JP4772459B2 - 放射性廃棄物の固化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を収納容器に充填し固化させて固化体とする放射性廃棄物の固化処理方法に関する。
原子力施設等より発生する放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理工程等から排出される高いレベルの放射能を有する高レベル放射性廃棄物、固体廃棄物として2000〜200mR/h(表面)、液体廃棄物では10−3〜10−6μCi/mlとなる低レベル放射性廃棄物、それ以外の中間のレベルとなる中レベル放射性廃棄物とに分類されている。この放射性レベルに応じて、セメント固化、ガラス固化、溶融固化などによる処理が行われている。このうち、セメント固化方法は放射性廃棄物をセメントや水とともにドラム缶中に充填して一体に固化する方法であり、安価で処理が容易なために低レベルの放射性廃棄物の処理に汎用されている。
近年、中レベルの放射性廃棄物についても、セメント固化の可能性が検討されているが、放射性レベルが高いとセメント固化体から水素が発生してドラム缶内の圧力を上昇させる懸念がある。すなわち、セメント固化体中には、間隙水や結晶水などの水分が存在するが、放射性廃棄物に含有される放射性核種濃度が比較的高いとこれらの水が放射線分解して水素ガスが発生し、長期の保管中にはドラム缶内の圧力上昇を引き起こし処分場の健全性に影響を及ぼすことが想定されるのである。
放射性廃棄物中の水分除去手段としては、放射性廃棄物を収納した放射性廃棄物用ドラム缶内部を真空乾燥する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、単に金属廃棄物等の放射性廃棄物が収納されているドラム缶内を乾燥するだけのものであり、セメント固化体そのものを乾燥する考えは示されていない。
特開2004−340814号公報
従来の固化処理方法では、放射性核種濃度が比較的高い放射性廃棄物をセメントなどの水硬性無機固化材で固化すると、水の放射線分解により水素ガスが発生し、容器内圧力上昇を引き起こす可能性があり、このガス発生を抑制する手法は確立されていない。
そこで、本発明は、放射性廃棄物を水硬性無機固化材で固化した固化体を埋設中に、放射線分解による固化体からのガス発生を抑制又は防止し、長期間の埋設処分中の収納容器内の圧力上昇を抑制又は防止して、処分場の健全性を長期間にわたって確保することができる放射性廃棄物の固化処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を固化させ固化体を処理する放射性廃棄物の固化処理方法において、納容器に前記混和物を充填しこの混和物を固化させ固化体とする固化工程と、前記固化工程を経た収納容器に蓋をして密閉する密閉工程と、を有し、前記固化工程は、前記収納容器内に充填された前記混和物を、一軸圧縮強度が1.5MPa以上、予定強度の75%以下になるまで養生させる養生工程と、前記養生工程を経た前記収納容器内の前記混和物を加熱して乾燥させる乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
上記の乾燥は、加熱による乾燥に限られず、減圧によって乾燥してもよいし、加熱と減圧を併用して乾燥してもよい。
本発明によれば、放射性廃棄物を水硬性無機固化材で固化した固化体を埋設中に、放射線分解による固化体からのガス発生を抑制又は防止し、長期間の埋設処分中の収納容器内の圧力上昇を抑制又は防止して、処分場の健全性を長期間にわたって確保することができる放射性廃棄物の固化処理方法を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理方法の手順を示すフロー図である。図1に示すように、放射性廃棄物1と水硬性無機固化材2と必要に応じて水とを混合して固化体ペースト(混和物)が作製され(S1a)、この固化体ペーストは、収納容器に収納される(S1b)。
なお、インドラムミキサなどを使用して収納容器中で混合することも可能である。
本発明の放射性廃棄物1は、中レベル放射性廃棄物である。本明細書において中レベル放射性廃棄物は、長期保存中に放射線分解して固化体から水素ガスを発生させるもので、いわゆる低レベル放射性廃棄物よりも放射性レベルの高い放射性廃棄物をいう。放射性廃棄物1は、固体状でも液体状でもよく、例えば、余裕深度処分がなされる硫酸ナトリウム廃液等の放射性廃棄物(いわゆるL1廃棄物)が挙げられる。
本発明の水硬性無機固化材2は、放射性廃棄物1を固化するものであり、セメント系の固化材等が挙げられる。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等の各種混合セメント、アルミナセメント等の各種セメントを用いることができる。
本発明の水硬性無機固化材2は、さらに、必要に応じて骨材及び/又は発泡剤を含有することができる。
骨材は、例えば、砂、砂利、石、アルミナ、シリカ微粉、人工軽量骨材、パーライト、シャモット、鉄粉、コンクリート廃材等を用いることができる。骨材を用いることにより、形成された固化体から加熱及び/又は減圧によって水分を除去することが容易になる。骨材の使用量は、特に限定されないが、水硬性無機固化材(セメント)100重量部に対し、5〜1500重量部が好ましく、100〜1000重量部がさらに好ましい。5重量部未満であると、形成された固化体から加熱等によって水分を除去しやすくするという骨材の効果が小さくなり、1500重量部を超えると強度発現性が小さくなる場合がある。
発泡剤(気泡剤)は、固化体中に空隙を形成させ、気泡コンクリート(モルタル又はセメントペーストでもよい)を得るために用いられるもので、例えば、金属アルミニウム粉末等の両性金属、界面活性剤、動物性タンパク質、樹脂石鹸等を用いることができ、少量添加で有効な点で、金属アルミニウム粉末等の両性金属、界面活性剤が好ましい。発泡剤(気泡剤)を用いることにより、形成された固化体から加熱及び/又は減圧によって水分を除去することが容易になる。
金属アルミニウム粉末等の両性金属は、化学反応で発生するガスを利用するものである。アルミニウム粉末の使用量は、特に限定されないが、セメント100重量部に対し、0.01〜0.4重量部が好ましく、0.05〜0.3重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満であると発泡量が少なく、形成された固化体から加熱等によって水分を除去しやすくなるという発泡剤添加の効果が小さくなり、0.4重量部を超えると強度発現性が小さくなる場合がある。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、起泡性に優れ、気泡が安定で、流動性が大きい点で、陰イオン性界面活性剤が好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の石鹸類、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル等のリン酸エステル等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、セメント100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜1重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満であると発泡量が少なく、形成された固化体から加熱等によって水分を除去しやすくなるという発泡剤添加の効果が小さくなり、5重量部を超えると強度発現性が小さくなる場合がある。
また、必要に応じて、流動化剤、減水剤、AE剤、高性能AE減水剤等の各種混和剤(材)を使用することができる。
流動化剤は、固化体ペーストの流動性をよくするために加える添加剤であり、例えば、縮合リン酸ナトリウム又は炭酸化合物等の無機流動化剤等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合してもよい。
なお、放射性廃棄物1が液体状の場合には水分を含むので、別途、水を添加する必要がない場合がある。放射性廃棄物1が液体状の場合は、水は必要に応じて添加すればよい。
収納容器中に形成された固化体は養生される(S2)。
本発明における養生期間は、固化体の一軸圧縮強度が、1.5MPa以上で、予定強度の75%以下となるまでの期間であり、より好ましくは1.5MPa以上で、予定強度の55%以下となるまでの期間である。本明細書において、予定強度とは、養生日数(材令)が28日の固化体の一軸圧縮強度をいう。本明細書中において一軸圧縮強度は、JIS A1108:コンクリートの圧縮強度の試験方法に従って測定される。
養生期間を、固化体の一軸圧縮強度が1.5MPa以上から、予定強度の75%以下となる期間とすることにより、形成された固化体から加熱及び/又は減圧によって水分を除去することが容易になる。
固化体の一軸圧縮強度が、1.5MPa未満であると、水硬性無機固化材2が水と十分に水和反応する前に加熱等により固化体から水分が除去されてしまうので、水和反応が不十分となり、強度発現性が小さくなる。固化体の一軸圧縮強度が、予定強度の75%を超えると、形成された固化体から加熱等によって水分を除去しやすくなる効果が小さくなる。
養生日数と一軸圧縮強度との関係はセメントの種類、温度によって異なってくる。早強ポルトランドセメントを用いて、養生温度が15〜20℃の場合には、一軸圧縮強度が予定強度の75%になる養生日数は、7日に対応する。また、同じ条件で、一軸圧縮強度が予定強度の55%になる養生日数は、3日に対応する。
養生方法は、特に限定されるものではなく、例えば、気乾養生、湿空養生、加熱促進養生(蒸気養生等)等のいずれの手法が採用されてもよいが、収納容器に蓋をして静置養生
することが好ましい。
加熱及び/又は減圧して固化体から水分が除去(乾燥)される(S3)。このとき発生するオフガス3は、後述する水分分離手段によりオフガス3中の水蒸気が吸着、凝縮等されて除去された(S4)後、放射性核種を含有する場合には、後述するオフガス処理手段に導入され、放射性核種を吸着、燃焼等して除去される(S5)。
加熱処理温度は、50℃以上500℃未満であることが好ましい。50℃未満であると、固化体からの水分の除去が不十分であり、500℃以上であると固化体中の水酸化カルシウムが分解され、固化体の内部組織が損傷するおそれがある。ただし、アルミナセメントについてはカルシウムアルミネートを主成分とし耐熱性があるため、100℃以上1600℃以下であることが好ましい。
加熱処理時間は、8時間以上20時間以下が好ましい。加熱処理時間が8時間未満であると固化体からの水分の除去が不十分となるおそれがある。また、加熱処理時間が約20時間のときに水分の除去量はほぼ飽和するため、20時間を越えると加熱による水分除去の効果が小さくなる。
減圧は、処理圧力が0kPa以上1kPa以下であることが好ましい。1kPaを超えると、固化体からの水分の除去が不十分な場合がある。
上述の固化体を十分に加熱及び/又は減圧して水分を除去した(S3)後に、収納容器に蓋をして密閉する(S6)。この蓋の外周を溶接することにより又は蓋と収納容器との間にシール材を介在させて、収納容器は密閉される。これにより、埋設処分後も長期に収納容器内への水の浸入を防止できる。
この固化体を収納した収納容器は蓋をして密閉した後に、埋設処分施設において埋設処分される(S7)。
このように構成された本実施の形態において、放射性廃棄物1を水硬性無機固化材2で固化した固化体を形成し、十分に加熱等して水分を除去することにより、この固化体を埋設中に放射線分解による固化体からのガス発生を抑制又は防止することができる。
その際、養生期間を、固化体の一軸圧縮強度が1.5MPa以上から、予定強度の75%以下となる期間とすることにより、形成された固化体から加熱及び/又は減圧によって水分を除去することが容易になる。また、骨材及び/又は発泡剤を用いて固化体を形成し、かつ、固化体の一軸圧縮強度が1.5MPa以上から、予定強度の75%以下となる養生期間とすることにより、形成された固化体から加熱及び/又は減圧によって水分を除去することがさらに容易になる。
本実施の形態によれば、固化体を埋設中に放射線分解により固化体からのガス発生を抑制又は防止することができるので、放射性核種濃度が比較的高い放射性廃棄物であっても、長期間の埋設処分中の収納容器内の圧力上昇を抑制又は防止でき、処分場の健全性を長期間にわたって確保することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理装置について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理装置の構成を示す図である。放射性廃棄物の固化処理装置10は、ミキサー11と、収納容器12と、移送装置13と、水分除去装置14と、水分分離手段15と、オフガス処理手段16と密閉手段(図示せず)とから構成されている。
ミキサー11は、放射性廃棄物1と水硬性無機固化材2とを含有する固化体ペーストを混合するもので、混合手段として機能する。ミキサー11は、特に限定されるものではなく、例えば、オムニミキサー、パン型ミキサー、二軸練りミキサー等の各種ミキサーを用いることができる。
収納容器12は、ミキサー11によって混合した固化体ペースト(混和物)が収納されるもので、例えば、ドラム缶である。収納容器12の構成材料には、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ジルコニウム、チタン及び銅等を用いることができる。収納容器12内を真空乾燥する場合には、耐圧容器とすることが好ましい。
なお、インドラムミキサ等を使用して収納容器12中で混合してもよい。
移送装置13は、固化体ペースト(混和物)又は固化体が収納された収納容器12を水分除去装置14に移送するもので、例えば、ベルトコンベアーである。なお、フォークリフト等によって移送することも可能である。
水分除去装置14は、固化体ペーストが収納された収納容器12を収容し、養生した後にこの収納容器12内の固化体の水分を加熱及び/又は減圧によって除去するもので、例えば、加熱炉及び/又は真空排気手段を備えたものである。
加熱炉は、特に限定されるものではなく、例えば、抵抗加熱炉、誘導加熱炉等の各種の加熱炉を用いることができる。
真空排気手段は、特に限定されるものではなく、例えば、各種の真空ポンプを用いることができる。
減圧による水分除去は、以下のような方法で行うことができる。第一の方法は、収納容器12に真空乾燥用の専用蓋で蓋をし、収納容器12内を真空排気手段で真空乾燥する。第二の方法は、真空乾燥用の専用蓋を用いて収納容器12内を真空排気手段で真空乾燥するとともに、水分除去装置14内も真空排気手段で真空乾燥する。第三の方法は、収納容器12に蓋をせず、水分除去装置14内を真空排気手段で真空乾燥する。
水分分離手段15は、加熱及び/又は減圧により固化体から水分を除去する際に発生するオフガス3中から、吸着又は凝縮等によって水蒸気を除去する装置であり、例えば、冷却塔や乾燥剤等を備えている。
冷却塔は、オフガス3中の水蒸気を冷却し、液体又は固体にして水分を回収する装置である。乾燥剤は、オフガス3中の水分を除去するために用いる薬品で、例えば、モレキュラーシーブス、濃硫酸等が挙げられる。水分分離手段15によって、オフガス処理手段16の結露による機能低下を防止でき、また、HOとして存在するトリチウムを含む水分(つまり、TOやHTO)を除去することができる。
オフガス処理手段16は、オフガス3中に存在する放射性核種を、吸着、燃焼等により、除去する装置である。オフガス中には、水素、二酸化炭素、揮発性有機炭素化合物、塩素、ヨウ素の放射性核種(トリチウム、C−14、Cl−36、I−129)が含まれる可能性がある。
水素中に含まれるトリチウムは、水素を水に変換する酸化触媒を備えたオフガス処理手段16により除去される。水素を水に変換する酸化触媒は、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Ag、Au、Re、Cu、Ni、Co、Zn等のいずれか1種類以上の金属を備える触媒である。水素ガスをPt等の触媒を用いて酸素と加熱条件下で反応させ、生成した水を回収する。
揮発性有機炭素化合物中に含まれるC−14は、有機炭素化合物ガスを酸化する装置を備えたオフガス処理手段16により除去される。有機炭素化合物ガスを酸化する装置は、例えば、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Ag、Au、Re、Cu、Ni、Co、Zn等のいずれか1種類以上の金属を備える酸化触媒を備え、有機炭素化合物ガスを加熱酸化して二酸化炭素を生成する。このようにして生成した二酸化炭素は、固化体から発生した二酸化炭素とともにアルカリ溶液を用いたスクラバーにより炭酸イオンとして回収する。
塩素やヨウ素のようなハロゲンガス中に含まれるCl−36、I−129は、活性炭を備えたオフガス処理手段16により吸着され除去される。
密閉手段(図示せず)は、収納容器12に蓋をして密閉するものである。
ミキサー11で放射性廃棄物1と水硬性無機固化材2とを含む固化体ペーストを混合し(S1a)、この固化体ペースト(混和物)を収納容器12に収納し(S1b)、この固化体ペースト(混和物)が収納された収納容器12を、移送装置13により水分除去装置14内へ移送し、必要な期間養生して(S2)固化体を形成する。加熱及び/又は減圧して収納容器12内の固化体中から水分が除去(乾燥)される(S3)。この加熱及び/又は減圧によって固化体から発生したオフガス3は、水分分離手段15によって水蒸気が除去された(S4)後、オフガス処理手段16によってオフガス3中の放射性核種が除去される(S5)。水分除去装置14において水分が除去された固化体が充填された収納容器12に、密閉手段によって蓋を被せる。この蓋の外周を溶接することにより又は蓋と収納容器12との間にシール材を介在させて、収納容器12は密閉される(S6)。この密閉された収納容器12は、埋設処分施設において埋設処分される(S7)。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルミナセメント(東芝セラミックス株式会社製) 650重量部、水道水 350重量部をミキサーで混合し、固化体ペースト(混和物)を高さ10cm、直径5cmの型枠に分取して、24時間静置養生し、一軸圧縮強度が9.6MPa(予定強度12.8MPaの75%)の固化体を得た。得られたこの固化体を120℃で加熱して水分を除去した。
(実施例2)
アルミナセメント(東芝セラミックス株式会社製) 100重量部、シリカ微粉(東芝セラミックス株式会社製) 100重量部、アルミナ微粉(東芝セラミックス株式会社製) 100重量部、シャモット(東芝セラミックス株式会社製) 700重量部、0.1%縮合リン酸ナトリウム水溶液 250重量部を混合し、固化体ペースト(混和物)を高さ10cm、直径5cmの型枠に分取して、24時間静置養生し、一軸圧縮強度が1.0MPa(予定強度2.0MPaの50%)の固化体を得た。得られたこの固化体を120℃で加熱して水分を除去した。
(比較例1)
30日静置養生し、そのときの一軸圧縮強度が12.8MPaであった以外は実施例1と同様にして、固化体から水分を除去した。
(比較例2)
30日静置養生し、そのときの一軸圧縮強度が2.7MPaであった以外は実施例2と同様にして、固化体から水分を除去した。
各実施例および比較例の原料配合表を表1に示す。
Figure 0004772459
この結果を図3に示す。図3は、120℃で実施例1、2および比較例1、2の固化体を加熱して水分を除去したときの残存水量/初期添加水量(%)の経時変化を示す図である。
同じ組成である実施例1と比較例1、実施例2と比較例2を比較する。養生時間が24時間の固化体(実施例1、2)は、養生期間が30日の固化体(比較例1、2)と比べて、水分除去率が高いことが認められた。すなわち、養生終了時の一軸圧縮強度が1.5MPa以上で予定強度の75%以下の固化体(実施例1、2)は、養生終了時の一軸圧縮強度が1.5MPa以上で予定強度の75%以下の範囲にない固化体(比較例1、2)と比べて、水分除去率が高く、加熱による水分除去が容易であった。
また、骨材を含有する固化体(実施例2、比較例2)は、骨材を含有しない固化体(実施例1、比較例1)と比較して、水分除去率が高く、容易に水分を除去できることが認められた。
養生時間が24時間、すなわち、養生終了時の一軸圧縮強度が、1.5MPa以上から予定強度の75%以下で、かつ、骨材を含有する固化体(実施例2)は、水分除去率が最も高く、加熱による水分除去が最も容易であった。
(一軸圧縮強度試験)
実施例1の120℃での加熱処理後の固化体について一軸圧縮強度を測定したところ、21.4MPaであった。養生時間が24時間の固化体(養生終了時の一軸圧縮強度が、1.5MPa以上で予定強度の75%以下の固化体)は、養生時間が短くても評価基準値とされる1.5MPaを上回ることが確認された。
本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理方法の手順を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理装置の構成を示す図である。 120℃で各実施例および各比較例の固化体を加熱してときの残存水量/初期添加水量(%)の経時変化を示す図である。
符号の説明
1…放射性廃棄物、2…水硬性無機固化材、3…オフガス、10…放射性廃棄物の固化処理装置、11…ミキサー、12…収納容器、13…移送装置、14…水分除去装置、15…水分分離手段、16…オフガス処理手段。

Claims (10)

  1. 放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を固化させ固化体を処理する放射性廃棄物の固化処理方法において、
    納容器に前記混和物を充填しこの混和物を固化させ固化体とする固化工程と、
    記固化工程を経た収納容器に蓋をして密閉する密閉工程と、を有し、
    前記固化工程は、
    前記収納容器内に充填された前記混和物を、一軸圧縮強度が1.5MPa以上、予定強度の75%以下になるまで養生させる養生工程と、
    前記養生工程を経た前記収納容器内の前記混和物を加熱して乾燥させる乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  2. 放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を固化させ固化体を処理する放射性廃棄物の固化処理方法において、
    納容器に前記混和物を充填しこの混和物を固化させ固化体とする固化工程と、
    記固化工程を経た収納容器に蓋をして密閉する密閉工程と、を有し、
    前記収納容器内に充填された前記混和物を、一軸圧縮強度が1.5MPa以上、予定強度の75%以下になるまで養生させる養生工程と、
    前記養生工程を経た前記収納容器内の前記混和物を減圧により乾燥させる乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  3. 放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を固化させ固化体を処理する放射性廃棄物の固化処理方法において、
    納容器に前記混和物を充填しこの混和物を固化させ固化体とする固化工程と、
    記固化工程を経た収納容器に蓋をして密閉する密閉工程と、を有し、
    前記収納容器内に充填された前記混和物を、一軸圧縮強度が1.5MPa以上、予定強度の75%以下になるまで養生させる養生工程と、
    前記養生工程を経た前記収納容器内の前記混和物を減圧下で加熱して乾燥させる乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  4. 前記加熱による乾燥は、50℃以上の温度で8時間以上行われることを特徴とする請求項1又は3に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  5. 前記減圧による乾燥は、1kPa以下の減圧下で行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  6. 前記水硬性無機固化材が、骨材を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  7. 前記水硬性無機固化材が、発泡剤を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  8. 前記被処理物、水硬性無機固化材及び水の混合が、前記収納容器中で行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  9. 前記蓋は、前記収納容器に溶接又はシール材で液密的に固着されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
  10. 前記乾燥工程で発生する水蒸気は、気流によって処理装置に導かれ、吸着又は凝縮により気流から分離されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
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