JP4778721B2 - フォークリフト用制御回路 - Google Patents

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Description

この発明は、少なくともリフトシリンダおよびチルトシリンダを備えたフォークリフト用制御回路に関する。
この種のものとして特許文献1に記載された制御回路が従来から知られているが、この従来の制御回路は、上流側のリフト用制御弁を中立位置に保ってリフトシリンダを作動させない状態で、下流側のチルト用制御弁あるいはチルト用制御弁の下流側に設けたアタッチメント用制御弁を切り換えて、チルトシリンダあるいはアタッチメント用アクチュエータを作動させると、ポンプ吐出量の全量が上記チルトシリンダあるいはアタッチメント用アクチュエータに供給される。
ところが、フォークリフトにおいては、チルトシリンダやアタッチメント用アクチュエータの容量が、リフトシリンダの半分あるいはそれ以下というのが一般的である。しかし、定吐出量形ポンプの最大吐出量は、容量の大きいリフトシリンダを基準に設定される。そのために、チルト用制御弁あるいはアタッチメント用制御弁も、大容量に対応するために、リフト用制御弁と同じ大きさのものを用いざるを得ないというのが現状である。
特開平8−91793号公報
上記のように従来のフォークリフト用制御回路では、チルト用制御弁あるいはアタッチメント用制御弁を大型化せざるを得ないので、その分、コストアップにつながるという問題があった。また、上記チルト用制御弁あるいはアタッチメント用制御弁のそれぞれを小型化する手段として、リフトシリンダ専用のポンプと、チルトシリンダあるいはアタッチメント用アクチュエータ専用のポンプとを別々に設けるということも従来から行われているが、これらもコストアップという問題を解決することができなかった。
この発明の目的は、チルト用制御弁等を小型化できるフォークリフト用制御回路を提供することである。
この発明は、定吐出量形ポンプと、この定吐出量形ポンプに接続した供給通路と、この供給通路に接続した作業機系回路とを備え、この作業機系回路には、リフトシリンダを制御するリフト用制御弁と、このリフト用制御弁の下流側にあってチルトシリンダを制御するチルト用制御弁とを接続し、これらリフト用制御弁およびチルト用制御弁が中立位置にあるとき、定吐出量形ポンプからの吐出流体は、上記両制御弁を通ってこれら制御弁に接続した中立流路を経由してタンクに導かれパラレル通路およびリフト用制御弁を介してリフトシリンダに定吐出量形ポンプからの吐出流体を供給可能にするとともに、パラレル通路およびチルト用制御弁を介してチルトシリンダに、定吐出量形ポンプからの吐出流体を供給可能にしたフォークリフト用制御回路を前提にする。
上記の制御回路を前提にしつつ、この発明は、上記リフト用制御弁とチルト用制御弁との間における上記中立流路に第1制御絞りを設けるとともに、この第1制御絞り前後の差圧を一定に保って、上記中立流路を流れる流量のうち、この第1制御絞りを通過する設定流量以上の余剰流量をタンクに戻す圧力補償弁を設ける一方、上記パラレル通路であって、リフト用制御弁に通じる分岐通路よりも下流側に第2制御絞りを設けた点に特徴を有する。
なお、この発明において、リフトシリンダを制御するリフト用制御弁と、チルトシリンダを制御するチルト用制御弁とは必須の構成要素であるが、上記チルト用制御弁の下流側に、アタッチメント用アクチュエータを制御するアタッチメント用制御弁を、必要に応じて設けてもよいが、このアタッチメント用制御弁は必ずしも絶対的な構成要素ではない。
この発明によれば、チルト用制御弁あるいはチルト用制御弁よりも下流側には、第1,2圧力補償弁で設定された設定流量以上の流量が供給されない。したがって、この設定流量をチルトシリンダあるいはアタッチメント用アクチュエータが必要とする最小限の流量に設定しておけば、それらチルトシリンダあるいはアタッチメント用アクチュエータを制御するチルト用制御弁等を小型化できる。
この発明の実施形態を示す図1において、定吐出量形ポンプPには、ポンプ通路1を接続するとともに、このポンプ通路1は優先弁2の流入ポート3に連通させている。このようにした優先弁2は、その制御流ポート4をステアリング系回路5に接続し、余剰流ポート6を作業機系回路7に接続している。
そして、上記優先弁2はステアリング系回路5に制御流量Q1を優先的に供給し、この制御流量Q1以上の余剰流量Q2を作業機系回路7に供給するが、上記制御流量Q1は制御絞り8とスプリング9とによって決められる。すなわち、上記優先弁2は、その一方のパイロット室2aに制御絞り8の上流側の圧力を導き、他方のパイロット室2bに制御絞り8の下流側の圧力を導く構成にするとともに、上記他方のパイロット室2bにスプリング9を設けている。
このようにした優先弁2は、制御絞り8前後の差圧が、スプリング9のバネ力に等しくなるように作動する。言い換えると、制御絞り8前後の差圧を一定に保って、ステアリング系回路5に供給される制御流量Q1を常に一定に保つようにしている。そして、上記制御流量Q1以上の余剰流量Q2が流入ポート3に流入したときには、その余剰流量Q2を余剰流ポート6から流出するものである。
なお、図中符号10はダンパー絞りである。
さらに、作業機系回路7には、優先弁2の余剰流ポート6に接続した供給通路11を、中立流路12とパラレル通路13とに分岐させている。このようにした中立流路12およびパラレル通路13のそれぞれには、その最上流にリフトシリンダ14を制御するリフト用制御弁15を接続し、このリフト用制御弁15の下流側に、チルトシリンダ16を制御するチルト用制御弁17を接続し、さらに、このチルト用制御弁17の下流側に、図示していないアタッチメント用アクチュエータを制御するアタッチメント用制御弁18を接続している。
そして、上記各制御弁15,17,18のそれぞれは、それらが図示の中立位置にあるとき、余剰流ポート6から流出した作動流体を、中立流路12を介してタンクTに還流させる。
上記のようにした中立流路12であって、リフト用制御弁15とチルト用制御弁17との間に、言い換えると、チルト用制御弁17の上流側に第1制御絞り19を設けるとともに、この第1制御絞り19の上流側であってリフト用制御弁15の下流側における中立流路12に接続したブリードオフ通路aを接続するとともに、このブリードオフ通路aに圧力補償弁20を設けている。
上記圧力補償弁20は、その一方のパイロット室20aを上記第1制御絞り19の上流側に接続し、他方のパイロット室20bを第1制御絞り19の下流側に接続している。しかも、この他方のパイロット室20bには、スプリング21を設けている。このようにした圧力補償弁20は、それが開くことによって、上記中立流路12を、タンク通路22を介してタンクTに連通させる。
上記のようにした圧力補償弁20は、第1制御絞り19前後の差圧が、スプリング21のバネ力に等しくなるように、その制御機能を発揮するとともに、上記差圧が必要以上に大きくなるときには、余剰流量を、タンク通路22を介してタンクTに還流させる。そして、上記第1制御絞り19前後の差圧の大きさによって、この第1制御絞りを通過する流量が決められるが、第1制御絞り19を通過できる最大流量は、第1制御絞り19の開口径と、圧力補償弁20のパイロット室20a,20bの受圧面積と、スプリング21のバネ力とを調整することによって、あらかじめ設定することができる。
今、第1制御絞り19に上記最大流量以上の流量が流れようとすると、圧力補償弁20は次のように機能する。すなわち、第1制御絞り19を通過する最大流量以上の流量に応じて、第1制御絞り19前後の差圧が大きくなる。このように差圧が大きくなれば、圧力補償弁20は、その差圧を上記スプリング21のバネ力に等しくなるまで、上記最大流量以上の流量を介してタンクTに還流させて、上記差圧を小さくする。したがって、第1制御絞り19の下流側には、上記最大流量である設定流量以下の流量のみが流れることになる。
さらに、前記パラレル通路13であって、リフト用制御弁15に通じる分岐通路23よりも下流側に第2制御絞り24を設けている。この第2制御絞り24は、パラレル通路13を経由して、チルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18に供給される流量を制御するためのものである。
なお、図中符号25はポンプ通路1に設けたメインリリーフ弁、26はステアリング系回路5の圧力を制御するリリーフ弁である。
次に、この実施形態の作用を説明する。
今、定吐出量形ポンプPが回転してポンプ通路1に作動流体が供給されると、優先弁2が機能して、一定の制御流量Q1を、常に、ステアリング系回路5に供給し、その制御流量Q1以上の余剰流量Q2を作業機系回路7に分流させる。
上記のように優先弁2から作業機系回路7に分流された作動流体は、供給通路11に供給されるが、各制御弁15,17,18が図示の中立位置にあると、それら制御弁15,17,18の中立ポートおよび中立流路12を経由してタンクTに還流される。
ただし、供給通路11に供給された作動流体が中立流路12を流れれば、上記作動流体は第1制御絞り19を通過する。このように第1制御絞り19に作動流体が流れれば、圧力補償弁20が、前記したように第1制御絞り19前後の差圧を一定に保つための制御機能を発揮するので、圧力補償弁20は、前記した設定流量以上の流量をタンクTに還流させる。言い換えると、第1制御絞り19の下流側には、上記設定流量以下の流量しか流さないので、チルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18のそれぞれは、上記設定流量を最大流量とした容量に対応できる。
また、上記のようにチルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18を中立位置に保持したまま、リフト用制御弁15を、図面右側位置である上げのポジションに切り換えたとき、リフト用制御弁15の中立ポートが完全にふさがれるとは限らない。例えば、リフトシリンダ14をインチング制御するときには、リフト用制御弁15の中立流路がかなり大きく開いたままになる。したがって、この場合には、供給通路11に供給された作動流体のほとんどが中立流路12に流出する。
しかし、この場合にも、圧力補償弁20が、前記した設定流量以上の流量をタンクTに還流させるので、第1制御絞り19の下流側には、上記設定流量以下の流量しか流さない。したがって、チルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18のそれぞれは、上記設定流量を最大流量とした容量に対応できる。
さらに、リフト用制御弁15をインチング制御時以上に大きく切り換えれば、その切り換え量に応じて、第1制御絞り19を通過する流量が少なくなる。その流量が圧力補償弁20で設定した流量以下であれば、その全量を第1制御絞り19の下流側、すなわちチルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18のそれぞれに供給する。この場合にも、チルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18位は、圧力補償弁20で設定した流量以上の流量は流れない。
また、リフト用制御弁15を、図面左側位置である下げ位置に切り方ときには、リフト用制御弁15の中立ポートは開いたままになるので、供給通路11に供給された作動流体は、中立流路12に供給されるが、この場合は、圧力補償弁20が前記したと同様に機能して、設定流量以上の流量をタンクTに還流させることになる。
一方、リフト用制御弁15を中立位置に保持するとともに、チルト用制御弁17あるいはアタッチメント用制御弁18を左右いずれかに切り換えると、中立流路12が上記制御弁17あるいは18で閉じられるので、供給通路11に供給された作動流体は、パラレル通路13に供給される。このようにしてパラレル通路13に供給された作動流体は、第2制御絞り24を経由して上記チルト用制御弁17あるいはアタッチメント用制御弁18に供給される。
したがって、上記チルト用制御弁17あるいはアタッチメント用制御弁18には、第2制御絞り24の開度に応じた流量のみが供給されるとともに、この第2制御絞り24の上流側の圧力が、メインリリーフ弁25の設定圧以上になると、当該メインリリーフ弁25が開弁することになる。
いずれにしても、上記した実施形態によれば、リフト用制御弁15の下流側に設けたチルト用制御弁17およびアタッチメント用制御弁18には、設定流量以上の流量が流れないので、それら制御弁17,18は、その設定流量を最大流量とした容量に対応できれば足りることになり、その分、それら制御弁17,18を小型化できる。
この発明の実施形態を示す回路図である。
符号の説明
P 定吐出量形ポンプ
7 作業機系回路
11 供給通路
12 中立流路
13 パラレル通路
14 リフトシリンダ
15 リフト用制御弁
16 チルトシリンダ
17 チルト用制御弁
19 第1制御絞り
20 圧力補償弁
T タンク
23 分岐通路
24 第2制御絞り

Claims (1)

  1. 定吐出量形ポンプと、この定吐出量形ポンプに接続した供給通路と、この供給通路に接続した作業機系回路とを備え、この作業機系回路には、リフトシリンダを制御するリフト用制御弁と、このリフト用制御弁の下流側にあってチルトシリンダを制御するチルト用制御弁とを接続し、これらリフト用制御弁およびチルト用制御弁が中立位置にあるとき、定吐出量形ポンプからの吐出流体は、上記両制御弁を通ってこれら制御弁に接続した中立流路を経由してタンクに導かれパラレル通路およびリフト用制御弁を介してリフトシリンダに定吐出量形ポンプからの吐出流体を供給可能にするとともに、パラレル通路およびチルト用制御弁を介してチルトシリンダに、定吐出量形ポンプからの吐出流体を供給可能にしたフォークリフト用制御回路において、上記リフト用制御弁とチルト用制御弁との間における上記中立流路に第1制御絞りを設けるとともに、この第1制御絞り前後の差圧を一定に保って、上記中立流路を流れる流量のうち、この第1制御絞りを通過する設定流量以上の余剰流量をタンクに戻す圧力補償弁を設ける一方、上記パラレル通路であって、リフト用制御弁に通じる分岐通路よりも下流側に第2制御絞りを設けたフォークリフト用制御回路。
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