JP4802805B2 - 織機における耳糸開口装置 - Google Patents
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Description
駆動モータ12が所定の角度で往復回転運動をされると、糸ガイド要素2、3はお互いに反対方向に、上昇運動及び下降運動を行い、糸ガイド要素2、3に形成されている糸ガイド4、5に挿通された耳織成糸8、9を、それぞれ反対方向に案内することにより、開口10が形成される。
請求項1記載の発明によれば、第1経糸用綜絖枠と筬との間の狭い空間に少なくとも耳糸用綜絖を配置し、第1経糸用綜絖枠及び筬との間の隙間調整を、第1経糸用綜絖枠に対する耳糸用綜絖の前後方向の傾斜角を変更することにより実施可能である。従って、第1経糸用綜絖枠と筬との間の狭い空間に耳糸用綜絖を周辺部品と干渉することなく設置可能となり、経糸の開口角を大きく維持できる。
さらに、調整部によって耳糸用綜絖の傾斜角及び上下方向並びに前後方向の位置調整を行った後、耳糸開口装置を織機の左右方向に延びる支持部に固定すれば良いので、調整と固定が簡単にできる。
請求項2記載の発明によれば、ブラケットとボックスを固定するボルトを緩め、ブラケットの上部に取り付けられ前後方向の位置調整用のジャッキボルトを前後方向に適量移動させることにより、耳糸用綜絖の前後方向の位置を調整可能であり、かつボルトを中心として耳糸用綜絖を前後方向に回転させ、第1経糸用綜絖枠に対する耳糸用綜絖の傾斜角を調整可能である。また、ブラケットの上部に取り付けられ上下方向の位置調整用のジャッキボルトを上下方向に適量移動させることにより、耳糸用綜絖の上下方向の位置を調整可能である。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
本実施形態における耳糸開口装置は経糸開口用綜絖枠の端部側に位置し、かつ経糸用綜絖枠の織機前方側に配置されており、織布端部の耳組織W(図2参照)を織製するために用いられる例を示す。
図2に示すように、耳糸開口装置10の下方に延びる案内体15及び案内体15から側方に突出している耳糸用綜絖枠17は、最前列の第1経糸用綜絖枠21と筬31との間の狭い空間に配置されている。
ボルト27とジャッキボルト28及びジャッキボルト29等とにより調整部23が構成されている。
先ず、耳糸開口装置10をトップレール22に取り付けた状態で、左右方向の位置調整が行われる。ブラケット24に螺合されている4本のボルト26を緩め、耳糸開口装置10を左右方向にずらして所定位置に合わせる。調整終了後、ボルト26を締め付けることにより、耳糸開口装置10の左右方向の固定を行う。
(1)第1経糸用綜絖枠21と筬31との間の狭い空間に耳糸用綜絖19及び耳糸用綜絖19を保持する案内体15を配置し、第1経糸用綜絖枠21及び筬31との間の隙間調整を、ボルト27を中心として耳糸開口装置10を前後方向に回転させ、第1経糸用綜絖枠21に対する耳糸用綜絖19及び案内体15の傾斜角αを変化させることにより、第1経糸用綜絖枠21及び筬31の双方に対して適切な間隔を保つ位置に調整可能である。従って、第1経糸用綜絖枠21と筬31との間の狭い空間に耳糸用綜絖19及び案内体15を周辺部品と干渉することなく設置可能となり、経糸の開口角を大きく維持できる。
(2)第1経糸用綜絖枠21に対する耳糸用綜絖19の前後方向の傾斜角αの調整に加えて、前後方向の位置調整及び上下方向の位置調整が可能となっているので、第1経糸用綜絖枠21と筬31との間の狭い空間に耳糸用綜絖19を確実に設置できる。
(3)ブラケット24とボックスBを固定するボルト27と、前後方向の位置調整及び傾きの調整を行うジャッキボルト28及び上下方向の位置調整を行うジャッキボルト29等とにより調整部23が構成されている。よって位置調整時には、ボルト27を緩め、ブラケット24の上部に取り付けられ前後方向の位置調整用のジャッキボルト28を前後方向に適量移動させることにより、耳糸用綜絖19の前後方向の位置を調整可能であり、かつボルト27を中心として耳糸用綜絖19を備えた耳糸開口装置10を回転させ、第1経糸用綜絖枠21に対する耳糸用綜絖19及び案内体15の傾斜角αを調整可能である。また、ブラケット24の上部に取り付けられ上下方向の位置調整用のジャッキボルト29を上下方向に適量移動させることにより、耳糸用綜絖19の上下方向の位置を調整可能である。構成が簡単であり、位置調整を容易に行うことができる。
(4)耳糸開口装置10のボックスBの側方に固定されたブラケット24が、織機のフレーム間に架設されたトップレール22に左右方向にスライド可能に取り付けられているので、ボルト26を緩め耳糸開口装置10を左右方向にスライドさせることにより位置調整を簡単に行うことができる。また、耳糸開口装置10の織機への取り付け取り外し作業等を容易に行うことができる。
(5)耳糸用綜絖19の取り付けられた耳糸用綜絖枠17は薄い板を案内体15から側方に突出させた構成であるため、これらの枠のみを第1経糸用綜絖枠21と筬31との間に配置すればよく、織機前後方向の大きなスペースを必要としない利点がある。
次に、本発明の第2の実施形態を図6に基づいて説明する。
この実施形態では、第1の実施形態における位置調整用のジャッキボルトを変更したものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
ブラケット41の突出部の下端には、第1の実施形態と同様に長丸孔41aが左右方向に貫通形成されおり、この長丸孔41aにボルト27が挿通されている。
尚、第1の実施形態における(1)、(2)、(4)、(5)の効果は同じであり、それ以外の効果を記載する。
(1)ジャッキボルトに代えて偏心カム42、43を用いるだけなので、構成が簡単であり、上下方向及び前後方向の位置調整を容易に行うことができる。
○ 第1、第2の実施形態では、使用する耳糸本数を2本として説明したが、2本に限らず、2〜80本程度まで使用することができ、組織に応じて適宜設定されるものである
○ 第1、第2の実施形態では、織耳組織形成用として説明したが、織布の側方において緯入れ時に緯糸端を把持する捨て耳形成用の耳糸開口装置として実施することができる。
11 つば部
12 駆動モータ
15 案内体
16 摺動体
17 耳糸用綜絖枠
19 耳糸用綜絖
21 第1経糸用綜絖枠
23 調整部
24 ブラケット
27 ボルト
28、29 ジャッキボルト
31 筬
B ボックス
T 耳糸
Claims (2)
- 経糸群の側方に配置された少なくとも2本の耳糸をそれぞれ保持する耳糸用綜絖を設け、各耳糸用綜絖を駆動モータから伝達される駆動力によって相反する方向に往復移動させることにより耳糸開口を形成する耳糸開口装置の少なくとも前記耳糸用綜絖を最前列の第1経糸用綜絖枠と筬との間に配置する織機における耳糸開口装置において、
前記耳糸用綜絖を前記第1経糸用綜絖枠に対して織機の前後方向に傾斜可能に設け、
前記耳糸用綜絖の織機の前後方向の傾斜角及び織機の前後方向の位置調整並びに織機の上下方向の位置調整を行う調整部を介して、前記耳糸開口装置が織機の左右方向に延びる支持部に固定されていることを特徴とする織機における耳糸開口装置。 - 前記調整部は、織機の前記支持部に固定されたブラケットと、前記駆動モータの収容されたボックスを該ブラケットと固定するボルトと、前記ブラケットの上部に取り付けられ前後方向又は上下方向の位置調整用のジャッキボルトとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の織機における耳糸開口装置。
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