JP4799860B2 - 電磁調理器用容器の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁調理器の電磁誘導コイルにより誘起されるうず電流のジュール熱で内容物を加熱することのできる電磁調理器用容器の評価方法に関する。
近年、炎を生じない電磁調理器が、安全性、清潔性、便利性及び経済性の観点から食料品の調理用、或いは調理物の加熱用として一般家庭、レストラン等の飲食店で使用されており、この電磁調理器は、電磁コイルからの磁力線により、鉄やステンレス等から成る電磁調理器用容器を載置した際に、前記容器の底にうず電流を発生させ、そのジュール熱によって前記容器内部の被調理物を加熱するものである。
また、このような原理を応用して、電磁誘導炊飯器(IH炊飯器)も多数市販されている。そして、このような原理を利用して電磁調理器によって加熱を可能とする即席食品用容器として、ラーメン、そば、うどん、焼きそばといったカップ麺の容器を、そのまま電磁調理器で加熱可能な即席食品容器(特許文献1)、或いは電磁調理器による加熱を可能にしたアルミ箔材料製食品容器(特許文献2)といった電磁調理器用容器が提案されている。
また、使用後の分別処理、焼却、発熱体の磁性体のリサイクルを考慮した電磁調理器、電子レンジ共用容器(特許文献3)、アルミ箔を発熱させる電磁調理器用加熱容器(特許文献4)も提案されている。
特開2000−272676号公報 特開2002− 51906号公報 特開2002−177149号公報 特開2003−325327号公報
しかしながら、前記特許文献等に記載の従来の電磁調理器によって加熱を行う即席食品用容器においては以下のような問題があった。
特許文献1に記載の即席食品容器においては、鋼板からなる内層容器と、断熱素材からなる外層容器からなり、内層容器の底面が外層容器の底面から5mm以内の位置にあること、鋼板の厚さを0.05乃至0.5mmとすること、耐食性の付与の観点から鋼鈑の片面、または両面にめっき、化成処理、樹脂フィルムの積層、塗装のいずれか1以上の処理を施すことが提案されているが、このような構成では、即席食品用途としては材料コストや加工コストがかさみ経済性に欠け、また、電磁調理器が加熱可能か判断する鍋確認周波数において、前記発熱体の厚みや形態、加熱コイルからの距離等を調整するのが困難であり、発熱特性を適正かつ容易に設定するのが難しい。
ここで、鍋確認周波数とは電磁調理器が加熱可能かどうか判断するときの周波数で、実際に加熱する時の周波数とは異なる。電磁調理器が加熱可能かどうか判断する方法はメーカーによって異なるため、鍋確認周波数もまた、メーカーによって異なる。
また、特許文献2に記載の容器は、底面を平面状に形成し、その厚さを12乃至96μmに形成したアルミ箔材料からなる電磁調理器による加熱を可能にしたアルミ箔材料製食品容器が提案されているが、電磁調理器の発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)などに応じて、前記発熱体の厚みや形態等を調整するのが困難であり、発熱特性を適正かつ容易に設定するのが難しい。
また、特許文献3に記載の容器は、非磁性素材の容器の凹部底面に磁性体から成る板材(発熱体)を載置し、その発熱体としてフェライト系ステンレス鋼または類似品が提案されているが、この種の容器では、即席食品用途としては材料コストや加工コストがかさみ経済性に欠け、また、電磁調理器の発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)などに応じて、前記発熱体の厚みや形態、加熱コイルからの距離等を調整するのが困難であり、発熱特性を適正かつ容易に設定するのが難しい。
さらに、特許文献4に記載の容器は、非磁性の容器本体の底部に、発熱体として0.10〜100μmのアルミ箔を用い、前記容器本体の底部を、電磁調理器の載置面から12.0mm以下になる厚さとすることが提案されているが、このような条件を設定しても、電磁調理器メーカーが発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)を変えた場合、前記条件を設定するだけでは電磁調理器で加熱を行うことは不可能である。
本発明は前記の問題を解決するためになされたもので、電磁調理器によって加熱を行う即席食品用容器として、材料コストや加工コストが安価であり、また、メーカー毎に異なる電磁調理器の発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)等に対応して加熱することができ、容器の使用目的に応じて、容器の形状や発熱特性を適正かつ容易に設定できるレトルト食品、即席食品等に適した加熱効率の高い電磁調理器用容器の評価方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、
非導電性材料からなる容器の少なくとも底部に導電性材料からなる導電層を有する容器の評価方法であって、
電磁調理器の加熱コイルから発振される鍋確認周波数により誘起される前記導電層の高周波抵抗分変化率(R−R0)/R0及びインダクタンス変化率(L−L0)/L0を測定することを特徴とする
但し、Rは加熱コイル側からみた前記高周波抵抗分( Ω )、
R0は無負荷時の加熱コイル側からみた高周波抵抗分( Ω )、
Lは加熱コイル側からみた前記インダクタンス( μH)、
L0は無負荷時の加熱コイル側からみたインダクタンス( μH )を表す。
請求項2に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1において、前記導電層の導電性材料が金属箔であることを特徴とする。
請求項3に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1において、前記導電層の導電性材料が金属粉末を含有するコーティング材であることを特徴とする。
請求項4に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1乃至3の何れかにおいて、前記導電層を底部の内面に形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項4において、前記導電層を導電性材料及び非導電性材料のラミネート材とし、前記導電性材料を底部側としたことを特徴とする。
請求項6に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項5において、前記ラミネート材の非導電性材料を容器の側壁に沿って上部に湾曲させ、容器の側壁の内面下部に接着したことを特徴とする。
請求項7に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項5又は6において、前記ラミネート材の非導電性材料に内容液対流用孔を形成したことを特徴とする。
請求項8に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1乃至7の何れかにおいて、前記導電層がドーナツ状であることを特徴とする。
請求項9に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1乃至8の何れかにおいて、前記導電層の導電性材料を凹凸状とし、表面積を大きくしたことを特徴とする。
請求項10に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項7乃至9の何れかにおいて、前記導電層を上下動可能としたことを特徴とする。
請求項11に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項1乃至10の何れかにおいて、前記導電性材料を積層としたことを特徴とする。
請求項12に記載の電磁調理器用容器の評価方法は、請求項11において、前記導電性材料の端部が重ならないように積層したことを特徴とする。
本発明の電磁調理器用容器の評価方法によれば、メーカー毎に異なる電磁調理器の発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)に対応して加熱することができると共に、発熱特性を適正かつ容易に設定することができ、レトルト食品、即席食品等に適した加熱効率の高い電磁調理器用容器を安価に得ることができる。
また、その流通性、使用形態、廃棄性、調理の手軽さ等に優れた電磁調理器用容器の評価をすることができる。
本発明の電磁調理器用容器の評価方法は、非導電性材料からなる容器の少なくとも底部に導電性材料からなる導電層を有し、前記導電層の加熱コイルの鍋確認周波数に対する高周波抵抗分変化率(R−R0)/R0及びインダクタンス変化率(L−L0)/L0を測定することを特徴とするものである。
但し、Rは加熱コイル側からみた前記高周波抵抗分( Ω )、R0は無負荷時の加熱コイル側からみた高周波抵抗分( Ω )、Lは加熱コイル側からみた前記インダクタンス( μH)、L0は無負荷時の加熱コイル側からみたインダクタンス( μH )を表すものである。
本発明において、導電層の特性を高周波抵抗分変化率やインダクタンス変化率で特定した理由は、電磁調理器が1種類であれば、RとLの変化量で求められるが、メーカー毎、機種毎によって加熱コイルが異なり、R0、L0が異なるため、R及びLの変化率として算出したのである。
電磁調理器においては、交番電流による磁束の打ち消しと、導電体に流れるうず電流による発熱原理を利用しており、その発振周波数は一般的には10乃至90kHzである。一方、その調理容器の材料としては、適度な薄さで交番磁束を打ち消すことができる強磁性体が用いられ、適度な電気抵抗と容器強度を有する鉄材から成る鉄鍋類が用いられている。
そして、本願の発明者は、各メーカーの電磁調理器を用いて実験を重ねた結果、各メーカーの電磁調理器の発振条件(メーカー特有の鍋確認周波数)に対する高周波抵抗分変化率(R−R0)/R0を5.3以上、インダクタンス変化率(L−L0)/L0を−0.20以下とした導電層、即ち、容器の底部の導電層を構成する導電性材料が前記変化率を満たす容器とすれば、各メーカーの電磁調理器に対応して加熱が可能であることを見出した。また、各メーカーの加熱可能な鍋の最小径は120mmであるが、前記変化率を満たすよう導電層を調整すれば容器の最小径を更に小さくすることも可能である。
まず、本発明における高周波抵抗分変化率とインダクタンス変化率を説明する。図1はインピーダンスアナライザを用いた高周波抵抗分、インダクタンスの測定方法を示す説明図である。
図1に示すように、インピーダンスアナライザを用いて、導電層として容器の底部に装着される各種の導電性材料を各メーカーの電磁調理器の天板に置き、鍋確認周波数における加熱コイル側からみた高周波抵抗分R、インダクタンスLを測定した。次に、高周波抵抗分変化率を(R−R0)/R0として定義し、インダクタンス変化率を(L−L0)/L0として定義した。ここで、R0は、天板に何も置かないときの加熱コイル側からみた高周波抵抗分(Ω)、L0は、天板に何も置かないときの加熱コイル側からみたインダクタンス(μH)を表す。
図2は、上記のようにして各種の導電性材料を各メーカーの電磁調理器の天板に置き、鍋確認周波数において、各導電性材料の加熱の可否を確認した結果を、そのときの高周波抵抗分変化率とインダクタンス変化率の結果と併せて示したものである。
図2では白抜きの符号で示すものが加熱可能な導電材料である。図2に示す通り、各メーカーの電磁調理器に係わらず加熱可能な範囲があることが判り、前述した高周波抵抗分変化率(R−R0)/R0が5.3以上、インダクタンス変化率(L−L0)/L0が−0.20以下であれば、各メーカーの電磁調理器で加熱可能であるということが分かった。
一般に導電層の箔の厚みが厚くなるとLが小さくなり、Rも小さくなる傾向にあり、(L−L0)/L0は負方向に大きくなり、(R−R0)/R0は小さくなる。
尚、導電層の導電性材料の厚み、大きさ、形態、材料等の形成は、前記変化率の範囲内(高周波抵抗分変化率が5.3以上、インダクタンス変化率が−0.20以下)で決定すればよい。
次に、前記変化率内の導電層の材料と必要な厚みの関係を図3に示す。図3は、例示的に松下電器産業(株)電磁調理器(KZ-PH1)で加熱可能な導電性材料の最小径φ85mmとした時の導電性材料のバルク比抵抗と、加熱に必要な銀箔、アルミ箔、及び錫箔のそれぞれから成る金属箔の箔厚との関係を実験で求めた結果である。
この結果、導電性材料は、バルク比抵抗が小さければ薄くてよく、大きければ厚くする必要があることが判る。なお、バルク比抵抗とは材料固有の抵抗率であり、体積抵抗率のことをいう。
本発明の電磁調理器用容器の容器を構成する非導電性材料としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、或いはポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリヤー性樹脂を中間層とした多層材料を用いることができる。
また、紙材、或いは前記樹脂との多層材料も用いることができる。
さらに、容器の形態としては、カップ、トレイ、或いはスタンディングパウチ等を挙げることができるが、その形態はこれらの形態に限定されるものではない。
前記導電層としては、金属箔により形成することがインダクタンスの変化率を満足させる点で好ましく、可能な限り薄い金属箔を積層することが高周波抵抗分の変化率を満足させる点で好ましい。このような金属箔としては特に限定されず、磁性材料、非磁性材料のいずれも使用可能で、銀箔、金箔、銅箔、白金箔、アルミ箔、亜鉛箔、錫箔、ニッケル箔、鉄箔、ステンレス箔等が挙げられ、アルミ箔がコストの点でより好ましく、この際、前記導電性材料の金属箔を、紙、樹脂シート等の非導電性材料にラミネートしたラミネート材を、少なくとも容器の底部内面に装着する。容器の底部及び側壁に装着しても良い。
尚、前記導電性材料において、金属箔として金箔、銀箔、白金箔を用いた場合は、食品に溶出しにくい点から必ずしもラミネート材とする必要はない。
また、導電層は、導電性塗料等の導電性材料の金属粉末を含有するコーティング材を容器の底部、好ましくは容器の底部内面にコーティングして形成するのが、高周波抵抗分を増す点で好ましく、この際、金属箔を実装して、なおかつ前記導電性材料から成るコーティング材を、紙、樹脂シート等の非導電性材料にコーティングして容器の底部に実装する。
本発明の電磁調理器用容器においては、導電層を容器の底部の外面に形成しても良いが、発熱時の容器の破損等を防止する点から、容器の底部の内面に形成するのが好ましく、また、前記導電層は、導電性材料と非導電性材料のラミネート材とし、前記導電性材料を容器底部側とするのが、導電材料に流れるうず電流による発熱効果を向上させる点で好ましい。
そして、本発明の電磁調理器用容器においては、前記ラミネート材から成る導電層の非導電性材料の端部を、容器の側壁に沿って上部に湾曲させ、容器の側壁の内面下部に接着剤、ヒートシール等によって接着することにより、容易に容器の底部に前記導電層を装着することができる。
また、前記非導電性材料に内容液対流用孔を形成するより、電磁調理器による加熱時に、容器内の液体の対流を効果的に生じさせることができ、前記導電層をドーナツ状にすることにより、電磁調理器による加熱効率を高めることが可能で、導電層が異常加熱した場合は、導電層を破断し加熱を停止させることができる。
さらに、前記導電層の導電性材料を凹凸状として表面積を大きくすることにより、加熱効率をより一層向上させることができる。
さらに、本発明の電磁調理器用容器においては、前記導電層を上下動可能とすることにより、前記導電層の導電性材料を、電磁調理器の加熱コイルから一定範囲に上下動させて、導電層過熱による容器の損傷を防ぎ、内容物の温度を一定範囲に保つことができる。
また、前記導電性材料が、高周波電流の浸透深さよりも十分に薄ければ、多層構造とし、その積層枚数により高周波抵抗分及びインダクタンスを適正範囲に調整することが可能となり、加熱効率が向上すると共に、容器の寸法を小径としてコンパクトな容器を提供することが可能となる。この場合、前記導電性材料の端部は重ならないように積層することが過熱による容器の破壊を防止する点で好ましい。
尚、本発明における電磁調理器用容器は電磁炊飯器(IH炊飯器)にも適用可能であり、また、前記導電層の周端部が露出しないように被覆すれば、電子レンジで加熱してもスパークが防止され、電子レンジ用加熱容器としても使用することができる。
以下図面を参照して、本発明の電磁調理器用容器を詳細に説明する。
図4及び図5は、本発明の電磁調理器用容器の実施の形態1を示し、図4は容器の平面図であり、図5は図4のA−A断面図である。容器1の素材はポリプロピレン(非導電性材料)から成り、側壁部2及び底部3を有し、底部3の内面に、複数枚のアルミ箔の導電性材料5とポリプロピレンから成る非導電性材料6とのラミネート材から成る導電層4を形成したもので、前記導電性材料5が容器1の底部3側に位置するように、前記導電層4の非導電性材料6の端部を容器1の側壁2に沿って上部に湾曲させ、前記側壁2の内面下部にヒートシールして前記導電層4を装着している。
そして、電磁調理器による加熱時に、容器1内の液体の対流を効果的に生じさせるため、導電層4を構成する前記ラミネート材の非導電性材料6には、内容液対流用孔7が形成されている。
また、前記導電層4は、導電性材料5と非導電性材料6の中心部に孔8を形成してその中心部を除去したドーナツ状であり、このような構成とすることにより、電磁調理器による加熱効率を高めることが可能となり、導電層4が異常加熱した場合でも、導電層4の破断による過剰加熱を防止することができる。
図6乃至図9は、本発明の電磁調理器用容器の実施の形態2を示し、図6は容器の平面図であり、図7は図6のB−B断面図である。図8及び図9に実施の形態2の容器の内側に装填される内カップ(導電材料5)を示し、図8は内カップの平面図であり、図9は内カップの正面図である。
図6及び図7に示すように、容器1には、上端部を側壁2上部にヒートシールし、側壁には等間隔に内方に突出する内カップ固定部材9が形成され、この固定部材9で内カップ(導電材料5)を容易に容器1内に装着して固定することができる。すなわち、前記導電層4を容器1の底部3に接近させると共に、固定部9を導電層4の側壁5aに形成されたひだ状の凹部5b(図9参照)に挿入することで、容器1内に内カップが収納される。
なお、実施の形態2の容器に用いられる内カップは、図8及び図9に示すように、導電層4が、複数枚のアルミ箔から成る導電材料5の下面の導電性材料が容器1の側壁2に沿って延長するように上部に湾曲し、その側壁5aに等間隔に縦長状の凹部5bを形成して凹凸状(ひだを形成させた)とし、その表面積を大きくし、より一層、加熱効率を向上させている。
図10乃至図12は、本発明の電磁調理器用容器の実施の形態3を示し、図10は容器の平面図であり、図11は図10のC−C断面図である。実施の形態3の容器は、導電層4を、アルミ箔でドーナツ状の導電性材料5と、内容液対流用孔7を簾状に形成したポリプロピレンの非導電性材料6とのラミネートシート材とし、この導電層4の周縁下部にポリプロピレンから成る環状の脚部10を適宜接着し、前記導電性材料5が容器底部3側となるように容器1の底部3の内面に載置したものである。
このような構成とすることにより、容器内の内容物を容易に蒸すことが可能となる。
また、図12は、前記脚部10を除去して導電層4を軽量化したもので、前記導電層が内容液で浮いている状態を示し、このように前記導電層4を上下動可能とすることにより、前記導電層4の導電性材料5を、電磁調理器の加熱コイルから一定範囲に上下動させて、導電層過熱による容器の損傷を防ぎ、内容物の温度を一定範囲に保つこともできる。
尚、前記した本発明の電磁調理器用容器においては、導電層4における導電性材料5は積層し、高周波抵抗分及びインダクタンスを適正範囲に調整することが可能となり、加熱効率が向上すると共に、容器1の寸法を小径として、各メーカーの加熱可能な鍋の最小径よりさらにコンパクトな容器1を提供することが可能となる。
そして、この場合、前記導電性材料5の端部は重ならないように積層することが過熱による容器の破壊を防止する点で好ましい。
また、前記導電性材料が、浸透深さよりも十分に薄ければ、多層構造とし、その積層枚数により高周波抵抗分及びインダクタンスを適正範囲に調整することもできる。
1.電磁調理器の鍋確認周波数、電磁調理器用容器の鍋確認周波数での高周波抵抗分(Ω)、インダクタンス(μH)の測定、及び高周波抵抗分変化率、インダクタンス変化率
図1に示すように、横河・ヒューレット・パッカード(株)製LF・インピーダンスアナライザー(4192A)を用い、作成した電磁調理器用容器の導電層の鍋確認周波数における高周波抵抗分R(Ω)、インダクタンスL(μH)を測定した。
R0は、天板に何も置かないときの加熱コイル側からみた高周波抵抗分(Ω)、L0は、天板に何も置かないときの加熱コイル側からみたインダクタンス(μH)を表す。高周波抵抗分変化率は(R−R0)/R0として算出し、インダクタンス変化率は(L−L0)/L0として算出した。
2.評価
作成した電磁調理器用容器に400ccの水を充填し、各メーカーの電磁調理器、IH炊飯器によって加熱を行い、各メーカー全てにおいて加熱可能かどうかを確認した。加熱可能な電磁調理器については、30℃から80℃までの昇温時間の測定を行った。
(実施例1)
厚み2.5mmのポリプロピレン製シートを用い、内径175mm、高さ120mm、内容積1200ccの容器本体を作成した。
一方、導電性材料を、厚み7μm、外径φ150mmのアルミ箔2枚の積層とし、この導電性材料の両面にポリプロピレンをラミネート加工して導電層を作成した。
そして、前記容器本体内に、導電性材料のアルミ箔が容器本体の底部側に位置するように、ポリプロピレン端部を、容器本体の側壁の内面下部にヒートシールして電磁調理器用容器とした。
電磁調理器は、松下電器産業(株)製KZ−PH1、日立ホーム&ライフソリューション(株)製MH−B1、三洋電機(株)製IC−SF10、及び東芝コンシューママーケッティング(株)製MR−A25LHの4種を用いて加熱を行い、評価した。
(実施例2)
実施例1において、導電層の中心部に60mmの孔を開け、前記導電層をドーナツ状とした以外は、実施例1と同様に加熱を行い、評価した。
(参考例)
厚み0.5mmのポリプロピレン製シートを用い、内径110mm、高さ50mm、内容積600ccの容器本体を作成した。
一方、導電性材料を、厚み7μm、外径110mm、105mm、100mmのアルミ箔3枚の積層とし、この導電性材料の両面にポリプロピレンをラミネート加工し、中心部に60mmの孔を開けて導電層を作成した。
そして、前記容器本体内に、導電層の導電性材料が容器本体の底部側に位置するように、ポリプロピレン端部を、容器本体の側壁の内面下部にヒートシールして電磁調理器用容器とし、加熱を行い、評価した。
(実施例4)
実施例1の電磁調理器用容器について、IH炊飯器を用いて炊飯可能か否かを確認した。
IH炊飯器は、松下電器産業(株)製SR−XG10、三洋電機(株)製ECJ−FZ10、東芝コンシューママーケッティング(株)製RC−10KW、日立ホーム&ライフソリューション(株)製RZ−CG10J、タイガー魔法瓶(株)製JKA−G100TG、三菱電機(株)製NJ−GZ10−S、及び象印マホウビン(株)製NHC−C10の7種の炊飯器を用い、各炊飯器の炊飯機能で炊飯を行い、炊飯可能か確認した結果、いずれも炊飯可能であった。
尚、前記炊飯器の鍋確認周波数(kHz)は、松下電器産業(株)製SR−XG10、東芝コンシューママーケッティング(株)製RC−10KW、日立ホーム&ライフソリューション(株)製RZ−CG10Jが約35kHz、三洋電機(株)製ECJ−FZ10が約30kHz、三菱電機(株)製NJ−GZ10−S、象印マホウビン(株)製NHC−C10が約40kHz、タイガー魔法瓶(株)製JKA−G100TGは発振していなかった。
(比較例1)
実施例1において、導電性材料を外径φ145mmのアルミ箔1枚とした以外は、実施例1と同様に加熱を行い、評価した。
(比較例2)
実施例1において、導電性材料を外径φ150mmのアルミ箔1枚とした以外は、実施例1と同様に加熱を行い、評価した。
前記実施例の評価結果から、本発明の電磁調理器用容器は、高周波抵抗分変化率及びインダクタンス変化率の範囲内であれば、各メーカーの電磁磁調理器に対応して加熱することができる。また、各メーカーの電磁調理器の加熱可能な鍋の最小径は120mmであるが、実施例3のように前記変化率を満たす導電層に調整すれば、容器の最小径を更に小さくすることも可能となる。
実施例にて用いた各メーカーの電磁調理器の鍋確認周波数、及び前記電磁調理器に対する各実施例、比較例の電磁調理器用容器の鍋確認周波数での高周波抵抗分(Ω)、インダクタンス(μH)、高周波抵抗分変化率及びインダクタンス変化率を表1に示す。
また、各実施例及び比較例の電磁調理器用容器の導電層における導電性材料の形態、評価結果を表2に示す。
Figure 0004799860
Figure 0004799860
インピーダンスアナライザを用いた高周波抵抗分、インダクタンスの測定方法を示す説明図である。 導電性材料の鍋確認周波数に対する高周波抵抗分変化率、インダクタンス変化率の測定結果を示すグラフである。 金属箔材料のバルク比抵抗と加熱に必要な箔厚の関係を示すグラフである。 実施の形態1の電磁調理器用容器の平面図である。 図4のA−A断面図である。 実施の形態2の電磁調理器用容器の平面図である。 図6のB−B断面図である。 実施の形態2の電磁調理器用容器の内カップの平面図である。 実施の形態2の電磁調理器用容器の内カップの正面図である。 実施の形態3の電磁調理器用容器の平面図である。 図10のC−C断面図である。 実施の形態3の電磁調理器用容器の他の態様を示す断面図である。
符号の説明
1 電磁調理器用容器
2 側壁
3 底部
4 導電層
5 導電性材料
6 非導電性材料
7 内容液対流用孔

Claims (12)

  1. 非導電性材料からなる容器の少なくとも底部に導電性材料からなる導電層を有する容器の評価方法であって、
    電磁調理器の加熱コイルから発振される鍋確認周波数により誘起される前記導電層の高周波抵抗分変化率(R−R0)/R0及びインダクタンス変化率(L−L0)/L0を測定することを特徴とする電磁調理器用容器の評価方法
    但し、Rは加熱コイル側からみた前記高周波抵抗分( Ω )、
    R0は無負荷時の加熱コイル側からみた高周波抵抗分( Ω )、
    Lは加熱コイル側からみた前記インダクタンス( μH)、
    L0は無負荷時の加熱コイル側からみたインダクタンス( μH )を表す。
  2. 前記導電層の導電性材料が金属箔である請求項1に記載の電磁調理器用容器の評価方法
  3. 前記導電層の導電性材料が金属粉末を含有するコーティング材である請求項1に記載の電磁調理器用容器の評価方法
  4. 前記導電層を底部の内面に形成した請求項1乃至3の何れかに記載の電磁調理器用容器の評価方法
  5. 前記導電層を導電性材料及び非導電性材料のラミネート材とし、前記導電性材料を底部側とした請求項4に記載の電磁調理器用容器の評価方法
  6. 前記ラミネート材の非導電性材料を容器の側壁に沿って上部に湾曲させ、容器の側壁の内面下部に接着した請求項5に記載の電磁調理器用容器の評価方法
  7. 前記ラミネート材の非導電性材料に内容液対流用孔を形成した請求項5又は6に記載の電磁調理器用容器の評価方法
  8. 前記導電層がドーナツ状である請求項1乃至7の何れかに記載の電磁調理器用容器の評価方法
  9. 前記導電層の導電性材料を凹凸状とし、表面積を大きくした請求項1乃至8の何れかに記載の電磁調理器用容器の評価方法
  10. 前記導電層を上下動可能とした請求項7乃至9の何れかに記載の電磁調理器用容器の評価方法
  11. 前記導電性材料を積層とした請求項1乃至10の何れかに記載の電磁調理器用容器の評価方法
  12. 前記導電性材料の端部が重ならないように積層した請求項11に記載の電磁調理器用容器の評価方法
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