JP4802150B2 - 弾球遊技機の発射ハンドル - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤の遊技領域に遊技球を打ち出す弾球遊技機の発射ハンドルに関するものである。
この種の発射ハンドルは、弾球遊技機の前面枠下方に固定されて前方へ突出するベース体と、このベース体の前端部に回動可能に支持された回動操作体などを備えており、回動操作体はトーションばね等からなる復帰ばねによって初期位置へ回動付勢されている。回動操作体は遊技者によって手動操作される可動側部材であり、回動操作体の回動角度に応じて遊技球の発射強度が調整されるようになっている。この場合、遊技者が掌で回動操作体を把持した姿勢を長時間維持することはかなりの疲労を伴うため、回動操作体の前方にベース体に連結固定された円椀状のフェースカバーを配設し、遊技者が掌でフェースカバーを握りながら回動操作体を指先で回動操作するようにした構成が広く採用されている。また、回動操作体の外周面には複数の指当部が突設されており、これら指当部は前方へ突出してフェースカバーの外周面と対向する突出部分を有している。したがって、遊技者は複数の指先(親指や人差し指など)を各指当部に対して広い接触面積で押し当てることができ、復帰ばねから各指に作用する単位面積当たりの復帰力が可及的に小さくなるため、遊技者の各指が受ける疲労の度合いを大幅に低減できるようになっている。
ところで、上記のごとく構成された発射ハンドルにおいては、固定側部材であるフェースカバーの後端部周囲に可動側部材である指当部の突出部分が延在しており、これらフェースカバーの外周面と指当部の突出部分との間に隙間ができるため、この隙間にメダルやコイン等の異物を前方から挟み込んで回動操作体を任意の回動角度に固定し、この状態で遊技球を連続的に発射するという不正行為が行われやすくなる。そこで従来、指当部を回動操作体の外周面から前方へ突出しないように設けることにより、コイン等の異物を用いて回動操作体を任意の回動角度に固定するという行為を阻止するようにした弾球遊技機の発射ハンドルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、フェースカバーの後端外周面とオーバーラップする突出部分が指当部から省略されているため、フェースカバーの後端部周囲にコイン等の異物を挟み込める隙間は存在せず、当該隙間に異物を挟み込んで回動操作体を任意の回動角度に固定することができないようになっている。
特開2001−170267号公報
前述したように、特許文献1に開示された従来の発射ハンドルでは、フェースカバーの後端外周面と回動操作体の指当部との間にコイン等の異物を前方から挟み込めないようになっているが、それ以外にも異物を挟み込める隙間は存在するため、異物を用いて回動操作体を固定するという行為を完全に阻止することは困難である。すなわち、ベース体とフェースカバーは互いに一体化されて固定側部材をなすものであり、これらベース体とフェースカバーとの間に可動側部材である回動操作体が回動可能に配設されている関係上、回動操作体とベース体やフェースカバーとの間には回動操作体の円滑な回動を確保するための隙間(クリアランス)が必要となり、特許文献1に開示された発射ハンドルでもフェースカバーの後端面と回動操作体の前端面との間に隙間が確保されている。したがって、この隙間に対してコイン等の異物を側方から略垂直姿勢で差し込むと、異物をフェースカバーの後端面と回動操作体の前端面との間に挟み込むことができるため、異物によって回動操作体を任意の回動角度に固定した状態で遊技球を発射することが可能となる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、メダルやコイン等の異物を挟み込んで回動操作体を固定したまま遊技する行為を阻止できる弾球遊技機の発射ハンドルを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、遊技機に固定されて前方へ突出するベース体と、このベース体の前端部に固定されたフェースカバーと、これらベース体とフェースカバーとの間に回動可能に配設された回動操作体と、この回動操作体の回動を検出する回転型電気部品とを備え、前記回動操作体の回動角度に応じて遊技球の発射強度が調整される弾球遊技機の発射ハンドルにおいて、前記回動操作体を回転方向に角度規制されていないエンドレスタイプとなすと共に、この回動操作体の内側にスプライン結合されて前後方向へ移動可能なクラッチリングと、このクラッチリングを前方へ付勢する弾性部材と、前記回転型電気部品を回転方向の初期位置に付勢する戻しばねとを設け、前記クラッチリングが前記弾性部材の弾発力によって前進位置に保持されているとき、前記回動操作体の回動が前記クラッチリングを介して前記回転型電気部品に伝達されるようになし、前記フェースカバーと前記回動操作体との間に挿入された異物によって、前記クラッチリングが後退位置へ移動したとき、前記クラッチリングから前記回転型電気部品に至る動力伝達経路が遮断されるように構成した。
このように構成された弾球遊技機の発射ハンドルでは、遊技者が回動操作体を回動操作すると、回動操作体の内側にスプライン結合されたクラッチリングが一体的に回転し、その回転が動力伝達経路を介してロータリボリューム等の回転型電気部品に伝達されるため、回転型電気部品から回動操作体の回動角度に応じた検出信号が出力され、その検出信号に基づいて遊技球の発射強度が調整される。この状態でフェースカバーと回動操作体との間にメダルやコイン等の異物を挿入して挟み込むと、異物の挿入力によってクラッチリングが後退位置へ移動することで、クラッチリングから回転型電気部品に至る動力伝達経路が遮断されため、回転型電気部品が戻しばねの弾発力によって初期位置に自動復帰する。したがって、異物を挟み込んで回動操作体を固定することはできるが、回転型電気部品が初期位置に自動復帰してしまうため、異物を挟み込んだまま遊技球を発射することはできない。また、フェースカバーと回動操作体との間に挟み込んだ異物を抜き取ると、クラッチリングが弾性部材の弾発力によって前進位置に移動することで、クラッチリングから回転型電気部品に至る動力伝達経路が再び継続状態となるが、回動操作体は回転方向に角度規制されていないエンドレスタイプであるため、動力伝達経路が継続状態となった位置から再び回動操作体を回動操作すると、回転型電気部品が初期位置から動作されて回動操作体の回動を検出する。
上記の構成において、前記動力伝達経路を実現するための一例として、クラッチリングの回転中心に第1のギア部を設けると共に、回転型電気部品の回転軸に第2のギア部を設け、これら第1および第2のギア部がクラッチリングの前後方向への移動に伴って選択的に係脱する構成を採用することができる。あるいは、前記動力伝達経路を実現するための一例として、フェースカバーの内部に回転型電気部品の回転軸に連結された回転プレートを配設し、クラッチリングの前後方向への移動に伴って該クラッチリングと回転プレートとが選択的に係脱する構成を採用することができる。
また、上記の構成において、回動操作体は回転方向に基準位置を持たないエンドレスタイプであるが、このような回動操作体の外周面に周方向に等間隔を存して複数の指当部が突出形成されていると、動力伝達経路が継続/遮断を繰り返して回転型電気部品の初期位置と回動操作体の相対角度が変化しても、非操作時の回動操作体から各指当部が常に同じ間隔を保って突出することになるため、遊技者は指を任意の指当部に押し当てて回動操作体を容易に回動操作することができる。
本発明による弾球遊技機の発射ハンドルは、遊技者が指で回動操作体を回動操作した場合は、回動操作体と一体的に回転するクラッチリングの回転が動力伝達経路を介して回転型電気部品に伝達されることにより、回動操作体の回動角度に応じた発射強度で遊技球が打ち出されるが、クラッチリングがフェースカバーと回動操作体との間に挿入されたコイン等の異物によって後退位置へ移動したときに、クラッチリングから回転型電気部品に至る動力伝達経路が遮断されるように構成したので、異物を挟み込んだ時点で遊技球の発射が停止されることとなり、異物を挟み込んで回動操作体を固定したまま遊技するという不正行為を阻止できる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施形態例に係る発射ハンドルを備えた弾球遊技機の斜視図、図2は該発射ハンドルの側面図、図3は該発射ハンドルの正面図、図4は該発射ハンドルに備えられる回動操作体とクラッチリングを背面側から見た斜視図、図5は該発射ハンドルの内部構造を示す断面図、図6は該発射ハンドルの斜視断面図、図7は該発射ハンドルに異物を差し込んだ状態を示す斜視断面図である。
図1に示すように、本実施形態例に係る弾球遊技機は、遊技場の島設備に設置される機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠4と、前面枠2の下側に配設された受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられた発射ハンドル7等を具備しており、この発射ハンドル7を用いて受皿5に貯留された遊技球が遊技盤3の遊技領域に向けて発射されるようになっている。
図2〜図6に示すように、前記発射ハンドル7は、前面ボード6に取り付けられて前方へ突出するベース体8と、ベース体8の前端部に固定された円椀状のフェースカバー9と、これらベース体8とフェースカバー9との間に回動可能に支持された回動操作体10と、回動操作体10の内側にスプライン結合されたクラッチリング11と、ベース体8の内部に取り付けられたロータリボリューム12とによって主に構成されており、遊技者の指先で操作される回動操作体10の回動角度に応じて遊技球の発射強度が調整されるようになっている。
ベース体8は、前面ボード6から前方へ突出する円筒状の本体部8aと、本体部8aの前端面を塞ぐ円形の基板部8bとを有し、基板部8bの周縁部は本体部8aの外周面から径方向外側へ突出している。基板部8bの前面周縁部には環状凹溝8cが形成されており、基板部8bの中央には軸受筒部8dが形成されている。また、基板部8bの背面にはロータリボリューム12が実装されており、このロータリボリューム12の回転軸は基板部8bを貫通して前方へ突出している。ロータリボリューム12は回動操作体10の回動量を検出する回転型電気部品であり、その検出信号に基づいて図示せぬ発射装置のモータが打撃槌の回転駆動力を制御することにより、前述したように遊技球の発射強度が調整される。
フェースカバー9は発射ハンドル7の最も手前側に配置された固定側部材であり、このフェースカバー9の内面中央にはガイド筒部9aが突出形成されている。フェースカバー9とベース体8はねじ止め等の固定手段を用いて一体化されており、これらベース体8とフェースカバー9との間に配設された回動操作体10は回転方向に角度規制されていないエンドレスタイプとなっている。この回動操作体10には外周面に指当部10aを有するリング部10bが形成されており、指当部10aはリング部10bの周方向に等間隔を保って複数(例えば8個)形成されている。リング部10bの前端面はフェースカバー9の後端面より若干前方へ突出しており、これらリング部10bの前端内周面とフェースカバー9の後端外周面との間には隙間Sが確保されている。また、リング部10bの内周面には断面V字状のガイド溝10cが周方向に等間隔を保って複数形成されており、これらガイド溝10cは回動操作体10の回動中心軸に沿って前後方向へ延びている。
クラッチリング11は、フェースカバー9の内部に配置された環状小径部11aと、環状小径部11aの後端に連続する環状大径部11bとを有しており、この環状大径部11bの前端面は前述した隙間S内に露出している。環状大径部11bの後端外周面には断面V字状の突起11cが周方向に等間隔を保って複数形成されており、これら突起11cが回動操作体10のガイド溝10cに係合することにより、クラッチリング11は回動操作体10にスプライン結合されて前後進可能となっている。また、環状大径部11bの後端面とベース体8の環状凹溝8cとの間にはコイルばねや板ばね等からなる弾性部材13が介設されており、この弾性部材13の弾発力によってクラッチリング11は前方へ付勢されている。
クラッチリング11の環状小径部11aには前側軸部11dと後側軸部11eが形成されており、これら軸部11d,11eは回動操作体10の回転中心軸に沿って前後方向へ突出している。前側軸部11dはフェースカバー9のガイド筒部9aに回転可能かつ前後進可能に支持され、後側軸部11eはベース体8の軸受筒部8dに回転可能かつ前後進可能に支持されている。後側軸部11eの外周面にはギア11fが刻設されており、ギア11fの近傍には歯車14が配置されている。この歯車14は前述したロータリボリューム12の回転軸に固着されており、両者は一体的に回転するようになっている。また、ロータリボリューム12の回転軸には戻しばねであるトーションばね15が巻装されており、ロータリボリューム12はこのトーションばね15の弾発力を受けて初期位置に付勢されている。なお、このようなトーションばね15を用いる代わりに、戻しばねを内蔵したセルフリターン機能付きのロータリボリュームを用いても良い。
ギア11fと歯車14はクラッチリング11の前後進動作に伴って係脱可能となっており、図5と図6に示すように、クラッチリング11が弾性部材13の弾発力によって前進位置に保持されている場合、ギア11fも前進位置にあって歯車14と噛合している。そして、このようにギア11fと歯車14が噛合状態にある時だけ、回動操作体10の回転がクラッチリング11からギア11fと歯車14の噛合を介してロータリボリューム12に伝達される。一方、図7に示すように、前述した隙間Sにメダルやコイン等の異物16を挿入することによってクラッチリング11が後退位置に移動すると、ギア11fが後方へ移動して歯車14から外れるため、クラッチリング11からロータリボリューム12に至る動力伝達経路が遮断される。
上述のごとく構成された弾球遊技機では、遊技者が発射ハンドル7に手を触れていない非操作状態において、クラッチリング11は弾性部材13の弾発力によって前進位置に保持されており、ギア11fと歯車14が噛合状態にあると共に、ロータリボリューム12はトーションばね15の弾発力によって初期位置に戻されている。そして、この状態で遊技者が掌でフェースカバー9を握りながら指先を指当部10aに押し当てて回動操作体10を回動操作すると、回動操作体10の内側にスプライン結合されたクラッチリング11が軸部11d,11eを中心に一体的に回転し、その回転が動力伝達経路であるギア11fと歯車14の噛合を介してロータリボリューム12に伝達される。その結果、ロータリボリューム12から回動操作体10の回動操作量に応じた検出信号が出力されるため、この検出信号に基づいて前記発射装置のモータを制御することにより、受皿5に貯留された遊技球が回動操作体10の回動量に応じた発射強度で遊技盤3の遊技領域に向けて発射される。また、かかる回動操作体10の回動操作に伴ってトーションばね15が蓄力されていくため、回動操作体10に対する回動操作力が除去されると、回動操作体10とクラッチリング11およびロータリボリューム12はトーションばね15の弾発力によって操作前の位置に自動復帰する。
また、回動操作体10を回動操作した状態で隙間Sにメダルやコイン等の異物16を挿入し、この異物16をフェースカバー9の後端外周面と回動操作体10のリング部10bとの間に挟み込んで回動操作体10を固定すると、図7に示すように、異物16の挿入力によってクラッチリング11が後退位置に移動するため、ギア11fと歯車14の噛合状態が解除されてクラッチリング11からロータリボリューム12に至る動力伝達経路が遮断される。その結果、ロータリボリューム12がトーションばね15の弾発力によって初期位置へ自動復帰するため、ロータリボリューム12の出力がゼロとなって遊技球の発射は停止する。このように異物16を隙間Sに挟み込んだ時点でロータリボリューム12が初期位置に自動復帰してしまうため、遊技者は回動操作体10を手動操作して最適の発射角度に維持しなければならず、異物16を挟み込んで回動操作体10を固定したまま遊技するという不正行為を阻止することができる。
なお、隙間Sに挟み込んだ異物16を抜き取ると、クラッチリング11が弾性部材13の弾発力によって前進位置に移動するため、ギア11fが歯車14に噛合してクラッチリング11からロータリボリューム12に至る動力伝達経路は再び継続状態となる。その際、回動操作体10は回転方向に角度規制されていないエンドレスタイプであるため、動力伝達経路が継続状態となった位置から再び回動操作体10を回動操作すると、ロータリボリューム12を初期位置から回転動作させて回動操作体10の回動量を検出することができる。また、このように回転方向に基準位置を持たないエンドレスタイプの回動操作体10において、同一形状の複数の指当部10aがリング部10bの外周面に周方向に等間隔を存して突出形成されているため、動力伝達経路が継続/遮断(ギア11fと歯車14の係脱)を繰り返してロータリボリューム12の初期位置と回動操作体10の相対角度が変化しても、見かけ上、各指当部10aは非操作時の回動操作体10から常に同じような位置で突出した状態となる。したがって、遊技者は非操作状態にある回動操作体10の指当部10aに対して常に同じような姿勢で指を押し当てることができ、回動操作体10を容易に回動操作することができる。
図8は本発明の第2実施形態例に係る発射ハンドルの内部構造を示す断面図、図9は該発射ハンドルに異物を差し込んだ状態を示す断面図であり、図2〜図7に対応する部分には同一符号を付すことで重複する説明は省略する。
この第2実施形態例が前述した第1実施形態例と相違する点は、フェースカバー9の内部にロータリボリューム12の回転軸に連結された回転プレート17を配設し、クラッチリング11の前後進移動に伴って該クラッチリング11と回転プレート17とが選択的に係脱するようにしたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。
回転プレート17には前側軸部17aと後側軸部17bが形成されており、これら軸部17a,17bは回動操作体10の回転中心軸に沿って前後方向へ突出している。前側軸部17aはフェースカバー9のガイド筒部9aに回転可能に支持され、後側軸部17bはベース体8の軸受筒部8dに回転可能に支持されている。また、後側軸部17bの先端はロータリボリューム12の回転軸に連結されており、回転プレート17の回転がロータリボリューム12の回転軸に直接伝達されるようになっている。そして、前側軸部17aには戻しばねであるトーションばね18が巻装されており、回転プレート17とロータリボリューム12はこのトーションばね18の弾発力を受けて初期位置に付勢されている。
回動操作体10の内側にスプライン結合されたクラッチリング11は第1実施形態例と同様に弾性部材13の弾発力によって前方へ付勢されており、この弾性部材13の弾発力を受けてクラッチリング11は回転プレート17の外周縁に形成された鍔部17cに圧接されている。すなわち、クラッチリング11が図8に示すように前進位置に保持されているとき、クラッチリング11と回転プレート17は弾性部材13の弾発力を受けてフリクション結合されており、この場合は回動操作体10の回転がクラッチリング11から回転プレート17を介してロータリボリューム12に伝達される。したがって、遊技者が掌でフェースカバー9を握りながら指先を指当部10aに押し当てて回動操作体10を回動操作すると、回動操作体10の内側にスプライン結合されたクラッチリング11が一体的に回転し、その回転が動力伝達経路であるクラッチリング11と回転プレート17のフリクション結合部分を介してロータリボリューム12に伝達される。その結果、ロータリボリューム12から回動操作体10の回動操作量に応じた検出信号が出力されるため、この検出信号に基づいて前記発射装置のモータを制御することにより、受皿5に貯留された遊技球が回動操作体10の回動量に応じた発射強度で遊技盤3の遊技領域に向けて発射される。また、かかる回動操作体10の回動操作に伴ってトーションばね18が蓄力されていくため、回動操作体10に対する回動操作力が除去されると、回動操作体10とクラッチリング11と回転プレート17およびロータリボリューム12はトーションばね18の弾発力によって操作前の位置に自動復帰する。
一方、図9に示すように、コイン等の異物16を隙間Sに挿入してクラッチリング11が後退位置に移動すると、クラッチリング11が回転プレート17の鍔部17cから離反するため、クラッチリング11からロータリボリューム12に至る動力伝達経路が遮断される。その結果、ロータリボリューム12と回転プレート17がトーションばね18の弾発力によって初期位置へ自動復帰するため、ロータリボリューム12の出力がゼロとなって遊技球の発射は停止する。このように異物16を隙間Sに挟み込んだ時点でロータリボリューム12が初期位置に自動復帰してしまうため、遊技者は回動操作体10を手動操作して最適の発射角度に維持しなければならず、異物16を挟み込んで回動操作体10を固定したまま遊技するという不正行為を阻止することができる。
なお、上記第2実施形態例では、回転プレート17の前側軸部17aに巻装したトーションばね18を用いてロータリボリューム12と回転プレート17を初期位置に自動復帰するようにしているが、かかるトーションばね18の代わりに戻しばねを内蔵したセルフリターン機能付きのロータリボリュームを用いても良く、両者を併用することも可能である。
また、上記第2実施形態例では、クラッチリング11と回転プレート17のフリクション結合によって両者間に摩擦力を生起させ、この摩擦力だけでクラッチリング11の回転が回転プレート17に伝達されるようにしているが、クラッチリング11と回転プレート17の互いの接触面に凹凸部を形成することにより、摩擦力と凹凸係合力の両方を用いてより確実な動力伝達を行うようにしても良い。
本発明の第1実施形態例に係る発射ハンドルを備えた弾球遊技機の斜視図である。 該発射ハンドルの側面図である。 該発射ハンドルの正面図である。 該発射ハンドルに備えられる回動操作体とクラッチリングを背面側から見た斜視図である。 該発射ハンドルの内部構造を示す断面図である。 該発射ハンドルの斜視断面図である。 該発射ハンドルに異物を差し込んだ状態を示す斜視断面図である。 本発明の第2実施形態例に係る発射ハンドルの内部構造を示す断面図である。 該発射ハンドルに異物を差し込んだ状態を示す断面図である。
符号の説明
6 前面ボード
7 発射ハンドル
8 ベース体
8a 本体部
8b 基板部
8d 軸受筒部
9 フェースカバー
9a ガイド筒部
10 回動操作体
10a 指当部
10b リング部
10c ガイド溝
11 クラッチリング
11a 環状小径部
11b 環状大径部
11c 突起
11d 前側軸部
11e 後側軸部
11f ギア
12 ロータリボリューム(回転型電気部品)
13 弾性部材
14 歯車
15 トーションばね(戻しばね)
16 異物
17 回転プレート
17a 前側軸部
17b 後側軸部
17c 鍔部
18 トーションばね(戻しばね)
S 隙間

Claims (4)

  1. 遊技機に固定されて前方へ突出するベース体と、このベース体の前端部に固定されたフェースカバーと、これらベース体とフェースカバーとの間に回動可能に配設された回動操作体と、この回動操作体の回動を検出する回転型電気部品とを備え、前記回動操作体の回動角度に応じて遊技球の発射強度が調整される弾球遊技機の発射ハンドルにおいて、
    前記回動操作体を回転方向に角度規制されていないエンドレスタイプとなすと共に、この回動操作体の内側にスプライン結合されて前後方向へ移動可能なクラッチリングと、このクラッチリングを前方へ付勢する弾性部材と、前記回転型電気部品を回転方向の初期位置に付勢する戻しばねとを設け、
    前記クラッチリングが前記弾性部材の弾発力によって前進位置に保持されているとき、前記回動操作体の回動が前記クラッチリングを介して前記回転型電気部品に伝達されるようになし、
    前記フェースカバーと前記回動操作体との間に挿入された異物によって、前記クラッチリングが後退位置へ移動したとき、前記クラッチリングから前記回転型電気部品に至る動力伝達経路が遮断されるように構成したことを特徴とする弾球遊技機の発射ハンドル。
  2. 請求項1の記載において、前記クラッチリングの回転中心に第1のギア部を設けると共に、前記回転型電気部品の回転軸に第2のギア部を設け、これら第1および第2のギア部が前記クラッチリングの前後方向への移動に伴って選択的に係脱するようにしたことを特徴とする弾球遊技機の発射ハンドル。
  3. 請求項1の記載において、前記フェースカバーの内部に前記回転型電気部品の回転軸に連結された回転プレートを配設し、前記クラッチリングの前後方向への移動に伴って該クラッチリングと前記回転プレートとが選択的に係脱するようにしたことを特徴とする弾球遊技機の発射ハンドル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記回動操作体の外周面に周方向に等間隔を存して複数の指当部を突出形成したことを特徴とする弾球遊技機の発射ハンドル。
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