JPH08302211A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH08302211A
JPH08302211A JP11069795A JP11069795A JPH08302211A JP H08302211 A JPH08302211 A JP H08302211A JP 11069795 A JP11069795 A JP 11069795A JP 11069795 A JP11069795 A JP 11069795A JP H08302211 A JPH08302211 A JP H08302211A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
flame
component
parts
silicone resin
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Application number
JP11069795A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kimura
博 木村
Kazuya Yonekura
和也 米倉
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時や成形品の熱分解時に腐食性のガスや
有毒性のガスの発生がないと共に、良好な成形加工性が
得られ、かつ成形品としたときに高度の難燃性を付与す
ることが可能な難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)熱可塑性樹脂 100重量部、(B) RSi
O 1.5 単位を30〜99モル% 、 R2 SiO 単位を 0〜80モル
% 、 R3 SiO 0.5 単位を 1〜70モル% 、およびSiO2
位を 0〜50モル% (Rは互いに同一または異種の置換また
は非置換の 1価炭化水素基を示す)から実質的になるシ
リコーン樹脂 0.5〜20重量部、(C)リンおよび窒素を
共に含有する化合物、またはリン含有化合物と窒素含有
化合物との混合物 0.1〜40重量部、および(D)多価ア
ルコール 0.1〜10重量部を含有する難燃性熱可塑性樹脂
組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性熱可塑性樹脂組
成物に係り、さらに詳しくは熱可塑性樹脂を主成分と
し、腐食性のガスや有毒性のガスの発生がなく、かつ成
形加工性の低下が少なく、成形品としたときに高度の難
燃性を付与することができる難燃性熱可塑性樹脂に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂に対する難燃特性の要求
は、年々厳しくなってきている。このような熱可塑性樹
脂に対する要求に応じるために多くの努力がなされてい
るが、十分に対応できていないのが現状である。
【0003】すなわち、従来、熱可塑性樹脂組成物に難
燃性を付与する際には、多量のハロゲン化合物を添加す
ることが一般的であった。しかし、このような難燃性熱
可塑性樹脂組成物は、熱分解時に腐食性のガスや有毒性
のガスが発生するという問題を有していた。
【0004】上述したような問題を解決するために、例
えば特表昭 59-500099号公報には、極力ハロゲン化物の
添加を減じて、その影響をできるだけ少なくするための
難燃化剤として、第2A族金属有機塩例えばマグネシウム
ステアレートやカルシウムオレート等と、シリコーンオ
イルおよびシリコーン樹脂とを配合することが記載され
ている。しかしながら、上記難燃化剤はデカブロモジフ
ェニルオキシドのような有機ハロゲン化物の添加量を少
なくするために、それと併用されるものであるため、ハ
ロゲン化物の熱分解による腐食性ガスや有毒性ガスの発
生を完全に防ぐことはできない。
【0005】また、ハロゲン化物を用いない例として
は、例えば特開昭64-14277号公報に、熱可塑性樹脂にシ
リコーンオイル、シリコーン樹脂およびガス発生剤を配
合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物が記載されてお
り、また特公平6-6655号公報にはシランカップリング剤
とポリリン酸アンモニウムまたはメラミン変性ポリリン
酸アンモニウムとを配合してなる難燃性ポリプロピレン
樹脂が記載されている。これらは成形時や成形品の熱分
解時に発生する腐食性ガスや有毒性ガスの量は少ないも
のの、必ずしも十分に満足し得る性質は得られていな
い。
【0006】特に、上記特開昭64-14277号公報において
は、シリコーンオイルおよびシリコーン樹脂の各成分を
必須とする難燃性添加剤が使用されており、基本的には
シリコーンオイルに可溶なシリコーン樹脂を用いて、そ
れらの溶解混合物を使用しており、この溶解混合物が粘
稠となることから、取扱いが非常に困難になるという欠
点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の有機ハロゲン化物を用いない難燃性熱可塑性樹脂組成
物は、成形時や成形品の熱分解時に腐食性ガスや有毒性
ガスの発生は少ないものの、成形性等が低下して取扱い
が非常に困難になるといった問題を有していた。このよ
うなことから、有機ハロゲン化物を基本的には使用する
ことなく、高度な難燃性を成形品に付与することができ
ると共に、成形加工性の低下が少ない難燃性熱可塑性樹
脂組成物が強く求められている。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、ハロゲン化物を必須とせず、成形時
や成形品の熱分解時に腐食性ガスや有毒性ガスを発生さ
せることがないと共に、良好な成形加工性が得られ、か
つ成形品としたときに高度の難燃性を付与することが可
能な難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者等
は、上記目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、
熱可塑性樹脂に特定のシリコーン樹脂とリンおよび窒素
を共に含有する化合物または混合物を配合することによ
って、良好な特性を有する難燃性熱可塑性樹脂組成物が
得られることを見出し、本発明を成すに至った。
【0010】すなわち、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組
成物は、請求項1に記載したように、(A)熱可塑性樹
脂 100重量部、(B)RSiO1.5 単位を30〜99モル% 、 R
2 SiO 単位を 0〜80モル% 、 R3 SiO 0.5 単位を 1〜70
モル% 、および SiO2 単位を0〜50モル% (ただし、 R
は互いに同一または異種の置換または非置換の 1価炭化
水素基を示す)から実質的になるシリコーン樹脂 0.5〜
20重量部、(C)リンおよび窒素を共に含有する化合
物、またはリン含有化合物と窒素含有化合物との混合物
0.1〜40重量部、および(D)多価アルコール 0.1〜10
重量部を含有することを特徴としている。
【0011】本発明の組成物における(A)成分は熱可
塑性樹脂であり、その種類は特に限定されるものでは
く、ブロー、押出および射出成形が可能な熱可塑性樹脂
が包含される。特に、これらの熱可塑性樹脂には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PVC、ポ
リブタジエンのようなポリオレフィン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポ
リ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサン
ジメタノールテレフタレート)等を始めとするポリエス
テル、ポリ(フェニレンオキサイド)、ポリイミド、ポ
リアクリレート、ポリエーテル、エポキシ等が含まれ
る。これらのうち、特にポリオレフィンが難燃性や機械
的強度への効果に優れることから好ましい。また、本発
明の組成物には、溶融温度が約423Kより高い熱可塑性樹
脂を使用することが特に有利である。本発明の組成物で
用いられる(B)成分は、本発明の特徴をなす成分であ
り、 RSiO 1.5 単位 =30〜99モル% 、 R2 SiO 単位 = 0〜80モル% 、 R3 SiO 0.5 単位 = 1〜70モル% 、 および、 SiO2 単位= 0〜50モル% (Rは互いに同一または異種の置換または非置換の 1価炭
化水素基を示す)から実質的になるシリコーン樹脂であ
る。
【0012】上記 R基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリ
ル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシク
ロアルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合し
た水素原子をシアノ基、アミノ基等で置換した基、例え
ばシアノメチル基、γ- アミノプロピル基、N-(β- ア
ミノエチル)-γ- アミノプロピル基等が例示される。合
成のし易さ、原料の入手のし易さから、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましい。
【0013】本発明における(B)成分としては、実質
的に R3 SiO 0.5 単位とRSiO1.5 単位とからなるシリコ
ーン樹脂が好ましい。この場合、 R3 SiO0.5 単位は、
RSiO1.5 単位30〜99モル% に対して 1〜70モル% である
ことが必要で、 R3 SiO 0.5単位が 1モル% 未満である
と本発明の効果、すなわち難燃性や成形加工性への効果
が十分得られず、また70モル% より多いと(B)成分と
してのシリコーン樹脂の合成が困難となる。(B)成分
としてのシリコーン樹脂は、 R2 SiO 単位とSiO2 単位
を必ずしも含有してはならないものではないが、 R2 Si
O 単位が80モル% を超えると難燃性への効果が不十分と
なり、また SiO2 単位が50モル% を超えると熱可塑性樹
脂に良好に分散するものが得にくくなるため、 R2 SiO
単位および SiO2 単位の含有量は上記範囲以下とする。
【0014】(B)成分のシリコーン樹脂としては、特
に良好な難燃性向上効果と成形加工性の向上効果が得ら
れる、RSiO1.5 単位50〜99モル% と R3 SiO 0.5 単位 1
〜50モル% とから実質的になるものがより好ましく、さ
らに好ましくはRSiO1.5 単位80〜95モル% と R3 SiO
0.5 単位 5〜20モル% とから実質的になるシリコーン樹
脂である。
【0015】上述したRSiO1.5 単位と R3 SiO 0.5 単位
とから実質的になるシリコーン樹脂は公知の方法で合成
でき、例えばオルガノクロロシランやオルガノアルコキ
シシラン等を過剰の水で加水分解・縮合反応させること
により得られる。特に、シラノール基を含有するポリオ
ルガノシロキサンのシラノール基を、トリオルガノシリ
ル化することによって得ることが好ましい。
【0016】例えば、 (a) R′a Si(OH)b O ((4-a-b)/2) (式中、 R′は互いに同一または異種の置換または非置
換の 1価炭化水素基を示し、 aおよび bは 0.2≦ a≦
2.0、 0.001≦ b≦ 3、 a+b≦ 4を満足する数である)
で表される、分子中にシラノール基を含有するポリオル
ガノシロキサン 100重量部に対して、 (b) (R′3 Si)c Z (式中、 R′は互いに同一または異種の置換または非置
換の 1価炭化水素基を示し、 cは 1または 2を表し、 Z
は cが 1のときは水素原子、水酸基または加水分解性基
を示し、 cが 2のときは -O-、-N(X)-または -S-を示す
(ここで、 Xは水素原子、炭素数 1〜 4の 1価炭化水素
基または R′3 Si- を表す))で表されるシリコーン化
合物 5〜 100重量部を反応させることにより得られる。
ここで、 R′基としては前述した R基と同様な 1価炭化
水素基が例示される。上記(a)成分のポリオルガノシ
ロキサンは公知の方法で合成でき、例えばオルガノクロ
ロシランやオルガノアルコキシシラン等を過剰の水で加
水分解・縮合反応させることにより得られる。このよう
な反応において、水の量や加水分解触媒の種類、縮合反
応の時間や温度等を調整することにより、各種の重合度
のポリオルガノシロキサンが得られる。このようにして
得られるポリオルガノシロキサンは一般にシラノール基
を含有する。
【0017】本発明における(B)成分のシリコーン樹
脂としては、(A)成分への配合性、成形のしやすさ、
難燃性の付与性等を考慮して、揮発成分が少なく、室温
で固体であり、また適度な熱可塑性を有するものが好ま
しい。そのため、原料である(a)成分のシラノール基
含有ポリオルガノシロキサンの分子量は1000〜100000の
範囲が好ましく、特に好ましくは6000〜 20000である。
このようなポリオルガノシロキサンは一般に 1〜10重量
% のシラノール基を含有するが、本発明においては 1〜
5重量% のものを使用することが好ましい。また、入手
がしやすく、かつトリオルガノシリル化が容易であるこ
とに加え、軟化点が高く揮発成分の少ないシリコーン樹
脂が得られることから、(a)成分としては a=1の場合
のシラノール基含有オルガノポリシルセスキオキサンを
用いることが好ましい。
【0018】ここで、一般にシリコーン樹脂は、RSiO
1.5 単位、 R2 SiO 単位、 R3 SiO 0.5 単位および SiO
2 単位の種々の組合せからなり、それぞれの単位に対応
した加水分解性シランを任意に組合せて共加水分解する
ことにより得られる。しかし、この場合は重合度の制御
が難しく、一般に液状あるいはゴム状の生成物が得られ
る。本発明で(B)成分として使用されるシリコーン樹
脂には、上述したような特性が求められることから、前
述したようにRSiO1.5 単位と R3 SiO 0.5 単位とからな
るシリコーン樹脂を用いることが好ましい。そして、こ
のようなシリコーン樹脂を得るためには、(a)成分と
してシラノール基含有オルガノポリシルセスキオキサン
を合成した後、そのシラノール基をトリオルガノシリル
化することが好ましい。
【0019】オルガノポリシルセスキオキサンは、オル
ガノトリクロロシランやオルガノトリアルコキシシラン
を、前述したように加水分解・縮合反応させることによ
り得られる。このようにして得られるオルガノポリシル
セスキオキサンは、残存シラノール基を含有し、一般に
室温で液状または熱可塑性を有する固体状であり、長期
の高温加熱によって熱硬化性を示すことが多い。このう
ち、難燃性熱可塑性樹脂組成物に配合した場合に、特に
良好な特性を示すシリコーン樹脂が得られることから、
軟化点が 283〜573Kのオルガノポリシルセスキオキサン
を使用することが好ましい。
【0020】上述した(b)成分の(R′3 Si)c Z で表
されるシリコーン化合物は、(a)成分中のシラノール
基をシリル化するものである。ここで、 Zの加水分解性
基としては、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシ
ル基、イソプロポキシル基、ブトキシル基等のアルコキ
シル基、プロペノキシ基等のアルケニルオキシ基、アセ
トキシ基、ベンゾキシ基等のアシロキシ基、アセトンオ
キシム基、ブタノンオキシム基等のオルガノオキシム
基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等の
オルガノアミノキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のオルガノアミノ
基、N-メチルアセトアミド基等のオルガノアミド基等が
例示される。原料の入手や反応の制御が容易なことから
アルコキシル基が好ましく、特にメトキシル基やエトキ
シル基が好ましい。
【0021】(b)成分の具体例としては、トリメチル
シラン、トリエチルシラン等のハイドロジェンシラン、
トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ト
リフェニルクロロシラン等のクロロシラン、トリメチル
シラノール等のシラノール、トリメチルメトキシシラ
ン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン、
(CH3 3 SiNHCH3 、 (CH3 3 SiNH C2 H 5 、 (C
H3 3 SiN(CH3 2 、 (CH3 3 Si N(C2 H 5 2
のアミノシラン、 (CH3 3 SiO COCH3 等のアシロキシ
シラン、ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニルテトラ
メチルジシラザン、[(CH3 3 Si]3 N 等のシラザン等
が挙げられる。これらの中でも、反応の制御や未反応物
の除去が容易なことから、シラザン類やクロロシラン類
が好ましく用いられる。
【0022】上述した(a)成分と(b)成分との反応
は、シラノールをシリル化する公知の方法で行うことが
できる。例えば、(b)成分がシラザンやクロロシラン
の場合、(a)成分と混合して加熱するだけで容易に反
応は進行する。(b)成分の使用量は(a)成分 100重
量部に対して 5〜 100重量部が好ましい。(b)成分が
5重量部未満であると、(a)成分のシラノール基を十
分にシリル化することができず、反応中にゲル化した
り、また得られるシリコーン樹脂の熱的安定性が損われ
る。一方、(b)成分が 100重量部を超えると、未反応
の(b)成分が過剰に残り、経済的に不利であるばかり
でなく、未反応の(b)成分を除くのに長時間を要す
る。
【0023】なお、上記シリル化反応はその反応温度を
制御したり、副反応の脱水縮合反応を抑制するために、
有機溶媒中で行うことが好ましい。このような有機溶媒
としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、工業用ガソ
リン、ミネラルスピリット、ケロシン等の炭化水素系溶
剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
剤、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素化炭化水
素系溶剤等が挙げられる。反応温度は特に制限はない
が、好ましくは室温から523Kの範囲である。反応によっ
て生成する塩酸、アンモニア、塩化アンモニウム、アル
コール等は水洗により除去、もしくは溶媒と同時に留去
することができる。
【0024】上述したような方法で得られるシリコーン
樹脂は、一般に 278〜578Kの軟化点を有し、有機溶剤に
可溶な液状あるいは熱可塑性を有する固体状の樹脂であ
り、また乳化剤等を使用してエマルジョン化が可能であ
る。従って、シリコーン樹脂粉末として一般に知られて
おり、熱可塑性を有さず、かつ有機溶剤に不溶のシリコ
ーン樹脂硬化物とは異なるものである。本発明の組成物
には、323K以上の軟化点を有するシリコーン樹脂が好ま
しい。特に好ましくは 333〜473Kの範囲の軟化点を有す
るシリコーン樹脂である。この場合、軟化点の異なるシ
リコーン樹脂を混合して、軟化点が323K以上となるよう
に調製して使用してもよい。また分子量は、原料の
(a)成分のポリオルガノシロキサンの分子量、シリル
化されるシラノール基、シリル化剤となる(b)成分の
種類等によって決まってくるが、上述した方法において
は(a)成分の分子量とほぼ同等となる。本発明の組成
物に配合する場合、特に良好な特性が得られることか
ら、分子量は1000〜100000の範囲が好ましく、特に好ま
しくは6000〜 20000である。
【0025】また、上述した方法により得られるシリコ
ーン樹脂は、シラノール基のシリル化により残存シラノ
ール量が少ないことを特徴としており、例えば 0.5重量
% 以下となる。このため、長期間の加熱等によっても硬
化することはなく、良好な安定性を示す。合成樹脂に配
合した場合、特に良好な特性が得られることから、残存
シラノール基量が 0.3重量% 以下のシリコーン樹脂を使
用することが好ましい。さらに、上述した方法によれ
ば、揮発性シリコーン分の少ないシリコーン樹脂が得ら
れる。特にポリオルガノシロキサンがオルガノポリシル
セスキオキサンの場合は、分子量のコントロール等が行
いやすく、トリオルガノシリル化することによって、特
に揮発性シリコーン分の少ないシリコーン樹脂が得られ
る。
【0026】さらに、上述した方法により得られるシリ
コーン樹脂は、上記したように、揮発分および残存シラ
ノール量が少ないという特徴を有しており、シリコーン
樹脂の成分を一度に共加水分解・縮合して得られる、一
般に知られるシリコーン樹脂では低揮発分および低残存
シラノール量というような特性は得られない。揮発分を
減らすために、あるいはシラノール量を縮合反応によっ
て減らすために、加熱等を行うと硬化した樹脂となり、
本発明で用いるシリコーン樹脂のように、熱可塑性を有
し、かつ加熱によっても安定な樹脂を得ることは難し
い。
【0027】本発明で使用する(B)成分のシリコーン
樹脂は、粉砕して平均粒子径が 1〜5000μm の粉末と
し、これを組成物に配合することが好ましい。この際、
シリコーン樹脂の軟化点が323K未満では室温で粉砕しず
らくなり、上記したような平均粒子径の粒子とすること
が困難となる。例え軟化点が323K未満のシリコーン樹脂
を冷凍粉砕しても、室温で保管する場合にブロッキング
して固まりとなる等、取扱い上困難が生ずる。本発明の
効果を十分に得るためには、シリコーン樹脂の軟化点は
333〜473Kの範囲が好ましい。シリコーン樹脂粉末の平
均粒子径は、組成物への分散性や本発明の効果等から、
上記したように 1〜5000μm の範囲が好ましい。粒子が
小さすぎると、粒子が空気中に舞いやすくなる等、取扱
い性が低下し、また大きすぎると(A)成分の熱可塑性
樹脂と均一に混合しずらくなる。特に好ましい平均粒子
径は 3〜3000μm の範囲である。
【0028】上述した(B)成分としてのシリコーン樹
脂は、前記した特開昭64-14277号公報に例示されるMT
シリコーン樹脂(M: R3 SiO 0.5 単位、T:RSiO1.5
単位)に代表され、シリコーン樹脂の構成単位の組合せ
としては同一である。またさらに、前記公報に示される
シリコーン樹脂は難燃性添加剤の一つとして例示されて
おり、難燃性の効果も示唆される。しかしながら、特開
昭64-14277号公報に記載された難燃化された組成物で
は、シリコーンオイルが主要成分として使用され、シリ
コーンオイルとシリコーン樹脂の併用が難燃化のための
必須条件とされており、本発明のようなシリコーンオイ
ルを配合しない組成物とは異なるものである。特にシリ
コーンオイルに溶解させずに、さらに固体状のシリコー
ン樹脂として使用できることは、取扱い上非常に有利で
あり、本発明の大きな特徴である。さらに、特開昭64-1
4277号公報では、実施例で具体的にMTシリコーン樹脂
の使用は例示されず、MQシリコーン樹脂(Q: SiO2
単位)の使用が例示されるのみであり、ましてや本発明
のような特定の割合のシロキサン単位からなるシリコー
ン樹脂の使用は示唆されていない。
【0029】(B)成分のシリコーン樹脂の配合量は、
(A)成分の熱可塑性樹脂 100重量部に対して 0.5〜20
重量部の範囲とする。(B)成分の配合量が 0.5重量部
未満であると、難燃性の付与や樹脂の特性改善効果が小
さく、また20重量部を超えると熱可塑性樹脂への良好な
分散が難しくなり、成形加工性や樹脂の特性が低下して
しまう。より好ましい配合量は 2〜10重量部である。
【0030】本発明の組成物における(C)成分は、リ
ンおよび窒素を共に含有する化合物、またはリン含有化
合物と窒素含有化合物との混合物であり、加熱下で不燃
性のガスを発生して、組成物の難燃性を向上させるもの
である。
【0031】(C)成分としてのリンおよび窒素を共に
含有する化合物としては、 (NH4 n+2 Pn O 3n+1(nは
2より大きい数である)を有するポリリン酸アンモニウ
ム、第一級オルトリン酸アンモニウム[(NH4 )H2 PO4 ]
、第二級オルトリン酸アンモニウム[(NH4 2 H P
O4 ]、第三級オルトリン酸アンモニウム[(NH4 3 PO
4 ]のようなリン酸アンモニウム、第一級ピロリン酸ア
ンモニウム[(NH4 )H3 P2 O7 ] 、第二級ピロリン酸ア
ンモニウム[(NH4 2 H2 P2 O 7 ] 、その他 (NH4
3 P2 O 7 等のピロリン酸アンモニウム、 (NH4 )H2 PO
3 、 (NH4 2 H PO3等の亜リン酸アンモニウム、 (NH
4 2 H2 P2 O 6 、 (NH4 2 H2 P2 O 5、 (N
H4 3 HP2 6 等の次リン酸アンモニウム、 (NH4 )H
2 PO2 、 (NH4 2H PO2 等の次亜リン酸アンモニウ
ム、 (NH4 )PO3 のようなメタリン酸、ならびに亜リン
酸二水素アンモニウム[(NH4 )H2 PO3 ] 等が例示され
る。
【0032】これらの他に、他の金属元素を有する化合
物を使用することもできる。例えば、リン酸アンモニウ
ムナトリウム[Na(NH4 )HPO4 ] 、リン酸マグネシウムア
ンモニウム[(NH4 )Mg PO4 ] 、リンモリブデン酸アンモ
ニウム[(NH4 3 PO4 ×12MoO 3 ]、リンタングステン
酸アンモニウム[(NH4 3 PO4 × 12WoO3 ]、リン酸コ
バルトアンモニウム[(NH4 )CoPO4 ]、リン酸マンガン
アンモニウム[(NH4 )MnPO4 ]等が挙げられる。さらに
ハロゲン含有化合物、例えば二フルオロリン酸アンモニ
ウム[(NH4 )PO2 F 2 ] 、ヘキサフルオロリン酸アンモ
ニウム[(NH4 )PF6 ] 、三塩化ジアミノリン [Cl3 P(NH
2 2 ] 、窒化塩化リン三量体[(PNCl23 ] 等、なら
びにその他のホスホアミド[OP(NH2 2 ] 、メタホスミ
ン酸[P3N 3 (OH)6 ] およびそのアンモニウム塩[P3 N
3 O 6 H 3 (NH4 3 ] 、トリチオリン酸アンモニウム
[(NH4 3 PO S3 ]等の化合物を使用することもでき
る。なお、上記の化合物の水和塩も包含される。
【0033】また、(C)成分としては、リン含有化合
物と窒素含有化合物との混合物を使用することもでき
る。リン含有化合物には、リン酸、亜リン酸、メタリン
酸、メタ亜リン酸、次亜リン酸、ピロ亜リン酸、次リン
酸、ピロリン酸および好ましくはそれらの塩が含まれ
る。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩、亜鉛塩、カドミウム塩、アンモニウム塩等があ
る。
【0034】リン含有化合物を例示すると、リン酸二水
素カリウム [KH2 PO4 ] 、亜リン酸水素二カリウム[K2
H PO3 ] 、ピロリン酸カリウム[K4 P2 O 7 ] 、ピロリ
ン酸マグネシウム [Mg2 P2 O 7 ] 、メタリン酸カリウ
ム [(KPO3 n ] 、リン酸水素カリウムナトリウム [Na
KHPO4 ×7H2 O]、ピロリン酸二水素二ナトリウム [Na2
H2 P2 O 7 ] 、メタリン酸ナトリウム[(NaPO3 6 ]
、次リン酸二水素二ナトリウム [Na2 H2 P2 O 6 ]
、リン酸三ナトリウム [Na3 PO4 × 12H2 O]、亜リン
酸水素二ナトリウム [Na2 H PO3 ×5H2 O]、リンモリブ
デン酸二ナトリウム[Na2 PO4 × 12MoO3 ] 、リン酸三
リチウム [Li3 PO4 ×1/2H2 O]、リン酸水素マグネシウ
ム[MgHPO4 ×3H2 O]、リン酸水素二ナトリウム [Na2 H
PO4 ] およびその水和塩 [Na2 H PO4 ×2H2 O ,Na2 H
PO4 ×7H2 O ,Na2 H PO4 × 12H2 O]、リン酸二水素ナ
トリウム[NaH2 PO4 × H2 O]、第一級リン酸水素−マグ
ネシウム[MgH4 (PO4 2 ×3H2 O]、リン酸三マグネシ
ウム [Mg3 (PO4 2 ×5H2 O]、第二級リン酸カルシウ
ム[CaHPO4 ×2H2 O]、第一級リン酸水素カルシウム[CaH
4 (PO4 2 ] 、亜リン酸カルシウム[CaHPO3 ] 、第三
級リン酸亜鉛 [Zn3 (PO4 2 ×4H2 O]、第二級亜リン
酸亜鉛[ZnHPO3 ] 、ピロリン酸亜鉛 [Zn2 P2 O7 ] 、
リン酸アルミニウム [AlPO4 ] 等が挙げられる。
【0035】窒素含有化合物としては、容易に入手でき
るアンモニウム化合物が好ましい。適したアンモニウム
化合物は、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸
水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム等であ
る。
【0036】もちろん、 2種以上のリン含有化合物を 2
種以上の窒素含有化合物と混合して使用してもよい。リ
ン含有化合物と窒素含有化合物との相対比は、良好な効
果が得られるように適宜設定され、使用する個々の化合
物に依存して変化する。
【0037】上述したような(C)成分のリンおよび窒
素を共に含有する化合物、またはリン含有化合物と窒素
含有化合物との混合物の配合量は、(A)成分 100重量
部に対して 0.1〜40重量部の範囲とする。(C)成分の
配合量が 0.1重量部未満であると、難燃性の向上が不十
分となり、一方40重量部を超えると成形品の機械的強度
が不十分となる。より好ましい配合量は 1〜30重量部の
範囲である。
【0038】本発明における(D)成分の多価アルコー
ルは、複数個のヒドロキシル基が結合している非環式化
合物または環式化合物であって、(C)成分と併用する
ことによって難燃性の効果を高める成分である。このよ
うな多価アルコールとしては、例えばペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリト
ール、ペンチトール類(アドニトール、アラビトール
等)、ヘキシトール類(ズルシトール、イノシトール
等)、サッカリド類(アミロース、キシラン等)、なら
びにこれらの誘導体(N-メチルグルカミン等)等が挙げ
られる。これらの中でも、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールが好ま
しい。また(D)成分の多価アルコールは 2種以上を混
合して使用してもよい。
【0039】上述したような(D)成分の多価アルコー
ルの配合量は、(A)成分 100重量部に対して 0.1〜10
重量部とする。(D)成分の配合量が 0.1重量部未満で
あると難燃性への効果が不十分となり、また10重量部を
超えると逆に難燃性が低下することになる。より好まし
い配合量は 1〜 8重量部の範囲である。
【0040】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、
(A)成分としての熱可塑性樹脂、特にブロー、押出、
射出成形が可能な熱可塑性樹脂に、前述の(B)成分の
シリコーン樹脂、ガス発生剤である(C)成分のリンお
よび窒素を共に含有する化合物またはリン含有化合物と
窒素含有化合物との混合物、および(D)成分の多価ア
ルコールを配合し、混練り装置や混和装置で混合するこ
とにより調製できる。
【0041】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物では、
(B)成分のシリコーン樹脂が大きな特徴となってい
る。前記した特表昭 59-500099号公報においても、シリ
コーン難燃剤の一成分としてMTシリコーン樹脂が例示
されており、難燃化剤として有効であることが示唆され
ているが、シリコーン油(シリコーンオイル)に上記M
Tシリコーン樹脂を溶解させた可溶形態のみが難燃性組
成物に使用できることを示唆しているだけであり、本発
明とは異なるものである。
【0042】特に、本発明の組成物における(B)成分
のシリコーン樹脂として、軟化点が323K以上で、有機溶
剤に可溶の常温固体の熱可塑性樹脂、例えば前述したシ
ラノール基を有するポリオルガノシロキサン((a)成
分)に、(R′3 Si)c Z で表されるシリコーン化合物
((b)成分)を反応させてシラノール基を封鎖したシ
リコーン樹脂を用いることにより軟化点が制御でき、ま
た熱可塑性樹脂に難燃性の付与や成形加工性の改善が図
れるだけでなく、成形品の引張り強さや曲げ強さ等の機
械的強度を向上させることができる。
【0043】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、前
述したように、成分(A)の熱可塑性樹脂、(B)成分
のシリコーン樹脂、(C)成分のリンおよび窒素を共に
含有する化合物またはリン含有化合物と窒素含有化合物
との混合物、(D)成分の多価アルコール、および必要
に応じて各種充填剤、顔料、その他の添加剤を、例えば
常法に従って溶融混練することによって調製できる。
【0044】本発明の組成物においては、(B)成分で
ある特定のシリコーン樹脂、特にシラノール基をトリオ
ルガノシリル基で封鎖したシリコーン樹脂を使用するこ
とによって、シリコーン樹脂をシリコーンオイルと予め
混合することなく、他の成分と良好に混合することがで
きるため、成形加工性を低下させることなく良好な特性
を有する組成物が容易に得られる。溶融混練りは、例え
ばヘンシェルミキサ、単軸または二軸押出機、バンバリ
ーミキサ、ロール等を用いる方法や、その他の常法によ
り行うことができる。特にヘンシェルミキサ、押出機、
バンバリーミキサを用いることが好ましい。
【0045】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、モ
ールディング、押出、圧縮、紡糸等によって、数多くの
有用な製品に成形することができる。これらの製品とし
ては、コーティング(塗膜)、射出成形品、シート、ウ
ェビング、繊維、その他の製品等が挙げられる。最終用
途としては、導電ワイヤ、電気器具ハウジング、ヘアド
ライヤ、自動車内装品、ファン、モータ、ポンプハウジ
ング、動力工具、電子機器ハウジング等がある。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、以下の実施例中における部は重量部を、また %は重
量% を表すものとする。また、粘度は298Kにおける値を
示すものとする。
【0047】まず、本発明の組成物における(B)成分
のシリコーン樹脂の調製例について述べる。
【0048】調製例1 メチルトリイソプロポキシシラン 220部(1モル)とトル
エン 150部をフラスコに仕込み、1%塩酸水溶液 108部を
20分かけて滴下し、上記シランを加水分解した。滴下40
分後に撹拌を止め、分液した後に有機層を水洗して塩酸
を除去し、さらにトルエンを減圧留去して、分子量 120
00、軟化点388K、シラノール基含有量1.2%のメチルポリ
シルセスキオキサンP-1 を調製した。
【0049】次に、上記メチルポリシルセスキオキサン
P-1 100部、トルエン 200部、トリメチルクロロシラン
10部およびヘキサメチルジシラザン50部をフラスコに仕
込み、加熱撹拌を行った。トルエンの還流温度で 2時間
加熱撹拌した後、反応によって生じたアンモニア、塩
酸、あるいはそれらの塩を水洗によって除去し、さらに
トルエンを減圧除去して、軟化点353Kのトリメチルシリ
ル化されたシリコーン樹脂を得た。これをジェットミル
粉砕機で粉砕して、平均粒子径 5μm のシリコーン樹脂
粉体B-1 とした。なお、このシリコーン樹脂粉体B-1 の
シラノール基含有量は0.3%であった。
【0050】ここで、軟化点はJIS C 2104の環球式軟化
点測定法に準じて測定した。また、分子量はGPC(HL
C-802U、東ソー(株)製)を用いてポリスチレン換算の
分子量として測定した。平均粒子径は、粒度分布測定装
置(CAPA-500、(株)掘場製作所製)を用いて測定し
た。上記分子量の測定では、メチルポリシルセスキオキ
サンとシリル化されたシリコーン樹脂の分子量はほぼ同
じ値を示した。また、シラノール基含有量は、シリコー
ン樹脂を573Kで 2時間加熱した際に発生した水分量を、
電量滴定式水分測定装置 CA-06型(三菱化成(株)製)
を使用して測定し、下記式により算出した。
【0051】シラノール基含有量(%)=(発生水分量×34
/18)/シリコーン樹脂重量×100 調製例2 0.5%塩酸水溶液を使用する以外は、調製例1と同様にし
て、分子量2000、軟化点318K、シラノール基含有量4.5%
のメチルポリシルセスキオキサンP-2 、および軟化点28
3Kのトルメチルシリル化されたシリコーン樹脂を得た。
このシリコーン樹脂のシラノール基含有量は0.4%であっ
た。
【0052】上記シリコーン樹脂と調製例1で作製した
軟化点353Kのシリコーン樹脂とを、1:1の重量比で熱溶
融させて均一に混合し、軟化点333Kのシリコーン樹脂を
得た。これをロートプレックス粉砕機で粉砕して、シリ
コーン樹脂粉体B-2 とした。この粉体をエアージェット
シーブ粒度分布測定機((独)ALPINE社(製))で測定
したところ、粒子径が 150μm 未満の粒子が 24%、 150
〜 250μm の粒子が14% 、 250〜 500μm の粒子が 32
%、 500〜1000μm の粒子が 25%、1000μm 以上の粒子
が5%という粒度分布を有していた。
【0053】調製例3 メチルトリイソプロポキシシラン 220部(1.0モル)に代
えて、該シラン 110部(0.5モル)とフェニルトリクロロ
シラン 105.8部(0.5モル)を用いると共に、1%塩酸水溶
液に代えて水を用いる以外は、調製例1と同様にして、
分子量 13000、軟化点403K、シラノール基含有量2.5%の
オルガノポリシルセスキオキサンP-3 、および軟化点36
3Kのトリメチルシリル化されたシリコーン樹脂を得た。
これをジェットミル粉砕機で粉砕して、平均粒子径 5μ
m のシリコーン樹脂粉体B-3 とした。ここで、平均粒子
径は調製例1と同様に測定した。また、シリコーン樹脂
粉体B-3 のシラノール基含有量は0.4%であった。
【0054】調製例4 調製例2で得られた軟化点283Kのシリコーン樹脂と、調
製例3で得られた軟化点368Kのシリコーン樹脂とを、
1:2の重量比で熱溶融させて均一に混合し、軟化点344K
のシリコーン樹脂を得た。これをロートプレックス粉砕
機で粉砕し、シリコーン樹脂粉体B-4 とした。この粉体
の粒度分布を調製例2と同様に測定したところ、 150μ
m 未満の粒子径の粒子が 30%、 150〜 250μm の粒子が
10%、 250〜 500μm の粒子か 30%、 500〜1000μm の
粒子が 21%、1000μm 以上の粒子が9%という粒度分布を
有していた。
【0055】調製例5 メチルトリイソプロポキシシラン 220部(1.0モル)に代
えて、該シラン55部(0.25モル)、フェニルトリクロロ
シラン 105.8部(0.5モル)およびジフェニルジクロロシ
ラン63.3部(0.25モル)を用いると共に、1%塩酸水溶液
に代えて水を用いる以外は、調製例1と同様にして、分
子量 13000、軟化点413K、シラノール基含有量2.8%のオ
ルガノポリシロキサンP-3 、および軟化点393Kのトリメ
チルシリル化されたシリコーン樹脂を得た。これをジェ
ットミル粉砕機で粉砕して、平均粒子径 5μm のシリコ
ーン樹脂粉体B-5 とした。ここで、平均粒子径は調製例
1と同様に測定した。また、シリコーン樹脂粉体B-5 の
シラノール基含有量は 0.4%であった。
【0056】次に、上記各調製例で得たシリコーン樹脂
粉体を用いた難燃性熱可塑性樹脂組成物の実施例につい
て述べる。
【0057】実施例1 (A)成分としてMFR(メルトフローレート)が 8.0g/10
分であるプロピレン単独重合体(三井ノーブレンミラス
ター・JHH-G(商品名、三井東圧(株)製))68.5部、
(B)成分として調製例1で得られたシリコーン樹脂粉
体B-1 8.3部、(C)成分としてポリリン酸アンモニウ
ム18.4部、および(D)成分としてペンタエリスリトー
ル 4.8部をヘンシェルミキサで混合し、さらに溶融混合
して、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物のペレットを
得た。得られた樹脂ペレットを後述する特性評価に供し
た。
【0058】実施例2 (A)成分として MFRが 8.0g/10分であるプロピレン共
重合体(三井ノーブレンミラスター・BJHH-G(商品名、
三井東圧(株)製))を使用する以外は、実施例1と同
様にして樹脂ペレットを作製し、後述する特性評価に供
した。
【0059】実施例3〜6 (B)成分として調製例2〜3で得られたシリコーン樹
脂粉体B-2 〜B-5 をそれぞれ使用する以外は、実施例1
と同様にして樹脂ペレットを作製し、後述する特性評価
に供した。
【0060】実施例7 (C)成分としてリン酸二水素カリウムと炭酸アンモニ
ウムとの等量混合物18.4部を使用する以外は、実施例1
と同様にして樹脂ペレットを作製し、後述する特性評価
に供した。
【0061】上記各実施例により得られた樹脂ペレット
の燃焼試験(UL94・ 1/8′・V-0)および物性試験を実施
するために、成形温度463Kで試験片をそれぞれ作製し
た。これら試験片を用いて、それぞれ燃焼試験および物
性試験を行った。物性試験としては、引張り強さ(ASTM
D638に準拠)、伸び(ASTM D638に準拠)、曲げ強さ(AST
M D790に準拠)、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)、アイ
ゾット衝撃強さ(ASTM D648に準拠)、メルトフローレー
ト(ASTM D1238に準拠)、比重(JIS K7112に準拠)をそ
れぞれ測定した。表1に、これらの測定結果を各組成物
の組成比と共に示す。
【0062】比較例1 実施例1の(B)成分に代えて、特開昭64-14277号公報
に記載されている、シリコーンオイル(シラノールで末
端停止したポリジメチルシロキサンポリマ:粘度=12000
0cPs)とシリコーン樹脂(MQシリコーン樹脂、M/Q
比は 0.8/1.0)との混合物(粘度=400000cPs)を使用す
る以外は、実施例1と同様にヘンシェルミキサで混合を
試みたが、均一に混合されずかたまりとなり、溶融混合
できなかった。
【0063】比較例2 実施例2の組成物において(B)成分のシリコーン樹脂
を使用しない以外は、実施例2と同様にして樹脂ペレッ
トを作製し、さらに上記実施例と同様に試験片を作製し
た。この試験片を用いて、実施例と同様に燃焼試験およ
び物性試験を実施した。その結果を併せて表1に示す。
【0064】
【表1】 表1から明らかなように、実施例による各難燃性熱可塑
性樹脂組成物は、いずれも良好な成型加工性および難燃
性を有しており、さらに特性的にも優れるものであっ
た。これに対して、シリコーンオイルとシリコーン樹脂
の混合物を用いた比較例1では、前述したようにヘンシ
ェルミキサで均一に混合することができず、実用性に劣
るものであった。
【0065】実施例8 まず、以下のようにして(A)成分を調製した。すなわ
ち、p-ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 1.5部と
オクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部とを混合
し、これをドデシルベンゼンスルホン酸 2.0部を溶解し
た蒸留水 300部中に入れ、ホモミキサで 3分間撹拌して
乳化分散させた。この混合液を、コンデンサ、窒素導入
口および撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹
拌混合しながら363Kで 6時間加熱し、278Kで24時間放置
することにより縮合を完結させた。上記縮合物を炭酸ナ
トリウム水溶液で pH7に中和し、さらにこの縮合物の固
型分換算で35部に蒸留水 140部を混合し、滴下ビン、コ
ンデンサ、窒素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、さらにスチレン15.8部、アクリロニト
リル 6.3部、ピロリン酸ソーダ 0.2部、ブドウ糖0.25
部、硫酸第一鉄 0.004部、クメンハイドロパーオキサイ
ド 0.074部を加え、窒素を流しながら343Kまで昇温し
た。 1時間重合後、さらにスチレン30.7部、残りのアク
リロニトリル12.2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム 1.1部、蒸留水42部、クメンハイドロパーオキサ
イド0.12部およびt-ドデシルメルカプタン0.06部の混合
液を、滴下ビンを使用して 3時間にわたって添加した。
滴下終了後、 1時間重合反応させ、重合が終了した後に
冷却した。
【0066】次に、上記グラフト共重合体ラテックス
を、 2部の塩化カルシウム二水和物を溶解した温水中に
投入し、塩析凝固を行って、グラフト共重合体を含む熱
可塑性樹脂を分離した。この熱可塑性樹脂をよく水洗し
た後、353Kで16時間乾燥した。さらに上記熱可塑性樹脂
57%と、AS樹脂(モノマー重量比:スチレン/アクリ
ロニトリル=75/25)43%とを混合してAS樹脂混合物を調
製した。
【0067】このAS樹脂混合物を(A)成分として用
いる以外は、実施例1と同様にして樹脂ペレットを作製
し、さらに成形温度を493Kとして試験片を作製した。こ
の試験片を用いて、実施例1と同様に燃焼試験および物
性試験を実施した。燃焼試験では、第1接炎後の燃焼時
間 0秒、第2接炎後の燃焼時間15秒と良好な結果が得ら
れた。また、物性試験の結果は、引張り強さ 43MPa、曲
げ強さ 72MPa、曲げ弾性率 2350MPa、アイゾット衝撃強
さ25kg・cm/cm 、熱変形温度369.0K、メルトフローレー
ト 11g/10min、比重1.05であった。なお、これら測定結
果は表1に併記した。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性熱
可塑性樹脂組成物は、特定のシロキサン単位からなるシ
リコーン樹脂、特にシラノール基含有オルガノポリシロ
キサンのシラノール基をトリオルガノシリル基で封鎖し
た熱可塑性シリコーン樹脂を配合すると同時に、リンお
よび窒素を共に含有する化合物またはリン含有化合物と
窒素含有化合物との混合物と、多価アルコールとを熱可
塑性樹脂に配合しているため、成形品に良好な難燃性を
付与することができると共に、良好な成形加工性を得る
ことができる。
【0069】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83:04)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂 100重量部、(B)
    RSiO1.5 単位を30〜99モル% 、 R2 SiO 単位を 0〜80モ
    ル% 、 R3 SiO 0.5 単位を 1〜70モル% 、および SiO2
    単位を 0〜50モル% (ただし、 Rは互いに同一または異
    種の置換または非置換の 1価炭化水素基を示す)から実
    質的になるシリコーン樹脂 0.5〜20重量部、(C)リン
    および窒素を共に含有する化合物、またはリン含有化合
    物と窒素含有化合物との混合物 0.1〜40重量部、および
    (D)多価アルコール 0.1〜10重量部を含有することを
    特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物において、 前記(A)成分の熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンであ
    ることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物において、 前記(B)成分のシリコーン樹脂は、RSiO1.5 単位50〜
    99モル% と R3 SiO 0.5 単位 1〜50モル% とから実質的
    になることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物において、 前記(B)成分のシリコーン樹脂は、 (a) R′a Si(OH)b O ((4-a-b)/2) (式中、 R′は互いに同一または異種の置換または非置
    換の 1価炭化水素基を示し、 aおよび bは 0.2≦ a≦
    2.0、 0.001≦ b≦ 3、 a+b≦ 4を満足する数である)
    で表される、分子中にシラノール基を含有するポリオル
    ガノシロキサン 100重量部に対して、 (b)(R′3 Si)c Z (式中、 R′は互いに同一または異種の置換または非置
    換の 1価炭化水素基を示し、 cは 1または 2を表し、 Z
    は cが 1のときは水素原子、水酸基または加水分解性基
    を示し、 cが 2のときは -O-、-N(X)-または -S-を示す
    (ここで、 Xは水素原子、炭素数 1〜 4の 1価炭化水素
    基または R′3 Si- を表す))で表されるシリコーン化
    合物 5〜 100重量部を反応させたものであることを特徴
    とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物において、 前記(B)成分のシリコーン樹脂は323K以上の軟化点を
    有し、かつ有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であることを
    特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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