JP4780621B2 - 導光板の射出プレス成形方法 - Google Patents

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本発明は、固定金型のキャビティ形成面に対する可動金型のキャビティ形成面の距離が可変に形成された成形金型を用いた導光板の射出プレス成形方法に関するものである。
射出成形またはその一分野である射出圧縮成形方法や射出プレス成形方法(インジェクションコンプレッション成形)により導光板を成形する方法としては、特許文献1ないし特許文献7に記載された方法が知られている。しかし特許文献1は板厚の記載はなく、特許文献2は4mm以上、特許文献3は1.2mm以上、特許文献4は4mm以上、特許文献5、特許文献6では板厚6mm、特許文献7では厚肉端部0.9mm・薄肉端部0.7mmというように一定以上肉厚の導光板を成形するものであった。従来では特許文献8にも記載があるように、0.6mm以下の導光板では充填不足やヒケが発生し、良品を成形することが困難であった。そのため充填不足に対策として、従来では射出速度を500mm/sec〜1000mm/secに上げることにより射出充填を行っていたが、図11に示されるようにゲート部付近の残留応力が不均一になるという大きな問題があった。そして残留応力が大きいと特に板厚の薄い導光板では反りに繋がりやすく、輝度分布にも問題があった。また従来では射出速度を上げることにより、シルバーや焼けなどの不良も発生しやすく、流動損失を防止するためスプルやランナも断面積が大きいものを使用しなければならないために、冷却時間が10秒以上必要となるという問題があった。そして前記特許文献8にも、「従来の射出成形では樹脂が流れないような薄肉の製品、例えば、0.3mm以下」と記載があり、特許文献8ではその対策として、樹脂シートを用いて圧縮成形を行っていた。
特開2003−145593号公報(0037、図1) 特開2000−229343号公報(0018、0024、図2) 特開2000−218654号公報(0024、図1) 特開2000−233428号公報(0007、表1、表2) 特開2002−46159号公報(0042、表1) 特開2002−11769号公報(0003、0022) 特開2003−14938号公報(0146、図5) 特開2001−191348号公報(0008、0014)
本発明では上記の問題を鑑みて、極めて薄肉が薄く従来では射出成形等で成形が困難であった導光板を良好に成形することを可能とした導光板の射出プレス成形方法を提供することを目的とする。更には導光板のゲート近傍における残留応力の問題を小さくした導光板の射出プレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の導光板の射出プレス成形方法は、固定金型のキャビティ形成面に対する可動金型のキャビティ形成面の距離が可変に形成された成形金型を用いた導光板の射出プレス成形方法において、前記可動金型は、金型本体部にコア部が固定され、コア部の固定金型と対向する面はキャビティ形成面となっており、コア部の周囲を囲んで可動枠部がコア部に対して型開閉方向に移動可能に設けられ、可動枠部の固定金型と対向する面は当接面となっており、固定金型の当接面と当接され、キャビティに接続される導光板の板厚よりも厚いランナを形成するランナ形成部材が前記可動枠体と一体に設けられており、前記固定金型のキャビティ形成面と可動金型のキャビティ形成面との距離が対角寸法1.5〜13インチ、板厚0.2〜0.7mmの導光板の板厚に0.2〜0.5mm加算した値(ただし0.2mmを除く)となる位置で可動金型を停止させてキャビティを形成し、射出中または射出後にアキュームレータを用いサーボバルブにより制御される型締シリンダを用いた機構により前記キャビティ内の溶融樹脂を圧縮することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の導光板の射出プレス成形方法は、請求項1において、前記型締シリンダを用いた機構により射出中に可動盤および可動金型の作動開始させた時から圧力制御を行うことを特徴とする。
本発明の導光板の射出プレス成形方法は、固定金型のキャビティ形成面に対する可動金型のキャビティ形成面の距離が可変に形成された成形金型を用いた導光板の射出プレス成形方法において、前記可動金型は、金型本体部にコア部が固定され、コア部の固定金型と対向する面はキャビティ形成面となっており、コア部の周囲を囲んで可動枠部がコア部に対して型開閉方向に移動可能に設けられ、可動枠部の固定金型と対向する面は当接面となっており、固定金型の当接面と当接され、キャビティに接続される導光板の板厚よりも厚いランナを形成するランナ形成部材が前記可動枠体と一体に設けられており、前記固定金型のキャビティ形成面と可動金型のキャビティ形成面との距離が対角寸法1.5〜13インチ、板厚0.2〜0.7mmの導光板の板厚に0.2〜0.5mm加算した値(ただし0.2mmを除く)となる位置で可動金型を停止させてキャビティを形成し、射出中または射出後にアキュームレータを用いサーボバルブにより制御される型締シリンダを用いた機構により前記キャビティ内の溶融樹脂を圧縮して導光板を成形するので、前記のような極めて薄い導光板であっても良好に成形することができる。
本発明の導光板の射出プレス成形方法に用いる射出成形機と成形金型について、図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる射出成形機の正面図である。図2は、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であって射出開始前の位置に可動金型が停止された状態を示す図である。図3は、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であってキャビティ内の樹脂を圧縮された状態を示す図である。図4は、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であってゲートカットされた状態を示す図である。図5は、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法を示すチャート図である。図6は、本実施形態の射出プレス成形方法で成形した導光板である。図7は、板厚0.3mmの導光板を射出プレス成形した場合の射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。図8は、板厚0.2mmの導光板を射出プレス成形した場合の射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。図9は、射出速度と射出開始時型開量の関係を示すテスト結果である。図10は、型締開始時の昇圧時間と転写性の関係を示すテスト結果である。
図1に示されるように、本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる射出成形機1は、スクリュが内蔵された加熱筒2aとノズル2bが備えられた射出装置3が、ベッド4上に配設されている。射出装置3は、図示しない計量機構の計量用サーボモータおよび射出機構の射出用サーボモータにより制御され、射出速度、保圧切替位置、保圧時の圧力、射出量等が制御される。型締装置5は、ベッド4に固定される固定盤6と、ベッド4に配設された受圧盤7の間に4本のタイバ8が配設され、前記タイバ8には可動盤9が移動可能に挿通されている。また受圧盤7には型開閉と型締を行う型開閉・型締機構である型締シリンダ10が配設され、前記型締シリンダ10のラム10aが可動盤9の背面に固定されている。そして型開閉・型締機構である型締シリンダ10により、型締時の型締速度、型締力が制御される。本実施形態では型開閉・型締機構は、サーボバルブにより制御される型締シリンダ10の例を示すが、サーボモータとボールネジ機構等により作動されるトグル機構でも良い。
導光板の成形金型11は、平面方向の対角寸法3インチ、板厚0.3mmで均等板厚の携帯電話用サイドライト型導光板を射出プレス成形によって成形する金型である。(以下携帯電話用サイドライト型導光板については、単に導光板Pと略す。)射出プレス成形は、射出開始前に固定金型13のキャビティ形成面42aと可動金型12のキャビティ形成面16aとの距離が導光板Pの板厚Bに所定量を加算した値となる位置A(射出開始時型開量が一定に確保された位置)で可動金型12を停止させ、射出開始後(射出中または射出後)にキャビティ14内の溶融樹脂を圧縮して成形を行う方法である。射出プレス成形は、成形完了時に対してキャビティ14およびゲートが僅かに開いた状態で射出を行うので流動損失が少ない。従って高速射出能力を有する射出装置が必要なく、溶融樹脂を比較的低速・低圧で射出することができる。また上記によりゲートの断面積が大きく射出速度が遅いことから、板厚が薄い導光板PをゲートP3近傍の残留応力を極力小さくして成形することが可能である。そしてその結果、成形後の反りが極めて少なく、輝度バランスが優れた導光板を成形することができる。更には高速射出時のようなシルバーや焼けの問題が解消でき、スプルやランナも断面積が小さいものを使用できるので、冷却時間が短縮できるという利点がある。更にまた射出開始後(射出中または射出後)に可動金型12を型締方向に移動させて溶融樹脂に圧縮を加えることから、キャビティ14のゲート部から遠い位置において溶融樹脂の流れを速くし充填不足をなくすとともに、微細な転写を良好に行うことができるという利点もある。そしてまたゲートP3を切断した後については、通常の射出成形金型では、射出装置から保圧を及ぼすことはできないが、射出プレス成形の場合は、キャビティ14内の溶融樹脂を圧縮して冷却固化による収縮に対応することができる。なお射出プレス成形に用いられる成形金型11は、型締完了位置から射出によりキャビティ14が僅かに開き再び圧縮される射出圧縮成形方法にも用いることができる。
図2ないし図4は、本発明の成形金型11の断面である。成形金型11は、第1の金型である可動金型12と第2の金型である固定金型13とからなり、型合わせされた両金型12,13の間には容積および厚さが可変のキャビティ14が形成されるようになっている。射出成形機1の可動盤9に取付けられる可動金型12には、金型本体部15とコア部16と可動枠部19等が設けられている。金型本体部15の固定金型側の面における略中央には、コア部16が固着されている。コア部16の固定金型13と対向する面は、鏡面からなり出光面を形成するキャビティ形成面16aとなっており、導光板Pの形状に略一致した突起部等を含む略四角形をしている。またコア部16の内部には、前記キャビティ形成面16aと平行に複数本の冷却媒体流路17が形成されている。なおコア部のキャビティ形成面を形成する部分と他の部分は、別体のブロックからなるものでもよい。またキャビティ形成面16aは鏡面の例を示したが、ドット、グルーブ、ホログラム等のパターン加工や粗面加工等がなされたものでもよく、スタンパが取付けられたものを除外しない。
前記金型本体部15の固定金型側の面における上下4箇所には、凹部が形成され、該凹部内にはバネ18が前記固定金型側に向けて取付けられている。そして前記バネ18の前記固定金型側は、前記コア部16の周囲を囲むよう配設された可動枠部19に当接されている。従って換言すれば可動枠部19によって形成された空洞部の中にコア部16が配設されている。そして可動枠部19全体が前記バネ18により金型本体部15およびコア部16に対して型開閉方向に移動可能となっている。そして可動枠部19の固定金型13と対向する面は当接面19aとなっている。また可動枠部19のゲートと反対側には入光面を形成するための入光面形成ブロック20が着脱自在に配設されている。なお図2は、射出開始前の位置に可動金型12が停止された状態を示す。また図3は、射出開始後にキャビティ14内の溶融樹脂(図示せず)が圧縮された状態を示す。更に図4は、ゲートカットされた状態を示す。なお、図2〜図4は、いずれもコア部16と可動枠部19の位置関係やバネの収縮等は実際より誇張して描写してある。
金型本体部15の可動盤9側には、断熱板21が取付けられ、内部の空間および孔にはエジェクタ装置のエジェクタプレート22を介して前後進される突き出しピン23が配設されている。突き出しピン23は、金型本体部15とコア部16の内部に亘って形成された孔内に配設され、その先端はランナ形成面32に臨み、スプルP1とランナP2が保持しやすいよう断面Z字状に食い込み部23aが設けている。突き出しピン23を駆動するのは、可動盤9内または可動盤9から型締シリンダ10のラム10a側に配設されたエジェクタ駆動装置である。
また金型本体部15の内部にはゲートカッタ部材24が配設されるための孔25および空間部26が形成されている。一方金型本体部15の孔25内にはガイドピン27が配設されている。ガイドピン27は円筒状部材の周囲の面には転動するボール28が形成されたボールガイドからなる。そして前記ガイドピン27のボール28が、孔25内に当接状態に設けられ、ガイドピン27の前後進時には、ボール28が転動してガイドピン27を保芯しながら移動されるようになっている。そして金型本体部15の空間部26内には前記ガイドピン27が当接されるように円盤状のプレート29が配設されている。そして前記プレート29における固定盤6側中央にはゲートカッタ部材24が可動盤9側から挿入され係合されている。ゲートカッタ部材24は、長方形の薄板からなり、コア部16の断面矩形の孔31内に前後進移動可能に配設されている。前記ゲートカッタ部材24の前面はゲート形成面であり、そのキャビティ側(図中上側)の角部が溶融状態のゲートを切断するためのゲートカッタ24bとなっている。そして図4に示されるように、前記ゲートカッタ部材24におけるキャビティ側の側面の一部は、ゲートカット後にキャビティ形成面を構成する。またゲートカッタ部材24の基部24dは円柱形をしており、前記基部24dの周囲にはプレート29およびゲートカッタ部材24を可動盤9側に付勢するようにバネ30が前記空間部26内に配設されている。本実施形態では前記ゲートカッタ部材24は、ロックウエルCスケール硬度が55〜65HRCのハイス鋼等の硬質金属部材を使用している。またゲートカッタ部材24の寸法は、溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅が10〜20mm、溶融樹脂の流動方向の厚みが1.2〜2.0mm程度とすることが、本実施形態の大きさの導光板Pを成形する場合に望ましい。
またゲートカッタ部材24を駆動するのは、可動盤9内または可動盤9からラム10a側に配設されたゲートカッタ駆動装置である。ゲートカッタ駆動装置は、サーボバルブにより制御される油圧シリンダ、またはサーボモータとボールネジ機構が用いられる。サーボバルブにより制御される油圧シリンダの場合は、速度制御または圧力制御によりゲートカッタ部材24の前進時のクローズドループ制御を行う。またゲートカッタ駆動装置をサーボモータとする場合は、ゲートカッタ部材24の位置制御または速度制御が行われる。またゲートカッタ部材の前進停止位置は、可動金型内にストッパブロックまたはシムを配設し、そのストッパブロック等を厚さの異なるストッパブロック等に交換することにより調整してもよい。
またコア部16において、後述する固定金型13のスプルブッシュ44やインサートブロック43と対向する面は、ランナ形成面32となっている。そして前記ランナ形成面32とキャビティ形成面16aの間に、ゲートカッタ部材24が進退する矩形の孔31が形成され、前記孔31とゲートカッタ部材24との間隙は、いずれも樹脂が入り込まない間隔に形成されている。またランナ形成面32については、ゲートカッタ部材24から突き出しピン23側に隣接する部分に、凸部が形成され、スプルブッシュ44と対向し突き出しピン23が臨む部分が凹部となっている。そしてゲートカッタ部材24のゲート形成面は突出時以外は、前記凸部よりも低い位置(可動盤9側)に位置している。その理由は射出時に、射出装置3のノズル2bの通路先端で固まった樹脂がコールドスラグウエル状となっている凹部によって受け止められることによりキャビティ14へ流入しないためと、射出圧がゲートカッタ部材24の前面にかかり過ぎ、孔31との間にバリ等が発生することを防止するためである。なおランナとゲートは直線的にキャビティに接続されるものでもよい。
また突き出しピン23の周囲でありゲートカッタ部材24の近傍には冷却媒体流路33が形成されている。そして離型時に吹出されるエア通路34が、コア部16と可動枠部19の間に形成されている。なおエア通路は、ゲートカッタ部材24と孔31の間にも設けてもよい。なお導光板とスプル等を一体のままスプルを把持して取出す際には、ゲートカッタ部材は不要であり、ゲートカッタ部材は本発明において必須のものではない。
次に固定金型13について説明すると、図2〜図4に示されるように、射出成形機1の固定盤6に取付けられる固定金型13には、金型本体部41、キャビティ形成ブロック42、インサートブロック43、スプルブッシュ44、ゲートカッタ部材45、当接ブロック46等から形成されている。そして金型本体部41の固定盤側には、断熱板47が取付けられるとともに、図示しない射出装置のノズルが挿入される穴48が形成され、その周囲にはロケートリング49が取付けられている。金型本体部41の可動金型側にはキャビティ形成ブロック42が取付けられ、該キャビティ形成ブロック42の可動金型12と対向する面は、キャビティ形成面のうちの主要部形成面42aとなっている。本実施形態においてこの主要部形成面42aは、反射面を形成する部分であり、微細なドットが刻設されている。またキャビティ形成ブロック42の内部には、前記キャビティ形成面の主要部形成面42aと平行に、冷却媒体流路50が複数形成されている。またキャビティ形成ブロック42およびインサートブロック43と、当接ブロック46との間には離型時にエアを噴出するためのエア通路53が形成されている。
更に金型本体部41には、キャビティ形成ブロック42とともにインサートブロック43が配設されている。インサートブロック43は、その中央部に可動盤側に向けて拡径された孔が設けられたスプルブッシュ44が配設されている。そしてスプルブッシュ44の周囲にはスプルP1およびランナP2を冷却する冷却媒体流路51が形成されている。また図2ないし図4に示されるように、スプルブッシュ44の先端からキャビティ形成面に向けて、インサートブロック43の可動金型12と対向する面には、ランナ形成面54が形成されている。そして前記ランナ形成面54は当接ブロック46の当接面46aに溝状に一段低い位置(固定盤側の位置)に形成され、当接ブロック46のランナ形成面と共に固定金型13側のランナP2を形成する面を構成する。そしてランナ形成面54の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、スプルブッシュ44に隣接する部分からキャビティ14に向けて徐々に広くなっている。そしてランナ形成面54についても可動金型12のランナ形成面32と等間隔を保つように、凹部に対向して凸部が形成され、凸部に対向して凹部が形成されている。
そしてランナ形成面54の凹部の部分は、ゲート形成面へ連続する同一面で接続されている。従ってランナP2とゲートP3やその形成面に明確な区別がある訳ではない。前記連続する同一面のうち可動金型12のゲートカッタ部材24のゲート形成面と対向する部分が、固定金型ゲート形成面を形成する部分となる。また当接ブロック46のランナ形成面に連続してゲート形成面が形成されている。そして前記ゲート形成面は、後述するキャビティ形成面の主要部形成面42aおよびゲートカッタ部材45や、前記凸部に対して一段低い位置(固定盤側の位置)に設けられている。そしてゲート形成面の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、スプルP1の直径よりも幅広に設けられている。従って本実施形態のゲートP3は、フィルムゲートの一種であって、導光板Pの側面(入光面とは反対側の側面)の長さの2/3〜1/4程度の長さ(幅)となっている。
そしてインサートブロック43のランナ形成面54に接続されるゲート形成面と、キャビティ形成ブロック42のキャビティ形成面の主要部形成面42aとの間には、ゲートカッタ部材45が固定されている。ゲートカッタ部材45は、ロックウエルCスケール硬度が55〜63HRCの合金工具鋼(SKD鋼)等の硬質金属部材からなる長方形の薄板であり、キャビティ形成面の主要部形成面42aを形成する部材よりも前記硬度が高い金属が使用されている。そしてゲートカッタ部材45の溶融樹脂の流動方向と直交する方向の幅は、ゲート形成面と同じか僅かに幅広に形成されている。またゲートカッタ部材45の厚みは、0.4〜0.8mm程度である。そしてゲートカッタ部材45の前面は、キャビティ形成面16aと対向しており、キャビティ形成面の一部となっている。またゲートカッタ部材45のゲート部側の角部が刃であるゲートカッタ45bを形成している。またゲート部側の面は可動金型12のゲートカッタ部材24が前進時に僅かな間隔を隔てて対向する面となっている。従って本実施形態のゲート形成面の距離は、固定金型13と可動金型12のキャビティ14の距離と同様に可動金型12の進退により可変であり、更にはゲートカッタ部材24の前後進によっても可変である。
次に図5のチャート図により、本実施形態の成形金型11による射出プレス成形方法について説明する。そして本実施形態では平面方向の対角寸法3インチ、板厚0.3mmの均等板厚の導光板Pを4.2秒の成形サイクル時間で成形している。その内訳は、型開閉時間(型開時間、取出時間、型閉時間を含む)1.4秒、射出遅延時間0.1秒、射出時間0.05秒、保圧時間0.45秒、冷却時間2.2秒(実質的に冷却は射出開始から始まっている)である。このため本実施形態では、可動金型12のキャビティ形成面16aを冷却する冷却媒体流路17、突き出しピン23およびランナ形成面32近傍を冷却する冷却媒体流路33、固定金型13のキャビティ形成面の主要部形成面42aを冷却する冷却媒体流路50、スプルブッシュ44近傍およびランナ形成面54近傍を冷却する冷却媒体流路51へ、温調器により成形される樹脂であるポリカーボネートのガラス転移温度Tgより30〜70℃低い、80〜120℃程度に温度制御された冷却媒体(冷却水)を流している。
また射出装置3の加熱筒2aの前部ゾーン(最もノズル2bに近いゾーン)は360℃に温度設定され、ポリカーボネートの溶融樹脂が計量されている。そして型締シリンダ10が作動され、固定盤6に取付けられた固定金型13に対して可動盤9に取付けられた可動金型12を移動させ射出開始時型開量が確保された停止位置に停止制御される。その際の可動盤9および可動金型12のコア部16の射出開始時の位置Aは、固定金型13のキャビティ形成面42aに対する可動金型12のキャビティ形成面16aの距離が成形される導光板Pの板厚に0.3mmを加算した位置に停止制御される。この射出開始時の位置Aに停止時には、型開閉・型締機構である型締シリンダ10により前記位置が変更されない程度に僅かに型締力が及ぼされている。またサーボモータを用いる場合は、前記停止位置に停止されるよう位置制御がなされる。
なおこの際一旦コア部16を最前進位置(導光板板厚よりも更に固定金型13側)まで前進させ、バネ18を収縮させて可動枠部19と金型本体部15が当接される型閉完了位置(0位置)まで可動盤9等を前進させてから、再び型締シリンダ10により可動盤9等を微量後退させ、図2における射出開始時の位置Aに位置制御して停止させるようにしてもよい。そのことにより成形完了位置より型開方向の位置に可動金型12のコア部16を停止させることができる。
そして可動金型12が停止され、厚さ可変のゲートを含むランナに接続された厚さ可変のキャビティ14が形成されると、前記キャビティ14内のエアの吸引を行う。エアの吸引は、図示しないバキューム装置とエア通路34,53との間の電磁開閉バルブを開き、エア通路34とそれに接続されるコア部16と可動枠部19の間隙、エア通路53とそれに接続されるキャビティ形成ブロック42と当接ブロック46との間隙等からキャビティ14内のエアを吸引する。射出開始前にキャビティ14内を減圧状態とするのは、射出の際に溶融樹脂がキャビティ14内で空気の抵抗を受けずに速やかに入光面形成ブロック20側の端部まで流動可能とするためであり、特に0.2〜0.7mmの板厚の薄い導光板Pを成形する際に有効である。なお本実施形態では、常時ノズル2bがスプルブッシュ44に当接されているから、減圧時にスプルブッシュ44側からエアが吸引されることはない。またはキャビティ内を減圧せずに、射出時にパーティング面からキャビティ内の空気が抜けやすくしてもよい。
次に所定の射出遅延時間が経過すると射出装置3の図示しない射出機構を作動させ、加熱筒2a内のスクリュを前進させて溶融樹脂の射出を行う。本実施形態では、射出速度はピークにおいて300mm/secとなるよう設定され、射出機構の射出用サーボモータによりスクリュの前進速度が制御される。このように比較的低い射出速度でキャビティ14内に射出充填できるので、成形される導光板Pのゲート近傍の内部応力を小さくすることができる。なお図6に示すのが本実施形態の射出プレス成形方法で成形した導光板Pである。また図11に示すのが従来の方法により成形された導光板でありゲート近傍の内部応力が大きくなっている。
図7に示されるのは、板厚0.3mm、対角寸法3インチの導光板Pを成形する際、射出開始時型開量(射出開始時における可動金型の停止位置)を板厚分からプラス0.3mm型開きした状態で射出プレス成形した場合における、射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。そして図7において、樹脂温度とは加熱筒2aの前部ゾーンの設定温度を示している。そして射出速度は、設定射出速度を示している。またテストを通じて使用された樹脂は、ポリカーボネート(出光興産のタフロンLC1500:分子量10,000〜12,000)である。テストによれば、樹脂温度が330℃の場合は、充填不足による板の欠損や板厚ムラ(ゲートから遠い部分ほど薄い)が発生した。また樹脂温度340℃では射出速度300mm/sec以下の場合、樹脂温度350℃、360℃では射出速度200mm/sec以下の場合、樹脂温度370℃、380℃では射出速度150mm/sec以下の場合にそれぞれ充填不足による不良が発生した。また樹脂温度390℃以上では、樹脂が劣化して黄変が発生した。また340℃〜380℃範囲であっても射出速度が400mm/secとした場合には射出速度が速すぎてバリが発生した。従って板厚0.3mm、対角寸法3インチの導光板Pの射出プレス方法による成形は、射出速度200mm/sec〜380mm/sec、加熱筒2aの前部ゾーンの設定温度が340℃〜380℃で成形することが可能である。そして樹脂温度はできればあまり上げすぎない方が、バリ、光学特性、経済性の点から望ましいことから、板厚0.3mm、対角寸法3インチの導光板Pの成形は、樹脂温度340℃〜360℃がより望ましく、射出速度は300mm/sec〜380mm/sec(340℃では300mm/secで板厚ムラあり)がより望ましいということが判明した。なおこの条件については、板厚0.3mm〜0.7mmの導光板でも同様に成形可能である。
次に図8に示されるのは、板厚0.2mm、対角寸法3インチの導光板Pを成形する際、射出開始時型開量(射出開始時における可動金型の停止位置)を板厚分からプラス0.3mm型開きした状態で射出プレス成形した場合における、射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。テストによれば、樹脂温度が360℃の場合は充填不足による板の欠損や板厚ムラ(ゲートから遠い部分ほど薄い)が発生した。また樹脂温度370℃、380℃でも、射出速度200mm/sec以下の場合、それぞれ充填不足による不良が発生した。また樹脂温度390℃以上では、樹脂が劣化して黄変が発生した。また370℃、380℃であっても射出速度が400mm/secとした場合にはバリが発生した。従って板厚0.2mm、対角寸法3インチの導光板Pの射出プレス方法による成形は、射出速度300mm/sec〜380mm/sec、加熱筒2aの前部ゾーンの設定温度が370℃〜380℃で成形することが可能である。そして射出速度は350mm/sec〜380mm/secとすることがより望ましいということが判明した。なおこの条件については板厚0.2mm〜0.3mm未満の範囲の導光板でも同様に成形可能である。
次に図9に示されるのは、板厚0.3mm、対角寸法3インチの導光板Pを樹脂温度(加熱筒前部の設定温度)360℃として射出プレス成形した場合の、射出速度と射出開始時型開量(射出開始時における可動金型の停止位置)の関係についてのテスト結果である。本テストによれば、射出開始時型開量が0.1mmの場合には、充填不足が発生し、0.6mm以上の場合に射出された樹脂が完全に潰せなかったり、縞模様が残るプレスマークと呼ばれる不良が発生した。従って射出開始時型開量は、板厚0.2mm〜0.7mmの導光板を成形する場合、0.2mm〜0.5mmが望ましく、成形される導光板Pの板厚に対して140%〜350%の射出開始時型開量とすることが望ましい。そして板厚が例えば0.2mmと薄い場合は前記の中でも射出開始時型開量を225%(4.5mm)〜350%(7mm)とすることが望ましい。このように従来技術では想定できない比率(広い間隔)に射出開始時型開量を設定し、射出中または射出後に急速に型閉および昇圧することにより板厚が0.2mm〜0.7mmと極めて薄い導光板Pであっても比較的遅い射出速度で射出充填して成形することが可能となるのである。
そして射出がなされた際に、前記のように型締力は0に近い値であるが停止位置に保持されているので、射出圧により可動金型12のコア部16および可動盤9等は後退しない(僅かに後退してキャビティ14の間隔が広げられる場合もある)。射出後(射出完了と略同時)または射出完了直前に、型締装置5側では型開閉・型締機構である型締シリンダ10を作動させ、可動盤9および可動金型12を型閉方向へ移動させる。このことにより可動枠部19に対してコア部16が相対的に前進され、キャビティ14の固定金型13のキャビティ形成面42aに対する可動金型12のキャビティ形成面16aの距離が短くなるので、キャビティ14内の溶融樹脂が圧縮される。この際型締シリンダ10は圧力制御されており、設定400kNとなるよう油圧が検出され制御される。なおこの値はキャビティ14内の樹脂圧換算では150MPa程度である。この際の昇圧時間は、設定値まで0.03秒で高速昇圧される。可動金型12が射出開始時型開量分(本実施形態では0.3mm)を移動した際に、ほぼ設定400kNまで昇圧されるから、前記0.3mmを0.03秒で移動することになる。なおサーボモータを用いた機構よりもアキュームレータを用いた型締シリンダ10を用いた機構の方が、略同一スケールの場合では、立上がりが速く、高速の型締速度を達成することができる。そして本実施形態の対角寸法3インチの導光板Pの成形の1個取りの例では、300kNで型締が行われ、2個取の場合は、600〜700kNで型締が行われる。なお場合によっては射出後ではなく、射出開始と同時、射出中(射出開始後)に型締を開始するようにしてもよい。本実施形態では、型開閉・型締機構の作動開始時から圧力制御による型締が行われるが、また型開閉・型締機構の作動開始から圧縮を開始する所定位置、或いは所定型締力(または検出樹脂圧)となるまで位置制御により可動盤を移動させ、その後圧力制御に変更するようにしてもよい。
図10に示されるのは、板厚0.3mm、対角寸法3インチの導光板Pを樹脂温度(加熱筒前部の設定温度)360℃として射出プレス成形した場合の、昇圧時間と転写性の関係についてのテスト結果である。テストによれば、型締力が所定の設定最高圧である400kNを発生するまでに要する昇圧時間が、0.05秒の場合に転写不足が発生し、0.04秒の際に一部転写不足が発生し、0.02〜0.035秒の間で転写性に優れた導光板Pが成形できた。また昇圧時間0.02秒よりも下の範囲(例えば0.015秒)は装置のスペックからテスト出来なかったが、既に前記範囲でも良品の成形が可能なので、大型のアキュームレータ等を取り付けてそれ以下の昇圧時間(昇圧速度)とするには経済性や装置の耐久性低下の点でメリットがない。
射出装置によりスクリュ位置が所定の保圧切換位置に到達すると、射出制御から圧力制御による保圧制御に切換えられる。なお保圧は5〜20MPa(樹脂圧)が望ましいが、クッション量をほとんどなくした射出および保圧が行われる。本実施形態では、所定時間が経過すると、図示しないゲートカッタ部材駆動装置により、可動金型12のゲートカッタ部材24を0.45〜0.8mm前進させ、ゲートP3の切断を行う。この際、可動金型12のゲートカッタ部材24の刃であるゲートカッタ24bと固定金型13のゲートカッタ部材45の刃であるゲートカッタ45bの間でゲートP3の切断が行われる。なおゲートカットの際、ゲートP3の溶融樹脂は完全に固化した状態でないことは言うまでもない。
そしてゲートカッタ部材24によりゲートP3の切断が行われた後は、ゲートカッタ部材24は前進位置に保持される。そのことにより射出装置側からキャビティ14内の溶融樹脂へは完全に保圧が及ばなくなるが、型開閉・型締機構である型締シリンダ10の駆動によって可動金型12のコア部16が前進されることによりキャビティ14内の溶融樹脂の圧縮を行うことができるので、冷却による収縮があっても、ヒケが発生せず、良好な転写成形ができる。そしてコア部16が前進され、最終的に導光板Pの板厚Bの位置で前進が停止された状態となる。そしてその間に射出装置の側では次の成形に使用する溶融樹脂の計量が行われる。そして所定時間が経過すると型締力を低下させるとともに可動金型12の可動枠部19とコア部16の間のエア通路34と、固定金型13のキャビティ形成ブロック42およびインサートブロック43と、当接ブロック46との間のエア通路53等からキャビティ14へ離型用エアを及ぼす。次に型締装置を作動させ圧抜、型開を順に行う。その際、導光板Pと、スプルP1およびランナP2はそれぞれ可動金型12側に保持された状態で取出される。なお型締力はタイバセンサやトグル機構のクロスヘッド位置で検出してもよく、例えばゲートカットのタイミングで低下させるなど多段に制御してもよい。
また可動金型12が型開完了位置に停止するのとほぼ同時に、図示しない取出用ロボットが作動されるととともに、エジェクタ装置の突き出しピン23の前進が行なわれる。本実施形態に使用される取出用ロボットは、スプルP1およびランナP2の把持と、導光板Pの吸着が別個に保持可能となっている。なお前記取出時に、ゲートカッタ部材24は前進位置で停止した状態にある。本実施形態の射出プレス成形方法で成形された導光板Pは、図6に示されるように、ゲート近傍の内部応力が均質なものであり、図11に示される従来の方法により成形された導光板がゲート近傍の内部応力が不均一なのと比較して顕著な差がある。なお本実施形態の導光板のゲートP3は、入光面になる部分ではないので、このまま仕上げ処理しないでも導光板として使用することができる。またスプルP1およびランナP2は別途リサイクルして利用することも可能である。
次に導光板Pの対角寸法および板厚と成形条件の関係について記載する。導光板Pの対角寸法および板厚と成形条件の関係は、樹脂やその成形条件によりカバーできる部分もあるので、厳密な区分はないが概略は次のものが特に望ましい。板厚が0.2mm〜0.3mm未満の導光板Pは、対角寸法1.5〜5インチまたは面積7.5cm〜75cmの範囲が特に望ましく、対角寸法5〜7インチ(150cm)の導光板Pでは板厚は0.3mm〜0.5mmが特に望ましい。更に対角寸法7〜13インチでは板厚0.5〜0.7mmが特に望ましい。そして例えば7インチの導光板Pではゲートからゲートとは最遠方の角部までの距離は、約15cmであるので、大型の導光板Pほど高い射出速度や高い型締速度が要求されることになる。また大型の導光板Pほど樹脂の流動をよくするためには溶融樹脂の温度は高めであることが望ましい。また型締力については対角寸法1.5〜3インチの2個取りまたは4個取り又は、対角寸法2.5〜5インチの1個取りまたは2個取りの場合では200〜700kN、対角寸法6インチ以上の導光板Pの1個取りの場合ではそれぞれ投影面積に応じて型締力が設定される。型締力は設定最高圧までの昇圧時間が0.02秒〜0.035秒を実現できるよう決定される。従って導光板Pは、更に大型のものでも可能であるが、対角寸法1.5〜13インチ(520cm)のものが第一義的に想定され、四隅部が円弧のものや各辺が円弧のものも含まれる。そしてその場合、導光板Pの2辺の延長線上の交わる点を対角寸法の測定基準点とする。または面積換算で7.5cm〜520cmの導光板Pが想定される。
導光板Pの成形サイクル時間は、次のような時間を要する。対角寸法1.5〜5インチ、板厚0.2〜0.5mmの導光板Pについては、型閉完了から射出を経て型開開始までの時間(成形時間)が2.5〜4.0秒であり、型開開始から導光板Pの取出しを経て型閉完了までの時間(型開閉時間)を0.75〜2.2秒、トータルの成形サイクル時間を6.2秒以内で行うことが可能である。また板厚0.3mm〜0.5mm、対角寸法5〜7インチの導光板Pでは、型閉から射出を経て型開までの成形時間(型開閉時間を除く)は、5〜6秒が必要となり、型開閉時間にはほとんど差がないので、トータルの成形サイクル時間は8秒以内で行うことが可能である。また対角寸法が7インチを超え、板厚が0.5mm〜0.7mmの導光板Pでは成形サイクル時間は20秒以内で行うことが可能である。
また本発明は、図12に示されるような別の実施形態の導光板の成形金型71により射出プレス成形してもよい。この別の実施形態の例は、成形金型(射出プレス成形金型)71におけるキャビティ72の数を2に増やしたことが主な変更であるが、キャビティ72の数は複数であれば個数は問わない。可動金型73において、金型本体部74にはキャビティ形成面75aが形成されるコア部75が固定されている。また金型本体部74には可動枠部76がバネ82により取付けられ、前記コア部75に対して可動枠部76が相対的に移動可能に設けられている。また可動金型73にはゲートカッタ部材77が配設されている。また可動金型73の略中央には、突き出しピンが内蔵されたランナ形成部材83が可動ゲートカッタ部材77に隣接して配設されている。なおランナ形成部材については、可動枠部と一体に設け、ランナおよびゲートの間隔が一定であるようにしてもよく、その場合、ランナおよびゲートの間隔を導光板の板厚よりも厚くしておくことが望ましい。一方固定金型78においては、キャビティ形成面80aが形成されるキャビティ形成ブロック80の周囲に当接ブロック81が配設され、可動枠部76と当接ブロック81が当接され、キャビティ72が形成されるようになっている。そしてキャビティ72の固定金型78のキャビティ形成面80aに対する可動金型73のキャビティ形成面75aの距離が型当接後に可変となるように設けられ、キャビティ72内の溶融樹脂が圧縮可能となっている。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本実施形態では対角寸法3インチの携帯電話用の導光板の成形金型(射出プレス成形金型)について説明したが、導光板の形状や種類を選ばない。従って板厚が均厚な導光板でも、板厚が入光面側から他側に向けて薄くなる楔型導光板であってもよい。楔型導光板は、入光面以外の部分にゲートが形成され、薄肉部の板厚が上記の0.2〜0.7mmであるものが本発明の射出プレス成形方法に含まれる。また背面から入光され前面に出光するバックライト型導光板(光拡散板を含む)や外光を反射するものでもよい。また反射面と出光面の形状も鏡面、ドット、グルーブ、およびホログラム等各種の組合せが考えられる。更には入光および出光を伴うレンズやその他の光学薄板を本発明で行うことも想定される。いずれにしても、少なくとも一方が転写面であるものがより射出プレス成形方法に有効である。
上記実施形態では固定のゲートカッタが設けられる一方の金型は、固定金型であり、可動のゲートカッタが設けられる他方の金型が可動金型の例で説明したが、反対でもよい。即ち、固定金型に可動ゲートカッタを配設し、可動金型に固定ゲートカッタを配設してもよい。また導光板の成形金型(射出プレス成形金型)は、ゲートカットを行わないものでもよい。そして導光板の取出も可動金型に保持されるものが一般的ではあるが、固定金型側に保持されるものでもよい。また本実施形態では水平方向に型開閉が行われる射出成形機に取付けられる成形金型(射出プレス成形金型)について説明したが、垂直方向に型開閉が行われるものでもよい。
更に上記実施形態では射出成形機の型開閉・型締機構により固定金型のキャビティ形成面と可動金型のキャビティ形成面の距離を変更して溶融樹脂を圧縮するものについて説明したが、可動盤または可動金型内に射出プレス用の油圧シリンダを設け、該油圧シリンダによりコア部を移動させて溶融樹脂を圧縮させるものでもよい。
更に成形に使用される樹脂については、ポリカーボネートの例について記載したが、光学性能と流動性に優れた樹脂なら他の樹脂でもよく、例としては、メタクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂などが挙げられる。そして樹脂により溶融樹脂の温度およびガラス転移温度が相違するから、ゲートカットのタイミング、冷却媒体の温度、および成形サイクル時間等も相違することは言うまでもない。
本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる射出成形機の正面図である。 本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であって射出開始前の位置に可動金型が停止された状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であってキャビティ内の樹脂を圧縮された状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図であってゲートカットされた状態を示す図である。 本実施形態の導光板の射出プレス成形方法を示すチャート図である。 本実施形態の射出プレス成形方法で成形した導光板である。 板厚0.3mmの導光板を射出プレス成形した場合の射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。 板厚0.2mmの導光板を射出プレス成形した場合の射出速度と樹脂温度の関係を示すテスト結果である。 射出速度と射出開始時型開量の関係を示すテスト結果である。 型締開始時の昇圧時間と転写性の関係を示すテスト結果である。 従来の方法により成形された導光板である。 別の実施形態の導光板の射出プレス成形方法に用いる成形金型の断面図である。
1 射出成形機
3 射出装置
5 型締装置
6 固定盤
9 可動盤
10 型締シリンダ
11 成形金型
12 可動金型
13 固定金型
14 キャビティ
15,41 金型本体部
16 コア部
16a,42a キャビティ形成面
19 可動枠部
24,45 ゲートカッタ部材
P 導光板
P1 スプル
P2 ランナ
P3 ゲート

Claims (2)

  1. 固定金型のキャビティ形成面に対する可動金型のキャビティ形成面の距離が可変に形成された成形金型を用いた導光板の射出プレス成形方法において、
    前記可動金型は、金型本体部にコア部が固定され、コア部の固定金型と対向する面はキャビティ形成面となっており、コア部の周囲を囲んで可動枠部がコア部に対して型開閉方向に移動可能に設けられ、可動枠部の固定金型と対向する面は当接面となっており、固定金型の当接面と当接され、キャビティに接続される導光板の板厚よりも厚いランナを形成するランナ形成部材が前記可動枠体と一体に設けられており、
    前記固定金型のキャビティ形成面と可動金型のキャビティ形成面との距離が対角寸法1.5〜13インチ、板厚0.2〜0.7mmの導光板の板厚に0.2〜0.5mm加算した値(ただし0.2mmを除く)となる位置で可動金型を停止させてキャビティを形成し、射出中または射出後にアキュームレータを用いサーボバルブにより制御される型締シリンダを用いた機構により前記キャビティ内の溶融樹脂を圧縮することを特徴とする導光板の射出プレス成形方法。
  2. 前記型締シリンダを用いた機構により射出中に可動盤および可動金型の作動開始させた時から圧力制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の導光板の射出プレス成形方法。
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