JP4798269B2 - 光ピックアップ装置用の光学素子、及び光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
これら青紫色レーザ光源を使用すると、DVD(デジタルバーサタイルディスク)と同じ開口数(NA)の対物レンズを使用する場合で、直径12cmの光ディスクに対して、15〜20GBの情報の記録が可能となり、対物レンズのNAを0.85にまで高めた場合には、直径12cmの光ディスクに対して、23〜25GBの情報の記録が可能となる。以下、本明細書では、青紫色レーザ光源を使用する光ディスク及び光磁気ディスクを総称して「高密度光ディスク」という。
ところで、このような高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤの製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。
かかる、記録密度が互いに異なる複数種類の光ディスクに対して共通に使用可能な光学系用の対物光学系として、特許文献1及び2に記載されているような、レンズ表面に、光軸を中心とする輪帯構造を設け、それぞれの輪帯内に複数の凹凸構造を形成する技術が知られている。
更に、各輪帯内に形成する凹凸構造の数を、波長λ2の光束が輪帯構造を透過する際に、隣接する輪帯構造同士で波長の整数倍の位相差が与えられるので、輪帯構造により波長λ2の光束のみが回折される。このときの各輪帯内に形成する凹凸構造は、更に、波長λ1と波長λ2とに対する透過率(回折効率)が共に大きく確保されるように設定される。
特許文献1に記載の対物光学系では、波長λ2の光束が輪帯構造により回折される際に、DVDとCDとの保護層厚さの違いに起因して発生する球面収差を相殺するように、波長λ2の光束を発散光束として射出し、特許文献2の対物光学系では、波長λ2の光束が輪帯構造により回折される際に、DVDとCDとの保護層厚さの違いに起因して発生する球面収差を相殺するような球面収差を波長λ2の光束に付加するので、共通の対物光学系でDVDとCDとに対して情報の記録/再生が可能となる。
更に、高密度光ディスクとDVDとに対して共通の対物光学系を用いて情報の記録/再生を適切に行うためには、上述したような、高密度光ディスクとDVD間での保護層厚さの違いに起因して発生する球面収差の他に、高密度光ディスク固有の課題を解決する必要がある。
このうち、(1)は、青紫色波長領域では光学材料の波長分散(微小な波長変化に対する屈折率の変化)が大きいために顕在化する課題である。光ディスクに対して情報の再生から記録、或いは情報の記録から再生に切り替わる際には、半導体レーザ光源の出力が変化するため発振波長が変化する(いわゆる、モードホッピング)。この波長変化は数nm程度であるが、青紫色波長領域では波長分散が大きいため、対物光学系がフォーカシングし直すまでの間はデフォーカス状態となり適切な記録/再生特性が得られない。
また、(2)は、対物光学系で発生する球面収差が、開口数の4乗に比例して増大するために顕在化する課題である。高開口数の対物光学系では、入射光束の波長が変化した際の球面収差が大きくなるため、レーザ光源の波長に対する公差が厳しくなる。特に、青紫色波長領域では波長分散の影響があるため、この課題がより顕在化する。また、製造コストを低減するためには、対物光学系をプラスチックレンズとするのが有効であるが、温度変化に伴う屈折率変化に起因して発生する球面収差が大きくなるため、光ピックアップ装置内の温度が変化した場合に、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生特性に支障をきたす。
本明細書においては、DVDとは、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等のDVD系列の光ディスクの総称であり、CDとは、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等のCD系列の光ディスクの総称である。
まま透過させたり、複数の波長の光束の回折次数を互いに異ならせたり、或いは特定の波長の光束に対し、回折効率を極端に小さくしたりする作用を、波長の異なる複数の入射光束に対して与えることが可能となる。なお、このような、回折作用や回折効率を極端に小さくする作用は、各波長の光束から生じる様々な次数の回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光に対して与えられる。尚、本明細書においては、この「重畳型回折構造」により回折せずに(すなわち、実質的な光路差を与えられずに)そのまま透過する光束を便宜的に「0次回折光」と呼ぶ。
本明細書においては、「回折構造」とは、図27に模式的に示すように、光軸を中心として連続的に配された鋸歯形状(図27(a))或いは階段形状(図27(b))の複数の輪帯R1iから構成され、各輪帯R1iが光軸方向の段差d1iにより分割された構造を指す。この「回折構造」は、入射光束の波長に応じて、絶対値が1以上の回折次数の回折光を発生させる。本明細書においては、各輪帯が更に、階段状に分割されている上記「重畳型回折構造」と、この「回折構造」とは区別するものとする。また、図27では、段差d1iの方向が有効径内で同一の場合を示したが、段差d1iの方向が有効径内で反転する場合も本明細書における「回折構造」に含まれる。
また、本明細書においては、「光路差付与構造」を、光軸を含む中心領域Cと該中心領域Cの外側に微細な段差d2iにより分割された複数の輪帯R2iとから構成される構造であって、中心領域Cの外側に隣接する輪帯R2iAは、中心領域Cに対して光路長が短くなるように光軸方向に変移して形成され、最大有効径位置における輪帯R2iBは、その内側に隣接する輪帯R2iCに対して光路長が長くなるように光軸方向に変移して形成され、最大有効径の60%乃至85%の範囲内の高さにその中央部が位置する1つの輪帯R2iDは、その内側に隣接する輪帯R2iEとその外側に隣接する輪帯R2iFとに対して光路長が短くなるように光軸方向に変移して形成されている構造と表現することもできる。ここでいう、「中心領域C」とは、光軸を含み、光軸から最も近い位置にある段差d2iAで囲まれた光学機能領域である。
基準温度では、段差d2iによる光路差は、設計波長λ0の整数倍となるので、実質的に光路差が与えられない。これに対し、温度上昇した場合には、プラスチックレンズの屈折率が低下するため、段差d2iによる光路差は、設計波長λ0の整数倍から微小にずれることになり、図29のbに示すように、温度上昇した場合の集光素子の波面収差(図29のa)とは逆符号の波面収差が発生し、互いの波面収差は相殺される方向に作用する(図29のc)。
尚、図26乃至図28は各構造を平行平面板上に形成した場合の概略図であり、本明細書においては、上述の定義を逸脱しない限り、各構造は図26乃至図28の形態にのみ限定されるものではない。
更に、本明細書においては、かかる集光素子と一体となってアクチュエータによりトラッキング及びフォーカシングを行う光学素子がある場合には、これら光学素子と集光素子とから構成される光学系を対物光学系と定義する。従って、集光素子と一体となってアクチュエータによりトラッキング及びフォーカシングを行う光学素子には、上述の収差補正素子が含まれる。
本明細書においては、光ディスクの情報記録面上に「良好な波面を形成する」とは、入射光束を、波面収差が0.07λRMS以下の状態となるように光ディスクの情報記録面上に集光することと同義である。
前記光学素子の光学機能面のうち、少なくとも1つの光学機能面は、光軸を中心とした同心円状の複数の光学機能領域に分割され、
前記複数の光学機能領域のうち、少なくとも光軸を含む光学機能領域には、その内部に複数の段差が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配された構造である重畳型回折構造が形成されており、
前記第1波長λ1の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数と、前記第2波長λ2の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数と、前記第3波長λ3の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数とは、それぞれ異なるとともに、当該回折次数のうち、少なくとも一つが正の回折次数であり、少なくとも一つが負の回折次数であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記複数の光学機能領域の全てに、前記重畳型回折構造が形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記複数の光学機能領域は、3つの光学機能領域であり、前記3つの光学機能領域のうち、光軸を含む光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束乃至前記第3波長λ3の光束は、それぞれ、前記第1光情報記録媒体乃至前記第3光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記3つの光学機能領域のうち、前記光軸を含む光学機能領域の外側に隣接する光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束及び前記第2波長λ2の光束は、それぞれ、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記3つの光学機能領域のうち、最も外側の光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記重畳型回折構造は、前記第2波長λ2の光束に対して補正不足の球面収差を付加することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至4及び7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記重畳型回折構造は、前記第2波長λ2の光束に対して補正過剰の球面収差を付加することを特徴とする。
P>3μm (31)
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記重畳型回折構造において、各輪帯内に形成された前記段差のうち、隣接する段差間の光軸に垂直な方向の間隔の最小値Pが以下の(32)式を満たすことを特徴とする。
P>5μm (32)
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の光ピックアップ装置用の光学素子において、前記重畳型回折構造において、各輪帯内に形成された前記段差のうち、隣接する段差間の光軸に垂直な方向の間隔の最小値Pが以下の(33)式を満たすことを特徴とする。
P>10μm (33)
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子を有することを特徴とする。
例えば、高密度光ディスクとDVDの共通の対物光学系において、DVDの開口数NA2内に、高密度光ディスクとDVDとの保護層厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正するための第1の重畳型回折構造を形成し、更に、開口数NA2から高密度光ディスクの開口数NA1までの領域に、第1波長λ1の光束を回折させずにそのまま透過させ、第2波長λ2の光束に対し、回折効率を極端に小さくしてフレアー化させる第2の重畳型回折構造を形成することで、何れの光ディスクん対しても適切に情報の記録/再生を行え、且つ、DVDに対する開口切り替え機能を有する対物光学系を提供することができる。
或いは、請求項3の発明にあるように、重畳型回折構造に持たせる機能に応じて、必要な光学機能領域にのみ重畳型回折構造を形成し、重畳型回折構造が形成されない光学機能領域があってもよい。
かかる場合には、請求項4の発明にあるように、光学素子の光学機能面を、波長λ3に対する有効径内に対応する光軸を含む光学機能領域と、その周囲を囲む波長λ3に対する有効径から波長λ2に対する有効径に対応する光学機能領域と、更に、その周囲を囲む波長λ2に対する有効径から波長λ1に対する有効径に対応する光学機能領域の3つの光学機能領域に分割するのが好ましい。
かかる場合には、請求項5の発明にあるように、重畳型回折構造の第2波長λ2の光束に対する近軸パワーを負とすると、上述の補正過剰方向への球面収差変化を相殺させることができる。
このような構成とすると、第2波長λ2の斜め光束が入射した場合に発生するコマ収差が小さくなるので、DVD用の光源と光学素子との光軸ずれに対する公差が大きくなる結果、光ピックアップ装置の製造コストが低減される。
尚、重畳型回折構造の第2波長λ2の光束に対する近軸パワーを負として、且つ重畳型回折構造により第2波長λ2の光束に対して補正不足方向の球面収差を付加させるようにしてもよい。
かかる場合には、請求項7の発明にあるように、重畳型回折構造の第2波長λ2の光束に対する近軸パワーを正とすると、上述の補正不足方向への球面収差変化を相殺させることができる。
このような構成とすると、第2波長λ2の斜め光束が入射した場合に発生するコマ収差が小さくなるので、DVD用の光源と光学素子との光軸ずれに対する公差が大きくなる結果、光ピックアップ装置の製造コストが低減される。
尚、重畳型回折構造の第2波長λ2の光束に対する近軸パワーを正として、且つ重畳型回折構造により第2波長λ2の光束に対して補正過剰方向の球面収差を付加させるようにしてもよい。
そこで、請求項9に記載の発明では、かかる階段構造の幅の最小値Pが3μmより大きくなるようにして、SPDTによる金型加工を容易にし、青紫色領域の波長λ1に対して、金型の形状誤差による回折効率低下が大きくなり過ぎないようにしている。
請求項11に記載の発明のように、以上の作用効果を更に有効にするためには、階段構造の幅の最小値Pを10μmより大きくなるようにするのが好ましい。
本発明の光学素子に含まれる重畳型回折構造の一つの例を図9〜11に示す。図9〜11では、重畳型回折構造は、鋸歯形状の輪帯構造(回折レリーフ面)が複数の階段状に分割された構造を有しており、この例では、各々の隣合う階段は最短の波長と最長の波長については、各々の波長の整数倍だけ光路差が生じ実質的には位相差が生じないようになっている。
1段あたり段差量をΔとし、着目している波長をλ,この波長における段差を構成する媒
体の屈折率をnとすると、この段差により生ずる光路差は、Δ(n−1)とあらわされるので段差量ΔをΔ(n−1)=jλ1を満たすように決定すると、この波長においては波
長λ1のj(整数)倍だけ光路差が生ずる。且つ、もうひとつの波長をλ3とし、jλ1≒kλ3を満足するような整数j、kを選び、
Δ(n−1)=jλ1=kλ3
を満足するように段差量Δを設けると,この段差により、波長λ1については波長のj倍
、波長λ3については波長のk倍だけ光路差が生ずるため、これら二つの波長λ1、λ3については実質的に波面が揃い位相差が生じない。
然るに、λ1、λ3と異なる波長λ2=655nmの光については、1つの段差あたり、δ=2×405×(1.5066−1)/(1.5247−1)−655=127nmの光路差が生じるので(ここで、1.5247は後述するように、波長λ1に対する光学素子素材の屈折率であり1.5066は、波長λ2に対する光学素子素材の屈折率である)、4つの段差により1つのピッチの略鋸歯形状のレリーフ構造を分割すると(即ち、1つのピッチを5分割する)、波長λ2の1波長分の光路差が生じることとなり(127×5=635≒1×655)、図11に示すように隣どおしのピッチの波面がそれぞれ1波長ずれて重なることとなる。すなわち+1次回折光が発生する。
図11に示すように隣どおしのピッチの波面がそれぞれ1波長ずれて重なることとなる。すなわち+1次回折光が発生する。
この重畳型回折構造によるm次の回折効率ηmは、1つのピッチに含まれる不連続な段差数をN、1段あたりの段差の高さをΔ、波長をλ、波長λにおける光学素子素材の屈折率をnとすると以下の式(数3及び数4)で表される。
尚、上記の計算では、光学素子素材として、d線での屈折率ndが1.5091であり、アッベ数νdが56.5のプラスチック材料を仮定しており、λ1に対する光学素子素材の屈折率を1.5247、λ2に対する光学素子素材の屈折率を1.5066、λ3に対する光学素子素材の屈折率を1.5050である。
この式よりわかるように、段差数Nを大きくしていくと、[ ]中の左の分数式のみ残り、
右側は1に漸近し、通常の鋸歯状回折素子の回折効率を与える式が得られる。Nが有限の値をとる際にはさまざまな作用をする。この作用としては、λ1=405nm、λ2=650nm、λ3=785nmの場合には上記の例を含め、他に下表(表1〜表8のような組合せが考えられる。
回折構造の光路差を波長単位で表したもので、逆に、1ピッチ分の段差量Δ(N+1)は
このφを用い、
Δ(N+1)=φλ/(n−1)
で与えられる。各波長でのφは段差量Δ(N+1)が同一であるので、波長により異なる。また、mは回折効率が最大となる回折次数であり、そのときの回折効率がηmである。尚、ここでの計算は、光学素子素材として、上記のプラスチック材料を仮定している。
透過させることが可能となるので、重畳型回折構造の各輪帯の配列を適切に設定することで、高密度光ディスク、DVD、及びCD等の3種類の光ディスク間での保護層厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正しつつ、3つの波長全てに対して高い透過率(回折効率)を確保することが可能となる。
また、本発明の重畳型回折構造は、上述のように、3つの波長のうち1つだけを選択的に
回折させ、且つ他の波長は回折せずにそのまま透過させる作用以外にも、3つの波長の回折次数を異ならせたり、或いは特定の波長に対し、回折効率を極端に小さくして、フレア化して集光に寄与させないようにすることができる。
例えば、以下の表9〜表10のように段差量Δ、段差数Nを設定すると3つの波長の回折次数を異ならせることが可能となるので、光学設計の自由度を広げることができる。
例えば、高密度光ディスクとDVDとCDの開口数が互いに異なる場合には、対物光学系の1つの光学機能面を、CDのNA内に対応した第1光学機能領域(例えば、NA0.4
5内)と、CDのNAからDVDのNAに対応した第2光学機能領域と(例えば、NA0.45〜NA0.60と、)DVDのNAから高密度光ディスクのNAに対応した第3光学機能領域と(例えば、NA0.60〜NA0.85)の3つの光学機能領域に分割し、表11〜13の重畳型回折構造を第2光学機能領域に形成することで、λ3の波長のみを遮断することが可能となる。
このように、表11〜14の重畳型回折構造を、特定の光学機能領域に形成することで、別部材の開口制限素子を必要としない簡素な構成の対物光学系を実現できる。
尚、上述の表1〜14の構造は、使用波長λ1、λ2、λ3が、それぞれ、405nm、655nm、785nmであり、λ1、λ2、λ3に対する屈折率が、それぞれ、1.5247、1.5066、1.5050である光学素子素材に対して最適な重畳型回折構造の一部の例であり、これらとは異なる波長や光学素子素材を使用する場合に対しては、必ずしも最適な構造となるわけではない。即ち、本発明における重畳型回折構造は、表1〜14の構造のみに限定されず、使用波長や、光学素子材料の特性に応じて様々な変更が可能である。
[第1の実施の形態]
図1は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第1の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.60であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
光学系OBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、絞りSTO、偏光ビームスプリッタBS、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、収差補正素子L1と集光素子L2とを一体化する場合には、別部材の接合部材を介して両者を一体化してもよい。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図2に示すように、CDの開口数0.45内の領域に対応する光軸を含む第1の光学機能領域AREA1と、CDの開口数0.45からDVDの開口数0.60までの領域に対応する第2の光学機能領域AREA2と、DVDの開口数0.60から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に対応する第3の光学機能領域AREA3とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE1、HOE2、HOE3が、それぞれ、第1の光学機能領域AREA1、第2の光学機能領域AREA2、第3の光学機能領域AREA3に形成されている。
d31=2λ1/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは4に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザLD1から射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.408μm)、nは収差補正素子L1の波長λ1に対する屈折率である。
光軸方向の深さがこのように設定された階段構造に対して、波長λ1のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段構造間では2×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する。尚、以下の説明では、重畳型回折構造により実質的に位相差が与えられずにそのまま透過する光束を0次回折光という。
一方、この階段構造に対して、第1の発光点EP1からの波長λ2(ここでは、λ2=0.658μm)のレーザ光束が入射した場合、各輪帯内の段差数Nは4に設定されているため、波長λ2のレーザ光束は、重畳型回折構造HOE1の入射した部位に応じて位相差が与えられ+1次の方向に回折する(+1次回折光)。このときの波長λ2のレーザ光束の+1次回折光の回折効率は、87.5%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
更に、第2の光学機能領域AREA2に形成された重畳型回折構造HOE2において、各輪帯内に形成された階段構造の深さd32は、
d32=3λ1/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは4に設定されている。
した場合、隣接する階段構造間では3×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
また、この階段構造に対して、第1の発光点EP1からの波長λ2のレーザ光束が入射した場合、各輪帯内の段差数Nは4に設定されているため、波長λ2のレーザ光束は、重畳型回折構造HOE2の入射した部位に応じて位相差が与えられ−1次の方向に回折する(−1次回折光)。このときの波長λ2のレーザ光束の−1次回折光の回折効率は、87.5%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
一方、この階段構造に対して、第2の発光点EP2からの波長λ3のレーザ光束が入射した場合、波長λ3のレーザ光束は、重畳型回折構造HOE2の入射した部位に応じて位相差が与えられ−2次の方向に回折する(−2次回折光)。このときの波長λ3のレーザ光束の−2次回折光の回折効率は24.9%と極端に低い。尚、重畳型回折構造HOE2に波長λ3のレーザ光束が入射すると、上述の−2次回折光の他に、+2次回折光と+3次回折光も発生するが、これらの回折効率はそれぞれ23.1%、11.1%であり、−2次回折光の回折効率よりもさらに低い。
この場合は、重畳型回折構造HOE1とHOE2に入射した波長λ2のレーザ光束は、その発散度が小さくなって射出される。これは集光素子L2にとっては、倍率が大きくなることに相当するので、集光素子L2に入射した波長λ2のレーザ光束には、この倍率変化により補正過剰方向の球面収差が付加される。この補正過剰方向の球面収差と、波長λ2に対する倍率m2と、波長λ3に対する結像倍率m3とを略同じとしたことに起因して発生する上記補正不足方向の球面収差とが相殺されるように、重畳型回折構造HOE1、HOE2の各輪帯間の幅Λ1、Λ2、及び各輪帯の傾斜方向を決定する。
d33=1λ1/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは5に設定されている。
光軸方向の深さがこのように設定された階段構造に対して、波長λ1のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段構造間では1×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
束の−2次回折光の回折効率は39.1%と極端に低い。尚、重畳型回折構造HOE3に波長λ2のレーザ光束が入射すると、上述の−2次回折光の他に、±3次回折光も発生するが、この回折効率は11.0%、であり、−2次回折光の回折効率よりもさらに低い。即ち、重畳型回折構造HOE3は、波長λ2のレーザ光束を選択的に遮断するダイクロイックフィルターと同様の働きをするので、第1の光ピックアップ装置PU1においては、DVDに対する開口制限素子を別途搭載する必要がなく、簡素が構成とすることができる。
更に、この階段構造に対して、第2の発光点EP2からの波長λ3のレーザ光束が入射した場合、λ波長3のレーザ光束は、重畳型回折構造HOE3の入射した部位に応じて位相差が与えられ±3次の方向に回折する(±3次回折光)。このときの波長λ3のレーザ光束の±3次回折光の回折効率は40.5%と極端に低い。即ち、上述した重畳型回折構造HOE2と、この重畳型回折構造HOE3は、波長λ3のレーザ光束を選択的に遮断するダイクロイックフィルターと同様の働きをするので、第1の光ピックアップ装置PU1においては、CDに対する開口制限素子を別途搭載する必要がなく、簡素が構成とすることができる。
回折構造DOE1、DOE2は、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、入射波長変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造である。
回折構造DOE1において、光軸に最も近い段差の高さd01は、波長390nmの光束(収差補正素子L1の、波長390nmに対する屈折率は1.5273である)に対して回折効率が100%となるように設計されており、上述した(16)式を満足する。このように段差の深さが設定された回折構造DOE1に対して、波長λ1のレーザ光束が入射すると、+2次回折光が96.8%の回折効率で発生し、波長λ2のレーザ光束が入射すると、+1次回折光が93.9%の回折効率で発生し、波長λ3のレーザ光束が入射すると、+1次回折光が99.2%の回折効率で発生するので、何れの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長λ2及び波長λ3の波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
さらに、回折構造DOE1、DOE2は、青紫色領域において、入射光束の波長が長くなった場合に、球面収差が補正不足方向に変化し、入射光束の波長が短くなった場合に、球面収差が補正過剰方向に変化するような球面収差の波長依存性を有する。これにより、入射波長変化に伴い集光素子で発生する球面収差変化を相殺しているので、青紫色半導体レーザLD1の発振波長に対する規格を緩和することが可能である。
図3は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再
生を行える第2の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.67であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
Lにより発散角が変換された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、対物光学系OBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJを透過した後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、カップリングレンズCULにより発散角が変換され、CD用HD用モジュールMD2の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、収差補正素子L1と集光素子L2とを一体化する場合には、別部材の接合部材を介して両者を一体化してもよい。
第6の光学機能領域AREA6に形成された重畳型回折構造HOE4において、各輪帯内に形成された階段構造の深さd34は、
d34=2λ1/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは4に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザLD1から射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.408μm)、nは収差補正素子L1の波長λ1に対する屈折率である。
また、この階段構造に対して、波長λ3(ここでは、λ3=0.785μm)のレーザ光束が入射した場合、波長λ3はλ1の略2倍であるので、隣接する階段構造間では略1×λ3(μm)の光路差が発生し、波長λ3のレーザ光束もλ1のレーザ光束と同様に、実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
一方、この階段構造に対して、第2の発光点EP2からの波長λ2(ここでは、λ2=0.658μm)のレーザ光束が入射した場合、各輪帯内の段差数Nは5に設定されているため、λ2のレーザ光束は、重畳型回折構造HOE1の入射した部位に応じて位相差が与えられ+1次の方向に回折する(+1次回折光)。このときの波長λ2のレーザ光束の+1次回折光の回折効率は、87.5%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
段構造の包絡線l4の傾斜方向)は、波長λ2のレーザ光束が入射した場合に、回折作用により+1次回折光に対して補正不足方向の球面収差が付加されるように設定されている。
対物光学系OBJは、波長λ1と倍率m1=0と高密度光ディスクHDの保護層PL1との組合せに対して球面収差が最小となるように設計されている。そのため、本実施の形態のように、波長λ1のレーザ光束に対する倍率m1と、波長λ2のレーザ光束に対する倍率m2とを略同じとする場合、高密度光ディスクHDの保護層PL1と、DVDの保護層PL2の厚さの違いにより、対物光学系OBJとDVDの保護層PL2とを透過した波長λ2のレーザ光束の球面収差は補正過剰方向となってしまう。
上記の説明においては、波長λ1に対する倍率m1と、λ2に対する倍率m2とを略同じとしたことに起因して発生する上記補正過剰方向の球面収差を補正するために、重畳型回折構造HOE4を、波長λ2のレーザ光束が入射した場合に補正不足方向の球面収差を発生するような構造としたが、重畳型回折構造HOE4の回折パワーを負となるように設定し、波長λ2のレーザ光束が入射した場合に波長λ2のレーザ光束の発散度を大きくして射出するような構造としてもよい。
更に、収差補正素子L1の光ディスク側の光学機能面S2は、図4に示すように、DVDの開口数0.67内の領域に相当する光軸を含む第8の光学機能領域AREA8と、DVDの開口数0.67から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に相当する第9の光学機能領域AREA9とに分割されており、光軸を含む断面形状が鋸歯形状の複数の輪帯から構成された回折構造DOE3、DOE4が、それぞれ、光学機能領域AREA8と光学機能領域AREA9に形成されている。
回折構造DOE3、DOE4は、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造である。
一方、回折構造DOE4は、波長λ1に対して最適化されているため、回折構造DOE4
に対して、波長λ1のレーザ光束が入射すると、+2次回折光が100%の回折効率で発生する。
本実施の形態の収差補正素子L1では、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に重畳型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に型回折構造を形成した構成としたが、これとは、逆に、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造を形成した構成としてもよい。
カップリングレンズCULは、かかるコマ収差を低減させる機能を有するコマ収差補正素子であって、対物光学系OBJが2軸アクチュエータACにより光軸に垂直な方向に駆動されない場合に、波長λ3のレーザ光束が通過する有効径内では、球面収差が回折限界以下となるように補正され、この有効径の外側では、補正過剰方向に球面収差が発生するように設計されている。
これにより、対物光学系OBJが光軸に垂直な方向にシフトした場合には、波長λ3のレーザ光束は、大きな球面収差を持つように設計された領域を通過するので、カップリングレンズCULと対物光学系OBJを透過した波長λ3のレーザ光束にはコマ収差が付加される。カップリングレンズCULの有効径より外側の球面収差の方向と大きさは、このコマ収差と、赤外半導体レーザLD3の発光点が軸外物点となることに起因するコマ収差とが相殺されるように決定されている。
ここで、本実施の形態の第2の光ピックアップ装置PU2におけるDVD及びCDに対して情報の記録/再生を行う際の開口切り替えについて説明する。
第2の光ピックアップ装置PU2では、NA1、NA2及びNA3がそれぞれ異なるので、DVDやCDに対して情報の記録/再生を行う際には、それぞれの光ディスクの開口数に応じて開口を切り替える必要がある。
重畳型回折構造HOE4は、光軸を含む第6の光学機能領域AREA6に形成されているので、波長λ2に対する球面収差は、第6の光学機能領域AREA6を通過する光束に対してのみ補正され、その周囲を囲む第7の光学機能領域AREA7を通過する光束に対しては補正されない。従って、対物光学系OBJに入射した波長λ2の光束のうち、第7の光学機能領域AREA7を通過する光束は、DVDの情報記録面RL2上へのスポット形成に寄与しないフレア成分となる。
これは自動的にNA2に対応した開口切り替えがなされることと等価であるので、第2の光ピックアップ装置PU2においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要はない。
一方、対物光学系OBJは、波長λ3に対する開口切り替え機能を備えていないので、CDの開口数NA3に対応した開口制限素子を別途設ける必要があり、対物光学系OBJはかかる開口制限素子として、収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1
に波長選択フィルタWFが形成されている。
尚、波長選択フィルタWFには、図13に示すような透過率の波長選択性を持たせてもよい。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA2の領域では波長λ3のみを遮断し、NA2からNA1の領域では波長λ2及びλ3を遮断するような透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA2及びNA3に対応した開口切り替えを行うことができる。
また、本実施の形態では、収差補正素子L1の光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成したが、集光素子L2の光学機能面上に形成してもよく、或いは、かかる波長選択フィルタWFをその光学機能面上に形成した開口制限素子APを別途搭載してもよい。この場合には、2軸アクチュエータACにより、開口制限素子APと対物光学系OBJとを一体にトラッキング駆動させるのが好ましい。
図5は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第3の光ピックアップ装置PU3の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.67であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.51である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
エータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、絞りSTO、偏光ビームスプリッタBS、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、収差補正素子L1と集光素子L2とを一体化する場合には、別部材の接合部材を介して両者を一体化してもよい。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図6に示すように、DVDの開口数0.67内の領域に対応する光軸を含む第10の光学機能領域AREA10と、DVDの開口数0.67から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に対応する第11の光学機能領域AREA11とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE5が、第10の光学機能領域AREA10に形成されている。
d35=2λ1/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは4に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザLD1から射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.408μm)、nは収差補正素子L1の波長λ1に対する屈折率である。
光軸方向の深さがこのように設定された階段構造に対して、波長λ1のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段構造間では2×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
また、この階段構造に対して、波長λ3(ここでは、λ3=0.785μm)のレーザ光束が入射した場合、波長λ3はλ1の略2倍であるので、隣接する階段構造間では略1×λ3(μm)の光路差が発生し、波長λ3のレーザ光束もλ1のレーザ光束と同様に、実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
重畳型回折構造HOE5の各輪帯の幅Λ5、及び各輪帯の傾斜方向(図5において、各階段構造の包絡線l5の傾斜方向)は、波長λ2のレーザ光束が入射した場合に、回折作用により+1次回折光に対して補正不足方向の球面収差が付加されるように設定されている。
そのため、重畳型回折構造HOE5の作用だけでは、高密度光ディスクHDの保護層PL1とDVDの保護層PL2の厚さに起因して発生する補正過剰方向の球面収差を補正しきれない。
そこで、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2は、重畳型回折構造HOE5で補正しきれずに残留した補正過剰方向の球面収差が補正されるように設定されている。これにより、重畳型回折構造HOE5とDVDの保護層PL2とを透過した波長λ2のレーザ光束はDVDの情報記録面RL2上で良好なスポットを形成する。
この場合は、重畳型回折構造HOE5に入射した波長λ2のレーザ光束は、その
発散度が大きくなって射出される。これは集光素子L2にとっては、倍率が小さくなることに相当するので、集光素子L2に入射した波長λ2のレーザ光束には、この倍率変化により補正不足方向の球面収差が付加される。この場合にも、重畳型回折構造HOE5の各輪帯間の幅Λ5、各輪帯の傾斜方向は、上述した(9)式が満たされるように決定され、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2は、重畳型回折構造HOE5で補正しきれずに残留した補正過剰方向の球面収差が補正されるように決定される。
DVDの開口数0.67から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に相当する第13の光学機能領域AREA13とに分割されており、光軸を含む断面形状が鋸歯形状の複数の輪帯から構成された回折構造DOE5、DOE6が、それぞれ、光学機能領域AREA12と光学機能領域AREA13に形成されている。
回折構造DOE5、DOE6は、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造であり、その具体的な構造は、光ピックアップ装置PU2の回折構造DOE3、DOE4と同様であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
また、カップリングレンズCULは、第1の発光点EP1から射出された波長λ2のレーザ光束と、第2の発光点EP2から射出された波長λ3のレーザ光束との発散角を、それぞれ、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2と、波長λ3に対する倍率m3とに対応する発散角に変換して射出するための光学素子である。
ここで、カップリングレンズCULの、波長λ2に対する近軸における屈折パワーは、第1の発光点EP1から射出された波長λ2のレーザ光束の発散角を、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2に対応する発散角に変換して射出できるように決定されている。
カップリングレンズCULの光ディスク側の光学機能面S2は、CDの開口数0.51内の領域に相当する光軸を含む第14の光学機能領域AREA14(図示略)と、CDの開口数0.51からDVDの開口数0.67までの領域に相当する第15の光学機能領域AREA15(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE6が、光学機能領域AREA14に形成されている。
d36=1λ2/(n−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯内の段差数Nは5に設定されている。但し、λ2は、第1の発光点EP1から射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり、nはカップリングレンズCULの波長λ2に対する屈折率である。
光軸方向の深さがこのように設定された階段構造に対して、波長λ2のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段構造間では1×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ2のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(0次回折光)。
重畳型回折構造HOE6の波長λ3に対する近軸における回折パワーは、負となるように設定されており、重畳型回折構造HOE6の各輪帯の幅Λ6、及び各輪帯の傾斜方向(図
5において、各階段構造の包絡線l6の傾斜方向)は、第2の発光点EP2から射出された波長λ3のレーザ光束の発散角が、対物光学系OBJの波長λ3に対する倍率m3に対応する発散角に変換されるように決定されている。
ここで、本実施の形態の第3の光ピックアップ装置PU3におけるDVD及びCDに対して情報の記録/再生を行う際の開口切り替えについて説明する。
第3の光ピックアップ装置PU3では、NA1、NA2及びNA3がそれぞれ異なるので、DVDやCDに対して情報の記録/再生を行う際には、それぞれの光ディスクの開口数に応じて開口を切り替える必要がある。
重畳型回折構造HOE5は、光軸を含む第10の光学機能領域AREA10に形成されているので、波長λ2に対する球面収差は、第10の光学機能領域AREA10を通過する光束に対してのみ補正され、その周囲を囲む第11の光学機能領域AREA11を通過する光束に対しては補正されない。従って、対物光学系OBJに入射した波長λ2の光束のうち、第11の光学機能領域AREA11を通過する光束は、DVDの情報記録面RL2上へのスポット形成に寄与しないフレア成分となる。
これは自動的にNA2に対応した開口切り替えがなされることと等価であるので、第3の光ピックアップ装置PU3においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要はない。
波長選択フィルタWFは、図12に示すように、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3より外側の領域では、波長λ3のみを遮断するような透過率の波長選択性を有しており、かかる波長選択性によりNA3に対応した開口切り替えが行われる。
尚、波長選択フィルタWFには、図13に示すような透過率の波長選択性を持たせてもよい。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA2の領域では波長λ3のみを遮断し、NA2からNA1の領域では波長λ2及びλ3を遮断するような透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA2及びNA3に対応した開口切り替えを行うことができる。
また、本実施の形態では、収差補正素子L1の光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成したが、集光素子L2の光学機能面上に形成してもよく、或いは、かかる波長選択フィルタWFをその光学機能面上に形成した開口制限素子APを別途搭載してもよい。この場合には、2軸アクチュエータACにより、開口制限素子APと対物光学系OBJとを一体にトラッキング駆動させるのが好ましい。
図7は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第4の光ピックアップ装置PU4の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.6mm、開口数NA1=0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
対物光学系OBJの半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図8に示すように、CDの開口数0.50内の領域に対応する光軸を含む第16の光学機能領域AREA16と、CDの開口数0.50から高密度光ディスクHD(DVD)の開口数0.65までの領域に対応する第17の光学機能領域AREA17とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE7が、第16の光学機能領域AREA16に形成されている。
尚、重畳型回折構造HOE7においても、光ピックアップ装置PU1の重畳型回折構造HOE1と同様に、近軸における回折パワーを正となるように設定し、波長λ2のレーザ光束が入射した場合にλ2のレーザ光束の発散度を小さくして射出するような構造としてもよい。
更に、対物光学系OBJの半導体レーザ光源側の光学機能面S1の全面には、青紫色領域における対物光学系OBJの温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造である光路差付与構造NPSが形成されている。
更に、図8に示すように、光路差付与構造NPSにおいて、中心領域の外側に隣接する輪帯は、中心領域に対して光路長が短くなるように光軸方向に変移して形成され、最大有効径位置における輪帯は、その内側に隣接する輪帯に対して光路長が長くなるように光軸方向に変移して形成され、最大有効径の75%の位置における輪帯は、その内側に隣接する輪帯とその外側に隣接する輪帯とに対して光路長が短くなるように光軸方向に変移して形成されている。
尚、コリメートレンズCOLの光ディスク側の光学機能面の全面には、光軸を含む断面形状が鋸歯形状の複数の輪帯から構成された回折構造DOE7が形成されているが、これは、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差を抑制するための構造である。
ここで、本実施の形態の第4の光ピックアップ装置PU4におけるCDに対して情報の記録/再生を行う際の開口切り替えについて説明する。
第4の光ピックアップ装置PU4では、NA1(=NA2)とNA3が異なるので、CDに対して情報の記録/再生を行う際には開口数NA3に応じて開口を切り替える必要がある。
波長選択フィルタWFは、図12に示すように、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3より外側の領域では、波長λ3のみを遮断するような透過率の波長選択性を有しており、かかる波長選択性によりNA3に対応した開口切り替えが行われる。
また、NA1、NA2及びNA3が互いに異なる場合には、波長選択フィルタWFに図13に示すような透過率の波長選択性を持たせるのが好ましいこの波長選択フィルタWFは、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA2の領域では波長λ3のみを遮断し、NA2からNA1の領域では波長λ2及びλ3を遮断するような透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA2及びNA3に対応した開口切り替えを行うことができる。
また、本実施の形態では、対物光学系OBJの光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成したが、かかる波長選択フィルタWFをその光学機能面上に形成した開口制限素子APを別途搭載してもよい。この場合には、2軸アクチュエータACにより、開口制限素子APと対物光学系OBJとを一体にトラッキング駆動させるのが好ましい。
図14は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第5の光ピックアップ装置PU5の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.60であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU5は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され408nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1、と光検出器PD1とが一体化された高密度光ディスクHD用モジュールMD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され658nmのレーザ光束を射出する赤色半導体レーザLD2と光検出器PD2とが一体化されたDVD用モジュールMD2、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する赤外半導体レーザLD3と光検出器PD3とが一体化されたCD用モジュールMD3、収差補正素子L1とこの収差補正素子L1を透過したレーザ光束を情報記録面RL1、RL2,RL3上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光素子L2とから構成された対物光学系OBJ、開口制限素子AP、2軸アクチュエータAC、高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した絞りSTO、第1の偏光ビームスプリッタBS1、第2の偏光ビームスプリッタBS2、コリメートレンズCOL、1軸アクチュエータUAC、ビーム整形素子SHとから構成されている。
用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することにより、その断面形状が楕円形から円形に整形され、第1の偏光ビームスプリッタBS1を透過し、コリメートレンズCOLにより平行光束に変換された後、第2の偏光ビームスプリッタBS2を透過し、絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、第2の偏光ビームスプリッタBS2、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、第1の偏光ビームスプリッタBS1、ビーム整形素子SHと透過し、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図14において二点鎖線でその光線経路を描いたように、CD用モジュールMD3を作動させて赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射された後、開口制限素子APにより光束径が規制され、対物光学系OBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、CD用モジュールMD3の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図15(a)に示すように、DVDの開口数0.60内の領域に対応する光軸を含む第18の光学機能領域AREA18と、DVDの開口数0.60から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領
域に対応する第19の光学機能領域AREA19とに分割されており、第18の光学機能領域AREA18には、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE8が形成されている。
第18の光学機能領域AREA18に形成された重畳型回折構造HOE8の構造は、第2の光ピックアップ装置PU2における重畳型回折構造HOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
回折構造DOE8、DOE9は、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造であり、その構造は、第2の光ピックアップ装置PU2における回折構造DOE3、DOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
本実施の形態の収差補正素子L1では、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に重畳型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に型回折構造を形成した構成としたが、これとは、逆に、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造を形成した構成としてもよい。
また、本実施の形態のコリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータUACにより光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されている。これにより、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
また、本実施の形態では、DVDやCDに対して情報の記録/再生を行う際に、それぞれの光ディスクの開口数NAに応じて、対物光学系OBJの開口を切り替えるための素子として、接合部材Bを介して対物光学系OBJと一体化された開口制限素子APを備えている。
開口制限素子APの光学機能面上には、図13に示すような透過率の波長選択性を有する波長選択フィルタWFが形成されている。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域ではλ1乃至λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA2の領域では波長λ3のみを遮断し、NA2からNA1の領域では波長λ2及びλ3を遮断するような透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA2及びNA3に対応した開口切り替えを行うことができる。
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、及び第3の光ピックアップ装置PU3と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有するので、波長選択フィルタWFには、図12に示すような透過率の波長選択性を持たせてもよい。
図18は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第6の光ピックアップ装置PU6の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.60であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
光ピックアップ装置PU6において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図18において実線でその光線経路を描いたように、高密度光ディスク用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することによりその断面形状が楕円形から円形に整形された後、コリメートレンズCOLにより平行光束に変換され、第1レンズEXP1、第2レンズEXP2を透過することにより拡径され、偏光ビームスプリッタBSを透過した後、絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。
また、光ピックアップ装置PU6において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図18において波線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、カップリングレン
ズCULにより平行光束に変換された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、対物光学系OBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。
また、光ピックアップ装置PU6において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP2を発光させる。発光点EP2から射出された発散光束は、図18において二点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、カップリングレンズCULにより発散角が変換され、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、開口制限素子APにより光束径が規制され、対物光学系OBJによってCDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子APを透過し、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図示は省略するが、DVDの開口数0.60内の領域に対応する光軸を含む第22の光学機能領域AREA22と、DVDの開口数0.60から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に対応する第23の光学機能領域AREA23とに分割されており、第22の光学機能領域AREA22には、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE9が形成されている。
本実施の形態の収差補正素子L1では、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に重畳型回折構造を形成した構成としたが、これとは、逆に、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造を形成した構成としてもよい。
また、本実施の形態のエキスパンダーレンズEXPの第1レンズEXP1は、1軸アクチュエータUACにより光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されている。これにより、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
第1レンズEXP1の位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
Pλ1+10<Pλ1<Pλ1−10
なる関係を満たすように、回折構造DOE10の近軸における回折パワーは決定されている。
また、カップリングレンズCULは、第1の発光点EP1から射出された波長λ2のレーザ光束と、第2の発光点EP2から射出された波長λ3のレーザ光束との発散角を、それぞれ、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2と、波長λ3に対する倍率m3とに対応する発散角に変換して射出するための光学素子である。この実施の形態では、m2=0であるので、第1の発光点EP1から射出された波長λ2のレーザ光束はカップリングレンズCULを透過することにより平行光束に変換される。
カップリングレンズCULの光ディスク側の光学機能面は、図示は省略するが、CDの開口数0.45内の領域に相当する光軸を含む第24の光学機能領域AREA24と、CDの開口数0.45からDVDの開口数0.60までの領域に相当する第25の光学機能領域AREA25とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE10が、第24の光学機能領域AREA24に形成されている。
第24の光学機能領域AREA24に形成された重畳型回折構造HOE10の構造は、第3の光ピックアップ装置PU3における重畳型回折構造HOE6と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
また、本実施の形態では、CDに対して情報の記録/再生を行う際に、CDの開口数NA3に応じて、対物光学系OBJの開口を切り替えるための素子として、接合部材Bを介して対物光学系OBJと一体化された開口制限素子APを備えている。
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、第3の光ピックアップ装置PU3、第5の光ピックアップ装置PU5と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有し、この開口切り替え機能によりNA2に対応した開口切り替えが行われる。
図19は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第7の光ピックアップ装置PU7の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.60であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA
3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、液晶位相制御素子LCD、波長選択フィルタWF、第3の偏光ビームスプリッタBS3を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図19において二点鎖線でその光線経路を描いたように、CD用モジュールMD3を作動させて赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、第3の偏光ビームスプリッタBS3により反射された後、波長選択フィルタWFにより光束径が規制され、液晶位相制御素子LCDを透過し、対物光学系OBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、液晶位相制御素子LCD、波長選択フィルタWFを透過した後、第3の偏光ビームスプリッタBS3により反射され、CD用モジュールMD3の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学機能面S1は、図示は省略するが、DVDの開口数0.60内の領域に対応する光軸を含む第26の光学機能領域AREA26と、DVDの開口数0.60から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に対応する第27の光学機能領域AREA27とに分割されており、第26の光学機能領域AREA26には、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE11が形成されている。
第26の光学機能領域AREA26に形成された重畳型回折構造HOE11の構造は、第2の光ピックアップ装置PU2における重畳型回折構造HOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
回折構造DOE11、DOE12は、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造であり、その構造は、第2の光ピックアップ装置PU2における回折構造DOE3、DOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
本実施の形態の収差補正素子L1では、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に重畳型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に型回折構造を形成した構成としたが、これとは、逆に、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に型回折構造を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造を形成した構成としてもよい。
して位相変化を生じせしめる液晶層と、液晶素子に電圧を印加するための互いに対向する電極層と、電極層に電圧を供給する電源とから構成されている。互いに対向する電極層のうち少なくとも一方は所定のパターンに分割されており、この電極層に電圧を印加することにより液晶素子の配向状態が変化し、透過する光束に対して所定の位相を付加させることが可能となっている。これにより、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
液晶位相制御素子LCDにより補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
また、対物光学系OBJと液晶位相制御素子LCDは、接合部材Bを介して一体化されている。
更に、本実施の形態では、CDに対して情報の記録/再生を行う際に、CDの開口数NA3に応じて、対物光学系OBJの開口を切り替えるための波長選択フィルタWFが、液晶位相制御素子LCDの半導体レーザ光源側に形成されている。
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、第3の光ピックアップ装置PU3、第5の光ピックアップ装置PU5と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有し、この開口切り替え機能によりNA2に対応した開口切り替えが行われる。
図20は、高密度光ディスクHDとDVDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第8の光ピックアップ装置PU8の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=407nm、保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=660nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
BJ、液晶位相制御素子LCD、2軸アクチュエータAC、高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した絞りSTO、第1の偏光ビームスプリッタBS1、第2の偏光ビームスプリッタBS2、第1のコリメートレンズCOL1、第2のコリメートレンズCOL2、センサーレンズSEN、ビーム整形素子BS、とから構成されている。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、液晶位相制御素子LCDを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
第30の光学機能領域AREA30に形成された重畳型回折構造HOE12の構造は、
第2の光ピックアップ装置PU2における重畳型回折構造HOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
回折構造DOE13は、青紫色領域における対物光学系OBJの軸上色収差と、温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造であり、光軸方向の段差は波長λ1=407nmの光束が入射した場合に、+5次回折光が100%の回折効率で発生するように設計されている。回折構造DOE13に対して波長λ2=660nmの光束が入射した場合には、+3次回折光が99.8%の回折効率で発生し、何れの波長に対しても高い回折効率が確保されている。
また、対物光学系OBJと液晶位相制御素子LCDは、接合部材Bを介して一体化されている。
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、第3の光ピックアップ装置PU3、第5の光ピックアップ装置PU5、第7の光ピックアップ装置PU7と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有し、この開口切り替え機能によりNA2に対応した開口切り替えが行われる。
図21は、高密度光ディスクHDとDVDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第9の光ピックアップ装置PU9の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=405nm、保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=650nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
Dの開口数0.65内の領域に対応する光軸を含む第32の光学機能領域AREA32と、DVDの開口数0.65から高密度光ディスクHDの開口数0.85までの領域に対応する第33の光学機能領域AREA33とに分割されており、第32の光学機能領域AREA32には、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である重畳型回折構造HOE13が形成されている。
第32の光学機能領域AREA32に形成された重畳型回折構造HOE34の構造は、第2の光ピックアップ装置PU2における重畳型回折構造HOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
回折構造DOE14は、青紫色領域における対物光学系OBJの色球面収差を補正するための構造であり、光軸方向の段差は波長λ1=405nmの光束が入射した場合に、+5次回折光が100%の回折効率で発生するように設計されている。回折構造DOE14に対して波長λ2=650nmの光束が入射した場合には、+3次回折光が100%の回折効率で発生し、何れの波長に対しても高い回折効率が確保されている。
また、本実施の形態のコリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータUACにより光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されている。これにより、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、第3の光ピックアップ装置PU3、第5の光ピックアップ装置PU5、第7の光ピックアップ装置PU7、第8の光ピックアップ装置PU8と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有し、この開口切り替え機能によりNA2に対応した開口切り替えが行われる。
図22は、高密度光ディスクHDとDVDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第10の光ピックアップ装置PU10の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=407nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=660nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
第34の光学機能領域AREA34に形成された重畳型回折構造HOE14の構造は、
第2の光ピックアップ装置PU2における重畳型回折構造HOE4と同じであるので、ここでは詳細な説明は割愛する。
収差補正素子L1の光ディスク側の光学機能面S2には、青紫色領域における対物光学系OBJの温度変化に伴う球面収差変化を抑制するための構造である光路差付与構造NPSが形成されている。この光路差付与構造NPSの光軸方向の段差は、対物光学系OBJの設計基準温度において、波長λ1の光束に対して5倍の光路差を与える深さに設定されている。かかる深さに設定された段差に波長λ2の光束が入射した場合、波長λ2の光束に対して与える光路差は、λ2の3倍となるので、何れの波長に対しても高い透過率が確保されている。
本実施の形態の収差補正素子L1では、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に重畳型回折構造HOE14を形成し、光ディスク側の光学機能面S2に光路差付与構造NPSを形成した構成としたが、これとは、逆に、半導体レーザ光源側の光学機能面S1に光路差付与構造NPSを形成し、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造HOE14を形成した構成としてもよい。
また、本実施の形態のコリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータUACにより光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されている。これにより、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い
尚、本実施の形態における対物光学系OBJは、第2の光ピックアップ装置PU2、第3の光ピックアップ装置PU3、第5の光ピックアップ装置PU5、第7の光ピックアップ装置PU7、第8の光ピックアップ装置PU8、第9の光ピックアップ装置PU9と同様に、DVDの開口数NA2に対応する開口切り替え機能を有し、この開口切り替え機能によりNA2に対応した開口切り替えが行われる。
図30は、高密度光ディスクHDとDVDとCDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第11の光ピックアップ装置PU11の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt2=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図30において実線でその光線経路を
描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、絞りSTOにより光束径が規制され、液晶位相制御素子LCD、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって第1保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、液晶位相制御素子LCDを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
には、保護層PL1の厚さt1と保護層PL3の厚さt3との差に起因する球面収差が補正するために、液晶位相制御素子LCDを透過する第3光束に対して補正不足方向の球面収差が付加されるように、液晶位相制御素子LCDを作動させる。その後、レーザモジュールLMを作動させて第3の発光点EP3を発光させる。第3の発光点EP3から射出された発散光束は、図30において二点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て略平行光束とされた後、液晶位相制御素子LCDを透過することで補正不足方向の球面収差が与えられ、開口制限素子APにより光束径が規制された後、対物光学系OBJによって第3保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、液晶位相制御素子LCDを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS3に集光する。そして、受光部DS3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
図31は、高密度光ディスクHDとDVDとCDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第12の光ピックアップ装置PU12の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=6
58nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt2=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図31において実線でその光線経路を
描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、エキスパンダーレンズEXPを透過することにより光束径が拡径され、その後絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって第1保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、エキスパンダーレンズEXPを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、球面収差補正手段としてエキスパンダーレンズEXPではなく、アクチュエータによって光軸方向に変移可能とされたコリメートレンズやカップリングレンズを使用してもよい。
各実施例における非球面は、その面の頂点に接する平面からの変形量をX(mm)、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、曲率半径をr(mm)とするとき、次の数5に表15〜25中の非球面係数A2iを代入した数式で表される。但し、κを円錐係数とする。
上記数1で定義される光路差関数φb(mm)で表される。
表15〜表25において、NA1、f1、λ1、m1、t1は、それぞれ、高密度光ディスクHD使用時の対物光学系OBJの開口数、対物光学系OBJの焦点距離、対物光学系OBJの波長、対物光学系OBJの倍率、保護層の厚さであり、NA2、f2、λ2、m2、t2は、DVD使用時の同様の値であり、NA3、f3、λ3、m3、t3は、CD使用時の同様の値である。
また、r(mm)は曲率半径、d1(mm)、d2(mm)、d3(mm)は、それぞれ、高密度光ディスクHD使用時、DVD使用時、CD使用時のレンズ間隔、Nλ1、Nλ2、Nλ3は、それぞれ、波長λ1、波長λ2、波長λ3に対するレンズの屈折率、νdはd線のレンズのアッベ数である。
また、n1、n2、n3は、それぞれ、重畳型回折構造や回折構造で発生する第1光束、第2光束、第3光束の回折光の回折次数である。
また、実施例5の光学素子は、波長408nm、保護層の厚さ0.0875mm、倍率0に対して球面収差補正が最適化された開口数0.85のガラスレンズである集光素子L
2に、半導体レーザ側の光学機能面S1に重畳型回折構造が形成され、光ディスク側の光学機能面S2に回折構造が形成されたプラスチックレンズである収差補正素子L2を組合わせている。
実施例7の光学素子は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、倍率0に対して球面収差補正が最適化された開口数0.85のガラスレンズである集光素子L2と、半導体レーザ側の光学機能面S1に重畳型回折構造が形成され、光ディスク側の光学機能面S2に回折構造が形成されたプラスチックレンズである収差補正素子L1を組合わせている。
実施例8の光学素子は、波長407nm、保護層の厚さ0.0875mm、倍率1/11.416に対して球面収差補正が最適化された開口数0.85のガラスレンズである集光素子L2と、半導体レーザ側の光学機能面S1に光路差付与構造NPSが形成され、光ディスク側の光学機能面S2に重畳型回折構造HOEが形成されたプラスチックレンズである収差補正素子L1を組合わせている。
また、第2の光学機能領域AREA2に形成した重畳型回折構造HOE2と、第3の光学機能領域AREA3に形成した重畳型回折構造HOE3は、DVDやCDに対する情報の記録/再生時には、ダイクロイックフィルターと同様に機能し、自動的に開口制限がなされる。
また、第4の光学機能領域AREA4に形成した回折構造DOE1と、第5の光学機能領域AREA5に形成した回折構造DOE2の作用により、青紫色領域における色収差と入射波長変化に伴う球面収差変化を補正している。
モードホッピングによる青紫色半導体レーザLD1の波長変化量を+1nmと仮定したとき、集光素子L2単独でのデフォーカス成分の変化量151mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には20mλRMSとなり、モードホッピングによるデフォーカス成分の変化が良好に補正されていることがわかる。
更に、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつきを+10nmと仮定したとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量74mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には4mλRMSとなり、入射波長変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
また、第8(第20)の光学機能領域AREA8(AREA20)に形成した回折構造DOE3(DOE8)と、第9(第21)の光学機能領域AREA9(AREA21)に形成した回折構造DOE4(DOE9)の作用により、青紫色領域における色収差と環境温度変化に伴う球面収差変化を補正している。
モードホッピングによる青紫色半導体レーザLD1の波長変化量を+1nmと仮定したとき、集光素子L2単独でのデフォーカス成分の変化量151mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には27mλRMSとなり、モードホッピングによるデフォーカス成分の変化が良好に補正されていることがわかる。
更に、環境温度が30度上昇した場合の、青紫色半導体レーザの発振波長を409.5nm、その際の収差補正素子L1の屈折率を1.52079、集光素子L2の屈折率を1.55671としたとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量116mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には45mλRMSとなり、環境温度変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
また、表16には、本実施例の光学素子に、コマ収差補正素子としてのカップリングレンズCULを組合わせた数値データも示されている。CDに対する情報の記録/再生時における、光学素子の光軸に垂直な方向へのシフト量を0.2mmとしたとき、光学素子単独のコマ収差の発生量51mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には20mλRMSとなり、光学素子のシフトに伴うコマ収差変化が良好に補正されていることがわかる。
また、第12の光学機能領域AREA12に形成した回折構造DOE5と、第13の光学機能領域AREA13に形成した回折構造DOE6の作用により、青紫色領域における色収差と環境温度変化に伴う球面収差変化を補正している。
モードホッピングによる青紫色半導体レーザLD1の波長変化量を+1nmと仮定したとき、集光素子L2単独でのデフォーカス成分の変化量151mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には32mλRMSとなり、モードホッピングによるデフォーカス成分の変化が良好に補正されていることがわかる。
また、表17には、本実施例の光学素子に、発散角変換素子としてのカップリン
グレンズCULを組合わせた数値データも示されている。
カップリングレンズCULは、第14の光学機能領域AREA14に形成された重畳型回折構造HOE6の作用を利用して、第1の発光点EP1から射出された波長λ2のレーザ光束と、第2の発光点EP2から射出された波長λ3のレーザ光束との発散角を、それぞれ、対物光学系OBJの波長λ2に対する倍率m2と、波長λ3に対する倍率m3とに対応する発散角に変換して射出するための光学素子である。
14に示したような第5の光ピックアップ装置PU5の対物光学系OBJとして最適な光学素子であり、その具体的な数値データを表18に示す。
重畳型回折構造の作用より、高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行う方法として、波長λ2の光束に対して補正補足の球面収差を付加させる方法と、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーを負に設定する方法があるが、前者は、収差補正素子L1と集光素子L2との光軸ずれによる波長λ2の光束のコマ収差発生が大きくなり、後者は、波長λ2の軸外光束が入射した場合に、コマ収差発生が大きくなるという問題がある。
本実施例における重畳型回折構造HOE4(HOE8)では、両者を組合わせることで高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行っており、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーの決定の際には、収差補正素子L1と集光素子L2との光軸ずれによるコマ収差発生を緩和しつつ、波長λ2の光束に対する軸外特性が劣化しすぎないように留意した。
また、第8(第20)の光学機能領域AREA8(AREA20)に形成した回折構造DOE3(DOE8)と、第9(第21)の光学機能領域AREA9(AREA21)に形成した回折構造DOE4(DOE9)の作用により、青紫色領域における色収差と環境温度変化に伴う球面収差変化を補正している。
モードホッピングによる青紫色半導体レーザの波長変化量を+1nmと仮定したとき、集光素子L2単独でのデフォーカス成分の変化量151mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には32mλRMSとなり、モードホッピングによるデフォーカス成分の変化が良好に補正されていることがわかる。
本実施例の光学素子では、実施例4の光学素子と同様に、波長λ2の光束に対して補正補足の球面収差を付加させる方法と、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーを負に設定する方法とを組合わせることで高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行っており、輪帯の幅の最小値は81μmである。
また、第8(第20)の光学機能領域AREA8(AREA20)に形成した回折構造DOE3(DOE8)と、第9(第21)の光学機能領域AREA9(AREA21)に形成した回折構造DOE4(DOE9)の作用により、青紫色領域における色収差と入射波長変化に伴う球面収差変化を補正している。
更に、青紫色半導体レーザの製造誤差による波長ばらつきを+10nmと仮定したとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量54mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には4mλRMSとなり、入射波長変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
実施例2の光学素子において、第6の光学機能領域AREA6に形成された重畳型回折構造HOE4の断面図を図16に、実施例4の光学素子において、第18の光学機能領域AREA18に形成された重畳型回折構造HOE8の断面図を図17に示す。
図中、横軸は光軸からの高さh(mm)を指し、縦軸は重畳型回折構造HOE4(HOE8)の光軸に垂直な方向の高さD(mm)を表す。
本実施例の光学素子では、重畳型回折構造HOE12の2次の光路差関数係数B2と、4次の光路差関数係数B4を異符号とすることにより、波長λ2の光束に対して補正補足の球面収差を付加させる方法と、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーを負に設定する方法とを組合わせることで高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行っている。重畳型回折構造HOE12の輪帯幅の最小値は117.4μmであり、十分な輪帯幅が得られているため金型加工が容易である。
また、収差補正素子L1の光ディスク側の光学機能面S2に形成された回折構造DOE13の作用により、青紫色領域における軸上色収差と環境温度変化に伴う球面収差変化を補正している。
更に、環境温度が30度上昇した場合の、青紫色半導体レーザの発振波長を408.5nm、その際の収差補正素子L1の屈折率を1.52094、集光素子L2の屈折率を1.55687としたとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量89mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には28mλRMSとなり、環境温度変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
本実施例の光学素子では、重畳型回折構造HOE13の2次の光路差関数係数B2と、4次の光路差関数係数B4を異符号とすることにより、波長λ2の光束に対して補正補足の球面収差を付加させる方法と、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーを負に設定する方法とを組合わせることで高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行っている。重畳型回折構造HOE13の輪帯幅の最小値は93.8μmであり、十分な輪帯幅が得られているため金型加工が容易である。
また、収差補正素子L1の光ディスク側の光学機能面S2に形成された回折構造DOE13の作用により、青紫色領域における軸上色収差と色球面収差変化を補正している。
更に、青紫色半導体レーザの製造誤差による波長ばらつきを+10nmと仮定したとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量47mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には4mλRMSとなり、入射波長変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
本実施例の光学素子では、重畳型回折構造HOE14の2次の光路差関数係数B2と、4次の光路差関数係数B4を異符号とすることにより、波長λ2の光束に対して補正補足の球面収差を付加させる方法と、波長λ2の光束に対する近軸における回折パワーを負に設定する方法とを組合わせることで高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差の補正を行っている。重畳型回折構造HOE14の輪帯幅の最小値は66.3μmであり、十分な輪帯幅が得られているため金型加工が容易である。
また、収差補正素子L1の半導体レーザ側の光学機能面S1に形成された光路差付与構造NPSの作用により、青紫色領域における環境温度変化に伴う球面収差変化を補正している。
更に、環境温度が30度上昇した場合の、青紫色半導体レーザの発振波長を408.5nm、その際の収差補正素子L1の屈折率を1.52094、集光素子L2の屈折率を1.55687としたとき、集光素子L2単独での球面収差成分の変化量81mλRMSに対し、集光素子L2に収差補正素子L1を組み合わせた場合には15mλRMSとなり、環境温度変化に伴う球面収差変化が良好に補正されていることがわかる。
号を表し、中心領域をi=0、中心領域の外側に隣接する第1輪帯をi=1、第1輪帯の外側に隣接する第2輪帯をi=2・・・・としている。hiSは中心領域及び各輪帯の始点高さ、hiLは中心領域及び各輪帯の終点高さを表す。また、mi1dは、中心領域に対する各輪帯の光軸方向への変移量を表す。例えば、第2輪帯(i=2)は、中心領域(i=0)に対して光ディスク側へ7.761μm変移しており、第6輪帯(i=6)は、中心領域(i=0)に対してレーザ光源側へ7.761μm変移している。また、mi1は中心領域に対する各輪帯の光路長差を波長λ1(=407nm)を単位として表した値であり、mi2は中心領域に対する各輪帯の光路長差を波長λ2(λ2=660nm)を単位として表した値である。例えば、第2輪帯は中心領域に対して10×λ1(=6×λ2)だけ光路長が短く、第6輪帯は中心領域に対して10×λ1(=6×λ2)だけ光路長が長い。
また、高密度光ディスクHDとCDとの保護層の厚さの違いによる球面収差は、エキスパンダーレンズの負レンズを光軸方向に動かして、対物光学系の倍率を変化させることで補正している。
また、入射光束の波長が変わると、色収差の影響で、エキスパンダーレンズから射出される光束の発散度が変化する。そこで、DVDに対する記録/再生時には、エキスパンダーレンズから射出される第2光束が平行光束となるように、負レンズと正レンズとの間隔が高密度光ディスクHDの場合よりも広くなるように負レンズを動かしている。
尚、重畳型回折構造で発生する第1光束の0次回折光(透過光)の回折効率は100%、第2光束の1次回折光の回折効率は87%、第3光束の0次回折光(透過光)の回折効率は100%であり、何れの光束に対しても高い回折効率を得ている。
また、高密度光ディスクHDとCDとの保護層の厚さの違いによる球面収差は、コリメートレンズを光軸方向に動かして、対物光学系の倍率を変化させることで補正しているが、回折構造で、第1光束乃至第3光束の1次回折光を利用することで、高密度光ディスクHDとCDとの保護層の厚さの違いによる球面収差を低減しているため、コリメートレンズの移動量が小さくてすみ、また、対物光学系のトラッキング特性を良好なものにしている。
尚、回折構造で発生する第1光束の1次回折光の回折効率は88%、第2光束の1次回
折光の回折効率は76%、第3光束の1次回折光の回折効率は50%であり、製造波長λBを480nmに設定することで、記録時の高速化が要求される高密度光ディスクHDとDVDに対して高い回折効率を得ている。
畳型回折構造の作用により、高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差を補正したHD/DVD互換レンズである。尚、集光素子は、高密度光ディスクHDに対して球面収差補正が最適化されたレンズである。
また、入射光束の波長が変わると、色収差の影響で、エキスパンダーレンズから射出される光束の発散度が変化する。そこで、DVDに対する記録/再生時には、エキスパンダーレンズから射出される第2光束が平行光束となるように、負レンズと正レンズとの間隔が高密度光ディスクHDの場合よりも広くなるように負レンズを動かしている。
L1 重畳型回折構造光学素子
L2 集光素子
HOE 重畳型回折構造
DOE 回折構造
Claims (12)
- 第1光源から射出される第1波長λ1の光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行い、第2光源から射出される第2波長λ2(λ2>λ1)の光束を用いて厚さt2(t2>t1)の保護層を有する第2光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行い、第3光源から射出される第3波長λ3(λ3>λ2)の光束を用いて厚さt3(t3>t2)の保護層を有する第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置用の光学素子であって、
前記光学素子の光学機能面のうち、少なくとも1つの光学機能面は、光軸を中心とした同心円状の複数の光学機能領域に分割され、
前記複数の光学機能領域のうち、少なくとも光軸を含む光学機能領域には、その内部に複数の段差が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配された構造である重畳型回折構造が形成されており、
前記第1波長λ1の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数と、前記第2波長λ2の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数と、前記第3波長λ3の光束が前記重畳型回折構造に入射した際に発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折光の回折次数とは、それぞれ異なるとともに、当該回折次数のうち、少なくとも一つが正の回折次数であり、少なくとも一つが負の回折次数であることを特徴とする光ピックアップ装置用の光学素子。 - 前記複数の光学機能領域の全てに、前記重畳型回折構造が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記複数の光学機能領域のうち、少なくとも1つの光学機能領域には、前記重畳型回折構造が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記複数の光学機能領域は、3つの光学機能領域であり、前記3つの光学機能領域のうち、光軸を含む光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束乃至前記第3波長λ3の光束は、それぞれ、前記第1光情報記録媒体乃至前記第3光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記3つの光学機能領域のうち、前記光軸を含む光学機能領域の外側に隣接する光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束及び前記第2波長λ2の光束は、それぞれ、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記3つの光学機能領域のうち、最も外側の光学機能領域に入射した前記第1波長λ1の光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面上に集光することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記第2波長λ2の光束に対する前記重畳型回折構造の近軸における回折パワーが負であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記重畳型回折構造は、前記第2波長λ2の光束に対して補正不足の球面収差を付加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記第2波長λ2の光束に対する前記重畳型回折構造の近軸における回折パワーが正であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記重畳型回折構造は、前記第2波長λ2の光束に対して補正過剰の球面収差を付加することを特徴とする請求項1乃至4及び7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
- 前記重畳型回折構造において、各輪帯内に形成された前記段差のうち、隣接する段差間の光軸に垂直な方向の間隔の最小値Pが以下の(31)式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
P>3μm (31) - 前記重畳型回折構造において、各輪帯内に形成された前記段差のうち、隣接する段差間の光軸に垂直な方向の間隔の最小値Pが以下の(32)式を満たすことを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
P>5μm (32) - 前記重畳型回折構造において、各輪帯内に形成された前記段差のうち、隣接する段差間の光軸に垂直な方向の間隔の最小値Pが以下の(33)式を満たすことを特徴とする請求項10に記載の光ピックアップ装置用の光学素子。
P>10μm (33) - 第1光源から射出される第1波長λ1の光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行い、第2光源から射出される第2波長λ2(λ2>λ1)の光束を用いて厚さt2(t2>t1)の保護層を有する第2光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行い、第3光源から射出される第3波長λ3(λ3>λ2)の光束を用いて厚さt3(t3>t2)の保護層を有する第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置用の光学素子を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
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