JP4806504B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、複数種類の図柄がそれぞれ所定の賞態様(組み合わせ)を示した場合、すなわち図柄が揃った場合に入賞となって賞が得られるものである。それら図柄の組み合わせは「役」と呼ばれ複数種類あるのが普通であり、たとえば払出枚数によって15枚役、10枚役…、などと呼称されている。
【0003】
様々な役の中の1つに、「リプレイ役」と呼ばれる周知の役がある。リプレイ役が入賞したときは、次のゲームに限り新たにメダルを投入することなく、該リプレイ役が入賞したゲームと同条件でゲームを行なうことができる。このリプレイ役が入賞した場合、メダル投入操作をしないままスタートスイッチを操作するだけで次のゲームを開始できるので、ゲーム内容に変化を与えてゲームの進行が単調化するのを防ぎ、遊技者を飽きさせないという効果が見込まれている。また、メダル投入操作が省略されるので、スピーディーなゲーム進行にも寄与している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リプレイ役が入賞してもメダルの払出があるわけではなく、次の1ゲームを行なう権利のみが得られると決まっているので、遊技者にしてみれば魅力のある役と言えず、リプレイ役の存在価値が薄れ、ほとんど形骸化しているというのが現状である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、リプレイ役に当選したときに付与される特典・賞に変化を与え、リプレイ役の存在価値を高め、ひいては遊技興趣を高めたスロットマシンを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために本発明のスロットマシンは、
図柄が所定の組み合わせで表示された場合、遊技者に対して賞が付与されるように制御する遊技制御部を備えたスロットマシンにおいて、
前記遊技制御部は、前記図柄が所定の組み合わせを示せるかどうかを決定する役抽選手段と、リプレイ図柄に対応する役であるリプレイ役が当選して当該リプレイ図柄が所定の組み合わせを示し入賞となった場合、次回のゲームで遊技媒体が投入されなくても実行可能となるゲームであるリプレイゲームを行うように制御するリプレイ制御手段と、前記リプレイ役の当選に応じて、前記リプレイゲームの数を所定の確率で増加させるリプレイ増加手段とを含み、
前記役抽選手段は、入賞となった場合に前記遊技媒体を払い出す小役及び前記リプレイ役を含む複数の役の中から当選役を決定し、
前記リプレイ制御手段は、前記リプレイ増加手段が前記リプレイ役の入賞に応じて前記リプレイゲームの数を増加させた場合には、当該リプレイ役が入賞したゲームの次回のゲームでリプレイゲームを行うことに加え、当該リプレイゲームでリプレイ役が入賞しなくても当該リプレイゲームの次回のゲームでリプレイゲームを行うように構成されており、
前記リプレイ役の入賞に応じて前記リプレイゲームの数が増加した場合において、当該リプレイ役が入賞したゲームの次回のゲームで前記小役が入賞しうることを特徴とする。
【0007】
上記本発明においては、リプレイ図柄が所定の組み合わせを示すと、新たに遊技媒体(以下、メダルともいう)を投入することなくゲームを開始できるようになっている。従って、メダルの投入操作をしないままスタートスイッチを操作するだけで次のゲームを開始できる(このゲームをリプレイゲームともいう)。さらに、本発明においては、抽選の結果、リプレイ図柄に対応する役(以下、リプレイ役ともいう)に当選した場合、リプレイゲームの実行できる回数が所定確率にて増加、すなわち、上積みされる。上記リプレイ増加手段によってリプレイゲームの実行可能回数が増加された場合、単独のリプレイゲームのみならず、以降のゲームにおいてもメダルを投入せずにゲームを行なえるのである。
【0008】
このようにすると、遊技者はリプレイ図柄が揃う度に期待を抱くようになる。リプレイゲームを何回も連続して行なうことができれば、それだけメダルの減るスピードも遅くなって、遊技者にとっては非常に有利だからである。結果的に、ゲームに占めるリプレイ役の重要度が高まり、リプレイ役を設ける本来の趣旨、すなわち、ゲーム内容に変化を与えてゲームの進行が単調化するのを防ぐという効果が十分に得られる。
【0009】
上記したリプレイ増加手段は、リプレイ役の当選に応じてリプレイゲーム中であるか否かに関わらず新たな抽選処理を実行し、その結果に応じて増加させるべき前記リプレイゲームの数を決定する抽選手段を含むものとすることができる。そして、リプレイ増加手段は、抽選手段が決定したリプレイゲームの数を増加させる一方、増加したリプレイゲームの数が所定の上限に到達した後は上積みを禁止する。
【0010】
リプレイゲーム数を、所定確率にて増加させるということに関していえば、このように、抽選処理が実行されるように抽選手段を設けるのが簡単だから、本発明に推奨される。また、抽選によって全くランダムに増加させたりさせなかったりするので、遊技者が持つ期待感を持続させ易い。従って、ゲーム進行の単調化防止にも寄与できる。
【0011】
また、リプレイ役に当選したゲームにおいて、最大掛け数の遊技媒体が投入されていない場合、リプレイ増加手段によるリプレイゲーム数増加処理は実行されないようにするとよい。
【0012】
一般的なスロットマシンは、最大掛け数、最小掛け数というものが決まっており、掛け数が多いほど遊技者に有利であるのが普通である。たとえば、メダル1枚掛けでゲームを3回行なうのと、メダル3枚掛けでゲームを1回行なうのとでは、後者のほうが圧倒的に有利に調整されている。たまたまメダル1枚掛けでゲームを行なったとする。このゲームでたまたまリプレイ役に当選し、さらにはリプレイゲームの実行可能数が増加された場合、その増加分はすべて1枚掛けのゲーム、ということになってしまい、却って遊技者に不利となる場合がある。そうだとすれば、遊技者のフラストレーションの増大を招くだけである。最大掛け数が投入されている場合にのみ、リプレイゲーム数の増加処理が実行されるようにすると、そのような問題は生じず好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明のスロットマシンの実施形態を説明する。まず、図1は、本発明のスロットマシン1の正面図である。スロットマシン1は、正面部が開閉扉により構成された筐体を有し、その筐体内には環状に形成された3体のリールが収容されている。3体の各リールには、図3(a)に示すような図柄の描かれたセルが貼着されるとともに、それらを個別に回転駆動させるためのリール駆動部たるステッピングモータが環の中心部に取り付けられて、可変表示ユニットを形成している。各リールは、表示窓18を介して視認可能とされている。表示窓18からは、各リールごとに3図柄分が視認可能となっており、これによって図柄表示領域が形成されている。
【0014】
スロットマシン1の動作の仕組みを、図2の回路構成を模式的に示すブロック図を用い、遊技の手順とともに説明する。まず、メダル投入口10にメダルを投入すると、投入メダル検知部10’によってその投入枚数が検知され、それに応じて入賞ライン12,13,14が有効化されて、各ラインに対応するランプが点灯する。入賞ライン12が有効化されるとほぼ同時に、遊技を開始するためのスタートスイッチ(スタートレバー)11も有効になる。有効化されたあとの入賞ラインを便宜的に有効ラインという。各ラインは、メダルの投入枚数1〜3枚に対応しており、それ以上の投入はクレジットメダルとしてRAM32等の記憶装置に電気的に記憶・貯留される形となってクレジット表示部21に枚数表示される。つまり、本実施形態でのスロットマシン1は、最小掛け数が1枚、最大掛け数が3枚と定められている。
【0015】
MAXBETボタン15は、予め貯留しておいた遊技媒体を用い、一度の操作により投入可能な最大数を掛けてゲームを行なえるものである。すなわち、スロットマシン1は、MAXBETボタン15と、その操作の有無を検知するMAXBET検知部15’とを備えたMAXBET手段を有する。一方、1BETボタン16を操作すると、メダルを1枚分づつ投入できる。手で直接メダルを投入するときはメダル投入口10を用い、クレジットメダルを使ってゲームを行なうときはMAXBETボタン15または1BETボタン16を操作する、という具合である。従って、スロットマシン1の遊技媒体検知部は全体として、メダル投入検知部10’、MAXBET検知部15’および1BET検知部16’から構成される。なお、精算ボタン29を操作して、クレジットを解除することも可能である。
【0016】
メダルを直接メダル投入口10に投入する、あるいはBETボタン15,16を操作するとメダルが投入されてゲームを行なう準備が整う。そして、スタートスイッチ11が操作されて遊技開始となった場合には、前述のリールが回胴して、表示窓18を介して図柄が次々と変動表示される。図柄の変動表示が開始された後には、各リールに対応するストップスイッチ20L,20C,20Rが有効化される。そして、これらストップスイッチ20L,20C,20Rが操作されることに基づいて、ステッピングモータおよびそれに取り付けられたリールが動作を停止する。このとき、有効ライン上に並んだ図柄が所定の組み合わせを示している場合に入賞となってメダルが払い出される(払い出されない入賞もある:リプレイ入賞等)。払出メダルの数は、たとえばLEDにより構成される払出表示部22に表示される。
【0017】
筐体上部には、音声情報を遊技者に提供する報知装置として機能するスピーカ17,17が対をなす形にて設けられている。さらに、画像情報を遊技者に提供する報知装置として機能する液晶表示部19が、スピーカ17,17の間に位置する形にて設けられている。これら報知装置により、遊技に関する情報が画像、色彩、音声、あるいはそれらが組み合わされて、遊技者に報知される。
【0018】
スロットマシン1の制御装置は、図2に示すように、演算装置であるCPU30と、各種プログラムや各種判定用テーブルが予め記憶された読み取り専用記憶装置であるROM31と、当該スロットマシン1の作動中における読み書き可能な主記憶装置でありワークエリアとして使用されるRAM32と、を備えた主制御部100を中心とするコンピュータ装置である。
【0019】
主制御部100においては、それに付随する各種操作部に設けられたセンサ、あるいはスイッチからの信号が、図示しないI/Oインターフェイスを経てCPU30に入力される。各種操作部におけるセンサは、スタートスイッチ11、ストップスイッチ20L,20C,20R、MAXBET検知部15’、1BET検知部16’、投入メダル検知部10’、精算ボタン検知部29’等を含むものである。遊技が行われている最中の処理は、ROM31に格納されているシーケンスプログラムがCPU30に逐次読み出されて、RAM32に一旦記憶される形にて、遊技の進行に応じて実行される。処理の実行結果は、CPU30からI/Oインターフェイスを介して各動作部(リール駆動部25(ステッピングモータを含む)、メダル払出部23、各種表示ランプ24(表示部21,22を含む))に出力される。液晶表示部19は表示制御部26を介して制御される。スピーカ17は、音声出力部27の制御のもと、音声信号がAMP17’にて増幅されて、音声を発する仕組みである。
【0020】
ステッピングモータは、CPU30から出力された駆動パルス信号によって、その動作が制御される。CPU30からステッピングモータに向けて所定カウント数の駆動パルス信号が出力されると、RAM32内の所定領域に記憶されたパルスカウンタがカウントアップされる。パルスカウンタの値は、21個の各図柄に対応するものとなっているので、リール回転中どの図柄がどの位置にあるのか、という情報はCPU30がカウンタ値を読み込むことによって正確に把握される。リール25L,25C,25Rは、リール位置検知部28によって1回転ごとに基準位置がセンシングされる。センシング結果としてリール基準位置信号がCPU30に入力され、上記カウンタメモリがクリアされるとともに新たにカウントが開始されるので、リール25L,25C,25Rがいつどこで停止しても問題ない仕組みになっている。リール停止後、次のゲームにおいて再駆動するときには、すべてのリール25L,25C,25Rについて一旦カウンタメモリがクリアされて各リールの位置が確認できた後、ストップスイッチ20L,20C,20Rが有効化される。
【0021】
主制御部100の中でも、CPU30は、遊技が開始されることに基づいて、大当り(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)や小役の抽選処理を実行する主体である。役の抽選は、乱数の抽出と、抽出した乱数の判定による。なお、抽選処理に使用される乱数はCPU30とは別に設けた乱数発生装置で行なうようにしてもよい。乱数の判定に使用される当たり判定テーブルは、ROM31に記憶されている。CPU30は、役抽選プログラムに従って判定テーブルを読み出して、RAM32に記憶保持させ、そのRAM32のワークエリアを使用して乱数判定処理を実行する。すなわち、これらの装置は、図柄が所定の組み合わせを示せるかどうかを決定する役抽選手段として機能するものである。また、RAM32は、役に当選した場合、役に対応するフラグをフラグ成立の状態に記憶する記憶手段としても機能する。
【0022】
次に、スロットマシン1の賞態様について説明する。図3には、スロットマシン1の図柄配列と、その入賞態様が示されている。(a)に示すように、1列につき21個の図柄が描かれたセルが、各々3体のリールに対応して貼着される。各リールが停止したときに、前述の有効ライン上に(b)に示す組み合わせにて図柄が停止すれば入賞である。
【0023】
スロットマシン1における役としては、特別役たるビッグボーナスおよびレギュラーボーナス、2〜15枚の各小役およびリプレイ役が、予めプログラムされた役とされている(ボーナスインおよびジャックインは、ビッグまたはレギュラーボーナスゲーム中にのみ有効)。このうち、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが入賞すると、それぞれに対応した特別な遊技モードが開始される。図4に示すのは、1回のゲームでの掛け枚数に対するビッグボーナス(BIG)およびレギュラーボーナス(REG)の当選確率図である。これに示される確率より明らかな通り、スロットマシン1においては、1枚掛け(1BET)ゲームを3回行なうよりも、3枚掛け(3BET)ゲームを1回行なう方が、ボーナスに当選しやすい。なお、ボーナスの確率は設定1〜6に応じて異なっている。
【0024】
次に図5に示すのは、ボーナス以外の役、すなわち小役の当選確率を示した図である。これらの小役のうち、リプレイ役はメダルの払出がない。その代わり、新たなメダルを投入せずに次のゲームを、リプレイ役が入賞したゲームと同条件にて行なえるものである。すなわち、スロットマシン1は前述した抽選に当選してリプレイ図柄(図3参照)が所定の組み合わせを示し入賞となった場合、メダルが投入されなくとも次回のゲームを実行可能となるように制御するリプレイ制御手段を備えるものである。具体的には、主制御部100の備える演算装置や記憶装置がリプレイ制御手段としての機能を有する。なお、図4で示したボーナス当選確率や、図5で示す小役当選確率は、理解のために当たり判定テーブルからの概算値として例示されるものである。
【0025】
さて、本発明のスロットマシン1において、前述した役抽選手段によってリプレイ役に当選して入賞した場合、あるいは入賞可能となった場合、さらにそのリプレイゲームを行なうことができるゲーム回数が上積みされて、その後のゲームで連続してリプレイゲームを行なえる場合がある。リプレイ役が入賞すればリプレイゲームが1回行なえるのは当然であるが、本発明においては、リプレイ役が1回入賞するだけで、複数回のリプレイゲームが行なえる場合がある。理解のために段階的に記述すればこうである。ステップ1:通常の状態からメダル投入され、メダル投入枚数に応じた抽選処理が実行される。ステップ2:内部抽選によってリプレイ役に当選する。ステップ3:リプレイ役入賞。ステップ4:リプレイゲーム数を増加させるための抽選。
【0026】
上記ステップ4においては、実行可能なリプレイゲーム数を増加させるための抽選処理が実行される。結果的に、実行可能となるリプレイゲーム回数を確率にして表すと、図6のように示せる。図6には、役抽選手段による最初の抽選でリプレイ役に当選したときのリプレイゲーム数選択確率が記されている。「RP1」というのは「ステップ2でリプレイ役に当選したが、ステップ4での上積みはゼロであり、行なえるリプレイゲーム回数は1回」ということを意味している。たとえば、設定1の場合、リプレイ入賞が1回で終了する確率は80%、という情報が図から読み取れる。リプレイゲームの実行可能回数は1〜100回(RP1〜RP100に対応)のそれぞれに設定されており、設定1〜6によって異なるものとすることができ、このようにすれば、設定値ごとに出球率に差を設けることができる。なお、図6に示す確率も判定テーブルからの概算値であることはもちろんである。以上、実行可能なリプレイゲーム数を増加させるための手段、すなわち、リプレイ増加手段は、図2に示す主制御部100の演算装置や記憶装置の有する機能とすることができる。リプレイ増加手段は、リプレイゲームの実行可能回数を抽選により決定する抽選手段を含む。
【0027】
次に、スロットマシン1にて実行される処理の流れを説明する。まず、図7は、ゲーム開始時よりビッグボーナスゲーム処理、レギュラーボーナスゲーム処理を実行するに至るまでの流れを示したフローチャートである。ゲームの進行に伴い、ステップS1〜ステップS7までの処理が順次実行される。なお、ビッグボーナスゲーム処理とレギュラーボーナスゲーム処理とが連続することがないのは周知の通りである。
【0028】
図8は、ゲーム開始処理(S1)の流れを示すフローチャートである。まず、S102の処理は、前述したようにリプレイゲームの実行可能回数がリプレイカウンタに残っている場合の処理であり、メダルが投入されなくとも自動的に3枚掛けゲームにセットするための処理であって、続くステップS103において、リプレイカウンタのデクリメント処理が実行される。それらに先立つ処理S101は、リプレイカウンタ>0であるか否か判断する処理である。リプレイカウンタ=0、すなわち通常ゲーム時においては、S104より処理が開始されるものである。
【0029】
S104においてメダルの投入が確認されると、BET数カウンタ=3、つまり3枚掛けゲームにセットされているか否か判断される(S105)。BET数カウンタ=3である場合、投入メダルはクレジットに加算される(S106)。クレジット数が50枚に達した場合は、それ以上記憶(貯留)できないものとしているので、メダル通路切換ソレノイド33(図2参照)に信号出力され、メダル通路が返却側に切り換えられる(S108)。S110においてスタートレバー11の操作が確認されると、BET数カウンタ>0であるか否か判断されて(S111)、YESならばメダル通路を返却側に切り換えて(S112)抽選処理(S2)へ移行する。
【0030】
図9は、役の抽選処理(S2)の流れを示すフローチャートである。ゲームが開始されると、乱数発生器等で発生させた乱数の中から1つの乱数が抽出(サンプリング)される(S201)。サンプリングされた乱数は、1枚掛けゲーム、2枚掛けゲーム、3枚掛けゲームに対応してROM31からRAM32に呼び出された当選乱数テーブルを用いマッチング処理される(S202)。S203において、当たり乱数に一致していると判断された場合には、S204において、当たり役のフラグが1にセットされる(フラグがONされるともいう)。そして、リール駆動処理(S3)へ移行する。
【0031】
図10は、リール駆動処理(S3)を示すフローチャートである。まず、S301において1ゲーム規制時間(たとえば前回ゲームのスタートから4.1秒)を経過しているか否か判断される。規制時間が経過しているならばS302に進み全リールが始動される。S303においてストップスイッチ(ストップボタン)がONされた場合、ONされたスイッチに対応するリールの停止処理が実行される(S304)。S305において、全リールの停止が確認されたのち、成立役判定処理に移行する。なお、S303においてストップスイッチの操作が確認されない場合、リール規制時間(たとえば40秒)が経過したか否か判断され(S306)、リール規制時間の経過したリールは、遊技者の意思に関係なく停止処理が実行される(S307)。
【0032】
図11は、成立役判定処理(S4)を示すフローチャートである。まず、フラグ成立役が有効ライン上に停止したか否か(入賞したか否か)判断される(S401)。フラグ成立役が有効ライン上に停止しなかった場合には、小役フラグがONされているか否か判断され(S402)、YESの場合には、その小役フラグはクリアされて(S403)、ゲーム開始処理にリターンする。
【0033】
一方、フラグ成立役が有効ライン上に停止した場合であって、続くステップS404において、入賞した役がリプレイ役であると判断された場合には、BET数カウンタ=3であるか否か判断される(S405)。BET数カウンタ=3である場合には、前述したようにリプレイ増加手段による抽選処理、すなわち、リプレイゲームの実行可能回数を抽選により決定する処理が実行される(S406)。この抽選処理は、図9でも示したように、乱数のサンプリングと判定用テーブルとのマッチングによる周知の処理を採用するとよい。なお、本実施形態では、最初のリプレイ入賞の後にリプレイ増加手段による抽選処理が実行されるようにしたが、これに限らず、図9で示した抽選処理においてリプレイフラグが成立したときに直ちに、リプレイ増加手段による抽選処理が実行されるようにしてもよい。結果は両者同じである。
【0034】
ステップS406での処理が終了し、増加させるべきリプレイゲーム数が決定すると、そのゲーム数がRAM32内の所定領域に設けられるリプレイカウンタに加算され、記憶される(S407)。そして、液晶表示部19を用いたリプレイゲーム数の表示処理が更新される(S408)。最後に、S409においてリプレイフラグがクリアされて、メダル払出処理に移行する(リプレイ役入賞の場合メダルの払出は無いので、実質的にはゲーム開始処理にリターンする)。なお、入賞した役がリプレイ役以外であったり、BET数カウンタ=3以外の場合は、S409に直接進み、対応役フラグがクリアされてメダル払出処理に移行する。つまり、最大掛け数(3BET)のメダルが投入されていない場合、リプレイゲームを行なうことができる回数の増加処理は実行されない。なお、メダル払出処理においては、入賞役に応じたメダルの払出が実行される。
【0035】
液晶表示部19を用いたリプレイゲーム数の表示処理は、以下のようにして実行させることができる。リプレイカウンタがゼロよりも大きくなった場合、すなわち、1回でもリプレイゲームが増加された場合に、液晶表示部19にリプレイカウンタの値を表示することができる(たとえば「RP90」と表示させる)。あるいは、所定回数のリプレイゲームを消化した時点で表示させるようにしてもよい。たとえば、図6に示した選択確率のもと、実行可能なリプレイゲーム回数100回に当選した場合、そのリプレイゲームが20回消化されたのちに、リプレイカウンタの値を表示するようにするとよい。このようにすると、リプレイゲームの実行回数が20回に近づくにつれて、遊技者の期待感は相当高まる。なぜならば、RP20回の次はRP100回しか無いからである(図6参照)。遊技者にしてみれば、リプレイゲームを100回行なえることは相当有利なゲーム展開である。このように、表示方法と組み合わせることによって、思いもよらず遊技興趣を向上させる効果が得られる。
【0036】
また、上記したリプレイカウンタは、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのような特別役のフラグが成立した場合には、ゼロにリセットされるようにするとよい。あるいは、それら特別役のフラグが成立した場合には、リプレイゲームは行なえず、特別役が入賞した直後に開始されるボーナスゲームが終了するまで、リプレイカウンタの値が保持されるようにすることができる。
【0037】
また、本実施形態における処理の流れからすると、リプレイカウンタがゼロよりも大の場合は、たとえ前回のゲームにおいて小役が入賞したような場合であっても、リプレイゲームが行なえることになる。つまり、図5に例示したような確率で、リプレイゲーム中に新たなリプレイ役に当選して、再度、リプレイ増加手段による抽選処理が実行される場合がある。従って、一旦リプレイゲーム数が増加した後も更にリプレイゲーム数が上積みされて増加する可能性があり、遊技者の期待感は益々高揚することとなる。ただし、これが遊技者の射幸心を煽りすぎるということであれば、たとえば、一旦増加したリプレイゲーム数を全て消化するまで再度リプレイゲーム数を増加させないようにしたり、あるいはリプレイカウンタが所定の上限(たとえば200)に到達した後は上積みを禁止する等の制限を設けるようにしてもよい。
【0038】
以上、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲にて種々の態様で実施できることはいうまでもない。また、添付の図面は、理解のための模式的あるいは概念的なものであることを断っておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロットマシンの正面図。
【図2】スロットマシンの回路構成を模式的に示すブロック図。
【図3】図柄配列および賞態様を示す図。
【図4】メダル掛け数と遊技優位性との関係を説明するためのボーナス当選確率図。
【図5】小役当選確率を示す図。
【図6】リプレイ増加手段によるリプレイゲーム増加数の選択確率を示す図。
【図7】全体の処理の流れ示すフローチャート。
【図8】ゲーム開始処理の流れを示すフローチャート。
【図9】抽選処理の流れを示すフローチャート。
【図10】リール駆動処理の流れを示すフローチャート。
【図11】成立役判定処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 スロットマシン
30 CPU
31 ROM
32 RAM
100 主制御部(遊技制御部、リプレイ制御手段、リプレイ増加手段)
Claims (3)
- 図柄が所定の組み合わせで表示された場合、遊技者に対して賞が付与されるように制御する遊技制御部を備えたスロットマシンにおいて、
前記遊技制御部は、前記図柄が所定の組み合わせを示せるかどうかを決定する役抽選手段と、リプレイ図柄に対応する役であるリプレイ役が当選して当該リプレイ図柄が所定の組み合わせを示し入賞となった場合、次回のゲームで遊技媒体が投入されなくても実行可能となるゲームであるリプレイゲームを行うように制御するリプレイ制御手段と、前記リプレイ役の当選に応じて、前記リプレイゲームの数を所定の確率で増加させるリプレイ増加手段とを含み、
前記役抽選手段は、入賞となった場合に前記遊技媒体を払い出す小役及び前記リプレイ役を含む複数の役の中から当選役を決定し、
前記リプレイ制御手段は、前記リプレイ増加手段が前記リプレイ役の入賞に応じて前記リプレイゲームの数を増加させた場合には、当該リプレイ役が入賞したゲームの次回のゲームでリプレイゲームを行うことに加え、当該リプレイゲームでリプレイ役が入賞しなくても当該リプレイゲームの次回のゲームでリプレイゲームを行うように構成されており、
前記リプレイ役の入賞に応じて前記リプレイゲームの数が増加した場合において、当該リプレイ役が入賞したゲームの次回のゲームで前記小役が入賞しうることを特徴とするスロットマシン。 - 前記リプレイ増加手段は、前記リプレイ役の当選に応じてリプレイゲーム中であるか否かに関わらず新たな抽選処理を実行し、その結果に応じて増加させるべき前記リプレイゲームの数を決定する抽選手段を含み、
前記リプレイ増加手段は、前記抽選手段が決定したリプレイゲームの数を増加させる一方、増加した前記リプレイゲームの数が所定の上限に到達した後は上積みを禁止する請求項1記載のスロットマシン。 - 前記役抽選手段による抽選処理により特別役が当選した場合に、前記リプレイ増加手段が増加させたリプレイゲームの数をゼロにリセットする請求項1または2記載のスロットマシン。
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