JP4784017B2 - 積層型ローパスフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層型ローパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のローパスフィルタ回路として、例えば、図16に示すπ型3次ローパスフィルタ回路1が知られている。このローパスフィルタ回路1は、入力端子2と出力端子3との間にインダクタL1を電気的に接続し、インダクタL1の両端とグランド間にそれぞれコンデンサC1,C2を電気的に接続している。なお、コンデンサC3はポール調整用コンデンサである。
【0003】
そして、従来の積層型ローパスフィルタは、一つのチップに一つのローパスフィルタ回路1しか内蔵していなかった。そのため、1対のバランスライン(平衡信号ライン)にこのローパスフィルタ回路1を取り付けようとした場合には、それぞれの信号ライン毎に積層型ローパスフィルタを接続しなければならず、2個の積層型ローパスフィルタを並置して使用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の積層型ローパスフィルタは、一つのチップに一つのローパスフィルタ回路1しか内蔵していないため、それぞれの信号ライン毎に積層型ローパスフィルタを接続する必要がある。従って、部品点数が多くなり、電子機器が大型化し、挿入損失も大きくなるという問題があった。
【0005】
また、平衡信号などのように、2ラインの電位差を基準に信号処理を行う際には、グランド端子がなくても動作する。しかし、従来の積層型ローパスフィルタには、電位0の基準となるグランド端子が必ず設けられているため、本来なら必要ないグランドパターンを実装基板に配設しなければならないという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、必ずしもグランド端子を設ける必要がなく、小型で良好な電気特性が得られる積層型ローパスフィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するため、第1の発明に係る積層型ローパスフィルタは
複数の絶縁体層と共振用コイル導体と共振用コンデンサ導体とを積み重ねて構成した積層体と、
前記積層体の表面に設けた少なくとも二つの入力端子及び少なくとも二つの出力端子と、
前記積層体内に前記共振用コイル導体及び共振用コンデンサ導体にて構成された少なくとも二つのローパスフィルタとを備え、
前記二つのローパスフィルタが、前記二つの入力端子と前記二つの出力端子の間に電気的に接続されているとともに、前記二つのローパスフィルタのそれぞれの共振用コンデンサを構成する一方の共振用コンデンサ導体が前記積層体内の他の導体と導通しないとともに、前記絶縁体層の略全面にわたって形成された共通導体であること、
を特徴とする。
【0008】
また、第2の発明に係る積層型ローパスフィルタは、
複数の絶縁体層と共振用コイル導体と共振用コンデンサ導体とを積み重ねて構成した積層体と、
前記積層体の表面に設けた少なくとも三つの入力端子及び少なくとも三つの出力端子と、
前記積層体内に前記共振用コイル導体及び共振用コンデンサ導体にて構成された少なくとも三つのローパスフィルタとを備え、
前記三つのローパスフィルタのうち二つが、前記三つの入力端子のうちの二つの入力端子と前記三つの出力端子のうちの二つの出力端子との間に電気的に接続されているとともに、該二つのローパスフィルタのそれぞれの共振用コンデンサを構成する一方の共振用コンデンサ導体が前記積層体内の他の導体と導通しないとともに、前記絶縁体層の略全面にわたって形成された共通導体であること、
を特徴とする。
【0009】
以上の構成により、少なくとも二つのローパスフィルタが、それぞれの共振用コンデンサの他端をコムライン結合している(言い換えると、共振用コンデンサを構成する一方の共振用コンデンサ導体が共通導体である)ため、1チップ内に複数のローパスフィルタが形成される。
【0010】
入力端子の数と出力端子の数とローパスフィルタの数は等しい。また、グランド端子を必ずしも必要としないため、実装基板にグランドパターンを配設する必要がなくなり、実装基板の設計が簡略化する。なお、コムライン結合している共振用コンデンサの一端をグランド端子に電気的に接続することにより、それぞれのローパスフィルタを独立させて機能させることができる。
【0011】
また、二つのローパスフィルタが互いに共振用コンデンサを共有する場合には、共振用コンデンサの数が削減され、より一層の小型化が図れる。
【0012】
また、入力端子や出力端子は、それぞれ平衡端子や不平衡端子とされる。例えば、入力端子及び出力端子をそれぞれ平衡端子とすることにより、小型の平衡−平衡型のバランスフィルタが得られる。また、入力端子及び出力端子のいずれか一方の端子対において、一方の端子を開放状態とすることにより、他方の端子が不平衡端子となり、不平衡−平衡型のバランスフィルタが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層型ローパスフィルタの実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
【0015】
[第1実施形態、図1〜図5]
図1に示すように、積層型ローパスフィルタ11は、共振用コイル導体13a〜13d,14a〜14dをそれぞれ表面に設けた絶縁体シート12a〜12dと、コンデンサ導体15〜21をそれぞれ表面に設けた絶縁体シート12f〜12j等で構成されている。絶縁体シート12a〜12jは誘電体粉末や磁性体粉末を結合剤等と一緒に混練したものをシート状にしたものである。
【0016】
共振用コイル導体13a〜13d、14a〜14dはそれぞれ略コの字状のパターンであり、絶縁体シート12a〜12cに設けたビアホール29を介して電気的に直列に接続され、共振用コイルL11,L12を構成している。共振用コイルL11,L12は同一層上に並置されており、その巻回方向は逆方向である。なお、共振用コイル導体13a〜13d,14a〜14dは必ずしもコの字状のパターンである必要はなく、渦巻き状、直線状、蛇行状などの任意のパターンであってもよいことは言うまでもない。
【0017】
コンデンサ導体15,16は、絶縁体シート12fを挟んでそれぞれコンデンサ導体17,18、19,20に対向して、ポール調整用コンデンサC13,C16を構成している。コンデンサ導体17,18,19,20は絶縁体シート12g,12h,12iを挟んで共通コンデンサ導体21に対向し、それぞれ共振用コンデンサC11,C12,C14,C15を構成している。導体13a〜13d,14a〜14d,15〜21はそれぞれ、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、フォトリソグラフィ法などの方法により形成され、Ag−Pd,Ag,Pd,Cuなどの材料からなる。
【0018】
各シート12a〜12jは積み重ねられ、さらに、上下に保護シートが配置された後、一体的に焼成され、図2に示すように矩形体状の積層体22とされる。積層体22には6個の外部電極24〜29が形成されている。これらの外部電極24〜29はスパッタリング法、蒸着法、塗布法、印刷法などの方法により形成され、Ag−Pd,Ag,Pd,Cu,Cu合金などの材料からなる。
【0019】
外部電極24は、共振用コイル導体13a及びコンデンサ導体17に電気的に接続されている。外部電極25は、共振用コイル導体14a及びコンデンサ導体19に電気的に接続されている。外部電極24,25は入力端子とされる。
【0020】
外部電極26は、共振用コイル導体13d及びコンデンサ導体18に電気的に接続されている。外部電極27は、共振用コイル導体14a及びコンデンサ導体20に電気的に接続されている。外部電極26,27は出力端子とされる。外部電極28,29は、いずれの内部導体とも電気的に接続されていないダミー端子とされる。
【0021】
図3は、積層型ローパスフィルタ11の電気等価回路図である。積層型ローパスフィルタ11は、共振用コイルL11及び共振用コンデンサC11,C12からなるπ型3次ローパスフィルタLPF1と、共振用コイルL12及び共振用コンデンサC14,C15からなるπ型3次ローパスフィルタLPF2とを有している。つまり、入力端子24,25と出力端子26,27の間に、二つのローパスフィルタLPF1,LPF2が電気的に接続されている。ローパスフィルタLPF1,LPF2のそれぞれの共振用コンデンサC11,C12,C14,C15は、その一端が共通コンデンサ導体21によってコムライン結合している。
【0022】
以上の構成からなる積層型ローパスフィルタ11は、二つのローパスフィルタLPF1,LPF2を1チップに内蔵することができるので、電子機器の小型化を図ることができる。ローパスフィルタLPF1,LPF2のそれぞれのフィルタ特性の調整は、共振用コイルL11,L12のインダクタンス値および共振用コンデンサC11,C12,C14,C15のキャパシタンス値を調整することにより行われる。
【0023】
さらに、このローパスフィルタ11は、グランド端子を有さないので、実装基板にグランドパターンを配線する必要がなく、実装基板の設計を簡略化することができる。
【0024】
また、このローパスフィルタ11は、外部電極24,25を一対の平衡入力端子として機能させ、外部電極26,27を一対の平衡出力端子として機能させることにより、平衡−平衡型のバランスフィルタとなる。一方、入力側外部電極24,25や出力側外部電極26,27を不平衡端子として利用することもできる。つまり、外部電極24,25(外部電極26,27)の一方の外部電極を外部不平衡回路に接続し、他方の外部電極を開放状態にする。これにより、積層型ローパスフィルタ11は、不平衡−平衡型や不平衡−不平衡型のバランスフィルタとなる。このようなローパスフィルタにて構成されたバランスフィルタは、バンドパスフィルタにて構成されたバランスフィルタと比較して、高周波側(例えば2倍波、3倍波等)の減衰量が大きく、フィルタ特性に優れている。
【0025】
なお、図1に示した積層型ローパスフィルタ11において、絶縁体シート12h,12jの表面に設けた共通コンデンサ導体21を、図4に示したグランドコンデンサ導体30に変更してもよい。このグランドコンデンサ導体30は外部電極28,29に電気的に接続し、外部電極28,29はグランド端子とされる。図5はこうして得られた積層型ローパスフィルタ11Aの電気等価回路図である。この積層型ローパスフィルタ11Aは、内蔵している二つのローパスフィルタLPF1,LPF2をそれぞれ独立させて機能させることができる。
【0026】
[第2実施形態、図6〜図8]
図6に示すように、積層型ローパスフィルタ31は、前記第1実施形態のローパスフィルタ11において、コンデンサ導体17〜21の代わりに、コンデンサ導体33〜36を用いたものである。
【0027】
コンデンサ導体33,34は絶縁体シート12g,12hを挟んでコンデンサ導体35,36に対向し、それぞれ共振用コンデンサC17,C18を構成している。
【0028】
各シート12a〜12iは積み重ねられ、さらに、上下に保護シートが配置された後、一体的に焼成され、図7に示すように矩形体状の積層体42とされる。積層体42には6個の外部電極44〜49が形成されている。
【0029】
外部電極44は、共振用コイル導体13a及びコンデンサ導体33に電気的に接続されている。外部電極45は、共振用コイル導体14a及びコンデンサ導体35に電気的に接続されている。外部電極44,45は入力端子とされる。
【0030】
外部電極46は、共振用コイル導体13d及びコンデンサ導体36に電気的に接続されている。外部電極47は、共振用コイル導体14d及びコンデンサ導体34に電気的に接続されている。外部電極46,47は出力端子とされる。外部電極48,49は、いずれの内部導体とも電気的に接続されていないダミー端子とされる。
【0031】
図8は、積層型ローパスフィルタ31の電気等価回路図である。積層型ローパスフィルタ31は、共振用コイルL11及び共振用コンデンサC17,C18からなるπ型3次ローパスフィルタLPF1と、共振用コイルL12及び共振用コンデンサC17,C18からなるπ型3次ローパスフィルタLPF2とを有している。つまり、入力端子44,45と出力端子46,47の間に、二つのローパスフィルタLPF1,LPF2が電気的に接続されている。
【0032】
以上の構成からなる積層型ローパスフィルタ31は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11と同様の作用効果を奏することができる。さらに、共振用コンデンサC17,C18はローパスフィルタLPF1,LPF2に共用されており、共振用コンデンサの数が削減され、より一層の小型化を図ることができる。
【0033】
[第3実施形態、図9〜図15]
第3実施形態は、1チップにローパスフィルタを3個以上内蔵している積層型ローパスフィルタのいくつかの例について説明する。
【0034】
図9は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11を同一絶縁体シート上に2個並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ51の電気回路ブロック図である。52〜55は入力端子、56〜59は出力端子である。
【0035】
図10は、前記第2実施形態の積層型ローパスフィルタ31を同一絶縁体シート上に2個並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ61の電気回路ブロック図である。62〜65は入力端子、66〜69は出力端子である。
【0036】
図11は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11と、前記第2実施形態の積層型ローパスフィルタ31とを、絶縁体シート上に並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ71の電気回路ブロック図である。72〜75は入力端子、76〜79は出力端子である。
【0037】
図12は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11Aを同一絶縁体シート上に2個並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ81の電気回路ブロック図である。82〜85は入力端子、86〜89は出力端子、G1,G2はグランド端子である。
【0038】
図13は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11と、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11Aとを、同一絶縁体シート上に並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ91の電気回路ブロック図である。92〜95は入力端子、96〜99は出力端子、G1はグランド端子である。
【0039】
図14は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11Aと、前記第2実施形態の積層型ローパスフィルタ31とを、絶縁体シート上に並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ101の電気回路ブロック図である。102〜105は入力端子、106〜109は出力端子、G1はグランド端子である。
【0040】
図15は、前記第1実施形態の積層型ローパスフィルタ11(あるいは、前記第1、第2実施形態の積層型ローパスフィルタ11Aや31であってもよい)と、図16に示したような従来の積層型ローパスフィルタ1とを、絶縁体シート上に並置した構造を有する積層型ローパスフィルタ111の電気回路ブロック図である。112〜114は入力端子、115〜117は出力端子、G1はグランド端子である。
【0041】
なお、積層型ローパスフィルタ51,61,71,81,91,101,111の分解斜視図や外観斜視図等は、前記第1及び第2実施形態の図1〜図8に記載された内容を適宜組み合わせることによって容易に得られるので、図示していない。
【0042】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0043】
前記実施形態では、内蔵のローパスフィルタを同一絶縁体層上に並置している構造を採用しているが、必ずしもこれに限るものではなく、複数のローパスフィルタを絶縁体シートの積み重ね方向に上下に積層する構造であってもよい。また、ローパスフィルタは、π型3次ローパスフィルタ以外のローパスフィルタであってもよい。
【0044】
また、積層型ローパスフィルタを製造する場合、内部導体を設けた絶縁体シート等を積み重ねた後、一体的に焼成する工法に必ずしも限定されない。絶縁体シートは予め焼成されたものを用いてもよい。また、以下に説明する工法によって積層型ローパスフィルタを製造してもよい。すなわち、印刷などの手段によりペースト状の絶縁体材料にて絶縁体層を形成した後、その絶縁体層の表面にペースト状の導電性材料を塗布して内部導体を形成する、次に、ペースト状の絶縁体材料を前記内部導体の上から塗布して内部導体が内蔵された絶縁体層とする。同様にして、順に重ね塗りすることにより、積層構造を有するローパスフィルタが得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、1チップ内に複数のローパスフィルタを形成することができるので、従来の積層型ローパスフィルタと比較して、部品点数の削減及び実装面積の縮小を図ることができる。この結果、小型で良好な電気特性が得られる。また、グランド端子を必ずしも必要としないため、実装基板にグランドパターンを配設する必要がなくなり、実装基板の設計を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本説明に係る積層型ローパスフィルタの一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した積層型ローパスフィルタの外観を示す斜視図。
【図3】図2に示した積層型ローパスフィルタの電気等価回路図。
【図4】図1に示した積層型ローパスフィルタの変形例に使用される絶縁体シートの平面図。
【図5】図1に示した積層型ローパスフィルタの変形例の電気等価回路図。
【図6】本発明に係る積層型ローパスフィルタの別の実施形態を示す分解斜視図。
【図7】図6に示した積層型ローパスフィルタの外観を示す斜視図。
【図8】図6に示した積層型ローパスフィルタの電気等価回路図。
【図9】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図10】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図11】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図12】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図13】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図14】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図15】本発明に係る積層型ローパスフィルタのさらに別の実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図16】従来の積層型ローパスフィルタの電気回路図。
【符号の説明】
11,31,51,61,71,81,91,101,111…積層型ローパスフィルタ
12a〜12j…絶縁体シート
13a〜13d,14a〜14d…共振用コイル導体
17〜21,33〜36…コンデンサ導体
24,25,44,45,52〜55,62〜65,72〜75,82〜85,92〜95,102〜105,112〜114…入力端子
26,27,46,47,56〜59,66〜69,76〜79,86〜89,96〜99,106〜109,115〜117…出力端子
28,29…外部端子(グランド端子)
G1,G2…グランド端子
L11,L12…共振用コイル
C11,C12,C14,C15,C17,C18…共振用コンデンサ
LPF1,LPF2,LPF…ローパスフィルタ

Claims (7)

  1. 複数の絶縁体層と共振用コイル導体と共振用コンデンサ導体とを積み重ねて構成した積層体と、
    前記積層体の表面に設けた少なくとも二つの入力端子及び少なくとも二つの出力端子と、
    前記積層体内に前記共振用コイル導体及び共振用コンデンサ導体にて構成された少なくとも二つのローパスフィルタとを備え、
    前記二つのローパスフィルタが、前記二つの入力端子と前記二つの出力端子の間に電気的に接続されているとともに、前記二つのローパスフィルタのそれぞれの共振用コンデンサを構成する一方の共振用コンデンサ導体が前記積層体内の他の導体と導通しないとともに、前記絶縁体層の略全面にわたって形成された共通導体であること、
    を特徴とする積層型ローパスフィルタ。
  2. 前記入力端子の数と前記出力端子の数と前記ローパスフィルタの数とが等しいことを特徴とする請求項1に記載の積層型ローパスフィルタ
  3. 前記二つの入力端子が平衡入力端子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型ローパスフィルタ
  4. 前記二つの入力端子のうち一つが不平衡入力端子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型ローパスフィルタ
  5. 前記二つの出力端子が平衡出力端子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層型ローパスフィルタ
  6. 前記二つの出力端子のうち一つが不平衡入力端子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層型ローパスフィルタ
  7. 複数の絶縁体層と共振用コイル導体と共振用コンデンサ導体とを積み重ねて構成した積層体と、
    前記積層体の表面に設けた少なくとも三つの入力端子及び少なくとも三つの出力端子と、
    前記積層体内に前記共振用コイル導体及び共振用コンデンサ導体にて構成された少なくとも三つのローパスフィルタとを備え、
    前記三つのローパスフィルタのうち二つが、前記三つの入力端子のうちの二つの入力端子と前記三つの出力端子のうちの二つの出力端子との間に電気的に接続されているとともに、該二つのローパスフィルタのそれぞれの共振用コンデンサを構成する一方の共振用コンデンサ導体が前記積層体内の他の導体と導通しないとともに、前記絶縁体層の略全面にわたって形成された共通導体であること、
    を特徴とする積層型ローパスフィルタ。
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