JP4781326B2 - 導光板の射出圧縮成形金型および導光板の射出圧縮成形方法 - Google Patents

導光板の射出圧縮成形金型および導光板の射出圧縮成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形金型および導光板の射出圧縮成形方法に関するものであり、特には金型から導光板の取出しを容易にすることができる導光板の射出圧縮成形金型および導光板の射出圧縮成形方法に関するものである。
射出圧縮成形を含む射出成形により導光板を成形する導光板の成形金型としては、特許文献1に記載されたものが公知である。特許文献1では、可動金型6の本体部24と外壁部21との間に向けてエア通路26が形成されており、型開きの直前、または型開き後から図示しないエア供給手段からエア通路26を経てエアが成形品Pに向けて噴出し導光板の取出しが行われる。しかしながら特許文献1では、前記エアの噴出は、導光板の側面部P1に対して主に及ぶため、可動金型側のキャビティ面18と導光板との間には及びにくく、離型の補助としての作用が不足していた。その結果、移載機41の吸盤43に大きな吸引力を作用させて導光板Pを取出すこととなるが、そして成形直後の導光板は温度が高いので、導光板の面に跡が残り不良となる場合があるという問題があった。また特許文献1においては、導光板とスプル等が一体になったままの状態で、導光板の部分を吸着して取出すので、スプルを固定金型から抜き取るため可動金型に形成された凹部(食い込み部)に対して食い込んだランナを含むスプルを離型するために特に大きい吸着力が必要であった。
また成形時に導光板とスプルを金型内で分離する場合は、導光板のみを吸着して取出すことができるので、特許文献1の場合と比較して小さい吸着力で済むが、それでも導光板に直接吸盤を当接させて吸着することには変わりはないので、より一層導光板の離型を容易にし、小さい力で導光板を取出すことが望まれていた。
特開2003−145593号公報(0031、図3)
本発明では上記の問題を鑑みて、射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う際に、金型から導光板の取出しを容易にすることができ、取出時に導光板に跡が残りにくくすることができる導光板の成形金型および成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の導光板の射出圧縮成形金型は、射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形金型において、可動金型には、固定金型と対向する当接面を有するとともに該当接面の内周側の部分に導光板のツメ部を形成するツメ部形成部と側面を形成する部分を有する可動枠部が導光板の有効面を形成するコア部の周囲に該コア部に対して型開閉方向に相対的に移動可能に設けられ、前記コア部に対して可動枠部が可動金型の金型本体部の方向に相対的に移動させることによりキャビティ内の溶融樹脂を圧縮するとともに、前記可動枠部全体を前記コア部に対して固定金型の方向に相対的に移動させることにより、導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して力を及ぼし導光板の有効面の離型を行うことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の導光板の射出圧縮成形金型は、請求項1において、導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して金型から気体を噴出させることを併用して離型を行うことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の導光板の射出圧縮成形方法は、射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形方法において、可動金型には、固定金型と対向する当接面を有するとともに該当接面の内周側の部分に導光板のツメ部を形成するツメ部形成部と側面を形成する部分を有する可動枠部が導光板の有効面を形成するコア部の周囲に該コア部に対して型開閉方向に相対的に移動可能に設けられ、前記コア部に対して可動枠部が可動金型の金型本体部の方向に相対的に移動させることによりキャビティ内の溶融樹脂を圧縮するとともに、前記可動枠部全体を前記コア部に対して固定金型の方向に相対的に移動させることにより、導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して力を及ぼし導光板の有効面の離型を行うことを特徴とする。
本発明の導光板の射出圧縮成形金型および射出圧縮成形方法は、射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形金型において、可動金型には、固定金型と対向する当接面を有するとともに該当接面の内周側の部分に導光板のツメ部を形成するツメ部形成部と側面を形成する部分を有する可動枠部が導光板の有効面を形成するコア部の周囲に該コア部に対して型開閉方向に相対的に移動可能に設けられ、前記コア部に対して可動枠部が可動金型の金型本体部の方向に相対的に移動させることによりキャビティ内の溶融樹脂を圧縮するとともに、前記可動枠部全体を前記コア部に対して固定金型の方向に相対的に移動させることにより、導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して力を及ぼし導光板の有効面の離型を行うので、比較的簡単な金型構造により、導光板の取出しを容易にすることができる。
本発明の導光板の成形金型について、図1ないし図8を参照して説明する。図1は、本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であって型締後、射出開始前の状態を示す図である。図2は、本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であって射出時にキャビティ内の容積が拡大された状態を示す図である。図3は、本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であってキャビティ内の樹脂を圧縮後にゲートカットされた状態を示す図である。図4は、本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の可動金型の正面図である。図5は、本実施形態の導光板の射出圧縮成形方法を示すチャート図である。図6は、図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の型開前の状況を示す拡大断面図である。図7は、図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の圧抜後の状況を示す拡大断面図である。図8は、図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の型開開始後の状況を示す拡大断面図である。図9は、本実施形態の導光板の取出装置の正面図である。
本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型11は、対角寸法3インチ、板厚0.4mmの携帯電話用サイドライト型導光板を射出圧縮成形により成形する金型である。(以下携帯電話用サイドライト型導光板については、単に導光板と略す。)射出圧縮成形は、成形開始時から成形終了時までの間に可動金型12と固定金型13の距離が可変となるものである。従って型閉後の停止位置において溶融樹脂を射出後に可動金型をそのまま前進させ圧縮する射出プレスと呼ばれるタイプも射出圧縮成形に含まれるものとする。これら射出圧縮成形では、成形完了時に比較して、射出開始前または射出開始後にキャビティが僅かに開いた状態であるので高速射出能力を有する射出装置が必要なく、溶融樹脂を比較的低速・低圧で射出することができる。また射出開始後に可動金型を型締方向に移動させて溶融樹脂に圧縮を加えることから、キャビティのゲート部から遠い位置において溶融樹脂の流れを早くしたり、微細な転写を良好に行うことができるという利点がある。更にはゲートを切断した後については、通常の射出成形金型では、射出装置から保圧を及ぼすことはできないが、射出圧縮成形の場合は、キャビティ内の溶融樹脂を圧縮して冷却固化による収縮に対応することができる。このような射出圧縮成形は、特に出光面等の面積と比較して板厚が薄い導光板の成形を行う際に特に有利である。
図1ないし図3は、本発明の射出圧縮成形金型11の断面である。射出圧縮成形金型11は、第1の金型である可動金型12と第2の金型である固定金型13とからなり、型合わせされた両金型12,13の間には容積および厚さが可変のキャビティ14が形成されるようになっている。射出圧縮成形機1の可動盤に取付けられる可動金型12には、金型本体部15とコア部16と可動枠部19等が設けられている。金型本体部15の固定金型側の面における略中央には、コア部16が固着されている。コア部16の固定金型13と対向する面は、鏡面からなりキャビティ14において導光板Pの有効面である出光面P4aを形成する形成面16a1とその周囲に有効面以外の部分P4bを形成する形成面16a2からなる主面形成面16aとなっており、導光板Pの本体部P4の形状に合致して四角形をしている。またコア部16の内部には、前記主面形成面16aと平行に複数本の冷却媒体流路17が形成されている。またキャビティ14において主面形成面16aの出光面P4aは鏡面の例を示したが、グルーブや粗面加工等がなされたものでもよい。
前記金型本体部15の固定金型側の面における上下4箇所には、凹部が形成され、該凹部内にはバネ18が前記固定金型側に向けて取付けられている。そして前記バネ18の前記固定金型側は、前記コア部16の周囲を囲むよう配設された可動枠部19に取付られている。従って換言すれば可動枠部19によって形成された空洞部の中にコア部16が配設されている。そして可動枠部19全体が前記バネ18により金型本体部15およびコア部16に対して型開閉方向に移動可能となっている。そして可動枠部19の固定金型13と対向する面は当接面19a(パーティング面)となっている。また可動枠部19のゲートと反対側には入光面を形成するための入光面形成ブロック20が着脱自在に配設されている。なお図1は、可動金型12に型締力が及ぼされて前記バネ18が収縮した状態であり、図2は、射出時にコア部16が後退してキャビティ14の容積が拡大した状態を示す図であるが実際より誇張して記載してある。
また可動枠部19の内側において固定金型13側の部分の、入光面形成ブロック20に隣接する内周面も導光板Pの側面を形成するキャビティ形成面19bとなっている。そして図4に示されるように、一側のキャビティ形成面19bの当接面19aに隣接する部分には、導光板Pのツメ部P5を形成するツメ部形成部19cが2箇所に形成されている。ツメ部形成部19cは、可動枠部19のみによって形成され、当接面19aの内周側の部分に、該当接面19aよりも可動盤側に向けて一段低く、凹状に形成された固定金型対向面19c1とその周囲の側面19c2とから形成されている。本実施形態では、可動枠部19の両側に合計4箇所に矩形のツメ部形成部19cが形成されている。ツメ部形成部19cにより成形されるツメ部P5は、導光板Pを携帯電話等の表示装置として取付ける際に用いられる部分である。そしてツメ部P5は、導光板Pにおいては出光面P4a(有効面)や反射面(有効面)とは異なる有効面以外の部分である。なお本実施形態においてツメ部は、図6,図7,図8にも示されるように、本体部P4に対してツメ部P5の方が薄く形成されるが、導光板Pを離型する際に作用される力を受けることのできる大きさ及び厚さに形成される。そして導光板の厚みが薄い場合では本体部とツメ部が同じ厚さとすることや、逆にツメ部の方が厚く形成する場合もあり得、ツメ部が形成される位置や、個数も限定されない。またツメ部の固定金型対向面等を粗面加工して離型しやすくしてもよい。
金型本体部15の可動盤側には、断熱板21が取付けられ、内部の空間および孔にはエジェクタ装置のエジェクタプレート22を介して前後進される突き出しピン23が配設されている。突き出しピン23は、金型本体部15とコア部16の内部に亘って形成された孔内に配設され、その先端はランナ形成面32に臨み、スプルP1とランナP2が保持しやすいよう断面Z字状に食い込み部23aが設けている。突き出しピン23を駆動するのは、図示しない可動盤内または可動盤から型締装置側に配設されたエジェクタ駆動装置である。
また金型本体部15の内部にはゲートカッタ部材24が配設されるための孔25および空間部26が形成されている。一方金型本体部15の孔25内にはガイドピン27が配設されている。ガイドピン27は円筒状部材の周囲の面には転動するボール28が形成されたボールガイドからなる。そして前記ガイドピン27のボール28が、孔25内に当接状態に設けられ、ガイドピン27の前後進時には、ボール28が転動してガイドピン27を保芯しながら移動されるようになっている。そして金型本体部15の空間部26内には前記ガイドピン27が当接されるように円盤状のプレート29が配設されている。そして前記プレート29における固定盤側中央にはゲートカッタ部材24が可動盤側から挿入され係合されている。ゲートカッタ部材24は、長方形の薄板からなり、コア部16の断面矩形の孔31内に前後進移動可能に配設されている。前記ゲートカッタ部材24の前面はゲート形成面であり、そのキャビティ側(図中上側)の角部が溶融状態のゲートを切断するためのゲートカッタ24bとなっている。そして図3に示されるように、前記ゲートカッタ部材24におけるキャビティ側の側面の一部は、ゲートカット後にキャビティ形成面を構成する。またゲートカッタ部材24の基部24dは円柱形をしており、前記基部24dの周囲にはプレート29およびゲートカッタ部材24を可動盤側に付勢するようにバネ30が前記空間部26内に配設されている。本実施形態では前記ゲートカッタ部材24は、ロックウエルCスケール硬度が55〜65HRCのハイス鋼等の硬質金属部材を使用している。またゲートカッタ部材24の寸法は、溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅が10〜20mm、溶融樹脂の流動方向の厚みが1.2〜2.0mm程度とすることが、本実施形態の大きさの導光板Pを成形する場合に望ましい。
またゲートカッタ部材24を駆動するのは、図示しない可動盤内または可動盤から型締装置側に配設されたゲートカッタ駆動装置である。ゲートカッタ駆動装置は、サーボバルブにより制御される油圧シリンダ、またはサーボモータとボールネジ機構が用いられる。サーボバルブにより制御される油圧シリンダの場合は、速度制御または圧力制御によりゲートカッタ部材24の前進時のクローズドループ制御を行う。またゲートカッタ駆動装置をサーボモータとする場合は、ゲートカッタ部材24の位置制御または速度制御が行われる。またゲートカッタ部材の前進停止位置は、可動金型内にストッパブロックまたはシムを配設し、そのストッパブロック等を厚さの異なるストッパブロック等に交換することにより調整してもよい。
またコア部16において、後述する固定金型13のスプルブッシュ44やインサートブロック43と対向する面は、ランナ形成面32となっている。そして前記ランナ形成面32と主面形成面16aの間に、ゲートカッタ部材24が進退する矩形の孔31が形成され、前記孔31とゲートカッタ部材24との間隙は、いずれも樹脂が入り込まない間隔に形成されている。またランナ形成面32については、ゲートカッタ部材24から突き出しピン23側に隣接する部分に、凸部が形成され、スプルブッシュ44と対向し突き出しピン23が臨む部分が凹部となっている。そしてゲートカッタ部材24のゲート形成面は突出時以外は、前記凸部よりも低い位置(可動盤側)に位置している。その理由は射出時に、射出装置のノズルの通路先端で固まった樹脂がコールドスラグウエル状となっている凹部によって受け止められることによりキャビティ14へ流入しないためと、射出圧がゲートカッタ部材24の前面にかかり過ぎ、孔31との間にバリ等が発生することを防止するためである。なおランナとゲートは直線的にキャビティに接続されるものでもよい。また突き出しピン23の周囲でありゲートカッタ部材24の近傍には冷却媒体流路33が形成されている。なおコア部のキャビティ形成部を形成する部分とランナ形成面を構成するブロックは、別体のブロックであって、ゲートやランナの間隔が固定的に設けられたものでもよい。
そしてコア部16と可動枠部19の間には溝状の気体流通路34が設けられている。図1ないし図4に示されるように、気体流通路34は、キャビティ14における主面形成面16aとは一定の間隔を離れて平行に、可動枠部19の内側部分に形成されている。本実施形態では、コア部16とゲートカッタ部材24との間には溝状の気体流通路34は配設されていないが、配設するようにしてもよい。そしてコア部16と可動枠部19の間における気体流通路34よりもキャビティ14側は、樹脂が入り込まない僅かな間隙(例えば3〜20μm)の気体流通路34aとなっている。そしてコア部16の主面形成面16aの周囲に前記気体流通路34aの開口部34bが形成されている。また前記気体流通路34aおよび開口部34bの一部は、コア部16と入光面形成ブロック20との間隙に配設される。更にまたランナ形成面32の周囲にも同様に気体流通路34aの開口部34bが形成されている。そして前記気体流通路34は、可動枠部19を貫通して可動金型12の外部に向けて形成された図示しない気体流通路に接続されている。なお気体流通路34は、コア部の内部側から金型本体部を経て可動金型の外部に向けて形成してもよい。そして接続された前記気体流通路から可撓性ホースを介して圧搾エア供給装置とエア吸引装置に接続されている。そして前記圧搾エア供給装置およびエア吸引装置と可動金型12の間には、図示しない電磁開閉バルブが配設されている。なお気体流通路については、ツメ部の背面やそれ以外の有効面以外の部分(有効面との境界部分を含む)に対して、直角方向や直角に近い角度で気体が噴出されるように設けても良い。その場合は、可動枠体の内部や、コア部の内部に気体流通路が形成される場合もあり得る。
次に固定金型13について説明すると、図1〜図3に示されるように、射出圧縮成形機1の固定盤2に取付けられる固定金型13には、金型本体部41、キャビティ形成ブロック42、インサートブロック43、スプルブッシュ44、ゲートカッタ部材45、当接ブロック46等から形成されている。そして金型本体部41の固定盤側には、断熱板47が取付けられるとともに、図示しない射出装置のノズルが挿入される穴48が形成され、その周囲にはロケートリング49が取付けられている。金型本体部41の可動金型側にはキャビティ形成ブロック42が取付けられ、該キャビティ形成ブロック42の可動金型12と対向する面は、キャビティ形成面のうちの主面形成面42aとなっている。本実施形態においてこの主面形成面42aは、反射面を形成する部分であり、微細なドットが刻設されている。またキャビティ形成ブロック42の内部には、前記主面形成面42aと平行に、冷却媒体流路50が複数形成されている。
そしてキャビティ形成ブロック42およびインサートブロック43と、当接ブロック46との間には溝状の気体流通路53が形成されている。気体流通路53は、キャビティ14の主面形成面42aとは一定の間隔を離れて平行に、キャビティ形成ブロック42の周囲を取り巻くように形成されている。本実施形態では、キャビティ形成ブロック42とゲートカッタ部材45との間には溝状の気体流通路53は配設されていないが、配設するようにしてもよい。そしてキャビティ形成ブロック42およびインサートブロック43と、当接ブロック46との間における気体流通路53よりもキャビティ14側は、樹脂が入り込まない僅かな間隙(例えば3〜20μm)の気体流通路53aとなっている。そしてキャビティ形成ブロック42の主面形成面42aの周囲に前記気体流通路53aの開口部53bが形成されている。またインサートブロック43のランナ形成面54の周囲にも同様に気体流通路53aの開口部53bが形成されている。そして前記気体流通路53は、固定金型13の外部に向けて形成された図示しない気体流通路に接続され、該気体流通路から可撓性ホースを介して圧搾エア供給装置とエア吸引装置に接続されている。そして前記圧搾エア供給装置およびエア吸引装置と固定金型13の間には、図示しない電磁開閉バルブが配設されている。
更に金型本体部41には、キャビティ形成ブロック42とともにインサートブロック43が配設されている。インサートブロック43は、その中央部に可動盤側に向けて拡径された孔が設けられたスプルブッシュ44が配設されている。そしてスプルブッシュ44の周囲にはスプルP1およびランナP2を冷却する冷却媒体流路51が形成されている。またスプルブッシュ44の先端からキャビティ形成面に向けて、インサートブロック43の可動金型12と対向する面には、ランナ形成面54が形成されている。そして前記ランナ形成面54は当接ブロック46の当接面46aに溝状に一段低い位置(固定盤側の位置)に形成され、当接ブロック46のランナ形成面と共に固定金型13側のランナP2を形成する面を構成する。そしてランナ形成面54の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、スプルブッシュ44に隣接する部分からキャビティ14に向けて徐々に広くなっている。そしてランナ形成面54についても可動金型12のランナ形成面32と等間隔を保つように、凹部に対向して凸部が形成され、凸部に対向して凹部が形成されている。
そしてランナ形成面54の凹部の部分は、ゲート形成面へ連続する同一面で接続されている。従ってランナP2とゲートP3やその形成面に明確な区別がある訳ではない。前記連続する同一面のうち可動金型12のゲートカッタ部材24のゲート形成面と対向する部分が、固定金型ゲート形成面を形成する部分となる。また当接ブロック46のランナ形成面に連続してゲート形成面が形成されている。そして前記ゲート形成面は、後述するキャビティ14の主面形成面42aおよびゲートカッタ部材45や、前記凸部に対して一段低い位置(固定盤側の位置)に設けられている。そしてゲート形成面の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、スプルP1の直径よりも幅広に設けられている。従って本実施形態のゲートP3は、フィルムゲートの一種であって、導光板Pの側面(入光面とは反対側の側面)の長さの2/3〜1/4程度の長さ(幅)となっている。なお、上記幅のフィルムゲートをゲートカッタによりゲートカットする際、キャビティ14における主面形成面16aとゲートカッタ部材24の間にも気体流通路を開口するとより望ましい。
そしてインサートブロック43のランナ形成面54に接続されるゲート形成面と、キャビティ形成ブロック42の主面形成面42aとの間には、ゲートカッタ部材45が固定されている。ゲートカッタ部材45は、ロックウエルCスケール硬度が55〜63HRCの合金工具鋼(SKD鋼)等の硬質金属部材からなる長方形の薄板であり、キャビティ形成面の主面形成面42aを形成する部材よりも前記硬度が高い金属が使用されている。そしてゲートカッタ部材45の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、ゲート形成面と同じか僅かに幅広に形成されている。またゲートカッタ部材45の厚みは、0.4〜0.8mm程度である。そしてゲートカッタ部材45の前面は、主面形成面16aと対向しており、キャビティ形成面の一部となっている。またゲートカッタ部材45のゲート部側の角部が刃であるゲートカッタ45bを形成している。またゲート部側の面は可動金型12のゲートカッタ部材24が前進時に僅かな間隔を隔てて対向する面となっている。従って本実施形態のゲート形成面の距離は、固定金型13と可動金型12のキャビティ14の距離と同様に可動金型12の進退により可変であり、更にはゲートカッタ部材24の前後進によっても可変である。
次に図5のチャート図により、本発明の成形方法を説明する。本実施形態では対角寸法3インチ、板厚0.4mmの導光板Pを4.4秒の成形サイクル時間で、射出圧縮成形方法により成形を行っている。その内訳は、型開閉時間(取出時間を含む)1.4秒、増圧時間0.1秒、射出時間0.05秒、保圧時間0.45秒、冷却時間2.4秒(実質的に冷却は射出開始から始まっている)である。このため本実施形態では、可動金型12の主面形成面16aを冷却する冷却媒体流路17、突き出しピン23およびランナ形成面32近傍を冷却する冷却媒体流路33、固定金型13のキャビティ形成面の主面形成面42aを冷却する冷却媒体流路50、スプルブッシュ44近傍およびランナ形成面54近傍を冷却する冷却媒体流路51へ、温調器により成形される樹脂であるポリカーボネートのガラス転移温度Tgより30〜100℃低い、50〜120℃程度に温度制御された冷却媒体(冷却水)を流している。
また射出装置の前部ゾーン(最もノズルに近いゾーン)は340℃に温度設定され、ポリカーボネートの溶融樹脂が計量されている。なおポリカーボネートを用いた場合の前記射出装置の前部ゾーンの温度設定は、320〜380℃に温度設定されることが望ましい。そして図示しない型締装置が作動され、固定盤2に取付けられた固定金型13に対して可動盤に取付けられた可動金型12を当接させることにより型閉が行われる。この型閉の際の可動金型12のコア部16と可動枠部19の関係は、図2の状態に近い。次に型締力を50〜200kNに上昇させて型締を行う。そのことにより図1に示されるように、バネ18の弾発力に打ち勝って可動金型12の金型本体部15と可動枠部19とが当接され、コア部16に対して可動枠部19が最後退した位置となる。そして固定金型13と可動金型12との間には、厚さ可変のゲートを含むランナ、および該ランナに接続された厚さ可変のキャビティ14が形成される。この際、キャビティ14内のエアは吸引することがキャビティ14内の溶融樹脂流動の点から望ましい。そして前記キャビティ14が形成されると、前記開口部34b,53b、気体流通路34a,34,53a,53を介してキャビティ14内のエアを吸引し、キャビティ14内を減圧状態とする。なお本実施形態では、常時ノズルがスプルブッシュ44に当接されているから、減圧時にスプルブッシュ44側からエアが吸引されることはない。射出開始前に前記気体流通路からキャビティ内の気体を吸引し、キャビティ14内を減圧状態とするのは、射出の際に溶融樹脂がキャビティ14内で空気の抵抗を受けずに速やかに入光面形成ブロック20側の端部まで流動可能とするためであり、特に0.2〜0.5mmの板厚の薄い導光板Pを成形する際に有効である。
次に所定の遅延時間が経過すると、図示しない射出装置のノズルからスプルブッシュ44を介して100〜200mm/secの射出速度により溶融樹脂を射出する。可動盤および可動金型12の金型本体部15およびコア部16は、射出時の圧力により、再び図2に示される位置に後退される。そのことにより可動金型12の可動枠部19は、コア部16よりも相対的に前方位置となり、固定金型13のキャビティ形成面の主面形成面42a等と可動金型12の主面形成面16aとの間隔は、図1に示される最初に型締力が及ぼされた位置と比較して最大50〜200μmほど広がる。また同様に固定金型13と可動金型12間の距離が広がることによりゲート形成面とゲート形成面の間隔が前記の50〜200μmだけ開き、ゲートP3の断面積が大きくなったキャビティ14に溶融樹脂を射出することができ、溶融樹脂の流動損失を少なくすることができる。またその結果、溶融樹脂を比較的低速・低圧で射出することができることから、特に導光板Pのゲート近傍に内部応力が発生することがないという利点がある。
そして射出装置によりスクリュ位置が所定の保圧切換位置に到達すると、射出制御から保圧制御に切換えられる。保圧制御に切替えられた後も型締装置側では高型締力による型締が行われているから、該高型締力により、上記の射出の際に型開した距離、またはその距離よりも少ない距離だけ型締方向に可動金型12が移動される。または射出開始時の可動金型12の位置が完全に型締された位置よりも開き気味の場合は、型開量(位置)よりも型締量(位置)の方が前進される場合もある。その後保圧制御に切換してから一定時間後、または保圧切換と同時に、型締力を減少させる。本実施形態では、型締力の低下と同時に、図示しないゲートカッタ部材駆動装置により、可動金型12のゲートカッタ部材24を0.45〜0.8mm前進させ、溶融樹脂が完全に固化していないゲートP3の切断を行う。
そしてゲートカッタ部材24によりゲートP3の切断が行われた後は、ゲートカッタ部材24は前進位置に保持される。そのことにより射出装置側からキャビティ14内の溶融樹脂へは完全に保圧が及ばなくなるが、型締装置の駆動によって可動金型12が前進されることによりキャビティ14内の溶融樹脂の圧縮を行うことができるので、冷却による収縮があっても、ヒケが発生せず、良好な転写成形ができる。そしてその間に射出装置の側では次の成形に使用する溶融樹脂の計量が行われる。そして所定時間が経過すると可動金型12の可動枠部19とコア部16の間の気体流通路34、34a、開口部34bを介してキャビティ14へ離型用の圧搾エアを及ぼす。また略同時に、可動金型12の可動枠部19とコア部16の間の気体流通路34,34a、開口部34bを介してツメ部P5と本体部P4の境界部分P6を含むキャビティ14へ離型用エアを及ぼす。また略同時にキャビティ形成ブロック42およびインサートブロック43と、当接ブロック46との間には溝状の気体流通路53,53a、開口部53bを介してキャビティ14へ離型用の圧搾エアを及ぼす。本実施形態では圧搾エア供給装置の元圧は、0.5〜0.8MPaとなっており、常温の大気を圧縮した圧搾エアが供給される。ただし窒素ガスなど他の気体を除外するものではない。ただしこの段階ではまだ型締がなされているので、キャビティ14内に前記圧搾エアは供給されず、気体流通路34,34a,53,53a等が高圧状態となる。なお圧抜前から圧搾エアを供給開始するのは、圧抜と同時に高圧の圧搾エアが供給できるようにするためである。
次に型締装置を作動させ圧抜、型開を順に行う。まず最初に型締力を0または0近くに低下させる圧抜がなされると、図6に示される状態から図7に示される状態のように、固定金型13に対して可動金型12の金型本体部15およびコア部16が後退される。そのことにより、可動枠部19を保持するバネ18が僅かに伸長され、金型本体部15およびコア部16に対して前記可動枠部19が相対的に前進される。そして可動枠部19のツメ部形成部19cの固定金型対向面19c1が有効面以外の部分であるツメ部P5の背面P5a(境界部分P6を含む)に物理的な力Fを及ぼし、前記導光板Pの出向面P4aをキャビティ形成面16aから浮き上げる方向に離型(面同士の密着が解除)される。なおツメ部P5は上記のように一定の幅および厚みを有する上に、本体部P4よりも冷却固化が進展しているので、離型の際に変形されるようなことはない。また図7に示されるように、この際に可動金型12の気体流通路34aに連通される開口部34bから噴出される気体である圧搾エアの多くは、導光板Pの出光面P4aとコア部16のキャビティ形成面16aの空間へ、圧搾エア流C1として流れる。そして前記圧搾エア流C1は、前記出光面P4aと前記キャビティ形成面16a1とを離型の促進させた後、前記空間部の内圧が上昇することにより更に導光板Pの離型を助長する力として働く。
次に型締装置が作動されて型開がなされると、導光板Pと、スプルP1およびランナP2は、それぞれ可動金型12側に保持された状態で取出される。そして固定金型13側では、固定金型13へ供給されている圧搾エアがキャビティ14における主面形成面42aによって形成された反射面の離型を促進補助する。そして型開が開始されて間もなく、図示しない電磁開閉バルブが閉鎖され、固定金型13への離型用の圧搾エアの供給が停止されるが、可動金型12へは継続して圧搾エアが供給され続ける。なお固定金型13への圧搾エアの供給は、後述する取出用ロボット61により導光板Pを取出すまで行ってもよい。本実施形態では型開時の固定金型13と可動金型12の間隔は、6〜15cmと小さいので、固定金型13の圧搾エアを噴出し続けることにより導光板Pの反射面を一層冷却できる。そして取出用ロボット61の吸盤63による跡をより一層導光板Pにつかなくすることができる。
また可動金型12側では、型開により、図7に示される状態から図8に示される状態のように、固定金型13に対して可動金型12全体(金型本体部15、コア部16、および可動枠部19等)が後退する。そのことにより可動枠部19のバネ18は更に伸長され、金型本体部15およびコア部16に対して前記可動枠部19が相対的に前進される。そのことにより導光板Pは、可動枠部19のツメ部形成部19cによってツメ部P5が支えられ、より一層、コア部16の主面形成面16aから浮き上がる方向に離型される。その際、一部の圧搾エア流C2は、導光板Pのツメ部P5の背面P5a(境界部分P6を含む)に向けて流れ、前記導光板Pのツメ部P5を、可動枠部19から浮き上げる方向に圧搾エア流C2による力を及ぼして離型する。また残りの過半の圧搾エア流は、導光板Pの側面のツメ部P5がない部分と、前記側面を形成するキャビティ形成面19bとの間から噴出することにより、その前記側面の離型が行われる。なおツメ部形成部19cの側面19c2には比較的前記圧搾エア流C2が及びにくいので、前記側面19c2とツメ部P5はすぐに離型されることはなく、導光板Pが可動金型12から脱落されることはない。また前記圧抜と型開は一連の動作であり、圧抜により導光板Pの出光面P4aと可動金型12のキャビティ形成面16aが完全に離型していないうちに型開を行うことも想定される。
また可動金型12が型開され、取出用ロボット61により導光板Pの取出しを行う前に、導光板Pが落下する可能性がある金型構造の場合は、取出用ロボット61の吸着とほぼ同時(またはわずかに前後して)にエア噴出を行うようにすることも考えられる。または型開前からは弱圧のエアを供給し、型開完了後の取出時に強圧に切替えるようにしてもよい。
そして型開完了と同時または型開途中からエジェクタ装置の突き出しピン23の前進が行なわれ、ランナP2のランナ形成面32からの離型が行われる。また型開完了と同時または型開途中から取出用ロボットが作動される。図9に示されるように本実施形態に使用される取出用ロボット61は、スプルP1等をチャック62により把持するとともに導光板Pを吸盤63により吸着し、それらを別個に取出すスイングアーム式の第1の取出用ロボット61と、前記第1の取出用ロボット61から導光板Pを受け渡されて吸着し、コンベア64に載置する第2の取出用ロボット65からなっている。そして第1の取出用ロボット61の吸盤63が導光板Pの反射面を吸着し、チャック62が突き出されたスプルP1(ランナP2が接続されている)を把持する。そして第1の取出用ロボット61を一旦、固定金型13側に移動させて可動金型12のキャビティ14における主面形成面16aから導光板Pの出光面を離型する。その際に気体流通路34,34aに連通される開口部34bからキャビティ14の主面形成面16aと導光板Pの出光面の間には型開の前から取出しの際まで継続して圧搾エアが供給され、該圧搾エアを供給しつつ導光板Pの取出しが行われ、またツメ部P5とツメ部形成部19cの側面19c2の当接部分は僅かな面積であるから、小さい吸引力により取出すことができる。なお前記取出時に、ゲートカッタ部材24は前進位置で停止した状態であり、前記ゲートカッタ部材24とコア部16との間隙からも圧搾エアの一部は供給されている。そのことにより射出後に前進したゲートカッタ部材24と導光板Pとの離型が促進される。またゲートカッタ部材24が前進されていることから、供給される圧搾エアは、導光板Pの主面である出光面側に多く供給され離型を促進する。そして可動金型12から導光板Pの取出しが完全に完了すると、図示しない電磁開閉バルブが閉鎖されて可動金型12側における離型用の圧搾エアの供給が停止される。なおゲートカッタ部材24が前進されていることもまた、可動金型12から圧搾エアが供給されても導光板Pの落下の防止に繋がる。取出された導光板PのゲートP3によって形成された部分は、入光面になる部分ではないので、このまま仕上げ処理しないでも導光板Pとして使用することができる。またスプルP1およびランナP2は別途リサイクルして利用することも可能である。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本実施形態では、有効面以外の部分として、コア部16とは相対的に可動枠部19を移動させてツメ部P5に力Fを及ぼし、本体部P4の有効面である出光面P4a等の離型をする例について示したが、本体部における有効面以外の部分(出光面や反射面以外)に対して部材の相対移動や気体を噴出させることにより離型を行うものであってもよい。また有効面以外の部分は、導光板Pとして成形される部分(ランナP2およびスプルP1を除く)であれば、成形性や光学特性を良好にするため等の目的で、後工程で切除される部分であってもよい。
上記実施形態では可動金型12の可動枠部19により導光板Pのツメ部P5が形成される例について説明したが、コア部により有効面とツメ部等の有効面以外の部分の両方を成形し、前記有効面以外の部分、または有効面と有効面以外の部分の境界部分をバネやシリンダ等で力を及ぼして、導光板を離型するようにしてもよい。またツメ部等が形成されるのは、可動金型ではなく、固定金型であってもよい。即ち固定金型の当接ブロックがバネにより前後進移動可能とし、前記当接ブロックの一部によりツメ部や有効面以外の部分が形成されるようにしてもよい。そして特に型開前にゲートカットされるタイプでは、当接ブロックの前進によりツメ部等とともに導光板を浮かせて、可動金型側に取出すようにしてもよい。また上記実施形態ではコア部16に対して可動枠部19が相対的に位置変更可能な平当金型と呼ばれるタイプについて説明したが、一方の金型の凸部が他方の金型の凹部内に嵌合され、その間に容積可変のキャビティが形成されるインロー金型と呼ばれるタイプについても本発明を適用することができる。インロー金型の場合も、ツメ部形成部等の有効面以外の部分を成形する部分を、他の有効面を成形する部材とは別個にバネ等によって相対移動可能とし、型開(圧抜を含む)によりバネ等が伸長されることにより、有効面部分が離型されるようにする。そして、前記2例について、圧搾エアによって有効面以外の部分に力を及ぼす離型にも有効であり、部材の相対移動と圧搾エアの作用を併用して有効面以外の部分に力を及ぼす離型にも有効である点も本実施形態と同じである。
また本実施形態の導光板Pは、板厚が0.4mmであるので射出成形の中の一分野である射出圧縮成形方法が用いられるが、板厚が0.2〜0.4mm程度の場合は同じく射出成形の中の一分野である射出プレス方法を行うことも考えられる。射出プレスは、型閉位置において既にキャビティの間隔が広げられているので、板厚が極めて薄いものでも比較的低速・低圧で射出することができ、射出後に可動金型をそのまま前進させ圧縮を行う。またその際の型締速度は高速であることが望ましい。更に導光板によっては一般的な射出成形で行うことも考えられる。また本実施形態では水平方向に型開閉が行われる射出成形機に取付けられる射出圧縮成形金型について説明したが、垂直方向に型開閉が行われるものでもよい。
また本発明は、ゲートカッタ部材24により導光板PとスプルP1およびランナP2等を分離する場合に特に大きな効果を発揮するが、導光板とスプル等は一体となって取出される場合に、導光板の周囲における有効面以外の部分(ランナおよびスプルを除く)に力を及ぼすものについても適用できる。その場合でも導光板を離型し易くしておくことは導光板の変形等を防ぐために重要である。更には取出用ロボットで取出しを行わず、金型下方に落下させ、例えばコンベア等で搬送されるものを除外しない。
本実施形態では対角寸法3インチの携帯電話用の導光板の射出圧縮成形金型と射出圧縮成形方法について説明したが、導光板のサイズや形状を選ばない。従って板厚が均厚な導光板でも、板厚が入光面側から他側に向けて薄くなる楔型導光板であってもよく、楔型の場合も入光面以外の部分にゲートが形成される。また背面から入光され前面に出光するバックライト型導光板(光拡散板を含む)や外光を反射するものでもよい。また有効面である反射面と出光面の形状も、両面ともに鏡面、ドット、グルーブ、およびホログラム等各種の組合せが考えられ、スタンパが配設されたものでもよい。なおキャビティ主面形成面が鏡面の場合が、最も離型し難いので、型開時に導光板が残る側を鏡面以外の形状としておくことも考えられる。更には入光および出光を伴うレンズ、光拡散板、その他の光学薄板についても本発明において導光板の範疇に含まれるものとする。
更に成形に使用される樹脂については、ポリカーボネート(一例として出光興産のタフロンLC1500)の例について記載したが、光学性能に優れる樹脂なら他の樹脂でもよく、例としては、メタクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂などが上げられる。そして樹脂により溶融樹脂の温度、ガラス転移温度、強度等が相違するから、ゲートカットのタイミング、冷却媒体の温度、圧搾エア噴出のタイミング、型開開始時の速度、および成形サイクル時間等も相違することは言うまでもない。
本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であって型締後、射出開始前の状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であって射出時にキャビティ内の容積が拡大された状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の断面図であってキャビティ内の樹脂が圧縮後にゲートカットされた状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出圧縮成形金型の可動金型の正面図である。 本実施形態の導光板の射出圧縮成形方法を示すチャート図である。 図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の型開前の状況を示す拡大断面図である。 図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の圧抜後の状況を示す拡大断面図である。 図4における可動金型のA−A線部分およびそれに対向する固定金型部分の型開開始後の状況を示す拡大断面図である。 本実施形態の導光板の取出装置の正面図である。

11 射出圧縮成形金型

12 可動金型

13 固定金型

14 キャビティ

15,41 金型本体部

16 コア部

16a,42a 主面形成面

19 可動枠部

19c ツメ部形成部

24,45 ゲートカッタ部材

24b,45b ゲートカッタ

32,54 ランナ形成面

34,34a,53,53a 気体流通路

34b,53b,74a 開口部

43 インサートブロック

P 導光板

P1 スプル

P2 ランナ

P3 ゲート

P4 本体部

P4a 出光面
P4b 有効面以外の部分

P5 ツメ部

Claims (3)

  1. 射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形金型において、
    可動金型には、固定金型と対向する当接面を有するとともに該当接面の内周側の部分に導光板のツメ部を形成するツメ部形成部と側面を形成する部分を有する可動枠部が導光板の有効面を形成するコア部の周囲に該コア部に対して型開閉方向に相対的に移動可能に設けられ、
    前記コア部に対して可動枠部が可動金型の金型本体部の方向に相対的に移動させることによりキャビティ内の溶融樹脂を圧縮するとともに、
    前記可動枠部全体を前記コア部に対して固定金型の方向に相対的に移動させることにより、
    導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して力を及ぼし導光板の有効面の離型を行うことを特徴とする導光板の射出圧縮成形金型。
  2. 導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して金型から気体を噴出させることを併用して離型を行うことを特徴とする請求項1に記載の導光板の射出圧縮成形金型。
  3. 射出圧縮成形により固定金型と可動金型の間に形成される容積および厚さが可変のキャビティ内で導光板の成形を行う導光板の射出圧縮成形方法において、
    可動金型には、固定金型と対向する当接面を有するとともに該当接面の内周側の部分に導光板のツメ部を形成するツメ部形成部と側面を形成する部分を有する可動枠部が導光板の有効面を形成するコア部の周囲に該コア部に対して型開閉方向に相対的に移動可能に設けられ、
    前記コア部に対して可動枠部が可動金型の金型本体部の方向に相対的に移動させることによりキャビティ内の溶融樹脂を圧縮するとともに、
    前記コア部に対して前記可動枠部全体を固定金型の方向に相対的に移動させることにより、
    導光板におけるツメ部、またはツメ部と有効面との境界部分に対して力を及ぼし導光板の有効面の離型を行うことを特徴とする導光板の射出圧縮成形方法。
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