JP4069047B2 - 無杼織機の仮撚装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無杼織機における緯糸端を保持するためのキャッチコードを撚る仮撚装置に関する。
無杼織機、特に水噴射式織機での緯糸端処理には、通常仮撚式キャッチコードが用いられる。
経糸シートの反給糸側に複数本の糸端処理糸即ちキャッチコードを配列し、このキャッチコードを経糸の進行速度と同じかそれよりもやや高めの速度で牽引しつつ経糸とほぼ同様に開口させ、その開口運動により緯入れされた緯糸の糸端を織り込んで捕捉する。この緯糸が筬打ちされた後にその捕捉された糸端がカッタにより切断される。そして、この緯糸端がキャッチコードに捕捉された状態で、予めキャッチコードが通されている仮撚装置の回転スピンドルを回転させることにより、キャッチコードの束が撚られ緯糸端を撚り込まれるので、緯糸端の抜け落ちが防止できるというものである。
また、キャッチコードで緯糸端を保持することによって、緯糸に均一な張力を与え、耳付近の織り組織の崩れや緩みも防止できる。
この仮撚装置として、例えば特許文献1と特許文献2の装置があげられる。
特許文献1の仮撚装置は、回転駆動される回転スピンドルを備え、経糸方向に対して回転スピンドルの回転軸線の方向が平行となるように設けられている。
また特許文献2の仮撚装置は、同じく回転駆動される回転スピンドルを備え、キャッチコードの牽引経路上から一定距離離れた位置に、回転スピンドルの回転軸線の方向が経糸方向と平行となるように設けられている。また、キャッチコードの織前と仮撚装置との間に設けられたガイドの位置に対して仮撚装置が一定距離離れているため、ガイドの位置でキャッチコードが屈曲されている。
特開平8−74145号公報 実開昭58−45385号公報
特に高密度、太番手等での製織時には、いわゆるダブツキ(筬の後退によって筬打ち時の織前が後退するため、次回の筬打ち時にたるみが生じること)が発生し、このダブツキにより織布の織前が前後動してしまう。
特許文献1の仮撚装置を用いた場合、キャッチコードは撚回しながら牽引されているだけであって何ら屈曲などの抵抗がないため、織布の織前の前後動につられてキャッチコードの織前も前後動してしまう。これによって耳房長さや耳締まりが不均一となってしまう。さらに、キャッチコードの織前の前後動により、カッタによる緯糸端の切断本数が不均一になるため、このような緯糸端の絡みが不均一の状態でキャッチコードの撚回を行うと、最悪キャッチコードが切断されてしまう。
また、特許文献2の仮撚装置のように、ガイドの位置でキャッチコードが屈曲させれば、この屈曲抵抗によりキャッチコードの織前の前後動を抑制できるが、このガイドは通常の固定ガイドであるため、ガイドの抵抗により仮撚装置によるキャッチコードの撚回がガイドの位置で妨げられてしまい、キャッチコードの織前までキャッチコードの撚りが伝わりにくくなる。このため、キャッチコードの締まり、緯糸端の絡みが悪くなる。
従って本発明の目的は、無杼織機、主に流体噴射式織機であり、特に水噴射式織機において、キャッチコードの織前の前後動を防止し、かつ、回転スピンドルの回転によるキャッチコードの撚りを、キャッチコードの織前まで伝達しやすくすることにある。
本発明に係わる仮撚装置は、複数本のキャッチコードによって緯糸端を撚り込むために前記キャッチコードを撚回させる回転スピンドルを備え、テンプルを支持するテンプルバーによって支持された無杼織機の仮撚装置において、前記回転スピンドルは、先端にリング状の案内縁を有する筒状部であってその中心軸線が前記回転スピンドルの回転軸線と一致するように形成されて前記案内縁で前記キャッチコードが屈曲されてその内側を通過する筒状部と該筒状部に続く扁平部であって前記キャッチコードが挿通される挿通孔が形成された扁平部と有し、更に、前記回転スピンドルは、前記キャッチコードの織前と前記テンプルバーの織布巻取側端部との間において前記回転軸線の方向が経糸方向に対して直角または略直角となる向きで配置され、織幅方向であって前記回転軸線と略平行な方向に延在する駆動シャフトに連結されて回転駆動され、前記案内縁が前記テンプルバーに対し経糸方向について位置調整可能となるように構成されている、ことをその趣旨とする。
本発明の仮撚装置によれば、回転スピンドルの回転軸線の方向が経糸方向に対して直角または略直角になるように回転スピンドルを設けたから、織前付近で経糸方向に延びるキャッチコードはその向きが最終的に回転スピンドルの回転軸線の方向に変更されることになり、そのような方向の変更に伴う屈曲抵抗は十分大きなものといえるから、それだけキャッチコードの織前の前後動を抑えることができる。
回転スピンドルを通過するキャッチコードを、最終的に経糸方向になるように直角または略直角に屈曲させるための屈曲部分の少なくとも一部を案内縁に担わせているので、案内縁を介して回転スピンドルの回転がキャッチコードに伝達され、キャッチコードに対して屈曲抵抗をかけながら撚ることによって、屈曲部分によるキャッチコードの撚回の伝達低下を軽減できる。
回転スピンドルが、キャッチコードが経糸方向に対して平行又は略平行になるように設ければ、キャッチコードは回転スピンドルの案内縁からキャッチコードの織前まで屈曲されることなく延びるため、回転スピンドルの案内縁でのみキャッチコードに対して屈曲抵抗および撚りを作用させることができ、屈曲部分によるキャッチコードの撚回の伝達低下が発生しない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係わる第1の仮撚装置10の周辺の全体図を示したものである。経糸シート1の反給糸側には、複数本例えば4本のキャッチコード2が連ねて配列されている。キャッチコード2は、仮撚装置10に備えられている回転スピンドル20を通過して、回転スピンドル20の下流側に設けられた図示しない牽引装置により牽引されている。
カッタ6は、テンプルバー90に取り付けられたブラケット91によって支持されており、ブラケット91は、ボルト94によってテンプルバー90に位置固定されている。ブラケット91は、テンプルバー90の延在方向に位置調整可能である。また、テンプル9は、テンプルバー90に設けられた図示しないブラケットにより、テンプルバー90に対し、テンプルバー90の延在方向に位置調整可能に設けられている。
仮撚装置10は、テンプルバー90に取り付けられたブラケット91に対し、ブラケット92、93を介して支持されている。ブラケット92は、ボルト95によってブラケット91に固定され、ブラケット93は、ボルト96によってブラケット92に固定されている。また、回転スピンドル20は、ボルト97によってブラケット93に固定されたブラケット11に対し、ベアリング等を介して回転可能に支持されている。
また、仮撚装置10は、先端に案内縁21を有した回転スピンドル20の回転軸線の方向が経糸方向に対して直角または略直角になるように位置調整可能である。
詳細には、ボルト94を緩めることによって、ブラケット91および仮撚装置10等のブラケット91に設けられている部材がテンプルバー90の延在方向に移動可能であり、ボルト95を緩めることによって、ブラケット91に対してブラケット92をボルト95を中心として回転移動可能であり、ボルト96を緩めることによって、ブラケット92に対してブラケット93をボルト96を中心として回転移動可能およびボルト96が支持されている長孔の延在方向に移動可能であり、ボルト97を緩めることによって、ブラケット93に対してブラケット11をボルト97を中心として回転移動可能およびボルト97が支持されている長孔の延在方向に移動可能である。
このように、それぞれ支持されているブラケット91、92、93、11をそれぞれ移動させることにより位置調整を行う。別仕様の筬と交換しキャッチコード2の位置を移動させた場合も、仮撚装置10に対して上記と同様な位置調整を行う。
また図1の実施例では、案内縁21から延びるキャッチコード2は屈曲されることなくキャッチコード2の織前3に至っている。さらに、キャッチコード2が経糸方向に対して平行又は略平行になるように回転スピンドル20が設けられている。ここで略直角および略平行とは、直角線および平行線に対して両側それぞれ15°程度の許容範囲を含むことをいう。
なお、キャッチコード2の織前3までキャッチコードの撚りを確実に伝えるために、キャッチコード2の織前3から案内縁21までの距離Lは短いほうがよい。よって、仮撚装置10をキャッチコード2の織前3からテンプルバー90の織布巻取側端部までの間に設けた方がよく、詳細には、キャッチコード2の織前3から案内縁21の中心までの距離Lは40mm以内が好ましい。
回転スピンドル20のキャッチコード2の出口側にはプーリ12が設けられている。プーリ12は、織幅方向に延在する駆動シャフト16に設けられた駆動プーリ14とベルト15により繋がれている。駆動シャフト16は図6の織機の原動機13により駆動され図示しない主軸に連結される。また、織機の主軸に連結することに代えて専用のモータを用い主軸の回転と同期させてもよい。なお、プーリ12と駆動プーリ14は織幅方向に対して同位置に設けられている。
織機の製織中は、4本のキャッチコード2は、図示しない開口装置によって経糸シート1の開口動作と連動して開口運動を行う。緯糸4が緯入れされると、キャッチコード2の開口にも緯入れされ、キャッチコード2は緯入れされた緯糸4の糸端を開口運動により織り込んで捕捉する。この緯糸4は筬5により筬打ちされるが、この間にもキャッチコード2が通過している回転スピンドル20は常に回転しており、キャッチコード2の織前3辺りにはキャッチコード2が撚回し集束されているので、緯糸4には適度な張力が与えられている。筬打ち後のさらに数ピック後に、その捕捉された糸端がカッタ6により切断される。切断された緯糸端7はキャッチコード2の撚回により捕捉された状態でキャッチコード2に撚り込まれながら、回転スピンドル20を通過し、緯糸端7はキャッチコード2と共に織機外へ廃棄される。
図2は回転スピンドル20の先端部分の拡大図である。回転スピンドル20は軸線方向に貫通する内孔22を有している筒状部23で形成されており、筒状部23のやや先端寄りに偏平部24が形成されている。また、筒状部23は、その先端にリング状の案内縁21を有しており、案内縁21の内側が筒状部23の内孔22に繋がっている。
筒状部23と偏平部24との間には、内孔22に通じ、筒状部23の直径方向に貫通した挿通孔25、27が形成されており、偏平部24の挿通孔25、27との間には挿通孔26が偏平部24の表裏面に通じた状態で形成されている。
緯糸端7が捕捉された状態で撚り込まれたキャッチコード2は、回転スピンドル20の先端に形成された案内縁21により、経糸方向に対し直角又は略直角になるように屈曲しつつ内孔22を通過し、続いて挿通孔25、26、27を偏平部24の表裏面に対して交互に通過し、キャッチコード2の出口側の筒状部23の内孔22を通過して回転スピンドル20の外に排出される。
この状態で回転スピンドル20を回転させることによって、キャッチコード2は案内縁21により直角又は略直角になるように常に屈曲しつつ、また屈曲抵抗部分であるリング状の案内縁21が摩擦抵抗によってキャッチコード2を回転させているので、案内縁21の位置でキャッチコード2に対して常に屈曲抵抗を掛けながら、キャッチコード2を常に撚回させることができる。よって、キャッチコード2の織前3の前後動を抑制でき、かつキャッチコード2の撚回運動を与えることができる。
図3は回転スピンドルの先端部分の変形例を示した断面図である。回転スピンドル35はその先端部分に先端部28が設けられており、先端部28は筒状部23から取り外し可能となっている。
先端部28のキャッチコード導入側先端は外側および内孔22側においてそれぞれ丸められており、キャッチコード2の撚回を効率よく行うように、またキャッチコード2が先端で傷まないようになっている。
キャッチコード2が案内縁21と接触することで、キャッチコード2に屈曲抵抗が掛かりつつ、案内縁21の回転を直接的にキャッチコード2に伝達しキャッチコードが撚回される。
よって、先端部28のキャッチコード導入側端部の直径が、回転スピンドル35の直径より大きくなるように、詳細には、先端部28のキャッチコード導入側端部に先端延長部29が形成された先端部28と取り換えることによって、キャッチコード2と案内縁21との接触面積が先端延長部29の部分だけ大きくなるので、回転スピンドル35の回転におけるキャッチコード2の撚回がより効率よく伝達される。
この場合、案内縁21は回転スピンドル35の内面(内孔22の円周面)に対応する位置から先端延長部29の外周面まで延在する。
キャッチコード2と案内縁21との接触面積が異なるように長さの異なる先端延長部29を形成した数種類の先端部28を製作しておけば、随時先端部28を取り換えることによって、キャッチコード2の撚り度合いを調整することができる。もちろん先端部28と筒状部23を一体的に形成してもよい。
なお、先端部28はキャッチコード2による摩耗防止のため、耐摩耗性のよいセラミックスで形成することが好ましい。
また、回転スピンドル20、35とは別に、案内縁がリング状の案内部材を、図示しないステーを介して回転スピンドル20、35の先端に設けてもよい。案内部材はその中心軸線が回転スピンドルの回転軸線と一致するように設けられ、案内部材と回転スピンドル20、35が一緒に回転される。この場合、キャッチコード2は案内部材の案内縁の内側を通過して、回転スピンドル20、35を通過する。
図4は、別の実施形態による仮撚装置30の周辺の全体図を示したものである。図1と共通するものは同じ符号を付けている。
この場合は、図1に対して、キャッチコード2の織前3と回転スピンドルとの間に、回転スピンドルとは別に、内側の中心の周りが回転可能なリング状の案内縁を有する案内部材43を備えた案内装置40が設けられており、案内部材43によりキャッチコード2が屈曲されている。
仮撚装置30は、案内装置40が設けられていれば仮撚装置10と同じ構成であってもよいし、その他特許文献1に開示されている回転スピンドルのように、先端が偏平部で形成され偏平部に複数の挿通孔を有し偏平部から直接キャッチコード2が延びるような回転スピンドルを備えた、公知の仮撚装置を用いることができる。
図5は、案内装置40を正面方向から見た図である。案内装置40はブラケット41により織機フレーム等詳しくは図示しないテンプルブラケットに固定されている。ブラケット41の内側にはベアリング42がはめ込まれており、さらにベアリング42の内側にはエンドレス形状の案内縁を有した案内部材43がはめ込まれている。キャッチコード2は案内部材43の案内縁の内側を通過し、案内部材43はベアリング42により案内部材43の内側の中心の周りを消極回転可能である。
案内部材40により、仮撚装置30に備えられた回転スピンドルの回転によるキャッチコード2の撚回に連動して案内部材43も回転するので、案内部材40でキャッチコード2の撚回が妨げられることはなく、キャッチコード2の撚回をキャッチコード2の織前3まで確実に伝えることができる。また、案内部材43でキャッチコード2が屈曲されているので、この位置でキャッチコード2に対して屈曲抵抗が掛かりキャッチコード2の織前3の前後動も抑制できる。
また、キャッチコード2に対して適度に屈曲抵抗を与えるために、図4のように、仮撚装置30に備えられた回転スピンドルの回転軸線の方向が経糸方向に対して、直角または略直角になるように仮撚装置30を設けるのが好ましい。
さらに、案内部材43が回転可能であれば、ベアリング42以外の構成を用いてもよく、あるいはモータ等により回転スピンドルの回転に同期させて案内部材43を積極回転させてもよい。
図6は仮撚装置10、30の周辺を織機の側面から見た側面図である。点線で示された従来の仮撚装置50は備えられた回転スピンドル51の回転軸線が上から見て経糸方向と平行になるように設けられ、プーリ52は中心軸線が経糸方向に平行となるように設けられていた。しかし、織機の構成上駆動シャフト55が織幅方向に延在し、かつ駆動プーリ53は中心軸線が織幅方向に平行となるように設けられていたので、互いのプーリを繋げるためにベルト54を90度にねじって掛けることになり、ベルトの早期摩耗の原因となっていた。
仮撚装置10、30のように、回転スピンドル20の回転軸線の方向が経糸方向に対して直角または略直角になるように設ければ、プーリ12と駆動プーリ14のそれぞれの中心軸線が平行となり、ベルト15をねじる必要がなくなるのでベルトの長寿命化を実現できる。
また、仮撚装置10、30を用いると、駆動プーリ14の位置を、従来の仮撚装置50を用いた時の位置よりも経糸送出側に設けることができるので、駆動プーリ14および駆動シャフト16の配置の自由度が増し、服巻ロール60の配置の最適化を行うことができる。よって、経糸シート1(織布80)の織前8からガイドロール61を介した服巻ロール60までの織布経路の距離を短くすることができ、織布80の品質向上に貢献することができる。
さらに、キャッチコード2の開口空間の上下動を防止するために、キャッチコード2の織前3と仮撚装置10、30との間に、回転スピンドルとは別に設けられ、回転スピンドルに導くためのエンドレス形状の案内縁を有する案内部材を備えた少なくとも1つの案内装置70を設けてもよい。案内装置70における案内部材は固定されている。
図1では、案内縁21から延びるキャッチコード2は屈曲されることなくキャッチコード2の織前3に至るように、案内装置70は図示しないステーにより回転スピンドルのブラケット11に取り付けられている。
このようにすれば製織中においても、経糸方向から見た経糸シート1の開口空間とキャッチコード2の開口空間を略一致させることができるので、緯入れミスを防止し確実に緯糸4をキャッチコード2に捕捉させることができる。また、この案内装置70はキャッチコード2を屈曲させないように設けられるので、キャッチコードの撚りを妨げるすわなちキャッチコードの撚回の伝達低下が発生しない。
図1に示す実施例では、キャッチコード2が案内縁21において直角又は略直角に屈曲され、かつ、案内縁21からキャッチコード2の織前3において経糸方向に対して平行又は略平行になるように回転スピンドル20を設けている。
しかし、図7のように、回転スピンドル20と織前3との間に設けられた案内装置70によりキャッチコード2を屈曲させ、案内装置70から織前3においてキャッチコードを経糸方向に対して平行又は略平行に案内することによって、案内縁21における屈曲度合いを直角又は略直角よりも小さくするようにしてもよい。
なお、この時、過度にキャッチコード2を屈曲させると、キャッチコード2の撚回伝達の低下が大きくなるので、キャッチコード2の撚回伝達の低下が障害とならない程度に屈極度を設定すればよい。詳細には、キャッチコード2が経糸方向に対する傾斜角度θが両側それぞれ30°程度、より好ましくは経糸方向に対して略平行すわなち両側それぞれ15°程度以内にすることが望ましい。この場合でも、キャッチコード2を固定ガイドにより経糸方向から回転スピンドルの回転軸線の方向に屈曲される場合に比べてキャッチコード2の撚回伝達の低下が軽減される。やむを得ずキャッチコード2の織前3に至るまでにキャッチコード2を過度に屈曲せざるおえない場合は、案内装置70に換えて案内装置40を適用するとよい。
上記の実施例において、プーリ12または駆動プーリ14に対して多段プーリを用いてもよい。これによりプーリ12および駆動プーリ14に対してベルト15を掛け替えることにより、回転スピンドル20の回転(撚回)速度を変更することができる。
また、仮撚装置10、30は経糸方向に対して位置調整可能に設けられてもよい。このようにすると、キャッチコード2の織前3から回転スピンドル20の案内縁21までの距離が調整可能となるので、キャッチコード2に対する撚り強さを調整することができる。
さらに、仮撚装置10、30の回転スピンドルを、経糸シート1の織前8すなわち経糸シート1のビーティングポイントの水平高さにほぼ位置するように設けてもよい。また、好ましくは回転スピンドルの回転軸線がビーティングポイントの水平高さ上に位置するように設けた方がよく、回転スピンドルが前記水平高さを横切るように、前記水平高さに対して多少上下に位置していてもよい。これにより、経糸方向から見た経糸シート1の開口空間とキャッチコード2の開口空間を略一致させることができ、案内装置70を設けたとしてもキャッチコード2の撚回の伝達低下を防止することができる。
本発明は上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り種々変更することができる。
本発明に係わる第1の仮撚装置10の周辺の全体図である。 本発明に係わる第1の仮撚装置10に備えられた回転スピンドル20の先端部分の拡大図である。 本発明に係わる第1の仮撚装置10に備えられた回転スピンドル20の先端部分の変形例を示した断面図である。 本発明に係わる第2の仮撚装置30の周辺の全体図である。 本発明に係わる第2の仮撚装置30の案内装置40を正面方向から見た図である。 本発明に係わる仮撚装置10、30および従来の仮撚装置50の周辺を織機の側面から見た側面図である。 本発明に係わる仮撚装置10、30において、案内装置70によりキャッチコード2を屈曲させた場合の上面図である。
符号の説明
1 経糸シート
2 キャッチコード
3、8 織前
4 緯糸
5 筬
6 カッタ
7 緯糸端
9 テンプル
10、30、50 仮撚装置
11、41、91、92、93 ブラケット
12、52 プーリ
13 モータ
14、53 駆動プーリ
15、54 ベルト
16 駆動シャフト
20、51 回転スピンドル
21 案内縁
22 内孔
23 筒状部
24 偏平部
25、26、27 挿通孔
28 先端部
29 先端延長部
40、70 案内装置
42 ベアリング
43 案内部材
60 服巻ロール
61 ガイドロール
80 織布
90 テンプルバー
94、95、96、97 ボルト

Claims (1)

  1. 複数本のキャッチコードによって緯糸端を撚り込むために前記キャッチコードを撚回させる回転スピンドルを備え、テンプルを支持するテンプルバーによって支持された無杼織機の仮撚装置において、
    前記回転スピンドルは、先端にリング状の案内縁を有する筒状部であってその中心軸線が前記回転スピンドルの回転軸線と一致するように形成されて前記案内縁で前記キャッチコードが屈曲されてその内側を通過する筒状部と、該筒状部に続く扁平部であって前記キャッチコードが挿通される挿通孔が形成された扁平部と有し、
    更に、前記回転スピンドルは、前記キャッチコードの織前と前記テンプルバーの織布巻取側端部との間において前記回転軸線の方向が経糸方向に対して直角または略直角となる向きで配置され、且つ、織幅方向であって前記回転軸線と略平行な方向に延在する駆動シャフトに連結されて回転駆動され、
    前記案内縁が前記テンプルバーに対し経糸方向について位置調整可能となるように構成されている、
    ことを特徴とする無杼織機における仮撚装置。
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