JP4781514B2 - 接着剤組成物および接着シート - Google Patents
接着剤組成物および接着シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP4781514B2 JP4781514B2 JP2000335464A JP2000335464A JP4781514B2 JP 4781514 B2 JP4781514 B2 JP 4781514B2 JP 2000335464 A JP2000335464 A JP 2000335464A JP 2000335464 A JP2000335464 A JP 2000335464A JP 4781514 B2 JP4781514 B2 JP 4781514B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- polymer
- crystalline
- molecule
- monomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J175/00—Adhesives based on polyureas or polyurethanes; Adhesives based on derivatives of such polymers
- C09J175/04—Polyurethanes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G18/00—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
- C08G18/06—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
- C08G18/28—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
- C08G18/40—High-molecular-weight compounds
- C08G18/42—Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
- C08G18/4266—Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain prepared from hydroxycarboxylic acids and/or lactones
- C08G18/4269—Lactones
- C08G18/4277—Caprolactone and/or substituted caprolactone
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J1/00—Adhesives based on inorganic constituents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J7/00—Adhesives in the form of films or foils
- C09J7/30—Adhesives in the form of films or foils characterised by the adhesive composition
- C09J7/38—Pressure-sensitive adhesives [PSA]
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G2170/00—Compositions for adhesives
- C08G2170/40—Compositions for pressure-sensitive adhesives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G2250/00—Compositions for preparing crystalline polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L33/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L33/04—Homopolymers or copolymers of esters
- C08L33/06—Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J2433/00—Presence of (meth)acrylic polymer
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J2475/00—Presence of polyurethane
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性ポリマーと、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において前記結晶性ポリマーと相溶可能な粘着性ポリマーとを含んでなる接着剤組成物の改良に関する。
本発明の接着剤組成物は、接着シートの接着層の材料として特に有用である。この様な接着シートは、たとえば、広告用、装飾用、標識用、電子部品用、医療用等の用途において特に好適に使用される。なお、本発明による接着シートは、接着フィルムや接着テープと呼ばれる接着性物品の形態も包含する。
【0002】
【従来の技術】
粘着性ポリマーを主成分とする接着剤は感圧性接着剤(粘着剤)とも呼ばれ、圧力を加えるだけで容易かつ強力に接着することができる。また、粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとを含有する場合、感熱接着剤としても使用できる。
【0003】
この様な粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとを含有するものとして、たとえば、米国特許5,192,612号(日本特許第3021646号に対応)には、感圧接着剤基礎樹脂(アクリル系ポリマー等の粘着性ポリマー)と、脱粘着樹脂と脱粘着粒子とを含有する、感圧接着剤が開示されている。脱粘着樹脂の具体的かつ好適な例として、約3,000から約342,000の分子量を有する実質的にリニアなポリカプロラクトンが開示されている。ポリカプロラクトンは、常温(約15℃〜30℃)では非粘着性を示す結晶性ポリマーである。
上記の感圧接着剤は、常温で、被着体に向かって押圧して接着可能である。一方、上記の様な脱粘着樹脂は、脱粘着粒子と共同して、常温での接着剤表面のタックを効果的に軽減し、再剥離性を高めている。脱粘着粒子はシリカ等の無機粒子である。
なお、この特許公報では、最終的に接着した後、使用中または使用完了後に剥離(熱剥離操作も含む)することは想定されていない。したがって、そのままでは、後述する様な熱剥離容易性を有する接着剤としては使用できなかった。たとえば、熱剥離容易性を有する様にするには、後述する様に、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとの相溶性を良好にする必要がある。しかしながら、結晶性ポリオールとの相溶性を高めるための、粘着性ポリマーの分子構造(分子内の官能基、置換基の種類、重量平均分子量等)の改良について開示されていない。
【0004】
米国特許5,412,035号(特表平6−510548号公報に対応)には、20℃から40℃の範囲の、少なくとも1つの温度で感圧接着剤となる感圧接着剤組成物であって、高分子感圧接着剤成分、および結晶性高分子からなる、熱剥離容易性の接着剤組成物(感圧接着剤)が開示されている。
結晶性高分子は、通常、常温で非粘着性で、前記高分子感圧接着剤成分との相溶性が良好である様に分子設計されている。また、結晶性高分子自体の融点Tm℃であり、前記組成物中で測定したとき結晶性高分子の融点Ta℃はTmより低く、Tm−Taは、好ましくは1℃〜9℃である。なお、Tmは、好ましくは20℃〜102℃であるとされている。この組成物は、Taよりも低いある温度での剥離強さP1[g/cm]よりも、Taよりも高いある温度での剥離強さP2[g/cm]が小さくなり、熱剥離容易性(熱剥離性)を有する。なお、この特許公報には、結晶性高分子として、ポリカプロラクトン等の結晶性ポリオールを用いることは開示されていない。また、ポリカプロラクトンとの相溶性が改良され、その融点よりも高い温度においてポリカプロラクトンと相溶可能にするための、粘着性ポリマーの分子構造(分子内の官能基、置換基の種類等)の改良についても開示されていない。さらに、この様な接着剤組成物において、熱剥離性と、低温での接着性(低温接着性)とを同時に効果的に高めるための改良についても開示されていない。
【0005】
一方、特開2000−119624号公報は、特定の粘着性ポリマーと、結晶性のポリカプロラクトンとを含んでなる接着剤組成物を開示している。ここに開示の接着剤組成物は、熱圧着して(加熱した後で圧着して、または加熱しながら圧着して)、被着体に物品を接着することができる。なお、ここに開示の粘着性ポリマーは、分子内に、ヒドロキシ基とフェニル基との2つの官能基を有することを必須としている。これらの官能基の作用により、ポリカプロラクトンとの相溶性が良好になる。この様な接着剤では、結晶性ポリマー(カプロラクトン)の作用により、常温(約25℃)における接着面のタックをほとんどなくすことができる。
なお、上記いずれの公報においても、結晶性ポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有する結晶性ポリマーとして、結晶性ポリウレタンを用いた、熱剥離性の接着剤組成物については開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、屋外で使用される接着シート(広告用途等)の場合、日本の冬季に合わせて、比較的低温(10℃未満)での接着性(剥離強度)を高めることが要求される場合がある。また、この様な低温接着性の向上と同時に、良好な熱剥離性を要求される場合もある。この様な場合、結晶性ポリマーが、▲1▼ポリカプロラクトン等の結晶性ポリオール、または▲2▼結晶性ポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有する結晶性ポリウレタンである場合、熱剥離性と低温接着性とを高めるのに有利である。
ところが、前掲特開2000‐119624号公報に開示されている様な、分子内にフェニル基を比較的多数有する粘着性ポリマーでは、粘着性ポリマーのTg(ガラス転移点またはガラス転移温度)が高くなる。このため、この様な粘着性ポリマーと、これと相溶可能な結晶性ポリマーを含有する接着剤組成物では、低温接着性が低下する傾向があった。
【0007】
そこで、本発明者らは、結晶性ポリオールまたは、その様な結晶性ポリオールを分子主鎖内に繰り返し単位として含むポリウレタンを含有する接着剤組成物において、熱剥離性と低温接着性とを同時に効果的に高めるために必要な材料選択条件について、詳細に調査、研究を進めた。その結果、次の2つの点が重要であることが判明した。すなわち、
(1)粘着性ポリマー分子に含まれる置換基(官能基とも呼ばれる。)を適切に選択し、粘着性ポリマーのTgを可及的に低くすると同時に、粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとの相溶性を良好にする。
(2)粘着性ポリマーの分子に含まれる置換基を適切に選択し、粘着性ポリマーのTgを可及的に低くし、粘着性ポリマーの分子量を比較的大きくすると同時に、その粘着性ポリマーとの相溶性が良好になる様に、結晶性ポリマーの種類を選択する。
そして、この様な条件に合致する材料の選択及び組合せ方について、さらに調査、研究を加え、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、熱剥離性(熱剥離容易性)と、低温での接着性とを同時に効果的に高めることができる、接着剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結晶性ポリマーと、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において前記結晶性ポリマーと相溶可能な粘着性ポリマー、とを含んでなる接着剤組成物において、
前記結晶性ポリマーは、結晶性ポリカプロラクトン、又は結晶性ポリカプロラクトン単位を分子内に有するポリウレタンであり、
前記粘着性ポリマーは、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーと分子内にブチル基を含むアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであって、
前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であることを特徴とする、接着剤組成物、および
結晶性ポリマーと、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において前記結晶性ポリマーと相溶可能な粘着性ポリマー、とを含んでなる接着剤組成物において、
前記結晶性ポリマーは、結晶性ポリカプロラクトンポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有するポリウレタンであり、
前記粘着性ポリマーは、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであって、
前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であり、かつ、
前記粘着性ポリマーの重量平均分子量は、500,000〜2,000,000であることを特徴とする、接着剤組成物を提供し、上記課題を解決する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の形態の接着剤組成物)
本発明の第1の形態による接着剤組成物は、
(1)前記結晶性ポリマーが、結晶性ポリカプロラクトン、又は結晶性ポリカプロラクトン単位を分子内に有するポリウレタンであり、
(2)前記粘着性ポリマーは、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーと分子内にブチル基を含むアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであり、かつ、
(3)前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8(C4〜C8)のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であることを特徴とする。
【0010】
分子内にブチル基とカルボキシル基とを有する粘着性ポリマーは、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において、前記結晶性ポリマーと相溶可能であるので、熱剥離性を高めることができる。また、結晶性ポリマーとの相溶性を高めるのに、フェニル基を必要としない。また、ブチル基は、比較的多数含まれていても、粘着性ポリマーのTgを不要に高めることがない。さらに、前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8(C4〜C8)のアルキル基を含むモノマー単位の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%である。したがって、粘着性ポリマーのTgを効果的に低くすることができる。
なお、結晶性ポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有する結晶性ポリマーには、詳細には後述するが、結晶性ポリオールそのもの及び、ポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有する、「結晶性ポリウレタン」の両方を包含する。
【0011】
分子内にブチル基とカルボキシル基とを有する粘着性ポリマーが、結晶性ポリマーとの相溶性が良好である理由は明らかではない。しかしながら、次の様に考えられる。通常、結晶性ポリオールの分子主鎖には、炭素数が3以上のアルキレン基が含まれる。この結晶性ポリオールのアルキレン基の部分と、粘着性ポリマーのブチル基とは互いに構造が類似しているので、互いのポリマーを相溶させるきっかけさえあれば、互いのポリマーは相溶するものと考えられる。一方、ポリオール分子主鎖には、酸素原子を含む結合(エステル結合、エーテル結合等)が含まれる。また、粘着性ポリマーには、カルボキシル基が含まれる。このカルボキシル基のOH基部分と、ポリオール分子主鎖の含酸素結合の酸素原子とが引き合い、互いのポリマーを相溶させるきっかけとなるものと考えられる。なお、上記引き合いは、主に水素結合に起因するものと考えられる。
【0012】
したがって、この様な観点から結晶性ポリマーのポリオール単位は、炭素数4〜6(C4〜C6)のアルキレン骨格を含むのが好ましい。この場合、ブチル基とカルボキシル基とを有する粘着性ポリマーと、結晶性ポリマーとの相溶性が特に良好になるからである。炭素数4〜6(C4〜C6)のアルキレン骨格を含むポリオール単位として、たとえば、テトラメチレングリコール、開環したカプロラクトン、開環したバレロラクトン、アジピン酸エステル、ヘキサンジオール等を挙げることができる。
【0013】
また、好適な結晶性ポリマーは、▲1▼結晶性ポリカプロラクトンそのもの、または、▲2▼結晶性ポリオールが結晶性ポリカプロラクトンであり、ポリカプロラクトン単位(ポリカプロラクトンに由来する反応残基)を繰り返し単位として分子内に有するポリウレタンである。なお、粘着性ポリマーとの相溶性を高めるのに有利である点から、特に好適な結晶性ポリマーは、上記▲2▼のポリカプロラクトン系ポリウレタンである。
【0014】
粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の割合が60モル%未満では、接着剤組成物の低温接着性を効果的に高めることができない。また、結晶性ポリマーとの相溶性を高める作用を有する官能基が、ブチル基及びカルボキシル基以外に含まれない場合、ブチル基を含むモノマー単位の割合が少なくなり、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとの相溶性が低下するおそれがある。一方、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の含有割合が99モル%を超えると、カルボキシル基を含むモノマー単位の含有割合が少なくなる場合があり、その様な場合、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとの相溶性が低下する。相溶性の低下は、接着剤組成物の熱剥離性の低下を招く。したがって、低温接着性と熱剥離性とをバランス良く高めるには、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の含有割合は、好適には65〜98モル%、特に好適には70〜95モル%の範囲である。
【0015】
第1の形態の接着剤組成物において、結晶性ポリマーの含有割合は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。しかしながら、接着剤組成物全質量を基礎として、通常1〜50質量%(不揮発分換算)、好適には2〜45質量%、特に好適には3〜40質量%である。結晶性ポリマーの含有割合が少なすぎると、熱剥離性が低下するおそれがあり、反対に結晶性ポリマーの含有割合が多すぎると、低温接着性を効果的に高められないおそれがある。
【0016】
また、第1の形態において、粘着性ポリマーのTg(ガラス転移温度)は、通常−50〜−10℃、好適には−40〜−12℃、特に好適には−30〜−15℃である。粘着性ポリマーのTgが高すぎると、低温接着性が高められないおそれがあり、反対にTgが低すぎると、熱剥離性が低下するおそれがある。
【0017】
(第2の形態の接着剤組成物)
一方、本発明の第2の形態による接着剤組成物は、
(i)前記結晶性ポリマーは、結晶性ポリカプロラクトンポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有するポリウレタンであり、
(ii)前記粘着性ポリマーが、分子内に、炭素数4〜8(C4〜C8)のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであり、
(iii)前記粘着性ポリマー分子に含まれる、前記炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であり、かつ
(iv)前記粘着性ポリマーの重量平均分子量は、500,000〜2,000,000であることを特徴とする。
【0018】
分子内に上記アルキル基とカルボキシル基とを有する粘着性ポリマーは、結晶性ポリウレタンの融点よりも高い温度において、前記結晶性ポリウレタンと相溶可能であるので、熱剥離性を高めることができる。また、結晶性ポリウレタンとの相溶性を高めるのに、フェニル基を必要としない。また、前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8(C4〜C8)のアルキル基を含むモノマー単位の割合が60〜99モル%である。炭素数が8以下のアルキル基であれば、フェニル基に比べて、粘着性ポリマーのTgを高める作用が極めて低い。したがって、粘着性ポリマーのTgを低くするのに有利である。
【0019】
また、第2の形態において、粘着性ポリマーのTgは、前述の第1の形態に比べて幾分高くても良い。これは、粘着性ポリマーの分子量が比較的大きい(500,000以上である)ことが、接着剤組成物の低温接着性を高める様に作用するためと思われるからである。したがって、粘着性ポリマーのTgは、通常−50〜−5℃の範囲であれば良く、好適には−40〜−7℃である。粘着性ポリマーのTgが高すぎると、低温接着性が高められないおそれがあり、反対にTgが低すぎると、熱剥離性が低下するおそれがある。
【0020】
本発明の第2の形態において、上記の様な粘着性ポリマーと、結晶性ポリウレタンとの相溶性の発現の理由は明らかではない。しかしながら、次の様に考えられる。
前述の様に、結晶性ポリオールの分子主鎖には、炭素数が3以上のアルキレン基が含まれる。この結晶性ポリオールのアルキレン基の部分と、粘着性ポリマーのブチル基以外のアルキル基(炭素数5〜8)は、ブチル基に比べて、構造類似に起因する相溶性の向上効果は相対的に低い。しかしながら、前述の、互いのポリマーを相溶させるきっかけ作用が強く働けば、互いのポリマーは相溶しやすくなるものと考えられる。ポリウレタンの場合、ポリオール分子主鎖の含酸素結合に加えて、ウレタン結合が分子内に含まれる。したがって、前述のポリオール分子主鎖の含酸素結合とカルボキシル基とが引き合う作用に加えて、(i)ウレタン結合のNH(窒素−水素)結合部分と、粘着性ポリマーのカルボキシル基のカルボニル(C=O)部分との引き合い及び、(ii)ウレタン結合のカルボニル(C=O)部分と、粘着性ポリマーのカルボキシル基のOH部分との引き合いも、互いのポリマーを相溶させるきっかけ作用として働くことが期待できる。
一方、粘着性ポリマーの分子量を増大させると、ポリマー1分子当たりに含まれるアルキル基の数が増大する。したがって、アルキル基の持つ構造類似に起因する相溶性向上効果が、ブチル基に比べて低い場合でも、数の増大による累積効果が期待できる。
すなわち、結晶性ポリマーのウレタン結合の効果と、粘着性ポリマーに含まれる炭素数4〜8(C4〜C8)のアルキル基の数の効果(累積効果)とが相乗して、互いのポリマーの相溶性を高めることができるものと考えられる。
【0021】
また、粘着性ポリマーの重量平均分子量が2,000,000を超えると、分子量の増大による相溶性低下作用が顕著になるので、重量平均分子量は2,000,000以下が良い。したがって、アルキル基の累積効果と分子量効果とのバランスを考慮すれば、粘着性ポリマーの重量平均分子量は、好適には1,000,000〜1,500,000である。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPCを用いて測定した、ポリスチレン換算分子量である。また、粘着性ポリマーの場合、架橋されない状態(または架橋する前の状態)の分子量を意味する。
【0022】
相溶性を高めるという観点からは、結晶性ポリオールから形成されるポリオール単位は、炭素数4〜6(C4〜C6)のアルキレン骨格を含むのが好ましい。
好適な結晶性ポリウレタンは、結晶性ポリオールがポリカプロラクトンであり、ポリオール単位がポリカプロラクトンの反応残基であるポリウレタン(ポリカプロラクトンポリウレタン)である。この場合、上記アルキル基とカルボキシル基とを有する粘着性ポリマーと、上記ポリウレタンとの相溶性が特に良好になるからである。
【0023】
なお、粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の割合が60モル%未満では、接着剤組成物の低温接着性を効果的に高めることができない。一方、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の含有割合が99モル%を超えると、カルボキシル基を含むモノマー単位の含有割合が少なくなる場合があり、その様な場合、ポリウレタンと粘着性ポリマーとの相溶性が低下し、接着剤組成物の熱剥離性の低下を招く。したがって、低温接着性と熱剥離性とをバランス良く高めるには、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位の含有割合は、好適には65〜98モル%、特に好適には70〜95モル%の範囲である。
【0024】
第2の形態の接着剤組成物において、結晶性ポリウレタンの含有割合は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。しかしながら、接着剤組成物全質量を基礎として、通常1〜50質量%(不揮発分換算)、好適には2〜45質量%、特に好適には3〜40質量%である。結晶性ポリウレタンの含有割合が少なすぎると、熱剥離性が低下するおそれがあり、反対に含有割合が多すぎると、低温接着性を効果的に高められないおそれがある。
【0025】
(粘着性ポリマー)
本発明による第1の形態または第2の形態の組成物で用いられる粘着性ポリマーは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーであり、結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱した時に、結晶性ポリマーと相溶可能である。また、粘着性ポリマーは架橋可能であるのが好ましく、熱剥離性を高めるためには、粘着性ポリマーは架橋されているのが好ましい。
【0026】
粘着性ポリマーが、結晶性ポリオールの融点以上の温度に加熱した時に、結晶性ポリマーと相溶可能であるかどうかは、接着剤組成物の透明度、すなわちヘイズの変化(低下)で判定できる。
たとえば、本発明の接着剤組成物からなり、厚みが20〜60μmの範囲のフィルム接着剤(フィルム状の接着剤)について、結晶性ポリマーの融点以上に加熱した時と、融点未満(常温、約25℃で良い。)の時とを比べる。常温では、結晶性ポリマーは通常、複数の微細な結晶を形成し、結晶性ポリマーは粘着性ポリマーを含むマトリックス中に分散しているので、透明度は比較的高いが、色差計を用いて測定されたヘイズは少なくとも5%以上(通常20%以下)である。一方、ポリオールの融点以上で、結晶性ポリマーが融解し、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとが相溶した状態ではヘイズが低下し、フィルム接着剤はほとんど透明になる。また、結晶性ポリマーが融解しても、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとが相溶しない場合は、ヘイズはほとんど変化しない。この様な場合、ヘイズが小さいほど相溶性が良いことを示す。したがって、色差計を用いて測定されたヘイズは、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとが相溶した状態では好適には3%以下、特に好適には2%以下である。
【0027】
また、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとを含有する溶液が透明であるか否かによっても、簡易的にこれら2つの相溶性について判定できる。すなわち、粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとの相溶性が良好であるための前提条件の1つは、粘着性ポリマーを溶解して含む透明な第1溶液と、結晶性ポリマーを溶解して含む透明な第2溶液とを混合した時、透明な混合液になることである。
【0028】
また、偏光顕微鏡を用いて、偏光の透過性を調べることによっても確認することができる。良く知られている様に、2枚の偏光板の偏光軸を直交させると、光は透過しなくなり、視野がほとんど真っ暗になる。この様に直交させた2枚の偏光板の間に、本発明の接着剤組成物からなるフィルム接着剤を置いて観察する。常温では、結晶性ポリマーの微結晶は、フィルム接着剤に入射した光の偏光面を回転させ、2枚の偏光板を透過させる。結晶軸の方向は、通常ランダムであるので、光の偏光面をちょうど90度回転させて2枚の偏光板を透過する結晶と、光が通り難い結晶とが混在する。結晶性ポリマーの微結晶が小さく分散しているほど、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーとの相溶性が高いことを示す。したがって、互いのポリマーの相溶性が高いほど結晶サイズが小さく、顕微鏡視野(100〜200倍)内ではフィルム全体がうすく明るく見える。互いのポリマーの相溶性が低い場合、結晶サイズが大きく、暗い下地に点在する明るい点として結晶が視認可能である。なお、結晶性ポリマーが融解し、粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとが相溶した状態では、フィルム接着剤に含まれるこれらポリマーの混合物は、光学的に等方性であるので、常温の場合に比べて暗くなる。
【0029】
粘着性ポリマーは、第1及び第2のいずれの形態においても、アクリル系ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR等)、非結晶性ポリウレタン、シリコーン系ポリマー等から形成できる。粘着性ポリマーは、これらのポリマー1種単独、または2種以上の混合物から構成される。
【0030】
(第1の形態における粘着性ポリマー)
本発明の第1の形態において使用される粘着性ポリマーは、分子内にブチル基を有するモノマーと、分子内にカルボキシル基を有するモノマーと、必要に応じて他の共重合可能なモノマーとを含む混合モノマー(出発モノマー混合物)を用いて重合して得ることができる。あるいは、重合後、分子内のカルボキシル基を反応させて、ブチル基に変換しても良い。
【0031】
ここで、本発明において好適に用いることができる、アクリル系ポリマーの好適な1例について説明する。この様なポリマーは、(A)分子内にブチル基を有する(メタ)アクリルモノマーと、(B)分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとを含んでなる混合モノマー(出発モノマー混合物)を重合して得たアクリル系ポリマーである。この様なポリマーは、通常の方法、たとえば、溶液重合等により共重合させて調製することができる。
上記(A)の分子内にブチル基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、nーブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等が使用できる。好適には、n−ブチル(メタ)アクリレートである。
上記(B)の分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマル酸等が使用できる。好適には、(メタ)アクリル酸である。
【0032】
また、上記(A)及び(B)に加えて、必要に応じて使用される共重合可能なモノマーとして、アクリロニトリル、ヒドロキルエチルアクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が併用できる。
【0033】
粘着性ポリマー分子内の、ブチル基を含むモノマー単位(ブチル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)と、カルボキシル基をを有するモノマー単位との合計割合は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。しかしながら、これら2つのモノマー単位の合計割合は、通常65モル%以上、好適には72モル%以上、特に好適には83〜100モル%である。これらのモノマー単位が少なすぎると、前記結晶性ポリマーとの相溶性が低下するおそれがある。
【0034】
粘着性ポリマー分子内の、カルボキシル基を有するモノマー単位の割合は、通常1〜25モル%、好適には3〜22モル%、特に好適には5〜20モル%である。カルボキシル基モノマー単位の割合が多すぎると低温接着性が低下するおそれがあり、反対に少なすぎると、熱剥離性が低下するおそれがある。
【0035】
粘着性ポリマー分子内に含まれるブチル基モノマー単位の割合は、通常35〜99モル%、好適には40〜98モル%、特に好適には45〜95モル%である。ブチル基モノマー単位が少なすぎると、低温接着性と熱剥離性との両方が低下するおそれがある。
粘着性ポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。アクリル系ポリマーは、特にポリカプロラクトン、またはポリカプロラクトンポリウレタンとの組合せにおいて、良好な熱剥離性と低温接着性とを発揮するからである。
【0036】
第1の形態の接着剤組成物において、粘着性ポリマーの含有割合は、通常49〜98質量%、好適には54〜97質量%、特に好適には59〜96質量%である。粘着性ポリマーが多すぎると、熱剥離性が低下するおそれがあり、反対に少なすぎると、低温接着性を効果的に高められないおそれがある。
粘着性ポリマーが架橋されている場合、低温接着性及び熱剥離容易性を高めると同時に、剥離清浄性(剥離後に被着面に接着剤成分を残さない性質)も高めることができる。粘着性ポリマーを架橋する具体的な手段については、詳細に後述する。
【0037】
第1の形態においては、粘着性ポリマーの分子量は特に限定されず、所定の効果(熱剥離性、低温接着性等)が得られれば良い。しかしながら、架橋されない状態(または架橋する前の状態)の重量平均分子量は、通常100,000〜2,000,000の範囲であれば良く、好適には200,000〜1,000,000の範囲である。
【0038】
(第2の形態における粘着性ポリマー)
第2の形態において使用される粘着性ポリマーも、第1の形態において使用される粘着性ポリマーと同様にして、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するモノマーと、分子内にカルボキシル基を有するモノマーと、必要に応じて他の共重合可能なモノマーとを含む混合モノマーを用いて重合して得ることができる。あるいは、重合後、分子内のカルボキシル基を反応させて、アルキル基に変換しても良い。
【0039】
ここで、本発明の第2形態において好適に用いることができる、アクリル系ポリマーの好適な1例について説明する。この様なポリマーは、(a)分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリルモノマーと、(b)分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとを含んでなる混合モノマーを重合して得たアクリル系ポリマーである。この様なポリマーは、通常の方法、たとえば、溶液重合等により共重合させて調製することができる。
【0040】
上記(a)の(メタ)アクリルモノマーとしては、炭素数4〜8のアルキル基を持つアルキルアクリレートや、炭素数4〜8のアルコキシ基を持つアルコキシアルキルアクリレート等が使用できる。特には、nーブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが好ましい。
上記(b)の分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、上記(B)と同様に、(メタ)アクリル酸、フマル酸等が使用できる。好適には、(メタ)アクリル酸である。
【0041】
また、上記(a)及び(b)に加えて、必要に応じて使用される共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、ヒドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート、メチルアクリレート等が併用できる。
【0042】
粘着性ポリマー分子内の、炭素数4〜8のアルキル基を含むモノマー単位と、カルボキシル基をを有するモノマー単位との合計割合は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。通常65モル%以上、好適には72モル%以上、特に好適には83〜100モル%である。これらのモノマー単位が少なすぎると、前記結晶性ポリマーとの相溶性が低下するおそれがある。
【0043】
粘着性ポリマー分子内の、カルボキシル基を有するモノマー単位の割合は、通常1〜25モル%、好適には3〜22モル%、特に好適には5〜20モル%である。カルボキシル基モノマー単位の割合が多すぎると低温接着性が低下するおそれがあり、反対に少なすぎると、熱剥離性が低下するおそれがある。
粘着性ポリマーは、第2の形態の接着剤組成物においても、アクリル系ポリマーが好ましい。アクリル系ポリマーは、特にポリカプロラクトンポリウレタンとの組合せにおいて、良好な熱剥離性と低温接着性とを発揮するからである。
【0044】
第2の形態の接着剤組成物において、粘着性ポリマーの含有割合は、通常49〜98質量%、好適には54〜97質量%、特に好適には59〜96質量%である。粘着性ポリマーが多すぎると、熱剥離性が低下するおそれがあり、反対に少なすぎると、低温接着性を効果的に高められないおそれがある。
粘着性ポリマーが架橋されている場合、低温接着性及び熱剥離容易性を高めると同時に、剥離清浄性(剥離後に被着面に接着剤成分を残さない性質)も高めることができる。粘着性ポリマーを架橋する具体的な手段については、詳細に後述する。
【0045】
(粘着性ポリマーの架橋)
第1または第2の形態において、粘着性ポリマーを架橋する場合、通常、カルボキシル基と反応可能な架橋成分(架橋剤)を用いる。また、ヒロドキシ基、エポキシ基等の別の架橋性官能基を、粘着性ポリマー分子内に導入しても良い。また、アクリル系ポリマーの様に、エチレン結合を繰り返し単位の中に有するポリマーの場合、電子線照射によるラジカル架橋反応を利用しても良い。
【0046】
架橋成分としては、粘着性ポリマーのカルボキシル基等の官能基と反応可能な、2以上の架橋用官能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されない。この様な化合物は、通常モノマー又はオリゴマーである。
架橋成分としては、たとえば、カルボキシル基が架橋官能基として機能する場合、ビスアミド系架橋剤、エポキシ樹脂、イソシアネート系架橋剤が好適である。また、架橋官能基がエポキシ基の場合、架橋成分としては、分子内にカルボキシル基を有するロジン(カルボキシルロジン)を使用できる。
【0047】
(架橋成分)
エポキシ樹脂は、粘着性ポリマーのカルボキシル基と反応し、粘着性ポリマーを熱架橋する様に作用する。エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が使用できる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常70〜400、好適には80〜300である。
ビスアミド系架橋剤としては、たとえば、イソフタロイルビス(2−メチルアジリジン)等の二塩基酸のビスアジリジン誘導体が利用できる。ビスアミド系架橋剤は、カルボキシル基を有する粘着性ポリマーと比較的低温で反応可能で、十分な架橋密度を容易に得ることができる点で特に好ましい。
【0048】
一方、粘着性ポリマーが分子内にエポキシ基を有する場合、架橋成分として好適には、カルボキシルロジンである。カルボキシルロジンは、分子内にカルボキシル基を有し、粘着性ポリマーと反応して、粘着性ポリマーを熱架橋する様に作用する。カルボキシルロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、またはそれらを化学変性したもの(たとえば、重合ロジン)が使用できる。これらカルボキシルロジンは、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用することができ、また、本発明の効果を損なわない限り、カルボキシル基を実質的に持たないロジンを併用することもできる。
【0049】
上記の様な架橋成分を用いる場合の接着剤全体(総質量)に占める割合は、通常0.01〜20質量%以上、好適には0.05〜15質量%である。
また、エポキシ樹脂等の架橋成分の反応促進剤を添加することもできる。これにより、加熱による架橋条件をマイルドにすることもできる。
架橋成分は、上記のものに限定されず、架橋官能基の種類や、架橋条件にしたがって選択できる。
【0050】
(結晶性ポリマー)
前述の様に、本発明で用いられる結晶性ポリマーは、通常、主鎖分子内に、結晶性ポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として有する。
本明細書において、「ポリオール」という用語は、常温(約25℃)で実質的に非粘着性であり、分子内に、2またはそれ以上の水酸基を有するポリマーまたはオリゴマーからなる化合物を意味する。
また、「結晶性」とは、加熱により融解可能な性質のことである。結晶性ポリマーの融点は、通常、繰り返し単位として含まれるポリオールの融点で決まる。融点は、通常30〜70℃であり、好適には35〜65℃のものを、特に好適には40〜60℃のものを選択するのが良い。
結晶性ポリマーの分子量は、所定の接着力が発揮される範囲であれば良く、重量平均分子量が、通常3,000〜200,000、好ましくは3,200〜150,000、特に好ましくは3,500〜130,000の範囲である。分子量が小さすぎると、熱剥離性や、剥離清浄性が低下するおそれがあり、反対に大きすぎると、低温接着性が低下するおそれがある。また、加熱後の剥離容易時間を長くするという観点からは、数平均分子量は2,000〜30,000の範囲が好ましく、2,500〜28,000の範囲が特に好ましい。
【0051】
(結晶性ポリウレタン)
本発明の第1または第2の形態で用いられる結晶性ポリウレタンは、再結晶化速度(または、再結晶化完了時間)を自由に制御することが極めて容易であり、熱剥離容易性を効果的に高めることができる。また、剥離清浄性も高めることができる。
【0052】
前述の様に、ポリウレタン中のポリオール単位は、結晶性ポリオールから形成される。すなわち、ジイソシアネート等のイソシアネート化合物との反応により、結晶性ポリオールがウレタン分子内に組み込まれ、繰り返し単位として、結晶性ポリオール単位を形成する。
結晶性ポリオールは、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカボネートポリオール等の中から、結晶性の化合物を選択するのが良い。たとえば、ポリウレタンの結晶性(結晶化度や結晶化速度)の制御が容易である観点から好適なポリエステルポリオールは、ポリカプロラクトンである。また、同様の観点から好適なポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレングリコールである。なお、結晶性ポリオールは、1種または2種以上の混合物であっても良い。
【0053】
ポリウレタンの原料となる結晶性ポリオールの重量平均分子量は、通常1,000〜200,000、好適には1,500〜50,000、特に好適には3,000〜15,000である。
重量平均分子量が小さすぎる場合、結晶化度が効果的に高められないおそれがあり、熱剥離性が低下するおそれがある。反対に分子量が大きすぎる場合、結晶化速度の制御が困難になったり、粘着性ポリマーとの相溶性が低下し、熱剥離性や剥離清浄性が低下するおそれがある。
【0054】
イソシアネート化合物は、通常、分子内に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートである。ジイソシアネートとしては、たとえば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、トリレンジイソシアネート(TDI)及び1,6−ヘキサンジオールジイソシアネート(HDDI)からなる群から選ばれた1種または2種以上のジイソシアネートを含む混合物が使用できる。また、上記ジイソシアネートどうしを反応させて得た、ビウレット構造またはイソシアヌレート構造を有する化合物なども利用できる。熱剥離性を効果的に高めるには、1,6−ヘキサンジオールジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートを用いるのが好ましい。
【0055】
結晶性の制御をいっそう容易にし、熱剥離性を効果的高めるには、ポリウレタンの重合に用いられる出発原料は、鎖延長剤(短鎖ジオール)を含まず、実質的に、結晶性ポリオールとジイソシアネートとからなるのが好ましい。また、ポリウレタン分子の末端のイソシアネート残基を失活させるために、低級一価アルコールを使用しても良い。この場合、一価アルコール残基が、ポリウレタン分子の末端に導入されるが、末端以外の分子主鎖は、実質的に結晶性ポリオールとジイソシアネートとから形成された重合単位からなる。
【0056】
ポリウレタンの形成(重合)は、たとえば溶媒中に出発原料を溶解または分散して形成した液体を、攪拌しながら加熱して行う。溶媒としては、たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤等の、活性水素を含まない化合物からなるものが利用できる。
【0057】
ポリオールとイソシアネートとの混合比率は、通常、全質量のポリオールに含まれるOH基のモル数(H1)と、全質量のイソシアネート化合物に含まれるNCO基のモル数(N1)との比率(H1:N1)で表され、この比率が、通常1:1〜1:1.60であれば良い。また、通常のポリウレタンの重合に用いられる触媒、たとえば、ジブチルスズラウレート等を使用することもできる。
【0058】
上記の様にして溶媒中でポリウレタンを重合して得た場合、ポリウレタンを含む溶液(または分散液)を、そのまま、本発明の接着剤組成物を製造するための、接着剤用ポリウレタン組成物として用いることができる。
粘着性ポリマーと、結晶性ポリオール単位を分子内に有するポリウレタンとを含む組成物では、ポリオール単位の結晶化により、常温では粘着性をほとんど無くすこともできる。しかしながら、常温で、または加熱しながら被着体に対して圧着することで、所定の接着力を発現することができる。なお、より強固な接着が必要な場合、熱圧着することもできる。
【0059】
(ポリカプロラクトン)
前述の様に、結晶性ポリオールの好適な1例として、ポリカプロラクトンが挙げられる。ポリカプロラクトンは、前述の様なポリウレタンの原料として、または、第1の形態の接着剤組成物においては、結晶性ポリマーとして使用できる。本発明において用いられるポリカプロラクトンとは、(i)カプロラクトンを含有する出発物質を重合して得られるポリカプロラクトン、または、(ii)カプロラクトンの開環重合により得られた重合単位(ユニット)を、分子内に含むポリカプロラクトンである。
粘着性ポリマーと、ポリカプロラクトンとを含む組成物では、ポリカプロラクトンの結晶化により、常温では粘着性をほとんど無くすこともできる。しかしながら、常温で、または加熱しながら被着体に対して圧着することで、所定の接着力を発現することができる。なお、より強固な接着が必要な場合、熱圧着することもできる。
【0060】
(接着剤組成物の製造方法)
本発明の第1または第2の形態による接着剤組成物は、通常の混合操作により、各原料を均一に混合して調製できる。たとえば、粘着性ポリマー、結晶性ポリマー、架橋剤、溶剤等を、ホモミキサ−、プラネタリーミキサー等の混合装置で混合し、各材料を均一に溶解または分散させ、液体の組成物を調製することができる。
結晶性ポリウレタンは、前述の様にして調製することができ、また、溶媒中で重合した場合、重合されたポリウレタンを含有する溶液を、そのまま原料として用いることができる。
【0061】
この液体の組成物は、通常、前記粘着性ポリマーを溶解して含む第1溶液と、前記結晶性ポリマーを溶解して含む第2溶液とを混合し、前記粘着性ポリマーと前記結晶性ポリマーとを均一に溶解して含む液体(塗料)を調製し、これを乾燥し、接着剤組成物からなる接着層を形成することができる。この様にすれば、結晶性ポリマーと、それと相溶性が良好な粘着性ポリマーとの特異なモルフォロジー(相互連結構造)を形成でき、前述の様な性能(常温での非粘着性および高接着力)を、特に効果的に発揮させることができる。なお、架橋成分を添加する場合、通常、架橋成分を含む第3溶液を上記塗料に添加する。
【0062】
(接着シートの製造方法)
上記の様にして得た第1の形態または第2の形態による接着剤組成物を含有する塗料を、塗布、乾燥して接着層を形成し、この接着層に基材を接着させ、本発明による接着シートを製造することができる。たとえば、ライナーの剥離面に、接着剤組成物の塗料を塗布、乾燥して接着層を形成する。このライナー付き接着層と、別途用意した基材とを積層して接着シートを完成させる。また、基材の表面(または表裏両面)に塗布、乾燥して接着層を形成し、その接着層にライナーを積層して接着シートを完成させることもできる。
【0063】
接着層を塗布により形成する際の乾燥は、通常60〜180℃の温度にて行われる。乾燥時間は、通常、数十秒から数分である。接着層の厚みは、通常5〜1,000μm、好適には10〜500μm、特に好適には15〜100μmである。
塗布手段には、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の公知の手段が使用できる。
ライナーは、通常、紙またはプラスチックフィルムから形成される。紙ライナーは、通常、紙の表面に、ポリエチレンコート、シリコーンコート等の剥離コート(剥離層)を積層して形成される。また、シリコーン剥離コートを積層する場合、通常、紙の上にクレーコート、ポリエチレンコート等のアンダーコートを積層した後、剥離コートを積層しても良い。
【0064】
接着シートの基材としては、従来から接着シートに用いられている基材(支持体)が使用できる。たとえば、紙、金属フィルム、ポリマーフィルム等が使用できる。フィルムのポリマーとしては、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、アクリル系ポリマー、ポリエステル(PET等)、ポリウレタン、ポリオレフィン系ポリマー(エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン系共重合体を含む。)等の合成ポリマーが使用できる。また、再帰反射シート等の光を反射する基材を用いても良い。さらに、上記例示した基材を複数層重ね、互いに固定して形成した積層体を基材として用いることもできる。
基材は、可視光や紫外線を透過するものであっても良い。また、着色されたものや、印刷等により装飾が施されたものであっても良い。その場合、本発明の接着シートは、装飾シートやマーキングフィルムとして有用である。
なお、基材の厚みは、通常5〜500μm、好適には10〜300μmである。
【0065】
接着層は、通常、基材の片方の主面にのみ固定的に配置されるが、両面接着テープとして用いる等の場合、基材の両方の主面に固定することもできる。
また、接着層と基材との間の密着性を高める必要がある場合には、基材の接着層配置面に、プライマーを適用するのが良い。
なお、接着層には、本発明の効果を損なわない限り、従来公知の添加剤を加えることができる。たとえば、粘度調整剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、ガラスビーズ等の無機粒子、防黴剤、粘着性ポリマーまたは非粘着性のゴム系ポリマーからなる弾性微小球、粘着付与剤(Tackifier)、架橋反応を促進するための触媒等である。
【0066】
(接着シートの使用方法)
本発明の接着シートは、熱剥離容易性接着シート(熱剥離性接着シート)として使用できる。この様な接着シートの接着層は、次の様な特徴を備える。すなわち、
[1]前記結晶性ポリマーと前記粘着性ポリマーとを含有し、
[2]前記粘着性ポリマーが、前記結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱した時に、前記結晶性ポリマーと相溶可能であり、かつ
[3]前記粘着性ポリマーが架橋されている
ことである。これにより、
▲1▼所望の時に、所定の温度に加熱して、剥離強度が加熱する前の値よりも低い値にまで低下した剥離容易状態にする、熱剥離容易性を高めること、
▲2▼剥離容易状態を維持可能にし、剥離容易時間を所定の時間まで長くすること、
▲3▼被着体に糊残りすることなく剥離できる、剥離清浄性を高めること、及び
▲4▼剥離した後に、被着体に向けて圧着することにより再接着できる様に、再接着性を高めること、
が可能な、熱剥離性接着シートを提供できる。
【0067】
本発明で用いられる接着剤組成物では、特に、粘着性ポリマーが、融解した結晶性ポリマーと相溶可能であるので、結晶性ポリマーの加熱後の再結晶化を遅らせるのに有利である。また、組成物中でのこの様な結晶性ポリマーの融解−再結晶は、実質的に可逆的な物理反応(現象)である。したがって、加熱後、再接着する時または再接着した後、組成物が、加熱前と実質的に同じ相状態に戻る。したがって、初期に(最初に)使用する時と同様にして、再接着できる。また、再接着後に、再度、加熱して剥離することもできる。
なお、本発明による熱剥離性接着シートは、粘着性ポリマーを比較的多く含有する場合、所定の環境温度(約5〜30℃)で圧着するだけでも接着可能である。また、粘着性ポリマーの量が比較的少ない場合や、接着し難い被着体に接着する等の場合、熱圧着により接着可能である。さらに、加熱剥離した後、接着剤が冷却されない内に、被着体への再接着操作を行っても良い。
【0068】
また、架橋により凝集力が効果的に高められるので、剥離の際に、粘着性ポリマーが被着体に残ることが効果的に防止される。一方、剥離容易状態では、結晶性ポリマーは、架橋された粘着性ポリマーと相溶している。したがって、融解−再結晶反応を妨げる様な、結晶性ポリマー自体の架橋を必要とすること無く、接着層全体としての糊残りを効果的に防止できる。
【0069】
本発明による接着シートは、それを適当な被着体に接着して使用する場合、たとえば、被着体に積層した後、1〜50kg/cm2(約0.1〜4.9MPa)の範囲の加圧条件で、圧着操作を用いて接着を完了させることができる。また、圧着の際に、加熱し、冷却(自然冷却)して接着力を高めることもできる。
被着体としては、(1)アルミニウム、ステンレス、銅、亜鉛鋼板等の金属、(2)ポリイミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル等の樹脂、(3)セラミック、ガラス等の無機酸化物材料等から形成された表面、すなわち被着面を有するものが使用できる。また、被着面として塗装面を有するものも使用できる。
【0070】
本発明による熱剥離性接着シートは、被着体の被着面上で位置決めした後、そのまま圧着して、または加熱圧着して冷却して接着可能である。この様な圧着可能な接着シートは、比較的大面積(通常400cm2以上)の接着面を有する接着シート、たとえば、内装または外装用の化粧シート(装飾シート)や、比較的大型の道路標識用の再帰反射シートとして好適に使用できる。また、被着体に対して所望の剥離強度をもって接着(密着)でき、しかも、所望の時に加熱して糊残り無く剥離可能であるので、アプリケーションテープ(またはフィルム)や電子部品製造用のマスキングテープ(またはフィルム)としても利用できる。
【0071】
さらに、シリコーンフリーの接着面が必要な場合、次の様にして使用することも可能である。シリコーンコートを有するライナーに積層された接着シートは、比較的軽い力で剥離できるので有用である。一方、電子機器の製造に用いられる接着シートにおいて、シートの接着面にシリコーンが痕跡量程度であっても残らない(シリコーンフリーである)方が良い場合がある。この様な場合、非シリコーン系ポリマーフィルムや金属フィルムを、本発明の接着シートと組合せるライナーとして用いる。この様なライナーを積層した接着シートを、室温(約15〜30℃)で保管、運搬し、機器の製造工程においてライナーから剥離したい時に、加熱して接着シートを剥離し、接着シートを電子部品等の接着に用いることができる。
【0072】
熱剥離を行う場合は、通常60〜120℃の温度で、30秒〜5分間加熱すれば良い。また、剥離のために加熱した後、少なくとも30秒以上、好適には1分以上、特に好適には5分以上の剥離容易時間を有する。なお、剥離容易状態は、被着体及び接着層が常温(約25℃)付近まで冷却された後も持続可能であるが、冷却後約15分で接着力(剥離強度)が再び上昇し、再接着を完了することができるのが好ましい。
熱剥離操作の際に、被着体または/及び接着シートを加熱するために、アイロン、ドライヤー、赤外線(遠赤外線)ランプ等の加熱装置を用いることができる。また、基材が金属箔を含む場合、電磁誘導加熱法によって接着シートを加熱することもできる。さらに、液体や水蒸気を熱媒として用い、加熱することもできる。
【0073】
接着シートの剥離強度は、剥離のために加熱する前では、180度剥離、300mm/分の剥離速度で測定した値で、好適には12N/25mmを超え、特に好適には13〜40N/25mmの範囲である。また、熱剥離操作時の剥離強度の最適な範囲は、基材の機械的強度(弾性率や破断伸び等)や、剥離操作条件(剥離速度)によって適宜決定できる。剥離操作を迅速に行うという観点からは、180度剥離、300mm/分の剥離速度で測定した値で、12N/25mm以下であるのが好ましい。
【0074】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明するが、以下に示される「部」は、すべて質量部である。
実施例1〜5
(粘着性ポリマーの調製)
各例において用いた、アクリル系の粘着性ポリマーを次の様にして調製した。まず、表1の「組成」欄に示される各アクリルモノマー(出発モノマー)を、同表の「モル比」欄に示される割合で、溶媒中に溶解、混合させてモノマー溶液を形成した。各例で用いた溶媒は、表1の「溶媒」に示されているとおりであった。
次に、上記モノマー溶液に、開始剤として0.15部のアゾビス2,4−ジメチルバレロニトリルを添加し、45℃で2時間、さらに65℃で3時間、窒素雰囲気下で重合反応させ、各例で用いる粘着性ポリマー溶液を得た。
【0075】
各例で用いる粘着性ポリマーのガラス転移温度(Tg)を、次の様にして測定した。まず、粘着性ポリマー溶液を剥離紙の上に塗布し、乾燥して粘着性ポリマーからなるフィルム(厚さ約30μm)を用意した。この粘着性ポリマーフィルムを試験片として、動的粘弾性スペクトルメータ(レオメトリックス社製、型番:RDA−II)を用い、弾性損失(tanδ)を測定した。温度域は−60〜200℃、モードはねじりモード、周波数は1rad/秒で行った。弾性損失の測定値からガラス転移温度を求めた。結果を表1に示す。
【0076】
(結晶性ポリウレタンの調製)
いくつかの実施例においては、次の様にして調製したポリウレタンを、結晶性ポリマーとして用いた。
ポリウレタンの調製に用いた結晶性ポリオールは、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製のプラクセル(Placcel:登録商標)240、Mw=11,000、Mw/Mn=1.9)であった。
ポリカプロラクトンとイソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、モル比で2:3になる配合比率で混合し、トルエン溶媒中で重合させた。重合操作では、まず、上記トルエン溶液に、ポリカプロラクトンに対して0.5質量%のジブチルスズジラウレート(触媒)を添加し、その溶液を80℃で5時間、窒素雰囲気下で加熱した。その後、上記溶液に、ポリカプロラクトンに対して10質量%のn−プロピルアルコールを加え、さらに80℃で1時間加熱して重合を完了させ、それぞれ固形分30%のポリウレタン溶液を得た。重合して得たポリウレタンの重量平均分子量(Mw)=120,000、分子量分布(Mw/Mn)=6.0であった。
【0077】
(結晶性ポリカプロラクトン)
別のいくつかの実施例においては、結晶性ポリマーとして、ダイセル化学工業社製のポリカプロラクトン(プラクセル(Placcel:登録商標)220N、Mw=3,800、Mw/Mn=1.4)を用いた。このポリカプロラクトンのトルエン溶液(不揮発分濃度=60質量%)を用い、後述する様にして接着剤組成物溶液を調製した。
【0078】
(接着剤組成物溶液の調製)
上記の様にしてそれぞれ用意した、粘着性ポリマー溶液と結晶性ポリマー溶液とを、不揮発分の質量部比が所定の値になる様に混合し、その混合溶液に架橋剤としてイソフタロイルビス(2−メチルアジリジン)を0.2質量部添加し、実施例1〜5の接着剤組成物溶液(以降、「接着剤溶液」と呼ぶこともある。)を得た。上記の各接着剤溶液は、白濁もゲル化もせず透明であった。したがって、各例の粘着性ポリマーと結晶性ポリマーとの組合せにおいては、互いに良好に相溶することが分った。
なお、粘着性ポリマー(表中記号TAP)と結晶性ポリマー(表中記号CP)との質量比率は、実施例3以外では80:20、実施例3では70:30であった。また、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーの組合せ方は、表2に示されているとおりであった。
【0079】
(接着シートの作製)
各接着剤溶液をライナーの剥離面上に塗布し、90℃、5分間の条件で乾燥させ、ライナー上に、厚さが30μmの各例の接着剤組成物からなる接着層を形成した。この接着層に、厚さ50μmの塩化ビニルホモポリマーフィルムからなる基材とドライラミネートし、各例の接着シートを得た。
なお、上記ライナーは、紙の両面にポリエチレンからなるアンダーコートを積層し、そのアンダーコート上に、シリコーン剥離コートを積層した、厚さが140μmの紙ライナーであった。剥離面のRaは0.7μmであった。
【0080】
比較例
粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基(実際にはブチル基)を含むモノマー単位の割合が57モル%になる様に、表1に示される様なモノマー組成を用いて粘着性ポリマーを調製し、粘着性ポリマー(TAP)と結晶性ポリマー(CP)との質量比率を80:20にした以外は、実施例3と同様にして、本例の接着剤組成物及び接着シートを得た。なお、本例の粘着性ポリマーのTgも、実施例3と同様にして測定した。結果を表1に示すが、いずれの実施例の粘着性ポリマーよりも高いTgを持つことが分った。また、本例で調製した接着剤溶液は、白濁もゲル化もせず透明であった。
【0081】
上記の様にして得た各例の接着シートについて、以下に説明する方法にしたがって、評価を行った。評価結果を表2に示す。
(1)低温接着性
5℃の環境下で、各例の接着シートをメラミン焼き付け塗装板(パルテック社製)に貼り付けてサンプルを作製した。貼り付け手順は、JIS Z 0237 8.2.3に従った。この様にして作製したサンプルを、同温度下で3時間放置後、180°方向の剥離強度を、剥離速さ300mm/分にて引張試験機(テンシロン)で測定し、その測定値をもって低温接着性の評価値とした。結果を表2に示す。
表2に示されるとおり、実施例1〜5の接着シートでは、低温接着性の評価値がいずれも10N/25mm以上で、比較例の値よりも大きかった。また、ブチル基よりも大きな炭素数のアルキル基を含まない粘着性ポリマーを用いた実施例1〜4はいずれも、炭素数が8のアルキル基を有する粘着性ポリマーを用いた実施例5よりもすぐれた低温接着性を示すことが分った。
【0082】
(2)20℃接着力
20℃の環境下で接着シートを前出の塗装板に貼り付けた以外は、上記(1)の場合と同様にしてサンプルを作製した。この様にして作製したサンプルを、同温度下で48時間放置した後に測定した以外は、上記(1)の場合と同様にして180°剥離強度を測定し、その測定値をもって20℃接着力の評価値とした。
結果を表2に示す。
【0083】
(3)加熱後接着力および熱剥離容易性
上記(2)の場合と同様にして接着シートを前出の塗装板に貼り付け、サンプルを作製した。
各サンプルを、20℃の環境下で48時間放置した後、サンプルを工業用ドライヤーで約100℃に加熱した。加熱後、室温まで冷却して1分経過後、サンプルの180°剥離強度を、上記(2)の場合と同様にして測定し、その測定値をもって、加熱後接着力の評価値とした。評価結果を表2に示す。
また、この加熱後接着力の評価値と20℃接着力のそれとを比較して、熱剥離容易性を評価した。評価の結果、実施例1〜5及び比較例のいずれにおいても、すぐれた熱剥離容易性を示すことが分った。
【0084】
(4)剥離清浄性
上記(3)の加熱後接着力の剥離試験において、接着シートを剥離した後の塗装板表面を、目視で観察し、接着剤組成物の残留があるか否かを評価した。評価の結果、実施例1〜5及び比較例のいずれにおいても、接着剤組成物の残留は観察されず、すぐれた剥離清浄性を示すことが分った。
【0085】
なお、本発明によれば、上記実施例の場合の様に、粘着付与剤や可塑剤の様な、剥離清浄性を損なうおそれのある比較的低分子量成分を用いなくても、低温接着性を高めることができる。したがって、本発明によれば、粘着付与剤および可塑剤を実質的に含まなくても、剥離清浄性と低温接着性とが効果的に高められた、熱剥離性接着剤を製造できる。
【0086】
【表1】
【0087】
なお、表中の略号の意味は以下の通りである。
BA:ブチルアクリレート;2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート;MA:メチルアクリレート;AA:アクリル酸;AN:アクリロニトリル;IOA:イソオクチルアクリレート;PEA:フェノキシエチルアクリレート;HPPA:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート。
【0088】
【表2】
【0089】
実施例6〜10
結晶性ポリウレタンの分子量を以下に示す様に換えた以外は、実施例4と同様にして実施例6及び7の接着剤組成物及び接着シートを得た。
また、粘着性ポリマー(TAP)と結晶性ポリウレタン(CP)との質量比率(TAP:CP)を以下に示す様に変更した以外は実施例6と同様にして、実施例8及び9の接着剤組成物及び接着シートを得た。
実施例8 TAP:CP=90:10
実施例9 TAP:CP=95: 5
さらに、粘着性ポリマー(TAP)と結晶性ポリウレタン(CP)との質量比率(TAP:CP)を以下に示す様に変更した以外は実施例7と同様にして、実施例10の接着剤組成物及び接着シートを得た。
実施例10 TAP:CP=90:10
【0090】
上記実施例6〜10で調製したいずれの接着剤溶液は、白濁もゲル化もせず透明あった。
上記の様にして得た各例の接着シートについて、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
比較例2
粘着性ポリマー重合用の混合モノマーを、83モル%の2−メチルブチルアクリレート(アルキル基の炭素数が5)と、17モル%のアクリル酸とを混合して調製した以外は、実施例1と同様にして粘着性ポリマーを調製し、それを用いた以外は実施例1と同様にして、本例の接着剤組成物を得た。なお、粘着性ポリマーの重量平均分子量は370,000、Tgは−5℃であった。
本例の接着剤溶液は白濁しており、粘着性ポリマーと結晶性ポリウレタンとの相溶性は良くないと判断された。また、本例の接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして作製した接着シートの熱剥離容易性は相対的に低く、剥離洗浄性がNGと評価された。
【0093】
実施例11
粘着性ポリマーの重量平均分子量を560,000にした以外は、実施例5と同様にして、本例の接着剤組成物を得た。本例の接着剤組成物を用いた以外は、実施例5と同様にして作製した接着シートについて、実施例5と同様にして上記(3)の操作を繰り返し、熱剥離容易性を評価した。
本例の接着シートでは、サンプルを加熱して室温まで冷却した直後から30秒ぐらいまでは、剥離は容易であった。しかしながら、室温冷却後から1分後には、加熱後接着力は20℃接着力の値と同等以上になった。したがって、実用可能な程度の熱剥離容易性を示したものの,実施例5に比べると熱剥離容易性は低いと評価された。
本例では、粘着性ポリマーの重量平均分子量が、実施例5の場合(重量平均分子量=120万)に比べて低かった。したがって、結晶性ポリマー(ポリウレタン)との相溶性は、相対的に低かったものと思われる。
【0094】
実施例12
粘着性ポリマー重合用の混合モノマーを、26モル%の2−エチルヘキシルアクリレートと、38モル%のブチルアクリレートと、22モル%のメチルアクリレートと、14モル%のアクリル酸とを混合して調製した以外は、実施例3と同様にして粘着性ポリマーを調製し、それを用いた以外は実施例3と同様にして、本例の接着剤組成物を得た。なお、粘着性ポリマーの重量平均分子量は460,000であった。
本例の接着剤組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして作製した接着シートについて、実施例3と同様にして上記(3)の操作を繰り返し、熱剥離容易性を評価した。
本例の接着シートでは、サンプルを加熱して室温まで冷却した直後から30秒ぐらいまでは、剥離は容易であった。しかしながら、室温冷却直後から1分後には、加熱後接着力は20℃接着力の値と同等以上になった。したがって、実用可能な程度の熱剥離容易性を示したものの、実施例3に比べると熱剥離容易性は低いと評価された。
本例では、粘着性ポリマー分子内に含まれるブチル基を有するモノマー単位の割合が、実施例3の場合(49モル%)に比べて低かった。したがって、結晶性ポリマー(ポリカプロラクトン)との相溶性は、相対的に低かったものと思われる。
【0095】
比較例3
粘着性ポリマー重合用の混合モノマーを、51モル%のイソオクチルアクリレートと、35モル%のメチルアクリレートと、14モル%のアクリル酸とを混合して調製した以外は、実施例3と同様にして粘着性ポリマーを調製し、それを用いた以外は実施例3と同様にして、本例の接着剤組成物を得た。なお、粘着性ポリマーの重量平均分子量は360,000であった。
本例の接着剤組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして作製した接着シートについて、実施例3と同様にして上記(3)の操作を繰り返し、熱剥離容易性を評価した。その結果、サンプルを約100℃に加熱し、室温まで冷却してから10秒後には加熱後接着力は20℃接着力の値を超え、剥離容易性を示さなかった。したがって、熱剥離容易性は十分ではないと評価された。これは、結晶性ポリマー(ポリカプロラクトン)との相溶性が低かったためと思われる。
Claims (3)
- 結晶性ポリマーと、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において前記結晶性ポリマーと相溶可能な粘着性ポリマー、とを含んでなる接着剤組成物において、
前記結晶性ポリマーは、結晶性ポリカプロラクトン、又は結晶性ポリカプロラクトン単位を分子内に有するポリウレタンであり、
前記粘着性ポリマーは、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーと分子内にブチル基を含むアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであって、
前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であることを特徴とする、接着剤組成物。 - 結晶性ポリマーと、前記結晶性ポリマーの融点よりも高い温度において前記結晶性ポリマーと相溶可能な粘着性ポリマー、とを含んでなる接着剤組成物において、
前記結晶性ポリマーは、結晶性ポリカプロラクトンポリオールから形成されたポリオール単位を繰り返し単位として分子内に有するポリウレタンであり、
前記粘着性ポリマーは、分子内に炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されたアクリル系ポリマーであって、
前記粘着性ポリマー分子に含まれる、炭素数4〜8のアルキル基を有するアクリルモノマー単位および/またはメタクリルモノマー単位(上記アルキル基を有する出発モノマーに由来する繰り返し単位)の割合が、粘着性ポリマーの全モノマー単位のモル数に対して60〜99モル%であり、かつ、
前記粘着性ポリマーの重量平均分子量は、500,000〜2,000,000であることを特徴とする、接着剤組成物。 - 基材と、その基材の少なくとも一方の主面に配置された接着層とを備え、前記接着層が請求項1または2に記載の接着剤組成物からなる、接着シート。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000335464A JP4781514B2 (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 接着剤組成物および接着シート |
EP01994372A EP1332193B1 (en) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Adhesive composition and adhesive sheet |
PCT/US2001/049791 WO2002057387A2 (en) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Adhesive composition and adhesive sheet |
US10/399,744 US7108911B2 (en) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Adhesive composition and adhesive sheet |
AU2002246776A AU2002246776B2 (en) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Adhesive composition and adhesive sheet |
AT01994372T ATE349505T1 (de) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Klebstoffzusammensetzung und klebefolie |
DE60125572T DE60125572T2 (de) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Klebstoffzusammensetzung und klebefolie |
KR1020037005962A KR100855954B1 (ko) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | 접착제 조성물 및 접착 시트 |
ES01994372T ES2278814T3 (es) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | Composicion adhesiva y lamina adhesiva. |
CNB01818393XA CN1226378C (zh) | 2000-11-02 | 2001-10-19 | 粘合剂组合物和粘合片 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000335464A JP4781514B2 (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 接着剤組成物および接着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002146330A JP2002146330A (ja) | 2002-05-22 |
JP4781514B2 true JP4781514B2 (ja) | 2011-09-28 |
Family
ID=18811202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000335464A Expired - Fee Related JP4781514B2 (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 接着剤組成物および接着シート |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1332193B1 (ja) |
JP (1) | JP4781514B2 (ja) |
KR (1) | KR100855954B1 (ja) |
CN (1) | CN1226378C (ja) |
AT (1) | ATE349505T1 (ja) |
AU (1) | AU2002246776B2 (ja) |
DE (1) | DE60125572T2 (ja) |
ES (1) | ES2278814T3 (ja) |
WO (1) | WO2002057387A2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003073646A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Three M Innovative Properties Co | 接着剤組成物、及び低温適用性接着シート |
JP4493273B2 (ja) * | 2003-01-29 | 2010-06-30 | 日東電工株式会社 | 両面粘着シートおよびタッチパネル付き表示装置 |
WO2007029541A1 (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | 一部がプラスチック板からなる合わせガラスの製造方法、および合わせガラス |
WO2013148506A1 (en) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 3M Innovative Properties Company | Urea-based and urethane-based pressure sensitive adhesive blends |
JP6947605B2 (ja) * | 2017-10-26 | 2021-10-13 | 日本カーバイド工業株式会社 | 粘着膜及び粘着シート |
CN110643315A (zh) * | 2019-10-16 | 2020-01-03 | 中国工程物理研究院化工材料研究所 | 一种梯度温敏型强粘接热熔胶及制备方法 |
CN114231236B (zh) * | 2021-10-29 | 2023-04-07 | 陕西师范大学 | 同时适用于超低温与有机溶剂环境下的离子型可逆粘合剂及其制备方法 |
CN116254078B (zh) * | 2022-09-09 | 2023-08-29 | 浙江铂淳新材料股份有限公司 | 一种易剥离热解粘压敏胶及其制备工艺 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3621885A1 (de) * | 1985-07-02 | 1987-01-15 | Toyoda Gosei Kk | Vorrichtung zum befestigen von formteilen |
JPH01271472A (ja) * | 1988-04-19 | 1989-10-30 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 感圧性接着剤 |
JPH05302070A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-16 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 装飾フィルム及びそのための粘着剤 |
JPH07126582A (ja) * | 1993-10-29 | 1995-05-16 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 粘着剤表面に微細形状を有する粘着テープ及び測長用テープ並びにそれらの製造方法 |
JPH083460A (ja) * | 1994-06-24 | 1996-01-09 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 光制御材用組成物、光制御材および光制御体 |
JPH10110143A (ja) * | 1996-10-02 | 1998-04-28 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 液体残量表示フィルムおよび液体残量表示方法 |
JP3612394B2 (ja) * | 1996-10-25 | 2005-01-19 | ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー | 粘着シートおよびその製造方法 |
JPH11124560A (ja) * | 1997-10-27 | 1999-05-11 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 反応型ホットメルト接着剤 |
JP4601089B2 (ja) * | 1998-10-14 | 2010-12-22 | スリーエム カンパニー | 熱活性接着剤組成物およびフィルム接着剤 |
JP4768106B2 (ja) * | 2000-07-31 | 2011-09-07 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 接着剤組成物及び熱剥離容易な接着構造 |
-
2000
- 2000-11-02 JP JP2000335464A patent/JP4781514B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-10-19 EP EP01994372A patent/EP1332193B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-10-19 AU AU2002246776A patent/AU2002246776B2/en not_active Ceased
- 2001-10-19 KR KR1020037005962A patent/KR100855954B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2001-10-19 ES ES01994372T patent/ES2278814T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2001-10-19 DE DE60125572T patent/DE60125572T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-10-19 WO PCT/US2001/049791 patent/WO2002057387A2/en active IP Right Grant
- 2001-10-19 CN CNB01818393XA patent/CN1226378C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2001-10-19 AT AT01994372T patent/ATE349505T1/de not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20040030447A (ko) | 2004-04-09 |
JP2002146330A (ja) | 2002-05-22 |
ATE349505T1 (de) | 2007-01-15 |
WO2002057387A8 (en) | 2003-10-30 |
DE60125572T2 (de) | 2007-10-04 |
AU2002246776B2 (en) | 2006-06-01 |
CN1473185A (zh) | 2004-02-04 |
WO2002057387A3 (en) | 2002-10-31 |
KR100855954B1 (ko) | 2008-09-03 |
WO2002057387A2 (en) | 2002-07-25 |
CN1226378C (zh) | 2005-11-09 |
ES2278814T3 (es) | 2007-08-16 |
EP1332193A2 (en) | 2003-08-06 |
EP1332193B1 (en) | 2006-12-27 |
DE60125572D1 (de) | 2007-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1996028519A1 (fr) | Composition adhesive autocollante et feuilles adhesives autocollantes a base de cette composition et agents de scellement, feuilles de renforcement et feuilles adhesives autocollantes destinees a l'impression | |
US6946177B2 (en) | Adhesive composition and adhered structure which thermally peeled with ease | |
JP4768106B2 (ja) | 接着剤組成物及び熱剥離容易な接着構造 | |
AU2001277922A1 (en) | Polycaprolactone adhesive composition | |
US7108911B2 (en) | Adhesive composition and adhesive sheet | |
EP1387874B1 (en) | Adhesive composition and adhesive article | |
JP4781514B2 (ja) | 接着剤組成物および接着シート | |
JP4601089B2 (ja) | 熱活性接着剤組成物およびフィルム接着剤 | |
JP2002053835A (ja) | ガラス用接着剤、及びガラス接着用物品 | |
TW202136451A (zh) | 表面保護膜 | |
AU2002246776A1 (en) | Adhesive composition and adhesive sheet | |
JP4570836B2 (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2002129128A (ja) | 接着剤組成物、ポリウレタン組成物及び接着シート | |
JP2002146326A (ja) | 接着シート | |
JP2002309186A (ja) | 接着性物品剥離システム、接着構造体、及び接着性物品の剥離方法 | |
JP2004067803A (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2003073646A (ja) | 接着剤組成物、及び低温適用性接着シート | |
US20040132922A1 (en) | Heat activated adhesive | |
JP2009299078A (ja) | 感圧性接着シート類 | |
JP2003213237A (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2001072956A (ja) | 粘着剤組成物 | |
JP2002097425A (ja) | 接着シート及び再帰反射標識 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100921 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110607 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110706 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |