JP6277006B2 - 織機における経糸屈曲装置 - Google Patents

織機における経糸屈曲装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6277006B2
JP6277006B2 JP2014018464A JP2014018464A JP6277006B2 JP 6277006 B2 JP6277006 B2 JP 6277006B2 JP 2014018464 A JP2014018464 A JP 2014018464A JP 2014018464 A JP2014018464 A JP 2014018464A JP 6277006 B2 JP6277006 B2 JP 6277006B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
warp
bending member
bending
loom
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014018464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015145542A (ja
Inventor
大吾 山岸
大吾 山岸
南谷 徳生
徳生 南谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsudakoma Industrial Co Ltd filed Critical Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority to JP2014018464A priority Critical patent/JP6277006B2/ja
Priority to EP15152357.8A priority patent/EP2902536A1/en
Priority to CN201510053688.4A priority patent/CN104818568B/zh
Priority to CN201520072521.8U priority patent/CN204455467U/zh
Publication of JP2015145542A publication Critical patent/JP2015145542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6277006B2 publication Critical patent/JP6277006B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D49/00Details or constructional features not specially adapted for looms of a particular type
    • D03D49/04Control of the tension in warp or cloth
    • D03D49/12Controlling warp tension by means other than let-off mechanisms
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D51/00Driving, starting, or stopping arrangements; Automatic stop motions
    • D03D51/18Automatic stop motions
    • D03D51/20Warp stop motions
    • D03D51/22Warp stop motions mechanical
    • D03D51/24Warp stop motions mechanical wherein droppers are suspended on individual warp threads or small groups of threads

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Looms (AREA)

Description

本発明は、綜絖枠よりも経糸の送出し側にドロッパ式の経糸切れ検出装置を備えた織機であって、綜絖枠によって開口運動を与えられる経糸が閉口状態となるタイミングと筬によって緯糸が織前に筬打ちされるタイミングとが異なるように設定された織機における経糸屈曲装置に関する。
織機において綜絖枠よりも経糸の送出し側(綜絖枠とテンションロールとの間)にドロッパ式の経糸切れ検出装置(以下、「ドロッパ装置」とも言う。)が備えられたものが一般的に知られている(例えば特許文献1)。このドロッパ装置は、周知のものであって、経糸ビームから送り出される経糸の本数と同じ数のドロッパピンを有し、各ドロッパピンを自身に形成された孔に経糸が挿通されることによって経糸に吊下げられた状態とし、経糸切れが生じることに伴ってドロッパピンが落下することで経糸切れを検出するものである。また、ドロッパ装置は、前記のように経糸切れを検出するために設けられるものであるが、その構成に伴い、経糸ビームから送り出された経糸の綾揃えや毛羽切りといった効果をも奏するものとなっている。
さらに、一般的なドロッパ装置は、ドロッパピンの列の前後に断面が楕円形状の所謂オーバルチューブ(オーバル管)を備えており、少なくとも後側(綜絖枠側)のオーバルチューブにより、開口状態にある経糸のうちの下側の経糸(下経糸)の経路を規制するものとなっている(特許文献1の図7参照)。そして、この構成により、緯糸の打ち込み性(以下、単に「打ち込み性」とも言う。)をも向上させるという効果をも奏するものとなっている。より詳しくは、次の通りである。
織機においては、上下の経糸に張力差をつけることで打ち込み性が向上することが知られている(例えば特許文献2)。また、綜絖枠によって開口運動を与えられる経糸が閉口状態となるタイミングと筬によって緯糸が織前に筬打ちされるタイミングとが異なるように設定された織機においては、経糸の開口は、筬打ち時には閉じておらず(閉口状態とはなっておらず)、若干開いた状態となっている。そして、そのように開口した状態となっている上下の経糸のうちの下経糸の経路が前記のようにドロッパ装置のオーバルチューブで規制されることにより、その下経糸が屈曲された状態となり、上下の経糸の張力差が生じて打ち込み性が向上するというものである。なお、緯糸の打ち込み性は、製織される織布の品質に影響を及ぼすものであり、打ち込み性が悪くなると、筬打ち時における織布のだぶつきが大きくなり、製織される織布の品質が低下してしまう。
特開2013−83019号公報 特開昭54−131073号公報
ところで、前記したドロッパ装置による経糸の綾揃えや毛羽切りの効果は、ドロッパ装置の配置を経糸送出し側(テンションロール側)に近づけた方が、より高い効果が得られることが分かっている。また、経糸切れ時における補修作業の面でも、ドロッパ装置をより経糸送出し側に近い位置に配置した方が、作業性が良くなるため、好ましいとされている。
しかしながら、ドロッパ装置の配置を経糸送出し側に近づけると、ドロッパ装置におけるオーバルチューブと綜絖枠との間の距離が大きくなるため、前記したオーバルチューブによる下経糸の屈曲の度合いが小さくなる。そのため、その屈曲による上下の経糸の張力差が小さくなるため、打ち込み性を所望の程度まで向上させることができないものとなる。
本発明は、前記の織機において、ドロッパ装置の配置を経糸の綾揃えや毛羽切りについての所望の効果が得られるものとしつつも、筬打ち時における上下の経糸の張力差を所望の緯糸の打ち込み性が得られるものとすることを目的とする。
本発明の経糸屈曲装置は、綜絖枠よりも経糸の送出し側にドロッパ式の経糸切れ検出装置を備えた織機であって、前記綜絖枠によって開口運動を与えられる経糸が閉口状態となるタイミングと筬によって緯糸が織前に筬打ちされるタイミングとが異なるように設定された織機を前提とする。
そして、本発明の屈曲装置は、経糸方向に関し前記ドロッパ式の経糸切れ検出装置と前記綜絖枠との間で上下方向に関し経糸列の上方又は下方に配置されると共に織幅方向に関し経糸列の範囲に亘って延在する経糸屈曲部材であって、少なくとも筬打ち時において開口状態にある経糸のうちの上経糸及び下経糸の一方に接触して前記一方の経糸の経路を屈曲させる位置に配置される経糸屈曲部材を備える、ことを特徴とする。
ただし、前記した「少なくとも筬打ち時において」とは、筬打ち時を含んでいればよいことを意味し、例えば、後述の実施例等のように、織機の主軸1回転中の全期間に亘って経糸屈曲部材が前記一方の経糸に対し接触して屈曲を与えるもの場合を含むものである。
また、本発明の経糸屈曲装置においては、前記経糸屈曲部材が固定配置されるものであってもよいが、より好ましくは、前記経糸屈曲部材を上下方向に往復変位させる駆動機構であって、前記一方の経糸の開口運動に伴う前記筬打ち時以降の最大変位位置へ向けた変位時において、その前記一方の経糸の変位方向へ前記経糸屈曲部材が変位するように前記経糸屈曲部材を駆動する駆動機構を備えるものとしてもよい。
なお、前記した「最大変位位置」とは、開口運動に伴って変位する経糸の位置のうちのワープライン(閉口状態の位置)から最も変位した位置であり、下経糸についてはその変位範囲の最も下方の位置を、上経糸についてはその変位範囲の最も上方の位置を指す。
また、本発明の経糸屈曲装置が前記駆動機構を備える場合において、前記駆動機構を、前記一方の経糸の前記最大変位位置に位置するときの前記経糸屈曲部材による屈曲度合いが筬打ち時における前記屈曲度合以下となるように前記経糸屈曲部材を駆動するものとした方が好ましい。
但し、前記した「経糸屈曲部材による(経糸の)屈曲度合い」については、経糸が屈曲している場合だけに限らず、経糸が屈曲していない場合(経糸が経糸屈曲部材によって屈曲されていない状態)も含む。
本発明による経糸屈曲装置によれば、経糸切れ検出装置よりも綜絖枠側に経糸屈曲部材を備え、該経糸屈曲部材が、筬打ち時において、開口状態にある経糸のうちの上経糸及び下経糸の一方に屈曲を与え、上下の経糸に張力差を付けた状態とするため、経糸方向における経糸切れ検出装置の配置を経糸の綾揃えや毛羽切りについての高い効果が得られるものとしつつも、筬打ち時における緯糸の打ち込み性を向上させることができる。
筬打ち時に前記一方の経糸に屈曲を与える経糸屈曲部材を上下方向に往復変位させる駆動機構を備え、前記一方の経糸の開口運動に伴う前記筬打ち時以降の最大変位位置へ向けた変位時において、その前記一方の経糸の変位方向へ経糸屈曲部材が変位するように経糸屈曲部材を駆動する構成とすることにより、筬打ち時においては高い緯糸の打ち込み性が得られるような前記一方の経糸の屈曲(上下の経糸の張力差)を経糸屈曲部材によって実現しつつも、経糸の最大開口時において前記一方の経糸が過張力状態となることが防止される。より詳しくは、以下の通りである。
筬打ち時における経糸の開口量は当然ながら最大開口時における経糸の開口量よりも小さいため、経糸屈曲部材が筬打ち時における前記一方の経糸に屈曲を与えるような配置で固定されている場合、開口運動に伴って前記一方の経糸が最大変位位置へ向けて変位すると、それに伴って屈曲度合い(屈曲量)が増大する。また、屈曲量が増大すると、それに伴って張力は上昇する。また、経糸の張力は、前記のように経糸屈曲部材による屈曲を与えられていなくても、開口量(変位量)が大きくなるにつれて上昇する。そのため、前記のように経糸屈曲部材が固定配置されていると、前記一方の経糸の張力は、筬打ち時点では所望の程度であっても、最大変位位置へ向けての変位に伴う屈曲量の増大によって大きく上昇し、過張力状態となる場合がある。そして、張力がそのような過張力状態となると、そのときの製織条件(経糸の設定張力等)や経糸の種類等によっては、製織に悪影響を及ぼして織布の品質が低下したり、前記一方の経糸に切断が生じたりする場合がある。
これに対し、駆動機構によって経糸屈曲部材を前記一方の経糸の最大変位位置へ向けての変位に合せて上下方向に(前記一方の経糸の変位方向に)変位駆動することにより、経糸の屈曲量の増大が抑えられ、前記一方の経糸の張力上昇が抑えられる。
更に、前記一方の経糸が前記最大変位位置に位置するときの経糸屈曲部材による屈曲度合いを、筬打ち時における前記屈曲度合い以下となるように、駆動機構が経糸屈曲部材を変位駆動することにより、前記一方の経糸が過張力状態となることが防止され、緯糸の打ち込み性を向上させつつも、安定した製織を実現することができる。
本発明が適用される織機の概要を示す側面図である。 本発明が適用される織機の開口曲線を示す説明図である。 本発明の経糸屈曲装置の一例を示す斜視図である。 本発明の経糸屈曲装置の一例を示す側面図である。 筬打ち時における経糸の状態を示す側面図である。 本発明の経糸屈曲装置の一例における経糸屈曲部材の揺動変位する状態を下経糸と一緒に示す側面図である。
図1は、本発明が適用される織機を概略的に示したものである。この織機において、経糸1は、経糸1が巻き付けられた経糸ビーム2から送り出され、経糸(複数本の経糸が横一列の状態となった経糸列)1を案内するガイドロール3と、張力センサ4が連結されたテンションロール5とに順次巻掛けられて織前方向に転向させられた後、経糸切れを検出するドロッパ式の経糸切れ検出装置6、即ちドロッパ装置6に至っている。
ドロッパ装置6は、前後一対のオーバルチューブ6a、6cと、オーバルチューブ6a、6c間に設けられた経糸1の本数と同数のドロッパピン6bとを備え、テンションロール5側(後側)のオーバルチューブ6aの上方を経由した経糸1が、ドロッパピン6bの各々に形成された孔にそれぞれ挿通されることにより、各ドロッパピン6bが対応する経糸1に吊下げられた状態となっている。従って、経糸切れが生じた場合には、ドロッパピン6bが自重によって落下し、ドロッパ装置6において経糸切れが検知されるものとなっている。そして、ドロッパピン6bを通過した経糸1は、ドロッパピン6bよりも反テンションロール側(前側)のオーバルチューブ6cの上方を経由し、綜絖枠(図示略)側へ導かれている。なお、図示の例では、前後のオーバルチューブ6c、6aは、何れも断面が楕円形の形状をしており、開口状態にある経糸1のうちの上下の経糸1、1における下側の経糸(下経糸)1が下方へ移動するのを規制するものとなっている。
ドロッパ装置6を経由した経糸(経糸列)1は、複数枚配列された綜絖枠(図示略)に装着されたヘルド7aに通された後、織前8に至っている。従って、各経糸1は、綜絖枠(ヘルド7a)の上下運動(開口運動)によって上下方向に変位され、それによって経糸1による開口が形成される。そして、この経糸1の開口内部に緯糸9が緯入れされ、その緯入れされた緯糸9が筬11により織前8へ筬打ちされて経糸1に織り込まれることにより織布14が形成(製織)される。また、このようにして製織された織布14は、服巻ロール12等を経て巻取ロール13に巻き取られる。
図2は、綜絖枠の駆動態様を織機の主軸(図示略)の回転角度(クランク角度)と上下方向における綜絖枠の位置との関係で示した開口曲線(開口パターン)の一例であって、織機における綜絖枠は、この開口曲線に従った駆動態様で駆動される。図示の例は、平織組織の織布を製織するための綜絖枠の開口曲線を示したものであって、複数枚ある綜絖枠は、織前8から奇数番目の枠が図2に示す2つの開口曲線の一方に従った駆動態様で駆動されると共に、織前から偶数番目の枠が前記2つの開口曲線の他方に従った駆動態様で駆動される。そして、本発明が前提とする織機では、図示のように、経糸1が閉口状態となるタイミング(図2において、2つの開口曲線が交わるタイミング(図示の例ではクランク角度300°))は、緯入れされた緯糸が織前8に筬打ちされるタイミング(通常はクランク角度0°(360°))と異なるように設定されている。従って、筬打ちタイミングにおいては、経糸1は開口した状態となっている。
このような織機に適用する本発明の経糸屈曲装置20について、本実施例では、図3、図4に示すように、経糸1のうちの下経糸に屈曲を与える経糸屈曲部材30に加え、その経糸屈曲部材30を上下方向に往復変位駆動する駆動機構40を備えている。
駆動機構40について、図示の例は、偏心クランク機構を用いたものであって、織機における一対のフレーム(図示略)間に架設されると共に、経糸屈曲部材30が取り付けられる回動軸50と、回動軸50の両端部において回動軸50に対し相対回転不能に取り付けられる揺動レバー60と、揺動レバー60と駆動軸80とを連結するクランクレバー70であって駆動軸80の回転に伴って揺動レバー60に揺動運動を与えるクランクレバー70とを含む。なお、駆動機構40について、本実施例では、回動軸50の両端部のそれぞれに位置する構成については、織幅方向に関し、配置が対称であることを除いては同じであるものとする。そこで、図3、図4においては、回動軸50の両端部のうちの片側に位置する構成のみを示すと共に、以下では、その片側に位置する構成についてのみ説明する。
回動軸50は、前記のように一対のフレーム間に亘って架設されるものであり、図示の例では、各フレームに固定されたブラケット51及び該ブラケット51に固定されたステー52を介し、その端部において支持されている。但し、回動軸50は、その端部に嵌装された軸受53を介してステー52に支持されている。従って、回動軸50は、前記のように支持された状態において回転自在となっている。なお、回動軸50は、織幅方向(軸線方向)に関しては、前記のように一対のフレーム間に亘って架設されるものであり、上下方向の配置については、本実施例では、ワープライン(織機を側方から見たときの閉口状態にある経糸1の経路)Wの下方に位置するように設けられている。また、回動軸50は、経糸方向に関しては、ドロッパ装置6と綜絖枠との間であって、ドロッパ装置6における前側のオーバルチューブ6cと最も反織前側に位置する綜絖枠との間の略中間位置に位置するように設けられているものとする。
回動軸50のブラケット51に対する支持位置の近傍には、揺動レバー60が相対回転不能に組み付けられている。この揺動レバー60について、より詳しくは、以下の通りである。
揺動レバー60は、その長手方向における中間部よりも一方の端部寄りの位置に形成されると共に回動軸50の直径と略同径の貫通孔61を有している。また、揺動レバー60は、前記一方の端部から貫通孔61に連通するすり割り(溝)62aが形成され、そのすり割り62aによる割締め構造62を有している。そして、揺動レバー60は、その貫通孔61において回動軸50に嵌装されると共に、前記割締め構造62による割締めにより、回動軸50に対し相対回転不能に組み付けられている。
なお、この揺動レバー60の織幅方向(回動軸50の軸線方向)における配置は、前記のように回動軸50の支持位置(フレーム)の近傍であって、その織機において想定される最大の織幅の製織において、そのときの経糸列よりも外側(フレーム側)に位置するものとなっている。また、揺動レバー60は、貫通孔61よりも他方の端部側の位置に、貫通孔61と同方向に貫通するように形成された(貫通孔61の中心軸線と平行な中心軸線を有する)貫通孔63を有している。そして、その貫通孔63には、軸受64を介して嵌挿されるかたちで、揺動レバー60とクランクレバー70とを連結する連結軸65が回転自在に取り付けられている。
クランクレバー70は、その長手方向における一方の端部側で駆動軸80に連結されると共に、他方の端部側で連結軸65を介して揺動レバー60に連結されている。因みに、駆動軸80は、各フレームのそれぞれにおいて設けられており、フレームに対し回転可能に支持されると共に、ギア等を含む駆動伝達手段(図示略)によって織機の主軸に連結されており、主軸1回転に1回転の割合で回転駆動されるものである。また、クランクレバー70について、より詳しくは以下の通りである。
クランクレバー70は、その一方の端部側に厚さ方向に貫通するように形成された貫通孔71を有し、その貫通孔71に嵌装された軸受72を介し、駆動軸80の端部(軸端部80a)に対し相対回転可能に組み付けられている。但し、クランクレバー70の貫通孔71に嵌装される軸受72は、偏心カラー72aが一体的に組み付けられた偏心軸受(偏心カラー式軸受)である。従って、クランクレバー70は、その一方の端部側において、駆動軸80の軸心80Xに対し貫通孔71の中心71Yが偏心した状態で駆動軸80に対し組み付けられている。
なお、図示の例では、駆動軸80は、所謂段付き形状であって、クランクレバー70が組み付けられる軸端部80aがそれ以外の部分よりも小径に形成されており、段部(図示略)を有するものとなっている。また、その軸端部80aは、クランクレバー70の厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有しており、クランクレバー70が前記段部に当接するかたちで駆動軸80に組み付けられた状態において、クランクレバー70よりも駆動軸80の軸線方向(クランクレバー70の厚さ方向)に突出するものとなっている。
そして、その駆動軸80の軸端部80aにおけるクランクレバー70よりも突出する部分(以下、「突出部分」と言う。)には、位置決め用のカラー73が、該カラー73がネジ部材75で固定された固定部材74によって取り付けられている。より詳しくは、突出部分には、位置決め用のカラー73及び固定部材74が駆動軸80の軸線方向に並ぶようにしてカラー73に形成された貫通孔(図示略)及び固定部材74に形成された貫通孔74aにおいて嵌装されると共に、固定部材74をその貫通孔74aに連通するすり割り(溝)74bを含む割締め構造74cによる割締めによって突出部分に取り付けてある。そして、その上で、カラー73がネジ部材75によって固定部材74に固定されている。従って、駆動軸80の軸線方向における軸端部80a上でのクランクレバー70の位置は、駆動軸(軸端部80a)80に固定された位置決め用のカラー73と駆動軸80における段部とにより規制されている。
また、クランクレバー70における貫通孔71が形成される前記一方の端部側とは反対側の他方の端部側には、貫通孔71と同じく厚さ方向に貫通する貫通孔76が形成されている。また、クランクレバー70は、前記他方の端部側において、貫通孔76に連通するすり割り(溝)77aが形成され、そのすり割り77aによる割締め構造77を有している。そして、クランクレバー70は、揺動レバー60に取り付けられた連結軸65が貫通孔76に嵌挿され、前記割締め構造77による割締めによって連結軸65と相対回転不能に組み合わされることにより、連結軸65を介して揺動レバー60に連結されている。
以上で説明したように、駆動機構40においては、一対のフレーム間で回転自在に支持された回動軸50に対し揺動レバー60が、その一方の端部において相対回転不能に組み付けられており、揺動レバー60は、回動軸50の軸心を中心として揺動可能に設けられたかたちとなっている。
そして、その揺動レバー60の前記他方の端部には、連結軸65を介してクランクレバー70が相対回転不能に連結されており、また、クランクレバー70は、揺動レバー60に連結される側とは反対側の前記一方の端部側において駆動軸80に連結されている。すなわち、揺動レバー60は、連結軸65およびクランクレバー70を介して駆動軸80に連結されている。そして、クランクレバー70における前記一方の端部に形成されて軸受72が嵌装される貫通孔71の中心71Yと駆動軸80の軸心80Xとが偏心した状態でクランクレバー70が駆動軸80に対し組み付けられているため、駆動軸80の回転に伴ってクランクレバー70の前記一方の端部が偏心運動し、それにより、揺動レバー60が回動軸50の軸心を中心として往復揺動駆動される。その結果、その揺動レバー60に対し相対回転不能に組み付けられた回動軸50が、揺動レバー60の揺動量に応じた角度範囲で往復回動駆動される。
経糸屈曲部材30について、本実施例では、図示のように板状の部材が用いられている。そして、この板状の経糸屈曲部材30は、織機上において、前記した駆動機構40における回動軸50に対し、その長手方向を回動軸50の軸線方向に一致させるかたちで取り付けられている。従って、経糸屈曲部材30は、上下方向に関しワープラインWの下方で支持されて経糸列の下方に配置されると共に、経糸方向に関し綜絖枠とドロッパ装置6との間(ドロッパ装置6における前側のオーバルチューブ6cと最も反織前側に位置する綜絖枠との間の略中間位置)に配置されている。また、この経糸屈曲部材30は、その長手方向の寸法が、その織機において想定される最大の織幅よりも長いものとなっている。そして、経糸屈曲部材30は、その長手方向における中央を、回動軸50の軸線方向における中央に略一致させる配置で、回動軸50に対し取り付けられる。従って、経糸屈曲部材30は、織幅方向に関し経糸列の範囲に亘って延在するものとなる。
なお、回動軸50に対する経糸屈曲部材30の取り付けは、織幅方向における複数の位置において、取付部材31を介して行われている。より詳しくは、回動軸50には、その軸線方向において所定の間隔で複数の取付部材31が固定されており、経糸屈曲部材30は、この取付部材31に対しネジ部材32によって固定されるかたちで回動軸50に対し取り付けられている。なお、取付部材31の回動軸50に対する取り付けは、例えば、取付部材31に形成された割締め構造によって行われているものとする。そして、前記のように駆動機構40において回動軸50が往復回動駆動されると、それに伴い、経糸屈曲部材30は、回動軸50の軸心を中心として、回動軸50周りで往復揺動駆動される。
以上で説明した駆動機構40及び経糸屈曲部材30を備える経糸屈曲装置20において、本実施例のものは、筬打ち時(クランク角度0°)において経糸屈曲部材30が最上昇位置(クランク機構による駆動の上死点の位置であって、図4の実線で示す経糸屈曲部材30の位置)に達し、クランク角度180°において最下降位置(クランク機構による駆動の下死点であって、図4の二点鎖線で示す経糸屈曲部材30の位置)に達するような構成となっている。
なお、経糸屈曲部材30は、前記の最上昇位置(クランク角度0°)において、その上端縁によって屈曲される下経糸の筬打ち時における位置との関係で、下経糸の屈曲度合い(屈曲量)が所望の大きさ(上下の経糸1、1に所望の張力差が得られるような大きさ)となるように、その時点の位相における回動軸50に対する取り付け位置等が設定されている。また、経糸屈曲部材30の往動(復動)時の揺動量(回動軸50の往動(復動)時の回動量)は、駆動機構40における駆動軸80に対するクランクレバー70における貫通孔71の偏心量で決まるものであるが、その偏心量については、筬打ち時において前記のような最上昇位置に位置する経糸屈曲部材30が、その揺動により、下経糸の最大変位時(最も下方に位置した状態)において下経糸を過張力状態としないような下経糸との位置関係となる位置に位置するものとされている。
そして、本実施例では、経糸屈曲部材30は、前記の最下降位置に位置する状態においても、そのときの下経糸の位置との関係で、下経糸に対し接触して屈曲を与えるものとなっている。すなわち、筬打ち時において前記のような最上昇位置に位置する経糸屈曲部材30が前記偏心量による揺動量で揺動して最下降位置に達したときの経糸屈曲部材30の上端縁の位置は、クランク角度180°における経糸屈曲部材30によって規制されない場合の下経糸の経路よりも、上方に位置するものとなっている。従って、経糸屈曲部材30は、主軸1回転中の全期間に亘って下経糸に対し接触し屈曲を与えるものとなっている。その上で、経糸屈曲部材30の揺動量については、最大変位時において経糸屈曲部材30によって屈曲を与えられる下経糸が過張力状態とならないような位置を下経糸の最大変位時においてとるものとなっている。因みに、以上のように最上昇位置及び揺動量が設定された経糸屈曲装置20において、本実施例では、クランク角度90°付近の回動軸50の位相で、経糸屈曲部材30の上端縁がワープラインWの高さ位置に位置するものとなっている。従って、クランク角度0°〜90°までの範囲では、経糸屈曲部材30の上端縁はワープラインWの上方に位置するものとなっている。
図5は、筬打ち時における経糸1の状態を示すものである。なお、図5においては、ドロッパ装置6については、前側のオーバルチューブ6cのみが図示されている。また、一点鎖線で示されているのは、本発明による経糸屈曲装置(経糸屈曲部材)が設けられていない場合の最大開口時における上下の経糸の経路1c、1dである。更に、綜絖枠(ヘルド7a)よりも経糸1の送出し側(テンションロール5側)において点線で示されているのは、本発明による経糸屈曲装置(経糸屈曲部材)が設けられていない場合の下経糸の経路1eである。
図示のように、ドロッパ装置6を綾揃え等について所望の効果が得られるようにテンションロール5に近い位置に配置した状態において、前記した経糸屈曲装置20を備えた織機では、綜絖枠よりも経糸1の送出し側においてドロッパ装置6のオーバルチューブ6cのみで上下方向における経糸の経路を規制するものと比べ、下経糸を十分に屈曲させることができ、上下の経糸の張力差を所望の打ち込み性が得られるものとすることができる。更に、本実施例における経糸屈曲装置20では、下経糸を屈曲対象とし、経糸1の開口運動に伴う下経糸の下方への変位に伴い、経糸屈曲部材30が下方へ向けて揺動変位する構成となっているため、下経糸が下方へ最大変位した状態において過張力状態となることが防止され、過張力状態となることに伴う下経糸の切断等の問題が防止される。より詳しくは、以下の通りである。
前記のように、本実施例における綜絖枠の駆動態様の基となる開口曲線は、図2に示すようなものであって、この例では、クランク角度が70°付近〜165°付近において、下経糸が下方へ最大変位した状態となっている。また、図6は、経糸屈曲装置20における経糸屈曲部材30が揺動変位する状態を下経糸1と一緒に示すもので、揺動変位する経糸屈曲部材30の異なる4つの状態(A、B、C、Dの位置)を三本の実線及び一本の二点鎖線を用いて示すものである。なお、実線で示すAの位置は、経糸屈曲部材30が最上昇位置(クランク角度0°)にある経糸屈曲装置20の状態(経糸屈曲部材30の位置)を示すものであり、実線で示すBの位置は、クランク角度70°における経糸屈曲装置20の状態(経糸屈曲部材30の位置)を示すものである。また、実線で示すCの位置は、クランク角度165°における経糸屈曲装置20の状態(経糸屈曲部材30の位置)を示し、二点鎖線で示すDの位置は、クランク角度90°における経糸屈曲装置20の状態(経糸屈曲部材30の位置)を示すものである。更に、図6において点線Eは、下経糸1の経路を示すもので、この経路は、経糸屈曲部材30がAの位置に固定されている場合の、下経糸1が下方へ最大変位したときの経路である。
図示のように、筬打ち時(クランク角度0°)において所望の屈曲量が得られるAの位置に経糸屈曲部材30が固定配置されていた場合、その後の下方へ向けた下経糸1の変位に伴い、屈曲量が増大して下経糸1の張力が上昇すると共に、下方へ最大変位した状態(点線Eの経路)で下経糸1の張力が最大となる。そして、その場合、経糸1の種類や製織条件によっては、その張力が過張力となり、下経糸1に切断等の問題が生じる場合がある。
これに対し、本実施例の経糸屈曲装置20によれば、下経糸1の下方への変位に伴い、経糸屈曲部材30も下方へ向けて変位するため、屈曲量の増大が抑えられ、下経糸1が下方へ最大変位した状態(Bの位置の状態)における下経糸1の張力は、経糸屈曲部材30がAの位置の状態に固定されている場合と比べ、低く抑えられたものとなる。しかも、図示のように、下経糸1が下方への最大変位位置に達した時点(クランク角度70°付近)からその位置に維持される期間(クランク角度165°付近までの期間)において、経糸屈曲部材30はCの位置へ向けて更に下方へ向けて変位されるため、下経糸1の屈曲状態は緩和される方向に変化する。従って、図示の例では、経糸屈曲部材30がBの位置にある状態(クランク角度70°)における下経糸1の屈曲量は、Aの位置(筬打ち時)の場合における屈曲量よりも若干増大したものとなっており、下方への最大変位位置に達した時点での下経糸1の張力は筬打ち時よりも若干上昇したものとなっているが、その状態が継続されることはなく、その後の経糸屈曲部材30の下方への変位によって下経糸1の張力は緩和され、経糸屈曲部材30がCの位置に達した時点では、下経糸1の張力は筬打ち時よりも低いものとなっている。
以上で説明した本実施例の経糸屈曲装置20によれば、筬打ち時における上下の経糸1、1の張力差を所望の打ち込み性が得られるものとしつつも、下経糸が下方へ最大変位した状態において切断される等の問題の発生(その問題の原因となる下経糸の過張力状態になること)を有効に防止することができる。また、本実施例では、経糸屈曲部材30及びその経糸屈曲部材30を支持する回動軸50がワープライン(経糸列)Wの下方に配置されているため、織機上における装置の配置が容易になると共に、経糸切れ時における経糸1の補修作業において、経糸屈曲部材30や回動軸50がその作業の妨げとなることは無い、といった効果もある。因みに、経糸屈曲部材30の動作については、前記のようにクランク角度180°で最下降位置に達した後、変位方向が反転されて上方へ向けて揺動変位し、経糸1が閉口状態となるクランク角度300°において、経糸屈曲部材30は全ての経糸1に接した状態となる。その後、閉口前に経糸開口を形成する上経糸であった経糸1が下経糸となり、経糸屈曲部材30は、その後の揺動変位により、主にその下経糸に屈曲を与えるものとなる。
以上では、本発明による経糸屈曲装置の一実施例について説明したが、本発明については以上の実施例(前記実施例)に限定されるものではなく、以下のように変形して実施することも可能である。
(1)前記実施例では、経糸屈曲部材30が経糸列の下方に配置されて下経糸に屈曲を与えるものとしたが、経糸屈曲部材30の配置については、前記実施例のように経糸列の下方に配置されるものに限らず、構成的に配置が可能であれば、ワープラインWの上方で支持されて経糸列の上方に配置され、上経糸に屈曲を与えるものであってもよい。すなわち、打ち込み性の観点では、筬打ち時において上下の経糸1、1に所望の張力差が存在していれば良く、下経糸の張力の方が高い場合に限らず、上経糸の張力が高い場合でも、打ち込み性を向上させることができる。
なお、前記のように、本発明においては、経糸屈曲部材30の経糸列に対する上下方向の配置(屈曲を与える経糸1が上経糸か下経糸か)について限定されないため、以下では、経糸開口を形成する上経糸及び下経糸のうち、上下方向に関し経糸屈曲部材30側の経糸(前記実施例の下経糸)1を「一方の経糸」とし、その反対側の経糸1を「他方の経糸」とする。但し、開口運動によって経糸1の上下位置は反転するため、前記の「一方の経糸」及び「他方の経糸」は常に同じ経糸1では無い。
(2)駆動機構40について、前記実施例では、偏心クランク機構を用いた駆動機構40によって経糸屈曲部材30を往復揺動変位させる構成としているが、駆動機構40についてはそのような偏心クランク機構を用いた構成に限らず、例えば、前記実施例における揺動レバー60を揺動させる構成として、カム機構を用いたものであってもよい。
また、前記実施例では、駆動機構40が往復回動駆動される回動軸50を備え、その回動軸50に経糸屈曲部材30が取り付けられる構成としたが、駆動機構40よる経糸屈曲部材30の支持構成についてはそのような回動軸50を介したものに限らず、経糸屈曲部材30が高い剛性を有し、経糸1の張力による撓み等の影響が小さいものであれば、経糸屈曲部材30がその両端部で駆動機構40に支持される構成であってもよい。そのような構成としては、例えば、経糸屈曲部材30の長手方向における両端部にレバーを固定し、そのレバーを駆動機構40によって揺動駆動するもの等が考えられる。
また、前記実施例では、駆動機構40によって経糸屈曲部材30を揺動駆動する構成としたが、駆動機構40は経糸屈曲部材30を揺動駆動するものに限らず、経糸屈曲部材30を上下方向に直線的に往復変位させる構成であってもよい。そのような構成としては、例えば、前記実施例の回動軸50又は経糸屈曲部材30がその長手方向における両端部においてステー等で支持される構成とし、そのステーを、ボールネジ機構やラックピニオン機構等によって上下方向に直線的に変位させるものが考えられる。但し、その直線的な変位方向については、鉛直方向に限らず、鉛直方向に対し角度を成したものであってもよい。
なお、前記のように経糸屈曲部材30が長手方向における両端部において駆動機構40に支持される構成は、駆動機構40が経糸屈曲部材30の両方の前記端部に固定される構成に限らず、経糸屈曲部材30が高い剛性を有すると共に駆動機構40との支持位置で経糸屈曲部材30の傾きが生じないようなものであれば、駆動機構40が経糸屈曲部材30の前記端部のうちの一方にのみ固定され、他方の端部については、ガイド部材によって変位が案内される構成としてもよい。
(3)経糸屈曲部材の変位について、前記実施例では、主軸1回転中の全期間に亘って経糸屈曲部材30が下経糸と接触して下経糸に屈曲を与えるものとなっているが、経糸屈曲部材30が上下方向に変位駆動される構成については、少なくとも筬打ち時において経糸屈曲部材30が前記一方の経糸1に対し接触して屈曲を与えるものであればよい。例えば、前記実施例の構成において、経糸屈曲部材30の揺動量を大きくし、経糸屈曲部材30が最下降位置となる時点及びその前後を含む期間等において、経糸屈曲部材30が前記一方の経糸から離間する構成であってもよい。
また、最上昇位置となった時点やその時点を含む期間において、経糸屈曲部材30が前記一方の経糸1にのみ接触して前記一方の経糸1にのみ屈曲を与えるものに限らず、両方の経糸1、1に接触して両方の経糸1、1に屈曲を与えるものであってもよい。その場合でも、経糸屈曲部材30の配置と各経糸1の経路との関係で、前記一方の経糸1の方が前記他方の経糸1よりも張力が高い状態となり、上下の経糸1、1に張力差が生じた状態となる。
さらに、前記実施例では、筬打ち時点(クランク角度0°)において経糸屈曲部材30が最上昇位置となる(経糸1の屈曲量が最大となる)駆動態様で経糸屈曲部材30が上下方向に変位駆動される構成としたが、経糸屈曲部材30が上下方向に変位駆動される構成の駆動態様についてはそのようなものに限らず、筬打ち時点において所望の打ち込み性が得られるような上経糸又は下経糸の屈曲(上下の経糸1、1の張力差)を生じさせるものであればよい。因みに、本発明の発明者らによる試験において、前記実施例の構成において、経糸1の屈曲量が最大となるクランク角度を330°、345°、0°、30°として打ち込み性について確認した結果として、前記実施例の場合(クランク角度0°で下経糸の屈曲量が最大となる場合)が最もよい打ち込み性を得られるものであったが、0°以外の前記クランク角度においても、織布の品質上の面で問題を生じない緯糸の打ち込み性が得られるものとなった。
なお、前記実施例では、経糸屈曲部材30の最上昇位置は、経糸屈曲部材30の上端縁がワープラインWの上方に位置するものとなっているが、経糸屈曲部材30の最上昇位置については、筬打ち時点における上下の経糸1、1の張力差が所望の打ち込み性を得られるようなものであればよい。詳しくは、前記のように、緯糸の打ち込み性は、筬打ち時点における上下の経糸1、1の張力差に影響されるものである。但し、この張力差は、経糸屈曲部材30によって屈曲を与えられる前記一方の経糸1の張力のみで決まるものではなく、そのときの他方の経糸1の張力も関係する。また、前記一方の経糸1の張力は、その経糸1の開口時における変位量及び設定張力が同じであるとすれば、経糸屈曲部材30による屈曲量に応じたものとなり、その屈曲量は、経糸屈曲部材30の最上昇位置に応じたものとなる。そこで、経糸屈曲部材30の最上昇位置については、以上の条件を踏まえて決定されたものとすればよく、その場合において、前記実施例のように経糸屈曲部材30の上端縁がワープラインWよりも上方に位置するものに本発明は限らない。
(4)経糸屈曲装置の構成について、前記実施例では、経糸屈曲装置20が経糸屈曲部材30を上下方向に往復変位駆動する駆動機構40を備え、経糸屈曲部材30が経糸の開口運動に合せて上下方向に変位する構成としたが、本発明の経糸屈曲装置は、そのような駆動機構40を備えた構成に限らず、上下方向に関し、筬打ち時点において経糸1を屈曲させる位置で経糸屈曲部材30が固定配置された構成であってもよい。すなわち、製織条件(設定張力等)や経糸1の種類等により、経糸1の最大変位時における張力が過張力とならない、あるいは過張力となっても製織上の問題が生じない場合には、経糸屈曲部材30は、上下方向に関し、筬打ち時において上下の経糸1、1の張力差が所望の程度となるように経糸1に屈曲を与える位置で固定配置されたものであってもよい。
また、経糸屈曲部材30は、前記実施例のように板状の部材に限らず、長手方向と直交する方向の断面が円形もしくは楕円形の棒状(円柱状)の部材であってもよいし、前記断面が方形の角柱状の部材(但し、経糸1と接触し得る頂部については面取りが必要)であってもよい。
また、経糸屈曲部材30は、経糸1と接触する上端縁の高さ位置が上下方向に関し長手方向の全長に亘って同じである一直線上の部材に限らず、長手方向の少なくとも両端部における上端縁の高さ位置が長手方向の中央部の上端縁とは異なると共に、その両端部の上端縁の高さ位置が上下方向に関し経糸列側へ偏倚した形状、より具体的には、経糸屈曲部材30が経糸列の下側に配置される場合には両端部の高さ位置が中央部よりも高い位置となり、経糸屈曲部材30が経糸列の上側に配置される場合には両端部が中央部よりも低い位置となる形状を有するものであってもよい。詳しくは以下の通りである。
一般的に、経糸列においては、織幅方向における両端部(織布の耳部を形成する部分)に位置する経糸の張力が、中央部に位置する経糸の張力よりも低くなる傾向がある。また、本発明の経糸屈曲装置における経糸屈曲部材30は、長手方向に長尺の部材であるため、経糸の張力を受けて撓みが生じる可能性があり、その場合、正面から見て、上端縁の高さ位置は、前記両端部の方が中央部よりも低くなる。そして、その結果、経糸屈曲部材30により屈曲を与えられた状態において、経糸列の織幅方向における両端部に位置する経糸1の屈曲度合いが、中央部に位置する経糸1の屈曲度合いよりも小さくなる。そのため、前記のように経糸屈曲部材30に撓みが生じると、経糸屈曲部材30により屈曲を与えられている状態でも、前記傾向と合せ、経糸列における前記両端部に位置する経糸1の張力と中央部に位置する経糸1の張力との差が大きくなり、製織される織布の品質低下を招く虞がある。また、張力が十分に高められない結果、前記両端部の経糸1に開口不良が生じ、緯入れミスが発生する虞もある。
そこで、経糸屈曲部材30の形状は、前記撓み等を考慮し、少なくとも両端部の上端縁の高さ位置が中央部の上端縁の高さ位置よりも経糸列側へ偏倚したものとなるように、例えば、湾曲させた形状としてもよい。また、経糸屈曲部材30は、両端部の上端縁の高さ位置のみがそれ以外の部分よりも経糸列側へ偏倚するように、段差を設けた構成としてもよい。
(5)前提とする織機について、前記実施例では、図2に示す開口曲線(開口パターン)に従って綜絖枠が駆動される(経糸に開口運動が与えられる)ものとしたが、本発明が前提とする織機においては、経糸に開口運動を与えるための開口曲線は、図2に示すようなものに限らず、経糸が開口状態となるタイミングと筬によって緯糸が織前に筬打ちされるタイミング(筬打ち時)とが異なるように設定されたものであれば、どのようなものであってもよい。従って、経糸が閉口状態となるタイミングが筬打ち時より後に設定されるものであってもよい。
また、前記実施例では、ワープラインWが水平に設定されたものについて述べたが、本発明が前提とする織機は、そのようなものに限らず、ワープラインWが傾斜するように構成されたものであってもよい。なお、ワープラインWが傾斜している場合、上下の経糸は、その経路の違いによって張力差を生じたものとなる。すなわち、テンションロール側よりも織前側の方が低くなるようにワープラインWが傾斜するように構成された織機の場合は、開口状態にある経糸については、下経糸の方が上経糸よりも張力が高くなる。そこで、そのような織機は、下経糸に対し経糸屈曲部材により屈曲を与える構成とすることにより、上下の経糸の張力差を大きくする、あるいは、経糸屈曲部材による屈曲量を前記実施例のものよりも小さくしつつも前記実施例と同様の上下経糸の張力差を得ることができるものとなる。
本発明は、前記実施例や以上で説明した変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 経糸
1c経糸屈曲部材を備えていない場合における最大開口時の上経糸の経路
1d経糸屈曲部材を備えていない場合における最大開口時の下経糸の経路
1e経糸屈曲部材を備えていない場合における開口状態の下経糸の経路
2 経糸ビーム
3 ガイドロール
4 張力センサ
5 テンションロール
6 経糸切れ検出装置(ドロッパ装置)
6aオーバルチューブ
6bドロッパピン
6cオーバルチューブ
7aヘルド
8 織前
9 緯糸
11 筬
12 服巻ロール
13 巻取ロール
14 織布
20 経糸屈曲装置
30 経糸屈曲部材
31 取付部材
32 ネジ部材
40 駆動機構
50 回動軸
51 ブラケット
52 ステー
53 軸受
60 揺動レバー
61 貫通孔
62aすり割り
62 割締め構造
63 貫通孔
64 軸受
65 連結軸
70 クランクレバー
71 貫通孔
71Y貫通孔の中心
72 軸受
72a偏心カラー
73 位置決め用のカラー
74 固定部材
74a貫通孔
74bすり割り
74c割締め構造
75 ネジ部材
76 貫通孔
77aすり割り
77 割締め構造
80 駆動軸
80a軸端部
80X軸心
W ワープライン

Claims (3)

  1. 綜絖枠よりも経糸の送出し側にドロッパ式の経糸切れ検出装置を備えた織機であって、前記綜絖枠によって開口運動を与えられる経糸が閉口状態となるタイミングと筬によって緯糸が織前に筬打ちされるタイミングとが異なるように設定された織機における経糸屈曲装置において、
    経糸方向に関し前記ドロッパ式の経糸切れ検出装置と前記綜絖枠との間で上下方向に関し経糸列の上方又は下方に配置されると共に織幅方向に関し経糸列の範囲に亘って延在する経糸屈曲部材であって、少なくとも筬打ち時において開口状態にある経糸のうちの上経糸及び下経糸の一方に接触して前記一方の経糸の経路を屈曲させる位置に配置される経糸屈曲部材を備える、
    ことを特徴とする織機における経糸屈曲装置。
  2. 前記経糸屈曲部材を上下方向に往復変位させる駆動機構であって、前記一方の経糸の開口運動に伴う前記筬打ち時以降の最大変位位置へ向けた変位時において、その前記一方の経糸の変位方向へ前記経糸屈曲部材が変位するように前記経糸屈曲部材を駆動する駆動機構を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の織機における経糸屈曲装置。
  3. 前記駆動機構は、前記一方の経糸の前記最大変位位置に位置するときの前記経糸屈曲部材による屈曲度合いが、筬打ち時における前記屈曲度合い以下となるように前記経糸屈曲部材を駆動する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の織機における経糸屈曲装置。
JP2014018464A 2014-02-03 2014-02-03 織機における経糸屈曲装置 Active JP6277006B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014018464A JP6277006B2 (ja) 2014-02-03 2014-02-03 織機における経糸屈曲装置
EP15152357.8A EP2902536A1 (en) 2014-02-03 2015-01-23 Warp bending device for loom
CN201510053688.4A CN104818568B (zh) 2014-02-03 2015-02-02 织机的经纱弯曲装置
CN201520072521.8U CN204455467U (zh) 2014-02-03 2015-02-02 织机的经纱弯曲装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014018464A JP6277006B2 (ja) 2014-02-03 2014-02-03 織機における経糸屈曲装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015145542A JP2015145542A (ja) 2015-08-13
JP6277006B2 true JP6277006B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=52358717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014018464A Active JP6277006B2 (ja) 2014-02-03 2014-02-03 織機における経糸屈曲装置

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP2902536A1 (ja)
JP (1) JP6277006B2 (ja)
CN (2) CN204455467U (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6277006B2 (ja) * 2014-02-03 2018-02-07 津田駒工業株式会社 織機における経糸屈曲装置
CN106400275B (zh) * 2016-11-10 2019-02-12 江苏工程职业技术学院 一种在小样织机上织造交错纬管布的装置及其织造方法
CN106567179B (zh) * 2016-11-10 2018-06-19 江苏工程职业技术学院 一种在小样织机上织造泡泡纱的装置及其织造方法
CN106567180B (zh) * 2016-11-10 2019-02-12 江苏工程职业技术学院 一种在小样织机上织造四面泡泡纱的装置及其织造方法
CN106400276B (zh) * 2016-11-10 2018-06-19 江苏工程职业技术学院 一种在小样织机上织造局部纬管布的装置及其织造方法
CN106381603B (zh) * 2016-11-10 2018-06-19 江苏工程职业技术学院 一种在小样织机上织造经向间断式泡泡纱的装置及其织造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH472521A (de) * 1967-03-15 1969-05-15 Sulzer Ag Vorrichtung zum periodischen Strecken und Nachlassen von Kettfäden
JPS54131073A (en) * 1978-03-27 1979-10-11 Tsudakoma Ind Co Ltd Prevention of selvedge loosening in cutting machine
FR2425489A1 (fr) * 1978-05-09 1979-12-07 Alsacienne Constr Meca Perfectionnement aux systemes de barres d'enverjure de metiers a tisser
US4235260A (en) * 1978-12-29 1980-11-25 Chicheva Serafima A Method and apparatus for tensioning warp threads at weaving a cloth on a loom
JP2764638B2 (ja) * 1990-05-18 1998-06-11 津田駒工業株式会社 サテンストライプ織物などの製織方法
DE102011080629A1 (de) * 2011-08-08 2013-02-14 Lindauer Dornier Gesellschaft Mit Beschränkter Haftung Verfahren und Webmaschine mit einer Vorrichtung zum Überwachen einer Fadenüberspannung
JP5860656B2 (ja) * 2011-10-11 2016-02-16 津田駒工業株式会社 織機における情報表示装置
JP6277006B2 (ja) * 2014-02-03 2018-02-07 津田駒工業株式会社 織機における経糸屈曲装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015145542A (ja) 2015-08-13
EP2902536A1 (en) 2015-08-05
CN104818568B (zh) 2018-05-29
CN204455467U (zh) 2015-07-08
CN104818568A (zh) 2015-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6277006B2 (ja) 織機における経糸屈曲装置
JP5778544B2 (ja) 織機の張力検出装置
CN215481564U (zh) 织机
JP5344889B2 (ja) 積極イージング機構を用いた織機の送出装置
US11608574B2 (en) Frame structure of loom
US6315008B2 (en) Weaving loom for producing a leno fabric
JP2010133065A (ja) パイル織機におけるパイル経糸張力調整装置
JP2010100974A (ja) 織機のキャッチコード開口装置
JP2015045118A (ja) ガイドレールを備えた縦糸停止装置
KR20060047617A (ko) 북을 구비한 자수기
JP2006336183A (ja) ウォータージェット織機の織物製織装置
JP2006518421A (ja) 平織及び絡み織で織物を製織する方法及び方法の実施のための織機
CN110997997A (zh) 圆织机
TWI765117B (zh) 劍桿織機的投緯裝置
JP4069047B2 (ja) 無杼織機の仮撚装置
JP2012246582A (ja) パイル織機のパイル経糸張力調整装置
JP6820679B2 (ja) テリークロス織機におけるパイル縦糸の張力を調整するための装置
JP6348016B2 (ja) 空気噴射式織機における緯糸規制装置
JP4521757B2 (ja) 筬打ち装置
JP2011006801A (ja) 製織用筬
US7451788B2 (en) Apparatus and method for weaving leno fabric
WO2021006017A1 (ja) 織機
JP2006291367A (ja) 布移動式パイル織機におけるテリーモーション部材の駆動装置
JPH1136161A (ja) 織機の経糸張力調整装置
JP5491649B2 (ja) 織機のキャッチコード開口装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6277006

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150