JP4807481B2 - 識別表示を有する粘着シートまたはテープ - Google Patents

識別表示を有する粘着シートまたはテープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は識別表示を有する粘着シートまたはテープに関する。より詳しくは本発明は、当該の粘着シートまたはテープ製品に関する情報である製品形状、用途または貼着対象物に関する情報等のエンボス加工による識別表示を有する粘着シートまたはテープ、その製法および用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
布、セロハン、クラフト紙またはプラスチックからなる支持体(基材とも呼ばれる)の片面または両面に粘着剤を塗布したもののうち、比較的幅の広いものは粘着シート、そして比較的幅の狭いものは粘着テープと呼ばれ、いずれも包装、封緘、器具類の保護、結束用、各種表面の保護、物品貼着用等非常に広範囲に利用されている。
これら粘着シートまたはテープの用途によっては、包装内容物の表示や注意喚起の目的で識別表示を有する必要があるが、この識別表示は、従来、印刷により行われることがほとんどであった。しかしながら、支持体が紙である場合、印刷は比較的容易であるものの、布やプラスチック等の場合の印刷は難しく、可能であっても、作業工程が増え、また有機溶剤等の使用により作業環境が悪化し、しかもコストが嵩むという問題があった。
例えば、塗装用マスキングフィルムのうち、広い面積箇所をマスキングするためのフィルムは折りたたんだ上、紙管上に巻回してロール体とし、塗装対象物への貼着のための粘着テープを上記フィルムの一端縁に粘着剤層の一部を未貼合のまま残して貼合したものが、近年主流となっている。しかし、このようなロール形状の塗装用マスキングフィルムはコンパクトであるものの、塗装現場では各種様々の大きさのロール体を持込み作業をすることがほとんどであり、全体の寸法を即座に識別できず、不便なことが多く、ひいては作業性の低下を来す原因となっている。このような不具合を解決するため、従来はフィルム面、紙管または粘着テープへの必要な情報の印刷が行われてきた。しかしながら、この中でフィルム面への印刷の場合、該フィルムが紙や不織布である場合、比較的問題がないものの、現在最も繁用されているポリオレフィン系樹脂フィルムの場合、極性基が少なく、結晶化度も高く、印刷インキに対して親和性が低いため、印刷に先立ち、コロナ放電処理、フレーム処理、プライマー処理等による前処理を予め施して樹脂表面を改善し親和性を向上させる必要がある。例えば、本出願人が出願し、既に特許を得ている特許第2673667号公報には、チューブラーフィルム内外面にコロナ放電処理を施し、その外面に必要な印刷を行い、該チューブラーフィルムを折りたたみ、切り開いてなる塗装用マスキングフィルムが開示されている。しかし、これは印刷に先立ってコロナ放電処理が必要であるため、製造工程上、必ずしも有利ではなかった。また、紙管や粘着テープへの印刷も提案され、既に市販されているが、前者の紙管の場合、該紙管の上に折りたたまれたフィルムが多重に巻回されているため紙管上の情報の目視が困難となることがあり、また、後者の粘着テープの場合は粘着剤により印刷が剥離する等の不具合があった。さらに、上記のいずれの部材への印刷の場合であっても、上記したように有機溶媒を用いる印刷工程が必要であり、製造作業環境の悪化を招き、しかもコスト高となる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況を考慮してなされたものであり、粘着シートやテープに関する情報、すなわち当該シートやテープ自体の種類や用途、またはそれが適用される側(貼着対象物)の種類や用途、その他適用に際して注意を喚起する文言や記号等が印刷によることなく、安全かつ容易に、しかも低コストの手段で付与された粘着シートまたはテープおよびそれらの製法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エンボス加工により、粘着シートまたはテープ製品に関する情報をその表面上に、比較的容易な作業で表現し得、しかもその情報が使用中に粘着剤の作用等により消失したりすることがないことを見出し、さらに検討を加え、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は以下の粘着シートまたはテープおよびそれを製造するための方法に関するものである。
(1)支持体の片面に粘着剤が塗布された粘着シートまたはテープであって、上記支持体はエンボス加工により施された上記粘着シートまたはテープに関する情報を有することを特徴とする粘着シートまたはテープ。
(2)支持体が合成樹脂、紙または布からなるか、またはそれらの積層体である上記(1)の粘着シートまたはテープ。
(3)粘着シートまたはテープに関する情報が該シートまたはテープの寸法、名称、用途、提供関連者または貼着対象物に関する情報の少なくとも1種を示す文字、数字もしくは模様またはそれらの組合せである上記(1)または(2)の粘着シートまたはテープ。
(4)塗装用マスキングフィルムを塗装対象物に貼着するための上記(1)ないし(3)のいずれかの粘着テープ。
(5)塗装用マスキングフィルムに関する情報がエンボス加工により施された上記(4)の粘着テープ。
(6)支持体の片面に粘着剤が塗布された粘着シートまたはテープの製造方法であって、上記支持体に上記粘着シートまたはテープに関する情報をエンボス加工により施し、そしてエンボス加工を施した支持体の片面に粘着剤を塗布することからなる粘着シートまたはテープの製造方法。
(7)支持体の片面に粘着剤が塗布された粘着シートまたはテープの製造方法であって、上記支持体の片面に粘着剤を塗布し、そして粘着剤を塗布した支持体に上記粘着シートまたはテープに関する情報をエンボス加工により施すことからなる粘着シートまたはテープの製造方法。
(8)上記(6)または(7)の方法により製造した粘着シートをロール状に巻回し、この粘着シートロール体を所定の幅で輪切りにすることからなる粘着テープの製造方法。
また本発明は以下のマスキングフィルムロール体の製造方法に関するものである。
(9)フィルムの端縁に粘着テープを貼着し、それと同時にフィルム部分をさらに折たたんだものを紙管に巻回することを含むマスキングフィルムロール体の製造方法であって、
支持体の片面に粘着剤が塗布されもう一方の面に剥離剤が塗布されてなる粘着テープを、粘着剤が塗布された側の面の一部がフィルムの端縁に貼合できる状態において供給する工程
該粘着テープをマスキングフィルムに貼着し該フィルムに関する情報を付与する工程であって、該粘着テープのマスキングフィルムの端縁への貼着前に、該支持体に該マスキングフィルムに関する情報をエンボス加工により施す工程、
上記粘着テープが貼着されたマスキングフィルムを巻回する工程、
を含む、マスキングフィルムロール体を製造することを特徴とする方法
(10)フィルムの端縁に粘着テープを貼着し、それと同時にフィルム部分をさらに折たたんだものを紙管に巻回することを含むマスキングフィルムロール体の製造方法であって、
支持体の片面に粘着剤が塗布されもう一方の面に剥離剤が塗布されてなる粘着テープを、粘着剤が塗布された側の面の一部がフィルムの端縁に貼合できる状態において供給する工程、
該粘着テープをマスキングフィルムに貼着し該フィルムに関する情報を付与する工程であって、該粘着テープのマスキングフィルムの端縁への貼着の際に、該支持体に該マスキングフィルムに関する情報をエンボス加工により施す工程、
上記粘着テープが貼着されたマスキングフィルムを巻回する工程、
を含む、マスキングフィルムロール体を製造することを特徴とする方法。
(11)フィルムの端縁に粘着テープを貼着し、それと同時にフィルム部分をさらに折たたんだものを紙管に巻回することを含むマスキングフィルムロール体の製造方法であって、
支持体の片面に粘着剤が塗布されもう一方の面に剥離剤が塗布されてなる粘着テープを、粘着剤が塗布された側の面の一部がフィルムの端縁に貼合できる状態において供給する工程、
該粘着テープをマスキングフィルムに貼着し該フィルムに関する情報を付与する工程であって、該粘着テープのマスキングフィルムの端縁への貼着後に、該支持体に該マスキングフィルムに関する情報をエンボス加工により施す工程、
上記粘着テープが貼着されたマスキングフィルムを巻回する工程、
を含む、マスキングフィルムロール体を製造することを特徴とする方法。
(12)前記粘着テープに施された情報が該マスキングフィルムに関する情報であって、
マスキングフィルムの種類を区別するための少なくとも1種を示す文字、数字もしくは模様またはそれらの組み合わせである上記(9)乃至(11)項記載の方法。
【0006】
本発明の粘着シートまたはテープは該シートまたはテープに関する情報がエンボス加工により施されていることを特徴とするものであるが、ここで、粘着シートまたはテープに関する情報とは、当該粘着シートまたはテープの製品形状(寸法、例えば全長等)、名称(商品名,製品コード等)、用途(例えば包装,封緘,保護,結束等)、提供関連者に関する情報(例えば製造業者名,販売者名もしくは使用者名またはそれらを示すマーク等)、貼着対象物、すなわち適用される側の情報〔例えば塗装用マスキングフィルムを貼着するための粘着テープの場合:折りたたまれた当該マスキングフィルムの全幅,建築用または自動車用等の用途,提供関連者名(例えば製造業者名,販売者名,使用者名,施工者名等);段ボール箱封緘用の場合:内容物名〕等を示す文字、数字および/または模様等の組合せからなる、当該粘着シートまたはテープ製品を識別することができる表示(識別表示)を意味する。具体的には、粘着シートまたはテープ自体に関する情報として、全長を示すm数、例えば「50」または「100」等の数字列、用途、例えば封緘用であることを示す「フウカン」、結束用であることを示す「BIND」等の文字列の他、折りたたみ、ロール体をなす塗装用マスキングフィルムに貼合される粘着テープに対しては該マスキングフィルムを展開したときの全幅のmm数、例えば「300」、「500」、「1000」または「2400」等の数字列、当該製品の提供関連者名、例えば「YOSHINO」、「ヨシノ」、「吉野化成」等の文字列、提供関連者を示す模様(例えば製造業者や使用業者の会社のマーク等)、さらには段ボール箱封緘用の場合、段ボール箱内容物が生鮮食品であることを示す「生もの」、ガラス製品等壊れやすいものであることを示す「ワレモノ」等の文字列、またはそれらの組合せをエンボス加工により施すことにより情報付与が行われ得る。なお、上記数字、文字または模様は、エンボスによる個々の紋を1字または1つの模様に割当て、上記の「300」や「YOSHINO」等の数字・文字列、会社のマーク等が表現されるようにしても、またエンボスには慣用の紋、例えば亀甲、格子、絹目、ダイヤ、玉虫、麻目、梨地、しぶき、すじ、長方形等によりシートまたはテープ面に上記の情報が表現されるようにしてもよい。上記エンボス加工はシートまたはテープの少なくとも一部に施されていればよく、シートまたはテープ全面に対するエンボス加工を施した面積の割合は、特に制限されないが、エンボス加工により識別表示を行うという本発明の目的から、シートまたはテープ全面に対して半分以上であることが好ましく、ほぼ全面にエンボス加工を施すことが特に好ましい。
エンボス加工は、上記のように粘着シートまたはテープに関する情報が該シートまたはテープ面に表現されるように、例えば適当な表面粗度を有するチルロールとプレッシャーロールとの間に被加工シートまたはテープを通すことにより行われ得る。そこで本発明は、被加工シートまたはテープに上記のようなエンボス加工による情報を付与し得るようなチルロールとプレッシャーロールとからなるエンボス加工装置にも関するものである。
エンボス深さ(JIS B0601に準拠して測定)は、フィルム厚さの1/2以下、好ましくは1/4以下であり、その下限は1/10である。エンボスが深すぎると、シートまたはテープが薄くなりすぎ、強度が低くなり、望ましくない。逆に、エンボスが浅すぎると、エンボス効果が発現せず望ましくない。
本発明において、上記紋の大きさは特に限定されないが、通常は0.5ないし30mmであり、好ましくは2ないし20mmである。これは0.5mm未満では付与される情報の識別が困難になり、30mmを越えるとエンボス加工が十分に施されない等、望ましくないことがあることによる。
また、本発明におけるエンボス紋様は凹版型であっても、凸版型で合ってもよい。
なお、エンボス加工を施した塗装用マスキングフィルムは、本出願人が既に開発し出願し、特許第2610226号として特許を得ているが、該特許公報には、エンボス加工による、塗料の付着性および付着量の改善、塗装面への貼着作業の改良、美観の向上については記載されているものの、本発明のようなエンボス加工による識別表示および粘着シートまたはテープについては何ら教示も示唆もされていない。
【0007】
本発明の粘着シートまたはテープは、基材とも呼ばれる支持体の片面に粘着剤を塗布したもので、感圧シートまたはテープとも呼ばれ、所望に応じロール状に巻回して製品とされ、比較的幅の広いもの、一般に幅20cmを越えるものは粘着シート、そして比較的幅の狭いもの、一般に幅20cm以下のものは粘着テープと分類される。ロール体とする場合、支持体の粘着剤層が塗布された反対側の面には通常、剥離剤、例えばシリコーン樹脂またはフッ素樹脂が塗工され、巻き戻しを容易にし、粘着剤が下層の支持体表面に移行するのを防止する。
本発明における支持体は、それ自体に、または粘着剤層および場合により剥離剤を塗布したものにエンボス加工が施され、該エンボス紋が所定期間消失しないような材質であれば特に制限されず、あらゆるものが使用され得るが、合成樹脂、紙または布からなるか、またはそれらの積層体であることが好ましい。積層体としては、異なる合成樹脂同士のもの等の他、合成樹脂/紙、合成樹脂/布、紙/布や合成樹脂、紙、布3種の積層体等が挙げられる。
合成樹脂としてはポリオレフィン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高圧法低密度ポリエチレン,ポリプロピレン,直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体等)、ポリ塩化ビニル、アセテート等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂の中では強度、横切れ性、取扱い性、加工性、耐熱性等にすぐれるという理由から高密度ポリエチレンが好ましい。合成樹脂が支持体として使用される場合、粘着シートまたはテープの支持体としての物性を損なわない範囲で各種の添加剤、例えば生分解性樹脂、光分解性樹脂、生分解性付与剤、光分解性付与剤、無機フィラーの他、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、浴剤吸収剤、消臭剤、芳香剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤等を配合してもよい。
【0008】
生分解性樹脂としては、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸またはポリヒドロキシブチレート等、脂肪族共重合ポリエステル、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール等が挙げられ、そして光分解性樹脂としては、エチレン−一酸化炭素共重合体、ポリケトン、例えばビニルケトン共重合体等が挙げられる。
生分解性樹脂および/または光分解性樹脂が配合される場合、その配合量は特に限定されないが、合成樹脂100重量部に対して約100重量部までであることが好ましい。これは、それ以上配合しても、配合されるそれぞれの樹脂による性能向上がないか、少なく、経済的でないことによる。
また、生分解性付与剤としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等の単糖類、マルトース、ラクトース、スクロース等の二糖類、デンプン、デキストリン、セルロース、イヌリン、アガロース、フルクタン等の多糖類、キチン、キトサン、アミカシン、シソマクシン等のアミノ糖、アルドース、ケトース、ヘプトース等の還元糖、デトリトール、ペンチトール等の糖アルコール等を挙げることができる。入手しやすく、価格も安いデンプンおよびその誘導体が、それらを含むシートやテープが製造しやすく、その性能が高く、しかも生分解性が良好であるという点で好ましい。
生分解性付与剤の配合量は、得られるシートやテープが生分解性を有するものであれば、特に制限されず、用いる生分解性付与剤の種類やシートまたはテープの用途等により、広範囲に変化するが、通常合成樹脂との組成物100重量%中、生分解性付与剤が1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%となるように配合する。特に、デンプンまたはその誘導体が生分解性付与剤として配合される場合、その配合量は樹脂組成物100重量%に対し、5〜70重量%、好ましくは6〜50重量%、特に7〜20重量%である。デンプンまたはその誘導体は5重量%以上であれば、その量の増加に従い生分解性が増大し、70重量%を越えると合成樹脂の物性低下が著しく、シートまたはテープとしての実用に適当でなくなる場合がある。
また、光分解性付与剤、一般に感光性試薬とも呼称される添加剤、例えばカルボニル基を有する光増感剤(ベンゾフェノン,アセトフェノン,アントラキノン等)または金属化合物(有機酸の金属塩等)等を配合することにより、生分解性に加え、光分解性を付与し、廃棄後のシートまたはテープの分解を促進させることもできる。光分解性付与剤を含むならば、シートまたはテープが廃棄された土中または水中に該シートまたはテープを分解する微生物が少ない場合でも、また、該土中または水中から廃棄シートまたはテープが地上または水上に出てしまった場合でも、シートまたはテープの分解は速やかに進行する。このため、本発明の好ましい態様において、粘着シートまたはテープは、生分解性付与剤の他に光分解性付与剤を配合した樹脂組成物から製造される。
光分解性付与剤の具体例として以下のものを挙げることができる:鉄ジエチルジチオカルバメート、マンガンジエチルジチオカルバメート、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、亜鉛ジイソプロピルジチオホスフェート、1,4−ベンゾキノン、ベンジリデンフタライド、β−〔シアノベンジリデン〕フタライド、N−o−フェニル−3−ベンジリデンフタロイミジン、アントラキノンおよびその誘導体、ベンゾフェノンおよびその誘導体、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、1,2−ジベンゾイルエチレン、ジベンゾイルベンゼン、ジトルイルベンゼン、インダンジオン、インダノン、クマラノン、脂肪酸金属塩(例;酢酸コバルト,酢酸ニッケル,ラウリル酸ニッケル,ステアリン銅,ステアリン酸第二鉄,ステアリン酸亜鉛等)、鉄アセチルラクトネート、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等から選択される1種または2種以上の組合せ。
光分解性付与剤の配合量は、意図する光分解性により異なるが、通常、合成樹脂との組成物100重量%中、光分解性付与剤が0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜10重量%となるように配合する。
本発明において、無機フィラーの種類は特に制限されないが、価格、物性、色相等の点から炭酸カルシウム、タルク、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレイ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、シリカまたはゼオライト等が望ましく、特に炭酸カルシウムが好ましい。また、無機フィラーの表面は極性を帯びており、無極性の高密度ポリエチレン等の合成樹脂とは親和性が悪いため、該無機フィラーを高級脂肪酸またはその金属塩、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニム系カップリング剤等で表面処理することは、上記樹脂との親和性を高め、均一な品質のシートまたはテープを得るために寄与するので好ましい。
無機フィラーは合成樹脂100重量部に対して50重量部まで配合することが好ましい。これは、50重量部を越えるとシートまたはテープの製造が困難となることがあることによる。
本発明において、合成樹脂に、上記したような生分解性樹脂、光分解性樹脂、生分解性付与剤、光分解性付与剤および無機フィラーの他、自動酸化剤、酸化油または金属塩、金属酸化物もしくは金属水酸化物等を添加することにより、シートまたはテープの土中や水中での分解をさらに促進することができる。これらのその他の添加剤の配合量は本発明の目的を損なわない範囲で行われることはいうまでもない。自動酸化剤としてはオレイン酸またはそのエステル等の炭素−炭素二重結合を有する合成樹脂の酸化分解を促進させる物質、酸化油としては動物油(牛脂,豚脂,乳脂等)や植物油(ナタネ油,コーン油,ヒマワリ油,ベニバナ油等)を酸化させたもの、そして金属塩、金属酸化物または金属水酸化物としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、マンガンまたは鉄等の無機酸塩(硫酸塩,塩酸塩,炭酸塩等)もしくは有機酸塩(カルボン酸塩等)や、酸化物、水酸化物等を挙げることができる。
【0009】
本発明における粘着剤は粘着シートやテープに慣用のものがそのまま使用できる。例えばアクリル系、ポリイソブチレン、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、ポリビニルブチラール等が挙げられ、使用される支持体の種類や粘着シートまたはテープの目的とする用途等に応じ適宜選択される。
本発明の粘着シートまたはテープの支持体として合成樹脂またはそれを含む積層体を用いた場合であって、高い手切れ性等が特に要求されるならば、該支持体に延伸処理を施したり、合成樹脂に上記無機フィラーを配合することにより目的が達成される。さらに無機フィラーを配合した合成樹脂支持体に、コロナ処理を50〜3000W/m2 /分の放電処理量範囲から適宜選択して適用することにより、支持体に紙様または布様の風合いや、通気性や透湿性を付与することができる。
本発明の粘着シートまたはテープの識別表示機能は上記したようにエンボス加工により十分に果たし得るが、印刷をさらに行ってもよいことはいうまでもない。例えば「塗装中」「火気厳禁」「ペンキ乾燥中」等、注意を促す文言やマーク、商品価値や環境美化の向上を目的とする文字、マーク、模様等の印刷を挙げることができる。このような印刷を行う面にはインキ付着性の向上のため前記のコロナ放電処理を施すことが好ましいが、この際のコロナ放電処理量は通常30〜40W/m2 /分で十分である。
【0010】
本発明の粘着シートまたはテープは、例えば以下のいずれかの方法により製造できる:
(a)支持体に粘着シートまたはテープに関する情報をエンボス加工により施し、その後該支持体の片面に粘着剤を塗布する;
(b)支持体の片面に粘着剤を塗布し、その後該支持体に粘着シートまたはテープに関する情報をエンボス加工により施す。
上記aまたはbいずれの方法においても、支持体の片面には粘着剤を塗布するが、支持体のもう一方の面には通常剥離剤が塗布される。なお、粘着シートまたはテープの製品形状としてロール体をとらない場合、すなわち板状の粘着シートまたは短冊状の粘着テープとする場合、上記剥離剤は必ずしも必要なく、その代わり粘着剤層表面には剥離紙が通常適用され、使用時まで不所望の箇所への粘着が防止される。また、いずれの方法を選択するかは、使用される支持体の材質等により適宜選択される。例えば、合成樹脂や紙からなる支持体の場合、一般的には先にエンボス加工が施され、その後に粘着剤が塗布され(上記a法)、一方、布等が支持体の場合、通常、先に粘着剤および所望に応じて剥離剤が塗布され、その後エンボス加工が施される(上記b法)。
さらに、比較的幅の狭い粘着テープは、上記aまたはbのいずれかの方法で製造された比較的幅の広い粘着シートをロール状に巻回し、この粘着シートロール体を所定の幅で輪切りにすることにより、容易に製造され得る。
本発明の粘着シートまたはテープを他の部材に貼着して製品とする場合、上記aまたはbいずれかの方法で製造された粘着シートまたはテープを適用し得ることはもちろんであるが、エンボス加工前の粘着シートまたはテープを他の部材に貼着直前、貼着中または貼着後に所望のエンボス加工を施してもよい。例えば、塗装用マスキングフィルムに粘着テープを貼着して塗装用マスキングフィルムロール体を製造する場合、原反ロールと呼ばれるチューブラーフィルムを長手方向に折りたたんだものの一ヶ所を長手方向に切り開き、その端縁に粘着テープを未貼合部を残して貼着し、それと同時に必要に応じてマスキングフィルム部分をさらに折りたたみ、これを紙管等に巻回することにより行われている。通常、原反ロールの種類は塗装用マスキングフィルムロール体の製造中頻繁に交換されるが、粘着テープはほとんど同じ種類のものが使用される。この際に、エンボス加工前の粘着テープを供給し、マスキングフィルムへの貼着直前、貼着中または貼着後に意図するエンボス加工を施すこともできる。ここで、エンボス加工による情報が貼着対象物、すなわちマスキングフィルムに関する情報、例えばその全幅を示す数字列等である場合、原反ロールの種類が変わっても(例えば全幅が1000mmから2000mmへ)、供給する粘着テープはそのままで情報をエンボス加工するための装置(ロール等)を変更するだけで対応でき、マスキングフィルムに関する正確な情報を有する粘着テープの該フィルムへの貼合を容易かつスムーズに行うことができる。
また、このように粘着シートまたはテープが他の部材に貼着されてなる製品の製造時にエンボス加工を施す方法は、該シートまたはテープの有するエンボスによる情報が他の部材に関するものである場合に、ある部材用の粘着シートまたはテープが上記製品の製造中に足りなくなったり、または逆に余ったりすることがないことも、有利な点の一つである。
従って、本発明は、粘着シートまたはテープを他の部材に貼着する前、貼着中または貼着後に、上記粘着シートまたはテープに関する情報、好ましくは貼着対象物である他の部材の情報をエンボス加工により施すことからなる、粘着シートまたはテープが貼着された製品の製造方法にも関する。
特に、本発明は、粘着テープを塗装用マスキングフィルムに貼着してなる塗装用マスキングフィルムロール体の製造方法であって、該貼着前、貼着中または貼着後に、上記マスキングフィルムに関する情報(例えば展開した場合の全幅を示す数字例,用途等)をエンボス加工により施すことからなる、上記製造方法にも関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着シートまたはテープは、シートまたはテープ表面にエンボス加工による製品の情報(製品の全長,用途,貼着対象物の情報等)が付与されているので、製品の識別が極めて容易なものであり、しかも支持体と粘着剤との接着力(および使用する場合は剥離剤と支持体との接着力)が高く粘着シートまたはテープとしての本来の性能も優れている。
特に、本発明の粘着テープは、折りたたまれ紙管等の管状体に巻きつけてロール体とされる塗装用マスキングフィルムの端縁に貼着される粘着テープとして使用される場合に、エンボス加工による識別表示を前記マスキングフィルムに関する情報(例えば巻き戻して拡げた場合の全幅,用途等)とすることにより、そのマスキングフィルムロール体を手にした時、直ちに該ロール体に関する情報を知ることができる。このロール体の粘着テープは該ロール体を使い切るまで常に最も外側に位置しているので、最も内側にある紙管への印刷や折りたたまれたフィルムへの印刷に比べ、情報の認識の速度や正確さは格段に優れている。
また、本発明の粘着シートまたはテープは上記の塗装マスキングフィルムの貼着用のみならず、その他の用途、例えば包装、封緘、器具類の保護、結束等の他、場所の表示や商品の説明等のために表面材料として好適に使用される。
【0012】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
密度0.950g/ml、メルトインデックス2.0g/10分の高密度ポリエチレンを190℃でダイより押出し、ブロー比4.5、巻取速度50m/分の条件で空冷インフレーション法により、厚さ80μm、折り径50mmのチューブラーフィルムを得た。該チューブラーフィルムの中央部に、薄いカミソリ刃で長手方向に平行に切れ目を入れ、次いで展開し、一枚の平坦なシートとし、これを支持体とした。
この支持体の全面に、深さ15μmで、1文字の大きさが15mm×15mmの数字列「500」を、各数字列の間隔を10mmとし、フィルム長手方向に沿ってエンボス加工を施した。
次にこのエンボス加工を施した支持体の一方の面にアクリル系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン剥離剤を塗布し、ロール体に巻回し、粘着シートロール体を得た。
この粘着シートロール体を幅20mm毎に輪切りにすることにより粘着テープロール体とするが、この時、エンボスによる「500」の文字列1列が各テープロール体に収まるようにした。
得られた粘着テープを、ポリオレフィン系樹脂から製造した折り径250mmのチューブラーフィルムを長手方向に折りたたみ1ヵ所を長手方向に切り開いたフィルムの一端部に上記粘着テープの粘着剤面の一部がフィルム面と重なるように貼合し、これを紙管にロール状に巻回して塗装用マスキングフィルムロール体とした。
得られた粘着テープおよび塗装用マスキングフィルムロール体をそれぞれ図1および2に示す。粘着テープ1には折りたたまれたマスキングフィルムを拡げた際の全幅のmm数を示す「500」の文字列による情報eがエンボス加工されており、そのテープ1が端縁に貼合されたマスキングフィルムロール体5はフィルム6が折りたたまれ紙管7に巻回された状態でも、その全幅を即座に認識できる。また、粘着剤2および剥離剤4は支持体3に、エンボス紋によるアンカー効果により強固に結合されており、使用時(ロール体からの巻き戻しの際)も使用後(貼着対象物から剥がす場合)も支持体3から脱落することはなかった。さらに、長期間保存した後、使用した場合でもそのような脱落は観察されなかった。
なお、上に示した例では反復する「500」の文字列1列をテープ全幅にわたって施したが、図3に示すように複数列の文字列を刻印しても、図4に示すように文字以外の部分、いわゆる地の部分にエンボス加工を施しても、さらには図5に示すように文字部分と地の部分とで異なるエンボス加工を施してもよい(図5には文字部分により大きく深い紋が形成されている例を示す)。
実施例2
幅200mmの布テープ用支持体の一方の面にSBR系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン系剥離剤を塗布した後、全面に、深さ20μmで、1文字の大きさが15mm×15mmの数字列「500」を、各数字列の間隔を10mmとし、フィルム長手方向に沿ってエンボス加工を施した。
この粘着シートロール体を幅20mm毎に輪切りにして粘着テープロール体とするが、この時、エンボスによる「500」の文字列1列が各テープロール体に収まるようにした。
得られた粘着テープは実施例1における場合と同様の塗装用マスキングフィルムに貼合するために使用され、実施例1のものと同様の効果を示し、しかも手切れ性が特に良好であった。
実施例3
幅200mmの布テープ用支持体の一方の面にSBR系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン系剥離剤を塗布した後、ロール体に巻回して粘着シートロール体を得、次いで、この粘着シートロール体を幅20mm毎に輪切りにして粘着テープロール体とする。
得られた粘着テープを、ポリオレフィン系樹脂から製造した折り径250mmのチューブラーフィルムを長手方向に折りたたみ1ヵ所を長手方向に切り開いたフィルムの一端部に上記粘着テープの粘着剤面の一部がフィルム面と重なるように貼合し、これを紙管にロール状に巻回して塗装用マスキングフィルムロール体とするが、この貼合直前において粘着テープは、その長手方向に「500」の数字列(上記折りたたまれたマスキングフィルムの全幅のmm数)がエンボス加工されるようにチルロールとプレッシャーロールとの間を通過させる。なお、上記エンボスは深さ20μm、1文字の大きさ15mm×15mm、各数字列の間隔10mmとした。
本実施例で得られた塗装用マスキングフィルムロール体は実施例1のものと同様の効果を示し、しかも粘着テープの手切れ性が特に良好であった。また、塗装用マスキングフィルムの種類を変更する場合、変更後のマスキングフィルムの情報を刻印するエンボス加工のための一方のロールを変更するだけで対応できるため、製造ラインの変更をスムーズに行うことができた。
なお、本実施例ではマスキングフィルムへの貼合直前に粘着テープにエンボス加工を施したが、貼合中または貼合後に行っても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
実施例4
幅500mmのクラフト紙(支持体)の全面に、深さ20μmで1文字の大きさが20mm×20mmの文字列「ワレモノ」を、各文字列の間隔を20mmとしてエンボス加工した。なお、エンボス加工による文字列はある列のものに対し、その隣の列のものが180度回転しているようにした。すなわち、1列毎に文字列が逆転するものとした。
次にエンボス加工後の支持体の一方の面にアクリル系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン剥離剤を塗布し、ロール体に巻回し、粘着シートロール体を得た。
得られた粘着シートを図6に示す。エンボス加工による「ワレモノ」の文字列からなる情報eが目視でき、このシート8をガラス器具、瀬戸物等を保護するために用いることにより、保護対象物がワレモノであることを外部から即座に認識できる。また、文字列が1列毎に逆転しているので、使用の際のシートの方向に関係なく文字列を容易に判別できる。さらに、支持体と粘着剤および剥離剤との結合は強固であり、長期間保管後でも、使用中および使用後に不具合を生じることはなかった。
実施例5
図7に示す紙を支持体とする粘着テープ1は以下のようにして製造した。
幅500mmのクラフト紙(支持体)の全面に、深さ15μmで1つの大きさが20mm×20mmの情報e(例として会社のマーク)を、各情報間に30mmの間隔を設けてエンボス加工した。なお、エンボス加工による情報は支持体全体で格子状ではなく、図示するように千鳥状に設けた。
次にエンボス加工後の支持体の一方の面にはSBR系粘着剤を、他方の面にはシリコーン剥離剤をそれぞれ塗布し、そしてロール体に巻回し、粘着シートロール体を得た。
この粘着シートロール体を幅50mm毎に輪切りにして粘着テープロール体を得る。
得られた粘着テープ1は包装用や封緘用に好適に用いることができる。例えば、段ボールの封緘用に使用することにより、会社のマークである情報eにより当該段ボールの提供業者または内容物の出荷業者等が一目で認識できるだけでなく、会社のマークがエンボス加工された、これまでの単なる粘着テープにはない印象を消費者や使用者に与えることができ、商品の識別性を向上させ得る。さらに、支持体と粘着剤および剥離剤との結合は強固であり、長期間保管後でも、使用中および使用後に不具合を生じることはなかった。
実施例6
密度0.920g/ml、メルトインデックス1.0g/10分の気相法低圧法で製造した直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体100重量部と平均粒径2μmの炭酸カルシウム(表面をステアリン酸ナトリウムで処理)70重量部とを180℃で20分間バンバリーミキサー中で加熱混練し、樹脂組成物を得た。これを180℃でサーキュラーダイより押出し、ブロー比3.0、巻取速度60m/分の条件で空冷インフレーション法により、厚さ80μm、折り径30mmのチューブラーフィルムを得た。
チューブラーフィルムの内面間隙1.8mm、フィルム内部封入ガスを空気とし、15m/分の速度で走行させ、フィルム内面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、220W/m2 /分で印加処理して内面をコロナ処理し、次に、上記チューブラーフィルムの内面を密着させて15m/分の速度で走行させ、フィルム外面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、処理電力110W/m2 /分で印加処理して外面をコロナ処理した。
両面をコロナ処理したチューブラーフィルムの中央部に、薄いカミソリ刃で長手方向に平行に切れ目を入れ、次いで展開し、一枚の平坦なシートとし、これを支持体とした。
この支持体の全面に、深さ10μmで、1文字の大きさが15mm×15mmの数字列「1999」を、各数字列の間隔を10mmとし、フィルム長手方向に沿ってエンボス加工を施した。
次に上記シートの一方の面にアクリル系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン剥離剤を塗布し、ロール体に巻回し、粘着シートロール体を得た。
この粘着シートロール体を幅20mm毎に輪切りにして粘着テープロール体を得るが、この時、エンボスによる「1999」の数字列が各テープロール体に収まるようにした。
得られた粘着テープは手切れ性に優れており、所望の長さに簡単に手で切ることができる。また、「1999」の数字列が刻印されているため、例えば1999年に関連する書類を結束したり、収容した箱をこの粘着テープで梱包する等により、当該数字列が簡単に認識でき書類整理に極めて有効であった。また、粘着剤および剥離剤の支持体からの脱落は製造直後はもちろん長期間保管後も観察されなかった。
実施例7
密度0.932g/ml、メルトインデックス0.8g/10分のエチレン−オクテン−1共重合体100重量部およびシランカップリング剤で表面処理した変性トウモロコシデンプン粒20重量部からなる樹脂組成物を空冷インフレーション押出機に供給し、220℃でダイ(直径65mmφ,ダイギャップ1.5mm)より押出し(18kg/時間)、ブロー比3.3、巻取速度45m/分の条件で、厚さ50μm、折り径50mmのチューブラーフィルムを得た。
該チューブラーフィルムを扁平にし、その全面に、深さ10μmで、1文字の大きさが20mm×20mmの文字列「CAUTION」を、各文字列の間隔を20mmとし、フィルム長手方向に沿ってエンボス加工を施した。
エンボス加工後のチューブラーフィルムの中央部に、薄いカミソリ刃で長手方向に平行に切れ目を入れ、次いで展開し、一枚の平坦なシートし、該シートの一方の面にアクリル系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン剥離剤を塗布し、ロール体に巻回し、粘着シートロール体を得た。
得られた粘着シートで取扱いに注意を要する物品を覆ったり、養生部を覆うことにより、エンボス加工による「CAUTION」の文字列により注意を喚起することができ、また使用後は土中に廃棄することにより分解するので環境に負担をかけることがない。また、支持体への粘着剤および剥離剤の結合強度は高く、使用直後のみならず、長期間保管後でも、使用中および使用後に粘着剤の脱落等の不具合を生じることはなかった。
【0013】
【発明の効果】
以上詳細に記載したように、本発明の粘着シートまたはテープは、粘着シートまたはテープに関する情報をエンボス加工により施したことにより、以下の顕著な効果を奏するものである。
(a)製品を識別するための情報(製品の全長,用途,貼着対象物に関する情報等の表示)が印刷によることなく、エンボス加工により付与されるため、印刷の際に必要な作業環境を悪化させる有機溶媒等の使用が不要になり、しかもコストの低減化を図ることができる。
(b)製品を識別するための情報が付与されていることにより、製品の在庫管理や流通時の管理において有用である。
(c)シートまたはテープ面のエンボスによる凹凸によって、粘着剤や剥離剤と支持体との結合強度が非常に大きく、貼着対象物への適用時に粘着剤や剥離剤が脱離することがなく、貼着対象物との結合が良好であり、しかも使用後、接着対象物に粘着剤が残ることがない。さらに、上記結合強度は時間が経過しても保持され、製品を長期間保存後も良好な使用性を提示する。
(d)粘着シートまたはテープのエンボスによる凹凸が形成されているので、従来の粘着シートやテープになかった非常に良好な感触を与える。
また、本発明の粘着テープを、折りたたまれ紙管等の管状体に巻きつけてロール体とされる塗装用マスキングフィルムの端縁に貼着される粘着テープとして使用し、エンボス加工による識別表示を前記マスキングフィルムに関する情報(例えば巻き戻して拡げた場合の全幅,用途等)とすることにより、そのマスキングフィルムロール体を手にした時、直ちに該ロール体に関する情報を知ることができる。このロール体の粘着テープは該ロール体を使い切るまで常に最も外側に位置しているので、最も内側にある紙管への印刷や折りたたまれたフィルムへの印刷に比べ、情報の認識の速度や正確さは格段に優れている。しかも、上記したように印刷によることなく、情報付与ができるので、作業環境に悪影響を及ぼすことなく、しかもコスト的にも有利である。
さらに、本発明の粘着シートまたはテープの製造方法によれば、上記のような優れた性能を有する粘着シートまたはテープを、エンボス加工の工程を加えるだけで従来の製造ラインをそのまま利用して、製造するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で得られた粘着テープを示す図面であり、(a)がその一部を示す平面図、(b)がその断面図である。
【図2】図1に示す粘着テープを貼合した塗装用マスキングフィルムロール体を示す斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例で得られた粘着テープの一部を示す平面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例で得られた粘着テープの一部を示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施例で得られた粘着テープの一部を示す平面図である。
【図6】本発明の一実施例で得られた粘着シートの一部を示す平面図である。
【図7】本発明の他の実施例で得られた粘着テープの一部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 粘着テープ
2 粘着剤
3 支持体
4 剥離剤
5 塗装用マスキングフィルムロール体
6 マスキングフィルム
7 紙管
8 粘着シート
e エンボス加工による情報

Claims (1)

  1. フィルムの端縁に粘着テープを貼着し、それと同時にフィルム部分をさらに折たたんだものを紙管に巻回することを含むマスキングフィルムロール体の製造方法であって
    (1)支持体の片面に粘着剤が塗布されもう一方の面に剥離剤が塗布されてなる粘着テープを、粘着剤が塗布された側の面の一部がフィルムの端縁に貼合できる状態において供給する工程
    (2)該粘着テープをマスキングフィルムに貼着し及び該フィルムに関する情報を付与する工程であって、以下;
    (a)前記(1)工程で供給された粘着テープ及びマスキングフィルムを製造ラインに用意した後でかつ該粘着テープをマスキングフィルムの端縁へ貼着する直前、
    (b)該粘着テープのマスキングフィルムの端縁への貼着の際、又は
    (c)該粘着テープのマスキングフィルムの端縁への貼後、
    のいずれかにおいて、
    該支持体に該マスキングフィルムに関する情報をエンボス加工により施す工程
    (3)上記粘着テープが貼着されたマスキングフィルムを巻回する工程、
    を含む、マスキングフィルムロール体を製造することを特徴とする方法であって、
    前記情報が該マスキングフィルムに関する情報であって、マスキングフィルムの種類を区別するための少なくとも1種を示す文字、数字もしくは模様またはそれらの組み合わせである、
    方法。
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