JP2005088345A - 射出成形用金型及び平板成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型及び平板成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内側を平板成形品の形状に切り抜いた着脱自在な平板枠状の入れ子を嵌合してなり、形状又は寸法の異なる2種以上の平板成形品を高精度で成形し得る射出成形用金型及び該金型を用いる平板成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形用金型において、該金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなることを特徴とする射出成形用金型、及び、該射出成形用金型を用いることを特徴とする平板成形品の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形用金型及び平板成形品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、内側を平板成形品の形状に切り抜いた着脱自在な平板枠状の入れ子を嵌合してなり、形状又は寸法の異なる2種以上の平板成形品を高精度で成形し得る射出成形用金型及び該金型を用いる平板成形品の製造方法に関する。
射出成形品は、日用品、自動車部品、家電部品、電子部品、光学機器など、汎用から精密用途に至るまで広範囲に使用されている。射出成形品の品質と生産性の良否は、金型の良否に左右されるところが大きい。射出成形用金型の製作には、工作精度、品質の均一化、生産性など、あらゆる面で高度な技術が要求される。
射出成形用金型は、比較的納期が長く、高価なので、射出成形品の金型償却費負担が大きい。また、成形品の切り替えごとに金型を交換すると、その手間と時間的損失が大きく、射出成形機の稼働率が低下する。このために、射出成形用金型に入れ子を着脱することにより、同一の金型を用いて、異なる形状、寸法の射出成形品を成形する試みがなされている。
例えば、同一の金型で複数の異なる筺体を成形する方法として、金型の一部に着脱可能な入れ子部を設け、入れ子部を取り替えることにより、複数の異なる筺体を成形する電気機器における筺体の製造法が提案されている(特許文献1)。また、金型起型面数が1面で済み、切り替えごとに全ての成形金型を成形機から降ろす必要のない樹脂金型装置として、共通形状部分と固有形状部分とからなる樹脂成形品を成形する金型装置において、固有形状部分の成形金型のみを入れ子ユニットとして取り替えることにより、多機種の樹脂成形品の成形を可能とする成形金型装置が提案されている(特許文献2)。さらに、1台の成形用金型で、成形品の長辺寸法のみならず、短辺寸法や厚さについても複数種類に変更することができる寸法可変成形用金型として、寸法固定の可動側金型と、寸法可変の固定側金型からなり、固定側金型は、長辺方向に沿って分割された組み替え式の金型ブロックを圧受板上に連結して形成され、金型ブロックの成形面は、キャビティ内に突設するセパレータを短辺方向に沿って装着することにより、キャビティ内を区画する金型が提案されている(特許文献3)。
しかし、厳密な平面性が要求される光拡散板、導光板、反射板などの成形品には入れ子方式を適用することは困難であった。液晶表示装置に用いられる光拡散板、導光板などの平板成形品は、図1に3例を示すように、同じ15インチ型であっても装置への取り付け方法の相違などにより、平板成形品の周縁部いわゆるミミの形状が異なる。このような成形品に対しては、同一の金型を用い、キャビティ周縁部に形状の異なる入れ子を取り替えて装着し、ミミの形状の異なる成形品を成形する。成形品の入れ子の継ぎ目にあたる部分には段差が生ずる。この段差は液晶表示装置のハウジングの内側に入るように設計し、成形品の光学的有効面である液晶表示装置の光出射面に段差が露出することを避けている。15インチ型と17インチ型のように、有効面の面積の異なる平板成形品を得るために、同一の金型で入れ子方式を適用して設計するので、入れ子の継ぎ目が光学的有効面に位置することが避けられない。このため、射出成形用金型に入れ子を装着してキャビティ形状を変更すると、射出成形品の入れ子の継ぎ目にあたる部分に段差が生じやすい。このことから、より簡便かつ容易に同一の金型を用いて、形状又は寸法の異なる平板成形品を高精度で成形し得る方法が求められていた。
特開平5−278081号公報(第2頁、図1、図2) 特開2002−28932号公報(第2頁、第5頁、図1、図2) 特開2002−11757号公報(第2頁、図6)
本発明は、内側を平板成形品の形状に切り抜いた着脱自在な平板枠状の入れ子を嵌合してなり、形状又は寸法の異なる2種以上の平板成形品を高精度で成形し得る射出成形用金型及び該金型を用いる平板成形品の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、平板成形品の金型において、周囲4辺の外枠の内側に、内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子を嵌合し、該入れ子を交換することにより、容易に短時間で異なる形状又は寸法の平板成形品の金型とすることができ、さらに、内側を切り抜いた平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差を+200〜−100μmとすることにより、金型にカジリを生ずることも、成形品にバリを生ずることもなく、高精度の平板成形品を製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形用金型において、該金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなることを特徴とする射出成形用金型、
(2)金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が、+200〜−100μmである第1項記載の射出成形用金型、
(3)平板成形品が、光拡散板である第1項記載の射出成形用金型、
(4)熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形による製造方法において、射出成形用金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなる射出成形用金型を用いることを特徴とする平板成形品の製造方法、
(5)金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が、+200〜−100μmである第4項記載の平板成形品の製造方法、
(6)熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂である第4項記載の平板成形品の製造方法、
(7)熱可塑性樹脂が、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体との共重合体である第4項記載の平板成形品の製造方法、及び、
(8)平板成形品が、光拡散板である第4項記載の平板成形品の製造方法、
を提供するものである。
本発明の射出成形用金型及び平板成形品の製造方法によれば、同一の金型を用いて短時間で平板枠状の入れ子を交換し、形状又は寸法の異なる平板成形品を高能率かつ高精度で製造することができる。本発明方法は、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を用いる光拡散板の製造に特に好適に用いることができる。
本発明の射出成形用金型は、熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形用金型において、該金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなる射出成形用金型である。本発明の射出成形用金型においては、金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が+200〜−100μmであることが好ましく、+100〜−50μmであることがより好ましく、+50〜−30μmであることが特に好ましい。本発明の射出成形用金型においては、キャビティを可動側、固定側のいずれに設けることもできる。
図2は、本発明の射出成形用金型の一態様の平面図及びそのA−A線断面図であり、15インチ型平板成形品を製造するときの状態を示す。本態様の金型は、上下左右合計4個の外周サポートブロック1の中に、上下左右合計4個からなる周囲4辺の外枠2が取り付けられている。また、周囲4辺の外枠に囲まれて、コアプレート3が取り付けられ、他の側の型とコアプレートとともにキャビティを形成する外枠2の内側に接して、内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子4が嵌合されている。この平板枠状の入れ子の内側に、溶融した熱可塑性樹脂が射出され、樹脂が冷却され固化して、平板成形品5が製造される。
図3は、図2に示す金型を用いて17インチ型平板成形品を製造するときの状態を示す金型の平面図及びそのB−B線断面図である。15インチ型平板成形品を製造していた図2に示す状態から、17インチ型成形品を製造する図3に示す状態に切り替えるためには、図2の内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子4を取り外し、図3の内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子6を周囲4辺の外枠の内側に嵌合して取り付ける。この平板枠状の入れ子の内側に、溶融した熱可塑性樹脂が射出され、樹脂が冷却され固化して、平板成形品7が製造される。
本発明の射出成形用金型においては、製造される平板成形品の形状は、内側を切り抜いた平板枠状の入れ子のみにより決められるので、ほとんど制約なく平板成形品の形状を選択することができる。例えば、図4に示す2種類の内側を切り抜いた平板枠状の入れ子を用いて、同一の金型を17インチ型平板成形品1個どりと、12インチ型平板成形品2個どりに切り替えることができる。
本発明の射出成形用金型においては、金型を組み立てた状態で、内側を切り抜いた平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差が、+200〜−100μmであることが好ましく、+100〜−50μmであることがより好ましく、+50〜−30μmであることが特に好ましい。すなわち、図2及び図3において、a面の高さからb面の高さを減じた差が、+200〜−100μmであることが好ましく、+100〜−50μmであることがより好ましく、+50〜−30μmであることが特に好ましい。この差が+200μmを超えて、平板枠状の入れ子が外方へ突き出していると、金型に傷を生ずるおそれがある。この差が−100μm未満で、平板枠状の入れ子が内方へ引っ込みすぎていると、平板成形品にバリが発生するおそれがある。本発明の射出成形用金型においては、平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差を+200〜−100μmとすることにより、金型に傷を生ずることも、平板成形品にバリを発生することもなく、射出成形により安定して品質の優れた平板成形品を製造することができる。
本発明の射出成形用金型に用いる平板枠状の入れ子の材質に特に制限はなく、例えば、一般金型用鋼材、ステンレス鋼、亜鉛合金、アルミニウム合金、銅合金などの金属;モノマーキャスティングナイロン(MCナイロン)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)などの耐熱性樹脂などを挙げることができる。平板枠状の入れ子が、アルミニウム合金、モノマーキャスティングナイロン、ポリテトラフルオロエチレンなどの軟らかい材料のときは、金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が+200〜−100μmであることが好ましく、+100〜−50μmであることがより好ましく、+50〜−30μmであることが特に好ましい。平板枠状の入れ子が一般金型用鋼材、ステンレス鋼などの硬い材料のときは、金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が−1〜−50μmであることが好ましく、−1〜−30μmであることがより好ましく、−1〜−10μmであることが特に好ましい。平板枠状の入れ子の内側を切り抜く方法に特に制限はなく、例えば、フライス加工、放電加工などを挙げることができる。本発明において、内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子を、その外側を周囲4辺の外枠に接して嵌合し、固定する方法に特に制限はなく、例えば、平板枠状の入れ子をコアプレートにねじ止めすることができる。
本発明の平板成形品の製造方法においては、射出成形用金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなる射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂を射出成形する。本発明方法においては、金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が+200〜−100μmであることが好ましく、+100〜−50μmであることがより好ましく、+50〜−30μmであることが特に好ましい。
図5は、本発明方法の実施の一態様の説明図である。本図においては、熱可塑性樹脂の部分をハッチングにより示す。本態様においては、図2に示す金型部分が可動盤に取り付けられた可動側型板8、ランナーとピンポイントゲートが設けられた固定側型板9及びスプルーが設けられたランナーストリッパープレート10を有する3プレート金型が用いられている。金型が閉じられた状態で溶融状態の熱可塑性樹脂が上方から射出され、スプルー、ランナー及びキャビティが溶融樹脂で充填される(図5(1))。溶融樹脂が冷却されて固化したのち、可動盤が後退し、可動側型板と固定側型板の間が開いて、ピンポイントゲート部分の樹脂が切れ、平板成形品が露出する(図5(2))。次いで、可動盤がさらに後退して、固定側型板とランナーストリッパープレートの間が開く(図5(3))。平板成形品11をエジェクタピンにより取り出し、スプルーとランナー12をロボットなどにより取り出したのち、金型を閉じて、射出成形の1サイクルを終了する。形状又は寸法の異なる平板成形品の製造に移行する場合は、内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子13を交換する。
図6は、本発明方法の実施の他の態様の説明図である。本図においては、熱可塑性樹脂の部分をハッチングにより示す。本態様においては、可動側型板8、ランナーとピンポイントゲートが設けられ、図2に示す金型部分が可動盤に取り付けられた固定側型板9及びスプルーが設けられたランナーストリッパープレート10を有する3プレート金型が用いられている。金型が閉じられた状態で溶融状態の熱可塑性樹脂が上方から射出され、スプルー、ランナー及びキャビティが溶融樹脂で充填される(図6(1))。溶融樹脂が冷却されて固化したのち、可動盤が後退し、可動側型板と固定側型板の間が開いて、平板成形品が露出する(図6(2))。次いで、可動盤がさらに後退して、固定側型板とランナーストリッパープレートの間が開き、ピンポイントゲート部分の樹脂が切れる(図6(3))。平板成形品11を圧縮空気により取り出し、スプルーとランナー12をロボットなどにより取り出したのち、金型を閉じて、射出成形の1サイクルを終了する。形状又は寸法の異なる平板成形品の製造に移行する場合は、成形品の形状に平板枠状の入れ子13を交換する。
本発明の射出成形用金型及び平板成形品の製造方法の適用対象に特に制限はないが、光拡散板、導光板、反射板などの表面に厳しい平面性が要求される平板成形品に好適に適用することができるが、光拡散板に特に好適に適用できる。本発明方法により製造される光拡散板の材質に特に制限はないが、光拡散剤を配合した熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。光拡散剤と熱可塑性樹脂との配合物中の光拡散剤の含有量に特に制限はなく、光拡散板の厚さなどに応じて適宜選択することができるが、通常は配合物中の光拡散剤の含有量が0.2〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
本発明方法に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、脂環式構造を有する樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体との共重合体、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有する樹脂及び芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体との共重合体を好適に用いることができ、脂環式構造を有する樹脂を特に好適に用いることができる。脂環式構造を有する樹脂は、溶融樹脂の流動性が良好なので、ピンポイントゲートを用いて金型のキャビティを充填することができ、吸湿性が極めて低いので、寸法安定性に優れ、平板成形品に反りを生ずることがなく、比重が小さいので、平板成形品を軽量化することができる。
脂環式構造を有する樹脂としては、主鎖又は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂を挙げることができる。主鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂は、機械的強度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることができる。脂環式構造は、飽和環状炭化水素構造であることが好ましく、その炭素数は、4〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、6〜15であることがさらに好ましい。脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
脂環式構造を有する樹脂としては、例えば、ノルポルネン系単量体の開環重合体若しくは開環共重合体又はそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体若しくは付加共重合体又はそれらの水素添加物、単環の環状オレフィン系単量体の重合体又はその水素添加物、環状共役ジエン系単量体の重合体又はその水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体若しくは共重合体又はそれらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体又は共重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の重合体の水素添加物及びビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物は、機械的強度と耐熱性に優れるので、特に好適に用いることができる。
本発明に用いる芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体との共重合体は、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体とを共重合して得られる芳香族ビニル系共重合体である。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン等が挙げられる。これらを単独若しくは2種以上併用して使用してもよい。
低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられ、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが挙げられる。これらを単独若しくは2種以上併用して使用してもよい。
前記共重合体を構成する各成分の割合は、芳香族ビニル系単量体が95〜5重量%、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体が5〜95重量%の範囲である。中でも、光学特性、成形性などの点から、上記芳香族ビニル系単量体が60〜20重量%、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体が80〜40重量%の範囲が好ましい。
本発明に用いる光拡散剤は、当業界で通常用いられているものであれば特に制限はなく、例えば、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体若しくはこれらの架橋物からなる微粒子、フッ素系樹脂、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ及びタルクなどが挙げられる。これらの中で、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体若しくはこれらの架橋物からなる微粒子は、高分散性、高耐熱性、成形時の着色(黄変)がないので、特に好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]98重量部とポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子[ジーイー東芝シリコーン(株)、トスパール145]2重量部を混合し、二軸押出機[東芝機械(株)、TEM−35B]で混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断して光拡散板用ペレットを製造した。
型締装置に図3に示す17インチ型光拡散板用の金型が装着されている射出成形機[東芝機械(株)、IS350GS]の金型から内側を光拡散板の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子を外し、図2に示す15インチ型光拡散板用の内側を切り抜いた平板枠状の入れ子を取り付けた。平板枠状の入れ子の材質はSUS304であり、平板成形品の寸法は、縦229.8mm、横306.0mm、厚さ2.0mmである。平板枠状の入れ子の交換に、約1時間を要した。平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差は、−3μmであった。
上記の光拡散板用ペレットを用い、シリンダ温度275℃、金型温度75℃、射出速度100mm/s、冷却時間45秒として、光拡散板を成形した。得られた光拡散板の状態は良好であり、バリは発生していなかった。
実施例2
実施例1で用いたSUS304の平板枠状の入れ子を取り外し、同じ寸法のポリテトラフルオロエチレン(テフロン)製の平板枠状の入れ子を取り付けた。平板枠状の入れ子の交換に、約1時間を要した。平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差は、+20μmであった。
実施例1で製造した光拡散板用ペレットを用い、実施例1と同じ射出成形条件で、光拡散板を成形した。得られた光拡散板の状態は良好であり、バリは発生していなかった。
実施例3
実施例2で用いたポリテトラフルオロエチレン(テフロン)製の平板枠状の入れ子を取り外し、平面形状は同一であるが、厚さがわずかに薄いSUS304の平板枠状の入れ子を取り付けた。平板枠状の入れ子の交換に、約1時間を要した。平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差は、−8μmであった。
実施例1で製造した光拡散板用ペレットを用い、実施例1と同じ射出成形条件で、光拡散板を成形した。得られた光拡散板の状態は良好であり、バリは発生していなかった。
実施例4
実施例3で用いたSUS304の平板枠状の入れ子を取り外し、平面形状は同一であるが、厚さがさらに薄いSUS304の平板枠状の入れ子を取り付けた。平板枠状の入れ子の交換に、約1時間を要した。平板枠状の入れ子の高さから、周囲4辺の外枠の高さを減じた差は、−40μmであった。
実施例1で製造した光拡散板用ペレットを用い、実施例1と同じ射出成形条件で、光拡散板を成形した。得られた光拡散板には、バリは少しだけ発生していた。
実施例1〜4の結果を、第1表に示す。
Figure 2005088345
第1表に見られるように、本発明の射出成形用金型は、形状又は寸法の異なる平板成形品を成形するために、内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子を交換するために要する時間が短く、高い生産性で良好な形状の平板成形品を製造することができる。
本発明の射出成形用金型及び平板成形品の製造方法によれば、寸法や周縁部の形状の異なる多種類の平板成形品を、同一の金型を用いて効率よく高精度で射出成形により製造することができる。光拡散板や導光板は、公称寸法が同一であっても、メーカーによってその周縁部いわゆるミミの形状が異なるので、本発明の金型及び本発明方法により、多品種少量生産に効率的に対応することができる。
光拡散板の主面の3例である。 本発明の射出成形用金型の一態様の平面図及び断面図である。 図2の金型の平板枠状の入れ子を付け替えた状態を示す平面図及び断面図である。 内側を平板成形品の形状に切り抜いた平板枠状の入れ子の2例である。 本発明方法の実施の一態様の説明図である。 本発明方法の実施の他の態様の説明図である。
符号の説明
1 外周サポートブロック
2 外枠
3 コアプレート
4 平板枠状の入れ子
5 平板成形品
6 平板枠状の入れ子
7 平板成形品
8 可動側型板
9 固定側型板
10 ランナーストリッパープレート
11 平板成形品
12 スプルーとランナー
13 平板枠状の入れ子

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形用金型において、該金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が、+200〜−100μmである請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 平板成形品が、光拡散板である請求項1記載の射出成形用金型。
  4. 熱可塑性樹脂製平板成形品の射出成形による製造方法において、射出成形用金型が固定型と可動型からなり、可動型又は固定型が周囲4辺の外枠及び平板枠状の入れ子を有し、該平板枠状の入れ子の外側が周囲4辺の外枠と接する長方形であり、該平板枠状の入れ子の内側が平板成形品の形状に切り抜かれてなる射出成形用金型を用いることを特徴とする平板成形品の製造方法。
  5. 金型を組み立てた状態で、平板枠状の入れ子の高さから周囲4辺の外枠の高さを減じた差が、+200〜−100μmである請求項4記載の平板成形品の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂である請求項4記載の平板成形品の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂が、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系単量体との共重合体である請求項4記載の平板成形品の製造方法。
  8. 平板成形品が、光拡散板である請求項4記載の平板成形品の製造方法。
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