JP4779793B2 - Ad変換装置及び電子制御装置 - Google Patents

Ad変換装置及び電子制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4779793B2
JP4779793B2 JP2006127567A JP2006127567A JP4779793B2 JP 4779793 B2 JP4779793 B2 JP 4779793B2 JP 2006127567 A JP2006127567 A JP 2006127567A JP 2006127567 A JP2006127567 A JP 2006127567A JP 4779793 B2 JP4779793 B2 JP 4779793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abnormality
conversion
converter
determined
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006127567A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007300469A (ja
Inventor
啓晴 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2006127567A priority Critical patent/JP4779793B2/ja
Priority to US11/790,139 priority patent/US7427936B2/en
Publication of JP2007300469A publication Critical patent/JP2007300469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4779793B2 publication Critical patent/JP4779793B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/10Calibration or testing
    • H03M1/1071Measuring or testing
    • H03M1/1076Detection or location of converter hardware failure, e.g. power supply failure, open or short circuit
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/1205Multiplexed conversion systems
    • H03M1/122Shared using a single converter or a part thereof for multiple channels, e.g. a residue amplifier for multiple stages
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/34Analogue value compared with reference values
    • H03M1/36Analogue value compared with reference values simultaneously only, i.e. parallel type

Description

本発明は、AD変換対象となる複数の入力信号の一つをマルチプレクサを介して取り込みAD変換するAD変換装置、及び、このAD変換装置を備えた電子制御装置に関する。
従来より、複数の入力信号の一つを選択的に取り込むためのマルチプレクサを備えたAD変換装置においては、マルチプレクサから、電源電圧やグランド電圧等の基準電圧を入力できるように構成し、マルチプレクサから基準電圧を入力した際にAD変換部にて得られるAD変換結果が、基準電圧に対応した正常値になったか否かを判断することにより、AD変換装置(詳しくはマルチプレクサやAD変換部)の異常を判定することが提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開平8−330959号公報 特開平10−115247号公報
上記提案のAD変換装置によれば、AD変換装置の異常を判定することはできるものの、その異常判定には、基準電圧のAD変換を行わなければならず、例えば、エンジン制御装置等、各種センサからの入力信号を順次高速にAD変換する必要のある電子制御装置では、異常判定用のAD変換のために入力信号(センサ信号)のAD変換が遅れてしまい、制御の応答性を確保することができなくなる、という問題があった。
一方、こうした問題を防止するために、AD変換装置の異常判定を、電子制御装置への電源投入直後の一回だけ行うようにするとか、センサ信号のAD変換を高速に実行する必要のない条件下(例えばエンジン低回転時)に限って行うとか、或いは、入力信号のAD変換の複数回に1回の割で行うようにする、といったことが考えられる。
しかし、このように、AD変換装置の異常判定の間隔を、入力信号のAD変換周期よりも長くすると、AD変換装置の動作中にAD変換装置に異常が生したときに、その異常を速やかに検出することができず、電子制御装置側では、制御対象を誤ったAD変換結果を用いて誤制御してしまう、という問題が生じる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、複数の入力信号を順次連続的にAD変換することができ、しかも、そのAD変換動作を中断させることなく自らの異常判定を行うことのできるAD変換装置、及び、このAD変換装置を用いて各種検出信号を取り込むのに好適な電子制御装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のAD変換装置においては、マルチプレクサに基準電圧選択スイッチが設けられており、異常判定手段が、AD変換周期に同期し且つAD変換制御手段によるAD変換動作に影響を与えることのない実行条件下で、基準電圧選択スイッチをオンして、マルチプレクサから伝送ラインに基準電圧を入力させる。
また、伝送ラインには、入力信号をサンプルホールドするサンプルホールド手段とは別に、伝送ラインの電位と予め設定された異常判定電位とを比較する比較手段が設けられている。
そして、異常判定手段は、基準電圧選択スイッチをオンして伝送ラインに基準電圧を入力しているときに、比較手段により得られる比較結果が、基準電圧に対応した比較結果になっているか否かを判定し、比較結果が基準電圧に対応した比較結果とは異なる場合に、AD変換装置の異常を判定する。
従って、本発明のAD変換装置によれば、サンプルホールド手段の初期化、サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング、AD変換手段による入力信号の数値化、といった一連のAD変換動作を、AD変換制御手段による制御の下に所定のAD変換周期で繰り返し実行しつつ、異常判定手段によりAD変換装置(詳しくはマルチプレクサの異常)の異常を判定することができるようになる。
また、本発明のAD変換装置を各種電子制御装置に適用すれば、各種センサからの検出信号を順次連続的にAD変換することができるようになるため、その電子制御装置での制御の応答性を確保することができる。また、AD変換装置の異常時には、その旨を速やかに検出して電子制御装置に通知することができるので、電子制御装置が誤ったAD変換結果を用いて制御対象を制御するのを防止し、電子制御装置の信頼性を向上できる。
ところで、本発明のAD変換装置において、例えば、異常判定手段を、サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング時に基準電圧選択スイッチをオンするように構成すると、サンプルホールドによるホールド電圧が入力信号に対応しなくなり、AD変換を正常に実行することができなくなる。
このため、異常判定手段は、請求項2に記載のように、サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング期間を除く実行条件下で、基準電圧選択スイッチをオンさせるように構成するとよい。
また、サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング期間を除く期間のうち、AD変換手段による入力信号の数値化期間中には、初期化スイッチ及び入力スイッチが共にオフされ、伝送ラインはサンプルホールド手段や初期化用の電源ラインから遮断される。
従って、異常判定手段は、より好ましくは、請求項3に記載のように、AD変換手段による入力信号の数値化期間中に、基準電圧選択スイッチをオンさせるように構成するとよい。つまり、異常判定手段をこのように構成すれば、AD変換動作に影響を与えることなく、しかも、初期化用の電源ラインからの電圧の影響を受けることなく、比較手段を用いて、伝送ラインの電位からAD変換装置の異常を判定できるようになる。
一方、本発明のAD変換装置においては、基準電圧選択スイッチをオンして入力信号の伝送ラインに基準電圧を入力したときに伝送ラインの電位が異常判定電位よりも高いか低いかによってAD変換装置の異常を判定するが、こうした異常判定を一つの基準電圧選択スイッチだけを用いて行うようにすると、マルチプレクサ内の選択スイッチの全て若しくは基準電圧選択スイッチを含む一部の選択スイッチがオンしない固着異常が生じた場合には、その異常を問題なく検出することができるものの、マルチプレクサや伝送ラインが電源ラインに接触する短絡異常が生じた場合には、伝送ラインの電位が直流電源の正極側若しくは負極側の電位に固定されてしまうことから、比較手段による比較結果が基準電圧に対応した比較結果になってしまい、その短絡異常を検出できなくなることが考えられる。
そこで、こうした短絡異常を検出できるようにするには、請求項4に記載のように、マルチプレクサには、基準電圧選択スイッチとして、正極側電源ライン及び負極側電源ラインと伝送ラインとをそれぞれ接続する2つのスイッチを設け、異常判定手段側では、この2つの基準電圧選択スイッチを上述した実行条件下で交互にオンさせ、各基準電圧選択スイッチのオン時に比較手段による比較結果に基づきAD変換装置の異常を判定するよう構成するとよい。
つまり、正極側電源ラインへの短絡異常が生じたときには、負極側電源ラインを伝送ラインに接続する基準電圧選択スイッチをオンしても、伝送ラインの電位は低下せず、逆に、負極側電源ラインへの短絡異常が生じたときには、正極側電源ラインを伝送ラインに接続する基準電圧選択スイッチをオンしても、伝送ラインの電位は上昇しないことから、AD変換装置を請求項4に記載のように構成すれば、マルチプレクサに上述した固着異常が生じた場合だけでなく、マルチプレクサや伝送ラインに短絡異常が生じた場合にも、比較手段の判定結果から異常を判定することができるようになる。
またマルチプレクサには、上述した固着異常や短絡異常以外に、選択スイッチの一部がオン状態に固定されるオン故障が生じることもある。そして、マルチプレクサがオン故障すると、伝送ラインには、オン故障している選択スイッチ及び入力ライン側のプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して、常時、正極側電源ライン又は負極側電源ラインに接続されることになる。
しかし、請求項4に記載のように、基準電圧選択スイッチとして、正極側電源ライン及び負極側電源ラインと伝送ラインとを接続する2つのスイッチを設けただけでは、これら各基準電圧選択スイッチのオン時の伝送ラインの電位は、正極側電源ライン及び負極側電源ラインの電位に固定され、マルチプレクサがオン故障していても変化しないことから、異常判定手段において、マルチプレクサのオン故障による異常を検出することができなくなる。
そこで、請求項4に記載のAD変換装置は、更に請求項5に記載のように、各基準電圧選択スイッチが正極側ライン及び負極側ラインと伝送ラインとをそれぞれ抵抗を介して接続するように構成してもよい。
そして、このようにすれば、各基準電圧選択スイッチのオン時の伝送ラインの電位が、マルチプレクサの正常時とオン故障時とで異なる電位となるため、比較手段における異常判定電位を正常時の電位とオン故障時の電位との間に設定することにより、マルチプレクサのオン故障時にも、異常判定手段によってAD変換装置の異常を判定することができるようになる。
なお、この場合、基準電圧選択スイッチのオン時に正極側電源ライン又は負極側電源ラインと伝送ラインとを接続する抵抗の抵抗値は、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗の抵抗値よりも大きくすることが望ましい。
また、比較手段としては、例えば、異常判定電位として正極側電源ラインの電位(VDD)と負極側電源ラインの電位(0)との間の中間電位(VDD/2)が設定された一つの比較手段を用いるようにしてもよいが、請求項6に記載のように、2つの基準電圧選択スイッチに対応して設定された2種類の異常判定電位と伝送ラインの電位とを各々比較する2つの比較手段を設け、異常判定手段側では、その2つの比較手段の比較結果に基づきAD変換装置の異常を判定するようにしてもよい。
そして、このようにすれば、各比較手段で用いる異常判定電位を適宜異なる値に設定することにより、異常判定手段においてより精度よく異常判定を行うことができるようになり、例えば、マルチプレクサのオン抵抗が大きくなって入力信号を正常に入力できなくなったような場合にも、AD変換装置の異常として判定することが可能となる。
次に、上述した請求項1〜請求項6に記載のAD変換装置では、マルチプレクサに生じた異常については検出できるものの、入力スイッチや初期化スイッチに生じた異常については検出することができない。そこで、本発明(請求項1〜請求項6)のAD変換装置は、更に、請求項7に記載のように構成してもよい。
すなわち、まず、請求項7に記載のAD変換装置においては、入力スイッチが、伝送ラインに直列に設けられた2つのスイッチにて構成されると共に、比較手段が、その2つのスイッチの間の伝送ラインの電位と異常判定電位とを比較するよう構成されており、サンプルホールド手段の初期化期間中には、AD変換制御手段が、入力スイッチを構成している2つのスイッチのうち、マルチプレクサ側のスイッチをオフ、サンプルホールド手段側のスイッチをオンし、サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング期間中には、AD変換制御手段が、その2つのスイッチを共にオンする。
このため、サンプルホールド手段の初期化期間中には、入力スイッチを構成している2つのスイッチと初期化スイッチとが全て正常であれば、比較手段に接続された伝送ラインの電位がサンプルホールド手段の初期化に用いる電源ラインの電位と一致するが、入力スイッチを構成している2つのスイッチと初期化スイッチとの何れか一つでも正常に動作しなくなると、比較手段に接続された伝送ラインの電位がサンプルホールド手段の初期化に用いる電源ラインの電位と一致しなくなる。
そこで、請求項7に記載のAD変換装置においては、サンプルホールド手段の初期化期間中には、異常判定手段が、基準電圧選択スイッチを駆動することなく比較手段による比較結果を取り込み、その比較結果が初期化スイッチを介してサンプルホールド手段に印加される電圧に対応した比較結果とは異なる場合に、サンプルホールド手段の初期化時の異常を判定するようにされている。
従って、請求項7に記載のAD変換装置によれば、マルチプレクサの異常だけでなく、入力スイッチや初期化スイッチの異常についても検出することができるようになり、AD変換装置の異常検出精度を向上することができる。
また次に、上述した請求項1〜請求項7に記載のAD変換装置では、マルチプレクサ内の選択スイッチの全て若しくは基準電圧選択スイッチを含む一部の選択スイッチがオンしない固着異常が生じた場合に、その異常を検出して、AD変換結果を利用する電子制御装置側にAD変換装置の異常を通知することはできるものの、基準電圧選択スイッチのみがオンしなくなった場合(換言すれば、入力信号のAD変換は正常に行うことができる場合)であっても、AD変換装置の異常を検出して、その旨を電子制御装置側に通知してしまうことになる。
このため、本発明のAD変換装置が組み込まれた電子制御装置において、AD変換装置からAD変換装置の異常を表す信号が入力された際に、AD変換結果を用いた制御を中止するようにすると、AD変換結果が正常であるにもかかわらず、制御を中止してしまう、といった問題が生じる。
そこで、こうした問題を防止するには、請求項8に記載のように、本発明(請求項1〜請求項7)のAD変換装置を利用して各種センサからの検出信号を取り込み、制御対象を制御する電子制御装置に対して、AD変換装置を介して取り込んだAD変換結果が正常か否かを判定する変換結果判定手段と、AD変換装置の異常判定手段にてAD変換装置の異常が判定された否かを判定する装置状態判定手段と、これら各判定手段の判定結果に基づきAD変換装置に接続されたセンサの異常とAD変換装置自体の異常とを識別する異常内容識別手段とを設けるようにするとよい。
つまり、電子制御装置をこのように構成すれば、本発明のAD変換装置により得られたAD変換結果が正常であれば制御を継続し、AD変換結果が異常であれば、異常内容識別手段による識別結果(つまりAD変換装置の異常かセンサの異常か)に応じて、制御対象の制御を、より安全性を重視した制御(フェールセーフ制御等)に切り換える、といったことができるようになる。
ここで、変換結果判定手段は、請求項9或いは請求項10に記載のように、AD変換結果が正極側電源ライン及び負極側電源ラインの電位に対応した最大値及び最小値の一方に固定されているときに、AD変換結果が異常であると判断するように構成すればよい。
また、この場合、異常内容識別手段は、請求項9に記載のように、変換結果判定手段にてAD変換結果が異常であると判定され、且つ、装置状態判定手段にてAD変換装置側で異常が判定されたと判定された場合に、AD変換装置の異常を判断するように構成すれば、AD変換装置の異常をより正確に検知して、AD変換装置異常時のフェールセーフ制御を実行することができるようになる。
また、異常内容識別手段は、請求項10に記載のように、変換結果判定手段にてAD変換結果が異常であると判断され、且つ、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定された場合に、AD変換結果に対応したセンサ側に異常があると判断するよう構成すれば、センサ異常時のフェールセーフ制御を実行することができるようになる。
そして特に、請求項10に記載の電子制御装置においては、請求項11に記載のように、AD変換装置の初期化スイッチを、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して入力ラインに接続される第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインをサンプルホールド手段の接続部に接続するように構成し、更に、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、変換結果判定手段にてAD変換結果が第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断された場合に、異常内容識別手段が、センサ側の断線を判断するように構成するとよい。
つまり、AD変換装置の初期化スイッチを上記のように構成すれば、センサからAD変換装置への信号入力経路が断線しているときに、AD変換結果が、第1電源ラインの電位に固定されることから、異常内容識別手段では、AD変換装置側で異常が判定されておらず、センサ側に異常があると判定できる場合に、その異常内容が、センサからAD変換装置への信号入力経路の断線によるものなのか、センサ自体の故障によるものなのかを識別することができるようになる。
一方、上述した本発明(請求項1〜請求項7)のAD変換装置においては、マルチプレクサ内の選択スイッチの全て若しくは基準電圧選択スイッチを含む一部の選択スイッチがオンしない固着異常が生じた場合には、その異常を検出することはできるものの、マルチプレクサにおいて、基準電圧選択スイッチ以外の選択スイッチ(つまり入力信号選択スイッチ)の一つがオンしなくなったような場合(スイッチ断線時)には、基準電圧選択スイッチをオンしたときに得られる比較手段の比較結果は、その入力信号選択スイッチが正常に動作する場合(スイッチオフ時)と同様になるので、異常を検出することができない。
そこで、こうしたAD変換装置側でのスイッチ断線時の異常についても、電子制御装置側(つまり異常内容識別手段)で識別できるようにするには、電子制御装置を請求項12に記載のように構成するとよい。
すなわち、請求項12に記載の電子制御装置においては、AD変換装置の初期化スイッチが、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して入力ラインに接続される第1電源ラインをサンプルホールド手段の接続部に接続する第1初期化スイッチと、第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインをサンプルホールド手段の前記接続部に接続する第2初期化スイッチとから構成されており、AD変換装置のAD変換制御手段が、マルチプレクサを介して入力される入力信号毎に、AD変換時にサンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを、第1初期化スイッチと第2初期化スイッチとの何れかに変更する。
そして、異常内容識別手段は、AD変換装置においてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、変換結果判定手段にてAD変換結果が第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されると、請求項11に記載の異常内容識別手段と同様に、センサ側が断線していると判断する。
また、異常内容識別手段は、AD変換装置にてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、変換結果判定手段にてAD変換結果が第2電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されると、更に、AD変換制御手段が第1初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、変換結果判定手段にてAD変換結果が第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されたか否かを判断する。
そして、異常内容識別手段は、AD変換制御手段が第1初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、AD変換結果が第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていれば、マルチプレクサ内の入力信号選択スイッチが断線していると判断し、そうでなければ、センサ側に断線以外の何等かの異常が生じたと判断する。
つまり、マルチプレクサ内の入力信号選択スイッチがオンしない場合(スイッチ断線時)には、AD変換装置においてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、変換結果判定手段にてAD変換結果が第2電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されるが、センサからAD変換装置への信号入力経路が第2電源ラインに接触しているとき(短絡異常)や、センサ自体が劣化しているときにも、同様の判断結果が得られる。
そこで、請求項12に記載の電子制御装置では、AD変換装置においてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、変換結果判定手段にてAD変換結果が第2電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断された場合には、その異常の原因は、マルチプレクサ内の入力信号選択スイッチの断線によるものなのか、或いは、センサ側での異常(詳しくはセンサからAD変換装置への信号入力経路の第2電源ラインへの短絡又はセンサ自体の劣化)によるものであるのかを識別するために、AD変換制御手段が第1初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、変換結果判定手段にてAD変換結果が第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されたか否かを判断するようにしているのである。
この結果、請求項12に記載の電子制御装置によれば、AD変換装置のマルチプレクサ内にて入力信号選択スイッチの一つが断線した場合にも、その異常を正確に判定できるようになり、入力信号選択スイッチの断線異常時のフェールセーフ制御を適切に実行することが可能となる。
次に、請求項13に記載の電子制御装置は、センサとして、一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生した高電圧を点火プラグに印加して点火プラグの電極間に火花放電を発生させる点火コイルの二次巻線に接続され、点火プラグの火花放電後に点火電流とは逆方向に電流を流してその電流値を検出するイオン電流検出装置を備えた、内燃機関用の電子制御装置に関するものである。
そして、こうしたイオン電流検出装置を備えた内燃機関においては、イオン電流検出装置を介して検出される電流値から、点火プラグの絶縁碍子の表面にカーボンなどの物質が付着して点火プラグの電極間の抵抗値(絶縁抵抗)が低下する、所謂「くすぶり」を検出することができ、「くすぶり」の程度によっては、点火プラグの火花放電後に流れるイオン電流を誤検出してしまうことが知られている(例えば、特開平11−50941号公報参照)。
そこで、この請求項13に記載の電子制御装置では、イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果の異常を判定する変換結果判定手段として、点火コイルの一次巻線への通電開始後の所定期間の間、イオン電流検出装置から前記AD変換装置を介して入力される電流値が予め設定された異常判定用しきい値を越えた時間を計測し、その計測時間が予め設定された下限時間と上限時間との間の許容範囲から外れた場合に、イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果に異常があると判断する計測時間判定手段を設けている。
つまり、点火コイルの一次巻線への通電開始直後には、点火コイルの二次巻線に、一時的に、点火プラグの「くすぶり」の程度に応じた電流が流れ、その電流値は、点火プラグの電極間の抵抗値(絶縁抵抗)が低いほど大きくなり、流れる時間も長くなる。
そこで、請求項14に記載の電子制御装置では、イオン電流検出装置からの検出信号をAD変換して得られる電流値が異常判定用しきい値を越えた時間を計測することにより、点火プラグの「くすぶり」の程度を測定し、その計測時間が予め設定された上限時間以上になると、点火プラグの火花放電後にイオン電流を誤検出してしまう虞があるので、イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果に異常があると判断するようにしているのである。
また、本発明では、計測時間が予め設定された下限時間未満である場合にも、イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果に異常があると判断するが、これは、イオン電流検出装置からAD変換装置への検出信号の入力経路の断線によってイオン電流検出装置からAD変換装置に正常に検出信号が入力されていないときには、計測時間が略0になるからである。
そして、上記のように計測した計測時間は、AD変換装置での異常によってAD変換結果が最大値又は最小値に固定された場合にも、最大又は最小時間となって、許容時間から外れることになる。
従って、この請求項13に記載の電子制御装置において、計測時間判定手段にて、計測時間が下限時間と上限時間との間の許容範囲から外れたと判断された場合には、点火プラグを含むイオン電流検出装置とAD変換装置との何れかに異常が生じていることになり、異常内容識別手段では、計測時間判定手段による判定結果とAD変換装置側での異常判定結果とから、点火プラグを含むイオン電流検出装置側の異常とAD変換装置側の異常とを識別することができるようになる。
よって、請求項13に記載の電子制御装置によれば、請求項8に記載の電子制御装置と同様、異常内容識別手段による識別結果に従い、イオン電流検出装置の異常が検出された気筒への燃料供給を禁止するとか、内燃機関の運転をAD変換装置によるAD変換結果を用いない緊急運転に切り換え、内燃機関を安全に停止させる、といったフェールセーフ制御を実行することができる。
なお、請求項13に記載の電子制御装置において、異常内容識別手段は、請求項14に記載のように、計測時間判定手段にて計測時間が許容範囲から外れたと判断され、且つ、装置状態判定手段にてAD変換装置側で異常が判定されたと判定された場合に、AD変換装置の異常を判断するようにすれば、AD変換装置の異常を正確に検知して、AD変換装置異常時のフェールセーフ制御を実行できる。
また、異常内容識別手段は、請求項15に記載のように、計測時間判定手段にて計測時間が許容範囲から外れたと判断され、且つ、装置状態判定手段にてAD変換装置側で異常が判定されていないと判定された場合に、イオン電流検出装置に異常が生じたと判断するように構成すれば、点火プラグを含むイオン電流検出装置異常時のフェールセーフ制御を実行できる。
一方、この請求項15に記載の電子制御装置において、イオン電流検出装置からの検出信号の入力経路の断線を検出できるようにするには、請求項16に記載のように、AD変換装置の初期化スイッチを、請求項11に記載のものと同様に構成し、異常内容識別手段を、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、計測時間判定手段にて計測時間が下限時間よりも短いと判断された場合に、イオン電流検出装置が断線していると判断するように構成すればよい。
そして、この請求項16に記載の電子制御装置によれば、請求項11に記載のものと同様に、イオン電流検出装置に異常が生じたときに、その原因がイオン電流検出装置からAD変換装置への検出信号の入力経路の断線によるものなのか、或いは、イオン電流検出装置自体の故障によるものなのかを識別して、その識別した異常内容に応じて、適切なフェールセーフ制御を実行することが可能となる。
また、請求項15に記載の電子制御装置において、AD変換装置のマルチプレクサ内でイオン電流検出装置からの検出信号を選択的に入力する入力信号選択スイッチがオンしなくなった場合(スイッチ断線時)に、その異常を異常内容識別手段で識別できるようにするには、電子制御装置を請求項17に記載のように構成すればよい。
すなわち、請求項17に記載のAD変換装置においては、AD変換装置の初期化スイッチ及びAD変換制御手段が、請求項12に記載のものと同様に構成されている。そして、異常内容識別手段において、センサ断線判定手段は、AD変換装置にてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、計測時間判定手段にて計測時間が下限時間よりも短いと判断されると、イオン電流検出装置が断線していると判断する。
また、異常内容識別手段において、スイッチ断線判定手段は、AD変換装置にてAD変換制御手段が第2初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、装置状態判定手段にてAD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、計測時間判定手段にて計測時間が上限時間以上であると判断されると、更に、AD変換制御手段が第1初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、計測時間判定手段にて計測時間が下限時間よりも短いと判断されたか否かを判断する。
そして、スイッチ断線判定手段は、AD変換制御手段が第1初期化スイッチを介してサンプルホールド手段を初期化したときに、計測時間判定手段にて計測時間が下限時間よりも短いと判断されると、入力信号選択スイッチの断線を判定する。
この結果、請求項17に記載の電子制御装置によれば、請求項12に記載の電子制御装置と同様に、AD変換装置のマルチプレクサ内でイオン電流検出装置からの検出信号を取り込むのに使用される入力信号選択スイッチの断線と、イオン電流検出装置側での異常(第2電源ラインへの短絡、センサの劣化)とを区別して、入力信号選択スイッチの断線をより正確に判定できるようになり、入力信号選択スイッチの断線異常時のフェールセーフ制御をより適切に実行することが可能となる。
なお、請求項12又は請求項17に記載の電子制御装置においては、直流電源の正極側及び負極側の電位にてサンプルホールド手段を初期化する2つの初期化スイッチを設け、サンプルホールド手段の初期化に使用する初期化スイッチをその2つの初期化スイッチの何れかに変更することで、AD変換装置又はセンサ側での異常原因をより詳細に検出できるようにしているのであるが、サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを頻繁に変更すると、サンプルホールド手段の初期化電圧の違いによって、AD変換結果に誤差(オフセット誤差等)が生じることも考えられる。
そこで、請求項12又は請求項17に記載の電子制御装置においては、請求項18に記載のように、A/D変換制御手段が、サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチの変更動作を、AD変換装置への電源投入直後に行い、その後は、サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを、第1初期化スイッチと第2初期化スイッチとの何れかに固定するように構成してもよい。
また、AD変換装置での異常判定は、AD変換周期に同期して高速に行われるが、その判定結果は、ノイズ等の影響を受けることが考えられることから、装置状態判定手段としては、請求項19に記載のように、AD変換装置の異常判定手段によりAD変換装置の異常が判定された回数若しくは頻度を計測し、AD変換装置による異常判定回数若しくは頻度が所定の判定値に達したときに、異常判定手段にてAD変換装置の異常が判定されたと判定するように構成してもよい。
つまり、このようにすれば、AD変換装置での異常判定結果に、ノイズ等の影響による一時的に誤りがあっても、装置状態判定手段では、その誤判定の影響を受けることなく、AD変換装置の異常を判定することができるようになる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明が適用された第1実施形態のエンジンECU10の概略構成を表すブロック図である。
エンジンECU10は、内燃機関(ガソリンエンジン)の燃料噴射量や点火時期等を制御する電子制御装置であり、内燃機関各気筒の失火検出等の自己診断機能も有する。このため、エンジンECU10には、エンジンの各種運転状態(回転数、吸気管圧力、スロットル開度、冷却水温、失火等)を検出する多数のセンサが接続されている。そして、これらのセンサのうち、アナログの検出信号を出力するセンサは、それぞれ、入力回路11又は入力回路12を介してAD変換装置(ADC)20に接続されている。
ここで、入力回路11は、検出信号の入力ラインを、プルアップ抵抗R1を介して、直流電源の正極側に接続された電源ライン(電位:VDD)に接続することで、第1センサ1からの検出信号を取り込むためのものであり、入力回路12は、検出信号の入力ラインを、プルダウン抵抗R2を介して、直流電源の負極側と同電位(電位:0)の電源ライン(つまりグランド:GND)に接地することで、第2センサ2からの検出信号を取り込むためのものである。
そして、これら各入力回路11、12には、抵抗R3とコンデンサC1、或いは、抵抗R4とコンデンサC2、からなるノイズ除去用のフィルタ回路も設けられている。
なお、本実施形態において、第1センサ1及び第2センサ2は、エンジンECU10に接続される多数のセンサを、使用する入力回路11、12の違いに応じて区別するためのものであり、特定の物理量を検出するセンサを示すものではない。
次に、AD変換装置20は、入力回路11又は入力回路12を介して入力される各種センサからの検出信号を、所定のAD変換周期で順次連続してAD変換するためのものである。そして、このAD変換装置20によるAD変換結果は、CPU、ROM、RAM等からなるエンジン制御用のマイクロコンピュータ(以下単にCPUという)50に入力される。また、AD変換装置20は、検出信号のAD変換を順次連続的に実行しつつ、自身の異常を検出するよう構成されており、この自己診断機能によって自身の異常を検出すると、CPU50にADC異常信号を出力する。
また次に、CPU50は、予めROMに記憶されている制御プログラムに従い、エンジン制御或いは失火検出等の各種処理を実行する。つまり、CPU50は、AD変換装置20から入力される各種検出信号のAD変換結果や、AD変換装置20に接続されていない他のセンサ若しくはスイッチからの検出信号(パルス信号やオン/オフ信号)を取り込み、その取り込んだ各種データに基づきエンジン制御や失火検出等のための演算処理を行い、その演算結果に対応した制御信号を各種出力ドライバ15、16、…に出力することにより、各出力ドライバ15、16、…を介して、燃料噴射用のインジェクタ、点火時期制御用のイグナイタ、異常通知用の警報ランプ等の各種出力機器5、6…を駆動制御する。なお、こうした制御処理については、従来より周知であるため、ここでは説明を省略する。
次に、本発明の主要部であるAD変換装置20の構成及び動作を図2〜図4を用いて説明する。
なお、以下の説明では、AD変換装置20の動作を解りやすく説明するために、AD変換装置20には、第1センサ1と第2センサ2との2つのセンサだけが接続されているものとする。
図2に示すように、AD変換装置20には、第1センサ1及び第2センサ2からの検出信号を選択的に取り込むためのマルチプレクサ(MPX)22と、このマルチプレクサ22から入力された検出信号を、信号レベルを変化させることなく取り込むためのサンプリングアンプ(具体的にはオペアンプからなるバッファ回路)24と、このサンプリングアンプ24を介して入力された検出信号の信号レベルを所定ビットのデジタルデータに変換する比較部30と、比較部30や他のスイッチ類を制御して、第1センサ1及び第2センサ2から入力された検出信号を順次AD変換させる制御部40と、が備えられている。
また、サンプリングアンプ24から比較部30への検出信号の伝送ライン上には、2つの入力スイッチ26、28が直列に設けられており、比較部30には、これら2つの入力スイッチ26、28が制御部40により共にオン状態に制御されているときに、検出信号により充電されて検出信号をサンプルホールドするためのコンデンサアレイ(Cアレイ)32が設けられている。
そして、比較部30は、制御部40からAD変換開始指令を受けると、このコンデンサアレイ32にサンプルホールドされた検出信号の信号レベルとAD変換用の多数の基準電位とを比較することで、検出信号の信号レベルをデジタルデータに変換する。
なお、以下の説明では、検出信号の伝送ライン上に設けられた2つの入力スイッチ26、28を区別するため、サンプリングアンプ24側の入力スイッチ26をサンプリングスイッチといい、比較部30側の入力スイッチ28をADCスイッチという。
次に、比較部30(詳しくはコンデンサアレイ32)の伝送ラインとの接続部には、一端がグランドラインに接地された初期化スイッチ34の他端が接続されている。そして、制御部40は、サンプリングスイッチ26及びADCスイッチ28をオンして比較部30に検出信号を入力する前に、初期化スイッチ34を所定の初期化時間だけオンすることにより、比較部30を初期化する。
つまり、制御部40は、図示しない基準クロック発生源から一定周期で入力される基準クロックにより動作するロジック回路にて構成されており、基準クロックをカウントすることによって、図3に示すように、AD変換の開始タイミングt1から次の開始タイミングt1までのAD変換周期(一定時間)を繰り返し計時し、そのAD変換周期に同期して、マルチプレクサ22内でオンさせる入力信号選択スイッチSW1、SW2を順に切り換えることで、AD変換対象となる検出信号を変更する。
また、制御部40は、AD変換の一周期を、AD変換の開始タイミングt1から初期化終了タイミングt2までの初期化期間と、初期化終了タイミングt2からサンプリング終了タイミングt3までのサンプリング期間と、サンプリング終了タイミングt3から次のAD変換処理の開始タイミングt1までの比較期間とに区分し、初期化期間では、サンプリングスイッチ26をオフ、ADCスイッチ28及び初期化スイッチ34をオンすることで、比較部30への検出信号の入力を遮断して、比較部30への検出信号の入力経路をグランドラインに接地する。この結果、初期化期間では、比較部30のコンデンサアレイ32に蓄積された電荷が放電され、比較部30の伝送ラインとの接続部はグランド電位(0V)に初期化される。
また、制御部40は、サンプリング期間では、初期化スイッチ34をオンからオフに切り換え、サンプリングスイッチ26をオフからオンに切り換えることにより、サンプリングアンプ24からの検出信号を比較部30に入力して、コンデンサアレイ32を検出信号の電圧レベルまで充電し(つまり検出信号をサンプリングさせ)、次の比較期間では、ADCスイッチ28をオンからオフに切り換えることにより、比較部30(換言すればコンデンサアレイ32)を検出信号の伝送ラインから切り離し、比較部30に対してAD変換開始指令を出力する。
この結果、比較期間では、比較部30がコンデンサアレイ32にサンプルホールドされた検出信号の信号レベルをデジタルデータに変換し、そのデジタルデータ(AD変換結果)を制御部40に出力することになり、制御部40は、比較部30から出力されたAD変換結果をラッチして、CPU50に出力する。
なお、制御部40は、サンプリング終了タイミングt3から次のAD変換開始タイミングt1までの比較期間内にて後述の異常チェック処理(図3に示す異常チェック処理「1」、「2」)を実行することで、AD変換装置20自身の故障診断を行い、異常チェック処理が終了すると(時点t4)、次の初期化動作に備えて、サンプリングスイッチ26をオンからオフに切り換える。
次に、こうした異常チェック処理を実行できるようにするために、マルチプレクサ22には、入力信号選択スイッチSW1、SW2とは別に、電源ラインから基準電圧(電源電圧VDD)を取り込み、サンプリングアンプ24側の伝送ラインへ選択的に入力する基準電圧選択スイッチSWaと、グランドラインから基準電圧(グランド電圧GND:0V)を取り込み、サンプリングアンプ24側の伝送ラインへ選択的に入力する基準電圧選択スイッチSWbとの2つの選択スイッチが設けられている。
また、AD変換装置20には、コンパレータ42と、電源ラインとグランドラインとの間に直列に設けられて電源電圧VDDを分圧(本実施形態では1/2に分圧)する分圧抵抗R5、R6とが設けられている。そして、コンパレータ42の非反転入力端子には、サンプリングスイッチ26とADCスイッチ28との間の伝送ラインが接続されており、コンパレータ42の反転入力端子には、分圧抵抗R5、R6による分圧点の電位(VDD/2)が異常判定電位として入力される。
このため、コンパレータ42からの出力は、サンプリングスイッチ26とADCスイッチ28との間の伝送ラインの電位が異常判定電位(VDD/2)よりも高い場合に、ハイレベルとなり、そうでなければローレベルとなる。なお、このコンパレータ42からの出力は、異常判定用信号として制御部40に入力され、制御部40にて、AD変換装置20の故障診断を行うのに用いられる。
次に、こうした故障診断のために制御部40にて実行される異常チェック処理について説明する。なお、制御部40は、ロジック回路にて構成されているが、ここでは、異常チェック処理の手順を解りやすく説明するため、その説明に図4のフローチャートを用いることとする。
制御部40は、上述した一連のAD変換処理の実行中にサンプリング処理が完了すると(時点t3)、図4に示す手順で異常チェック処理を実行する。そして、この異常チェック処理では、まずS110(Sはステップを表す)にて、ADCスイッチ28をオフし、マルチプレクサ22の基準電圧選択スイッチSWaをオンすることで、コンパレータ42の非反転入力端子に基準電圧(VDD)を印加させる(図3の異常チェック処理「1」参照)。
なお、マルチプレクサ22は内部の選択スイッチの何れか一つを選択的にオンして、後段の伝送ラインへの出力を複数の入力信号の一つに設定するものであるため、S110にて基準電圧選択スイッチSWaがオンされると、そのときオン状態となっていた入力信号選択スイッチSW1又はSW2はオフ状態に切り換えられる。
次に、S120では、S110で基準電圧選択スイッチSWaをオンしてからコンパレータ42の出力が安定するのに要する待機時間が経過したタイミングで、コンパレータ42から出力された異常判定用信号をラッチし、その異常判定用信号がハイレベルであるか否かを判断する。
つまり、S110にて、ADCスイッチ28をオフし、基準電圧選択スイッチSWaをオンした場合、マルチプレクサ22、サンプリングアンプ24、サンプリングスイッチ26、ADCスイッチ28が正常に動作していれば、コンパレータ42の非反転入力端子は電源ラインの電位(VDD)となって、コンパレータ42からの出力はハイレベルになる筈であることから、ここでは、コンパレータ42からの出力がハイレベルであるか否かによって、AD変換装置20は正常に動作しているか否かを判断するのである。
そして、異常判定用信号がハイレベルになっていれば、AD変換装置20は正常に動作しているものと判断して、S140に移行し、逆に、異常判定用信号がローレベルであれば、S130にて、AD変換装置20に基準電圧選択スイッチSWaを含む何等かの異常が発生したと判断してCPU50にADC異常信号を出力し、その後、S140に移行する。
次に、S140では、マルチプレクサ22の基準電圧選択スイッチSWaをオフし、基準電圧選択スイッチSWbをオンすることで、コンパレータ42の非反転入力端子に基準電圧(VDD)を印加させる(図3の異常チェック処理「2」参照)。
また、続くS150では、S140で基準電圧選択スイッチSWbをオンしてからコンパレータ42の出力が安定するのに要する待機時間が経過したタイミングで、コンパレータ42から出力された異常判定用信号をラッチし、その異常判定用信号がローレベルであるか否かを判断する。
つまり、S140にて、基準電圧選択スイッチSWaをオフし、基準電圧選択スイッチSWbをオンした場合、マルチプレクサ22、サンプリングアンプ24、サンプリングスイッチ26、ADCスイッチ28が正常に動作していれば、コンパレータ42の非反転入力端子はグランドラインの電位(GND:0V)となって、コンパレータ42からの出力はローレベルになる筈であることから、ここでは、コンパレータ42からの出力がローレベルであるか否かによって、AD変換装置20は正常に動作しているか否かを判断するのである。
そして、異常判定用信号がローレベルになっていれば、AD変換装置20は正常に動作しているものと判断して、S170に移行し、逆に、異常判定用信号がハイレベルであれば、S160にて、AD変換装置20に基準電圧選択スイッチSWbを含む何等かの異常が発生したと判断してCPU50にADC異常信号を出力し、その後、S170に移行する。
そして、S170では、次のAD変換処理の準備のために、マルチプレクサ22の基準電圧選択スイッチSWbとサンプリングスイッチ26とをオフし、異常チェック処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のAD変換装置20においては、制御部40が、比較部30が検出信号の伝送ラインと切り離される比較期間中に、マルチプレクサ22内の基準電圧選択スイッチSWa、SWbを順にオンして、検出信号の伝送ラインに電源ライン及びグランドラインから基準電圧(VDD、GND)を順に印加させ、そのときコンパレータ42の出力が各基準電圧に対応した信号レベル(ハイレベル又はローレベル)になったか否かを判断することにより、AD変換装置20の異常を判定する。
このため、本実施形態のAD変換装置20によれば、一連のAD変換処理を繰り返し連続的に実行しつつ、そのAD変換周期に同期して自身の故障診断を行うことができるようになり、例えば、AD変換結果を高速に行う必要のあるエンジンの高回転時に、AD変換装置に異常が生じたとしても、その異常を速やかに検出して、CPU50に対し、AD変換装置20の故障に伴うフェールセーフ処理を実行させることができる。
また、本実施形態では、AD変換装置20での故障診断に2つの基準電圧選択スイッチSWa、SWbを使用することから、マルチプレクサ22内若しくはマルチプレクサ22から比較部30に至る検出信号の伝送ラインが、電源ライン若しくはグランドラインに接触して、伝送ラインの電位が直流電源の正極側若しくは負極側に固定されても、基準電圧選択スイッチSWa、SWbの一方のオン時に、コンパレータ42の出力が正規の信号レベルと異なることになるので、マルチプレクサ22、サンプリングアンプ24、サンプリングスイッチ26、ADCスイッチ28の動作異常に加えて、電源ライン若しくはグランドラインへの短絡異常も検出することができる。
なお、本実施形態においては、コンデンサアレイ32が、本発明のサンプルホールド手段に相当し、比較部30が、本発明のAD変換手段に相当し、制御部40が、本発明のAD変換制御手段及び異常判定手段に相当し、コンパレータ42が、本発明の比較手段に相当する。
ところで、本実施形態のAD変換装置20では、マルチプレクサ22内の選択スイッチの全て若しくは基準電圧選択スイッチSWa、SWbを含む一部の選択スイッチがオンしない固着異常が生じた場合には、その異常を検出してCPU50に通知することはできるものの、基準電圧選択スイッチSWa、SWbのみがオンしなくなった場合には、AD変換処理によって得られるAD変換結果は正常であるにも拘わらず、異常チェック処理により自身の異常を検出して、CPU50にADC異常信号を出力してしまうことになる。
そこで、本実施形態では、CPU50側で、AD変換装置20からのAD変換結果に異常があるか否かを判断して、AD変換結果に異常がある場合に、AD変換装置20からのADC異常信号に基づき、AD変換結果の異常がAD変換装置20自体の異常によるものなのか、AD変換装置20に検出信号を入力してくるセンサ側の異常によるものなのかを識別し、その識別結果に応じたフェールセーフ処理を実行するようにしている。
以下、このようにCPU50側でAD変換結果の異常判定を行う際の動作について、エンジンECU10が失火検出用のセンサであるイオン電流検出装置からの検出信号を取り込むときの動作を例に採り説明する。
図5に示すように、イオン電流検出装置3は、点火装置7と共に内燃機関の気筒毎に設けられ、点火プラグ7aの火花放電後に点火コイル7bの二次巻線L2に点火電流i1とは逆方向に電流i2を流して、その電流値を検出するためのものであり、一端がグランドラインに接地されたイオン電流検出用の抵抗R21を備える。
また、イオン電流検出装置3には、この抵抗R21と点火コイル7bの二次巻線L2との間に設けられ、点火電流i1により充電されてイオン電流検出用の電荷を蓄積するコンデンサC21と、点火コイル7bの二次巻線L2側をカソードとしてコンデンサC21に並列に接続され、コンデンサC21の両端電圧を降伏電圧以下に制限するツェナーダイオードD21と、グランドライン側をカソードとして抵抗R21に並列に接続され、抵抗R21の両端電圧を降伏電圧以下に制限するツェナーダイオードD23と、抵抗R21とコンデンサC21との接続点に接続されて、その接続点の電位に応じて変化するイオン電流検出信号を出力する検出回路3aと、が備えられている。
このように構成されたイオン電流検出装置3では、点火装置7側で点火コイル7bの一次巻線L1に接続されたトランジスタTR1が点火信号(IGT)によりオン/オフされて、二次巻線L2に点火電流i1が流れたとき(つまり点火プラグ7aの火花放電時)に、その点火電流i1によりコンデンサC21にイオン電流検出用の電圧が充電され、点火プラグ7aの火花放電が終了すると、そのコンデンサC21の充電電圧を点火プラグ7aに印加するよう動作する。
そして、このとき、点火プラグ7aの火花放電によって燃料混合気が燃焼していれば、その燃焼によって気筒内にイオンが発生して、点火プラグ7aの電極間にイオン電流が流れ、点火プラグ7aの火花放電によって燃料混合気が燃焼していなければ(つまり失火していれば)、イオンが発生しないので、流れる電流は小さくなる。
従って、抵抗R21とコンデンサC21との接続点の電位は、点火プラグ7aの火花放電時に流れる点火電流i1や火花放電後に流れるイオン電流に応じて変化することになり、検出回路3aは、図6(a)に示すように、その接続点の電位がイオン電流等によってグランドラインよりも低い負電位となったときに、その負電位に応じたイオン電流検出信号を出力するよう構成されている。
なお、エンジンECU10には、このイオン電流検出装置3からの検出信号を取り込む入力回路として、図5に示すように、プルアップ抵抗R11、抵抗R13とコンデンサC13及び抵抗R15とコンデンサC15とからなるノイズ除去用のフィルタ回路、イオン電流検出信号の信号レベルをAD変換装置20の許容入力範囲内に制限するダイオードD11、D13等から構成された入力回路13が設けられている。
このため、エンジンECU10のAD変換装置20には、図6(a)に示すように、イオン電流検出装置3からの検出信号として、通常時は電源電圧(VDD)となり、点火プラグ7aの火花放電時や火花放電後に電源電圧(VDD)よりも低下する検出信号が入力されることになり、AD変換装置20は、この検出信号を、気筒分だけ順次AD変換して、CPU50に入力することになる。
そして、CPU50は、内燃機関の気筒毎に、点火タイミングtaから所定の火花放電時間が経過した時点tbを基点として、その後、イオン電流が流れなくなると想定される時点tcまでの所定の失火判定区間の間、AD変換装置20から入力されるイオン電流検出信号のAD変換結果を監視して、そのAD変換結果の最大値(電流ピーク)を検出し、その値が失火判定用の閾値を越えたか否かによって、燃料混合気が正常に燃焼しているか或いは失火が発生したかを判定する、といった手順で内燃機関各気筒の失火判定を行なう。
またCPU50は、AD変換結果の異常判定を行い、その判定結果とAD変換装置20からのADC異常信号とに基づき、AD変換装置20の異常とイオン電流検出装置3の異常とを識別するが、AD変換結果の異常判定は、イオン電流検出装置3の異常判定(詳しくは点火プラグ7aの「くすぶり」判定)と兼ねて行うようにされている。
つまり、イオン電流検出装置3において、イオン電流の検出には点火プラグ7aを使用するが、この点火プラグ7aは、カーボンなどの物質の付着によって電極間の抵抗値(絶縁抵抗)が低下する「くすぶり」が発生する。そして、この「くすぶり」により点火プラグ7aの絶縁抵抗が大きく低下すると、イオン電流検出装置3は、失火発生時に、イオン電流を誤検出してしまう。
そこで、本実施形態では、図6(b)に示すように、点火装置7のトランジスタTR1に点火信号(IGT:ハイレベル)を入力して、点火コイル7bの一次巻線L1への通電を開始してから(時点td)、所定のセンサ異常判定区間(例えば700μs)が経過する(時点te)までの間、イオン電流検出装置3からの検出信号に基づき、点火プラグ7aの電極間に流れる電流を監視して、その電流値が予め設定された異常判定用しきい値を越えた時間Ts(図に示すT1+T2)を計測し、図7に示す異常判定処理にて、その計測時間Tsが予め設定された下限時間(例えば50μs)と上限時間(例えば500μs)との間の許容範囲から外れたときに、AD変換装置20から取り込んだイオン電流検出信号に異常があると判断するようにしているのである。
なお、計測時間Tsを計測するに当たって、CPU50は、各気筒の点火装置に点火信号(IGT)を出力した後、上述したセンサ異常判定区間の間、対応する気筒のイオン電流検出装置3からの検出信号を、AD変換装置20を介して取り込み、その取り込んだAD変換結果から得られる電流値が異常判定用しきい値を越えたか否かを判断して、電流値が異常判定用しきい値を越えた時間を計測する計測処理を実行するが、図6(b)から明らかな如く、AD変換装置20から得られるAD変換結果は、点火プラグ7aの電極間に流れる電流値が「0」であるときに最大値となり、その電流値が増えるに従い小さい値となるので、CPU50が実際に計測処理を実行して計測時間Tsを測定する際には、イオン電流検出装置3からの検出信号のAD変換結果が異常判定用しきい値を下回った時間を計測時間Tsとして測定することになる。
また、このようにイオン電流検出装置3の異常判定をAD変換結果の異常判定と兼用できるのは、センサ異常判定区間中に点火プラグ7aの電極間に流れる電流値が異常判定用しきい値を越える時間(計測時間)Tsは点火プラグ7aの「くすぶり」の程度に応じて変化するものの、AD変換装置20が故障してそのAD変換結果が最大値又は最小値に固定された場合には、計測時間Tsが「0」又はセンサ異常判定区間に対応した最大時間となり、下限時間と上限時間との間の許容範囲から外れるためである。なお、上記方法で点火プラグ7aの[くすぶり」に伴うイオン電流検出装置3側の異常判定を行うことができる理由については、従来より知られているので(例えば、特開平11−50941号公報等参照)、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、CPU50にて実行される異常判定処理について説明する。
図7に示す如く、この異常判定処理は、CPU50において、計測時間Tsの計測処理と共に内燃機関の回転に同期して気筒毎に実行される処理であり、処理が開始されると、まずS210にて、計測処理により得られた計測時間Tsが下限時間未満であるか否かを判断する。そして計測時間Tsが下限時間未満であれば、イオン電流検出信号のAD変換結果に何らかの異常が生じているので、S220に移行して、AD変換装置20からADC異常信号が入力されているか否かを判断する。
そして、S220にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されていると判断されると、S230にて、AD変換装置20に異常があると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、AD変換装置20からの検出信号の取り込みを中止して内燃機関を安全に停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
また、S220にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されていないと判断されると、S240にて、イオン電流検出装置3からAD変換装置20への検出信号の入力経路が断線していると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、そのイオン電流検出装置3に対応した気筒への燃料噴射量を減少させたり、或いは燃料噴射を停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
一方、S210にて、計測時間Tsが下限時間未満ではないと判断された場合には、S250に移行して、計測時間Tsは上限値以上であるか否かを判断する。そして、計測時間Tsが上限時間以上であれば、S260に移行して、AD変換装置20からADC異常信号が入力されているか否かを判断する。
そして、S260にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されていると判断されると、S270にて、AD変換装置20に異常があると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、AD変換装置20からの検出信号の取り込みを中止して内燃機関を安全に停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
また、S260にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されていないと判断されると、S280にて、点火プラグ7aの「くすぶり」等によってイオン電流検出装置3が正常に動作していない(センサ劣化)と判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、そのイオン電流検出装置3に対応した気筒への燃料噴射量を減少させたり、或いは燃料噴射を停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
以上のように、本実施形態のエンジンECU10では、AD変換装置20の自己診断機能によってAD変換装置20の異常を判定するだけではなく、CPU50側で、AD変換装置20によるAD変換結果に異常があるか否かを判定して、そのAD変換結果に異常があり、且つ、AD変換装置20からADC異常信号が出力されている場合に、AD変換装置20の異常を判定する。
このため、マルチプレクサ22内で基準電圧選択スイッチSWa又はSWbだけがオンしなくなって、AD変換装置20によるAD変換結果自体は正常である場合には、AD変換装置20からADC異常信号が出力されていても、通常のエンジン制御を継続することができるようになる。
また、本実施形態では、点火コイル7bの一次巻線L1への通電開始後のAD変換結果の変化(つまり計測時間Ts)と、AD変換装置20側での自己診断結果(ADC異常信号の有無)とから、イオン電流検出装置3側に異常があると判断できるときには、計測時間Tsが許容時間よりも短い下限時間未満であるか、或いは計測時間Tsが許容時間よりも長い上限時間以上であるかによって、イオン電流検出装置3側の異常が、検出信号の入力経路の断線によるものなのか、或いは、イオン電流検出装置3自体の故障によるものなのかを識別するようにしている。このため、使用者は、警報ランプの点灯状態等によりその識別された異常原因を確認して、修理等の対策を速やかに行うことができる。
なお、本実施形態においては、図7の異常判定処理におけるS210及びS250の処理が、本発明の変換結果判定手段(詳しくは計測時間判定手段)に相当し、S220及びS260の処理が、本発明の装置状態判定手段に相当し、S230、S240、S270及びS280の処理が、本発明の異常内容識別手段に相当する。
そして、本実施形態では、CPU50側でAD変換結果の異常判定を行うときの動作を、イオン電流検出装置3からの検出信号を取り込むときの動作を例に採り説明したが、CPU50がイオン電流検出装置3以外のセンサからの検出信号を、AD変換装置20を介して取り込む際にも、図7に示した異常判定処理を行うことで、AD変換結果に異常があるときに、その原因がAD変換装置20にあるのかセンサ側にあるのかを識別することができる。
但し、この場合、イオン電流検出装置3のように、制御対象の特定の制御条件下でのAD変換結果の変化状態(計測時刻Ts等)からAD変換結果の異常を判定することができなければ、AD変換結果が最大値若しくは最小値に固定されているか否かを判断することにより、AD変換結果の異常判定を行うようにすればよい。
[変形例1]
ここで、上記第1実施形態では、AD変換装置20において、マルチプレクサ22内の基準電圧選択スイッチSWa及びSWbは、電源ライン及びグランドラインをそれぞれサンプリングアンプ24に直接接続するものとして説明したが、図8に示すように、基準電圧選択スイッチSWa及びSWbと電源ライン及びグランドラインとの間には、それぞれ、プルアップ抵抗R1、プルダウン抵抗R2よりも抵抗値の大きな抵抗R31、R32を設け、各基準電圧選択スイッチSWa、SWbは、これら各抵抗R31、R32を介して、サンプリングアンプ24に基準電圧(VDD、GND)を供給するように構成してもよい。
そして、このようにすれば、マルチプレクサ22内で基準電圧選択スイッチSWa、SWb以外の入力信号選択スイッチSW1、SW2がオン状態に固定されている場合にも、制御部40にてその異常を検出することができるようになる。
つまり、上記第1実施形態では、マルチプレクサ22内で基準電圧選択スイッチSWa、SWbを含む選択スイッチがオン状態にならないときには、制御部40にてその異常を検出することができるものの、入力信号選択スイッチSW1又はSW2がオン状態に固定されている場合には、異常チェック処理(1)、(2)で基準電圧選択スイッチSWa又はSWbをオンしたときの伝送ラインの電位が正常時と同じ電位(VDD又はGND)になってしまうことから、制御部40で異常を検出することができない。
しかし、AD変換装置20を図8に示すように構成すれば、入力信号選択スイッチSW1がオン故障しているときには、基準電圧選択スイッチSWbをオンする異常チェック処理(2)の際に、伝送ラインの電位が、電源電圧(VDD)をプルアップ抵抗R1と抵抗R32とで分圧した電位(つまり異常判定電位よりも高い電位)となって、図4に示した異常チェック処理のS160にて、AD変換装置20の異常が判定されることになり、逆に、入力信号選択スイッチSW2がオン故障しているときには、基準電圧選択スイッチSWaをオンする異常チェック処理(1)の際に、伝送ラインの電位が、電源電圧(VDD)を抵抗R31とプルダウン抵抗R2とで分圧した電位(つまり異常判定電位よりも低い電位)となって、図4に示した異常チェック処理のS130にて、AD変換装置20の異常が判定されることになるのである。
[変形例2]
また、AD変換装置20をこのように構成する場合、更に、図9に示すように、異常チェック処理(1)、(2)用の比較手段として、2つのコンパレータ44、46を用意し、異常チェック処理(1)で用いる(詳しくは図4のS120での判定処理に用いる)コンパレータ44には、分圧抵抗R7、R8を用いて電源電圧VDDの中心電位(VDD/2)よりも高くなるように生成した異常判定電位(例えば、VDD×0.9)を印加し、異常チェック処理(2)で用いる(詳しくは図4のS150での判定処理に用いる)コンパレータ46には、分圧抵抗R9、R10を用いて電源電圧VDDの中心電位(VDD/2)よりも低くなるように生成した異常判定電位(例えば、VDD×0.1)を印加するようにしてもよい。
そして、このようにすれば、例えば、マルチプレクサ22内の入力信号選択スイッチSW1、SW2のオン抵抗が大きくなって、入力信号の信号レベルが小さくなってしまうような場合にも、AD変換装置の異常を正確に判定することができるようになる。
[第2実施形態]
一方、上記第1実施形態においては、CPU50側でAD変換結果の異常判定を行い、AD変換結果に異常があれば、AD変換装置20からADC異常信号が出力されているか否かによって、AD変換装置とセンサ(具体的にはイオン電流検出装置3)との何れに異常が生じているのかを識別するようにしているが、例えば、マルチプレクサ22内で基準電圧選択スイッチSWa、SWbが正常に動作している場合には、他の入力信号選択スイッチSW1、SW2がオンしなくなっても、AD変換装置20の制御部40でその旨が検出されないので、このような異常は、CPU50側でセンサ(イオン電流検出装置3)の異常と判断されてしまい、使用者には、警報ランプの点灯等によって誤った異常内容が通知されてしまうことになる。
そこで、AD変換装置20のマルチプレクサ22内で入力信号選択スイッチSW1、SW2の一つだけがオンしなくなったような場合(スイッチ断線時)には、その異常をCPU50側で識別できるようにすることが望ましく、そのためには、AD変換装置20を図10に示すように構成し、CPU50側では、図11に示す手順で異常判定処理を実行するようにすればよい。
すなわち、本実施形態のAD変換装置20は、基本的には図8に示した変形例1のものと同様の構成をしており、これと異なる点は、初期化スイッチとして、比較部30(詳しくはコンデンサアレイ32)の伝送ラインとの接続部にグランドラインを接続する初期化スイッチ34と、その接続部に電源ラインを接続する初期化スイッチ35との2つの初期化スイッチが設けられ、制御部40が、CPU50からの指令を受けて、内燃機関の各気筒の点火毎に、各検出信号をAD変換する際に使用する初期化スイッチを、2つの初期化スイッチ34、35の何れかに変更するように構成されている点である。
また、図11に示す異常判定処理は、第1実施形態の異常判定処理(図7参照)に対応して、AD変換装置20を介してイオン電流検出装置3からの検出信号を取り込む際にCPU50にて実行される異常判定処理を表している。
そして、この異常判定処理では、まずS310にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されているか否かを判断し、ADC異常信号が入力されていれば、S320にて、AD変換装置20に異常があると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、AD変換装置20からの検出信号の取り込みを中止して内燃機関を安全に停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
一方、S310にて、AD変換装置20からADC異常信号が入力されていないと判断されると、S330にて、AD変換装置20の制御部40が初期化スイッチ34を使ってコンデンサアレイ32を初期化したときに計測処理により求められた計測時間Tsが、下限時間未満であるか否かを判断する。
なお、初期化スイッチ34は、イオン電流検出装置3からの検出信号の入力ラインがプルアップ抵抗R1を介して接続される電源ラインとは極性の異なるグランドラインを利用して、コンデンサアレイ32を初期化するためのものであり、本発明の第2初期化スイッチに相当する。
そして、S330にて、計測時間Tsが下限時間未満であると判断されると、S340にて、イオン電流検出装置3からAD変換装置20への検出信号の入力経路が断線していると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、そのイオン電流検出装置3に対応した気筒への燃料噴射量を減少させたり、或いは燃料噴射を停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
一方、S330にて、計測時間Tsが下限時間未満ではないと判断されると、S350に移行して、AD変換装置20の制御部40が初期化スイッチ34を使ってコンデンサアレイ32を初期化したときに計測処理により求められた計測時間Tsが、上限時間以上であるか否かを判断し、計測時間Tsが上限時間以上でなければ、そのまま当該異常判定処理を終了する。
また、S350にて、計測時間Tsが上限時間以上であると判断されると、S360に移行して、今度は、AD変換装置20の制御部40が初期化スイッチ35を使ってコンデンサアレイ32を初期化したときに計測処理により求められた計測時間Tsが、下限時間未満であるか否かを判断する。
なお、初期化スイッチ35は、イオン電流検出装置3からの検出信号の入力ラインがプルアップ抵抗R1を介して接続される電源ラインと同じ電源ラインを利用して、コンデンサアレイ32を初期化するためのものであり、本発明の第1初期化スイッチに相当する。
そして、S360にて、計測時間Tsが下限時間未満であると判断されると、S370に移行して、マルチプレクサ22内で今回イオン電流検出装置3からの検出信号を取り込むのに使用された入力信号選択スイッチが断線している(スイッチ断線)と判断し、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、そのイオン電流検出装置3に対応した気筒への燃料噴射量を減少させたり、或いは燃料噴射を停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
また、S360にて、計測時間Tsが下限時間未満ではないと判断されると、S380にて、イオン電流検出装置3側に断線以外の異常が生じていると判断し、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、そのイオン電流検出装置3に対応した気筒への燃料噴射量を減少させたり、或いは燃料噴射を停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該異常判定処理を終了する。
なお、S380にて判断されるイオン電流検出装置3の異常としては、点火プラグ7aの「くすぶり」等によってイオン電流検出装置3が正常に動作しないセンサの劣化、イオン電流検出装置3からの検出信号の入力経路がグランドラインに接触するグランドショート、等が考えられる。
このように、本実施形態では、CPU50が図11の異常判定処理を実行することにより、AD変換装置20からADC異常信号が出力されていないときに、AD変換装置20のコンデンサアレイ32が初期化スイッチ34を介して初期化されたときの計測時間Tsが下限値未満であれば、イオン電流検出装置3からの検出信号の入力経路が断線していると判断し、その計測時間Tsが上限値以上であれば、AD変換装置20のコンデンサアレイ32が初期化スイッチ35を介して初期化されたときの計測時間Tsが下限値未満であるか否かを判断して、その計測時間Tsが下限値未満であるときに、AD変換装置20のマルチプレクサ22内でイオン電流検出装置3から検出信号を取り込むのに使用された入力信号選択スイッチが断線していると判断するようにされている。
これは、表1の左欄に示すように、第1センサ1としてのイオン電流検出装置3側の検出信号の入力経路が断線していれば(センサ断線)、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ34にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1は、電源ラインの電位(VDD)に対応した最大値に固定されて、計測時間Tsは下限時間未満となるので、第1実施形態のように、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ34にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1から、センサ断線を判定することはできるものの、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ34にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1がグランドラインの電位(GND)に対応した最小値に固定されて、計測時間Tsが上限時間以上となったときには、第1センサ1(イオン電流検出装置3)が故障(劣化又はグランドショート)しているとは限らず、マルチプレクサ22内で第1センサ1(イオン電流検出装置3)からの検出信号を取り込む入力信号選択スイッチSW1がオンしないとき(スイッチ断線)にも、同様の状態となるためである。
Figure 0004779793
つまり、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ34にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1がグランドラインの電位(GND)に対応した最小値に固定されて、計測時間Tsが上限時間以上となった場合、表1の右欄に示すように、入力信号選択スイッチSW1が断線していれば、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ35にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1が電源ラインの電位(VDD)に対応した最大値に固定されて、計測時間Tsが下限時間未満となり、第1センサ1(イオン電流検出装置3)が故障(劣化又はグランドショート)していれば、コンデンサアレイ32を初期化スイッチ35にて初期化したときに得られるAD変換結果AD1がグランドラインの電位(GND)に対応した最小値に固定されて、計測時間Tsが上限時間以上となる。
そこで、本実施形態では、コンデンサアレイ32の初期化に用いる初期化スイッチを、各気筒の点火毎に、グランドライン側の初期化スイッチ34と電源ライン側の初期化スイッチ35とに交互に変更し、その各初期化スイッチ34、35でコンデンサアレイ32を初期化した際に得られる計測時間Tsの違いから、第1センサ1(イオン電流検出装置3)の故障とマルチプレクサ22内の入力信号選択スイッチSW1の断線とを識別するようにしているのである。
このため、本実施形態によれば、AD変換装置20側で検出することのできない「スイッチ断線」についても、CPU50側で検出することができるようになり、その異常時のフェールセーフ制御を適正に行うことができる。
なお、本実施形態では、CPU50での異常判定処理を、イオン電流検出装置3から検出信号を取り込むときの動作を例に採り説明したが、表1に示すように、プルアップ抵抗R1を介して電源ラインに接続された入力ラインから検出信号を入力してくる第1センサ1の場合、計測時間Tsが上限時間以上となるのは、AD変換結果AD1がグランドラインの電位(GND)に対応した最小値になったときに対応し、計測時間Tsが下限時間未満となるのは、AD変換結果AD1が電源ラインの電位(VDD)に対応した最大値になったときに対応することから、イオン電流検出装置3以外の第1センサ1からの検出信号を、AD変換装置20を介して取り込む際には、図11の異常判定処理において、AD変換結果が最大値若しくは最小値に固定されたか否かを判断することにより、入力信号選択スイッチSW1の断線を識別することができるようになる。
また、プルダウン抵抗R2を介してグランドラインに接続された入力ラインから検出信号を入力してくる第2センサ2の場合、コンデンサアレイ32の初期化に使用する初期化スイッチ34、35と、第2センサ2や入力信号選択スイッチSW2の異常時に得られるAD変換結果AD2との関係は、表2に記載のようになり、第1センサ1から検出信号を取り込むときと同様の手順で、異常内容を識別することはできないものの、表2に従い図11の異常判定処理を変更すれば、上記と同様に、入力信号選択スイッチSW1の断線を識別することができるようになる。
Figure 0004779793
[変形例3]
次に上述した各実施形態では、AD変換装置20の制御部40は、AD変換周期内の比較期間中に、図3、図4に示した異常チェック処理(1)、(2)を実行することにより、基準電圧選択スイッチSWa、SWbを順にオンし、そのときコンパレータ42から出力される信号レベルに基づき、AD変換装置20の自己診断を行うものとして説明したが、このような異常チェック処理(1)、(2)では、マルチプレクサ22の異常は検出できるものの、ADCスイッチ28や初期化スイッチ34(又は34、35)に生じた異常については検出することができない。
そこで、ADCスイッチ28や初期化スイッチ34(又は34、35)に生じた異常についても、AD変換装置20の制御部40にて検出できるようにするには、図3に示すように、サンプリングスイッチ26がオフされ、ADCスイッチ28がオンされる初期化期間中に、コンパレータ42からの出力に基づき異常チェックを行う異常チェック処理(3)を実行するようにするとよい。
以下、この異常チェック処理(3)を図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図12のフローチャートは、図10に示した第2実施形態のAD変換装置20のように、AD変換装置20に2種類の初期化スイッチ34、35が設けられている場合の異常チェック処理(3)の手順を表している。
この異常チェック処理は、図3に示すように、2つの初期化スイッチ34、35の何れかがオンされる初期化期間中(より好ましくは初期化期間の終了間際)に制御部40において実行される処理である。
そして、図12に示すように、この異常チェック処理(3)が開始されると、制御部40は、まずS510にて、コンデンサアレイ32の初期化にはグランドライン側の初期化スイッチ34が使用されているか否かを判断する。そして、コンデンサアレイ32の初期化にグランドライン側の初期化スイッチ34が使用されている場合には、S520に移行して、コンパレータ42から出力される異常判定用信号は、コンパレータ42への入力電位がグランド電位であるときに対応したローレベルとなっているか否かを判断し、異常判定用信号がローレベルであれば、初期化スイッチ34、35及びADCスイッチ28は正常に動作しているものとして、当該異常チェック処理(3)を終了する。
一方、S520にて、異常判定用信号がローレベルではないと判断された場合には、S530にて、初期化スイッチ34、35又はADCスイッチ28に異常があると判断してCPU50にADC異常信号を出力した後、当該異常チェック処理(3)を終了する。
また、S510にて、コンデンサアレイ32の初期化にはグランドライン側の初期化スイッチ34は使用されていないと判断された場合、つまり、コンデンサアレイ32の初期化に電源ライン側の初期化スイッチ35が使用されている場合には、S540に移行して、コンパレータ42から出力される異常判定用信号は、コンパレータ42への入力電位が電源電圧であるときに対応したハイレベルとなっているか否かを判断する。
そして、S540にて、異常判定用信号がハイレベルであると判断されると、初期化スイッチ34、35及びADCスイッチ28は正常に動作しているものとして、当該異常チェック処理(3)を終了し、逆に、S540にて、異常判定用信号がハイレベルではないと判断された場合には、S550にて、初期化スイッチ34、35又はADCスイッチ28に異常があると判断してCPU50にADC異常信号を出力した後、当該異常チェック処理(3)を終了する。
このように、異常チェック処理(3)では、初期化期間中にコンデンサアレイ32の充電電圧が初期化スイッチ34、35に対応したグランド電位(GND)又は電源電圧(VDD)になったか否かをコンパレータ42からの出力に基づき判定し、コンデンサアレイ32の充電電圧が初期化スイッチ34、35に対応したグランド電位(GND)又は電源電圧(VDD)になっていなければ、初期化スイッチ34、35又はADCスイッチ28に異常が生じているものと判断して、CPU50にADC異常信号を出力する。
従って、AD変換装置20の制御部40で、異常チェック処理(1)、(2)、(3)を実行するようにすれば、マルチプレクサの異常だけでなく、初期化スイッチ34、35やADCスイッチ28の異常についても検出することができるようになり、AD変換装置20の自己診断機能を向上することができる。
なお、図12に示した異常チェック処理(3)は、AD変換装置20に2種類の初期化スイッチ34、35が設けられているときの処理であるが、AD変換装置20にグランドライン側の初期化スイッチ34だけが設けられているときには、異常チェック処理(3)において、S520及びS530の処理を実行するようにすればよく、AD変換装置20に電源ライン側の初期化スイッチ35だけが設けられているときには、異常チェック処理(3)において、S540及びS550の処理を実行するようにすればよい。
[変形例4]
次に、上記各実施形態では、AD変換装置20からCPU50に出力されるAD変換結果及びADC異常信号は、AD変換装置20が実行するAD変換処理に同期して変化することになるが、AD変換装置20でのAD変換は、通常、10μs毎といった非常に短い間隔にて実施されるため、CPU50側でそのAD変換周期に同期してADC異常信号をモニタするようにすると、CPU50での処理負荷が高くなってしまう。
また、AD変換装置20から出力されるADC異常信号は、ノイズによるコンパレータ42の誤動作等によって、一時的に正規の信号レベルとは異なるものになることも考えられるが、CPU50側で、AD変換装置20からのADC異常信号をAD変換周期に同期して取り込み、上述の異常判定処理を実行するようにすると、その異常判定処理を誤って実行してしまうことも考えられる。
そこで、AD変換装置20から出力されたADC異常信号はCPU50のラッチポートに入力して、CPU50側では、AD変換周期よりも長く処理負荷を抑えることのできる一定周期(例えば、4ms毎)にてラッチ信号をモニタし、更に、ADC異常信号の1回のラッチでAD変換装置20の異常を判定するのではなく、ADC異常信号のラッチが所定回数(例えば、10回)連続したときに、AD変換装置20の異常を判定して、その旨を報知するための警報ランプを点灯したり、AD変換装置20からの検出信号の取り込みを中止して内燃機関を安全に停止させるフェールセーフ処理を起動するようにしてもよい。
そしてこのためには、CPU50において、本発明の装置状態判定手段として、図13に示すADC異常判定処理を実行するようにすればよい。
すなわち、図13に示すADC異常判定処理は、CPU50において、所定時間毎(例えば4ms毎)に実行される処理であり、処理が開始されると、まずS610にて、ラッチポートにADC異常信号がラッチされているか否かを判断する。そして、ADC異常信号がラッチされていなければ、S660にて異常カウンタをクリアした後、当該処理を終了する。
一方、S610にて、ADC異常信号がラッチされていると判断されると、S620に移行して、異常カウンタをインクリメント(+1)し、続くS630にて、ラッチポートにおけるADC異常信号のラッチをクリアする。
そして、続くS640では、異常カウンタの値が、予め設定された異常判定回数(例えば10回)に達しているか否かを判断し、異常カウンタの値が異常判定回数に達していなければ、当該処理をそのまま終了し、逆に、異常カウンタの値が異常判定回数に達していれば、S650に移行し、AD変換装置20に異常があると判断して、その旨を報知するための警報ランプを点灯すると共に、AD変換装置20からの検出信号の取り込みを中止して内燃機関を安全に停止させるフェールセーフ処理を起動し、当該処理を終了する。
このように、CPU50において、図13に示すADC異常判定処理を実行するようにすれば、CPU50の処理負荷を軽減することができると共に、CPU50側でノイズ等の影響を受けることなく、AD変換装置20の異常判定を行うことができるようになる。
なお、AD変換装置20からCPU50にAD変換結果やADC異常信号を出力する際には、図1に示したように、AD変換装置20とCPU50とをこれら各データ及び信号を直接伝送可能な信号線(バス)で接続するのではなく、AD変換装置20とCPU50とをシリアル通信用の一本の通信線で接続して、AD変換装置20とCPU50との間の通信によって、AD変換装置20からCPU50にAD変換結果とADC異常信号とを送信するようにしてもよい。
そして、このように構成した場合には、CPU50側で図13に示したADC異常判定処理を実行する度に、AD変換装置20からADC異常信号を取得するようにすればよい。
第1実施形態のエンジンECU全体の構成を表すブロック図である。 第1実施形態のAD変換装置の構成を表すブロック図である。 第1実施形態のAD変換装置の動作を説明するタイムチャートである。 第1実施形態のAD変換装置の制御部で実行される異常チェック処理(1)、(2)を表すフローチャートである。 第1実施形態のエンジンECUに接続されるイオン電流検出装置及びその入力回路を表す電気回路図である。 図5に示したイオン電流検出装置を用いた失火判定及びセンサ異常判定の動作を説明するタイムチャートである。 第1実施形態のCPUにて実行される異常判定処理を表すフローチャートである。 変形例1のAD変換装置の構成を表すブロック図である。 変形例2のAD変換装置の構成を表すブロック図である。 第2実施形態のAD変換装置の構成を表すブロック図である。 第2実施形態のCPUにて実行される異常判定処理を表すフローチャートである。 変形例3のAD変換装置の制御部で実行される異常チェック処理(3)を表すフローチャートである。 変形例4のCPUにて実行されるADC異常判定処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1…第1センサ、2…第2センサ、3…イオン電流検出装置、3a…検出回路、5,6…出力機器、7…点火装置、7a…点火プラグ、7b…点火コイル、L1…一次巻線、L2…二次巻線、10…エンジンECU(電子制御装置)、11,12,13…入力回路、R1,R11…プルアップ抵抗、R2…プルダウン抵抗、20…AD変換装置、22…マルチプレクサ、SW1,SW1…入力信号選択スイッチ、SWa,SWb…基準電圧選択スイッチ、24…サンプリングアンプ、26…サンプリングスイッチ(入力スイッチ)、28…ADCスイッチ(入力スイッチ)、30…比較部、32…コンデンサアレイ、34,35…初期化スイッチ、40…制御部、42,44,46…コンパレータ。

Claims (19)

  1. 直流電源の正極側又は負極側に接続された正極側電源ライン又は負極側電源ラインにプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して接続され、AD変換対象となる複数の入力信号をそれぞれ取り込むための複数の入力ラインと、
    前記各入力ラインに入力された複数の入力信号の一つを選択して後段の伝送ラインへと出力するマルチプレクサと、
    該伝送ラインに入力スイッチを介して接続され、該入力スイッチのオン時に前記マルチプレクサを介して入力された入力信号をサンプルホールドするサンプルホールド手段と、
    該サンプルホールド手段にサンプルホールドされた入力信号の信号レベルを数値化するAD変換手段と、
    前記サンプルホールド手段の前記入力スイッチへの接続部を前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインに接続し、前記サンプルホールド手段を初期化する初期化スイッチと、
    前記マルチプレクサを制御することにより、前記マルチプレクサから前記伝送ラインに入力される入力信号を所定のAD変換周期で順次変更すると共に、該AD変換周期内に、前記初期化スイッチ及び前記入力スイッチを順にオン/オフさせて前記AD変換手段を起動することにより、前記サンプルホールド手段の初期化、前記サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング、及び、前記AD変換手段による入力信号の数値化を順に実行させるAD変換制御手段と、
    を備えたAD変換装置において、
    前記マルチプレクサに、前記伝送ラインに基準電圧を入力する基準電圧選択スイッチを設けると共に、
    前記伝送ラインの電位と予め設定された異常判定電位とを比較する比較手段と、
    前記AD変換周期に同期し、且つ、前記AD変換制御手段によるAD変換動作に影響を与えることのない実行条件下で、前記基準電圧選択スイッチをオンして、前記マルチプレクサから前記伝送ラインに前記基準電圧を入力させ、そのとき前記比較手段により得られる比較結果が前記基準電圧に対応した比較結果とは異なる場合に、当該AD変換装置の異常を判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とするAD変換装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング期間を除く実行条件下で、前記基準電圧選択スイッチをオンさせ、当該AD変換装置の異常を判定することを特徴とする請求項1に記載のAD変換装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記AD変換手段による入力信号の数値化期間中に、前記基準電圧選択スイッチをオンさせ、当該AD変換装置の異常を判定することを特徴とする請求項2に記載のAD変換装置。
  4. 前記マルチプレクサには、前記基準電圧選択スイッチとして、前記正極側電源ライン及び前記負極側電源ラインと、前記伝送ラインとをそれぞれ接続する2つのスイッチが設けられており、
    前記異常判定手段は、該2つの基準電圧選択スイッチを前記実行条件下で交互にオンさせ、各基準電圧選択スイッチのオン時に、前記比較手段による比較結果に基づき、当該AD変換装置の異常を判定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のAD変換装置。
  5. 前記2つの基準電圧選択スイッチは、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと、前記伝送ラインとをそれぞれ抵抗を介して接続するよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載のAD変換装置。
  6. 前記比較手段として、前記2つの基準電圧選択スイッチに対応して設定された2種類の異常判定電位と前記伝送ラインの電位とを各々比較する2つの比較手段を備え、
    前記異常判定手段は、該2つの比較手段の比較結果に基づき当該AD変換装置の異常を判定することを特徴とする請求項5に記載のAD変換装置。
  7. 前記入力スイッチは、前記伝送ラインに直列に設けられた2つのスイッチからなり、
    前記比較手段は、該2つの入力スイッチの間の伝送ラインの電位と前記異常判定電位とを比較するよう構成され、
    前記AD変換制御手段は、前記サンプルホールド手段の初期化期間中は、前記2つの入力スイッチのうち、マルチプレクサ側の入力スイッチをオフ、サンプルホールド手段側の入力スイッチをオンし、前記サンプルホールド手段による入力信号のサンプリング期間中に、前記2つの入力スイッチを共にオンするように構成され、
    前記異常判定手段は、前記サンプルホールド手段の初期化期間中に、前記基準電圧選択スイッチを駆動することなく前記比較手段による比較結果を取り込み、該比較結果が前記初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段に印加される電圧に対応した比較結果とは異なる場合にも、当該AD変換装置の異常を判定することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のAD変換装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載のAD変換装置を備え、該AD変換装置を介して、制御対象各部の状態を検出する複数のセンサからの検出信号を順次取り込み、該取り込んだ複数のAD変換結果に基づき制御対象を制御する電子制御装置であって、
    前記AD変換装置を介して取り込んだAD変換結果が正常であるか否かを判定する変換結果判定手段と、
    前記AD変換装置の異常判定手段にて前記AD変換装置の異常が判定された否かを判定する装置状態判定手段と、
    前記変換結果判定手段及び装置状態判定手段の判定結果に基づき、前記AD変換装置に接続されたセンサの異常と前記AD変換装置自体の異常とを識別する異常内容識別手段と、
    を備えたことを特徴とする電子制御装置。
  9. 前記変換結果判定手段は、前記AD変換結果が前記正極側電源ライン及び前記負極側電源ラインの電位に対応した最大値及び最小値の一方に固定されているときに、前記AD変換結果が異常であると判断し、
    前記異常内容識別手段は、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が異常であると判定され、且つ、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側で異常が判定されたと判定された場合に、前記AD変換装置側に異常があると判断することを特徴とする請求項8に記載の電子制御装置。
  10. 前記変換結果判定手段は、前記AD変換結果が前記正極側電源ライン及び前記負極側電源ラインの電位に対応した最大値及び最小値の一方に固定されているときに、前記AD変換結果が異常であると判断し、
    前記異常内容識別手段は、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が異常であると判断され、且つ、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定された場合に、前記AD変換結果に対応したセンサ側に異常があると判断することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の電子制御装置。
  11. 前記AD変換装置において、前記初期化スイッチは、前記プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して前記入力ラインに接続される第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインを、前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続するよう構成されており、
    前記異常内容識別手段は、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が前記第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断された場合に、前記センサ側が断線していると判断することを特徴とする請求項10に記載の電子制御装置。
  12. 前記AD変換装置において、
    前記初期化スイッチは、前記プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して前記入力ラインに接続される第1電源ラインを前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続する第1初期化スイッチと、該第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインを前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続する第2初期化スイッチとからなり、
    前記AD変換制御手段は、前記マルチプレクサを介して入力される入力信号毎に、AD変換時に前記サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを、前記第1初期化スイッチと前記第2初期化スイッチとの何れかに変更するよう構成されており、
    前記異常内容識別手段は、
    前記AD変換装置にて前記AD変換制御手段が前記第2初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が前記第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断された場合に、前記センサ側が断線していると判断し、
    前記AD変換装置にて前記AD変換制御手段が前記第2初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が前記第2電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されると、更に、前記AD変換制御手段が前記第1初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が前記第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断されたか否かを判定し、
    前記AD変換制御手段が前記第1初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに前記変換結果判定手段にて前記AD変換結果が前記第1電源ラインの電位に対応した値に固定されていると判断された場合に、前記AD変換装置の入力信号選択スイッチが断線していると判断し、そうでなければ、前記センサ側に異常があると判断することを特徴とする請求項10に記載の電子制御装置。
  13. 前記センサとして、
    一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生した高電圧を点火プラグに印加して点火プラグの電極間に火花放電を発生させる点火コイルの二次巻線に接続され、点火プラグの火花放電後に点火電流とは逆方向に電流を流してその電流値を検出するイオン電流検出装置を備え、
    該イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果の異常を判定する変換結果判定手段として、
    前記点火コイルの一次巻線への通電開始後の所定期間の間、前記イオン電流検出装置から前記AD変換装置を介して入力される電流値が予め設定された異常判定用しきい値を越えた時間を計測し、該計測時間が予め設定された下限時間と上限時間との間の許容範囲から外れた場合に、前記イオン電流検出装置からの検出信号のAD変換結果に異常があると判断する計測時間判定手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の電子制御装置。
  14. 前記異常内容識別手段は、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記許容範囲から外れたと判断され、且つ、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側で異常が判定されたと判定された場合に、前記AD変換装置側に異常があると判断することを特徴とする請求項13に記載の電子制御装置。
  15. 前記異常内容識別手段は、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記許容範囲から外れたと判断され、且つ、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側で異常が判定されていないと判定された場合に、前記イオン電流検出装置側に異常が生じたと判断することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電子制御装置。
  16. 前記AD変換装置において、前記初期化スイッチは、前記プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して前記入力ラインに接続される第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインを、前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続するよう構成されており、
    前記異常内容識別手段は、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記下限時間よりも短いと判断された場合に、前記イオン電流検出装置が断線していると判断することを特徴とする請求項15に記載の電子制御装置。
  17. 前記AD変換装置において、
    前記初期化スイッチは、前記プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を介して前記入力ラインに接続される第1電源ラインを前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続する第1初期化スイッチと、該第1電源ラインとは極性の異なる第2電源ラインを前記サンプルホールド手段の前記接続部に接続する第2初期化スイッチとからなり、
    前記AD変換制御手段は、前記マルチプレクサを介して入力される入力信号毎に、AD変換時に前記サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを、前記第1初期化スイッチと前記第2初期化スイッチとの何れかに変更するよう構成されており、
    前記異常内容識別手段は、
    前記AD変換装置にて前記AD変換制御手段が前記第2初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記下限時間よりも短いと判断された場合に、前記イオン電流検出装置が断線していると判断し、
    前記AD変換装置にて前記AD変換制御手段が前記第2初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記装置状態判定手段にて前記AD変換装置側では異常が判定されていないと判定され、且つ、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記上限時間以上であると判断されると、更に、前記AD変換制御手段が前記第1初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに、前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記下限時間よりも短いと判断されたか否かを判断し、
    前記AD変換制御手段が前記第1初期化スイッチを介して前記サンプルホールド手段を初期化したときに前記計測時間判定手段にて前記計測時間が前記下限時間よりも短いと判断された場合には、前記AD変換装置の入力信号選択スイッチが断線していると判断し、そうでなければ、前記イオン電流検出装置側に異常があると判断することを特徴とする請求項15に記載の電子制御装置。
  18. 前記AD変換装置において、前記A/D変換制御手段は、前記サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチの変更動作を、当該AD変換装置への電源投入直後に行い、その後は、前記サンプルホールド手段の初期化に用いる初期化スイッチを、前記第1初期化スイッチと前記第2初期化スイッチとの何れかに固定することを特徴とする請求項12又は請求項17に記載の電子制御装置。
  19. 前記装置状態判定手段は、AD変換装置の異常判定手段によりAD変換装置の異常が判定された回数若しくは頻度を計測し、前記AD変換装置による異常判定回数若しくは頻度が所定の判定値に達したときに、前記異常判定手段にてAD変換装置の異常が判定されたと判定することを特徴とする請求項8〜請求項18の何れかに記載の電子制御装置。
JP2006127567A 2006-05-01 2006-05-01 Ad変換装置及び電子制御装置 Active JP4779793B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006127567A JP4779793B2 (ja) 2006-05-01 2006-05-01 Ad変換装置及び電子制御装置
US11/790,139 US7427936B2 (en) 2006-05-01 2007-04-24 A/D converter device and electronic control apparatus including same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006127567A JP4779793B2 (ja) 2006-05-01 2006-05-01 Ad変換装置及び電子制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007300469A JP2007300469A (ja) 2007-11-15
JP4779793B2 true JP4779793B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=38647826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006127567A Active JP4779793B2 (ja) 2006-05-01 2006-05-01 Ad変換装置及び電子制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7427936B2 (ja)
JP (1) JP4779793B2 (ja)

Families Citing this family (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4619299B2 (ja) * 2006-02-06 2011-01-26 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の燃焼状態判定方法
JP4799200B2 (ja) * 2006-02-06 2011-10-26 ダイハツ工業株式会社 内燃機関のイオン電流に基づく運転制御方法
JP4445021B2 (ja) * 2008-01-22 2010-04-07 三菱電機株式会社 内燃機関点火装置
JP5016538B2 (ja) * 2008-03-28 2012-09-05 ルネサスエレクトロニクス株式会社 A/d変換装置及び方法
JP5155012B2 (ja) * 2008-05-23 2013-02-27 ルネサスエレクトロニクス株式会社 Ad変換器及びデータ処理装置
US7863934B2 (en) * 2008-06-24 2011-01-04 Macronix International Co., Ltd. Adjusting method and circuit using the same
JP4924905B2 (ja) * 2008-08-08 2012-04-25 株式会社デンソー 車両の制御装置
JP5254714B2 (ja) * 2008-09-05 2013-08-07 株式会社マキタ 電動工具用マイコン搭載システム及び電池パック
JP4592796B2 (ja) * 2008-12-15 2010-12-08 三菱電機株式会社 アナログ入力信号を有する電子制御装置
JP2010237079A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Renesas Electronics Corp 断線検出回路及び断線検出方法
EP2246984B1 (de) * 2009-04-28 2013-07-03 VEGA Grieshaber KG Diagnoseschaltung zur Überwachung einer Analog-Digital-Wandlungsschaltung
JP2011077847A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Renesas Electronics Corp A/dコンバータ及びそのオープン検出方法
JP5509943B2 (ja) * 2010-03-11 2014-06-04 富士電機株式会社 電流出力装置
JP5787127B2 (ja) * 2010-09-03 2015-09-30 富士電機株式会社 電力変換装置の保護回路
JP5110154B2 (ja) 2010-11-10 2012-12-26 株式会社デンソー 電圧検出装置および電圧検出システム
JP5832751B2 (ja) * 2011-01-19 2015-12-16 アルプス電気株式会社 自己診断可能な電子回路及び磁界検出装置
US20120254803A1 (en) * 2011-03-29 2012-10-04 Intersil Americas Inc. Switch multiplexer devices with embedded digital sequencers
JP6093106B2 (ja) * 2011-03-30 2017-03-08 株式会社ケーヒン 電池電圧検出装置
JP2012245943A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Hitachi Automotive Systems Ltd 制御装置
GB2497015B (en) * 2011-06-22 2015-08-12 Ibm Retrieving status information from a remote device and corresponding host system
DE102012203670A1 (de) * 2012-03-08 2013-09-12 Robert Bosch Gmbh Analog-Digital-Wandleranordnung und zugehöriges Verfahren zur Überprüfung eines Multiplexers für einen Analog-Digital-Wandler
CN103391085B (zh) * 2012-05-10 2016-08-03 原相科技股份有限公司 共用一接脚以侦测多个按键的电路与方法及按键输入系统
TWI454721B (zh) * 2012-05-10 2014-10-01 Pixart Imaging Inc Share a pin to detect multiple keys of the circuit and the method as well as the key input system
JP5747868B2 (ja) * 2012-06-14 2015-07-15 株式会社デンソー 情報処理装置
JP2014014029A (ja) 2012-07-05 2014-01-23 Renesas Electronics Corp 半導体装置及び故障診断システム
JP5590078B2 (ja) 2012-07-17 2014-09-17 株式会社デンソー マルチプレクサの異常診断装置
JP5873839B2 (ja) * 2013-06-13 2016-03-01 日本特殊陶業株式会社 点火装置
WO2015182020A1 (ja) * 2014-05-28 2015-12-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 ブラシレスモータ駆動装置
JP6505407B2 (ja) * 2014-09-29 2019-04-24 日立オートモティブシステムズ株式会社 自動車用電子制御装置及び診断方法
JP6432302B2 (ja) * 2014-11-19 2018-12-05 株式会社デンソー アナログ・デジタル変換部の故障判定装置及びモータ制御装置
KR102305356B1 (ko) * 2014-12-18 2021-09-28 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 이를 포함하는 전자 기기
JP6252796B2 (ja) * 2015-07-10 2017-12-27 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2017063355A (ja) 2015-09-25 2017-03-30 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
US9712774B1 (en) * 2016-01-14 2017-07-18 Omnivision Technologies, Inc. Method and system for implementing dynamic ground sharing in an image sensor with pipeline architecture
JP6592114B2 (ja) * 2016-02-03 2019-10-16 ナブテスコ株式会社 計測装置
JP6656956B2 (ja) * 2016-03-07 2020-03-04 エイブリック株式会社 スイッチングレギュレータ
DE102016208181A1 (de) * 2016-05-12 2017-11-16 Robert Bosch Gmbh Steuergerät für eine Brennkraftmaschine und Betriebsverfahren hierfür
US9964599B2 (en) * 2016-06-20 2018-05-08 Lg Chem, Ltd. Diagnostic system for a DC-DC voltage converter
JP6338802B1 (ja) 2016-10-28 2018-06-06 三菱電機株式会社 アナログデジタル変換装置及びアナログデジタル変換方法
US10314507B2 (en) * 2016-11-14 2019-06-11 Biosense Webster (Israel) Ltd. ASIC with switching noise reduction
JP6772993B2 (ja) 2017-09-20 2020-10-21 株式会社デンソー アナログ−デジタル変換装置
JP7192421B2 (ja) * 2018-11-15 2022-12-20 株式会社ジェイテクト センサ情報出力装置および車両制御装置
KR102124122B1 (ko) * 2019-07-05 2020-06-17 울산과학기술원 디지털 신호 장치
US11652492B2 (en) 2020-12-30 2023-05-16 Analog Devices International Unlimited Company Signal chain with embedded power management
CN113189962A (zh) * 2021-04-20 2021-07-30 安徽江淮汽车集团股份有限公司 基于虚拟仪器的汽车加速踏板开度控制系统及方法
US11942960B2 (en) 2022-01-31 2024-03-26 Analog Devices, Inc. ADC with precision reference power saving mode

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63208326A (ja) 1987-02-24 1988-08-29 Mitsubishi Electric Corp アナログ−デイジタル変換回路
JP2657012B2 (ja) 1991-07-19 1997-09-24 三菱電機株式会社 内燃機関失火検出装置
KR950013542B1 (ko) * 1991-07-17 1995-11-08 미쓰비시 덴키 가부시키가이샤 내연기관 실화검출장치
JPH08330959A (ja) 1995-05-31 1996-12-13 Sumitomo Electric Ind Ltd A−d入力回路の故障検出方法
DE19640937B4 (de) 1996-10-04 2013-11-28 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung zur Überwachung der Meßwerterfassung bei einer Motorsteuerung
JP3361948B2 (ja) * 1997-02-18 2003-01-07 三菱電機株式会社 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP3715085B2 (ja) 1997-07-31 2005-11-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の点火プラグ診断装置
US6163291A (en) * 1998-01-21 2000-12-19 Texas Instruments Incorporated Successive approximation analog to digital converter with bit error correction
US6177899B1 (en) * 1998-07-29 2001-01-23 Etrend Electronics, Inc. Analog-to-digital converter having multiple reference voltage comparators and boundary voltage error correction
JP3505119B2 (ja) 2000-02-28 2004-03-08 株式会社日立製作所 入力回路
DE602004005570D1 (de) * 2003-01-17 2007-05-10 Koninkl Philips Electronics Nv Analog/digital-umsetzungsanordnung, verfahren zur analog/digital-umsetzung und signalverarbeitungssystem, worin die umsetzungsanordnung angewandt wird
JP2005167972A (ja) * 2003-11-12 2005-06-23 Denso Corp A/d変換処理装置、その使用方法及び電子制御装置
JP3861874B2 (ja) 2003-12-16 2006-12-27 株式会社デンソー Ad変換器の故障検出装置
US6977600B2 (en) * 2004-02-20 2005-12-20 Fujitsu Limited Determining analog error using parallel path sampling
US7215274B2 (en) * 2005-07-29 2007-05-08 Agere Systems Inc. Reference voltage pre-charge in a multi-step sub-ranging analog-to-digital converter
JP4375331B2 (ja) * 2005-12-26 2009-12-02 株式会社デンソー ノックセンサ信号処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20070252744A1 (en) 2007-11-01
US7427936B2 (en) 2008-09-23
JP2007300469A (ja) 2007-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4779793B2 (ja) Ad変換装置及び電子制御装置
JP5698590B2 (ja) 絶縁状態検出ユニットの故障検出装置
JP2014149193A (ja) 絶縁状態検出装置
US8773143B2 (en) Method and control unit for monitoring cable faults on a broadband lambda probe
US8373424B2 (en) Apparatus for detecting fault of flying capacitor of insulated condition detecting unit
JP5027285B2 (ja) スタータ駆動用半導体スイッチ装置
JP6353648B2 (ja) 半導体異常検出回路
US8648610B2 (en) Signal input circuit and integrated circuit
WO2018198631A1 (ja) 電子制御装置
JP2007047172A (ja) 自動車の外気温度センサの故障検出方法
JP4864814B2 (ja) グロープラグの故障診断装置
JP7219333B2 (ja) 負荷駆動装置、エンジンシステム
US10215809B2 (en) Method and system for verification of contact operation
KR20180103756A (ko) 점화코일 및 그 작동방법
US9217786B2 (en) Method for diagnosing a variable reluctance magnetic detection head, and detection circuit
JP4830676B2 (ja) 排気ガスセンサの故障診断装置
JP4103145B2 (ja) 入力モジュール
JP5003572B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
US11459996B2 (en) Electronic control unit
JP2005098235A (ja) 容量放電点火装置
JP6838212B2 (ja) 電子制御装置
JPH10122416A (ja) 電磁弁駆動装置
JP2015021954A (ja) 電流制御装置
CN112352095B (zh) 负载驱动电路、负载驱动系统
JP2008128223A (ja) 故障診断方法、及び故障診断システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4779793

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250