)層側に、ポリ(メタ)アクリル酸(B)及びポリビニルアルコール(C)の混合物層をコーティングし、横方向に延伸することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン複合フィルムの製造方法。
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