JPH06345781A - オルガノアルコキシシラン化合物の製造方法 - Google Patents

オルガノアルコキシシラン化合物の製造方法

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JPH06345781A
JPH06345781A JP16311493A JP16311493A JPH06345781A JP H06345781 A JPH06345781 A JP H06345781A JP 16311493 A JP16311493 A JP 16311493A JP 16311493 A JP16311493 A JP 16311493A JP H06345781 A JPH06345781 A JP H06345781A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 R1 mSi(OR24-m (但し、式中R1は1価の有機基、R2は炭素数1〜4の
アルキル基、mは0、1又は2を表す。)で表されるア
ルコキシシラン化合物と、 R3MgX (但し、式中R3は1価の有機基、Xは塩素原子又は臭
素原子を表す。)で表されるグリニャール試薬とを有機
溶媒中で反応させる (但し、式中R1、R2、R3及びmは上記と同様の意味
を示し、nは1、2又は3を表すが、m+nは1、2又
は3である。)で表されるオルガノアルコキシシラン化
合物の製造方法。 【効果】 本方法によれば、効率よく容易に副生塩を除
去でき、高収率で生産性良くオルガノアルコキシシラン
化合物を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンオイル、シ
リコーンレジン、シリコーンワニス等のシリコーン製品
の製造原料、オレフィン重合における触媒成分、シラン
カップリング剤、樹脂改質剤、表面処理剤などとして有
用なオルガノアルコキシシラン化合物を生産性良く製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
下記式(1)で表されるアルコキシ基を2つ以上有する
アルコキシシラン化合物と下記式(2)で表されるグリ
ニャール試薬とを反応させて下記式(3)で表されるオ
ルガノアルコキシシラン化合物を得る方法が公知であ
り、この方法は種々のオルガノアルコキシシラン化合物
合成のための有用な方法として広く使用されている。
【0003】
【化2】 (但し、式中R1は1価の有機基、R2は炭素数1〜4の
アルキル基、R3は1価の有機基、Xは塩素原子又は臭
素原子、mは0、1又は2、nは1、2又は3を表す
が、m+nは1、2又は3である。)
【0004】しかしながら、この方法を用いてオルガノ
アルコキシシラン化合物を合成した場合、副生物として
下記式(4) R2OMgX …(4) (但し、式中R2、Xは上記と同様の意味を示す。)の
構造を有すると思われる副生塩が大量に生成する。この
副生塩は有機溶媒に溶解性が小さく、反応液より目的物
であるオルガノアルコキシシラン化合物を単離するため
には、副生塩をろ過又は遠心分離により除去した後に蒸
留するか、あるいは副生塩の存在下に蒸留しなければな
らず、いずれの方法においても工業的な規模の生産にお
いては種々の問題点を有していた。
【0005】即ち、副生塩をろ過により除去する方法に
おいては、高価なろ過設備が必要なだけでなく、副生塩
が非常にろ過性が悪いため、ろ過に長時間を要し生産性
が悪い上、ろ過により分離された副生塩には大量の目的
物が吸着しているため、収率を下げないためには数回の
抽出ろ過操作が必要で、このため生産が煩雑で時間を要
するばかりでなく、大量の抽出溶媒が必要になるなどの
問題点がある。
【0006】また、副生塩を遠心分離により除去する方
法においては、ろ過設備よりも更に高価な遠心分離装置
が必要であるばかりでなく、ろ過の場合と同様遠心分離
された副生塩には大量の目的物が吸着しているため、収
率を下げないためには抽出遠心分離操作が必要で、煩雑
で時間を要する上、大量の抽出溶媒が必要になるなどの
問題点がある。
【0007】更に、この副生塩は炭化水素系の溶媒には
不要であるものの、グリニャール試薬の調製に必要なエ
ーテル系溶媒にはかなり溶解性があるため、ろ過あるい
は遠心分離により分離したオルガノアルコキシシラン化
合物が溶解した反応液より溶媒を除去した際、再び副生
塩が析出してしまい、再度ろ過あるいは遠心分離を行わ
なければならないという問題点もある。
【0008】一方、副生塩を除去することなくそのまま
蒸留する方法においては、大量に存在する副生塩のため
に、蒸留系が安定せず、蒸留分離効率が悪くなり、また
副生塩がない場合に比較して蒸留釜の内温がかなり高く
なるので、エネルギー効率が悪いだけでなく、単離する
オルガノアルコキシシラン化合物の熱安定性が悪い場合
には収率低下の原因となり、その上蒸留後に残存する副
生塩にはかなりの目的物が吸着してしまうため、蒸留収
率が低くなるという問題がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、アルコキシシラン化合物とグリニャール試薬との反
応によりオルガノアルコキシシラン化合物を得る際に副
生する副生塩を特別の装置を用いずに容易かつ効率良く
除去でき、生産性良くオルガノアルコキシシラン化合物
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般
式(1) R1 mSi(OR24-m …(1) (但し、式中R1は1価の有機基、R2は炭素数1〜4の
アルキル基、mは0、1又は2を表す。)で表されるア
ルコキシシラン化合物と、下記一般式(2) R3MgX …(2) (但し、式中R3は1価の有機基、Xは副生塩素原子又
は臭素原子を表す。)で表されるグリニャール試薬とを
有機溶媒中で反応させて下記一般式(3) R1 m(R3nSi(OR24-(m+n) …(3) (但し、式中R1、R2、R3及びmは上記と同様の意味
を示し、nは1、2又は3を表すが、m+nは1、2又
は3である。)で表されるオルガノアルコキシシラン化
合物を生成させた後、得られたオルガノアルコキシシラ
ン化合物を含む反応液に水を加え、次いで形成された水
相に酸を加えたり、直接酸性水溶液を加えるなどによっ
て反応液中の副生塩を酸性水溶液で抽出することによ
り、効率よく副生塩を反応液から除去できることを知見
した。
【0011】即ち、一般にアルコキシシラン化合物とグ
リニャール試薬との反応においては、得られる化合物が
テトラアルキルシランの如く加水分解性の基を有しない
シラン化合物の場合、反応液に水あるいは塩又は酸の水
溶液を加えて反応により副生した副生塩を水相に溶解さ
せ、水相を分液除去した後、有機相を蒸留して目的物を
単離する方法を採用することができる。この方法によれ
ば、上述したろ過や遠心分離による分離、あるいは副生
塩存在下における蒸留による単離における上述した問題
点がなく、非常に優れた方法である。
【0012】しかしながら、合成の目的とするシランが
オルガノアルコキシシランの如く加水分解性の基を有す
る場合は、反応液に水を加えると加水分解してしまうと
考えられるため、水溶液を用いた分液分離法は採用する
ことができないとされていた。
【0013】ところが、本発明者が検討を行ったとこ
ろ、意外にもオルガノアルコキシシラン化合物の合成に
おいても分液分離法が適用可能であることを見い出し
た。
【0014】このように、得られたオルガノアルコキシ
シラン化合物を含む反応液中の副生塩を酸性水溶液で抽
出分離してもオルガノアルコキシシラン化合物が加水分
解せずに単離できることは驚くべきことである。本発明
の系においてはオルガノアルコキシシラン化合物が有機
溶媒で希釈され、かつ水相と界面で接触しているのみで
あり、水との接触が極めて少ないこと、及び酸を添加し
ても反応により中和されてしまうからであると考えられ
る。これは実際、使用する酸が塩酸のごとく強酸である
場合、生成した副生塩の当量以上の酸の添加では加水分
解が起こることからも認められる。
【0015】従って、本発明は、上記一般式(1)で表
されるアルコキシシラン化合物と、上記一般式(2)で
表されるグリニャール試薬とを有機溶媒中で反応させて
上記一般式(3)で表されるオルガノアルコキシシラン
化合物を生成させた後、得られたオルガノアルコキシシ
ラン化合物を含む反応液中の副生塩を酸性水溶液で抽出
し、この副生塩を抽出した水相を更に反応液から分離す
ることを特徴とするオルガノアルコキシシラン化合物の
製造方法を提供する。
【0016】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のオルガノアルコキシシラン化合物の製造方
法は、まず常法に従って下記一般式(1)で表されるア
ルコキシシラン化合物と、下記一般式(2)で表される
グリニャール試薬とを有機溶媒中で反応させて、有機溶
媒に溶解した状態の下記一般式(3)で表されるオルガ
ノアルコキシシラン化合物を得る。
【0017】
【化3】
【0018】上記式(1)、(3)中、R1は1価の有
機基であり、好ましくは炭素数1〜30のものである。
具体的にはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリー
ル基などを例示することができ、またこれらの基中の炭
素原子が一部窒素原子、酸素原子、珪素原子、硫黄原
子、リン原子などで置換されていても良い。なお、R1
が一分子中に2個以上含まれる場合は、R1は同一でも
異なっていても良い。R2は炭素数1〜4のアルキル基
であり、従って(OR2)として具体的にはメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基などを例示することができる。
【0019】また、式(2)中、R3は1価の有機基で
あり、好ましくは炭素数1〜30のもので、上述したR
1と同様の基を例示することができる。Xは塩素原子又
は臭素原子である。
【0020】更に、mは0、1又は2であり、nは1、
2又は3であるが、m+nは1、2又は3である。
【0021】上記式(1)で表されるアルコキシシラン
化合物を具体的に示すと、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピ
ルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキ
シシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、ter
t−ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシ
シラン、イソペンチルトリメトキシシラン、ネオペンチ
ルトリメトキシシラン、tert−ペンチルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テキシルトリ
メトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデ
シルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシ
シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、
4−クロロフェニルトリメトキシシラン、4−クロロメ
チルフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニ
ルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシ
シラン、3−チエニルトリメトキシシラン、トリメチル
シリルメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエト
キシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチル
トリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、
tert−ブチルトリエトキシシラン、アミルトリエト
キシシラン、テキシルトリエトキシシラン、シクロペン
チルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプ
ロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプ
ロピルトリエトキシシラン、4−クロロフェニルトリエ
トキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、
メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシ
ラン、ビニルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロ
ポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、メチ
ルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキ
シシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルフェ
ニルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0022】また、上記式(2)で表されるグリニャー
ル試薬として、具体的には、メチルマグネシウムクロラ
イド、エチルマグネシウムクロライド、プロピルマグネ
シウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライ
ド、ブチルマグネシウムクロライド、イソブチルマグネ
シウムクロライド、sec−ブチルマグネシウムクロラ
イド、ペンチルマグネシウムクロライド、イソペンチル
マグネシウムクロライド、sec−ペンチルマグネシウ
ムクロライド、ネオペンチルマグネシウムクロライド、
ヘキシルマグネシウムクロライド、デシルマグネシウム
クロライド、オクタデシルマグネシウムクロライド、シ
クロペンチルマグネシウムクロライド、シクロヘキシル
マグネシウムクロライド、4−tert−ブチルシクロ
ヘキシルマグネシウムクロライド、ビニルマグネシウム
クロライド、アリルマグネシウムクロライド、フェニル
マグネシウムクロライド、4−ビニルフェニルマグネシ
ウムクロライド、4−クロロフェニルマグネシウムクロ
ライド、4−メトキシフェニルマグネシウムクロライ
ド、トリメチルシリルメチルマグネシウムクロライド、
メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブ
ロマイド、プロピルマグネシウムブロマイド、イソプロ
ピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロ
マイド、イソブチルマグネシウムブロマイド、sec−
ブチルマグネシウムブロマイド、ペンチルマグネシウム
ブロマイド、イソペンチルマグネシウムブロマイド、s
ec−ペンチルマグネシウムブロマイド、ネオペンチル
マグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムブロマ
イド、デシルマグネシウムブロマイド、シクロヘキシル
マグネシウムブロマイド、ビニルマグネシウムブロマイ
ド、フェニルマグネシウムブロマイド、4−ビニルフェ
ニルマグネシウムブロマイド、4−クロロフェニルマグ
ネシウムブロマイド、4−メトキシフェニルマグネシウ
ムブロマイド、2−チエニルマグネシウムブロマイド、
トリメチルシリルメチルマグネシウムブロマイド等が挙
げられる。
【0023】更に、上記式(1)で表されるアルコキシ
シラン化合物と、上記式(2)で表されるグリニャール
試薬とを反応させて得られる式(3)で表されるオルガ
ノアルコキシシラン化合物として具体的には、イソプロ
ピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、sec−ブチルトリメトキシシラン、イソペンチル
トリメトキシシラン、ネオペンチルトリメトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルト
リメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシ
シラン、2−チエニルトリメトキシシラン、トリメチル
シリルメチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエ
トキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、sec
−ブチルトリエトキシシラン、ネオペンチルトリエトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン、4−ビニルフェ
ニルトリエトキシシラン、トリメチルシリルメチルトリ
エトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、
イソブチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリ
イソプロポキシシラン、ネオペンチルトリブトキシシラ
ン、イソプロピルメチルジメトキシシラン、イソブチル
メチルジメトキシシラン、sec−ブチルメチルジメト
キシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラ
ン、メチルネオペンチルジメトキシシラン、メチル−t
ert−ペンチルジメトキシシラン、メチルテキシルジ
メトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、(4−tert−ブチルシクロヘキシル)メチルジ
メトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、(4
−クロロフェニル)メチルジメトキシシラン、メチル−
4−メトキシフェニルジメトキシシラン、メチル−2−
チエニルジメトキシシラン、メチル(トリメチルシリル
メチル)ジメトキシシラン、エチルプロピルジメトキシ
シラン、エチルイソプロピルジメトキシシラン、エチル
ブチルジメトキシシラン、エチルイソブチルジメトキシ
シラン、エチル−sec−ブチルジメトキシシラン、エ
チル−tert−ブチルジメトキシシラン、エチルペン
チルジメトキシシラン、エチルイソペンチルジメトキシ
シラン、エチルネオペンチルジメトキシシラン、エチル
−tert−ペンチルジメトキシシラン、エチルヘキシ
ルジメトキシシラン、エチルシクロペンチルジメトキシ
シラン、エチルシクロヘキシルジメトキシシラン、フェ
ニルエチルジメトキシシラン、エチル−3,3,3−ト
リフルオロプロピルジメトキシシラン、エチル−2−シ
アノエチルトリメトキシシラン、ジプロピルジメトキシ
シラン、イソプロピルプロピルジメトキシシラン、ブチ
ルプロピルジメトキシシラン、イソブチルプロピルジメ
トキシシラン、sec−ブチルプロピルジメトキシシラ
ン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、ペン
チルプロピルジメトキシシラン、イソペンチルプロピル
ジメトキシシラン、ネオペンチルプロピルジメトキシシ
ラン、ヘキシルプロピルジメトキシシラン、オクタデシ
ルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシ
シラン、3−クロロプロピルプロピルジメトキシシラ
ン、3−ブロモプロピルプロピルジメトキシシラン、ジ
イソプロピルジメトキシシラン、イソプロピルブチルジ
メトキシシラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシ
ラン、イソプロピル−sec−ブチルジメトキシシラ
ン、イソプロピルペンチルジメトキシシラン、イソプロ
ピルヘキシルジメトキシシラン、イソプロピルデシルジ
メトキシシラン、イソプロピルシクロペンチルジメトキ
シシラン、イソプロピルシクロヘキシルジメトキシシラ
ン、イソプロピルビニルジメトキシシラン、ブチルイソ
ブチルジメトキシシラン、ブチル−sec−ブチルジメ
トキシシラン、プロピルペンチルジメトキシシラン、ブ
チルヘキシルジメトキシシラン、ブチルシクロペンチル
ジメトキシシラン、ブチルシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、ブチルイソブチルジメトキシシラン、ジイソブチ
ルジメトキシシラン、sec−ブチルイソブチルジメト
キシシラン、イソブチルペンチルジメトキシシラン、イ
ソブチルネオペンチルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブ
チルジメトキシシラン、ヘキシルイソブチルジメトキシ
シラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジペン
チルジメトキシシラン、ジネオペンチルジメトキシシラ
ン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジ
メトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、
シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、ビス
(トリメチルシリルメチル)ジメトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルヘキシルジメトキシシラ
ン、イソプロピルメチルジエトキシシラン、イソブチル
メチルジメトキシシラン、sec−ブチルメチルジエト
キシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラ
ン、メチルネオペンチルジエトキシシラン、メチル−t
ert−ペンチルジエトキシシラン、メチルテキシルジ
エトキシシラン、エチルプロピルジエトキシシラン、エ
チルイソプロピルジエトキシシラン、エチルブチルジエ
トキシシラン、エチルイソブチルジエトキシシラン、エ
チル−sec−ブチルジエトキシシラン、エチル−te
rt−ブチルジエトキシシラン、エチルペンチルジエト
キシシラン、エチルイソペンチルジエトキシシラン、エ
チルネオペンチルジエトキシシラン、エチル−tert
−ペンチルジエトキシシラン、エチルヘキシルジエトキ
シシラン、エチルシクロペンチルジエトキシシラン、エ
チルシクロヘキシルジエトキシシラン、フェニルエチル
ジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、イソ
プロピルプロピルジエトキシシラン、ブチルプロピルジ
エトキシシラン、イソブチルプロピルジエトキシシラ
ン、sec−ブチルプロピルジエトキシシラン、ter
t−ブチルプロピルジエトキシシラン、ペンチルプロピ
ルジエトキシシラン、イソペンチルプロピルジエトキシ
シラン、ネオペンチルプロピルジエトキシシラン、ヘキ
シルプロピルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピ
ルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジエトキ
シシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプ
ロピルブチルジエトキシシラン、イソプロピルイソブチ
ルジエトキシシラン、イソプロピル−sec−ブチルジ
エトキシシラン、イソプロピルペンチルジエトキシシラ
ン、イソプロピルヘキシルジエトキシシラン、イソプロ
ピルシクロペンチルジメトキシシラン、イソプロピルシ
クロヘキシルジメトキシシラン、イソプロピルビニルジ
エトキシシラン、ブチルイソブチルジエトキシシラン、
ブチル−sec−ブチルジメトキシシラン、プロピルペ
ンチルジエトキシシラン、ブチルヘキシルジメトキシシ
ラン、ブチルシクロペンチルジエトキシシラン、ブチル
シクロヘキシルジエトキシシラン、ブチルイソブチルジ
エトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、se
c−ブチルイソブチルジエトキシシラン、イソブチルペ
ンチルジエトキシシラン、イソブチルネオペンチルジエ
トキシシラン、シクロペンチルイソブチルジエトキシシ
ラン、シクロヘキシルイソブチルジエトキシシラン、ヘ
キシルイソブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ルジエトキシシラン、ジペンチルジエトキシシラン、ジ
ネオペンチルジエトキシシラン、ジヘキシルジエトキシ
シラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロ
ヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロペン
チルジエトキシシラン、ビス(トリメチルシリルメチ
ル)ジエトキシシラン、4−メトキシフェニルビニルジ
エトキシシラン、イソプロピルジメチルメトキシシラ
ン、イソブチルジメチルメトキシシラン、sec−ブチ
ルジメチルメトキシシラン、tert−ブチルジメチル
メトキシシラン、ジメチルテキシルメトキシシラン、ア
リルジメチルメトキシシラン、(4−クロロフェニル)
ジメチルメトキシシラン、ジメチル−2−チエニルメト
キシシラン、ジメチル(トリメチルシリルメチル)メト
キシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジエチルイソ
プロピルメトキシシラン、ジエチルイソブチルメトキシ
シラン、ジエチルペンチルメトキシシラン、ジエチルネ
オペンチルメトキシシラン、ジエチルヘキシルメトキシ
シラン、ジエチルシクロペンチルメトキシシラン、ジエ
チルシクロヘキシルメトキシシラン、エチルジフェニル
メトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、ジプロ
ピルイソブチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシ
ラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルエ
チルメトキシシラン、イソプロピルジメチルエトキシシ
ラン、イソブチルジメチルエトキシシラン、sec−ブ
チルジメチルエトキシシラン、tert−ブチルジメチ
ルエトキシシラン、ジメチルテキシルエトキシシラン、
アリルジメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシ
ラン、ジエチルイソプロピルエトキシシラン、ジエチル
イソブチルエトキシシラン、ジエチルペンチルエトキシ
シラン、ジエチルヘキシルエトキシシラン、ジエチルシ
クロペンチルエトキシシラン、ジエチルシクロヘキシル
エトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、ト
リプロピルエトキシシラン、ジプロピルイソブチルジエ
トキシシラン、トリブチルエトキシシラン、ジフェニル
メチルエトキシシラン、ジフェニルエチルエトキシシラ
ン、アリルジメチルプロポキシシラン、トリエチルプロ
ポキシシラン、ジフェニルメチルブトキシシラン等が挙
げられる。
【0024】上述したアルコキシシラン化合物とグリニ
ャール試薬との反応は、有機溶媒中で行うものである
が、この有機溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエー
テル系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水
素系溶媒等の不活性有機溶媒を挙げることができ、これ
らの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが
できる。
【0025】反応の温度は、0〜200℃、特に20〜
150℃の範囲が好ましい。また、反応系に酸素が存在
すると、この反応段階でグリニャール試薬が酸素と反応
し、収率低下の原因となるので、この反応は窒素、アル
ゴン等の不活性雰囲気下で行うことが良い。
【0026】このような反応後、有機溶媒中にはこの反
応で生成したオルガノアルコキシシラン化合物が溶解し
ていると共に、上述した式(4)で表されると思われる
副生塩が存在する。
【0027】本発明においては、上述したようにこの反
応液からこのような副生塩を除去するため、反応液中の
副生物塩を酸性水溶液で抽出した後、反応液からこの水
相を分離するものである。
【0028】この場合、副生塩は水に対する溶解性が小
さく、水の添加だけでは分液分離が困難であるので、酸
性水溶液とするものである。
【0029】酸性水溶液の添加により、副生塩は酸(H
X’)と反応して下記式のように変化し、これによって
生成したMgXX’は水溶性が高く、効果的に水溶液に
移動するものと考えられる。 R2OMgX+HX’→MgXX’+R2OH
【0030】ここで使用できる酸としては、具体的には
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、塩化水素、臭化
水素、硝酸、硫酸、リン酸等の鉱酸が挙げられ、これら
の1種を単独で又は2種以上を混合して用いたり、ある
いは順次使用することもできる。これらの酸の中でも取
り扱い易さ、価格、入手のし易さ及び後処理などを考慮
すると酢酸と塩化水素が好ましい。なお、塩化水素を用
いる場合、塩化水素はガスであるため、水に溶解させた
塩酸として使用するのが好ましい。
【0031】副生塩を酸性水溶液に抽出させるに際し、
まず反応溶液に水を加えた後、酸又は酸水溶液を加える
か、あるいは反応溶液に酸の水溶液を直接加えても良
い。なお、酸として塩酸の如く強酸を用いる場合には、
まず水を加えた後、酸又は酸の水溶液を加えることが好
ましい。特に加水分解性の高いオルガノアルコキシシラ
ン化合物に対して行う場合には、まず水を加えた後、加
えられた水によって形成された水相に酸又は酸の水溶液
を加えることが好ましい。この場合、酸又は酸の水溶液
の水相への添加は、パイプなどを用いて有機相に酸が接
触しないように行うことが好適である。なお、酸性水溶
液の比重調節のために水溶液中に塩化ナトリウムや塩化
アンモニウムなどを加えても良い。また、水又は酸性水
溶液の添加に先立って反応液中に上述したような有機溶
媒を加え、反応液を希釈することができる。
【0032】使用する酸の量としては、酢酸のように弱
酸の場合には、副生塩の溶解に必要な量以上加えても差
し支えなく、従って特に上限はないが、塩酸のような強
酸の場合には、副生塩の当量を超えて使用するとオルガ
ノアルコキシシラン化合物の加水分解を招く場合がある
ので、副生塩の当量程度加えることが好ましい。特に加
水分解性の高いオルガノアルコキシシラン化合物に対し
て行う場合には、弱酸を使用するか、あるいは副生塩と
当量以下の強酸を使用してある程度副生塩を抽出し、そ
れ以降は弱酸を使用して残りを抽出する方法を採用する
ことが好ましい。なお、副生塩は全て抽出する必要はな
く、後の工程に支障がない程度に残留していても良い。
【0033】副生塩の抽出に際しての反応釜内温は0〜
60℃、特に5〜40℃程度に保つことが好ましい。
【0034】また、抽出方法は、強い撹拌は好ましくな
く、緩やかに撹拌して水相と有機溶媒相とが分離してこ
れらの界面が混じり合わない程度とすることが好まし
い。
【0035】このように副生塩を抽出した後は、水相を
分離除去し、有機相を採取する。この有機相中には目的
とするアルコキシシランが含まれているので、蒸留する
などの適宜な常法によってアルコキシシランを単離し、
精製することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明のオルガノアルコキシシラン化合
物の製造方法によれば、ろ過装置や遠心分離機などの特
殊な設備を使用することなく効率よく容易に副生塩を除
去でき、高収率で生産性良くオルガノアルコキシシラン
化合物を製造することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0038】[実施例1]撹拌機、還流冷却器、温度計
及び滴下ロートを備えた1リットルのフラスコに金属マ
グネシウム13.4g(0.55モル)、テトラヒドロ
フラン150ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素ガス
雰囲気下にシクロへキシルクロライド75.1g(0.
55モル)を内温40〜50℃で1時間滴下し、更に5
5℃で1時間撹拌したところ、グリニャール試薬として
のシクロへキシルマグネシウムクロライドが得られた。
【0039】次に、この反応液中に室温下で滴下ロート
よりエチルトリメトキシシラン75.1g(0.5モ
ル)を1時間で滴下後、還流下に10時間撹拌し、反応
させた。この反応液を室温まで冷却後、ヘキサン150
mlを添加し、更に滴下ロートより水150mlを加え
撹拌した後、ゆっくりとした撹拌下に下層の水相へパイ
プを用いて有機相に接触しないように20%塩酸91.
0g(0.5モル)を1時間かけて加え、副生塩を溶解
させた。撹拌をやめ、反応液を分液して水相を除去し
た。
【0040】有機相を蒸留したところ、全く支障なく蒸
留でき、84.0gのシクロへキシルエチルジメトキシ
シランが得られた。収率は83%であった。
【0041】[実施例2]エチルトリメトキシシラン7
5.1g(0.5モル)の代わりにイソブチルトリメト
キシシラン89.2g(0.5モル)を使用した以外
は、実施例1と同様の方法で反応及び副生塩の処理を行
い、有機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく91.5
gのシクロへキシルイソブチルジメトキシシランが得ら
れた。収率は79%であった。
【0042】[実施例3]エチルトリメトキシシラン7
5.1g(0.5モル)の代わりにシクロペンチルトリ
メトキシシラン95.2g(0.5モル)を使用した以
外は、実施例1と同様の方法で反応及び副生塩の処理を
行い、有機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく94.
5gのシクロへキシルシクロペンチルジメトキシシラン
が得られた。収率は78%であった。
【0043】[実施例4]シクロヘキシルクロライド6
5.2g(0.55モル)の代わりに4−tert−ブ
チルシクロへキシルクロライド96.1g(0.55モ
ル)を使用すると共に、エチルトリメトキシシラン7
5.1g(0.5モル)の代わりにメチルトリメトキシ
シラン68.1g(0.5モル)を使用した以外は、実
施例1と同様の方法で反応及び副生塩の処理を行い、有
機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく103.9gの
(4−tert−ブチルシクロへキシル)メチルジメト
キシシランが得られた。収率は85%であった。
【0044】[実施例5]シクロヘキシルクロライド6
5.2g(0.55モル)の代わりにイソブチルクロラ
イド50.9g(0.55モル)を使用すると共に、エ
チルトリメトキシシラン75.1g(0.5モル)の代
わりにへキシルトリエトキシシラン124.2g(0.
5モル)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で反
応及び副生塩の処理を行い、有機相を蒸留したところ、
蒸留に支障なく108.1gのヘキシルイソブチルジエ
トキシシランが得られた。収率は83%であった。
【0045】[実施例6]撹拌機、還流冷却器、温度計
及び滴下ロートを備えた2リットルのフラスコ中に金属
マグネシウム26.7g(1.1モル)、テトラヒドロ
フラン300ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素ガス
雰囲気下にイソブチルクロライド101.9g(1.1
モル)を内温40〜50℃で1時間滴下し、更に55℃
で1時間撹拌したところ、グリニャール試薬としてのイ
ソブチルマグネシウムクロライドが得られた。
【0046】この反応液にトルエン300mlを加え、
更に室温下で滴下ロートよりテトラメトキシシラン7
6.1g(0.5モル)を1時間で滴下後、滴下ロート
より10%の塩化アンモニウム水300mlを加えて撹
拌した後、ゆっくりとした撹拌下に下層の水相へパイプ
を用いて20%塩酸182.0g(1.0モル)を1時
間かけて加え、副生塩を溶解させた。撹拌を止め、反応
液を分液して水相を除去した。
【0047】有機相の蒸留を行ったところ、全く支障な
く蒸留でき、85.8gのジイソブチルジメトキシシラ
ンが得られた。収率は84%であった。
【0048】[実施例7]イソブチルクロライド10
1.9g(1.1モル)の代わりにイソプロピルクロラ
イド86.4g(1.1モル)を使用した以外は、実施
例6と同様の方法で反応及び副生塩の処理を行い、有機
相を蒸留したところ、蒸留に支障なく70.5gのジイ
ソプロピルジメトキシシランが得られた。収率は80%
であった。
【0049】[実施例8]イソブチルクロライド10
1.9g(1.1モル)の代わりにトリメチルシリルメ
チルクロライド135.0g(1.1モル)を使用した
以外は、実施例6と同様の方法で反応及び副生塩の処理
を行い、有機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく10
7.2gのビス(トリメチルシリルメチル)ジメトキシ
シランが得られた。収率は81%であった。
【0050】[実施例9]イソブチルクロライド10
1.9g(1.1モル)の代わりにシクロヘキシルクロ
ライド135.0g(1.1モル)を使用した以外は、
実施例6と同様の方法で反応及び副生塩の処理を行い、
有機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく98.8gの
ジシクロヘキシルジメトキシシランが得られた。収率は
77%であった。
【0051】[実施例10]撹拌機、還流冷却器、温度
計及び滴化ロートを備えた500mlのフラスコ中に金
属マグネシウム13.4g(0.55モル)、テトラヒ
ドロフラン150ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素
ガス雰囲気下にプロピルクロライド43.2g(0.5
5モル)を内温40〜50℃で1時間滴下し、更に55
℃で1時間撹拌したところ、グリニャール試薬としての
プロピルマグネシウムが得られた。
【0052】次に、撹拌機、還流冷却器、温度計及び滴
下ロートを備えた1リットルのフラスコ中にプロピルト
リメトキシシラン82.2g(0.5モル)及びテトラ
ヒドロフラン150mlを仕込み、更に上で得られたグ
リニャール試薬を室温下で滴下ロートより1時間で滴下
し、そのまま1時間撹拌した後、還流下に10時間撹拌
し、反応させた。この反応液を室温まで冷却後、滴下ロ
ートより10%の塩化アンモニウム水150mlを加え
て撹拌した後、ゆっくりとした撹拌下に下層の水相へパ
イプを用いて酢酸36.1g(0.6モル)を1時間か
けて加え、副生塩を溶解した。撹拌をやめ、反応液を分
液して水相を除去し、有機相を蒸留したところ、全く支
障なく蒸留でき、64.4gのジプロピルジメトキシシ
ランが得られた。収率は73%であった。
【0053】[実施例11]プロピルクロライド43.
2g(0.55モル)の代わりにシクロへキシルクロラ
イド65.2g(0.55モル)を使用すると共に、プ
ロピルトリメトキシシラン82.2g(0.5モル)の
代わりにメチルトリメトキシシラン68.1g(0.5
モル)を使用した以外は、実施例10と同様の方法で反
応及び副生塩の処理を行い、有機相を蒸留したところ、
蒸留に支障なく77.2gのシクロへキシルメチルジメ
トキシシランが得られた。収率は82%であった。
【0054】[実施例12]プロピルクロライド43.
2g(0.55モル)の代わりにへキシルクロライド6
6.3g(0.55モル)を使用すると共に、プロピル
トリメトキシシラン82.2g(0.5モル)の代わり
に3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン109.2g(0.5モル)を使用した以外は、実施
例10と同様の方法で反応及び副生塩の処理を行い、有
機相を蒸留したところ、蒸留に支障なく109.0gの
3,3,3−トリフルオロプロピルへキシルメチルジメ
トキシシランが得られた。収率は80%であった。
【0055】[実施例13]プロピルクロライド43.
2g(0.55モル)の代わりに4−メトキシフェニル
ブロマイド102.9g(0.55モル)を使用すると
共に、プロピルトリメトキシシラン82.2g(0.5
モル)の代わりにビニルトリエトキシシラン95.2g
(0.5モル)を使用した以外は、実施例10と同様の
方法で反応及び副生塩の処理を行い、有機相を蒸留した
ところ、蒸留に支障なく88.3gの4−メトキシフェ
ニルビニルジエトキシシランが得られた。収率は70%
であった。
【0056】[実施例14]プロピルクロライド43.
2g(0.55モル)の代わりにフェニルブロマイド8
6.4g(0.55モル)を、プロピルトリメトキシシ
ラン82.2g(0.5モル)の代わりにメチルフェニ
ルジメトキシシラン91.2g(0.5モル)を使用し
た以外は、実施例10と同様の方法で反応及び副生塩の
処理を行い、有機相を蒸留したところ90.2gのメチ
ルジフェニルメトキシシランが得られた。収率は79%
であった。
【0057】[実施例15]プロピルクロライド43.
2g(0.55モル)の代わりにシクロペンチルクロラ
イド57.5g(0.55モル)を、プロピルトリメト
キシシラン82.2g(0.5モル)の代わりにテトラ
エキシシラン104.2g(0.5モル)を使用した以
外は、実施例10と同様の方法で反応及び副生塩の処理
を行い、有機相を蒸留したところ96.4gのシクロペ
ンチルトリエトキシシランが得られた。収率は83%で
あった。
【0058】[実施例16]撹拌機、還流冷却器、温度
計及び滴化ロートを備えた1リットルのフラスコ中に金
属マグネシウム13.4g(0.55モル)、ジエチル
エーテル300ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素ガ
ス雰囲気下にプロピルクロライド43.2g(0.55
モル)を内温25〜30℃で1時間滴下し、更に35℃
で1時間撹拌したところ、グリニャール試薬としてのプ
ロピルマグネシウムクロライドが得られた。
【0059】次に、この反応液中に室温下で滴下ロート
よりtert−ブチルトリメトキシシラン89.2g
(0.5モル)を1時間で滴下後、還流下に10時間撹
拌し、反応させた。この反応液を室温まで冷却後、滴下
ロートより水150mlを加えて撹拌した後、ゆっくり
とした撹拌下に下層の水相へパイプを用いて20%塩酸
91.0g(0.5モル)を1時間かけて加え塩を溶解
した。撹拌を止め、反応液を分液して水相を除去し、有
機相を蒸留したところ70.4gのtert−ブチルプ
ロピルジメトキシシランが得られた。収率は74%であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒崎 忠雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社直江津工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) R1 mSi(OR24-m …(1) (但し、式中R1は1価の有機基、R2は炭素数1〜4の
    アルキル基、mは0、1又は2を表す。)で表されるア
    ルコキシシラン化合物と、下記一般式(2) R3MgX …(2) (但し、式中R3は1価の有機基、Xは塩素原子又は臭
    素原子を表す。)で表されるグリニャール試薬とを有機
    溶媒中で反応させて下記一般式(3) 【化1】 (但し、式中R1、R2、R3及びmは上記と同様の意味
    を示し、nは1、2又は3を表すが、m+nは1、2又
    は3である。)で表されるオルガノアルコキシシラン化
    合物を生成させた後、得られたオルガノアルコキシシラ
    ン化合物を含む反応液中の副生塩を酸性水溶液で抽出
    し、この副生塩を抽出した水相を反応液から分離するこ
    とを特徴とするオルガノアルコキシシラン化合物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 反応液に水を加えて副生塩をこの水相に
    移行させた後、この水相に酸を加えて副生塩を水相中に
    溶解させるようにした請求項1記載の製造方法。
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