JP4788907B2 - シリコーン樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分子鎖末端にSiOH基を有するシリコーン樹脂の製造方法に関する。
分子鎖末端にSiOH基を含むシリコーン樹脂は、従来より公知の物質で、その優れた耐熱性、耐候性、硬質な特徴を生かして、耐熱性塗料、耐候性塗料として使用されている。また、各種有機樹脂と反応させることによりハイブリッド樹脂を製造するための変性原料としても有用で、種々の分野で使用されてきている。
シリコーン樹脂を製造する場合、使用する原料により2種類に大別される。加水分解性基がClであるクロルシランを出発物質に使用すると、余分の工程を経ないため経済的に有利となるが、クロルシランの水に対する反応性が非常に高いため、使用シランに制限を受けたり、加水分解性の制御が必要であるなどの欠点がある。一方、加水分解性が比較的低い加水分解性基がアルコキシ基であるアルコキシシランを使用すると、加水分解性の制御は特に必要でなくなり、製造は容易となるが、クロルシランを一度アルコキシ化する工程が必要なので、経済的には不利である。このような背景から、経済的に有利となるクロルシランを主として使用し、どのようなシラン構成にでも適用でき、排水などの環境にも優しいシリコーン樹脂の製造方法が望まれていた。
クロルシランを大過剰の水と直接反応させ、末端にSiOH基を有するシリコーン樹脂を製造する方法は、各種開発されている。クロルシランは反応性が激しいため、制御しないとゲル化してしまい、製造が不能であったり、均一な硬化物が得られず問題である。制御方法として、大量のアセトンやアルコールを併用する方法(特許文献1〜4:米国特許第4026868号明細書、米国特許第4029635号明細書、米国特許第4056492号明細書、米国特許第4379902号明細書)が開発されている。この方法ではゲルの発生を防止できるが、大量のアセトンやアルコール類を必要とするため決して経済的に有利ではなく、またアセトンやアルコール類が水に溶け易いため、水系に排出され環境的にも問題であり、それを解消するためには活性汚泥などの処理が別途必要となる。
加水分解により生成する塩酸をアルカリ金属カルボン酸塩により中和し、水相のpHを安定化すること、及びアルコール類を併用することで、シリコーン樹脂の分子量を制御する方法(特許文献5:特許第2977218号公報)も開発されている。この方法では分子量の制御は可能だが、原料にアルカリ金属カルボン酸塩を必要とするため経済的に有利ではなく、また排水中に大量の中和塩とアルコール類を排出するため、環境的にも問題がある。
また、メチルトリクロルシランを、メチルイソブチルケトンのような酸素含有有機溶媒を主として含む溶媒と水からなる2相分離系で加水分解する方法(特許文献6:特許第3112686号公報)も提案されている。この方法では、同時に塩酸の中和用に炭酸ナトリウムを使用する必要があるため、経済的に有利ではない。また、得られるシリコーン樹脂の構造を制御するため、2相系を維持する必要があり、大量生産することが難しい。また中和塩の処理も必要である。
また、70〜80℃に調節された温水中に、トルエンとヘキサンの混合溶媒に溶解させたクロルシランの混合物を滴下し、反応させる製造方法(特許文献7:特許第2864817号公報)も提案されている。環境を汚染するようなアルコール等を一切併用しないので優れた製造方法であるが、反応温度条件が高いため、CH3SiCl3の配合量の多い領域で、ゲルが発生することなく製造することが難しい。また、極性溶剤が存在しないため分子内縮合が進み、得られるシリコーン樹脂は、有機樹脂との混和性も劣るものとなってしまう。
以上のように、経済的にも有利で、環境にも問題がなく、品質的にも良好な、末端がSiOH基で封鎖されているシリコーン樹脂を製造できる製造方法はなかった。
米国特許第4026868号明細書 米国特許第4029635号明細書 米国特許第4056492号明細書 米国特許第4379902号明細書 特許第2977218号公報 特許第3112686号公報 特許第2864817号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、クロルシランの加水分解性の制御を軽減乃至はなくすことができ、保存安定性が高い分子鎖末端にSiOH基を有するシリコーン樹脂を経済的有利にかつ環境にも問題なく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、クロルシランを大量の水で直接加水分解する場合、ゲルを生成し、シリコーン樹脂の品質を不安定化するのは、CH3SiCl3の存在が原因であるとわかった。他のクロルシランと比較して、CH3SiCl3は水に対する反応性が著しく高く、それが原因で、このシラン単独で加水分解・縮合しゲル化する傾向があるため、CH3SiCl3を含むシラン混合物を大量の水で直接加水分解する場合には、このシランの加水分解性を制御する必要があることを見出し、CH3SiCl3を含まないクロルシランを用いて加水分解することにより、上記目的を効果的に達し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、
(1)CH3Si(OR’)Cl2 CH3Si(OR’)2Clとの混合物又はCH 3 Si(OR’)Cl 2 とCH 3 Si(OR’) 2 ClとCH 3 Si(OR’) 3 との混合物(但し、R’は炭素数3〜10のアルキル基又はアリール基を表す)と、
(2)(CH32SiCl2
(CH33SiCl、
65SiCl3
(C652SiCl2
65(CH3)SiCl2
37SiCl3
613SiCl3
1021SiCl3
CH2=CHSiCl3及び
CH2=CH(CH3)SiCl2
から選ばれるCH3SiCl3以外のクロルシランと
をモル比として(1)/(2)=5/95〜98/2の割合で用いたシラン原料を、
(A)水と、
(B)水と混合、静置すると水と2相に分離する有機溶媒と
のみからなる溶媒混合物を撹拌しているところに、上記シラン原料中の加水分解性基Si−X(X=Cl及びOR’)に対する(A)成分の水のモル比が水/Si−X=5〜50の範囲を満たすように加え、反応させることを特徴とする分子鎖末端にSiOH基を有するシリコーン樹脂の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、末端がSiOH基で封鎖されたシリコーン樹脂を経済的にも有利で、環境に問題を与えることなく、容易に製造することができる。
本発明におけるシリコーン樹脂の製造方法において使用する原料は、
(1)下記一般式(i)で表わされるモノメチルシランの2種以上の混合物(C3Si(OR’)Cl2 CH3Si(OR’)2Clとの混合物又はCH 3 Si(OR’)Cl 2 とCH 3 Si(OR’) 2 ClとCH 3 Si(OR’) 3 との混合物)と、
CH3SiClm(OR’)3-m (i)
(式中、R’は炭素数3〜10のアルキル基又はアリール基を表し、m=0,1又は2である。)
(2)CH3SiCl3以外のクロルシランと
をモル比として(1)/(2)=5/95〜98/2の割合で用いたシラン原料である。
均一な加水分解・縮合を行うためには、加水分解に用いるシラン原料中にCH3SiCl3を含んではいけない。従って、CH3SiO3/2単位を系に導入したい場合、CH3SiCl3中のSi−Cl基を部分的にあるいは完全にSiOR’基に変換し、加水分解反応性を低減してから使用する必要がある。そのためには、R’基としては、嵩高く、疎水性の高い炭素数3〜10のアルキル基、あるいはフェニル基であることが好ましい。具体例としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基などを示すことができるが、これに限定されるものではない。炭素数2以下のアルキル基を使用すると、疎水性が不足なため、未だ加水分解速度が速くなるおそれがある。炭素数が10を超えると、疎水性が高すぎ、加水分解が進行しなくなるおそれが生じる。この中でも、適度な反応性を示すことから、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基が最も好ましい。
上記アルコキシ化したメチルシランとしては、1置換体のCH3Si(OR’)Cl2、2置換体のCH3Si(OR’)2Cl、3置換体のCH3Si(OR’)3及びこれらの混合物を使用することができる。廃水処理問題を考慮すると、できるだけ置換アルコキシ基数の少ないものを使用するのが好ましい。
次に、(2)成分の加水分解に併用されるシラン化合物としては、CH3SiCl3以外の加水分解性基にClを有するものは全て使用することができる。Cl以外の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアリール基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などのアルケニル基、シアノエチル基、クロルプロピル基、トリフルオロプロピル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロオクチルエチル基などのハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基、水素原子などを挙げることができる。また、アルコキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基などのCl以外の加水分解性基を廃水問題を考慮すると、含まない方がよい。加水分解性基の数が、3個のもの(CH3SiCl3以外)、2個のもの、1個のものいずれも使用することができる。
上記(2)成分のクロルシランの好ましい例としては、下記のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(CH32SiCl2
(CH33SiCl、
65SiCl3
(C652SiCl2
65(CH3)SiCl2
37SiCl3
613SiCl3
1021SiCl3
CH2=CHSiCl3
CH2=CH(CH3)SiCl2
(1)成分のシランと、(2)成分の併用可能なシランのモル比は、(1)/(2)=5/95〜98/2、好ましくは10/90〜98/2、更に好ましくは15/85〜98/2、特に好ましくは20/80〜98/2であり、上記範囲であれば、いかなる量比でも使用可能である。
本発明においては、上記シラン原料を、
(A)水と、
(B)水と混合、静置すると水と2相に分離する有機溶媒と
からなる溶媒混合物を撹拌しているところに、上記シラン原料中の加水分解性基Si−X(X=Cl及びOR’)に対する(A)成分の水のモル比が水/Si−X=5〜50の範囲を満たすように加え、反応させるものである。
ここで、使用する水の量は、(1)、(2)成分中のシラン原料に含まれるSi−X基に対して、モル比で水/Si−X=5〜50の範囲を満たすことが必要である。これ未満では、加水分解終了後の水相の塩酸濃度が高くなりすぎ、得られたSiOH基が不安定となり、縮合の進行を制御できなくなるため、好ましくない。一方、これを超過すると、廃棄する水相が多くなるため、収率の低下を招き、経済的に不利となるため、好ましくない。より好ましくは、モル比が7〜40の領域を満たすのがよい。
次に、使用する(B)成分の水と混合、静置すると2相に分離する有機溶媒について説明する。反応中シラン化合物及び得られたシリコーン樹脂を溶解するものであれば、いかなる有機溶媒も使用することが可能である。また、環境問題も考慮すれば、アセトンや低級アルコールのような水に対して自由に溶解する有機溶媒は適当ではなく、水系への溶解性が低い有機溶媒を使用するのが好ましい。
上記条件を満たす有機溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、アセトンを除く、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ヘプタン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒を具体例として挙げることができる。この有機溶媒の使用量は、得られるシリコーン樹脂の濃度が10〜80質量%の範囲を満たす量であればよい。これ未満であれば経済的に不利であり、これを超過すれば得られるシリコーン樹脂が不安定になるおそれがある。より好ましくは、20〜60質量%の範囲を満たすのがよい。
反応方法について以下に説明する。反応槽に、(A)成分の水と、(B)成分の水と混合、静置すると2相に分離する有機溶媒とを仕込み、撹拌する。ここに、(1)のCH3SiCl3を含まないモノメチルシラン又はそれらの混合物と(2)のCH3SiCl3以外のクロルシランとを上記割合で用いたシラン原料を、5〜70℃の温度範囲で、1分〜10時間を要して滴下する。より好ましい温度範囲は、10〜60℃の温度領域である。温度が高すぎると、縮合が進みすぎ、分子量の制御が難しくなるおそれがあり、このため必要に応じて冷却しながら滴下を行ってもよい。滴下終了後、目的の分子量になるまで、5〜70℃の温度範囲で0分〜10時間熟成してもよい。その後静置し、生成した塩酸水相を除く。引続き、残存するHCl分を除去するため、水洗を行う。必要に応じて濃縮し、シリコーン樹脂の溶液を得る。副生する塩酸水は、HClをガスとして回収するか、あるいは安価なNaOHで中和した後、活性汚泥処理するか、蒸溜により溶存有機溶媒を溜去した後、放水するのがよい。
得られるシリコーン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲になるのがよい。これ未満では、保存安定性に欠ける場合が生じ、これを超過するとゲル化し易くなるおそれがある。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部、本明細書中における平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量を示す。
[合成例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、CH3SiCl344.9g(0.30モル)を仕込み、25℃でよく撹拌しているところに、イソプロパノール27g(0.45モル)を1時間かけてゆっくり滴下し、脱塩酸反応を行った。得られた反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料のCH3SiCl3は完全に消失しており、イソプロポキシ基1置換体を39面積%、及びイソプロポキシ基2置換体を61面積%含むシラン混合物(I)を得た。
[合成例2]
合成例1におけるイソプロパノールの代わりに、イソブタノール33.3g(0.45モル)を用いて同様に反応させ、シラン混合物(II)を得た。この混合物中には、CH3SiCl3は残存していなかった。
[比較合成例1]
合成例1におけるイソプロパノールの量を18g(0.3モル)に変更して、同様に反応させ、シラン混合物(III)を得た。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料のCH3SiCl3が16面積%残存しており、イソプロポキシ基1置換体が50面積%、及びイソプロポキシ基2置換体が34面積%の存在することが観測された。
[比較合成例2]
合成例1におけるイソプロパノールの代わりに、メタノール28.8g(0.90モル)を用いて同様に反応させ、シラン混合物(IV)を得た。この混合物中には、CH3SiCl3は残存していなかった。
[実施例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、水720g(40.0モル)とキシレン220gを仕込み、撹拌した。ここに25℃で、上記シラン混合物(I)55.5gと(CH32SiCl238.7g(0.3モル)と、C65SiCl384.6g(0.40モル)の混合物を、1時間を要して滴下した。滴下中発熱したが、適宜冷却し、内温が40℃を超えないように制御した。滴下終了後、40℃で2時間熟成した。熟成終了後、塩酸水相から有機相を分離した。この有機相を、食塩水を用いて3回洗浄し、有機相からCl分を除去した。その後、不揮発分が50%になるまで、減圧下で濃縮し、加圧濾過を行い、シリコーン樹脂溶液(1)を得た。
分析の結果、得られたシリコーン樹脂の平均分子量は3,420で、OH(SiOH)基量はシリコーン樹脂固型分当たり4.7%、OiPr(SiOiPr)基量は0.1%であった。このシリコーン樹脂溶液を40℃で1ヶ月間保存したところ、平均分子量は3,470であり、保存安定性が良好なことが確認された。
分離した塩酸水を中和した後、蒸溜によりイソプロパノールを回収したところ、合成例1で使用したイソプロパノールの92%に相当する24.8gが回収され、リサイクル使用可能であった。従って、活性汚泥処理が必要な廃棄されたイソプロパノールは2.2gと僅かであり、本製造方法は環境に易しい処方であることが証明された。
[実施例2]
実施例1のシラン混合物(I)の代わりに、シラン混合物(II)を用いて同様な製造を行い、シリコーン樹脂溶液(2)を得た。得られたシリコーン樹脂の平均分子量は、3,330であった。また、水酸基量は4.5%、SiOiBu基量は0.3%であった。
[比較例1]
実施例1のシラン混合物(I)の代わりに、シラン混合物(III)を用いて同様な製造を行った。反応時、フラスコの壁に多量のゲル状物が付着した。同様に仕上げて、濾過を行ったところ、目詰まりして、濾過ができなかった。ゲル状物を分析したところ、CH3SiO3/2単位を主成分とするものであることが確認された。シラン混合物中にCH3SiCl3を含んでいたのが原因と考えられた。
[比較例2]
実施例1のシラン混合物(I)の代わりに、シラン混合物(IV)を用いて同様な製造を行った。反応時、フラスコの壁に多量のゲル状物が付着した。同様に仕上げて、濾過を行ったところ、目詰まりして、濾過ができなかった。ゲル状物を分析したところ、CH3SiO3/2単位を主成分とするものであることが確認された。CH3Si(OCH33化しても、加水分解性を制御できず、ゲルの生成は防止できなかった。
[比較例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、水540g(30.0モル)、トルエン150g及びアセトン150gを仕込み、撹拌した。ここに25℃で、CH3SiCl344.9g(0.30モル)、(CH32SiCl238.7g(0.3モル)、C65SiCl384.6g(0.40モル)及びアセトン150gの混合物を、1時間を要して滴下した。滴下中発熱したが、適宜冷却し、内温が40℃を超えないように制御した。滴下終了後、15分間撹拌を継続した。熟成終了後、塩酸水相から有機相を分離した。この有機相を、食塩水を用いて3回洗浄し、有機相からCl分を除去した。その後、加圧濾過を行い、シリコーン樹脂溶液(3)を得た。得られたシリコーン樹脂の平均分子量は3,850であった。このシリコーン樹脂を40℃で保存したところ、1ヶ月間で平均分子量は5,650まで上昇し、保存安定性は不十分であった。
また、使用したアセトン300gは、水相から回収できなかった。

Claims (3)

  1. (1)CH3Si(OR’)Cl2 CH3Si(OR’)2Clとの混合物又はCH 3 Si(OR’)Cl 2 とCH 3 Si(OR’) 2 ClとCH 3 Si(OR’) 3 との混合物(但し、R’は炭素数3〜10のアルキル基又はアリール基を表す)と、
    (2)(CH32SiCl2
    (CH33SiCl、
    65SiCl3
    (C652SiCl2
    65(CH3)SiCl2
    37SiCl3
    613SiCl3
    1021SiCl3
    CH2=CHSiCl3及び
    CH2=CH(CH3)SiCl2
    から選ばれるCH3SiCl3以外のクロルシランと
    をモル比として(1)/(2)=5/95〜98/2の割合で用いたシラン原料を、
    (A)水と、
    (B)水と混合、静置すると水と2相に分離する有機溶媒と
    のみからなる溶媒混合物を撹拌しているところに、上記シラン原料中の加水分解性基Si−X(X=Cl及びOR’)に対する(A)成分の水のモル比が水/Si−X=5〜50の範囲を満たすように加え、反応させることを特徴とする分子鎖末端にSiOH基を有するシリコーン樹脂の製造方法。
  2. R’が、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はフェニル基である請求項1記載の製造方法。
  3. (B)成分の有機溶媒が、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタン、ヘキサン又は酢酸イソブチルである請求項1又は2記載の製造方法。
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