JP4808340B2 - 帯電防止剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止剤、帯電防止剤組成物、及びそれらを含有する、帯電防止性に優れ、かつ表面の白化や、経時的な表面抵抗値の悪化を防止した帯電防止性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
脂肪酸モノグリセライドは、耐熱性が高く、優れた帯電防止効果を発揮することから、ポリオレフィン樹脂をはじめ各種樹脂用の練り込み型帯電防止剤として多岐に渡り用いられている。
【0003】
しかしながら脂肪酸モノグリセライドは、その結晶性が高いことに起因して、ブリード物が表面で凝集し、粉吹き現象や、長期の経時で表面抵抗値が悪化するという欠点を有している。
【0004】
現在、脂肪酸モノグリセライドを主成分とする帯電防止剤は、その表面での凝集を防止するために、耐熱性、臭気など問題があるものの、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキルアミンや、脂肪酸ジエタノールアミド、及びポリグリセリン脂肪酸エステル等の凝集防止剤との併用を行うことで、表面白化や、経時的な表面抵抗値の悪化を防止している。また、それら凝集防止剤は、主成分である脂肪酸モノグリセライドの結晶性が高いことから多量の併用が必要で、当然これらアミンやアミドの併用は、量が多くなればなるほど耐熱性・臭気に及ぼす悪影響は大きく、少量で目的とする性能を得ることができればより好ましい。
【0005】
本発明の課題は、帯電防止性に優れ、かつ表面の白化や、経時的な表面抵抗値の悪化を防止し、更に凝集防止剤の添加量を低減することができる、帯電防止剤、帯電防止剤組成物及び帯電防止性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油脂、炭素数6〜24の脂肪酸又はそのアルキル(アルキル基の炭素数1〜10)エステルから選ばれる1種以上と、グリセリンのアセタール化物とのエステル化反応物又はエステル交換反応物から脱アセタール化により誘導される、モノエステル含量が70重量%以上の脂肪酸モノグリセライドからなる帯電防止剤、その製造法、及びこの脂肪酸モノグリセライド((a)成分という)と、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキル(アルキル基の炭素数12〜22)アミン、脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22)ジエタノールアミド、或いはポリグリセリン(グリセリン縮合度2〜4)脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22)エステルからなる群から選ばれる1種以上((b)成分という)を含有する帯電防止剤組成物、並びに熱可塑性樹脂に、これら帯電防止剤又は帯電防止剤組成物を配合してなる帯電防止性樹脂組成物を提供する。
【0007】
なお、モノエステル含量とは、本発明の製造法により得られる脂肪酸グリセライド中の脂肪酸モノグリセライドの重量割合である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の(a)成分である脂肪酸モノグリセライドは、油脂、炭素数6〜24の脂肪酸又はそのアルキル(アルキル基の炭素数1〜10)エステルから選ばれる1種以上と、グリセリンのアセタール化物を、触媒存在下でエステル化反応又はエステル交換反応を行い、モノグリセライドアセタールを含有する混合物を得、この混合物からグリセリンのアセタール化物を留去し、更に必要により水性溶媒でグリセリンを抽出除去した後、加水分解により脱アセタール化を行うことにより得られる。
【0009】
本発明に用いられる油脂は特に限定するものではないが、例えば、アマニ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、落花生油、綿実油、ゴマ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、硬化パーム油、硬化パーム核油、硬化ヤシ油等の植物由来の油脂、牛脂、豚脂、魚油(いわし油、硬化いわし油、まぐろ油、さめ肝油等)等の動物由来の油脂等が挙げられ、パーム油、パーム核油、ヤシ油、硬化パーム油、硬化パーム核油、硬化ヤシ油、豚脂、牛脂、魚油等が好ましく、特に水素添加された硬化ヤシ油、硬化パーム核油が好ましい。これらの油脂は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0010】
本発明に用いられる炭素数6〜24の脂肪酸としては、上記のような油脂を加水分解して得られる、油脂由来のアルキル組成を有する脂肪酸が好ましい。また、脂肪酸アルキルエステルとしては、上記のような油脂と炭素数1〜10のアルコールとの反応により得られる、油脂由来のアルキル組成を有する脂肪酸アルキルエステルが好ましく、更に炭素数1〜4のアルキルエステル、特にメチルエステル、エチルエステルが好ましい。
【0011】
本発明の脂肪酸モノグリセライドを得るためには、経済性の観点から、油脂の使用が最も好ましい。
【0012】
本発明に用いられるグリセリンのアセタール化物としては、一般式(1)で表される化合物(以下化合物(1)という)が挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】
[式中、R1、R2は同一又は異なって、水素原子、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、あるいはアルキル基で置換されていてもよい総炭素数6〜30のアリール基を示し、R1とR2が結合して環を形成していても良い。]
一般式(1)において、R1とR2は上記の意味を示すが、R1とR2の合計炭素数は2〜9が好ましい。R1とR2の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトンから誘導される基、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒドから誘導される基が挙げられる。
【0015】
本発明においては、まず油脂、炭素数6〜24の脂肪酸又はそのアルキル(アルキル基の炭素数1〜10)エステルから選ばれる1種以上(以下原料油脂等という)に対し、グリセリンのアセタール化物を、好ましくは2〜20倍モル、更に好ましくは4〜12倍モル加え、触媒を、原料油脂等に対して、好ましくは0.001〜50重量%、更に好ましくは0.2〜1重量%加え、減圧又は常圧下、好ましくは10〜200℃、更に好ましくは20〜100℃の反応温度でエステル化反応又はエステル交換反応を行う。このとき系内の水分は少ない方が好ましく、更に好ましくは0.2重量%以下である。
【0016】
このエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる触媒は、特に限定されるものではなく、通常のエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる酸触媒又は塩基触媒が用いられ、酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸、又は酸性白土、シリカアルミナ、パーフロロイオン交換ポリマー(ナフィオン(デュポン社製))等の固体酸が挙げられる。塩基触媒としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水素化物、又は固体塩基もしくはナトリウムメチラート、カリウムメチラート、グリセリンアセタールのナトリウムアルコラート等のアルコラート類が挙げられる。
【0017】
エステル化反応又はエステル交換反応終了後、触媒を中和あるいは吸着除去し、又は固体触媒の場合には濾過等により除去した後、グリセリンのアセタール化物を減圧又は常圧下にて留去し、グリセリンを除去する必要がある場合は、水性溶媒により、反応副生物であるグリセリンと中和で生成した塩を取り除くことで、モノグリセライドアセタールを主成分とする混合物が得られる。次にこの混合物を加水分解により脱アセタール化を行うことで、本発明に係わる脂肪酸モノグリセライドを得る。
【0018】
ここで用いる中和剤は、特に限定されるものではないが、触媒に塩基を用いた場合は、硫酸等の無機酸や、乳酸等を用いることができる。特に乳酸を用いた場合は、中和により系内に不溶物が生成せず、均一な中和が可能である。
【0019】
本発明で用いられる水性溶媒は、水を含有している溶媒であれば良く、水単独、又は水とエタノール等の低級アルコールとの混合物が好ましく、水が更に好ましい。
【0020】
反応副生物であるグリセリン若しくは中和で生成した塩の除去は、上記水性溶媒を用いた抽出にて行うものである。但し、グリセリン量が少なく、除去する必要がない場合は、この処理を行わなくてもよい。
【0021】
また、加水分解による脱アセタール化の方法は、特に限定されるものではないが、酸触媒を用い、30〜100℃の温度で加水分解する方法が好ましく、特に水蒸気を系内に導入し、生成するケトン又はアルデヒドと水蒸気を系外に除去しながら行うのが好ましい。酸触媒としては、上記のエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる酸触媒が挙げられる。反応終了後、触媒の中和又は濾過を行うことで、本発明の脂肪酸モノグリセライドを得る。
【0022】
従来の脂肪酸モノグリセライドは、主成分であるモノエステル含有量を上げるために、後処理として分子蒸留を行うことにより目的とする脂肪酸モノグリセライドを得ているのに対し、本発明の脂肪酸モノグリセライドは、上記方法で製造されるため、原料油脂等と全く同一のアルキル分布を持ち、かつモノエステル含有量が70重量%以上のものが得られる。
【0023】
このような本発明の脂肪酸モノグリセライドは、原料油脂等から直接誘導されるため、原料油脂等と全く同じアルキル組成を有することで、結晶性が弱くなり、表面での白化や、経時的な表面抵抗値の悪化を防止することができる。
【0024】
本発明の帯電防止剤組成物は、上記脂肪酸モノグリセライドからなる(a)成分と、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキル(アルキル基の炭素数12〜22、好ましくは12〜18)アミン、脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22、好ましくは12〜18)ジエタノールアミド、或いはポリグリセリン(グリセリン縮合度2〜4、好ましくは2〜3)脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22、好ましくは12〜18)エステルからなる群から選ばれる1種以上((b)成分という)を含有する。
【0025】
本発明の帯電防止剤組成物中の(a)成分の配合量は、50〜95重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。本発明の帯電防止剤組成物中の(b)成分の配合量は、(a)成分1重量部に対し、1重量部以下が好ましく、0.2〜0.5重量部が更に好ましい。
【0026】
本発明においては、脂肪酸モノグリセライドとして、上記のような特定の方法により得られたものを用いることにより、凝集防止剤である上記(b)成分の配合量を低減することができ、臭気の改善や、表面抵抗値の経時安定性の向上が可能となる。
【0027】
本発明の帯電防止剤又は帯電防止剤組成物は、各種の熱可塑性樹脂に配合して、その帯電性を防止した帯電防止性樹脂組成物を得ることができる。本発明に用いられる樹脂は、各種の熱可塑性樹脂であり、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられ、ポリエチレン、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0028】
本発明の樹脂組成物中の(a)成分の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜1重量部が特に好ましい。また、本発明の樹脂組成物が(b)成分を含有する場合は、(a)成分と(b)成分の合計配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましく、0.1〜1重量部が更に好ましい。
【0029】
本発明の樹脂組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の添加剤を配合することができる。具体的にはエチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−ブテン系ゴム等のオレフィン系ゴム;タルク等の無機フィラー;有機系、無機系の顔料;フェノール系、リン系等の酸化防止剤;アミン系、トリアゾール系等の光安定剤;有機系、無機系の造核剤;滑剤;金属不活性化剤;分子量調整剤;抗菌剤;ブロッキング防止剤等が挙げられる。
【0030】
本発明の樹脂組成物を成形体とする場合は、通常の方法によって製造することができる。例えば粉末の熱可塑性樹脂に、(a)成分と必要により添加される(b)成分、他の機能付与剤等とをヘンシェルミキサー等で混合後、一軸又は二軸押出機にてペレット化する。このようにして得られたペレットを射出成形や、シート成形を行い、目的の成形物を得ることができる。また、(a)成分の樹脂への添加方法に制限はなく、あらかじめ作成したマスターバッチにより添加しても同様の優れた効果を得ることができる。
【0031】
【実施例】
合成例1:硬化パーム核油組成モノグリセライドの合成
500mL4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール198.2g(1.5モル)と28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液0.15gと、硬化パーム核油172.8g(0.25モル)を加え、50℃で1時間撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗によりグリセリンを除去した後、得られたα−モノグリセライドアセタール151.0gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)4.3gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセライドアセタールに対して2〜3%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を9時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を2.87g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、硬化パーム核油組成モノグリセライド111.23gを得た。この硬化パーム核油組成モノグリセライドのモノエステル含量はガスクロ純度で90%であった。
【0032】
合成例2:硬化ヤシ油組成モノグリセライドの合成
合成例1において、硬化パーム核油の代わりに硬化ヤシ油を用いる以外は合成例1と同様にして、硬化ヤシ油組成モノグリセライドを得た。この硬化ヤシ油組成モノグリセライドのモノエステル含量はガスクロ純度で85%であった。
【0033】
合成例3:硬化パーム核油組成モノグリセライドの合成
合成例1において、硬化パーム核油の代わりに硬化パーム核油組成の脂肪酸から誘導されたメチルエステル173.0g(0.75モル)を用いて、10.6kPaの減圧下、100℃で8時間撹拌して脱メタノール反応を行った後、触媒を吸着処理し、濾過してエステル化物を得た。その後合成例1と同様に減圧蒸留、水洗、脱アセタール化反応及びその後の後処理を行い、硬化パーム核油組成モノグリセライドを得た。この硬化パーム核油組成モノグリセライドのモノエステル含量はガスクロ純度で89%であった。
【0034】
実施例1〜7及び比較例1〜5
あらかじめ粉砕にて細かくしたプロピレン−エチレンブロック共重合体であるノバテックBC−03B 100重量部に対し、帯電防止剤として表1に示す(a)成分、(b)成分あるいは比較の脂肪酸モノグリセライドの表1に示す量を配合し、樹脂組成物を得た。この組成物を210℃に設定した二軸押出機を用いてペレタイズし、230℃に設定した射出成形機により、70mm×110mm×2mmのプレートを作成し、下記方法で帯電防止性及び白化を評価した。結果を表1に示す。
【0035】
<帯電防止性の評価法>
プレートを直ちに25℃、50%RHの恒温恒湿室内に保管し、1日後、14日後及び30日後に、横河ヒューレットパッカード社製、型番4329Aの高絶縁抵抗計により表面固有抵抗値を測定した。
【0036】
<白化の評価法>
プレートを直ちに25℃、50%RHの恒温恒湿室内に保管し、1日後、14日後及び30日後に、白化を目視観察し、下記基準で評価した。
◎:白化がない
○:白化がほとんどない
△:白化が認められる
×:白化が激しい
【0037】
【表1】
【0038】
注)
*1 a−1:合成例1で得られた硬化パーム核油組成モノグリセライド
*2 a−2:合成例2で得られた硬化ヤシ油組成モノグリセライド
*3 a−3:合成例3で得られた硬化パーム核油組成モノグリセライド
*4 GMS:グリセリンモノステアレート(花王(株)製エレストTS−5、モノエステル含量=97.0%)
*5 GML:グリセリンモノラウレート(太陽化学(株)製サンソフト750、モノエステル含量=97.5%)
*6 DHSAN:N,N−ジヒドロキシエチルステアリルアミン
*7 DHLAD:ラウリン酸ジエタノールアミド(花王(株)製アミノーンL−02)
*8 DG−MS:ジグリセリンセスキステアレート
表1に示すとおり、本発明の脂肪酸モノグリセライドは、比較例と比べて経時的な表面固有抵抗値の悪化を防止できていることがわかる。
【0039】
実施例8〜11及び比較例6〜9
MFR(JIS-K7210、190℃、2.16kg荷重)が2g/10分のポリエチレン(LLD−PE)100重量部に対し、帯電防止剤として表2に示す(a)成分、(b)成分あるいは比較の脂肪酸モノグリセライドの表2に示す量を配合し、樹脂組成物を得た。この組成物を190℃に設定した二軸押出機を用いてペレタイズし、230℃に設定したT−ダイ押出成形機により厚さ100μmのフィルムを作成し、下記方法で帯電防止性及び白化を評価した。結果を表2に示す。
【0040】
<帯電防止性の評価法>
フィルムを、直ちに25℃、50%RHの恒温恒湿室内に保管し、実施例1と同様に表面固有抵抗値を測定した。
【0041】
<白化の評価法>
フィルムを直ちに25℃、50%RHの恒温恒湿室内に保管し、実施例1と同様に白化を目視観察し、評価した。
【0042】
【表2】
【0043】
表中の*1、*2、*4〜*8は表1と同じ
表2に示すとおり、本発明の脂肪酸モノグリセライドは、比較例と比べて表面での白化や、経時的な表面固有抵抗値の悪化を防止できていることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、帯電防止性に優れ、かつ表面の白化や、経時的な表面抵抗値の悪化を防止することができる。また、凝集防止剤の添加量を低減することができるため、更に耐熱性にも優れ、臭気の問題もない。
Claims (6)
- 硬化パーム核油、硬化ヤシ油、及び該油脂由来のアルキル組成を有する炭素数6〜24の脂肪酸又はそのアルキル(アルキル基の炭素数1〜10)エステルから選ばれる1種以上と、グリセリンのアセタール化物とのエステル化反応物又はエステル交換反応物から脱アセタール化により誘導される、モノエステル含量が70重量%以上の脂肪酸モノグリセライドからなる帯電防止剤。
- 請求項1記載の脂肪酸モノグリセライド((a)成分という)と、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキル(アルキル基の炭素数12〜22)アミン、脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22)ジエタノールアミド、或いはポリグリセリン(グリセリン縮合度2〜4)脂肪酸(脂肪酸の炭素数12〜22)エステルからなる群から選ばれる1種以上((b)成分という)を含有する帯電防止剤組成物。
- (b)成分の配合量が、(a)成分1重量部に対し、1重量部以下である請求項2記載の帯電防止剤組成物。
- 熱可塑性樹脂に、請求項1記載の帯電防止剤を配合してなる帯電防止性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂に、請求項2記載の帯電防止剤組成物を配合してなる帯電防止性樹脂組成物。
- (a)成分の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部である請求項4又は5記載の帯電防止性樹脂組成物。
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