JP2007308838A - 難燃性ポリアミド繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定のシリコーン系化合物をポリアミド繊維に付与することで、物理特性の低下が少なく、優れた耐ブリードアウト性を有し、かつ、高い難燃性とドリップ抑制の効果を有する難燃性ポリアミド繊維を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 RSiO1.5で示される構成単位を少なくとも有し、重量平均分子量が1000以上10000未満であるシリコーン系化合物を含有することを特徴とする難燃性ポリアミド繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ポリアミド繊維に関するものであり、更に詳しくはシリコーン系化合物をポリアミド繊維に付与することで、物理特性の低下が少なく、高い難燃性とドリップ抑制の効果を示す難燃性ポリアミド繊維に関するものである。
ポリアミド繊維は、衣料、寝装、インテリア材料に広く用いられている。しかしながら、防炎性能が求められる用途においては、難燃化されたポリアミド繊維が専ら用いられてきた。ポリアミド繊維の難燃性を高める方法として、ハロゲン系難燃剤を浴中法またはパッド法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法や、地球環境保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない難燃加工技術として、リン系難燃剤を付着させる方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、接炎による溶融を促進して、熱源から速やかに離れるドリップ(溶融滴下)と呼ばれる難燃挙動を生じる加工方法であり、繊維の燃焼は抑制できても、ドリップにより火傷を負うなどの問題があった。
そこで、近年、ハロゲン系化合物やリン系化合物を使用せず、シリコーン系化合物を難燃助剤的に利用して、繊維の難溶融性を高める技術が見出されている(特許文献1)。しかしながら、ポリエステル繊維のみに関する技術であり、また本技術をそのままポリアミド繊維に応用しても、紡糸が困難であり、しかも難燃性が低くなる。また、RSiO1.5を含むシリコーン系化合物をポリアミド樹脂に添加した樹脂組成物では、UL94にて高い難燃性を示すものの、繊維化が困難であり、繊維化出来たとしても難燃性能が低下する問題があった(特許文献2,3)。さらに、RSiO1.5とRSiO1.0を含むシリコーン系化合物を添加したポリアミド繊維が見出されている。RSiO1.0を含有することにより、燃焼時にシリコーンが繊維表面に移行して耐炎皮膜を形成することで、難燃性を向上させている。しかしながら、アイロン処理時にシリコーンがブリードアウトし、耐ブリードアウト性に問題があったり、物理特性が低下するなどの課題が残っている(特許文献4)。
特開2005−097819号公報(特許請求の範囲) 特開平05−086295号公報(特許請求の範囲) 特開2001−072867号公報(特許請求の範囲) 特開2000−328363号公報(特許請求の範囲)
本発明は前記した現状に鑑み、特定のシリコーン系化合物をポリアミド繊維に付与することで、物理特性の低下が少なく、優れた耐ブリードアウト性を有し、かつ、燃焼時に炭化物の形成が促進されて、高い難燃性とドリップ抑制の効果を有する難燃性ポリアミド繊維を提供することを目的とするものである。
本発明はかかる目的を達成するために以下の構成を有する。
すなわち、RSiO1.5で示される構成単位を少なくとも有し、重量平均分子量が1000以上10000未満であるシリコーン系化合物を含有することを特徴とする難燃性ポリアミド繊維。
本発明によれば、ポリアミド繊維に特定のシリコーン系化合物を付与することで、優れた耐ブリードアウト性を有し、かつ、高い難燃性を示す難燃性ポリアミド繊維を得ることができる。
以下、本発明の難燃性ポリアミド繊維の最良の形態について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、もしくはラクタムの開環重合によって得られる。ジアミンとジカルボン酸の重縮合によって得られるポリアミド繊維として具体的には、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸によるナイロン610、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸によるナイロン6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸によるナイロン6I、ノナンジアミンとテレフタル酸によるナイロン9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸によるナイロンM5T等が挙げられる。ラクタムの開環重合によって得られるポリアミド繊維として具体的には、ε−カプロラクタムによるナイロン6、ウンデカンラクタムによるナイロン11、ラウリルラクタムによるナイロン12が挙げられる。また、ポリアミドに添加される添加剤、例えば艶消し剤、安定剤、制電剤等を含んでいても良く、重合度については、繊維形成の範囲内であれば特に制限はなく、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、少量の他の成分との共重合体ももちろん使用可能である。
本発明のシリコーン系化合物とは、有機ケイ素化合物であり、シロキサン結合とケイ素原子に結合する有機基を同一分子内に有する化合物の中である。
シリコーン系化合物は1官能性のRSiO0.5(M単位)、2官能性のRSiO1.0(D単位)、3官能性のRSiO1.5(T単位)、4官能性のSiO2.0(Q単位)で示される単位から構成され、本発明では、少なくともRSiO1.5(T単位)を含有していればよく、M単位、D単位、Q単位の一つ以上と組み合わせから構成されるシリコーン系化合物を用いてもよい。
また、シリコーン系化合物
を構成する単位において、RSiO1.0が含まれないことが好ましい。シリコーン系化合物がRSiO1.0を含まないことで、アイロン処理時にシリコーン系化合物のブリードアウトが大幅に抑制される。
さらには、RSiO1.5が全構成単位に対して90mol%以上であることが好ましい。RSiO1.5がシリコーン系化合物中90mol%以上含まれることにより、燃焼時のシリコーン系化合物とポリアミドの炭化物形成性が大幅に向上し、炭化物によりドリップが著しく抑制され、かつ難燃性も向上する。さらに好ましくは99mol%以上である。
シリコーン系化合物と結合する有機基はメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基やフェニル基、ナフチル基などのアリール基などがあげられるが、メチル基あるいはフェニル基であるとポリアミドに対する分散性が向上し、かつ難燃性も向上するため好ましく、特にフェニル基が好ましい。フェニル基の含有量としては分散性と難燃性の観点からシリコーン系化合物の末端基を除く側鎖有機基中80mol%以上が好ましく、フェニル基含有量が80mol%以上含まれることで、ポリアミドとの分散性/相溶性が大幅に向上し、難燃性、ドリップ抑制の効果が高くなる。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエションクロマトグラフィ)で測定することができ、ポリスチレン換算で求めた値をいう。分散性と耐熱性の観点から、重量平均分子量は1000以上、10000未満の範囲が好ましく、更に好ましくは2000〜8000の範囲である。
また、ポリアミド繊維に含まれるシリコーン系化合物の含有量は、繊維としたときの力学的特性の観点から0.5〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは2.5〜10重量%である。
また、シリコーン系化合物中のシラノール基量は難燃性、ドリップ抑制の観点からシリコーン系化合物の重量に対して2重量%以上10重量%以下が好ましく、更に好ましくは3重量%以上7重量%以下である。
シリコーン系化合物がシラノール基を含有することにより、燃焼時に効率よくポリエステル系樹脂と架橋構造を形成することができる。
シラノール基が上記の範囲を上回ると、成型時にポリエステル系樹脂と反応し、ゲル化引き起こす場合があり好ましくなく、逆に上記の範囲を下回ると、燃焼時の汎用性が低下し、難燃特性、ドリップ抑制の効果が低くなる場合があるため好ましくない。
シラノール基量は、29Si−NMRにおいてシラノール基を含有しない構造由来のSiO2.0、RSiO1.5、RSiO1.0、RSiO0.5のピークの面積(積分値)とシラノール基を含有する構造由来のSi(OH)、SiO0.5(OH)、SiO1.0(OH)、SiO1.5(OH)、RSi(OH)、RSiO0.5(OH)、RSiO1.0(OH)、RSi(OH)、RSiO0.5(OH)、RSi(OH)のピークの面積(積分値)の比から算出することが可能である。
例えば、シリコーン系化合物がRSiO1.5とRSiO1.0(OH)のみからなる場合は、RSiO1.5とRSiO1.0(OH)の積分値の比が1.5(RSiO1.5):1.0(RSiO1.0(OH))であれば下記式1の通り求めることができる。
Figure 2007308838
本発明のポリアミド繊維は、シリコーン系化合物を含有するが、これは繊維を構成するポリマー中にシリコーン系化合物が含有されていることを言う。繊維としたときの力学的特性および難燃性能がともに具備される範囲、特に単繊維中に均一に、しかも微細に分散または相溶した方が難燃性の観点から好ましい。
また、シリコーン系化合物の分散性はTEM(透過型電子顕微鏡)により繊維断面を観察することで平均分散径を測定できる。平均分散径とは、任意に単繊維を5カ所選択し、その単繊維の繊維軸と直角方向の断面をTEMにより倍率1000倍〜500000倍の範囲でシリコーン系化合物の分散径が観察できる倍率で観察し、観察されたシリコーン系化合物の縦方向の最大径Yと横方向の最大径Xの平均値が分散径であり、分散径の形状としては円形、多角形等どのような形状でも良い。また、本発明では前述の条件で観察されたシリコーン系化合物の中から分散径の最も大きいものから10個を選択し、その分散径の平均値をシリコーン系化合物の平均分散径としている。
平均分散径は物理特性の低下抑制、難燃性、ドリップ抑制の効果の観点から500nm以下であることが好ましく、更に好ましくは300nm以下である。
また、本発明ではシリコーン系化合物の最大分散径が1000nm以下であることが好ましい。ここでいう最大分散径とは前記方法で観察されるシリコーン系化合物の分散径の最も大きい分散径を指している。最大分散径が1000nmを越えると、シリコーン系化合物が異物となるため力学特性の低下をまねく。
また、本発明ではシリコーン系化合物の繊維軸方向の分散状態は特に限定する必要はないが、繊維軸と直角方向の平均分散径よりも同一もしくはそれ以上に長くなる。
本発明では、シリコーン系化合物をポリアミド繊維に含むことで、燃焼時にシリコーンが表面に移行して皮膜を形成して難溶融性が向上するのではなく、燃焼時にポリアミドとシリコーンが反応して炭化が著しく促進されることで、本発明のポリアミド繊維は燃焼時にドリップが抑制され、高度な難燃性を達成することができる。
本発明の難燃性ポリアミド繊維を用いると、JIS L 1091(1992) D法(コイル法)で規定する難燃性試験において溶融滴下せず、自己消火する状態を達成できる。JIS L―1091 D法(コイル法)は燃焼時に溶融滴下(ドリップ)する繊維製品における燃焼試験法である。ここで、溶融滴下しないとは試料片に接炎中あるいは接炎後に溶融による試験片の落下が見られないことを言い、自己消火するとは、接炎後に火源を取り除いた場合に炎が自然に消えることをいう。
次に本発明の難燃性ポリアミド繊維の製造方法に関して詳細に説明する。
まず、ポリアミド繊維に関しては、シリコーン系化合物をポリアミド繊維に含む方法として、例えばシリコーン系化合物をポリアミドの重合時に添加する方法、ポリアミドのチップとシリコーン系化合物を2軸押し出し機等の混練機で混練する方法、またはポリアミドの紡糸時にシリコーン系化合物を添加する方法などが挙げられる。
次に、シリコーン系化合物を含有するポリアミド繊維の製造方法としては、通常の製糸工程、延伸工程が採用できる。また、製糸工程では高速紡糸、複合紡糸など、延伸工程では製糸工程と延伸工程を連続で行う方法なども利用できる。
また、不織布とする場合には製糸工程と直結で、また、織編物などの場合では、製糸後、既知の方法により必要とされる繊維形態とすれば良い。
本発明の難燃性ポリアミド繊維は、糸形状物や帯形状物、または、織物、編物、不織布などの布帛形状物、綿状形状物などが挙げられる。繊維断面形状は丸型、異型(三角、四角、多角、扁平、中空断面など)が挙げられる。
また、本発明の難燃性ポリアミド繊維にはヒンダードフェノール系、アミン系、ホスファイト系、チオエステル系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、シアニン系、スチルベン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリノン系、キナクリドン系などの有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粒子、抗菌剤、静電剤などの添加剤が含有されても良い。
また、本発明の難燃性ポリアミド繊維は様々な後加工をすることができる。例えば、浴中加工、吸尽加工、コーティング加工、Pad−dry加工、Pad−steam加工などにより撥水性、親水性、制電性、消臭性、抗菌性、深色性などの機能を付与することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
まず、実施例におけるシリコーン系化合物の調製を下記1項から4項に従い行い、得られたシリコーン系化合物を表1に示す。その後、下記5項から10項に従って繊維構造物を得たのち、難燃性等の評価を行った。
Figure 2007308838
1.シリコーン系化合物のM、D、T、Q単位の割合の調製
SiOCl(M単位に相当)、RSiOCl(D単位に相当)、RSiOCl(T単位に相当)、SiOCl(Q単位に相当)を所望のモル比にて縮合し、M、D、T、Q単位の割合が異なるシリコーン系化合物を製造した。
2.シリコーン系化合物のフェニル基、メチル基の割合
前記したR部分をそれぞれフェニル基、メチル基で置換し、モル比でフェニル基、メチル基の割合の異なるシリコーン系化合物を調製した。
3.シリコーン系化合物のシラノール基の含有量
シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整して、シリコーン系化合物を得た。得られたシリコーン系化合物を29Si−NMRにより溶媒としてCDCl、標準物質としてTMS(テトラメチルシラン)用いて、積算回数256回で測定した。シラノール基を含有しない構造由来のSiO2.0、RSiO1.5、RSiO1.0、RSiO0.5のピークの面積(積分値)とシラノール基を含有する構造由来のSi(OH)、SiO0.5(OH)、SiO1.0(OH)、SiO1.5(OH)、RSi(OH)、RSiO0.5(OH)、RSiO1.0(OH)、RSi(OH)、RSiO0.5(OH)、RSi(OH)のピークの面積(積分値)の比からシラノール基量(wt%)を算出した。
4.シリコーン系化合物の分子量
シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、離溶液としてクロロホルム、サンプル濃度1重量%、検出器RIで測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。
5.ポリマーの溶融粘度
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
6.融点、ガラス転移温度
Perkin Elmaer DSC-7を用いて2nd runで比熱が階段状の変化を示す領域の中点をガラス転移温度とし、ポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。なお、ガラス転移温度についてはDSC−7では不明瞭な場合は、温度変調DSCを用いる等して測定することもできる。
7.シリコーン系化合物を含有したポリアミド繊維の調製
混練温度250℃、スクリュー回転数300rpm、L/D:30の2軸押し出し機で、表1に示すシリコーン系化合物とポリアミドチップとを所望の重量比で混練してチップを作製した。次にこのチップを真空乾燥機で100℃、8時間真空乾燥した後、紡糸温度240℃、紡糸速度1250m/min、口金孔径0.23mm−6H(ホール)の条件で紡糸し未延伸糸を得た。次いで得られた未延伸糸を合糸して24フィラメントにした後、延伸温度90℃、延伸倍率3.3倍の条件で延伸し延伸糸を得た。
8.繊維強度の評価方法
糸強度の測定方法として、オリエンテック社製テンシロンUCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100mm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重を示した点の応力を繊維の強度(cN/dtex)とした。
9.ブリードアウト特性
紡糸により得られた糸で筒編みを作製し、温度140℃のアイロンにて60秒間のアイロンがけを行った後、光学顕微鏡で筒編み表面を観察した。ブリードアウトは、下記の判定で評価を行った。
○:析出物(シリコーン)が観察されない
×:析出物(シリコーン)が観察される
10.燃焼試験
JIS L 1091 D法(1992)に準じ接炎時・接炎後のドリップの有無、接炎回数を評価した。
・ノンドリップ性:接炎後の溶融による試験片の落下をドリップとし、ドリップの回数を評価した。
・自己消火性:接炎回数を評価した。
なお、合格基準としてはドリップ回数が0回、接炎回数が3回以上とする。
実施例1
有機基Rの100mol%がフェニル基であるとともに、構成単位の100mol%がRSiO1.5からなる、重量平均分子量が3000、シラノール末端を6.0重量%含むシリコーン系化合物(製品名:217Flake、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製)を2Torr、180℃で6時間脱水縮合し、シリコーンAを作製した。
ポリアミドとして溶融粘度250Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6を使用し、シリコーンAを5.0重量%を繊維内部に含有した延伸糸を得て、筒編みを得た。
表2および表3記載のように、ポリアミド繊維の糸強度は良好であり、シリコーンのブリードアウトも観察されず、かつ得られた筒編みの難燃評価では、JIS L 1091 D法でドリップがなく、かつ、自己消火性に優れたものであった。
実施例2〜7
表2に示すように、シリコーン系化合物の種類や含有量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリアミド繊維を得た。
表3記載のように、ポリアミド繊維の糸強度は良好であり、シリコーンのブリードアウトも観察されず、得られたポリアミド繊維の難燃評価ではD法でドリップがなく、かつ、自己消火性に優れたものであった。
比較例1
ナイロン6のみの延伸糸を作製した後、筒編みを作製した。
表3記載のようにJIS L 1091 D法でドリップが8回も起こるという、ノンドリップ性が低いものであった。
比較例2
表1に示したシリコーンGを用いた以外は実施例1と同様にしてポリアミド繊維を得た。
表3記載のように、シリコーンのブリードアウトが観察され、しかもJIS L 1091 D法でドリップが3回も起こるという、ノンドリップ性が低いものであった。
比較例3
表1に示したシリコーンHを用いた以外は実施例1と同様にしてポリアミド繊維を得た。
表3記載のように、シリコーンのブリードアウトが観察され、しかもJIS L 1091 D法でドリップが5回も起こるという、ノンドリップ性が低いものであった。
Figure 2007308838
Figure 2007308838

Claims (4)

  1. RSiO1.5(Rは有機基)で示される構成単位を少なくとも有し、重量平均分子量が1000以上10000未満であるシリコーン系化合物を含有することを特徴とする難燃性ポリアミド繊維。
  2. シリコーン系化合物がRSiO1.5(Rは有機基)で示される構成単位を90mol%以上含有することを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリアミド繊維。
  3. Rで示される有機基がフェニル基であり、且つフェニル基の含有量がシリコーン系化合物を構成する全有機基に対して80mol%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ポリアミド繊維。
  4. シリコーン系化合物中のシラノール基量が重量比で2重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ポリアミド繊維。
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