JP3620153B2 - 織機におけるからみ耳形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機におけるからみ耳形成装置に係り、詳しくはからみ耳形成部の作動レバーの作動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、織機におけるからみ耳形成装置としては例えば特開昭63−135537号公報に開示されているものが知られている。この従来技術では前後に並設されて互いに逆方向に上下動する第1及び第2ヘルドフレームに対して、第1ヘルドフレームには芯糸が導通されるニードルが、第2ヘルドフレームにはからみ糸を左右に綾振り運動させる振り子レバーがそれぞれ固定されている。この振り子レバーを往復揺動させるためのモータが振り子レバーの裏側において第2ヘルドフレームに固定されている。また、他の実施例としてヘルドフレームの外に設置された流体圧シリンダにより振り子レバーを往復揺動させるためのワイヤを牽引することが開示されている。この実施例では、振り子レバーにはワイヤによる牽引方向とは反対方向にばねにより引張り力が付与されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の従来技術では振り子レバーを往復揺動させるためのモータがヘルドフレームに取り付けられるため、ヘルドフレーム全体の重量が増加してヘルドフレームを駆動する駆動手段の負荷が大きくなってしまう。特に、織機を高速回転させるためにはこのような駆動負荷の増加は好ましくない。また、第2ヘルドフレームの裏側にモータを取り付けると第2ヘルドフレームの後ろに並設されるヘルドフレームはモータに干渉しないように距離を開けて配設しなければならない。従って、第2ヘルドフレームより後側のヘルドフレームの織前からの距離が大きくなり、開口量の増加により経糸に加えられる張力が大きくなってしまう。さらに、高速で上下動するヘルドフレームにモータの駆動制御の為の配線を施さなければならないので、配線作業が面倒になると共に配線の耐久性が低下する。
【0004】
一方、後者の従来技術では流体圧シリンダはヘルドフレームに直接取付られていないので上述のような問題は生じない。しかし、綜絖枠の上下動につれて振り子レバーと流体圧シリンダとの距離が変動するため、綾振り時に流体圧シリンダの往復作動をさせるだけでは、ワイヤに緩みを生じたり、あるいは振り子レバーのばねのばね力よりも大きな牽引力が振り子レバーに作用して振り子レバーの姿勢が不安定となってしまい、良好なからみ耳の形成が阻害される。
【0005】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は綜絖枠駆動手段の駆動負荷を増加させることなく、かつ駆動手段と作動レバーとの距離が変化して連結手段に張力変動を生じても、作動レバーの姿勢が不安定となることがない織機におけるからみ耳形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、からみ糸が導通される一対のからみ針と、左右に傾動されることで前記一対のからみ針を往復回動させる作動レバーとを備えたからみ耳形成装置本体が綜絖枠に固定されて綜絖枠と一体的に上下動すると共に、前記作動レバーを連結手段を介して駆動する駆動手段と、前記駆動手段を固定支持する綜絖枠とは別体の支持部材とを備えた織機におけるからみ耳形成装置において、前記綜絖枠の上下動に伴う前記作動レバーと駆動手段との距離の変動による前記連結手段の張力変動を吸収する吸収手段を備えた。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記吸収手段は前記作動レバーの傾動に対応する回動範囲より綜絖枠の上下動に伴う前記作動レバーと駆動手段との距離の変動分だけ大きい回動範囲を有する、前記連結手段の一端が連結された駆動部材を駆動するアクチュエータとした。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記連結手段はワイヤであり、前記作動レバーに前記駆動部材による牽引方向とは逆方向の付勢力を付与する付勢部材を設けた。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記ワイヤの上下方向の振動を規制する規制部を有する振れ止め部材を備えた。
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記支持部材は上下方向に位置調整可能に固定されている。
【0010】
請求項1乃至請求項5に記載の発明では、綜絖枠の上下動に伴うからみ耳形成装置本体の作動レバーと駆動手段との距離の変動による連結手段の張力変動が吸収手段により吸収され、作動レバーの姿勢に影響することがなくなる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、アクチュエータにより連結部材を介して作動レバーを牽引する方向に駆動部材が回動される。駆動部材は往復回動により作動レバーの傾動位置を切り換える。駆動部材は作動レバーの傾動位置の切換に対応する範囲と、綜絖枠の上下動による作動レバーと駆動部材との距離の変動分に対応する範囲との和の範囲を回動される。
【0012】
請求項3に記載の発明では、作動レバーはワイヤを介して駆動部材により牽引されて傾動位置を切り換えられると共に、アクチュエータの牽引力がなくなると付勢部材の付勢力により傾動位置を切り換えられる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、綜絖枠の上下動に伴うワイヤの上下の振動が振れ止め部材の規制部により規制される。
請求項5に記載の発明では、例えばワープラインの高さが変更された場合に、変更後の作動レバーの高さ位置に対応する位置に駆動手段が位置するように、支持手段の固定位置が上下方向に調整される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図7に従って説明する。図1に示すように、複数枚並設される綜絖枠1は側部においてガイド2により上下動可能に支承されている。ガイド2は二股状のガイドブラケット3の端部に固定支持されており、ガイドブラケット3はサイドフレーム4の側面に固定されている。綜絖枠1は下部において図示しない綜絖枠駆動手段に連結された駆動腕5に接続されており、駆動腕5により綜絖枠1が上下動される。綜絖枠1の側端部前方にはからみ耳形成装置本体6が固定されており、綜絖枠1と一体的に上下動される。
【0015】
次にからみ耳形成装置本体6の構成を説明する。からみ耳形成装置本体6は地耳形成部と捨耳形成部とを備えている。図2及び図3に示すように、からみ耳形成装置本体6の上方には導糸孔7を有する導糸部材8が支持板9を介して4本支持されており、図示しない給糸源から供給されるからみ糸が導通される。からみ耳形成装置本体6の中央付近には地耳形成部10のからみ針10a,10b及び捨耳形成部11のからみ針11a,11bが左右に並設されている。からみ針10a,10b,11a,11bの先端には導糸部材8から導かれるからみ糸が導通される導糸孔12が形成されている。
【0016】
地耳形成部10及び捨耳形成部11は同様に構成されている。図4は捨耳形成部11の概略斜視図である。からみ針10a,10b及びからみ針11a,11bは基端部において支持部13,14に固定されている。支持部13,14は上部に回動軸15,16が突設され、回動軸15,16は支持プレート17に固定された支持ブロック18,19に回動可能に支承されている。回動軸15,16の中間部にはアーム20,21が一端において一体回動可能に固定されており、アーム20,21の他端はピン22,23を介してスライダ24に回動可能に連結されている。そして、スライダ24が左右に移動するとアーム20,21を介して回動軸15,16が往復回動されるようになっている。支持プレート17の下部には導糸スリット25が形成された支持板26が一体に固着されている。
【0017】
図2,3に示すように、支持プレート17の上部前面に固定された支持片27には作動レバー28が支軸29を介して回動可能に支持されている。作動レバー28の上部には連結手段としてのワイヤ30の端部が係止される係止部28aが設けられている。係止部28aは作動レバー28に形成されたねじ孔に螺合されるねじにより構成されており、ワイヤ30の端部に形成された図示しない環状取付部が締め付け固定される。係止部28aの下方にはスプリング31の端部が係止される係止部28bが設けられている。係止部28bは作動レバー28に嵌入固定されたピンで構成されている。支持プレート17の上部には綜絖枠1の上枠の図示しない支持杆に取付けられる取付部32が設けられている。
【0018】
作動レバー28の基端部には連結アーム33が下方に延出されており、連結アーム33の環状端部34はスライダ24に突設された嵌合凸部35に嵌合されている。作動レバー28の傾動により連結アーム33を介してスライダ24が左右に変位され、からみ針10a,10b,11a,11bが往復回動される。支持板26の下端部には綜絖枠1の下枠の図示しない支持杆に取付けられる取付部材36が設けられている。
【0019】
図1に示すように、ガイドブラケット3の上部には支持部材としての支持ブラケット37が固定されている。支持ブラケット37のガイドブラケット3に対する固定部には長孔37aが形成され、支持ブラケット37は長孔37aに挿通されるねじによりガイドブラケット3に固定されている。支持ブラケット37にはロータリソレノイド38が固定され、その出力軸39に駆動部材としての駆動レバー40が固定されている。駆動レバー40とロータリソレノイド38は駆動手段を構成する。
【0020】
駆動レバー40には係止部40aが設けられ、該係止部40aと作動レバー28の係止部28aとにワイヤ30の端部が係止されている。また、作動レバー28の係止部28bと、綜絖枠1の上部に固定されたスプリングブラケット43の係止部44との間にスプリング31が張設されている。スプリング31の引張り力はロータリソレノイド38の回動力よりも小さくなっている。
【0021】
駆動レバー40は図示しないブラケットに位置調整可能に支持されたストッパ41,42により回動範囲が規制される。ストッパ41はロータリソレノイド38が消磁されて、スプリング31の付勢力により作動レバー28が右方に傾動されたときの、駆動レバー40の回動を規制する。また、ストッパ42はロータリソレノイド38が励磁されて、スプリング31の付勢力に抗して作動レバー28が左方に傾動されたときの、駆動レバー40と作動レバー28の距離が最小となるときのワイヤ30の緩みを吸収する範囲で駆動レバー40の回動を規制する。なお、綜絖枠1の図示しない右側においても同様の機構が備えられている。
【0022】
次に上記のように構成された装置の作用を説明する。まず、製織を開始する前に、織布幅に対応する位置においてからみ耳形成装置本体6を綜絖枠1の側端部前面に固定する。からみ耳形成装置本体6が固定されると駆動レバー40の係止部40aの高さが綜絖枠1が中間位置にある時の作動レバー28の係止部28aの高さに略等しくなるように、支持ブラケット37の上下位置を長孔37aに沿って調整した後にガイドブラケット3に固定する。支持ブラケット37の固定がなされると、ロータリソレノイド38を消磁させた状態で図5に示すように駆動レバー40をストッパ41に規制されるまで右方に回動させる。そして、綜絖枠1の位置を上限位置にして作動レバー28の係止部28bにスプリング31の端部を係止させ、作動レバー28を右方へ傾動させた状態でワイヤ30の両端を係止部28a,40aに係止する。
【0023】
次に、綜絖枠1を中間位置にしてロータリソレノイド38を励磁し、駆動レバー40が左方に回動したところでストッパ42で回動範囲を規制するようにストッパ42の位置を調節する(図5に仮想線で示す)。ストッパ42の位置調整が終了した後ロータリソレノイド38が消磁されて、作動レバー28はスプリング31の引張り力により右方に傾動した状態に保たれる。駆動レバー40の回動範囲の調整の後にからみ耳形成装置本体6の左右一対のからみ針10a,10b,11a,11bには図示しない給糸源からからみ糸がそれぞれ供給される。
【0024】
製織が開始されると、綜絖枠1の開口運動に伴ってからみ耳形成装置本体6が上下動される。図6(a)に示すように、綜絖枠1が上開口位置に来たときにロータリソレノイド38が励磁されて駆動レバー40が矢印A方向に回動され、作動レバー28がスプリング31の引張り力に抗して左方に傾動される。作動レバー28が傾動されると連結アーム33を介してスライダ24が右方に変位され、スライダ24の変位に伴ってアーム20、21を介して回動軸15,16が回動される。回動軸15、16が回動されると支持部13,14を介してからみ針10a,10b,11a,11bが回動され、からみ針10a,10b,11a,11bの導糸孔12に導通されたからみ糸の芯糸に対する左右位置が変更されてからみ糸が交差される。なお、このとき駆動レバー40の矢印A方向への回動はストッパ42によっては規制されていない。
【0025】
図6(b)に示すように、綜絖枠1が上開口位置より下降されたときには、駆動レバー40が係止部28a,40a間の距離の減少分だけロータリソレノイド38の回動力により矢印A方向に回動されて、ワイヤ30の緩みが吸収される。綜絖枠1が中間位置に来たときに係止部28a,40a間の距離は最小となり、ストッパ42により回動が規制される。従って、ワイヤ30は係止部28a,40a間の距離が減少したにも拘わらず緩みを生じることがないので、作動レバー28がスプリング31の回動力により右方に傾動されることがない。図6(c)に示すように、綜絖枠1が中間位置より下降されたときには係止部28a,40a間の距離の増加分だけ駆動レバー40がロータリソレノイド38の回動力に抗して矢印B方向に回動される。即ち、綜絖枠1の移動に伴って作動レバー28とロータリソレノイド38との距離の変動に伴うワイヤ30の張力変動が駆動レバー40の回動により吸収される。
【0026】
綜絖枠1が再び上開口位置に来たときにロータリソレノイド38が消磁されるとスプリング31の引張り力により作動レバー28が右方に傾動される。この作動レバー28の傾動位置の切換により、前回とは逆方向にからみ針10a,10b,11a,11bが回動されてからみ糸が交差される。以降同様に綜絖枠1が上開口位置に来たときにロータリソレノイドの励磁及び消磁を交互に繰り返すことでからみ耳が地耳及び捨耳として形成される。なお、ロータリソレノイド38が消磁されていて作動レバー28が右方に傾動されているときにも、綜絖枠1の上下動によりワイヤ30に緩みが生じる。しかし、このときは作動レバー28はスプリング31の引張り力を受けているので左方に傾動することはない。
【0027】
図7に示すように、からみ耳45は芯糸T1とからみ糸T2,T3と緯糸Yとから構成される。芯糸T1はからみ耳形成装置本体6の裏側から導糸スリット25を通って織機前方に導かれる。からみ糸T2,T3は導糸部材8からからみ針10a,10b,11a,11bの先端部に形成された導糸孔12を通って織機前方に導かれる。からみ針10a,10b,11a,11bが作動レバー28の傾動により緯入れ2回毎に1回回動軸15,16を中心として回動されると、からみ糸T2,T3の芯糸T1に対する左右位置が変わり、からみ糸T2,T3が互いに交差されてからみ耳45が形成される。
【0028】
この実施の形態では以下の効果を奏する。
(イ) からみ針10a,10b,11a,11bを駆動する作動レバー28の傾動位置の切換を、綜絖枠1と別体の支持ブラケット37に支持された駆動手段と、駆動手段と作動レバー28を連結する連結手段とにより行うので、作動レバー28を作動させるための駆動手段を綜絖枠1に固定する必要がなくなり、綜絖枠駆動手段の駆動負荷の増加を招くことがない。さらに、綜絖枠1に駆動手段の駆動制御のための配線を施す必要がないため、取付作業が容易となる。
【0029】
(ロ) ストッパ42により規制される駆動レバー40の連結手段を牽引する方向への回動量を、綜絖枠1の上下動に伴う係止部28a,40a間の距離の減少分だけ大きくするようにしたので、連結手段の張力変動が駆動レバー40の回動により吸収されて作動レバー28の姿勢が安定する。
【0030】
(ハ) ワイヤ30により駆動レバー40と作動レバー28とを連結するようにしたので、ロッド等の連結部材に比べて軽量であり、駆動手段の駆動負荷が軽減される。また、からみ耳形成装置本体6の取付位置が変更された場合の調整が容易である。
【0031】
(ニ) ワイヤ30の長さを綜絖枠1の上下動により変化する係止部28a,40a間の距離の最大値とすると共に、作動レバー28に対してスプリング31によりワイヤ30の牽引方向とは逆方向への付勢力を付与するようにした。従って、ロータリソレノイド38が消磁されて作動レバー28が右方に傾動されているときには、綜絖枠1の上下動によりワイヤ30には緩みが生じるのみであり、作動レバー28は左方に傾動することはない。
【0032】
(ホ) ロータリソレノイド38の励磁によりスプリング31の引張り力に抗して作動レバー28を一方向へ傾動させると共に、スプリング31の引張り力により作動レバー28を反対方向へ傾動させるようにしたので、ロータリソレノイド38に対する駆動制御は消励磁のみでよく、制御が容易となる。
【0033】
(ヘ) 支持ブラケット37を上下方向に位置調整可能、具体的には支持ブラケット37に形成した長孔37aに沿って移動可能としたのでワープライン(経糸列)の高さが変更された場合に駆動手段の高さを調整することができる。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のように具体化してもよい。
(1) 駆動レバー40の回動は緯入れ2回毎に限らず、緯入れ4回毎に行うようにしてもよい。このときは、図7に示すようなからみ耳においてからみ糸が交差する部分の間の緯糸Yが4本となる。また、上開口位置及び下開口位置で駆動レバー40を回動させて、緯入れ1回毎や、緯入れ3回毎にからみ針10a,10b,11a,11bを回動させるようにしてもよい。
【0035】
(2) からみ耳形成装置本体6の地耳形成部10及び捨耳形成部11のうち、どちらか一方のみを使用するようにしてもよい。例えば、エアジェット織機では緯入れ側には捨耳を形成しないため、綜絖枠1の右側に取付けられるからみ耳形成装置本体6では地耳形成部10のみに芯糸T1及びからみ糸T2,T3を供給するようにしてもよい。
【0036】
(3) 図8に示すように、左右のからみ耳形成装置本体6の作動レバー28をワイヤ46で連結し、左右のロータリソレノイド38の励磁時における回動方向を互いに逆方向に設定するようにしてもよい。例えば、左右の作動レバー28を右方に傾動させるときには機台右側のロータリソレノイド38が励磁されるとともに、左側のロータリソレノイド38が消磁される。左方のからみ耳形成装置本体6の作動レバー28はワイヤ46を介して機台右側のロータリソレノイド38により傾動される。このときは、スプリングブラケット43並びにスプリング31を省略することができ、部品点数が減少する。
【0037】
(4) 図9及び図10に示すように、綜絖枠1の上部に振れ止め部材47を設けてもよい。振れ止め部材47は綜絖枠1の上部に嵌合する嵌合部48と、ワイヤ30と当接してワイヤ30の振れを規制する規制片49,50を有する規制部51とからなり、規制部51は嵌合部48にねじ52により固定されている。また、ねじ52は嵌合部48を綜絖枠1の上部に締め付け固定する働きを兼ねている。このときは、織幅変更によりからみ耳形成装置本体6の取付位置がロータリソレノイド38から遠くなりワイヤ30の長さが長くなったときにも、規制片49,50がワイヤ30の上下方向の振れを抑制して作動レバー28の姿勢を安定させることができる。
【0038】
(5) ストッパ41,42は必ずしも製織中に駆動レバー40に当接する位置に固定されていなくてもよい。例えば、駆動レバー40のワイヤ30を牽引する方向の回動量を規制するストッパ42を、ワイヤ30の緩み量に対して十分に離れた位置に固定するようにしてもよい。このときは、ワイヤ30の緩み量に応じてストッパ42の位置を調整する必要がなくなる。また、ストッパ41,42を設けないようにしてもよい。
【0039】
(6) ワイヤ30の途中に張力付与部材としての重りを介在させてワイヤ30の緩みを吸収するようにしてもよい。
(7) ワイヤ30と交差する方向に牽引力を付与する張力付与部材としての弾性部材を設けてもよい。例えば挟持片にワイヤ30を挟持させると共に、当該挟持片を弾性部材を介して固定部に固定するようにすれば、ワイヤ30が弾性部材の弾性力により牽引されて、ワイヤ30の緩みが吸収される。
【0040】
(8) 支持ブラケット37に上下方向の長孔37aを設けずに、ロータリソレノイド38の支持ブラケット37に対する上下位置を調整可能としてもよい。また、長さの異なる駆動レバー40を複数用意しておいて、ワープラインの高さに応じた長さを有する駆動レバー40をロータリソレノイド38の出力軸39に固定するようにしてもよい。
【0041】
(9) ワイヤ30の代わりに剛性を有するロッドで駆動レバー40と作動レバー28を連結してもよい。このときは、係止部28a,40aの間の距離が短くなるとロッドに撓みを生じるので、この撓みを吸収手段により吸収する。また、この場合はロータリソレノイド38を往復とも積極回転可能とするとともに、スプリング31を省略するようにしてもよい。
【0042】
(10) 出力軸の回転角度を積極的に制御可能なステッピングモータで駆動レバー40を回動するようにしてもよい。このときは、駆動レバー40の回動範囲を規制するストッパ41,42が不要となり、駆動レバー40の回動範囲の調整がステッピングモータに対する回動量指令値の変更のみで済む。この場合は駆動レバー40の回動範囲を調整可能にステッピングモータを駆動制御する制御装置が吸収手段となる。また、駆動レバー40を作動レバー28が右方に傾動しているときの、綜絖枠1の上下動に伴うワイヤ30の緩みを吸収するように、ワイヤ30を牽引する方向に回動させることも可能となる。従って、ワイヤ30の緩みを常に防止してワイヤ30の耐久寿命を向上させることができる。
【0043】
(11) ワイヤ30を流体圧シリンダのような直動アクチュエータにより牽引してもよい。このときは、ワイヤ30の緩みを積極的に吸収するようにストロークを制御するか、あるいは少なくとも作動レバー28が牽引方向に傾動している状態でのワイヤ30の緩みを吸収するようにシリンダストローク又は作動レバー28に対する配設位置を設定しておけばよい。この場合は、流体圧シリンダのストロークを調整可能に制御する制御装置あるいは、直動アクチュエータの配設位置を調整可能な固定装置が吸収手段となる。
【0044】
(12) 駆動レバー40の係止部40aの高さを綜絖枠が上開口位置又は下開口位置にあるときの作動レバー28の係止部28aの高さに合わせるように支持ブラケット37の上下位置を調整するようにしてもよい。このときは、綜絖枠1が下開口位置又は上開口位置にあるときに係止部28a,40aの距離が最大となり、綜絖枠1が上昇又は下降するにつれて係止部28a,40aの距離が減少していく。
【0045】
(13) 駆動レバー40と作動レバー28とが最短距離にある状態でワイヤ30の張設を行うようにしてもよい。このときは、牽引方向とは逆方向の回動を規制するストッパ41により規制される駆動レバー40の回動量を、駆動レバー40と作動レバー28の距離の増大分だけ大きくしておく必要がある。また、最長距離あるいは最短距離でない任意の位置でワイヤの張設を行うようにしてもよい。
【0046】
(14) 図8の左右の作動レバー28を連結するワイヤ41をリンク(ロッド)としてもよい。
(15) 付勢部材としてスプリング31に代えて、作動レバー28の左側に当接して作動レバーを右側に付勢する板ばねを設けてもよい。また、作動レバー28を右方へ回動付勢するねじりばねを設けてもよい。
【0047】
(16) 駆動レバー40に代えて駆動プーリを駆動部材として設け、駆動プーリにワイヤ30の一端を止着するようにしてもよい。この場合、ワイヤ30が緩むとワイヤ30は駆動プーリに巻き取られるため、ワイヤ30の振れが発生し難い。
【0048】
前記実施の形態及び変更例から把握できる請求項記載以外の発明について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 請求項1に記載の発明において、連結手段をワイヤとすると共に、吸収手段を連結手段に直接取り付けられる重りやばね等の張力付与部材とする。この場合は、張力付与部材により作動レバーと駆動手段の距離の変動に伴うワイヤの緩みが吸収されて、作動レバーの姿勢が安定する。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1乃至請求項5に記載の発明では、からみ針を駆動する作動レバーの傾動位置の切換を綜絖枠とは別体の支持部材に固定支持された駆動手段と駆動手段と作動レバーを連結する連結手段とにより行うので、作動レバーを作動させるための作動機構を綜絖枠に固定する必要がなくなり、綜絖枠駆動手段の駆動負荷の増加を招くことがないと共に、綜絖枠に駆動手段の制御のための配線を施す必要がないので取付作業が容易となる。また、綜絖枠の上下動による連結手段の張力変動が吸収手段により吸収されるので、作動レバーの姿勢が不安定となることがなく、からみ耳の形成が安定して行われる。
【0050】
請求項2に記載の発明では、駆動部材の回動範囲を綜絖枠の上下動に伴う駆動部材と作動レバーの距離の変動分だけ大きくしたので、駆動部材と作動レバーの距離の減少に伴う連結手段の張力変動が駆動部材の回動により吸収されて作動レバーの姿勢が安定する。
【0051】
請求項3に記載の発明では、作動レバーの傾動位置の切換はアクチュエータの駆動のみで行われるので、アクチュエータの駆動制御が容易となる。また、連結部材をワイヤで構成したのでロッドを使用する場合に比べて、アクチュエータの駆動負荷を軽減することができる。
【0052】
請求項4に記載の発明では、からみ耳形成装置本体の綜絖枠に対する取付位置によりワイヤの長さが長くなる場合にも、ワイヤの上下振動を規制して作動レバーの姿勢をより安定させる。
【0053】
請求項5に記載の発明では、ワープラインの高さ調整等によって駆動手段と作動レバーとの上下位置が変化した場合に、駆動手段の上下位置を変更後の作動レバーの位置に合わせる調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のからみ耳形成装置を備えた織機の部分正面図。
【図2】(a)はからみ耳形成装置本体の正面図、(b)は(a)の部分拡大図。
【図3】からみ耳形成装置本体の側面図。
【図4】からみ針の概略斜視図。
【図5】ストッパの取付位置を示す部分正面図。
【図6】駆動レバーと作動レバーの関係を示す模式図。
【図7】からみ耳の概略組織図。
【図8】他の実施形態のからみ耳形成装置を備えた織機の部分正面図。
【図9】振れ止め部材を示す斜視図。
【図10】振れ止め部材の使用状態を示す部分正面図。
【符号の説明】
1…綜絖枠、6…からみ耳形成装置本体、10a,10b,11a,11b…からみ針、28…作動レバー、30…連結手段としてのワイヤ、31…付勢手段としてのスプリング、37…支持部材としての支持ブラケット、38…駆動手段(アクチュエータ)及び吸収手段を構成するロータリソレノイド、40…駆動手段を構成する駆動部材としての駆動レバー、41,42…ストッパ、45…からみ耳、47…振れ止め部材、51…規制部、T2,T3…からみ糸。
Claims (5)
- からみ糸が導通される一対のからみ針と、左右に傾動されることで前記一対のからみ針を往復回動させる作動レバーとを備えたからみ耳形成装置本体が綜絖枠に固定されて綜絖枠と一体的に上下動すると共に、前記作動レバーを連結手段を介して駆動する駆動手段と、前記駆動手段を固定支持する綜絖枠とは別体の支持部材とを備えた織機におけるからみ耳形成装置において、
前記綜絖枠の上下動に伴う前記作動レバーと駆動手段との距離の変動による前記連結手段の張力変動を吸収する吸収手段を備えた織機におけるからみ耳形成装置。 - 前記吸収手段は前記作動レバーの傾動に対応する回動範囲より綜絖枠の上下動に伴う前記作動レバーと駆動手段との距離の変動分だけ大きい回動範囲を有する、前記連結手段の一端が連結された駆動部材を回動するアクチュエータである請求項1に記載の織機におけるからみ耳形成装置。
- 前記連結手段はワイヤであり、前記作動レバーに前記駆動部材による牽引方向とは逆方向の付勢力を付与する付勢部材を設けた請求項2に記載の織機におけるからみ耳形成装置。
- 前記ワイヤの上下方向の振動を規制する規制部を有する振れ止め部材を備えた請求項3に記載の織機におけるからみ耳形成装置。
- 前記支持部材は上下方向に位置調整可能に固定されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の織機におけるからみ耳形成装置。
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JP17104296A JP3620153B2 (ja) | 1996-07-01 | 1996-07-01 | 織機におけるからみ耳形成装置 |
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JPH1018143A JPH1018143A (ja) | 1998-01-20 |
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DE202011103312U1 (de) * | 2011-06-30 | 2011-11-08 | Gebrüder Klöcker GmbH | Vorrichtung zum Bilden einer Dreherkante |
-
1996
- 1996-07-01 JP JP17104296A patent/JP3620153B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH1018143A (ja) | 1998-01-20 |
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