JP4806962B2 - 白色顔料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、誤字などを隠蔽消去する修正液等に用いられる白色顔料組成物に関し、特に酸化チタンの沈降が少なく、白色顔料組成物の分散の経時における安定性が良好であり、塗布性に優れた白色顔料組成物に関する。
従来、修正液等に用いられる白色顔料組成物には、酸化チタンなどの隠蔽材と、水または有機溶剤である液媒体と、使用する水または有機溶剤に溶解、または分散する樹脂などを主成分としている。
ところで、酸化チタンは比重が大きい物質であるため長期間静置しておくと酸化チタンが沈降し、容器内で樹脂溶液を主成分とする分離液と酸化チタン比率の高い沈降物の2層に分かれてしまう。このような層分離した状態では酸化チタンの少ない上澄みが吐出されてしまったり、酸化チタンの沈降層が目詰まりを起こして塗布不能となったりするので、白色顔料組成物のタンク内に攪拌部材としての金属球などの撹拌体を入れて、使用時に容器を振って白色顔料組成物を再分散して使用していた(特許文献1参照)。また、モンモリロナイトやデキストリン脂肪酸エステル等のいわゆるゲル化剤を使用し、白色顔料組成物の粘度を上げることにより沈降を防ぐ方法がとられていた(特許文献2、3参照)。
特開平7−232124号公報 特開平6−264012号公報 特開平7−324177号公報
しかし、塗布部を下にした状態で長期置かれた場合、その部分は狭く形成されているために撹拌体が侵入し難く、攪拌体による再分散が行われ難いため、沈降した酸化チタンが目詰まりし、インキが出にくくなったり、吐出が不能になってしまうことが起こる。
また、モンモリロナイトやデキストリン脂肪酸エステル等のいわゆるゲル化剤を使用し、インキの粘度を上げたとしても、酸化チタンの沈降による目詰まりするまでの時間をのばすことは出来るが、完全に抑えることは困難であった。
本発明は、隠蔽材と、溶剤とを少なくとも含み、せん断速度が1s−1、50s−1、100s−1、150s−1、200s−1における各せん断応力から最小2乗法にて得られる近似式(せん断応力(Pa)=A×せん断速度(s−1)+B)におけるBの値が1.50Pa以上120Pa以下であり、かつ当該近似式の寄与率Rの値が0.9以上である白色顔料組成物を要旨とするものである。
上記近似式のBの値は白色顔料組成物を流動させるために最低限必要な力を意味し、通常、静止状態に置かれた容器内の白色顔料組成物にかかるせん断応力は、白色顔料組成物自身の重量や気圧などであり、1.50Paを超えない。本発明の白色顔料組成物は、前記近似式のBの値が1.50Pa以上かつ該近似式の寄与率Rが0.9以上となるものであるため、ほとんど白色顔料組成物が流動しない静置時においても、酸化チタンの沈降を防止するのに十分な白色顔料組成物となる。
さらに、本発明の白色顔料組成物では、寄与率Rが0.9以上であると共に上記近似式の傾きAの値を0.35以下であれば、せん断速度1s−1におけるせん断応力の実測値から静置状態に限りなく近いせん断速度の状態でも同様のせん断応力値となることが推測できる。
また、本発明では前記近似式のBの値が120Pa以下であることから、小さなせん断応力(インキをある面で押し動かすために必要な力)をかければ白色顔料組成物を塗布し始めることができ、更に前記近似式の傾きAの値(あるせん断速度からせん断速度を1s−1上げるために必要なせん断応力の目安となる)が0.35以下であれば、塗布し始めてからは小さなせん断応力の増加でせん断速度を増加させることができるため、塗布感覚の軽い、良好な塗布性を得ることができると思われる。
以上のように、上記近似式のBの値を1.50Pa以上120Pa以下、かつ上記近似式の傾きAの値を0.35以下とすることにより、白色顔料組成物の静置時における酸化チタンの沈降防止と、白色顔料組成物を塗布した際の良好な塗布性を両立させることができる。
本発明は、白色顔料組成物を長期間保存した場合の酸化チタンの沈降の抑制を、隠蔽材と、溶剤とを少なくとも含み、せん断速度が1s−1、50s−1、100s−1、150s−1、200s−1における各せん断応力から最小2乗法にて得られる近似式(せん断応力(Pa)=A×せん断速度(s−1)+B)におけるBの値が1.50Pa以上120Pa以下であり、かつ当該近似式の寄与率Rの値が0.9以上のものとすることで実現した。該近似式のBの値が1.5Pa未満であると、経時的な酸化チタンの沈降を防止するのに十分でなく、該近似式のBの値が120Paより大きいと静置状態からインキを流動させるために、大きなせん断応力が必要なので、白色顔料組成物を棒状の先弁やボールペンチップを取り付けた容器に充填した場合、吐出させ難くなってしまう。
さらに、上記近似式のBの値は3.0Pa以上であると酸化チタンの沈降防止のために特に好ましく、50Pa以下であると白色顔料組成物の吐出容易性のために特に好ましい。
上記近似式の寄与率Rはせん断応力とせん断速度の相関係数の2乗で、寄与率Rの値が1に近いほど近似式からの各測定値のばらつきが小さく、寄与率R=1のときにせん断応力とせん断速度の実測値の相関は完全な直線になる。寄与率Rの値が0.9以上であればせん断応力とせん断速度の相関は十分直線関係にあると見なせるため、前述のBの値での分散性制御に充分な信頼性があるとすることができるものである。
白色顔料組成物は、万年筆やボールペンなどの消しゴムで消去し難い筆跡や図形を隠蔽するための修正液などに使用できる。基本的な配合は、隠蔽材となる着色成分と、これらを溶解及び/又は分散する液媒体とよりなるものである。
隠蔽材は、紙面として最も多い白色を考慮して白色の顔料が使用される。主に用いられているのは酸化チタンであり、商品の具体例としては、TITONE SR−1(比重4.1)、同R−650(比重4.1)、同R−62N(比重3.9)、同R−42(比重4.1)、同R−7E(比重3.9)、同R−21(比重4.0)(以上、堺化学工業(株)製)、クロノスKR−310(比重4.2)、同KR−380(比重4.2)、同480(比重4.2)(以上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900(比重4.0)、同R−902(比重4.0)、同R−960(比重3.9)、同R−931(比重3.6)(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド製)、TITANIX JR−301(比重4.1)、同JR−805(比重3.9)、同JR−603(比重4.0)、同JR800(比重3.9)、同JR−403(比重4.0)、JR701(比重4.1)(以上、テイカ(株)製)などが挙げられる。酸化チタンの添加量はインキ全量に対し30重量%以上60重量%以下が好ましい。
その他に、白色顔料組成物の塗膜の色調の調整や光沢の調整のために、カーボンブラック、低次酸化チタン、酸化鉄、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸アルミなどの顔料や使用する溶剤に不溶な樹脂粒子なども併用することもできる。その使用量は酸化チタンに対し0.01重量%以上20重量%以下が好ましい。
溶剤は、塗膜の乾燥性を考慮すると沸点40℃以上150℃以下のものが好ましく、ノルマルペンタン(沸点36.0℃)、シクロペンタン(沸点49.2℃)、メチルシクロペンタン(沸点71.8℃)ノルマルヘキサン(沸点68.7℃)、イソヘキサン(沸点60.2℃)、ノルマルヘプタン(沸点98.4℃)、ノルマルオクタンなど脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン(沸点80.0℃)、メチルシクロヘキサン(沸点100.9℃)、エチルシクロヘキサン(沸点132℃)等の他、エクソールDSP 100/140(初留点102℃、乾点138℃)(以上エクソン化学(株)製)等の脂肪族炭化水素系溶剤の混合品などが挙げられる。これらは、単独もしくは混合して使用可能である。溶剤使用量はインキ全量に対して30重量%以上60重量%以下が好ましい。
上記炭化水素系溶剤に可溶な樹脂は、主に顔料の分散や白色顔料組成物の紙面等への定着をもたらすものである。一例を挙げると。アルキッド樹脂、熱可塑性エラストマーなども使用できるが、顔料分散性、紙面への定着性などを考慮するとアクリル系の樹脂が好ましい。以下アクリル系樹脂について説明する。使用可能なモノマーはアクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ノルマルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オレイルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。カチオン性のモノマーとしては、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジシクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,Nジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらのモノマー以外にも酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレートなどの共重合可能なビニルモノマーを含有することもできる。
また、顔料分散安定性の為に、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリカルボン酸高分子などの陰イオン性界面活性剤、ポリエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩などの分散剤を添加することが出来る。特に、陽イオン性長鎖型ポリアミノアミドリン酸塩を樹脂と共に本発明の白色顔料組成物に用いた場合、本発明における近似式(せん断応力(Pa)=A×せん断速度(s−1)+B)のBの値を増大させることができるため、白色顔料組成物の沈降抑制のためにより好ましい。
樹脂と陽イオン性長鎖型ポリアミノアミドリン酸塩の好ましい重量比率は、4:1〜2:1である。
インキは上記各成分をボールミル、アトライター、サンドグラインダー、インペラー等の攪拌分散機を使用して分散混合することによって得られる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
実施例、比較例に用いるアクリル樹脂の製造における原料の組み合わせの一例を表1に示す。
Figure 0004806962
アクリル樹脂製造条件
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサーを設備した500mlの反応容器に上記表1に示した物質を仕込み、窒素ガス気流中、80℃にて7時間撹拌しながら重合させ、透明で粘稠性を有するアクリル樹脂ポリマー成分を得た。
実施例1
TITANIX JR805(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂1 25.8重量部
メチルシクロヘキサン 18.1重量部
Anti−Terra−P(長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、不揮発分50%、BYK
Chemie製、独国) 6.1重量部
Anti−Terra−Pを除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、Anti−Terra−Pを添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例2
TITONE R62N(酸化チタン、堺化学(株)製) 45.0重量部
アクリル樹脂1 19.0重量部
メチルシクロヘキサン 20.0重量部
シクロペンタン 11.5重量部
W001(陽イオン性長鎖型ポリアミノアミドリン酸塩、不揮発分50%、AGATHO
S International B.V製、オランダ) 4.5重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例3
TITONE R62N(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂1 20.8重量部
メチルシクロヘキサン 23.7重量部
W001(前述) 5.0重量部
キョーワード700(非晶質合成ケイ酸アルミニウム、協和化学工業(株)製)
0.5重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例4
R62N(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂2 13.0重量部
メチルシクロヘキサン 15.0重量部
イソヘキサン 10.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ディスパロン1850(長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、不揮発分45%、楠本化成(株)
製) 2.5重量部
キョーワード700(前述) 0.5重量部
ディスパロン1850を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、ディスパロン1850を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例5
JR301(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂2 13.0重量部
メチルシクロヘキサン 20.0重量部
シクロペンタン 15.0重量部
W001(前述) 2.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例6
JR800(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂3 21.8重量部
メチルシクロヘキサン 13.2重量部
シクロペンタン 5.0重量部
W001(前述) 10.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例7
JR301(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂1 20.8重量部
メチルシクロヘキサン 15.2重量部
シクロペンタン 7.0重量部
W001(前述) 4.0重量部
カルファイン200M(炭酸カルシウム、丸尾カルシウム(株)製) 3.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例8
JR301(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂2 13.0重量部
メチルシクロヘキサン 20.0重量部
シクロペンタン 12.4重量部
W001(前述) 4.6重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例9
TITONE R62N(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂2 22.0重量部
メチルシクロヘキサン 12.0重量部
エチルシクロヘキサン 12.0重量部
W001(前述) 4.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例10
TITONE R62N(前述) 60.0重量部
アクリル樹脂2 8.0重量部
メチルシクロヘキサン 19.4重量部
エチルシクロヘキサン 10.0重量部
W001(前述) 1.6重量部
アエロジル200(乾式法シリカ、日本アエロジル(株)製) 1.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
実施例11
TITONE R62N(前述) 50.0重量部
ショウキッドSL−70MS(アルキド樹脂、不揮発分70%、昭和ワニス(株)製)
12.0重量部
メチルシクロヘキサン 33.0重量部
W001(前述) 5.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
比較例1
TITONE R62N(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂1 35.0重量部
メチルシクロヘキサン 13.5重量部
キョーワード700(前述) 0.5重量部
Disperbyk101(界面活性剤、BYKChemie製、独国) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し白色顔料組成物を得た。
比較例2
TITONE R62(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂4 20.0重量部
メチルシクロヘキサン 29.0重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散処理し白色顔料組成物を得た。
比較例3
JR301(酸化チタン、テイカ(株)製) 50.0重量部
アクリル樹脂1 25.0重量部
メチルシクロヘキサン 9.0重量部
シクロペンタン 9.0重量部
W001(前述) 4.0重量部
カルファイン200M(炭酸カルシウム、丸尾カルシウム(株)製) 3.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
比較例4
TITONE R62N(前述) 65.0重量部
アクリル樹脂2 8.0重量部
メチルシクロヘキサン 19.4重量部
エチルシクロヘキサン 5.0重量部
W001(前述) 1.6重量部
アエロジル200(前述) 1.0重量部
W001を除く上記各成分をボールミルで24時間分散処理後、W001を添加し、スリーワンモーターで10分間攪拌し白色顔料組成物を得た。
比較例5
TITONE R62N(前述) 50.0重量部
アクリル樹脂1 35.0重量部
メチルシクロヘキサン 12.5重量部
キョーワード700(前述) 0.5重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
エスベンE(有機ベントナイト(モンモリロナイト)、日本有機粘土(株)製)
1.0重量部
エスベンEを除く各成分をボールミルで24時間分散処理後、エスベンEを添加し、ホモジナイザーで10分分散し、白色顔料組成物を得た。
VISCOANALYSER VAR−100(Reologica Instruments A.B.製レオメーター)と、直径40mm、4°のコーンローターを用いて、実施例1〜11及び比較例1〜5で得た白色顔料組成物のせん断速度1s−1,50s−1,100s−1,150s−1,200s−1におけるせん断応力(Pa)を25℃で測定した。その時のせん断速度とせん断応力よりなる近似式(せん断応力(Pa)=A×せん断速度(s−1)+B)を最小2乗法で求めた。傾きAの値とBの値を表2に、せん断応力−せん断速度のグラフを図1〜図16に示す。なお、図1〜図16のグラフ中に記載されている式中で、yはせん断応力、xはせん断速度である。
また、実施例1〜11、比較例1〜5の白色顔料組成物について沈降試験、塗布性試験を行った。その試験結果と、せん断速度を1s−1から100s−1に変化させるときのせん断応力の変化量Δτ(gf/cm)を上記近似式から求めた計算値についても表2に示す。
沈降試験1
各実施例、比較例で得た白色顔料組成物を直径19mmのねじ口瓶に12ml入れ、50℃3ヶ月放置し、初期のインキ1mlと50℃3ヶ月放置後のねじ口瓶底部のインキ1mlを取り、90℃1日放置後の乾燥固形分率の比(50℃3ヶ月後の乾燥固形分率/初期の乾燥固形分率)を算出した。前記乾燥固形分率の小さいインキは、経時前後で白色顔料組成物の分散状態に変化が少ないため、ねじ口瓶底部に白色顔料組成物が沈降しにくく、ねじ口瓶底部のインキ組成が変わらないことを意味する。前記乾燥固形分率の比が大きい程、白色顔料組成物の分散状態を経時で維持できず沈降するため、白色顔料組成物がねじ口瓶底部に溜まり易いことを意味する。
沈降試験2
各実施例、比較例で得た白色顔料組成物をぺんてるペン修正液(ZL21−W)容器に7ml入れ、キャップをした状態でペン先を下向きにし、50℃で3ヶ月放置後、室温にて1日置いてから、筆記荷重150g、筆記角度70°、筆記速度10cm/秒で直線を引いて、インキがかすれなくなるまでの長さを測定した。
塗布性試験
各実施例、比較例で得た白色顔料組成物をぺんてるペン修正液(ZL21−W)容器に入れ、5cm×5cmを塗布速度50cm/秒で往復し、インキの塗り伸ばしやすさを以下に示す基準で4段階のレベル評価を行った。塗布性のレベル評価は、無作為に抽出した49人のモニターに評価してもらい、その平均値を求めた。
4:インキの塗り延ばしが非常に良く、きれいに塗布できる
3:インキの塗り延ばしが良い
2:インキの塗り延ばしがやや悪い
1:インキの塗り延ばしが著しく悪い
Figure 0004806962
以上、説明したように、本発明の白色顔料組成物は、良好な塗布性と、長時間放置しても酸化チタンの沈降が少ない、塗布性と沈降防止を両立させたものである。
実施例1の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例2の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例3の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例4の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例5の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例6の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例7の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例8の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例9の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例10の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 実施例11の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 比較例1の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 比較例2の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 比較例3の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 比較例4の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ 比較例5の白色顔料組成物で測定した、せん断応力−せん断速度グラフ

Claims (5)

  1. 隠蔽材と、溶剤とを少なくとも含み、せん断速度が1s−1、50s−1、100s−1、150s−1、200s−1における各せん断応力から最小2乗法にて得られる近似式(せん断応力(Pa)=A×せん断速度(s−1)+B)におけるBの値が1.50Pa以上120Pa以下であり、かつ当該近似式の寄与率Rの値が0.9以上である白色顔料組成物。
  2. 前記近似式のAの値が0.35以下である請求項1記載の白色顔料組成物。
  3. 陽イオン性長鎖型ポリアミノアミドリン酸塩を含む請求項1又は請求項2に記載の白色顔料組成物。
  4. 樹脂を含み、前記樹脂と陽イオン性長鎖型ポリアミノアミドリン酸塩の重量比率が、4:1〜2:1である請求項3に記載の白色顔料組成物。
  5. 前記樹脂がアクリル樹脂である請求項4記載の白色顔料組成物。
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