JP2890256B2 - 機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルム - Google Patents

機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルム

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JP2890256B2
JP2890256B2 JP8358476A JP35847696A JP2890256B2 JP 2890256 B2 JP2890256 B2 JP 2890256B2 JP 8358476 A JP8358476 A JP 8358476A JP 35847696 A JP35847696 A JP 35847696A JP 2890256 B2 JP2890256 B2 JP 2890256B2
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discharge treatment
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機能性ポリオレフィ
ン系チューブラーフィルムに関する。さらに詳しくは本
発明は、従来提案されたことのない程度に強力な高電圧
電流でのコロナ放電処理とエンボス加工の両方が行われ
たポリオレフィン系フィルムまたはチューブラーフィル
ムおよびそれらの製造方法、ならびにこれらのフィルム
から製造される包装袋、粘着シートおよび粘着テープ等
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙は不透明で水に弱く、機械的強度も弱
いが、非常に安価であり、吸湿性があり、感触がよく、
通気性、透湿性、接着性、筆記性、印刷性等にすぐれ、
人の手で簡単に引き裂くことができ、しかも素材回収性
や廃棄処理性が良好であるので、各種分野において大量
に使用されている。一方、ポリオレフィン系フィルムは
透明性、機械的強度、耐水性等にすぐれ、比較的安価で
あるので、これもまた各種分野で大量に使用されている
が、紙のようなすぐれた感触がなく、通気性、透湿性、
接着性等に劣り、また、紙のように簡単に引き裂くこと
ができず、素材回収性や廃棄処理性にも劣る。すなわ
ち、従来、耐水性を有し、かつ、紙のような感触、通気
性、透湿性、筆記性、印刷性等を有するポリオレフィン
系フィルムは存在しなかった。このような紙の性質を併
有するポリオレフィン系フィルムが開発されれば、紙の
代替品としてばかりでなく、易裂性等の紙の性質を必要
とするが、低い耐水性等のために紙を用いることができ
なかった新たな用途に幅広く利用可能となるであろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、紙の
ようなすぐれた感触、通気性、透湿性、印刷性、筆記
性、接着性等があり、人間の手で容易に引き裂くことが
でき、しかも水に濡れても破れず、酸やアルカリ等に接
しても劣化しない耐水性や耐薬品性を有し、さらに廃棄
処理性が良好で、滑りにくく作業性が良好で、美しい外
観を呈し装飾性にすぐれた材料である、従来提案された
ことのない機能性ポリオレフィン系フィルムまたはチュ
ーブラーフィルム、その製造方法および該フィルムを用
いた各種物品の提供を課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリオレフ
ィン系チューブラーフィルムの内面にコロナ放電処理を
施してマスキングフィルムを製造する技術に関する発明
をなし、特許出願し、特許を既に得ている(特許第25
14899号)が、この技術を発展させ、特定のコロナ
放電処理条件およびエンボス加工を適用した場合、驚く
べきことに上記の課題が解決されることを初めて見出
し、さらに鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、無機フィラーを配合
したポリオレフィン系樹脂組成物からなる厚さ5〜15
0μmのチューブラーフィルムの内面および外面のいず
れか一方または両方に50〜3000W/m2 /分の処
理電力でコロナ放電処理を施し、かつ、前記チューブラ
ーフィルムの少なくとも一部にエンボス加工を施したこ
とを特徴とする機能性ポリオレフィン系チューブラーフ
ィルムに関する。本発明はまた、無機フィラーを配合し
たポリオレフィン系樹脂組成物からなるチューブラーフ
ィルムの内面および外面のいずれか一方または両方にコ
ロナ放電処理を施し、かつ、前記チューブラーフィルム
の少なくとも一部にエンボス加工を施してなり、コロナ
放電処理およびエンボス加工後のチューブラーフィルム
の引裂強度、破断点強度、破断点伸度または衝撃強度の
少なくとも1つの物性値はコロナ放電処理およびエンボ
ス加工前のチューブラーフィルムの相当する物性値を1
00とした場合の相対値で70以下であることを特徴と
する機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムに関
する。さらに本発明は、無機フィラーを配合したポリオ
レフィン系樹脂組成物からなるチューブラーフィルムの
内面および外面のいずれか一方または両方にコロナ放電
処理を施し、かつ、前記チューブラーフィルムの少なく
とも一部にエンボス加工を施してなり、コロナ放電処理
およびエンボス加工後のチューブラーフィルムの通気度
または透湿度の一方または両方の物性値はコロナ放電処
理およびエンボス加工前のチューブラーフィルムの相当
する物性値を100とした場合の相対値で300以上で
あることを特徴とする機能性ポリオレフィン系チューブ
ラーフィルムに関する。
【0006】コロナ放電処理およびエンボス加工を施す
前のチューブラーフィルムの物性値(初期値)を100
とした時の、コロナ放電処理およびエンボス加工後の物
性値は、引裂強度、破断点強度、破断点伸度または衝撃
強度の場合、それらのうちの少なくとも1つ、好ましく
は複数の物性値が70以下、好ましくは60以下、特に
好ましくは50以下である。これらの処理後の物性値の
下限は特に限定されず、目的とするチューブラーフィル
ムが得られる限り低い値であってよいが、通常10程度
が下限となる。また、通気度または透湿度の場合、それ
らの少なくとも一方、好ましくは両方の物性値が初期値
を100とした時、300以上、好ましくは400以
上、特に好ましくは500以上である。これらの処理後
の物性値の上限は特に限定されず、目的とするチューブ
ラーフィルムが得られる限り高い値であってよいが、通
常2000程度が上限となる。コロナ放電処理およびエ
ンボス加工後のチューブラーフィルムの物性値を上記の
ような変化率の範囲内にすることは、本発明が目的とす
るチューブラーフィルムを得るために必須である。な
お、本発明における各種物性値の測定法は以下のとおり
である: 引裂強度 :JIS K7128,B法(エルメンドル
フ法) 破断点強度:JIS K7127 破断点伸度:JIS K7127 衝撃強度 :ASTM D1709 通気度 :JIS P8117 透湿度 :JIS Z0208。
【0007】上記本発明の機能性ポリオレフィン系チュ
ーブラーフィルムの好ましい態様において、スチレン含
量が65〜85重量%であるスチレン−ブタジエン共重
合体を30重量部までの量でさらに含有するポリオレフ
ィン系樹脂組成物が使用される。本発明の機能性ポリオ
レフィン系チューブラーフィルムの別の好ましい態様に
おいて、ポリプロピレン系樹脂を30重量%までの量で
含有するポリエチレン系樹脂がポリオレフィン系樹脂と
して使用される。また、本発明の機能性ポリオレフィン
系チューブラーフィルムはロール体の形態とすることに
より、製品のコンパクト化や使用性の向上を図ることが
できる。上記チューブラーフィルムをロール体とするに
は、平坦にした該チューブラーフィルムをその長手方向
に沿って芯材に該チューブラーフィルムを巻きつけるこ
とにより行われ得る。芯材としては、管状体、例えば紙
管、プラスチック管、金属管、木管等、または同様の材
質からなる充実筒状体(例えば棒体のような充実円筒
体)等が挙げられる。コストや性能面から紙管が好まし
い。また、製造上や使用上に差支えなければ、ロール体
とするために芯材を用いることなく、上記チューブラー
フィルムそのものを巻回してもよい。さらに、本発明の
機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムは平坦に
し、折りたたむことによって、コンパクト化および使用
性の向上を図ることもできる。
【0008】また、本発明は、無機フィラーを配合した
ポリオレフィン系樹脂組成物からなるチューブラーフィ
ルムの内面および外面のいずれか一方または両方に50
〜3000W/m2 /分の処理電力でコロナ放電処理を
施す工程と、上記チューブラーフィルムの少なくとも一
部にエンボス加工を施す工程とからなることを特徴とす
る機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムの製造
方法に関する。上記本発明の機能性ポリオレフィン系チ
ューブラーフィルムの製造方法において、コロナ放電処
理工程およびエンボス加工工程の順序は問わない。ま
た、チューブラーフィルムの両面にコロナ放電処理を施
す場合、まず内面または外面の一方の面にコロナ放電処
理し、エンボス加工を行い、そして外面または内面の他
方の面にコロナ放電処理してもよい。
【0009】本発明においてチューブラーフィルムは、
通常、インフレーション成形により製造されるが、該イ
ンフレーション成形は空冷式で行われても、水冷式で行
われてもよい。上記インフレーション成形により得られ
るチューブラーフィルムの厚さは5〜150μmの範囲
であることが好ましく、特に好ましくは10〜80μm
の範囲である。これは、5μm未満のフィルムは腰が弱
く、また製造が困難となることがあり、150μmを越
えるフィルムでは、フィルムの厚さ方向の中心部が高電
圧電流による影響を受けにくく、本発明の目的とする機
能性フィルムが得られ難いことがあることによる。特
に、フィルムの厚さが約10〜30μmと薄い場合、本
発明が意図する装飾性、感触、通気性、透湿性、印刷
性、筆記性、接着性等が特にすぐれ、引き裂きがより容
易で、しかも耐水性や耐薬品性にもすぐれた機能性フィ
ルムが比較的低い処理電力およびエンボス加工費で、迅
速に、かつ低コストで製造できる。
【0010】本発明において、チューブラーフィルムへ
のコロナ放電処理は内面および外面のいずれか一方また
は両方に、特定範囲、すなわち50〜3000W/m2
/分の強力な処理電力を印加することにより行われる。
処理電力が50W/m2 /分未満であると、本発明の目
的とする特定の物性を有する機能性のフィルムが得られ
ず、3000W/m2 /分を越えると、電極ロールや処
理ロールの寿命が短くなり、またフィルムに大きな穴が
多数あき、均一な品質のフィルムが得られず、望ましく
ない。なお、処理電力はワット数で表現される電力量
(W)を処理されるフィルム幅(m)とフィルム速度
(m/分)で割った値であり、W/m2 /分の単位を有
する。本発明において印加される処理電力は、フィルム
幅に応じて電力量および/またはフィルム速度を適宜調
整することにより得られる。例えば、通常のコロナ放電
処理に比べ、電力量を約2〜100倍とするか、もしく
はフィルム速度を約0.01〜0.5倍とするか、また
は上記範囲の電力量とフィルム速度とを組み合わせるこ
とにより、本発明における大きな処理電力が印加され
る。また、可能であり、所望の処理フィルムが得られる
ならば、上記の範囲外の電力量とフィルム速度とを組み
合わせることにより50〜3000W/m2 /分の処理
電力としてもよいことはいうまでもない。
【0011】チューブラーフィルム内面へのコロナ放電
処理は、気体、例えば空気、窒素ガス、アルゴンガス、
キセノンガス、炭酸ガス等が封入された走行状態の該チ
ューブラーフィルムの内面を密着させずに1〜7mmの
間隙を設け、フィルム間に気体が存在する状態で、フィ
ルム外表面に高電圧電流を印加した少なくとも一対の電
極を接触させ、50〜3000W/m2 /分の処理電力
を上記チューブラーフィルムに印加することにより行わ
れ得る。公知の通常のコロナ放電処理では、せいぜい3
0〜40W/m2 /分である高電圧電流の処理電力を印
加しているが、本発明ではポリオレフィン系フィルムの
厚さに応じて強弱はあるものの、フィルムの厚さが同一
である場合、通常のコロナ放電処理の処理電力の少なく
とも2倍の処理電力を印加するものであり、このような
強力な処理電力の印加については、これまで全く報告が
なく、本発明者により初めて試験され、そして報告され
るものである。従って、上記のような強力な処理電力に
よる本発明の効果は全く予測し得なかったものである。
【0012】チューブラーフィルム外面へのコロナ放電
処理は、インフレーション成形直後の、または内面にコ
ロナ放電処理した後の走行状態のチューブラーフィルム
の内面を密着させ、高電圧電流を印加した少なくとも一
対の電極をフィルムとの間隙を1〜3mmとしてフィル
ム外表面に50〜3000W/m2 /分の処理電力を印
加することにより行われ得る。
【0013】本発明においてチューブラーフィルムの両
面にコロナ放電処理を施す場合、それぞれの面へのコロ
ナ放電のための処理電力は同じであっても異なっていて
もよく、同じ処理電力とした場合、切り開いてシート状
のフィルムとした際にフィルム両面が均一な性質を有す
るものが得られ、一方、異なる処理電力とした場合、シ
ート状フィルムとした際に表裏の濡れ張力等の性質を異
なるものとすることができる。後者の場合、フィルムの
表裏を区別する必要がある用途の場合に有利である。ま
た、内面および外面へのコロナ放電処理の順序は重要で
はなく、いずれが先に行われてもよい。
【0014】本発明においてエンボス加工とはチューブ
ラーフィルムまたは平坦なシート状フィルムの少なくと
も一部に各種紋様を施すことを意味し、例えば適当な表
面粗度を有するチルロールとプレッシャーロールとの間
に上記フィルムを通すことにより行われ得る。上記エン
ボス加工は上記フィルムの少なくとも一部に施されてい
ればよく、例えば該フィルムの両面もしくは片面の全体
またはそれらの一部に対しエンボス加工が施される。ま
た、本発明のエンボス加工により施される紋としては、
亀甲、格子、絹目、ダイヤ、玉虫、麻目、梨地、しぶ
き、すじ、長方形等が挙げられるが、装飾性付与の目的
の場合は、上記以外のいかなる形状の紋であってもよ
い。エンボス深さ(JIS B0601に準拠して測
定)は、フィルム厚さの1/2以下、好ましくは1/4
以下であり、その下限は1/10である。エンボスが深
すぎると、フィルムが薄くなりすぎ、フィルムの強度が
低くなりすぎ、フィルムの腰がなくなり、折りたたんだ
際の展開作業が困難になったり、水、化学物質、空気、
気体等の透過率が高くなりすぎ、望ましくなく、逆にエ
ンボスが浅すぎると、エンボス効果が発現しにくく望ま
しくない。本発明において、上記紋の大きさは特に限定
されないが、通常は0.5〜300mmであり、好まし
くは2〜100mmである。これは0.5mm未満およ
び300mmを越える範囲では、エンボス効果を発現し
にくく望ましくないことによる。また、すじ状の紋を設
ける場合、フィルムの横手方向に平行に、すなわち長手
方向に垂直に設けると、折りたたんだ際の展開作業性が
高く、好ましい。さらに、本発明におけるエンボス紋様
は凹版型であっても、凸版型であってもよい。
【0015】本発明においてポリオレフィン系樹脂と
は、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ア
イオノマー、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、
超低密度直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、メ
タロセン触媒によるポリオレフィン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等から
選択された単一のポリマーまたは2種以上の組合せであ
る。
【0016】本発明において使用される無機フィラーと
しては、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ケイソウ
土、亜硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
クレイ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、シリ
カ、シリカゲル、アルミナ、アルミナゲル、ゼオライ
ト、クリストバライト、トルマリン、シラス、シラスバ
ルーン、クリノブチライト、大谷石、カオリン、コロイ
ダル硫黄、群青、酸化クロム、酸化ニッケル、含水酸化
第二鉄〔第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液等のアル
カリ水溶液との中和反応沈澱物を含む懸濁液中に20〜
70℃の範囲に温度を制御しながら空気等の酸素含有ガ
スを通気することにより水溶液中に生成される。例えば
ゲータイト(α−FeOOH)粒子、レピッドクロサイ
ト(γ−FeOOH)粒子またはδ−FeOOH粒子等
が挙げられる。粒子形状は紡錘状、針状または板状等の
いずれでもよい。〕、粒状マグネタイト粒子〔第一鉄塩
水溶液と水酸化アルカリ水溶液等のアルカリ水溶液との
中和反応沈澱物を含む懸濁液中に45〜100℃の範囲
に温度を制御しながら空気等の酸素含有ガスを通気する
ことにより水溶液中に生成される。例えばヘマタイト
(α−Fe2 3 )粒子、マグネタイト(FeOx ・F
2 3 ,0<x≦1)粒子またはマグヘマイト(γ−
Fe2 3 )粒子等が挙げられる。粒子形状は紡錘状、
針状、板状、球状、八面体、多面体、不定形等のいずれ
でもよい。〕等が挙げられ、これらは1種単独で、また
は2種以上を組み合わせて使用され得る。
【0017】本発明において使用される無機フィラー
は、凝集をより確実に防止し、ポリオレフィン系樹脂へ
の分散性をより高め、そして加工性を向上させるため
に、表面処理剤で表面処理することが望ましい。上記表
面処理剤としては以下のものを挙げることができる:シ
ランカップリング剤(例えばアミノシラン,メタクリロ
キシシラン,グリシドキシシラン,メルカプトシラン,
ビニルシラン等)、アルミニウムカップリング剤(例え
ばジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテー
ト,ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレー
ト,アルミニウムステアレートオキサイドトリマー,イ
ソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモ
ノジオクチルホスフェート等)、チタネートカップリン
グ剤(例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート,イソプロピルビスジオクチルホスファイトチタネ
ート,イソプロピルドデシルベンゼンスルホニルチタネ
ート等)、脂肪酸(例えばステアリン酸,パルミチン
酸,ミリスチン酸,ラウリン酸,オレイン酸等)、脂肪
酸金属塩(例えばステアリン酸ナトリウム,ステアリン
酸カルシウム,パルミチン酸ナトリウム,パルミチン酸
カルシウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリスチン酸カ
ルシウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウ
ム,オレイン酸ナトリウム,オレイン酸カルシウム
等)、脂肪酸アミド(例えばステアリン酸アミド,オレ
イン酸アミド等)。
【0018】本発明においてポリオレフィン系樹脂に配
合される無機フィラーは平均粒子径0.1〜20μmの
ものが好ましい。これは、平均粒子径0.1μm未満の
ものは凝集しやすく、ポリオレフィン系樹脂に配合する
ことが困難であり、また平均粒子径が20μmを越える
無機フィラーではインフレーション成膜が困難であり、
フィルムの表面特性が悪化することがあるからである。
また、無機フィラーの配合量は目的とするチューブラー
フィルムに応じて適宜選択されるが、通常、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して20〜300重量部で
ある。これは、無機フィラーの配合量が20重量部未満
であると、本発明の意図する機能性、例えば紙様の物性
を有するフィルムを得ることが難しく、300重量部を
越えるとインフレーション成膜が困難であり、しかも得
られるフィルムの各種物性が悪化することがあることに
よる。
【0019】本発明の機能性ポリオレフィン系チューブ
ラーフィルムの原料は、上記したポリオレフィン系樹脂
と無機フィラーとからなる樹脂組成物であるが、上記ポ
リオレフィン系樹脂と無機フィラーの他にスチレン含量
が65〜85重量%であるスチレン−ブタジエン共重合
体を30重量部までの量で含有する樹脂組成物を使用す
ると、得られるフィルムの柔軟性、易引裂性、易引張破
断性がさらに改良され、紙の物性により近づけ得るとい
う効果がある。また、樹脂成分としてポリエチレン系樹
脂を使用する場合、20重量%までのポリプロピレン系
樹脂を配合したポリエチレン系樹脂、すなわちポリエチ
レン系樹脂70〜100重量%とポリプロピレン系樹脂
30〜0重量%からなる組成物をポリオレフィン系樹脂
として使用すると、得られるフィルムの易引裂性、易引
張破断性がさらに改良され、紙の物性により近づけ得る
という効果がある。
【0020】本発明において使用する樹脂組成物には、
生分解性付与剤または光崩壊性付与剤を配合してもよ
い。生分解性付与剤としては、グルコース、ガラクトー
ス、マンノース、フルクトース等の単糖類、マルトー
ス、ラクトース、スクロース等の二糖類、デンプン、デ
キストリン、セルロース、イヌリン、アガロース、フル
クタン等の多糖類、キチン、キトサン、アミカシン、シ
ソマクシン等のアミノ糖、アルドース、ケトース、ヘプ
トース等の還元糖、デトリトール、ペンチトール等の糖
アルコール等を挙げることができる。入手しやすく、価
格も安いデンプンおよびその誘導体が、それらを含むフ
ィルムが製造しやすく、フィルムの性能が高く、しかも
生分解性が良好であるという点で好ましい。
【0021】また、デンプンおよびその誘導体として
は、例えばトウモロコシ、ジャガイモ、米、甘薯、小麦
等から得られるデンプンの他、該デンプンにスチレン等
の重合性モノマーをグラフトしたもの、シリコン等を被
覆したもの、またはグルコース等の糖類、糖蜜、カゼイ
ン糖を主成分として含有し、かつ生物が好んで摂取する
有機物質で修飾されたデンプン変性物等のデンプン誘導
体を挙げることができる。
【0022】本発明において、樹脂組成物への生分解性
付与剤の配合量は、得られるフィルムが生分解性を有す
るものであれば、特に制限されず、用いる生分解性付与
剤の種類やフィルムの用途等により、広範囲に変化する
が、通常ポリオレフィン系樹脂との組成物100重量%
中、生分解性付与剤が1〜80重量%、好ましくは5〜
70重量%となるように配合する。特に、デンプンまた
はその誘導体が生分解性付与剤として配合される場合、
その配合量は樹脂組成物100重量%に対し、5〜70
重量%、好ましくは6〜50重量%、特に7〜20重量
%である。デンプンまたはその誘導体は5重量%以上で
あれば、その量の増加に従い生分解性が増大し、70重
量%を越えるとポリオレフィン系樹脂の物性低下が著し
く、フィルムとしての実用に適当でなくなる場合があ
る。
【0023】また、光崩壊性付与剤、一般に感光性試薬
とも呼称される添加剤、例えばカルボニル基を有する光
増感剤(ベンゾフェノン,アセトフェノン,アントラキ
ノン等)または金属化合物(有機酸の金属塩等)等を配
合することにより、生分解性に加え、光崩壊性を付与
し、廃棄後のフィルムの分解を促進させることもでき
る。光崩壊性付与剤を含むならば、フィルムが廃棄され
た土中または水中に該フィルムを分解する微生物が少な
い場合でも、また、該土中または水中から廃棄フィルム
が地上または水上に出てしまった場合でも、フィルムの
分解は速やかに進行する。このため、本発明の好ましい
態様において、チューブラーフィルムは、生分解性付与
剤の他に光崩壊性付与剤を配合した樹脂組成物から製造
される。
【0024】光崩壊性付与剤の具体例として以下のもの
を挙げることができる:鉄ジエチルジチオカルバメー
ト、マンガンジエチルジチオカルバメート、亜鉛ジブチ
ルジチオカルバメート、亜鉛ジイソプロピルジチオホス
フェート、1,4−ベンゾキノン、ベンジリデンフタラ
イド、β−〔シアノベンジリデン〕フタライド、N−o
−フェニル−3−ベンジリデンフタロイミジン、アント
ラキノンおよびその誘導体、ベンゾフェノンおよびその
誘導体、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、1,2
−ジベンゾイルエチレン、ジベンゾイルベンゼン、ジト
ルイルベンゼン、インダンジオン、インダノン、クマラ
ノン、脂肪酸金属塩(例;酢酸コバルト,酢酸ニッケ
ル,ラウリル酸ニッケル,ステアリン銅,ステアリン酸
第二鉄,ステアリン酸亜鉛等)、鉄アセチルラクトネー
ト、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノ
ン等から選択される1種または2種以上の組合せ。光崩
壊性付与剤の配合量は、意図する光崩壊性により異なる
が、通常、ポリオレフィン系樹脂との組成物100重量
%中、光崩壊性付与剤が0.2〜10重量%、好ましく
は0.5〜10重量%となるように配合する。
【0025】また、本発明における樹脂組成物には生分
解性付与剤や光崩壊性付与剤の他、自動酸化剤、酸化油
または金属塩、金属酸化物もしくは金属水酸化物等を添
加することにより、フィルムの土中や水中での分解をさ
らに促進することができる。これらのその他の添加剤の
配合量は本発明の目的を損なわない範囲で行われること
はいうまでもない。自動酸化剤としてはオレイン酸また
はそのエステル等の炭素−炭素二重結合を有するポリオ
レフィン系樹脂の酸化分解を促進させる物質、酸化油と
しては動物油(牛脂,豚脂,乳脂等)や植物油(ナタネ
油,コーン油,ヒマワリ油,ベニバナ油等)を酸化させ
たもの、そして金属塩、金属酸化物または金属水酸化物
としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム、亜鉛、アルミニウム、マンガンまたは鉄等の無
機酸塩(硫酸塩,塩酸塩,炭酸塩等)もしくは有機酸塩
(カルボン酸塩等)や、酸化物、水酸化物等を挙げるこ
とができる。
【0026】さらに、本発明におけるチューブラーフィ
ルムを製造するための樹脂組成物には、生分解性プラス
チックおよび/または光崩壊性プラスチックを配合して
もよい。生分解性プラスチックとしてはポリカプロラク
トン、脂肪酸ポリエステル、例えばポリ乳酸、ポリグリ
コール酸またはポリヒドロキシブチレート等、脂肪族共
重合ポリエステル、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、例えばポリ
エチレングリコールまたはポリプロピレングリコール等
が挙げられ、光崩壊性プラスチックとしてはエチレン−
一酸化炭素共重合体、ポリケトン、例えばビニルケトン
共重合体等が挙げられる。
【0027】本発明はまた、以下のような機能性ポリオ
レフィン系フィルムに関するものである: ・無機フィラーを配合したポリオレフィン系樹脂組成物
からなる厚さ5〜150μmのフィルムの少なくとも一
方の面に50〜3000W/m2 /分の処理電力でコロ
ナ放電処理を施し、かつ、前記フィルムの少なくとも一
部にエンボス加工を施したもの、 ・無機フィラーを配合したポリオレフィン系樹脂組成物
からなるフィルムの少なくとも一方の面にコロナ放電処
理を施し、かつ、前記フィルムの少なくとも一部にエン
ボス加工を施してなり、コロナ放電処理およびエンボス
加工後のフィルムの引裂強度、破断点強度、破断点伸度
または衝撃強度の少なくとも1つの物性値はコロナ放電
処理およびエンボス加工前のフィルムの相当する物性値
を100とした場合の相対値で70以下であるもの、お
よび ・無機フィラーを配合したポリオレフィン系樹脂組成物
からなるフィルムの少なくとも一方の面にコロナ放電処
理を施し、かつ、前記フィルムの少なくとも一部にエン
ボス加工を施してなり、コロナ放電処理およびエンボス
加工後のフィルムの通気度または透湿度の一方または両
方の物性値はコロナ放電処理およびエンボス加工前のフ
ィルムの相当する物性値を100とした場合の相対値で
300以上であるもの。なお、本発明の機能性ポリオレ
フィン系チューブラーフィルムに対して上に記載した材
料、処理法等の例示および好ましい態様は全て、上記本
発明の機能性ポリオレフィン系フィルムにも同様に当て
はまる。
【0028】本発明の機能性ポリオレフィン系フィルム
は無機フィラーを配合したポリオレフィン系樹脂組成物
からなるフィルムの少なくとも一方の面に50〜300
0W/m2 /分の処理電力でコロナ放電処理を施す工程
と、上記フィルムの少なくとも一部にエンボス加工を施
す工程とからなる方法により製造され得る。上記機能性
ポリオレフィン系フィルムの製造方法の場合もまた、上
記機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムの製造
方法と同様、コロナ放電処理工程とエンボス加工工程の
順序は問わず、また、両面にコロナ放電処理がなされる
場合、一方の面へのコロナ放電処理の間にエンボス加工
が行われてもよい。具体的に、本発明の機能性ポリオレ
フィン系フィルムは、上記本発明の機能性ポリオレフィ
ン系チューブラーフィルムの長手方向の少なくとも1ヶ
所での切断および長手方向に対してほぼ直角の方向での
切断により、またはチューブラーフィルムを切り開いた
平坦なシート状フィルムもしくは最初からシート状に成
形したフィルムに所定のコロナ放電処理およびエンボス
加工を施すことにより、またはチューブラーフィルムに
コロナ放電処理(またはエンボス加工)を施し、切り開
いた後にエンボス加工(またはコロナ放電処理)を施す
ことにより製造され得る。また、上記のようにして得ら
れる略正方形または略長方形ないしは帯状である本発明
の機能性ポリオレフィン系フィルムは上記と同様の管状
体や充実筒状体に巻き付けてロール体とするか、または
折りたたむことにより、コンパクト化および使用性の向
上を図ることができる。
【0029】本発明の機能性ポリオレフィン系フィルム
およびチューブラーフィルムは種々の用途を有するが、
その中でも、特に本発明は、本発明の上記機能性ポリオ
レフィン系チューブラーフィルムを長手方向に対してほ
ぼ直角に所定の長さに切断し、一方の開口部をヒートシ
ールしてなる包装袋に関する。従って、上記ヒートシー
ル部は包装袋の底部を形成し、そして切断の際の所定の
長さが包装袋の高さとなる。
【0030】本発明の機能性ポリオレフィン系フィルム
は、粘着シートまたは粘着テープの支持体として好適に
使用される。従って、本発明は、上記本発明の機能性ポ
リオレフィン系フィルムの片面または両面に粘着剤を塗
布してなる粘着シート、または上記本発明の機能性ポリ
オレフィン系フィルムを所定の幅に切断し、その片面ま
たは両面に粘着剤を塗布してなる粘着テープに関する。
粘着シートまたは粘着テープにおいて、支持体は一方の
面に粘着剤、他方の面に剥離剤が塗布されてなる片面粘
着型のものであってもよいし、支持体の両面に粘着剤が
塗布されてなる両面粘着型のものであってもよい。後者
の両面粘着型の場合、一方の粘着面には剥離紙が通常積
層される。なお、前者の片面粘着型の場合、剥離剤は省
略される場合もある。
【0031】本発明の粘着テープは、塗装用マスキング
フィルムを塗装対象物に貼着するために好適に利用でき
る。本発明の粘着テープを塗装用マスキングフィルムに
適用する場合の好ましい態様において、上記本発明の粘
着テープは、その粘着面に未貼合部を残して塗装用マス
キングフィルム(例えばポリオレフィン系フィルム)の
周縁部の少なくとも一部に貼合される。また、本発明の
上記フィルムは塗装用マスキングフィルム自体としても
好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の機能性ポリオレフィン系
チューブラーフィルムおよび機能性ポリオレフィン系フ
ィルムは、通気性、透湿性、吸水性、吸液性、印刷性、
柔軟性、塗装性、筆記性、接着性等において紙の性質に
近似し、しかも装飾性等において布の性質にも近似し、
また引張強度、引裂強度等の強度も紙が有するそれらの
値に近く、容易に人間の手で破ったり、引き裂いたりす
ることができ、さらに、耐水性、耐薬品性等においても
すぐれ、廃棄処理性が良好であるという、紙、布そして
ポリオレフィン系フィルムの好ましい性質を併有する全
く新しいタイプのフィルムである。
【0033】このため本発明のフィルムは紙の代替品と
してはもちろん、不織布、織布、布製クロス等の代替品
として、例えば、菓子、果物、野菜、穀物、魚介類、雑
貨、衣料品、図書、玩具、道具、CD、CD−ROM、
フロッピーディスク、文房具、機械部品、電子部品等の
包装材(袋状、箱状、封筒状のもの等)、各種保護シー
ト(フィルム)、または仮着性シート(フィルム)、粘
着シート(フィルム)もしくは粘着テープの支持体とし
て使用される。また、本発明の上記フィルムは印刷性や
筆記性にすぐれることから、印刷または筆記するための
通常の紙、特に合成紙の代替品として使用できる。さら
に、本発明の上記フィルムは通気性、透湿性、光遮断性
があるので、包装紙、障子紙、農業用ハウスフィルム、
農業用マルチングフィルム、果物日光遮断用袋、プロテ
クトフィルムまたはマスキングフィルム等として利用さ
れる。これらの他に、本発明のフィルムは上記したよう
なすぐれた性質を併せ持つので、建築用シート(例えば
防湿シート等)または壁紙等として使用される。中で
も、粘着シート(フィルム)および粘着テープは、本発
明の機能性ポリオレフィン系フィルムの性質を最大限に
利用したものである。粘着シートや粘着テープはガラス
板、金属板、石板、プラスチック板、木板等の表面に貼
合し保護するため、荷物、ダンボール、箱類、紙、プラ
スチック、織物、木材、金属、セラミックス等を貼合す
るため等に好適に使用される。特に、粘着シートは埃取
りロール体等として、そして粘着テープはマスキングフ
ィルム貼着用テープ、紙おむつ貼着用テープ、クラフト
テープまたは荷作り用ガムテープ等として使用される。
本発明の粘着テープが貼合された塗装用マスキングフィ
ルムは例えば自動車、建築物、道路、運動場、駐車場、
車両等の塗装時に使用される。
【0034】上記の本発明のフィルムは、外観が織布の
ようにも成形できるので、織布が使用されている分野
に、例えば衣服、フィルター、シーツ、帽子、テント
材、ホース材、フレコン基材、レインコート材、ブック
カバー材等として使用される。
【0035】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をより詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0036】実施例1 密度0.925g/ml、メルトインデックス2.0g
/10分の気相法低圧法で製造した直鎖状エチレン−ブ
テン−1共重合体100重量部と平均粒子径3μmの炭
酸カルシウム(表面をステアリン酸ナトリウムで処理)
50重量部とを180℃で20分間バンバリーミキサー
中で加熱混練し、樹脂組成物を得た。これを180℃で
サーキュラーダイより押出し、ブロー比3.0、巻取速
度60m/分の条件で空冷インフレーション法により、
厚さ50μm、折り径10cmのチューブラーフィルム
を得た。チューブラーフィルムの内面間隙1.8mm、
フィルム内部封入ガスを空気とし、15m/分の速度で
走行させ、フィルム内面コロナ放電処理機(春日電機
製)を用い、周波数30kHz、処理電力235W/m
2 /分で印加処理した。次いで、上記チューブラーフィ
ルムの内面を密着させて15m/分の速度で走行させ、
電極とフィルムとの間隙を1.8mmとし、フィルム外
面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、周波数30
kHz、処理電力235W/m2 /分で印加処理した。
次に、内面を密着させた上記チューブラーフィルムを、
2組のエンボスロールとゴム被覆ロールの間に通し、大
きさ2mm、深さ20μmの星型模様の紋を多数表面に
形成させた。
【0037】このようにして製造されたフィルムの各種
物性値を測定し、それぞれの初期値と比較した。ここで
初期値とは、コロナ放電処理およびエンボス加工を行う
前のフィルム、すなわちインフレーション成形しただけ
のフィルムの各種物性値であり、それぞれ該当箇所のカ
ッコ内に示した(以下の例においても同様である)。な
お、各種物性値の測定法は以下のとおりである: 引裂強度 :JIS K7128,B法(エルメンドル
フ法) 破断点強度:JIS K7127 破断点伸度:JIS K7127 衝撃強度 :ASTM D1709 通気度 :JIS P8117 透湿度 :JIS Z0208
【0038】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向7.1g)の55%、破断点強度が初期値(縦方向
0.42kg/25mm)の48%、破断点伸度が初期
値(縦方向366%)の75%、衝撃強度が初期値(2
8g/26インチ高)の20%、通気度が初期値(26
秒/100cc)の7倍、透湿度が初期値(16000
g/m2 ・24時間)の10倍であり、手で容易に引き
裂くことができ、通気性および透湿性が十分にあるフィ
ルムであった。
【0039】比較例 実施例1において、コロナ放電処理を通常のポリオレフ
ィン系フィルムの表面濡れ張力を改善するために行われ
ている処理電力量である20W/m2 /分で内外面両面
に行ったところ、引裂強度、破断点強度、破断点伸度、
衝撃強度、通気度および透湿度はいずれも初期値とほぼ
等しく、紙や布の性質に近い機能性ポリオレフィン系フ
ィルムは得られず、外観も感触も通常のポリオレフィン
系フィルムと同じであった。
【0040】実施例2 密度0.950g/ml、メルトインデックス2.0g
/10分の高密度ポリエチレン100重量部および平均
粒子径5μmの硫酸バリウム(表面をステアリン酸ナト
リウムで処理)20重量部を180℃で20分間バンバ
リーミキサー中で加熱混練し、樹脂組成物を得た。これ
を180℃でサーキュラーダイより押出し、ブロー比
2.3、巻取速度50m/分の条件で空冷インフレーシ
ョン法により、厚さ150μm、折り径50cmのチュ
ーブラーフィルムを得た。このチューブラーフィルムの
内面間隙2.5mm、フィルム内部封入ガスを空気と
し、30m/分の速度で走行させ、フィルム内面コロナ
放電処理機(春日電機製)を用い、周波数20kHz、
処理電力600W/m2 /分で印加処理した。次いで、
上記チューブラーフィルムの内面を密着させて30m/
分の速度で走行させ、電極とフィルムとの間隙を2.5
mmとし、フィルム外面コロナ放電処理機(春日電機
製)を用い、周波数20kHz、処理電力600W/m
2 /分で印加処理した。次に、このチューブラーフィル
ムを長手方向に切り開き、シート状のフィルムとし、該
フィルムの片面に大きさ3cm、深さ40μmのタイガ
ーマスクを多数形成させた。
【0041】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向128g)の68%、破断点強度が初期値(縦方向
2.13kg/25mm)の65%、破断点伸度が初期
値(縦方向435%)の75%、衝撃強度が初期値(7
5g/26インチ高)の69%、通気度が初期値(12
500秒/100cc)の5.6倍、透湿度が初期値
(780g/m2 ・24時間)の3.2倍であり、手で
容易に引き裂くことができ、通気性および透湿性が十分
にあるフィルムであった。
【0042】実施例3 密度0.940g/ml、メルトインデックス2.8g
/10分、酢酸ビニル含有量22重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体100重量部、ポリカプロラクトン1
0重量部および平均粒子径10μmのクリストバライト
粒子50重量部を180℃で20分間バンバリーミキサ
ー中で加熱混練し、樹脂組成物を得た。これを165℃
でサーキュラーダイより押出し、ブロー比2.7、巻取
速度40m/分の条件で空冷インフレーション法によ
り、厚さ100μm、折り径20cmのチューブラーフ
ィルムを得た。このチューブラーフィルムの内面間隙
6.0mm、フィルム内部封入ガスを空気とし、10m
/分の速度で走行させ、フィルム内面コロナ放電処理機
(春日電機製)を用い、周波数8kHz、処理電力28
00W/m2 /分で印加処理した。次いで、上記チュー
ブラーフィルムの内面を密着させて10m/分の速度で
走行させ、電極とフィルムとの間隙を3mmとし、フィ
ルム外面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、周波
数8kHz、処理電力2800W/m2 /分で印加処理
した。次に、内面を密着させた上記チューブラーフィル
ムを、2組のエンボスロールとゴム被覆ロールの間に通
し、一辺の長さ3mm、深さ40μmの長方形の紋を多
数表面に形成させた。
【0043】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向78.5g)の42%、破断点強度が初期値(縦方
向1.46kg/25mm)の48%、破断点伸度が初
期値(縦方向318%)の68%、衝撃強度が初期値
(51g/26インチ高)の47%、通気度が初期値
(2180秒/100cc)の8.9倍、透湿度が初期
値(9500g/m2 ・24時間)の7.2倍であり、
手で容易に引き裂くことができ、通気性および透湿性が
十分にあり、しかも柔軟性がある、紙および布の性質に
近いフィルムであった。また、このフィルムを土中に3
ヵ月間埋めた後に、破断点強度を測定したところ、上記
初期値(縦方向1.46kg/25mm)の7%までさ
らに低下し、生分解性を十分に有することが明らかとな
った。
【0044】実施例4 実施例2のチューブラーフィルムの製造において、使用
した樹脂組成物に、スチレン含有量70重量%およびブ
タジエン含有量30重量%のスチレン−ブタジエン共重
合体(メルトインデックス0.9g/10分,商品名K
−レジン,フィリップス社製)15重量部をさらに配合
した以外は実施例2と同様の操作を行い、チューブラー
フィルムを製造した。次いで、このチューブラーフィル
ムを切り開き、シート状フィルムとし、その片面に大き
さ3mm、深さ50μmのさくらの花模様を多数、エン
ボス加工により付した。
【0045】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向75.0g)の46%、破断点強度が初期値(縦方
向1.75kg/25mm)の52%、破断点伸度が初
期値縦方向231%)の76%、衝撃強度が初期値(5
8g/26インチ高)の44%、通気度が初期値(73
80秒/100cc)の6.8倍、透湿度が初期値(1
150g/m2 ・24時間)の5.3倍であり、手で容
易に引き裂くことができ、通気性および透湿性が十分に
あり、しかも柔軟性がさらに増したフィルムであった。
【0046】実施例5 実施例1において使用した樹脂組成物にポリプロピレン
15重量部を追加した以外は実施例1と同様の方法でチ
ューブラーフィルムを製造した。そして、このフィルム
の両面に布目模様(糸の太さ1mmに相当する織布)を
エンボス加工により形成させた。
【0047】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向8.9g)の47%、破断点強度が初期値(縦方向
0.55kg/25mm)の44%、破断点伸度が初期
値縦方向408%)の93%、衝撃強度が初期値(21
g/26インチ高)の34%、通気度が初期値(65秒
/100cc)の6.2倍、透湿度が初期値(8700
g/m2 ・24時間)の8.3倍であり、手で容易に引
き裂くことができ、通気性および透湿性が十分にあり、
しかも柔軟性がさらに増したフィルムであった。
【0048】実施例6 密度0.950g/ml、メルトインデックス2.0g
/10分の高密度ポリエチレン100重量部および平均
粒子径3μmの炭酸カルシウム20重量部を180℃で
20分間バンバリーミキサー中で加熱混練し、樹脂組成
物を得た。これを180℃でサーキュラーダイより押出
し、ブロー比3.5、巻取速度80m/分の条件で空冷
インフレーション法により、厚さ10μm、折り径50
cmのチューブラーフィルムを得た。このチューブラー
フィルムの内面間隙2.5mm、フィルム内部封入ガス
を空気とし、30m/分の速度で走行させ、フィルム内
面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、周波数20
kHz、処理電力300W/m2 /分で印加処理した。
次いで、上記チューブラーフィルムの内面を密着させて
30m/分の速度で走行させ、電極とフィルムとの間隙
を2.5mmとし、フィルム外面コロナ放電処理機(春
日電機製)を用い、周波数20kHz、処理電力300
W/m2 /分で印加処理した。次に、このチューブラー
フィルムを切り開き、幅100cm、長さ200cmの
シート状のフィルムとし、該フィルムの片面に直径1m
m、深さ5μmの点を多数エンボス加工で形成させた。
【0049】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向4.1g)の55%、破断点強度が初期値(縦方向
0.48kg/25mm)の48%、破断点伸度が初期
値(縦方向385%)の76%、衝撃強度が初期値(3
2g/26インチ高)の33%、通気度が初期値(41
秒/100cc)の4.1倍、透湿度が初期値(128
00g/m2 ・24時間)の7.2倍であり、手で容易
に引き裂くことができ、通気性および透湿性が十分にあ
るフィルムであった。
【0050】実施例7 密度0.935g/ml、メルトインデックス3.2g
/10分、酢酸ビニル含有量18重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体100重量部、トウモロコシデンプン
粒20重量部および平均粒子径5μmのゼオライト30
重量部を180℃で20分間バンバリーミキサー中で加
熱混練し、樹脂組成物を得た。これを170℃でサーキ
ュラーダイより押出し、ブロー比3.2、巻取速度50
m/分の条件で空冷インフレーション法により、厚さ5
0μm、折り径80cmのチューブラーフィルムを得
た。このチューブラーフィルムの内面を密着させて20
m/分の速度で走行させ、電極とフィルムとの間隙を
2.5mmとし、フィルム外面コロナ放電処理機(春日
電機製)を用い、周波数15kHz、処理電力2000
W/m2 /分で印加処理した。次いで、上記チューブラ
ーフィルムの内面間隙2.5mm、フィルム内部封入ガ
スを空気とし、20m/分の速度で走行させ、フィルム
内面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、周波数1
5kHz、処理電力1200W/m2 /分で印加処理し
た。次に、このチューブラーフィルムを切り開き、シー
ト状のフィルムとし、その両面に梨地模様をエンボス加
工で形成させた。
【0051】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向31.5g)の43%、破断点強度が初期値(縦方
向1.18kg/25mm)の51%、破断点伸度が初
期値(縦方向413%)の83%、衝撃強度が初期値
(38g/26インチ高)の48%、通気度が初期値
(211秒/100cc)の8.3倍、透湿度が初期値
(9800g/m2 ・24時間)の7.2倍であり、手
で容易に引き裂くことができ、通気性および透湿性が十
分にあるフィルムであった。また、このフィルムを土中
に3ヵ月間埋めた後に、破断点強度を測定したところ、
上記初期値の5%までさらに低下し、生分解性を十分に
有することが明らかとなった。
【0052】実施例8 密度0.925g/ml、メルトインデックス2.0g
/10分の溶融法で製造した直鎖状エチレン−オクテン
−1共重合体100重量部と平均粒子径2μmの炭酸カ
ルシウム(表面をステアリン酸カルシウムで処理)50
重量部を180℃で20分間バンバリーミキサー中で加
熱混練し、樹脂組成物を得た。これを180℃でサーキ
ュラーダイより押出し、ブロー比3.5、巻取速度50
m/分の条件で空冷インフレーション法により、厚さ1
0μm、折り径30cmのチューブラーフィルムを得
た。このチューブラーフィルムの内面間隙1.8mm、
フィルム内部封入ガスを空気とし、15m/分の速度で
走行させ、フィルム内面コロナ放電処理機(春日電機
製)を用い、周波数15kHz、処理電力2000W/
2 /分で印加処理した。次いで、上記チューブラーフ
ィルムの内面を密着させて15m/分の速度で走行さ
せ、電極とフィルムとの間隙を1.8mmとし、フィル
ム外面コロナ放電処理機(春日電機製)を用い、周波数
15kHz、処理電力2000W/m2 /分で印加処理
した。次に、このチューブラーフィルムを切り開き、シ
ート状のフィルムとし、その片面の長手方向に平行に幅
1mm、深さ0.5μmの直線のすじを、間隔を2mm
ごとに形成させた。
【0053】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向9.5g)の55%、破断点強度が初期値(縦方向
0.62kg/25mm)の48%、破断点伸度が初期
値(縦方向387%)の72%、衝撃強度が初期値(3
3g/26インチ高)の21%、通気度が初期値(43
秒/100cc)の6.8倍、透湿度が初期値(145
00g/m2 ・24時間)の9.3倍であり、手で容易
に引き裂くことができ、通気性および透湿性が十分にあ
るフィルムであった。
【0054】実施例9 密度0.925g/ml、メルトインデックス2.0g
/10分の気相法低圧法で製造した直鎖状エチレン−ブ
テン−1共重合体100重量部および平均粒子径3μm
の炭酸カルシウム(表面をステアリン酸ナトリウムで処
理)50重量部を180℃で20分間バンバリーミキサ
ー中で加熱混練し、樹脂組成物を得た。これを180℃
でサーキュラーダイより押出し、ブロー比3.0、巻取
速度60m/分の条件で空冷インフレーション法によ
り、厚さ50μm、折り径10cmのチューブラーフィ
ルムを得た。このチューブラーフィルムの内面間隙1.
8mm、フィルム内部封入ガスを空気とし、15m/分
の速度で走行させ、フィルム内面コロナ放電処理機(春
日電機製)を用い、周波数30kHz、処理電力500
W/m2 /分で印加処理した。次に、内面を密着させた
上記チューブラーフィルムを、2組のエンボスロールと
ゴム被覆ロールの間に通し、大きさ2mm、深さ20μ
mの星型模様の紋を多数表面に形成させた。
【0055】得られたフィルムは引裂強度が初期値(縦
方向7.1g)の58%、破断点強度が初期値(縦方向
0.42kg/25mm)の51%、破断点伸度が初期
値(縦方向366%)の78%、衝撃強度が初期値(2
8g/26インチ高)の23%、通気度が初期値(26
秒/100cc)の6倍、透湿度が初期値(16000
g/m2 ・24時間)の8.5倍であり、手で容易に引
き裂くことができ、通気性および透湿性が十分にある近
いフィルムであった。このフィルムは内面のみにコロナ
放電処理が施されているので、切り開くことにより片面
のみがコロナ放電処理されたシート状フィルムが得られ
る。該シート状フィルムは容易に表裏の区別を行うこと
ができ、またコロナ放電処理面に粘着剤層を形成するこ
とにより、他方の面に剥離剤を塗布することなしに、粘
着シートまたは粘着テープとすることができる。
【0056】使用例1 実施例1で得られたチューブラーフィルムを長手方向に
20cmの間隔で切断し、底部をヒートシールし、包装
袋としたところ、外観が美しく、触感が良好で、十分な
通気性を持つ、スーパーマーケット等で野菜、果物等を
収納する袋として好適なものが得られた。
【0057】使用例2 実施例2で得られたフィルムを接着剤で貼り合わせて化
粧箱を作成した。この化粧箱は外観が美しく、印刷性お
よび耐水性にすぐれており、菓子、果物、文房具等の各
種物品を収納する箱として好適なものであった。
【0058】使用例3 実施例3で得られたフィルムを長手方向に30cmの間
隔で切断し、底部をヒートシールして鮮度保持包装袋と
した。この包装袋にブロッコリー3kgを入れ、冷蔵庫
に保存したところ、7日後も鮮度が維持されていた。ま
た、この包装袋は使用後土中への廃棄により速やかに分
解した。
【0059】使用例4 実施例4で得られたフィルムは外観が美しく、例えば1
00cm×200cmに切断し、テーブル敷として使用
した場合、上に載せる食器等がすべることなく、使用
後、手でひきちぎり細かくして廃棄することができた。
このため、上記フィルムはレストラン用の使い捨てテー
ブル敷等として好適に利用できる。
【0060】使用例5 実施例5で製造したフィルムを20cm×60cmのシ
ート状フィルムとし、このフィルムの一方の面にアクリ
ル系粘着剤を塗布し、他方の面にシリコーン系剥離剤を
塗布し、粘着シートを作成した。この粘着シートを厚さ
3cmのガラス板の両面に貼合し、ガラス板を保護し
た。ガラス板は倉庫内での移動や自動車による輸送によ
り表面に傷がつくことがなかった。使用後のフィルムを
焼却炉で燃焼させたところ、低温、低酸素濃度条件で完
全燃焼させることができた。なお、本例では使用前の粘
着シートを複数枚重ねて保管することを意図し、一方の
面に剥離剤を塗布したが、粘着フィルムを使用まで単独
で保管する場合、剥離剤は不要である。
【0061】使用例6 使用例5で製造した粘着シートを幅2cmに切断し、粘
着テープとした。この粘着テープは手で容易に切断でき
るので使用上非常に便利である。この粘着テープを床養
生シートの周辺に貼り、床養生シートを固定した。この
場合、上記粘着テープは手で簡単に切断することができ
るので、作業能率は非常に向上した。また、この粘着テ
ープは、基材の表面が強力にコロナ放電処理されている
ため、基材表面の自由エネルギーが60〜70erg/
cm2 と非常に大きく、また基材表面に微視的な凹凸が
多数生じるともに、巨視的な凹凸であるエンボス紋が形
成されているので、通常のコロナ放電処理されたものに
比べ、基材表面と剥離剤または粘着剤との結合力が大き
く、剥離剤や粘着剤が基材表面から剥離することがな
く、使用後に対象物から粘着テープを剥がした場合、い
わゆる糊残りが生じることはない。
【0062】使用例7 実施例6で得られたフィルムの周囲に前項の使用例6で
作成した粘着テープを粘着剤層の一部がフィルムと対向
(重なる)ように貼り付け、塗装用マスキングフィルム
とした。このマスキングフィルムを垂直に立てた鉄板に
粘着テープ部分を上にして貼った。このマスキングフィ
ルム上に赤色アクリル系塗料を塗布したところ、使用中
不具合が生じることなく、表面に均一に塗布され、塗料
が垂れ落ちることはなかった。マスキングフィルムの基
材フィルムと粘着テープとは強固に結合されており、粘
着性がすぐれていることを示した。また、このマスキン
グフィルムを廃棄するとき、手で簡単に引き裂くことが
でき、作業性が非常に高いものであった。
【0063】使用例8 実施例7で得られたフィルムから簡易レインコートを作
成し、試着したところ、むれることはなく、水に濡れて
も紙のようにふやけたりせず、強度および形状を保持し
ていた。また、この実施例7のフィルムを使い捨てカイ
ロの発熱剤を収納する通気性収納袋として使用したとこ
ろ、適度な通気性、熱伝達性を示し、良好な結果が得ら
れた。
【0064】使用例9 実施例8で得られたフィルムを長手方向に平行にテープ
幅10mmとなるように切断し、各テープを5倍に延伸
し、結束テープを作成した。この結束テープは軽量で、
表面に凹凸があり滑りにくく結束性が高く、しかも人の
手で容易に切断できるので、軽包装用の結束テープとし
て好適であった。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に記載したように、本発明の機
能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムおよび機能
性ポリオレフィン系フィルムは、通常のコロナ放電処理
に比べ少なくとも2倍という、これまで提案されたこと
のない強力な処理電力の印加を施し、かつエンボス加工
を施してなるものであり、従来技術から予測できなかっ
た下記のような格別な効果を奏する。 (a)フィルムの引裂強度や引張強度が低下しており、
紙のように手で容易に引き裂くことができるので、この
フィルムから作成した製品はカッター等を使用せずに簡
単に手で切ることができ、作業効率がよい。特に、テー
プ状にした場合の横切れ性にすぐれている。 (b)フィルムの外観や感触がすぐれており、紙の代替
品として使用できるばかりでなく、不織布、織布、布製
クロス等の代替品として十分に使用できる。 (c)フィルムの通気度および透湿度が非常に大きく、
通気性や透湿性の要求される用途、例えばおむつカバ
ー、鮮度保持用包装材、簡易レインコート等に幅広く使
用できる。 (d)紙のような感触、易引裂性、通気性および透湿性
に加え、紙では劣っている耐水性および耐薬品性にすぐ
れ、紙の欠点を補うことができ、耐水性や耐薬品性が低
いために紙が適用できなかった用途、例えば使い捨て手
袋、薬品用等の各種ラベル等にも好適に使用できる。 (e)通常のポリオレフィン系フィルムに比し、廃棄処
理性が格段に改良されているため、使用後廃棄されても
環境を汚染することなく、しかも生分解性または光崩壊
性の性質を簡単に付与することができ、さらに環境にや
さしい材料とすることができる。 (f)配合成分の種類、その量比またはコロナ放電処理
の強さ等を適宜選択することにより透明性ないし白色
度、機械的強度または燃焼性等の制御が容易にできる。 (g)フィルム表面に微視的な多数の凹凸とエンボスに
よる巨視的な凹凸が形成されているので、感触が非常に
良好である。 (h)フィルムの表面の自由エネルギーが非常に大き
く、水、塗料、インキ、化学薬品との親和性が大きく、
紙の性質に極めて類似しており、印刷性や筆記性等の点
で従来のポリオレフィン系フィルムの欠点を補うことが
できる。 (i)フィルム表面が活性化され、細かい多数の凹凸が
あり、しかもエンボス紋があるので、粘着剤や剥離剤と
の結合強度が非常に大きく、粘着シートや粘着テープの
支持体とした場合、貼着対象物への適用時に剥離剤が脱
落することがなく、貼着対象物との結合が良好であり、
使用後、接着対象物に粘着剤が残ることがない。 (j)ポリオレフィン系樹脂と無機フィラーを原料とす
るので、紙より安いコストで製造できる。 (k)エンボス加工による紋の模様を変えることによ
り、装飾性、機能性を適宜付与することができ、これら
の特性が要求される各種物品を製造することができる。 (l)衝撃吸収性、吸音性にすぐれ、しかもバルキー感
や腰の強さが十分にあるため、これらの特性が要求され
る各種物品の製造に適用可能であると共に、これらの特
性を従来のポリオレフィン系フィルムからなる物品に付
与することができる。
【0066】また、本発明の機能性ポリオレフィン系チ
ューブラーフィルムまたは機能性ポリオレフィン系フィ
ルムの製造方法によれば、それぞれ、上記のすぐれた性
質を有するチューブラーフィルムまたはフィルムが既存
の処理設備を利用して容易に、しかも安いコストで製造
できる。さらに、上記本発明のチューブラーフィルムか
ら得られる包装袋またはその他の物品もまた、紙のよう
なすぐれた感触、通気性、透湿性、筆記性、印刷性、接
着性、易裂性に加え、すぐれた耐水性や耐薬品性、さら
には良好な廃棄処理性や装飾性を有するため、広範な分
野、例えば包装袋、農業用フィルム、建築用フィルム
(例えば防湿シート等)、粘着シート、粘着テープ、仮
着性保護フィルム、塗装用マスキングフィルム、難燃性
シート、敷紙、封筒、薬袋、ショッピングバッグ、ポス
ター用紙、カレンダー用紙、文房具、壁材、シーツ、衣
服、帽子、運動用具、アミューズメント用具、テープ等
に好適に利用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 7/00 B05B 15/04 B29C 59/00 - 59/18

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなる厚さ5〜150μmのチューブラ
    ーフィルムの内面および外面のいずれか一方または両方
    に50〜3000W/m2 /分の処理電力でコロナ放電
    処理を施し、かつ、前記チューブラーフィルムの少なく
    とも一部にエンボス加工を施したことを特徴とする機能
    性ポリオレフィン系チューブラーフィルム。
  2. 【請求項2】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなるチューブラーフィルムの内面およ
    び外面のいずれか一方または両方にコロナ放電処理を施
    し、かつ、前記チューブラーフィルムの少なくとも一部
    にエンボス加工を施してなり、コロナ放電処理およびエ
    ンボス加工後のチューブラーフィルムの引裂強度、破断
    点強度、破断点伸度または衝撃強度の少なくとも1つの
    物性値はコロナ放電処理およびエンボス加工前のチュー
    ブラーフィルムの相当する物性値を100とした場合の
    相対値で70以下であることを特徴とする機能性ポリオ
    レフィン系チューブラーフィルム。
  3. 【請求項3】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなるチューブラーフィルムの内面およ
    び外面のいずれか一方または両方にコロナ放電処理を施
    し、かつ、前記チューブラーフィルムの少なくとも一部
    にエンボス加工を施してなり、コロナ放電処理およびエ
    ンボス加工後のチューブラーフィルムの通気度または透
    湿度の一方または両方の物性値はコロナ放電処理および
    エンボス加工前のチューブラーフィルムの相当する物性
    値を100とした場合の相対値で300以上であること
    を特徴とする機能性ポリオレフィン系チューブラーフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 スチレン含量が65〜85重量%である
    スチレン−ブタジエン共重合体を30重量部までの量で
    さらに含有するポリオレフィン系樹脂組成物が使用され
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の機能性ポリ
    オレフィン系チューブラーフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂を30重量%まで
    の量で含有するポリエチレン系樹脂がポリオレフィン系
    樹脂として使用される請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載の機能性ポリオレフィン系チューブラーフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 ロール体の形態にある請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載の機能性ポリオレフィン系チュー
    ブラーフィルム。
  7. 【請求項7】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなるチューブラーフィルムの内面およ
    び外面のいずれか一方または両方に50〜3000W/
    2 /分の処理電力でコロナ放電処理を施す工程と、上
    記チューブラーフィルムの少なくとも一部にエンボス加
    工を施す工程とからなることを特徴とする機能性ポリオ
    レフィン系チューブラーフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなる厚さ5〜150μmのフィルムの
    少なくとも一方の面に50〜3000W/m2 /分の処
    理電力でコロナ放電処理を施し、かつ、前記フィルムの
    少なくとも一部にエンボス加工を施したことを特徴とす
    る機能性ポリオレフィン系フィルム。
  9. 【請求項9】 無機フィラーを配合したポリオレフィン
    系樹脂組成物からなるフィルムの少なくとも一方の面に
    コロナ放電処理を施し、かつ、前記フィルムの少なくと
    も一部にエンボス加工を施してなり、コロナ放電処理お
    よびエンボス加工後のフィルムの引裂強度、破断点強
    度、破断点伸度または衝撃強度の少なくとも1つの物性
    値はコロナ放電処理およびエンボス加工前のフィルムの
    相当する物性値を100とした場合の相対値で70以下
    であることを特徴とする機能性ポリオレフィン系フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 無機フィラーを配合したポリオレフィ
    ン系樹脂組成物からなるフィルムの少なくとも一方の面
    にコロナ放電処理を施し、かつ、前記フィルムの少なく
    とも一部にエンボス加工を施してなり、コロナ放電処理
    およびエンボス加工後のフィルムの通気度または透湿度
    の一方または両方の物性値はコロナ放電処理およびエン
    ボス加工前のフィルムの相当する物性値を100とした
    場合の相対値で300以上であることを特徴とする機能
    性ポリオレフィン系フィルム。
  11. 【請求項11】 スチレン含量が65〜85重量%であ
    るスチレン−ブタジエン共重合体を30重量部までの量
    でさらに含有するポリオレフィン系樹脂組成物が使用さ
    れる請求項8ないし10のいずれか1項に記載の機能性
    ポリオレフィン系フィルム。
  12. 【請求項12】 ポリプロピレン系樹脂を30重量%ま
    での量で含有するポリエチレン系樹脂がポリオレフィン
    系樹脂として使用される請求項8ないし11のいずれか
    1項に記載の機能性ポリオレフィン系フィルム。
  13. 【請求項13】 ロール体の形態にある請求項8ないし
    12のいずれか1項に記載の機能性ポリオレフィン系フ
    ィルム。
  14. 【請求項14】 無機フィラーを配合したポリオレフィ
    ン系樹脂組成物からなるフィルムの少なくとも一方の面
    に50〜3000W/m2 /分の処理電力でコロナ放電
    処理を施す工程と、上記フィルムの少なくとも一部にエ
    ンボス加工を施す工程とからなることを特徴とする機能
    性ポリオレフィン系フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載の機能性ポリオレフィン系チューブラーフィルムを長
    手方向に対してほぼ直角に所定の長さに切断し、一方の
    開口部をヒートシールしてなることを特徴とする包装
    袋。
  16. 【請求項16】 粘着シートまたは粘着テープの支持体
    として使用される請求項8ないし13のいずれか1項に
    記載の機能性ポリオレフィン系フィルム。
  17. 【請求項17】 塗装用マスキングフィルムとして使用
    される請求項8ないし13のいずれか1項に記載の機能
    性ポリオレフィン系フィルム。
  18. 【請求項18】 請求項8ないし13のいずれか1項に
    記載の機能性ポリオレフィン系フィルムの片面または両
    面に粘着剤を塗布してなる粘着シート。
  19. 【請求項19】 請求項8ないし13のいずれか1項に
    記載の機能性ポリオレフィン系フィルムを所定の幅に切
    断し、その片面または両面に粘着剤を塗布してなる粘着
    テープ。
  20. 【請求項20】 塗装用マスキングフィルムを塗装対象
    物に貼着するための請求項19記載の粘着テープ。
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