JPH1136161A - 織機の経糸張力調整装置 - Google Patents
織機の経糸張力調整装置Info
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- JPH1136161A JPH1136161A JP20865797A JP20865797A JPH1136161A JP H1136161 A JPH1136161 A JP H1136161A JP 20865797 A JP20865797 A JP 20865797A JP 20865797 A JP20865797 A JP 20865797A JP H1136161 A JPH1136161 A JP H1136161A
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- tension roller
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経糸の開口運動に伴う張力調整時における上
糸と下糸の張力変動を近似させ、両経糸の張力変動の幅
を小さいものとして、経糸の開口運動に伴う経糸切れ、
あるいはスナーリング等を防止する。 【解決手段】 経糸ビームと綜絖枠との間に配置された
テンションローラと、該テンションローラに対し経糸ビ
ームから引き出された経糸を案内するガイドローラとを
備え、前記テンションローラを経糸と接触させながら織
り幅方向と直交する方向に往復動させることにより開口
運動に伴う経糸の張力変動を緩和する経糸張力調整装置
において、前記テンションローラの移動方向が、往復動
過程の中間点におけるテンションローラとガイドローラ
とに連なる経糸に対し、90°よりも大きく110°以
下の角度をなすようにして前記テンションローラを往復
動させる駆動機構を備えた。
糸と下糸の張力変動を近似させ、両経糸の張力変動の幅
を小さいものとして、経糸の開口運動に伴う経糸切れ、
あるいはスナーリング等を防止する。 【解決手段】 経糸ビームと綜絖枠との間に配置された
テンションローラと、該テンションローラに対し経糸ビ
ームから引き出された経糸を案内するガイドローラとを
備え、前記テンションローラを経糸と接触させながら織
り幅方向と直交する方向に往復動させることにより開口
運動に伴う経糸の張力変動を緩和する経糸張力調整装置
において、前記テンションローラの移動方向が、往復動
過程の中間点におけるテンションローラとガイドローラ
とに連なる経糸に対し、90°よりも大きく110°以
下の角度をなすようにして前記テンションローラを往復
動させる駆動機構を備えた。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、織機の経糸張力調
整装置に関するものであり、特に経糸ビームと綜絖枠と
の間に配置されたテンションローラと、該テンションロ
ーラに対し経糸ビームから引き出された経糸を案内する
ガイドローラとを備え、前記テンションローラを経糸と
接触させながら織り幅方向と直交する方向に往復動させ
ることにより開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和する
経糸張力調整装置に関する。
整装置に関するものであり、特に経糸ビームと綜絖枠と
の間に配置されたテンションローラと、該テンションロ
ーラに対し経糸ビームから引き出された経糸を案内する
ガイドローラとを備え、前記テンションローラを経糸と
接触させながら織り幅方向と直交する方向に往復動させ
ることにより開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和する
経糸張力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示すように、織機10において、
経糸ビーム12から送り出された経糸Wは、ガイドロー
ラ14およびテンションローラ16を介して綜絖枠18
に導かれ、これを経て織り前20に到っている。製織
中、綜絖枠18は予め設定された所定のパターンに従っ
て上下に開口運動を行い、これに伴って経糸Wが上下運
動を行う。そして、綜絖枠18を経た経糸Wの、前記上
下運動により形成された開口内に緯糸が緯入れされ、こ
の緯糸が筬22により織り前20に筬打ちされ、織布C
が形成される。この後、製織された織布Cは、巻取装置
24の布巻きローラ26に巻き取られる。
経糸ビーム12から送り出された経糸Wは、ガイドロー
ラ14およびテンションローラ16を介して綜絖枠18
に導かれ、これを経て織り前20に到っている。製織
中、綜絖枠18は予め設定された所定のパターンに従っ
て上下に開口運動を行い、これに伴って経糸Wが上下運
動を行う。そして、綜絖枠18を経た経糸Wの、前記上
下運動により形成された開口内に緯糸が緯入れされ、こ
の緯糸が筬22により織り前20に筬打ちされ、織布C
が形成される。この後、製織された織布Cは、巻取装置
24の布巻きローラ26に巻き取られる。
【0003】上記のような製織過程において、経糸Wが
上下運動を行うのに伴い、その経路長に変化が生じるた
め、経糸Wに歪みが発生し、張力が大きく変動する。こ
のため、経糸ビーム12と綜絖枠18との間に配置され
たテンションローラ16を、開口運動と同期させて織り
幅方向と直交方向に往復動させ、これによって前記経糸
Wの経路長の変化を吸収し、張力の変動を緩和すること
が従来から行われている。
上下運動を行うのに伴い、その経路長に変化が生じるた
め、経糸Wに歪みが発生し、張力が大きく変動する。こ
のため、経糸ビーム12と綜絖枠18との間に配置され
たテンションローラ16を、開口運動と同期させて織り
幅方向と直交方向に往復動させ、これによって前記経糸
Wの経路長の変化を吸収し、張力の変動を緩和すること
が従来から行われている。
【0004】なお、上記のような経糸の張力調整装置に
おいては、経糸の張力変動を100%解消するものでは
なく、変動幅に対し最大で70%程度を緩和するのが一
般的とされており、したがって、上記経糸張力調整装置
を用いた場合であっても、経糸の張力は開口運動に伴っ
てある程度変動している。
おいては、経糸の張力変動を100%解消するものでは
なく、変動幅に対し最大で70%程度を緩和するのが一
般的とされており、したがって、上記経糸張力調整装置
を用いた場合であっても、経糸の張力は開口運動に伴っ
てある程度変動している。
【0005】このような経糸の張力調整装置の従来技術
の1つとして、特開平8−337944号公報に提案さ
れた装置がある。この従来技術は、図7に示すように、
テンションローラ16′の下方にガイドローラ14′を
配置し、このガイドローラ14′の軸芯Oを揺動中心と
してテンションローラ16′を揺動運動させるものであ
る。
の1つとして、特開平8−337944号公報に提案さ
れた装置がある。この従来技術は、図7に示すように、
テンションローラ16′の下方にガイドローラ14′を
配置し、このガイドローラ14′の軸芯Oを揺動中心と
してテンションローラ16′を揺動運動させるものであ
る。
【0006】この従来技術によれば、経糸が開口を形成
するのに伴い、テンションローラ16′がAの位置から
Bの位置に変位する。これによりテンションローラ1
6′よりも下流側の経糸(以下、上糸という)W1とテ
ンションローラ16′との接点がa1からb1にLだけ
変位する。この結果、開口運動に伴う上糸W1の経路長
変化が吸収され、張力上昇が上記のような割合で緩和さ
れる。
するのに伴い、テンションローラ16′がAの位置から
Bの位置に変位する。これによりテンションローラ1
6′よりも下流側の経糸(以下、上糸という)W1とテ
ンションローラ16′との接点がa1からb1にLだけ
変位する。この結果、開口運動に伴う上糸W1の経路長
変化が吸収され、張力上昇が上記のような割合で緩和さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術の場合、テンションローラ16′よりも上流側の経
糸(以下、下糸という)W2に対するテンションローラ
16′の変位方向のなす角度が大きいため、下糸W2の
経路長が、経糸の上下運動に伴うテンションローラ1
6′の変位により大きく変化してしまう。これは、図示
のように、下糸W2とテンションローラ16′との接点
a2が、テンションローラ16′の変位に伴って、軸芯
Oを中心にb2にまで揺動移動し、下糸W2におけるガ
イドローラ14′との接点Cからテンションローラ1
6′との接点までの距離が、C−a2=r′からC−b
2=R′に増大してしまうからである。
技術の場合、テンションローラ16′よりも上流側の経
糸(以下、下糸という)W2に対するテンションローラ
16′の変位方向のなす角度が大きいため、下糸W2の
経路長が、経糸の上下運動に伴うテンションローラ1
6′の変位により大きく変化してしまう。これは、図示
のように、下糸W2とテンションローラ16′との接点
a2が、テンションローラ16′の変位に伴って、軸芯
Oを中心にb2にまで揺動移動し、下糸W2におけるガ
イドローラ14′との接点Cからテンションローラ1
6′との接点までの距離が、C−a2=r′からC−b
2=R′に増大してしまうからである。
【0008】このため、下糸W2の張力が、テンション
ローラ16′の変位に伴って大きく上昇することにな
る。ここで、テンションローラ16′の変位は、きわめ
て短時間(1000rpmで駆動される織機では0.03秒)で行
われるため、摩擦や慣性等の影響により、変位過程では
ローラ表面での経糸の滑りは起こらない。したがって、
この変位過程では、下糸W2の張力上昇に上糸W1の張
力は追従せず、下糸W2と上糸W1との間に大きな張力
バランスのズレが発生した状態となっている。
ローラ16′の変位に伴って大きく上昇することにな
る。ここで、テンションローラ16′の変位は、きわめ
て短時間(1000rpmで駆動される織機では0.03秒)で行
われるため、摩擦や慣性等の影響により、変位過程では
ローラ表面での経糸の滑りは起こらない。したがって、
この変位過程では、下糸W2の張力上昇に上糸W1の張
力は追従せず、下糸W2と上糸W1との間に大きな張力
バランスのズレが発生した状態となっている。
【0009】このように下糸W2の張力が上糸W1の張
力に対し大きく変動した状態、すなわち張力変動にズレ
が生じた状態でテンションローラ16′の変位が進む
と、テンションローラ16′の変位方向の変更点付近
で、下糸W2の張力が上糸W1に一気に波及し、これに
よって、上糸W1の張力が、急激にかつ大きく上昇する
という現象が発生する(図5)。この結果、上糸および
下糸の張力変動幅が大きくなるとともに、上糸W1の閉
口過程での張力下降の遅れにより続く開口時での張力緩
和が正常に行われないこととなり、これらに起因する経
糸切れ、あるいはスナーリング等の製織上の種々の問題
が発生する。
力に対し大きく変動した状態、すなわち張力変動にズレ
が生じた状態でテンションローラ16′の変位が進む
と、テンションローラ16′の変位方向の変更点付近
で、下糸W2の張力が上糸W1に一気に波及し、これに
よって、上糸W1の張力が、急激にかつ大きく上昇する
という現象が発生する(図5)。この結果、上糸および
下糸の張力変動幅が大きくなるとともに、上糸W1の閉
口過程での張力下降の遅れにより続く開口時での張力緩
和が正常に行われないこととなり、これらに起因する経
糸切れ、あるいはスナーリング等の製織上の種々の問題
が発生する。
【0010】ここでテンションローラの変位に伴う下糸
の張力変動を無くすようにすることが考えられる。すな
わち、図8に示すように、往復動過程の中間点における
テンションローラ16′とガイドローラとに連なる下糸
W2′に対し、90°の角度をなすようにしてテンショ
ンローラ16′を変位させ、これによって下糸W2の経
路長変化を無くし、経糸の張力変動を無くすものであ
る。
の張力変動を無くすようにすることが考えられる。すな
わち、図8に示すように、往復動過程の中間点における
テンションローラ16′とガイドローラとに連なる下糸
W2′に対し、90°の角度をなすようにしてテンショ
ンローラ16′を変位させ、これによって下糸W2の経
路長変化を無くし、経糸の張力変動を無くすものであ
る。
【0011】しかしながらこの場合、経糸の開口運動に
伴う上糸W1の張力上昇が下糸W2の張力変動に先行
し、上記従来技術とは逆に、上糸W1の張力が下糸W2
の張力に対し大きく変動した状態の張力変動のズレが発
生する。この結果、上糸W1の張力が下糸W2に波及し
て、下糸W2の張力が急激に上昇するという現象が発生
する(図6)。このため、下糸W2の張力変動が大きく
なり、下糸部分で上記のような問題が依然として発生す
ることとなる。
伴う上糸W1の張力上昇が下糸W2の張力変動に先行
し、上記従来技術とは逆に、上糸W1の張力が下糸W2
の張力に対し大きく変動した状態の張力変動のズレが発
生する。この結果、上糸W1の張力が下糸W2に波及し
て、下糸W2の張力が急激に上昇するという現象が発生
する(図6)。このため、下糸W2の張力変動が大きく
なり、下糸部分で上記のような問題が依然として発生す
ることとなる。
【0012】本発明は、前記従来技術の問題点を鑑みて
なされたものであり、その目的は、経糸の開口運動に伴
う張力調整時における上糸と下糸の張力変動を近似さ
せ、両経糸の張力変動の幅を小さいものとして、経糸の
開口運動に伴う経糸切れ、あるいはスナーリング等を防
止することにある。
なされたものであり、その目的は、経糸の開口運動に伴
う張力調整時における上糸と下糸の張力変動を近似さ
せ、両経糸の張力変動の幅を小さいものとして、経糸の
開口運動に伴う経糸切れ、あるいはスナーリング等を防
止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成は、経糸ビームと綜絖枠との間に配置さ
れたテンションローラと、該テンションローラに対し経
糸ビームから引き出された経糸を案内するガイドローラ
とを備え、前記テンションローラを経糸と接触させなが
ら織り幅方向と直交する方向に往復動させることにより
開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和する経糸張力調整
装置において、前記テンションローラの移動方向が、往
復動過程の中間点におけるテンションローラとガイドロ
ーラとに連なる経糸に対し、90°よりも大きく110
°以下の角度をなすようにして前記テンションローラを
往復動させる駆動機構を備えたものである。
の本発明の構成は、経糸ビームと綜絖枠との間に配置さ
れたテンションローラと、該テンションローラに対し経
糸ビームから引き出された経糸を案内するガイドローラ
とを備え、前記テンションローラを経糸と接触させなが
ら織り幅方向と直交する方向に往復動させることにより
開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和する経糸張力調整
装置において、前記テンションローラの移動方向が、往
復動過程の中間点におけるテンションローラとガイドロ
ーラとに連なる経糸に対し、90°よりも大きく110
°以下の角度をなすようにして前記テンションローラを
往復動させる駆動機構を備えたものである。
【0014】なお、前記駆動機構は、一端で開口運動と
同期して往復動するロッドに回動自在に連結され、織機
のフレームに揺動自在に支持された揺動レバーと、織機
のフレームに回動自在に支持された支持アームと、前記
揺動レバーおよび支持アームのそれぞれに回動自在に連
結され、前記テンションローラを回転可能に支持する支
持ブラケットとにより構成されたものとすることができ
る。
同期して往復動するロッドに回動自在に連結され、織機
のフレームに揺動自在に支持された揺動レバーと、織機
のフレームに回動自在に支持された支持アームと、前記
揺動レバーおよび支持アームのそれぞれに回動自在に連
結され、前記テンションローラを回転可能に支持する支
持ブラケットとにより構成されたものとすることができ
る。
【0015】
【作用】上記発明の構成によれば、開口時における上糸
の張力変動がテンションローラの変位により緩和され
る。また、テンションローラの移動方向を、往復動過程
の中間点におけるテンションローラとガイドローラとに
連なる経糸に対し、90°よりも大きく110°以下の
角度をなすようにすることにより、下糸の経路長が変化
してその張力が変動しつつも、その張力変動が上糸の開
口運動に伴う張力変動に近似した状態となる。これによ
り、上糸および下糸の張力変動が緩やかで、かつ変動幅
の小さいものとなる。
の張力変動がテンションローラの変位により緩和され
る。また、テンションローラの移動方向を、往復動過程
の中間点におけるテンションローラとガイドローラとに
連なる経糸に対し、90°よりも大きく110°以下の
角度をなすようにすることにより、下糸の経路長が変化
してその張力が変動しつつも、その張力変動が上糸の開
口運動に伴う張力変動に近似した状態となる。これによ
り、上糸および下糸の張力変動が緩やかで、かつ変動幅
の小さいものとなる。
【0016】また、駆動機構を上記のような構成とする
ことにより、テンションローラを略直線的に往復動させ
ることができる。これにより、テンションローラを回転
揺動させて変位させるものに比べ、下糸の張力変動がス
ムーズに行われ、急激な張力変動が防止される。
ことにより、テンションローラを略直線的に往復動させ
ることができる。これにより、テンションローラを回転
揺動させて変位させるものに比べ、下糸の張力変動がス
ムーズに行われ、急激な張力変動が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。
に基づいて詳述する。
【0018】図1および図2に示すのは、本発明の一実
施形態を示すものである。この実施形態の経糸張力調整
装置は、図1に示すように、経糸ビーム12と平行に設
けられたテンションローラ16と、テンションローラ1
6と経糸ビーム12との間においてテンションローラ1
6と平行に設けられたガイドローラ14と、テンション
ローラ16を支持して織り幅方向と直交方向に往復動さ
せる駆動機構28とを備える。
施形態を示すものである。この実施形態の経糸張力調整
装置は、図1に示すように、経糸ビーム12と平行に設
けられたテンションローラ16と、テンションローラ1
6と経糸ビーム12との間においてテンションローラ1
6と平行に設けられたガイドローラ14と、テンション
ローラ16を支持して織り幅方向と直交方向に往復動さ
せる駆動機構28とを備える。
【0019】駆動機構28は、ロッド30、揺動レバー
32、支持アーム34および支持ブラケット36からな
る4節リンク構造により構成され、図示しない織機の左
右フレームのそれぞれに組み付けられている。
32、支持アーム34および支持ブラケット36からな
る4節リンク構造により構成され、図示しない織機の左
右フレームのそれぞれに組み付けられている。
【0020】ロッド30は、織機の主軸に連結され、開
口運動と同期して積極的に往復駆動される。揺動レバー
32は、織機のフレームに対し揺動支点32aで揺動自
在に支持されており、一端で前記ロッド30に回動自在
に連結されている。支持ブラケット36は、軸受等を介
してテンションローラ16をその両端で回転自在に支持
している。また、支持ブラケット36は、一端で前記揺
動レバー32の他端に回動自在に連結されるとともに、
他端で、織機のフレームに支持軸34aで回動自在に支
持された支持アーム34に連結されている。
口運動と同期して積極的に往復駆動される。揺動レバー
32は、織機のフレームに対し揺動支点32aで揺動自
在に支持されており、一端で前記ロッド30に回動自在
に連結されている。支持ブラケット36は、軸受等を介
してテンションローラ16をその両端で回転自在に支持
している。また、支持ブラケット36は、一端で前記揺
動レバー32の他端に回動自在に連結されるとともに、
他端で、織機のフレームに支持軸34aで回動自在に支
持された支持アーム34に連結されている。
【0021】この構成により、ロッド30の往復動に伴
って、支持ブラケット36のテンションローラ支持位置
の中心点Qが略直線的に変位し、これによってテンショ
ンローラ16が略直線的に往復動する。また、この実施
形態では、前記中心点Qの変位方向が、往復動過程の中
間点におけるテンションローラ16とガイドローラ14
とに連なる下糸W2′に対しθ=100°の角度をなす
ように、支持アーム34の支持軸34aの位置を設定し
てある。
って、支持ブラケット36のテンションローラ支持位置
の中心点Qが略直線的に変位し、これによってテンショ
ンローラ16が略直線的に往復動する。また、この実施
形態では、前記中心点Qの変位方向が、往復動過程の中
間点におけるテンションローラ16とガイドローラ14
とに連なる下糸W2′に対しθ=100°の角度をなす
ように、支持アーム34の支持軸34aの位置を設定し
てある。
【0022】なお、上記角度θの設定変更は、支持軸3
4aの位置の変更に限らず、揺動レバー32の揺動中心
32aの位置、揺動レバー32の揺動中心32aから支
持ブラケット36の連結点までの距離および支持アーム
34の長さを適宜に変更することによっても可能であ
る。
4aの位置の変更に限らず、揺動レバー32の揺動中心
32aの位置、揺動レバー32の揺動中心32aから支
持ブラケット36の連結点までの距離および支持アーム
34の長さを適宜に変更することによっても可能であ
る。
【0023】以下、この実施形態を基に本発明の経糸張
力調整装置の動作作用を説明する。
力調整装置の動作作用を説明する。
【0024】経糸ビーム12から送り出された経糸W
は、ガイドローラ14に巻き掛けられて転向し、テンシ
ョンローラ16に案内されている。なお、製織の進行に
伴う経糸ビーム12の巻径の減少により、経糸ビーム1
2からガイドローラ14までの経路は変化するが、ガイ
ドローラ14とテンションローラ16との間の経糸Wの
経路長は、経糸ビーム12の巻径に関係なく一定であ
る。
は、ガイドローラ14に巻き掛けられて転向し、テンシ
ョンローラ16に案内されている。なお、製織の進行に
伴う経糸ビーム12の巻径の減少により、経糸ビーム1
2からガイドローラ14までの経路は変化するが、ガイ
ドローラ14とテンションローラ16との間の経糸Wの
経路長は、経糸ビーム12の巻径に関係なく一定であ
る。
【0025】製織過程において、閉口状態(クランク角
290°)にある経糸Wは、綜絖枠の開口運動に伴って
上下動し、開口を形成する。この経糸Wの上下動に伴っ
て経糸Wの経路長が増大するが、これと同期して駆動機
構28のロッド30が矢印Yの方向に駆動され、テンシ
ョンローラ16が図2におけるAの位置からBの位置に
略直線的に変位する。これにより経糸Wの上糸W1とテ
ンションローラ16との接点の位置がa1からb1に距
離Lだけ移動し、上糸W1の開口運動に伴う経路長変化
が距離Lだけ吸収され、上糸W1の張力変動が緩和され
る。なお、この場合における上糸W1の張力変動は図4
に実線で示されたようなものとなる。
290°)にある経糸Wは、綜絖枠の開口運動に伴って
上下動し、開口を形成する。この経糸Wの上下動に伴っ
て経糸Wの経路長が増大するが、これと同期して駆動機
構28のロッド30が矢印Yの方向に駆動され、テンシ
ョンローラ16が図2におけるAの位置からBの位置に
略直線的に変位する。これにより経糸Wの上糸W1とテ
ンションローラ16との接点の位置がa1からb1に距
離Lだけ移動し、上糸W1の開口運動に伴う経路長変化
が距離Lだけ吸収され、上糸W1の張力変動が緩和され
る。なお、この場合における上糸W1の張力変動は図4
に実線で示されたようなものとなる。
【0026】さらに、本発明では、テンションローラ1
6の変位に伴い、下糸W2のテンションローラ16との
接点の位置がa2からb2に移動し、ガイドローラ14
との接点Cからの経路長が、C−a2=rからC−b2
=Rに微増する。この結果、テンションローラ16の変
位によって、下糸W2の張力が、図4の点線で示すよう
に、上糸W1の張力変動と近似した状態で変動する。
6の変位に伴い、下糸W2のテンションローラ16との
接点の位置がa2からb2に移動し、ガイドローラ14
との接点Cからの経路長が、C−a2=rからC−b2
=Rに微増する。この結果、テンションローラ16の変
位によって、下糸W2の張力が、図4の点線で示すよう
に、上糸W1の張力変動と近似した状態で変動する。
【0027】このように、本発明によれば、テンション
ローラ16の変位により、開口運動に伴う上糸W1の張
力変動が緩和されるとともに、下糸W2の張力を積極的
に、かつ上糸W1の張力変動に近似した状態で変動させ
ることができ、これにより、上糸W1および下糸W2の
張力変動のズレにより一方の張力が他方の張力に波及し
て他方の張力が急激に上昇するという現象が発生するの
を防止することができる。この結果、上糸W1および下
糸W2の張力変動の幅が小さくなり、安定した製織を行
うことができる。
ローラ16の変位により、開口運動に伴う上糸W1の張
力変動が緩和されるとともに、下糸W2の張力を積極的
に、かつ上糸W1の張力変動に近似した状態で変動させ
ることができ、これにより、上糸W1および下糸W2の
張力変動のズレにより一方の張力が他方の張力に波及し
て他方の張力が急激に上昇するという現象が発生するの
を防止することができる。この結果、上糸W1および下
糸W2の張力変動の幅が小さくなり、安定した製織を行
うことができる。
【0028】
【他の実施形態】上記実施形態では、テンションローラ
16の移動方向を下糸W2′に対する角度θを100°
に設定しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、この角度θが90°よりも大きく110°以下の
範囲内で設定されるものであればよい。すなわち、角度
θを90°よりも大きく設定することにより、下糸W2
の張力が積極的かつ上糸の張力変動と近似して状態で変
動する。また、角度θを110°よりも大きく設定する
と、下糸W2の張力変動が大きくなりすぎ、前述の従来
技術と同様の問題が発生してしまう。
16の移動方向を下糸W2′に対する角度θを100°
に設定しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、この角度θが90°よりも大きく110°以下の
範囲内で設定されるものであればよい。すなわち、角度
θを90°よりも大きく設定することにより、下糸W2
の張力が積極的かつ上糸の張力変動と近似して状態で変
動する。また、角度θを110°よりも大きく設定する
と、下糸W2の張力変動が大きくなりすぎ、前述の従来
技術と同様の問題が発生してしまう。
【0029】したがって、上記角度θは、90°よりも
大きく110°以下の範囲内で設定されるものであれば
よく、これにより、より好適な下糸W2の張力変動を得
ることができ、経糸の張力変動を小さくし、安定した製
織を行うことができる。
大きく110°以下の範囲内で設定されるものであれば
よく、これにより、より好適な下糸W2の張力変動を得
ることができ、経糸の張力変動を小さくし、安定した製
織を行うことができる。
【0030】また、駆動機構は、上記実施形態の構成の
ものに限定されるものではなく、本発明の作用・効果を
奏するものであれば、例えば揺動によりテンションロー
ラを変位させるものであってもよい。なお、揺動により
テンションローラを往復動させるものの場合、テンショ
ンローラの往動開始点と復動開始点とを結ぶ直線がテン
ションローラの移動方向となり、これが下糸W2′に対
し90°よりも大きく110°以下の角度をなすように
する。
ものに限定されるものではなく、本発明の作用・効果を
奏するものであれば、例えば揺動によりテンションロー
ラを変位させるものであってもよい。なお、揺動により
テンションローラを往復動させるものの場合、テンショ
ンローラの往動開始点と復動開始点とを結ぶ直線がテン
ションローラの移動方向となり、これが下糸W2′に対
し90°よりも大きく110°以下の角度をなすように
する。
【0031】さらに、駆動機構は、上記実施形態のよう
にテンションローラを略直線的に変位させものとして、
図3に示すような構成であってもよい。この実施形態の
ものは、支持アーム34の支持軸34aを、支持ブラケ
ット36に対し揺動アーム32の揺動中心32aと対向
した位置に配置したものである。この構成によれば、テ
ンションローラの16の変位がほぼ直線的なものとな
り、張力変動がよりスムーズなものとなる。
にテンションローラを略直線的に変位させものとして、
図3に示すような構成であってもよい。この実施形態の
ものは、支持アーム34の支持軸34aを、支持ブラケ
ット36に対し揺動アーム32の揺動中心32aと対向
した位置に配置したものである。この構成によれば、テ
ンションローラの16の変位がほぼ直線的なものとな
り、張力変動がよりスムーズなものとなる。
【0032】
【発明の効果】本発明の経糸張力調整装置によれば、経
糸の開口運動に伴う張力調整時における上糸と下糸の張
力変動が近似したものとなり、両経糸の張力変動の幅を
小さいものとすることができる。これにより、経糸の開
口運動に伴う経糸切れ、あるいはスナーリング等を防止
するができ、安定した製織を行うことができる。
糸の開口運動に伴う張力調整時における上糸と下糸の張
力変動が近似したものとなり、両経糸の張力変動の幅を
小さいものとすることができる。これにより、経糸の開
口運動に伴う経糸切れ、あるいはスナーリング等を防止
するができ、安定した製織を行うことができる。
【図1】この発明の経糸張力調整装置の一実施形態を示
す部分概略図である。
す部分概略図である。
【図2】図1おける経糸張力調整装置の実施形態の動作
説明図である。
説明図である。
【図3】この発明の経糸張力調子装置の他の実施形態を
示す部分概略図である。
示す部分概略図である。
【図4】この発明の経糸張力調整装置における経糸の張
力変動を示す図である。
力変動を示す図である。
【図5】従来の経糸張力調整装置における経糸の張力変
動を示す図である。
動を示す図である。
【図6】従来の経糸張力調整装置における経糸の張力変
動を示す図である。
動を示す図である。
【図7】従来の経糸張力調整装置の動作説明図である。
【図8】従来の経糸張力調整装置の動作説明図である。
【図9】経糸張力調整装置が用いられている織機の経糸
経路を示す概略図である。
経路を示す概略図である。
10 織機 12 経糸ビーム 14 ガイドローラ 16 テンションローラ 18 綜絖枠 28 駆動機構 30 ロッド 32 揺動レバー 34 支持アーム 36 支持ブラケット W 経糸
Claims (2)
- 【請求項1】経糸ビームと綜絖枠との間に配置されたテ
ンションローラと、該テンションローラに対し経糸ビー
ムから引き出された経糸を案内するガイドローラとを備
え、前記テンションローラを経糸と接触させながら織り
幅方向と直交する方向に往復動させることにより開口運
動に伴う経糸の張力変動を緩和する経糸張力調整装置に
おいて、前記テンションローラの移動方向が、往復動過
程の中間点におけるテンションローラとガイドローラと
に連なる経糸に対し、90°よりも大きく110°以下
の角度をなすようにして前記テンションローラを往復動
させる駆動機構を備えたことを特徴とする織機の経糸張
力調整装置。 - 【請求項2】前記駆動機構が、一端で開口運動と同期し
て往復動するロッドに回動自在に連結され、織機のフレ
ームに揺動自在に支持された揺動レバーと、織機のフレ
ームに回動自在に支持された支持アームと、前記揺動レ
バーおよび支持アームのそれぞれに回動自在に連結さ
れ、前記テンションローラを回転可能に支持する支持ブ
ラケットとからなることを特徴とする請求項1記載の織
機の経糸張力調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20865797A JPH1136161A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 織機の経糸張力調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20865797A JPH1136161A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 織機の経糸張力調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1136161A true JPH1136161A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16559892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20865797A Pending JPH1136161A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 織機の経糸張力調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1136161A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242987A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Bunka Gakuen | 織物製品及びその織成方法 |
KR101363529B1 (ko) * | 2012-12-27 | 2014-02-17 | 주식회사 라지 | 복합 섬유의 제직장치 |
CN105525422A (zh) * | 2016-02-05 | 2016-04-27 | 江苏工程职业技术学院 | 一种时间可以调节的织机经纱张力控制装置 |
KR101641379B1 (ko) * | 2015-07-14 | 2016-07-21 | 주식회사 라지 | 섬유 공급장치 |
CN110846793A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-02-28 | 大名县巨华机械科技有限公司 | 一种穿筘机用重力涨紧经轴支座 |
-
1997
- 1997-07-16 JP JP20865797A patent/JPH1136161A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242987A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Bunka Gakuen | 織物製品及びその織成方法 |
KR101363529B1 (ko) * | 2012-12-27 | 2014-02-17 | 주식회사 라지 | 복합 섬유의 제직장치 |
KR101641379B1 (ko) * | 2015-07-14 | 2016-07-21 | 주식회사 라지 | 섬유 공급장치 |
CN105525422A (zh) * | 2016-02-05 | 2016-04-27 | 江苏工程职业技术学院 | 一种时间可以调节的织机经纱张力控制装置 |
CN110846793A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-02-28 | 大名县巨华机械科技有限公司 | 一种穿筘机用重力涨紧经轴支座 |
CN110846793B (zh) * | 2019-12-03 | 2023-09-08 | 南京大发精密机械制造有限公司 | 一种穿筘机用重力涨紧经轴支座 |
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