JP4781171B2 - 車両用フェンダパネル取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用フェンダパネル取付構造に関する。
下記特許文献1には、歩行者保護性能を向上させるべく、フェンダパネルの内側の端末部を側面視でハの字状に形成された複数の衝撃吸収ブラケットを介してフェンダシールドパネル(エプロンアッパメンバ)の上端水平部に支持させる構造が開示されている。
特開2002−178953号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、衝撃吸収ブラケットが配設されていない構造と比べて歩行者保護性能を向上させることができるものの、フェンダパネルの建て付け剛性が低下する可能性がある。
すなわち、フェンダパネルの端末部をエプロンアッパメンバ取付ける場合、他部品(フードアウタパネル等)との寸法の取り合いや意匠外観品質の維持等の観点から、建て付け剛性を高くして寸法精度を出したいという要請がある。その一方で、上記のような歩行者保護性能を考慮すると、衝撃吸収ブラケットを介在させて衝突体から所定値以上の衝突荷重が入力されたら、衝撃吸収ブラケットを座屈させてエネルギー吸収させると共に底付き荷重の発生を抑える必要が出てくる。
しかしながら、フェンダパネルの成形時の金型の制約やプラットホームの共用化といった生産上の理由等から、上記衝撃吸収ブラケットの高さを必要以上に高くせざるを得ない場合も考えられる。この場合に、衝撃吸収ブラケットの高さを必要以上に高くすると、車両前後方向のモーメントが大きくなるので、上述した建て付け剛性の確保が難しくなる。上記を背景として、フェンダパネルの建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることが従来よりも一層厳しくなってきた。
本発明は上記事実を考慮し、フェンダパネルの端部とその取付相手となるエプロンアッパメンバとの距離が長くなる場合においても、フェンダパネルの建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることができる車両用フェンダパネル取付構造を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る車両用フェンダパネル取付構造は、フェンダパネルの内側の端部を衝撃吸収ブラケットを介してエプロンアッパメンバに取付ける場合に適用される車両用フェンダパネル取付構造であって、前記衝撃吸収ブラケットは、フェンダパネルの内側の端部が固定されるフェンダ取付部と、エプロンアッパメンバに固定される取付脚部と、車体への組付状態で車両前後方向に離間して一対配置され、フェンダ取付部と取付脚部とを車両上下方向に繋ぐと共に上方からの荷重作用時に潰れる方向へ変形可能な中間支持部と、を有し、車両側面視でハット形状を成しており、さらに、中間支持部の下部側には、前記中間支持部と前記取付脚部とに跨って一体に形成され、中間支持部の車両下方側への変形ストロークを制限するビードが設けられており、前記中間支持部の上部側を構成する中間支持上部は車両側面視でハの字状に形成されると共に、前記中間支持部の下部側を構成する中間支持下部は車両側面視で逆ハの字状に形成されており、当該中間支持下部の高さは当該中間支持上部の高さよりも前記ビードの高さ分だけ高く設定されている、ことを特徴とする。
請求項2の発明に係る車両用フェンダパネル取付構造は、フェンダパネルの内側の端部を衝撃吸収ブラケットを介してエプロンアッパメンバに取付ける場合に適用される車両用フェンダパネル取付構造であって、前記衝撃吸収ブラケットは、フェンダパネルの内側の端部が固定されるフェンダ取付部と、エプロンアッパメンバに固定される取付脚部と、車体への組付状態で車両前後方向に離間して一対配置され、フェンダ取付部と取付脚部とを車両上下方向に繋ぐと共に上方からの荷重作用時に潰れる方向へ変形可能な中間支持部と、を有し、車両側面視でハット形状を成しており、前記中間支持部の上部側を構成する中間支持上部は車両側面視でハの字状に形成されると共に、前記中間支持部の中間部側を構成する中間支持中央部は車両側面視で逆ハの字状に形成されており、さらに前記中間支持部の下部側を構成する中間支持下部は車両側面視でハの字状に形成されており、前記中間支持下部と前記取付脚部とに跨ってビードが一体に形成されていると共に前記中間支持下部及び前記取付脚部の片側の側縁には折り曲げによる補強フランジが形成されており、さらに中間支持下部の反対側の側縁同士は各側縁から延出された帯状のフランジによって相互に連結されている、ことを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、フェンダパネルの内側の端部は、車両側面視でハット形状を成す衝撃吸収ブラケットを介してエプロンアッパメンバに取り付けられている。具体的には、フェンダパネルの内側の端部が衝撃吸収ブラケットのフェンダ取付部に固定されると共に、衝撃吸収ブラケットの取付脚部がエプロンアッパメンバに固定される。これにより、衝撃吸収ブラケットの中間支持部がフェンダパネルの内側の端部とエプロンアッパメンバとの間の車両上下方向の隙間に配置されて、フェンダパネルの内側の端部がエプロンアッパメンバに支持される。また、衝撃吸収ブラケットの中間支持部は、車体への組付状態で車両前後方向に離間して一対配置されている。この状態で、衝突体が上方側からフェンダパネルの内側の端部付近に衝突してくると、衝突荷重が衝撃吸収ブラケットに入力される。このため、一対の中間支持部は荷重作用方向へ潰される過程で互いに離間する方向へ変位しようとする。また、その際の衝突荷重によって中間支持部が荷重作用方向へ潰れて(変形して)所定のエネルギー吸収を行う。具体的には、中間支持部の上部側を構成する中間支持上部は車両側面視でハの字状に形成されると共に、中間支持部の下部側を構成する中間支持下部は車両側面視で逆ハの字状に形成されており、当該中間支持下部の高さは当該中間支持上部の高さよりもビードの高さ分だけ高く設定されている。このため、衝撃荷重によって中間支持部が潰れる際は、中間支持上部が中間支持下部に重なるように潰れる。上記により、フェンダパネルの建て付け剛性と歩行者保護性能の両方が確保される。
ここで、種々の理由(例えば、フェンダパネルの成形時の金型の制約やプラットホームの共用化といった生産上の理由)から、フェンダパネルの内側の端部とエプロンアッパメンバ(に対する衝撃吸収ブラケットの取付面)との距離が長くなる場合がある。
この場合、本発明では、中間支持部の下部側に中間支持部の車両下方側への変形ストロークを制限する制限手段を設けたので、本発明の衝撃吸収ブラケットを用いた場合には、衝突荷重が入力されて中間支持部が潰れ方向に変形したとしても、制限手段が存在するために予め決められた変形ストロークを超えて中間支持部が車両下方側へ変形することはない。換言すれば、制限手段に起因して、衝突荷重が作用しても荷重作用方向に殆ど変形しない中間支持部の下部側部分は、衝撃吸収ブラケットの建て付け剛性寄与分として残される。従って、必要以上に嵩だかとなった部分についてはフェンダパネルの建て付け剛性を上げる作用を有する。また、衝撃吸収のために必要な変形ストロークはそのまま確保される。このように本発明では、衝撃吸収ブラケットを嵩だかにせざるを得ない場合においても、フェンダパネルの建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保という二律背反事項を両立させることができる。
また、本発明によれば、中間支持部と取付脚部とに跨って一体に形成されるビードによって制限手段を構成したので、部品点数が増加せず、また歩留まりも良い。
請求項2記載の本発明では、中間支持下部と取付脚部とに跨ってビードが一体に形成されていると共に、中間支持下部及び取付脚部の片側の側縁には折り曲げによる補強フランジが形成されている。さらに、中間支持下部の反対側の側縁同士は各側縁から延出された帯状のフランジによって相互に連結されており、これにより一対の中間支持下部同士の開きが制限又は抑制される。このように一対の中間支持下部同士の開きを制限又は抑制するような帯状のフランジを付加することによっても、嵩だかな衝撃吸収ブラケットを用いた場合におけるフェンダパネルの建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保の両立を図ることが可能である。
さらに、この発明の場合、連結手段によって予め一対の中間支持部を開かないように互いに連結しておくことで、車体に取り付ける以前に或いは車体への組付後における車両走行時の振動等によって、衝撃吸収ブラケットに僅かな開き方向の変形が生じるのを防止することができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用フェンダパネル構造は、フェンダパネルの端部とその取付相手となるエプロンアッパメンバとの距離が長くなる場合においても、フェンダパネルの建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることができる車両用フェンダパネル取付構造を得ることが目的である。
また、請求項1記載の本発明に係る車両用フェンダパネル取付構造は、低コストで本発明の目的を達成することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用フェンダパネル取付構造は、フェンダパネルのエプロンアッパメンバに対する建て付け精度を向上させることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係る車両用フェンダパネル取付構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1及び図2には、本実施形態に係る衝撃吸収ブラケットを用いてフロントフェンダパネルをエプロンアッパメンバに取付けた状態が示されている。これらの図に示されるように、車体前部の側面にはフロントフェンダパネル10が配設されている。フロントフェンダパネル10は、前輪の上方側を覆い意匠面を構成する外側縦壁部10Aと、この外側縦壁部10Aの上端部から垂下されてエンジンルーム12側へ水平に屈曲(延出)された内側縦壁部10Bと、を含んで構成されている。
フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bの下方には、エプロンアッパメンバ14が配設されている。エプロンアッパメンバ14は、各々断面形状が略L字状とされたエプロンアッパメンバアウタパネル15とエプロンアッパメンバインナパネル17とを上下方向から合わせて、重合された端末フランジ部同士をスポット溶接することにより閉断面構造に構成されている。なお、エプロンアッパメンバ14は、車両前後方向に沿って延在された長尺状の車体骨格部材である。

さらに、左右一対のフロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bの上端部間には、エンジンルーム12を開閉するフード16が配設されている。フード16の幅方向両端部の下縁側には弾性材料(ゴム)によって構成された図示しないシール材が配設されており、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bの垂直部10B1に弾性変形した状態で圧接されるようになっている。
上述したフロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bは、車両前後方向に所定の間隔で配置された複数(例えば、前後一対又は前部、中間部、後部の三箇所等)の衝撃吸収ブラケット18を介してエプロンアッパメンバ14に取り付けられている。
詳細に説明すると、図1及び図3〜図6に示されるように、衝撃吸収ブラケット18は、車両側面視で略ハット形状を成しており、エプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aと平行に配置された矩形平板状のフェンダ取付部18Aと、エプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aに面接触状態で載置されてスポット溶接等によって当該頂壁部14Aに固定される前後一対の矩形平板状の取付脚部18Bと、フェンダ取付部18Aと取付脚部18Bとを略車両上下方向に繋ぐ前後一対の中間支持部18Cと、によって構成されている。さらに、中間支持部18Cは、フェンダ取付部18Aの前後端部から所定の傾斜角度で下方へ屈曲されて車両側面視でハの字状に形成された一対の中間支持上部18C1と、取付脚部18Bの前後端部から所定の傾斜角度で上方へ屈曲されて逆ハの字状に形成された一対の中間支持下部18C2と、によって構成されている。
上記衝撃吸収ブラケット18のフェンダ取付部18Aの中央部にはボルト挿通孔20が形成されており、更にその裏面側にはウエルドナット22が予め溶着されている。そして、衝撃吸収ブラケット18のフェンダ取付部18Aの上面に、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bの水平部10B2が載置された状態で、ボルト24が水平部10B2の上方側から挿入されて、ウエルドナット22に螺合されることにより、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bが衝撃吸収ブラケット18を介してエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aに取り付けられている。なお、必ずしもウエルドナット22を使用する必要はなく、通常のナットを用いてもよい。
ここで、上述した衝撃吸収ブラケット18は嵩だかに構成されている。具体的には、図4に示されるように、高さhが乗員保護性能上要求される必要ストロークであるのに対し、この衝撃吸収ブラケット18では更にαの高さを有している。従って、衝撃吸収ブラケット18の全高Hは、h+αとされている。
なお、必要ストロークhというのは、衝突体26(図2参照)がフード上方側から衝突してきた場合に、乗員保護性能の観点から変形すべき車両上下方向寸法のことである。また、衝撃吸収ブラケット18が衝突荷重を受けた場合に車両下方側へ潰れるように変形するモードを確保するために、中間支持上部18C1の周長L1と中間支持下部18C2の周長L2は同一又は略同一に設定されている。
さらに、上述した衝撃吸収ブラケット18の下部側には、上記嵩上げ分に相当するαを高さとする略三角形状ビード28が形成されている。ビード28は中間支持下部18C2と取付脚部18Bとに跨って一体に形成されている。従って、ビード28が形成された分、この部分の剛性が高くなり、衝撃吸収ブラケット18が荷重入力方向へ畳まれるように変形していくと、ビード28の上端部28Aでその変形が停止される。つまり、ビード28が形成されたことにより、衝撃吸収ブラケット18の変形ストロークが本来必要な高さである高さhに制限される構成である。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bが衝撃吸収ブラケット18を介してエプロンアッパメンバ14に取り付けられた状態では、衝撃吸収ブラケット18の中間支持部18Cがフロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bとフロントエプロンアッパメンバ14との間の車両上下方向の隙間30(図1参照)に配置されて、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bがエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aに支持される。この状態で、図2に示されるように、歩行者等の衝突体26がフロントフェンダパネル10とフード16との見切り部32に上方側から衝突してきくると、その際の衝突荷重Fによって中間支持部18Cが荷重作用方向(車両下方側)へ潰れて(畳まれるように変形して)所定のエネルギー吸収を行う。上記により、フロントフェンダパネル10の建て付け剛性と歩行者保護性能の両方が確保される。
ここで、種々の理由(例えば、フェンダパネルの成形時の金型の制約やプラットホームの共用化といった生産上の理由)から、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bとエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aとの距離L(図4の衝撃吸収ブラケット18の全高Hと同じである。)が長くなる場合がある。
この場合、本実施形態では、中間支持部18Cの下部側に中間支持部18Cの車両下方側への変形ストロークを高さhに制限するビード28を設けたので、嵩だかの衝撃吸収ブラケット18を用いた場合には、衝突荷重が入力されて中間支持部18Cが潰れ方向に変形したとしても、ビード28が存在するために予め決められた変形ストロークhを超えて中間支持部18Cが車両下方側へ変形することはない。換言すれば、ビード28に起因して、衝突荷重Fが作用しても荷重作用方向に殆ど変形しない中間支持部18Cの下部側部分は、衝撃吸収ブラケット18の建て付け剛性寄与分として残される。従って、必要以上に嵩だかとなった部分についてはフロントフェンダパネル10の建て付け剛性を上げる作用を有する。また、衝撃吸収のために必要な変形ストロークhはそのまま確保される。このように本実施形態に係る車両用フェンダパネル取付構造では、衝撃吸収ブラケット18を嵩だかにせざるを得ない場合においても、フロントフェンダパネル10の建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保という二律背反事項を両立させることができる。その結果、本実施形態によれば、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bとその取付相手となるエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aとの距離Lが長くなる場合においても、フロントフェンダパネル10の建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることができる。
しかも、本実施形態では、衝撃吸収ブラケット18に、中間支持下部18C2と取付脚部18Bとに跨るビード28を一体に形成する構成を採ったので、部品点数が増加することはなく、又歩留まりも良い。従って、低コストで、フロントフェンダパネル10の建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることができる。
(第1実施形態のバリエーション)
(1)上述した本実施形態では、衝撃吸収ブラケット18の中間支持部18Cと取付脚部18Bとの接続部位に三角形状のビード28を設けるのみとしたが、これに限らず、図7に示されるように、中間支持下部18C2の両側縁の所定位置(ビード28の上端部28A又は上端部28Aよりも若干上方となる上端部近傍位置を通る車両幅方向に沿う線と当該両側縁とが交差する位置)に、互いに接近する方向へ切れ込む一対の半円形状等の切欠34を形成してもよい。このようにビード28の上端部28A付近の両サイドに一対の切欠34を設定することにより、衝撃吸収ブラケット18に上方側から衝突荷重が作用した際の折れ位置を安定的に規定することができるというメリットがある。
(2)また、上述した本実施形態では、ビード28の大きさ(サイズ)は画一的であったが、これに限らず、図8に示されるように、図1図示のビード28に替えて、これよりも一回り小さく設定された小型のビード36を設定するようにしてもよい。このように小型のビード36が設定された衝撃吸収ブラケット18を用いることにより、必要ストロークhを増加させることができる。換言すれば、ビードの高さを任意に変更することにより、衝撃吸収ブラケット18のエネルギー吸収量のチューニングを容易に行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に、図9を用いて、本発明に係る車両用フェンダパネル取付構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図9に示されるように、この第2実施形態に係る衝撃吸収ブラケット40では、基本的な形状は前述した第1実施形態で説明した衝撃吸収ブラケット18と略同様とされている。すなわち、フェンダ取付部40Aと、前後一対の取付脚部40Bと、前後一対の中間支持部40Cと、を含んで構成されている。
但し、この衝撃吸収ブラケット40では、中間支持部40Cが、車両側面視でハの字状に形成されてブラケット上部を構成する中間支持上部40C1、車両側面視で逆ハの字状に形成されてブラケット中間部を構成する中間支持中央部40C2、再び車両側面視でハの字状に形成されてブラケット下部を構成する中間支持下部40C3といった三つの要素によって構成されている。
さらに、前後一対の中間支持下部40C3の側面からは帯板状のフランジ42、44がそれぞれ互い接近する方向へ延出されている。各フランジ42、44の延出長さは双方の先端部が重合する程度に設定されている。そして、重合した部分46でスポット溶接(自己打点)されることにより、車体組付時及び車両走行時における前後一対の中間支持部40Cの前後方向の開きを防止している。
また、中間支持下部40C3と取付脚部40Bとの接合部位には前述した第1実施形態と同様の三角形状のビード28が形成されており、更にその上方側には、中間支持上部40C1から中間支持下部40C3に亘って打抜きによる長孔48が形成されている。これにより、荷重入力時に潰したい範囲S1(必要ストロークLに相当)の変形容易性を確保している。
その一方で、剛性確保のために強化したい範囲S2には、中間支持下部40C3及び取付脚部40Bの片側の側縁(フランジ42、44の形成側と反対側の側縁)に折り曲げによる補強フランジ50が形成されている。
(作用・効果)
上記構成によっても、第1実施形態の衝撃吸収ブラケット18の構成を基本的には踏襲しているので、第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、フロントフェンダパネル10の内側縦壁部10Bとその取付相手となるエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aとの距離Lが長くなる場合においても、フロントフェンダパネル10の建て付け剛性の確保と歩行者保護性能の確保とを両立させることができる。
加えて、本実施形態に係る車両用フェンダパネル取付構造によれば、中間支持下部40C3同士がフランジ42、44によって相互に連結されているため、衝突荷重が入力されて衝撃吸収ブラケット40が潰れる際に、ビード28及び補強フランジ50による変形抵抗に加えて、フランジ42、44による開き方向の変形抵抗が加わる。従って、衝撃吸収ブラケット40の開き方向の変形が抑制される。従って、フランジ42、44の先端部同士を自己打点して離間して配置された中間支持下部40C3同士を相互に連結しておくことも、必要ストロークhを超えた部分での剛性向上に寄与している。
また、フランジ42、44によって一対の中間支持下部40C3同士を予め連結しておくことで、車体組付時及び車両走行時に衝撃吸収ブラケット40が開き方向に僅かに変形するのを抑制又は防止することができる。従って、衝撃吸収ブラケット40の形状保持性能が格段に向上される。その結果、フロントフェンダパネル10のエプロンアッパメンバ14に対する建て付け精度を向上させることができる。
なお、上述した第2実施形態では、フランジ42、44をスポット溶接で結合したが、これに限らず、リベット等の接合手段を用いてもよい。
〔実施形態の補足説明〕
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、剛性確保或いは剛性向上のためにビード28、36、補強フランジ50、フランジ42、44を設けたが、これに限らず、他の構成を用いてもよい。
第1実施形態に係る車両用フェンダパネル取付構造の全体構成を示す組付状態の斜視図である。 第1実施形態に係る車両用フェンダパネル取付構造の全体構成を車両幅方向に沿って切断した状態で示す縦断面図である。 図1に示される衝撃吸収ブラケットの単体の斜視図である。 図3に示される衝撃吸収ブラケットの正面図である。 変形後の衝撃吸収ブラケットの単体の斜視図である。 図5に示される衝撃吸収ブラケットの正面図である。 折れ線を明確にした別の実施形態を示す図3に対応する衝撃吸収ブラケットの斜視図である。 ビードの大きさを変えた別の実施形態を示す図3に対応する衝撃吸収ブラケットの斜視図である。 第2実施形態に係る車両用フェンダパネル取付構造の要部である衝撃吸収ブラケットの単体の斜視図である。
符号の説明
10 フロントフェンダパネル
10B 内側縦壁部(フェンダパネルの内側の端部)
14 エプロンアッパメンバ
18 衝撃吸収ブラケット
18A フェンダ取付部
18B 取付脚部
18C 中間支持部
26 衝突体
28 ビード
36 ビード
40 衝撃吸収ブラケット
40A フェンダ取付部
40B 取付脚部
40C 中間支持部
42 フランジ
44 フランジ
50 補強フランジ

Claims (2)

  1. フェンダパネルの内側の端部を衝撃吸収ブラケットを介してエプロンアッパメンバに取付ける場合に適用される車両用フェンダパネル取付構造であって、
    前記衝撃吸収ブラケットは、
    フェンダパネルの内側の端部が固定されるフェンダ取付部と、
    エプロンアッパメンバに固定される取付脚部と、
    車体への組付状態で車両前後方向に離間して一対配置され、フェンダ取付部と取付脚部とを車両上下方向に繋ぐと共に上方からの荷重作用時に潰れる方向へ変形可能な中間支持部と、
    を有し、車両側面視でハット形状を成しており、
    さらに、中間支持部の下部側には、前記中間支持部と前記取付脚部とに跨って一体に形成され、中間支持部の車両下方側への変形ストロークを制限するビードが設けられており、
    前記中間支持部の上部側を構成する中間支持上部は車両側面視でハの字状に形成されると共に、前記中間支持部の下部側を構成する中間支持下部は車両側面視で逆ハの字状に形成されており、当該中間支持下部の高さは当該中間支持上部の高さよりも前記ビードの高さ分だけ高く設定されている、
    ことを特徴とする車両用フェンダパネル取付構造。
  2. フェンダパネルの内側の端部を衝撃吸収ブラケットを介してエプロンアッパメンバに取付ける場合に適用される車両用フェンダパネル取付構造であって、
    前記衝撃吸収ブラケットは、
    フェンダパネルの内側の端部が固定されるフェンダ取付部と、
    エプロンアッパメンバに固定される取付脚部と、
    車体への組付状態で車両前後方向に離間して一対配置され、フェンダ取付部と取付脚部とを車両上下方向に繋ぐと共に上方からの荷重作用時に潰れる方向へ変形可能な中間支持部と、
    を有し、車両側面視でハット形状を成しており、
    前記中間支持部の上部側を構成する中間支持上部は車両側面視でハの字状に形成されると共に、前記中間支持部の中間部側を構成する中間支持中央部は車両側面視で逆ハの字状に形成されており、さらに前記中間支持部の下部側を構成する中間支持下部は車両側面視でハの字状に形成されており、
    前記中間支持下部と前記取付脚部とに跨ってビードが一体に形成されていると共に前記中間支持下部及び前記取付脚部の片側の側縁には折り曲げによる補強フランジが形成されており、さらに中間支持下部の反対側の側縁同士は各側縁から延出された帯状のフランジによって相互に連結されている、
    ことを特徴とする車両用フェンダパネル取付構造。
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