JPH083460A - 光制御材用組成物、光制御材および光制御体 - Google Patents

光制御材用組成物、光制御材および光制御体

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JPH083460A
JPH083460A JP14296894A JP14296894A JPH083460A JP H083460 A JPH083460 A JP H083460A JP 14296894 A JP14296894 A JP 14296894A JP 14296894 A JP14296894 A JP 14296894A JP H083460 A JPH083460 A JP H083460A
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JP
Japan
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light control
composition
light
control material
molecule
Prior art date
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Application number
JP14296894A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Kawate
恒一郎 川手
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 結晶性ポリマーと、これと相溶する分子内に
重合可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物とを
含んでなる光制御材用組成物、その組成物を硬化してな
る光制御材、およびその光制御材を光制御層とする光制
御体を開示する。 【効果】 組成物の調製が容易で、得られる光制御体は
温度変化に伴いヘイズ値が大きく急激に変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化により可逆的
にその透明性が変化する光制御材を得るための光制御材
用組成物、その組成物より得られる光制御材、ならびに
該制御材を利用した光制御体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーを用いた、温度変化により可逆
的にその透明性が変化する光制御材用組成物には、特公
昭54−12158号公報、特開平4−239060号
公報に記載のものなどがある。特公昭54−12518
号にはエチレン−酢酸ビニル共重合体と、主としてメタ
クリル酸メチルモノマーとを混合してなる組成物が開示
されている。この組成物を重合させて得られる光制御材
は、温度の上昇にともない、エチレン−酢酸ビニル共重
合体の相とメタクリル酸メチルの重合体の相の間の屈折
率に差が生じてくるため、低温側で透明であり高温側で
不透明となる。しかしながらこの光制御材では、不透明
状態でのヘイズ値(曇度または曇価とも呼ばれる)が小さ
く、光遮蔽度が低い(実施例では、不透明時(23℃)の
曇価は45%である)。さらに温度変化にともなうヘイ
ズ値の変化の幅が小さく、また急激なヘイズ値の変化が
起こらないため、透明−不透明の差が不明瞭である(実
施例では、透明時(10℃)と不透明時(23℃)との曇価
の差は35%であり、また同号公報の4頁に記載のグラ
フによると、屈折率の変化は直線的であり急激な変化は
見られない)という問題がある。
【0003】特開平4−239060号には、メタクリ
ル樹脂などの透明な樹脂の中に、二重結合を1個有する
カルボン酸の高級アルコールエステルと二重結合を2個
以上有する単量体との共重合体からなる微粒子を分散さ
せた組成物が開示されている。この組成物を原料として
得られる光制御材は、前記共重合体の側鎖(高級アルコ
ールエステル)の部分が低温では結晶、高温では非結晶
の状態になるため、低温側で不透明であり高温側で透明
となる。しかしながらこの組成物を調製するためには、
前記微粒子を分散させる工程が必要であり、操作が煩雑
であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、(1)簡単に
調製できて取扱いが容易であり、(2)得られる光制御材
の不透明状態におけるヘイズ値が大きくて光遮蔽度が高
く、(3)温度変化に伴い、得られる光制御材のヘイズ値
が大きく変化して透明−不透明の差が明瞭であり、しか
もある特定温度範囲で急激にヘイズ値が変化することを
同時に可能にする光制御材用組成物を提供することを目
的とする。本発明はまた、上記のような特性を有する光
制御材および該光制材を用いた光制御体を提供すること
をも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶性ポリマ
ー(成分(a))と、これと相溶する分子内に重合可能な二
重結合を少なくとも1個有する液状の化合物(成分(b))
とを含んでなる光制御材用組成物を要旨とする。本発明
はまた、上記組成物を硬化してなる光制御材をも要旨と
する。本発明はさらに、透明発熱層上に光制御層を積層
してなる光制御体であって、該光制御層が上記光制御材
を含んでなる光制御体をも要旨とする。以下本発明を詳
細に説明する。
【0006】本発明において結晶性ポリマーとは、その
融点未満の温度では光を散乱し、不透明となるが、その
融点以上の温度では透明になるポリマーである。このよ
うな結晶性ポリマーが不透明となるのは、そのポリマー
の主鎖の部分が結晶化するためであり、融点以上の温度
では融解してそのポリマーは液状となり透明になる。好
ましい融点は−10〜150℃、特に好ましくは25〜
80℃の範囲である。融点がこの範囲であると、室温を
含む通常の環境においてその組成物から得られる光制御
材のヘイズ値を容易に制御し得る。結晶性ポリマーの分
子量は、重量平均で5,000〜5,000,000、好
ましくは10,000〜100,000の範囲である。分
子量が5,000未満であると、得られる光制御材が低
温側で微細な結晶相を形成することができないため、ヘ
イズ値を充分に高くすることができない。また、分子量
が5,000,000を超えると組成物の粘度が高くなり
すぎるため、その取扱いが困難になる。
【0007】本発明に用いる結晶性ポリマーの好ましい
例示は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル、
ポリビニリデン、ポリジエン、ポリエーテル、ポリオキ
シド、ポリスルフィド、ポリスルフォン、ポリカーボネ
ート、ポリアンハイドライド、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリイソシアネート、ポリ尿素、などの熱可塑性の
結晶性ポリマーてある。特に好ましいものは、ポリカプ
ロラクトンなどのポリエステル、ポリエチレングリコー
ルなどのポリエーテルである。これらの中から融点が2
5〜80℃の範囲のものが得られやすく、室温を含む通
常の環境において、その組成物から得られる光制御材の
ヘイズ値を特に容易に制御し得る。また、分子内に重合
可能な二重結合を1個以上有するモノマーとの相溶性が
良好で、これら結晶性ポリマーの融点以上の温度におい
て透明度が高い光制御材が得られる。さらに、得られる
光制御材の耐候性を向上させるので、直射日光があたる
場所で長期にわたり使用することが可能になる。
【0008】本発明の組成物においては、上記結晶性ポ
リマー(成分(a))が分子内に重合可能な二重結合を少な
くとも1個有する液状の化合物(成分(b))に溶解してお
り、組成物は流動性を有する。この組成物に例えば光を
照射すると、分子内に重合可能な二重結合を少なくとも
1個有する化合物が重合し、組成物が硬化する。そのよ
うにして得られた結晶性ポリマーと、重合可能な二重結
合を少なくとも1個有する化合物の重合体を含んでなる
光制御材においては、結晶性ポリマーの融点未満の温度
では、結晶性ポリマーの微結晶相が析出して光制御材が
不透明となる。結晶性ポリマーの融点以上の温度では、
光制御材が透明となるが、二重結合を少なくとも1個有
する化合物の重合体が、融解して液状になった結晶性ポ
リマーの流動を防いで、光制御材全体を固体状態に保
つ。
【0009】重合可能な二重結合を少なくとも1個有す
る化合物は好ましくは70〜1,000の範囲の重量平
均分子量を有する。好ましいものは、アクリロイル基ま
たはメタクリロイル基を1個以上有する化合物である。
これらの化合物は結晶性ポリマーを溶解する働きにすぐ
れ、この組成物の粘度を低く保つことが可能となる。ま
たこれらの化合物は光を照射することにより、常温で速
やかに重合し、組成物を容易に硬化させることができ
る。さらに、この組成物から得られる光制御材において
は、結晶性ポリマーの微結晶相を析出させてヘイズ値を
高くすることができる。アクリロイル基またはメタクリ
ロイル基を少なくとも1個有する化合物を例示すれば、
メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルメタク
リレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルメタク
リレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル
メタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキ
シルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルア
クリレート、イソボロニルメタクリレート、イソボロニ
ルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、イソオク
チルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレートがある。特に好ましくは、エチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、イソオクチルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリレートモノマーである。これらの重
合可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物はその
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】結晶性ポリマー(成分(a))と分子内に重合
可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物(成分
(b))との重量比は、好ましくは5:95〜75:25、特
に好ましくは20:80〜70:30の範囲である。結晶
性ポリマーの割合が5重量%未満であるとこの組成物か
ら得られた光制御材において、温度変化にともなうヘイ
ズ値の変化の幅を大きくすることが困難である。また結
晶性ポリマーの割合が75重量%を超えると、この組成
物から得られた光制御材において、結晶性ポリマーの融
点以上の温度で結晶性ポリマーの流動を防止することが
難しくなる。
【0011】本発明の組成物は好ましくは、分子内に重
合可能な二重結合を少なくとも2個有するオリゴマー化
合物(成分(c))を含む。このオリゴマー化合物も、組成
物に例えば光を照射すると単独で重合、あるいは成分
(b)の化合物と共重合する。その場合オリゴマー化合物
は二重結合を2個以上有するので架橋構造が形成され
る。オリゴマー化合物を加えると組成物の粘度を適当な
範囲として、組成物をコーティングしやすくすることが
でき、また、得られた光制御材に架橋構造を容易に導入
してその力学的強度を高めることができる。好ましいも
のは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基
を2個以上有するオリゴマー化合物である。紫外線照射
により、常温で速やかにこの組成物を硬化させることが
でき、また、この組成物を硬化して得られる光制御材の
力学的強度を高めることができるからである。より好ま
しいものは、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリ
レート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリ
レート、ポリブタジエンアクリレート、ポリブタジエン
メタクリレート、アクリロイル基を2個以上有するポリ
アクリレート、およびメタクリロイル基を2個以上有す
るポリメタクリレートである。特に好ましいものは、ウ
レタンアクリレートなどの分子内にアクリロイル基を2
個以上有する化合物である。これらの重合可能な二重結
合を少なくとも2個有するオリゴマー化合物はその2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】これらオリゴマーは好ましくは1,000
〜100,000の範囲の重量平均分子量を有する。ま
たこれらオリゴマーは本発明の光制御材用組成物に、組
成物の重量を基準にして通常0〜40重量%、好ましく
は5〜40重量%、より好ましくは10〜20重量%加
える。40重量%を超えると、得られる光制御材中の結
晶性ポリマーの微結晶相が析出することを妨げるため、
低温側でヘイズ値を充分に高くすることができない。
【0013】本発明の組成物に用いる分子内に重合可能
な二重結合を有する化合物(成分(b)および(c))は放射
線照射によりそのままでも重合するが、好ましくは光重
合を可能にするための光重合開始剤(成分(d))を、組成
物に加える。好ましい光重合開始剤としてはベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn
−ブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メ
チルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α
−ヒドロキシイソブチルフェノン、α、α′−ジクロル
−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1
−シクロヘキシルアセトフェノン、2、2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、ジアセチル、エオシ
ン、チオニン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−
クロロチオキサン、アンスラキノン、クロロアンスラキ
ノン、2−メチルアンスラキノン、メチルベンゾインフ
ォルメイト、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノプロペン、ジクロロチオキサ
ントン、ジイソプロピルチオキサントン、フェニルジス
ルフィド−2−ニトロソフルオレン、ブチロイン、アニ
ソンエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テ
トラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができ
る。光重合開始剤は、分子内に二重結合を有する化合物
(成分(b)および(c))を基準として0〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%加える。本発明の光制御材用組
成物は以上の各成分を混合し、撹拌することにより容易
に調製することができる。該組成物は各成分が相溶した
均一で粘稠な液状である。
【0014】次に本発明の光制御材用組成物から光制御
材を製造する方法を説明する。例えば上記組成物を平坦
な2枚のフイルムの間に挟み込んで一定間隙の間を通す
ことにより厚みを一定にした後に、光、好ましくは紫外
線を照射して、分子内に二重結合を有する化合物(成分
(b)および(c))を重合させ、組成物を硬化させる。或い
は本発明の組成物をフイルムやガラス板、または透明電
極(ITO)上にナイフコーターやロールコーターを用い
て塗布し、光を照射して成分(b)および(c)を重合させ組
成物を硬化させる。このような光硬化による方法の外に
熱により重合、硬化させることも可能である。この場
合、好ましくは熱重合開始剤を添加する。
【0015】以上のようにして製造した光制御材は光制
御体の製造に利用できる。すなわち本発明は透明発熱層
上に光制御層を積層してなる光制御体であって、該光制
御層が上記光制御材を含んでなる光制御体をも要旨とす
る。透明発熱層とは、透明な支持体層上、または支持体
層中に支持体層の透明感を妨げない発熱体を有するもの
である。支持体層の材料として好ましくは、ガラス板、
またはアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の
プラスチックフィルムである。支持体層として好ましい
厚みは、0.1mm〜20mmの範囲である。発熱体と
して好ましくは、通電することにより発熱する材料であ
る。この様な材料として好ましくは、ニクロム線などの
金属線、または透明電極層である。透明電極層の材料と
し好ましくは、インジウム−チン−オキサイド(IT
O)、ジンクオキサイド、β−アルミナである。透明発
熱層の好ましい態様は、支持体層中にニクロム線などの
金属線を張り巡らせたもの、または、支持体層上に透明
電極層を積層したものである。支持体層上に透明電極層
を積層する方法として好ましくは、気相法、(真空蒸
発、スパッタリング、CDVなど)、または液相法であ
る。また、透明発熱層全体として好ましい透明度は、ヘ
イズ値で10%以下である。透明発熱層にさらに本発明
の光制御体よりなる光制御層を積層する。例えば本発明
の組成物を、透明発熱層上にナイフコーターやロールコ
ーターを用いて塗布し、光を照射して成分(b)または成
分(b)および成分(c)を重合させ組成物を硬化させる。
また、透明電極層を積層して有する透明発熱層の場合
は、好ましくは透明電極層上に光制御層を積層する。本
発明における光制御層は、好ましくはその外表面に透明
な保護層を有する。好ましくは、透明で室温以上のガラ
ス転移点を有し、かつ架橋構造が導入された重合体を含
んでなる保護層である。この様な重合体の材料として好
ましくは、前記成分(b)および前記成分(c)である。こ
の透明な保護層の好ましい形成方法は、成分(b)、成分
(c)および前記光重合開始剤(成分(d))からなる組成
物を光制御層上に塗布して、光を照射して成分(b)およ
び成分(c)を重合させ組成物を硬化させる。保護層の好
ましい厚みは、1〜10μmの範囲である。
【0016】本発明の光制御体に通電すると透明発熱層
が発熱し、その結果その上に積層された光制御層の温度
が上昇して、特定温度以上で透明化するが、通電をやめ
ることで温度が下り不透明状態になる。従って本発明の
光制御体は次の様な用途に使用できる。 調光機能を有する窓として、従来のガラス窓や透明プ
ラスチック製の窓の代わりに用いることにより、ブライ
ンドやカーテンを不要にできる。窓を透明にしたい時に
は光制御体の透明発熱層を発熱させ、窓を不透明にした
い時には透明発熱層の発熱を止めることにより、調光機
能を発現させる。 メッセージを有する基板等の上に光制御体を積層し
た、メッセージ表示材として用いる。光制御体の下側に
隠されたメッセージ(文字、絵、図形等)を、光制御体
の透明発熱層を発熱させることにより見える様にし、反
対にその発熱を止めることによりもとどおりに隠すこと
ができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明が実施例によって限定されるものでないこ
とは勿論である。
【0018】実施例1 5重量部のポリカプロラクトン(重量平均分子量7〜1
0×104、融点60℃、プラクセルH7、ダイセル・
ユー・シー・ビー(株)より市販)に95重量部のt−ブチ
ルアクリレートおよび光重合開始剤として1重量部のダ
ロキュアD1173(商標、チバ・ガイギー社より市販)
を加えて、65℃に加熱しながら撹拌溶解して均一な混
合物を得た。この混合物を2枚の100μm厚のPET
フィルムの間に挟み、500μmに設定したナイフコー
ターの間隙(ナイフと支持台の間)を通過させることに
より、混合物の厚みを300μm(0.3mm)とし
た。これに高圧水銀灯から37mW/cm2の紫外線を2分
間照射して硬化させ、2枚のPETフィルムを取り除
き、厚さ0.3mmの光制御材からなるフイルムを得た。
このようにして得られたフイルムの25℃および70℃
におけるヘイズ値(曇度)をJIS・K−6714に準じ
て積分球式光線透過率測定装置を用いて測定した。25
℃におけるヘイズ値は73%であり、70℃におけるヘ
イズ値は30%であって、その差は43%であった。ま
たこのフイルムは70℃においても固体状態を維持して
いた。
【0019】実施例2〜6 実施例1においてポリカプロラクトンとt−ブチルアク
リレートの重量比を表1に示す比に変えた外は実施例1
と同様にして厚さ0.3mmのフイルムを調製し、25℃
および70℃におけるヘイズ値を測定し、70℃におけ
るフイルムの状態を観察した。組成およびこれらの結果
を表1にまとめて示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例7 実施例6において分子量7〜10×104のポリカプロ
ラクトンに代えて、分子量1×104のポリカプロラク
トン(融点60℃)(プラクセルH1P、ダイセル・ユ
ー・シー・ビー(株)より市販)を用いた外は実施例6と
同様にして厚さ0.3mmのフイルムを調製し、25℃お
よび70℃におけるヘイズ値を測定し、70℃における
フイルムの状態を観察した。組成および結果を表2に示
す。
【0022】実施例8 実施例7においてポリカプロラクトンとt−ブチルアク
リレートの重量比を表2に示す割合に変えた外は実施例
7と同様にして厚さ0.3mmのフイルムを調製し、25
℃および70℃におけるヘイズ値を測定し、70℃にお
けるフイルムの状態を観察した。組成および結果を表2
に示す。
【0023】
【表2】
【0024】実施例9〜12 実施例3においてt−ブチルアクリレートに代えて、2
−エチルヘキシルアクリレート(実施例9)、イソオクチ
ルアクリレート(実施例10)、エチルアクリレート(実
施例11)またはベンジルアクリレート(実施例12)を
用いた外は実施例3と同様にして厚さ0.3mmのフイル
ムを調製し、25℃および70℃におけるヘイズ値を測
定し、70℃におけるフイルムの状態を観察した。組成
および結果を表3にまとめて示す。
【0025】実施例13 実施例5においてポリカプロラクトンの代わりにポリエ
チレングリコール(分子量:5×104、融点57〜64
℃、和光純薬(株)より市販)を用いた外は実施例5と同
様にして厚さ0.3mmのフイルムを調製し、25℃およ
び70℃におけるヘイズ値を測定し、70℃におけるフ
イルムの状態を観察した。組成および結果を表3に示
す。
【0026】
【表3】
【0027】実施例14 30重量部のポリカプロラクトン(分子量:1×104
プラクセルH1P、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)よ
り市販)に60重量部のt−ブチルアクリレートおよび1
0重量部の2個以上の二重結合を有するウレタンアクリ
レート(分子量:6,700、カヤラドUX4101、日
本化薬(株)より市販)および光重合開始剤として1重量
部のダロキュアD1173(商標、チバ・ガイギー社よ
り市販)を加えて、撹拌溶解し均一な混合物を得た。以
下実施例1と同様にして厚さ0.3mmのフイルムを調製
し、25℃および70℃におけるヘイズ値を測定した。
またこのフイルムの破断強度および破断伸びをテンシロ
ンUTM−4−100(東洋ボールドウィン社製)を用
いて測定した。測定条件は、温度25℃、引張り速度5
0mm/分、チャック間距離4.0cmであった。組成
および結果を表4に示す。
【0028】実施例15 実施例14においてポリカプロラクトンとt−ブチルア
クリレートおよびウレタンアクリレートの混合比を変化
させた外は実施例14と同様にして厚さ0.3mmのフイ
ルムを調製し、25℃および70℃におけるヘイズ値、
破断強度、並びに破断伸びを測定した。組成および結果
を表4に示す。
【0029】実施例16 実施例14において分子量1×104のポリカプロラク
トンの代わりに、分子量7〜10×104のポリカプロ
ラクトンを用いた外は実施例14と同様にして厚さ0.
3mmのフイルムを調製し、25℃および70℃における
ヘイズ値、破断強度並びに破断伸びを測定した。組成お
よび結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】実施例17 30重量部のポリカプロラクトン(分子量1×104、プ
ラクセルH1P、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)より
市販)に40重量部のt−ブチルアクリレート、10重
量部の2−エチルヘキシルアクリレート、20重量部の
2個以上の二重結合を有するウレタンアクリレート(分
子量:6700、カヤラドUX4101、日本化薬(株)
より市販)および光重合開始剤としてダロキュアD11
73(商標、チバ・ガイギー社より市販)を加えて、撹拌
溶解し均一な混合物を得た。以下実施例1と同様にして
厚さ0.3mmのフイルムを調製し、25℃および70℃
におけるヘイズ値を測定した。結果を表5に示す。
【0032】実施例18および19 ポリカプロラクトン、t−ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレートおよび2個以上の二重結合を
有するウレタンアクリレートの混合比を表5に示すよう
な割合に変えた以外は実施例17と同様にして厚さ0.
3mmのフイルムを調製し、25℃および70℃における
ヘイズ値を測定した。組成および結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】実施例20 30オーム/cm2の透明電極(ITO)を積層した1
00×100×1.1mmのガラス板上に、実施例14
で示した組成物を紫外線を照射して硬化して得た厚さ
0.3mmのフイルムを接着した。このガラス板の2辺
に厚さ10mmの銅電極を装着し、通電を行い昇圧した
ところ15V(1A)において透明化した。図1にこの透
明電極板を用いて測定した光制御板のヘイズ値と温度の
関係を示す。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、[1]分散工程を必要と
せずに、すべての原料が均一に相溶した組成物であるた
め簡単に調製できること、[2]組成物より得られる光制
御材の不透明状態におけるヘイズ値が大きく、光遮蔽度
が高いこと、[3]組成物より得られる光制御材が温度変
化にともないヘイズ値の幅が大きく変化し、またある温
度で急激にヘイズ値が変化するため、透明−不透明の差
がはっきりしていることを同時に可能にする光制御材用
組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光制御材のヘイズ値と温度との関係
を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリマー(成分(a))と、これと相
    溶する分子内に重合可能な二重結合を少なくとも1個有
    する液状の化合物(成分(b))とを含んでなる光制御材用
    組成物。
  2. 【請求項2】 結晶性ポリマーが−50〜150℃の範
    囲の融点を有する請求項1に記載の光制御材用組成物。
  3. 【請求項3】 結晶性ポリマー(成分(a))と分子内に重
    合可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物(成分
    (b))との重量比が5:95〜75:25の範囲である請求
    項1または2に記載の光制御材用組成物。
  4. 【請求項4】 分子内に重合可能な二重結合を少なくと
    も2個を有するオリゴマー(成分(c))をさらに含む請求
    項1〜3のいずれかに記載の光制御材用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物
    を硬化してなる光制御材。
  6. 【請求項6】 透明発熱層上に光制御層を積層してなる
    光制御体であって、該光制御層が請求項5に記載の光制
    御材を含んでなる光制御体。
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