JP4808008B2 - 車両用エンジンのマウント構造 - Google Patents
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Description
図6に示すように、サイドメンバ1の所定位置には、エンジンを取付けるための支持プレート2が取付けられる。この支持プレート2はサイドメンバの中間部1bに、他方のサイドメンバ側に向かって突出するように取付けられる。この支持プレート2には上面から下面に向かって逆円錐状に形成されるガイド孔3aを備えた補助プレート3が積層接着され、ガイド孔3aの下方に位置する支持プレート2にはガイド孔と同軸状に図示しないボルト孔が形成される。
エンジンをシャシフレームに搭載する際には、クレーン等のフックにワイヤープ(いずれも図示せず)を介してエンジンを吊り下げ、シャシフレームの締結位置の上部まで搬送し、エンジンのマウント4をサイドメンバ1に設けられた支持プレート2に対応させるようエンジンの水平方向位置を調節し、更にマウント4のナット6を支持プレート3のガイド孔3aに合致させるよう微調節しつつエンジンを降下させる。
エンジンを降下させると、マウント4のナット6の先端部は、補助プレート3に形成された逆円錐状のガイド孔3aの壁面に摺接してガイドされ、マウント4を所定の締結位置に誘導して支持プレート3に載置させる。マウント4が支持プレート2に載置されたら、エンジンよりワイヤを外し、ボルト7を支持プレート2の下面よりボルト孔に挿通してナット6に締結することによりエンジンを固定し、搭載作業が完了する。
この点を解消するために、マウント4の縁部を摺接させてマウント4のナット6を補助プレート3のガイド孔3aへ誘導するガイド壁面2aを支持プレート2の前後に設けるエンジンのマウント構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このエンジンのマウント構造では、ガイド壁面2aがマウント4の前後における縁部を摺接させてナット6をガイド孔3aへ誘導するので、そのマウント4を支持プレート2の締結位置に確実に載置してエンジンの搭載作業の効率を向上させることができるものと期待されている。
本発明の目的は、設計の自由度を制限することなく、エンジンをサイドメンバの締結位置に確実且つ容易に載置して搭載作業の効率を向上させることができる車両用エンジンのマウント構造を提供することにある。
その特徴ある構成は、図1に詳しく示すように、支持プレート14の前端及び後端の双方に上方に向かう起立片14a,14aがそれぞれ形成され、突出部23bがその突出部23bに対向するガイド孔18aを通る車両の幅方向の線の上方に位置するときにマウント21が支持プレート14の前端に形成された起立片14aと支持プレート14の後端に形成された起立片14aの間に進入可能に構成され、突出部23bがその突出部23bに対応するガイド孔18aに対して車両の前後方向にずれたとき起立片14a,14aの上端縁に当接する第1傾斜部23dがマウント21の下部の前後にそれぞれ形成され、起立片14a,14aの上端縁に当接した第1傾斜部23dはマウント21の下降とともにマウント21を車両の前後に誘導して突出部23bをその突出部23bに対応するガイド孔18aを通る車両の幅方向の線の上方に位置させるように構成されたところにある。
この場合、起立片14a,14aは支持プレート14の前後の両端に上方に向かって形成されたのもであるので、起立片14a,14aが支持プレート14の前後を越えて前後に大きく張り出して形成することはない。このため、この起立片14a、14aが他の部材との緩衝を引き起こすおそれを考慮する必要はなく、それに伴って設計の自由度が制限されるようなことはない。
この請求項2に記載された車両用エンジンのマウント構造では、マウント21がマウント本体22に取付けられたブラケット23を有するので、例えば、エンジン13の改良等により、従来搭載していたエンジン13より小型のエンジン13が開発された場合に、そのブラケット23を変更するだけ、新たに開発された小型のエンジン13を従来のサイドメンバ12を含むシャシフレームに搭載することができ、そのサイドメンバ12を含む従来のシャシフレームの共有化を可能にして、シャシフレーム全体を設計変更するような事態を回避することができる。
請求項3に記載された車両用エンジンのマウント構造では、エンジン13を降下させるとき、ブラケット23における突出部23bの先端が支持プレート14におけるガイド孔18aに対して車両の幅方向にずれていると、幅方向調整リブ26の下部における第2傾斜部26aが鉛直板17又はサイドメンバ12の上端縁に当接する。その状態でエンジン13を更に下降させると、ブラケット23自体がエンジン13とともに第2傾斜部26aの傾斜に従って車両の幅方向に移動し、ブラケット23における突出部23bの先端を支持プレート14におけるガイド孔18aの上方に位置させて、車両の幅方向におけるエンジン13の位置を決定させることができる。
更に、支持プレートを鉛直板を介してサイドメンバに取付け、ブラケットに幅方向調整リブを鉛直板に向かって突出して設け、突出部の先端がガイド孔の前後方向の上方に位置するときに幅方向調整リブの先端縁が鉛直板に当接するように形成し、ブラケットを車両の幅方向に移動させる第2傾斜部を幅方向調整リブの下部に形成すれば、エンジンを降下させる際に突出部の先端がガイド孔に対して車両の幅方向にずれたとき、第2傾斜部が鉛直板又はサイドメンバの上端縁に当接する。その状態でエンジンを更に下降させると、ブラケット自体がエンジンとともに第2傾斜部の傾斜に従って車両の幅方向に移動し、ブラケットにおける突出部の先端をガイド孔の上方に位置させて、車両の幅方向におけるエンジンの位置を決定させることができる。
図5に示すように、車両の骨格を形成するシャシフレーム11は、車両の前後方向に延び車両の幅方向に所定の間隔をあけて設けられた一対のサイドメンバ12,12を備える。このサイドメンバ12の断面形状は、上部12a、中間部12b及び下部12cからなるコの字状に形成され、一対のサイドメンバ12,12はコの字状の開放側が互いに向かい合うよう左右一対に形成される。エンジン13は、この一対のサイドメンバ12,12の間に挿入されてこの一対のサイドメンバ12,12に取付けられる。一対のサイドメンバ12のエンジン側のそれぞれにはエンジン13を取付けるための水平な支持プレート14が設けられる。図示しないが、片側のサイドメンバ12には車両の前後方向に所定の間隔をあけて支持プレート14が一対設けられ、エンジン13は左右一対のサイドメンバ12,12にそれぞれ設けられた全部で4枚の支持プレート14を介して取付けられる。そのために、エンジン13の側部にはその支持プレート14に対向するマウント21が取付けられる。
エンジン13をシャシフレーム11に搭載する際には、図示しないクレーン等のフックにワイヤープを介してエンジン13を吊り下げ、一対のサイドメンバ12,12の間における締結位置の上部まで搬送し、エンジン13のマウント21をサイドメンバ12に設けられた支持プレート14に対応させるようエンジン13の水平方向位置を調節しつつエンジン13を降下させる。
エンジン13が支持プレート14を介してサイドメンバ12に載置されたら、エンジン13より図示しないワイヤを外し、図3に示すようにボルト27を支持プレート14の下面より取付孔14b,18b挿通してブラケット23に形成されたねじ孔23cに締結することによりエンジン13を固定し、搭載作業が完了する。
また、マウント21における突出部23bをガイド孔18aに直接合わせるという狭い範囲内でのエンジン13の位置合わせを不要にすると共に、エンジン13のマウント21を支持プレート14の範囲内という大きな範囲内にエンジン13の位置合わせをすれば良いので、エンジン13の水平方向で且つ長手方向の前後位置を目視により合わせる搭載作業を容易にし、作業効率を向上させることができる。
更に、この実施の形態では、マウント21がエンジン13側に固定されたマウント本体22とマウント本体22に取付けられ突出部23bと第1傾斜部23dが形成されたブラケット23を有するので、例えば、エンジン13の改良等により、従来搭載していたエンジン13より小型のエンジン13が開発された場合に、そのブラケット23を変更するだけの比較的簡単な設計変更で、新たに開発された小型のエンジン13を従来のサイドメンバ12を含むシャシフレームに搭載することができ、そのサイドメンバ12を含む従来のシャシフレームの共有化を可能にして、シャシフレーム全体を設計変更するような事態を回避することができる。
13 エンジン
14 支持プレート
14a 起立片
17 鉛直板
18 補助プレート
18a ガイド孔
21 マウント
22 マウント本体
23 ブラケット
23b 突出部
23d 第1傾斜部
26 幅方向調整リブ
26a 第2傾斜部
Claims (3)
- 車両の前後方向に延び車両の幅方向に所定の間隔をあけて設けられた一対のサイドメンバ(12,12)の間にエンジン(13)が挿入され、前記一対のサイドメンバ(12,12)のエンジン側のそれぞれに支持プレート(14)が設けられ、前記エンジンの側部に前記支持プレート(14)に対向するマウント(21)が取付けられ、前記支持プレート(14)の上面に逆円錐状のガイド孔(18a)が形成され、前記マウント(21)を下降させて前記マウント(21)から突出する突出部(23b)を前記ガイド孔(18a)に挿入させることにより前記エンジン(13)を位置決めする車両用エンジンのマウント構造において、
前記支持プレート(14)の前端及び後端の双方に上方に向かう起立片(14a,14a)がそれぞれ形成され、
前記突出部(23b)がその突出部(23b)に対向するガイド孔(18a)を通る車両の幅方向の線の上方に位置するときに前記マウント(21)が前記支持プレート(14)の前端に形成された前記起立片(14a)と前記支持プレート(14)の後端に形成された前記起立片(14a)の間に進入可能に構成され、
前記突出部(23b)がその突出部(23b)に対応するガイド孔(18a)に対して車両の前後方向にずれたとき前記起立片(14a,14a)の上端縁に当接する第1傾斜部(23d)が前記マウント(21)の下部の前後にそれぞれ形成され、
前記起立片(14a,14a)の上端縁に当接した前記第1傾斜部(23d)は前記マウント(21)の下降とともに前記マウント(21)を車両の前後に誘導して前記突出部(23b)をその突出部(23b)に対応するガイド孔(18a)を通る車両の幅方向の線の上方に位置させるように構成された
ことを特徴とする車両用エンジンのマウント構造。 - マウント(21)がエンジン(13)側に固定されたマウント本体(22)と前記マウント本体(22)に取付けられ突出部(23b)と第1傾斜部(23d)が形成されたブラケット(23)を有し、前記突出部(23b)がその突出部(23b)に対向するガイド孔(18a)を通る車両の幅方向の線の上方に位置するときに前記ブラケット(23)が支持プレート(14)の前端に形成された起立片(14a)と前記支持プレート(14)の後端に形成された起立片(14a)の間に進入可能に形成された請求項1記載の車両用エンジンのマウント構造。
- 支持プレート(14)が前後方向に延びる鉛直板(17)を介してサイドメンバ(12)に取付けられ、
ブラケット(23)に幅方向調整リブ(26)が前記鉛直板(17)に向かって突出して設けられ、
突出部(23b)の先端がガイド孔(18a)を通る車両の前後方向の線の上方に位置するときに前記幅方向調整リブ(26)の先端縁が前記鉛直板(17)に当接するように形成され、
前記突出部(23b)の先端が前記ガイド孔(18a)に対して車両の幅方向にずれたとき前記突出部(23b)の先端が前記ガイド孔(18a)を通る車両の前後方向の線の上方に位置するように前記鉛直板(17)又は前記サイドメンバ(12)の上端縁に当接して下降する前記ブラケット(23)を車両の幅方向に移動させる第2傾斜部(26a)が前記幅方向調整リブ(26)の下部に形成された請求項2記載の車両用エンジンのマウント構造。
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