JP5673435B2 - 製鋼スラグの処理方法 - Google Patents
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Description
(1)フッ素及びCOD成分を含有する製鋼スラグに水を配合して混練し、得られた混練物を密閉容器内で飽和蒸気圧下に水熱養生処理する製鋼スラグの処理方法であって、前記混練時の水の配合量は、100質量部の製鋼スラグに水を配合して混練した際に製鋼スラグの周囲に自由水が存在し始める時の水の量をA質量部として、絶乾状態の製鋼スラグ100質量部に対して0.5A質量部以上1.3A質量部以下であることを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
(2)前記水熱養生処理の処理条件が、養生温度100〜200℃及び養生時間2〜20時間であることを特徴とする(1)に記載の製鋼スラグの処理方法。
(3)前記水熱養生処理の処理条件が、養生温度140〜160℃及び養生時間4〜6時間であることを特徴とする(2)に記載の製鋼スラグの処理方法。
本発明方法では、先ず、製鋼スラグに所定量の水を配合して混練し、得られた混練物を水熱養生処理することにより、その養生物中にカルシウムシリケート水和物(CaO−SiO2−H2Oのことで、以下では「CSH」と略す。)、カルシウムアルミネート水和物(CaO−Al2O3−H2Oのことで、以下では「CAH」と略す。)、カルシウムアルミニウムシリケート水和物(CaO−Al2O3−SiO2−H2Oのことで、以下では「CASH」と略す。)等を生成させる。すなわち、製鋼スラグと水との混練物を水熱養生処理することにより、製鋼スラグ中のスラグ鉱物相(遊離CaO、Ca(OH)2、2CaO・SiO2、12CaO・7Al2O3等)が水へと溶解してCaイオン、Siイオン、Alイオンが生成し、これらのイオンが水(H2O)と反応し、CSH、CAH、CASH等の水和物が生成する。
製鋼スラグと水との混練物を水熱養生処理することによって水和物(CSH、CAH、CASH等)が生成すると、これと同時に、製鋼スラグ中のフッ素を含むスラグ鉱物相(例えば、CaF2、3CaO・SiO2・CaF2等)や、COD成分を含むスラグ鉱物相(例えば、還元性硫黄化合物としては、CaS、CaS2O3・6H2O等)からはフッ素やCOD成分が溶出する。この時、溶出したフッ素は生成した水和物に取り込まれ、また、溶出したCOD成分は水熱養生処理により酸化が促進されて水和物に取り込まれ、いずれも水和物中に固定化される。これらフッ素やCOD成分を固定化した水和物の溶解度は、製鋼スラグ中のフッ素を含むスラグ鉱物相やCOD成分を含むスラグ鉱物相の溶解度よりも低く、その結果として水熱養生処理によりフッ素やCOD成分の溶出が抑制されることになる。
未処理の製鋼スラグからカルシウムが溶出し、この溶出水のpH値を高くする原因となるスラグ鉱物相には、遊離CaO、Ca(OH)2、2CaO・SiO2等が含まれている。これらのスラグ鉱物相の溶解度は高いが、水熱養生処理により生成した水和物の溶解度は低く、更に、この水和物によって処理後の製鋼スラグの表面や内部の空隙がコーティングされるため、再生材として用いられる処理後の製鋼スラグからのカルシウムの溶出が抑制され、溶出水のpH上昇が抑制される。
すなわち、先ず、水熱養生処理により、製鋼スラグ中のスラグ鉱物相(遊離CaO、Ca(OH)2、2CaO・SiO2、12CaO・7Al2O3等)が水に溶解してCaイオン、Siイオン、Alイオンが生成し、これらのイオンが水(H2O)と反応してCSH、CAH、CASH等の水和物が生成する。そして、この時、水和物の生成と同時に、製鋼スラグ中のフッ素を含むスラグ鉱物相からはフッ素が溶出し、また、COD成分を含むスラグ鉱物相からはCOD成分が溶出するが、溶出したフッ素は生成した水和物に取り込まれ、また、溶出したCOD成分は水熱養生処理により酸化が促進されて水和物に取り込まれ、いずれも水和物中に固定化される。これらフッ素やCOD成分を固定化した水和物の溶解度は、製鋼スラグ中のフッ素を含むスラグ鉱物相やCOD成分を含むスラグ鉱物相の溶解度よりも低くて水に溶解し難くなり、水熱養生処理によりフッ素やCOD成分の溶出が抑制されることになる。また、水熱養生処理により生成した水和物の溶解度は、カルシウムの溶出や溶出水の高pH化の原因となる製鋼スラグ中のスラグ鉱物相の溶解度よりも低く、更に、この水和物により処理後の製鋼スラグの表面や内部の空隙がコーティングされるため、処理後の製鋼スラグからのカルシウムの溶出が抑制され、また、溶出水のpH低減が達成される。
すなわち、混練物を調製する際に製鋼スラグに添加する水の配合量は、100質量部の製鋼スラグに水を添加して配合した際に製鋼スラグの周囲に自由水が存在し始める時の水の量をA質量部として、製鋼スラグ100質量部に対して0.5A質量部以上1.3A質量部以下、好ましくは0.8A質量部以上1.0A質量部以下、より好ましくは1.0A質量部であるのがよい。
そして、この混練物の水熱養生処理は、常温以上300℃以下、好ましくは100℃以上200℃以下、より好ましくは140℃以上160℃以下の養生温度で2時間以上20時間以下、好ましくは4時間以上6時間以下の間、混練物の雰囲気を飽和水蒸気圧下に維持する処理条件下で行われる。この養生温度が100℃より低いと水熱養生処理の際に水和物の生成反応が促進され難くて処理時間が長くなり、反対に、200℃より高い場合にも水熱養生処理の際に水和物の生成反応が促進され難くなるほか、処理コストがかかり過ぎ、また、養生時間が2時間より短いと水熱養生処理の際に水和物の生成反応が促進され難く、反対に、20時間より長いと水熱養生処理に時間がかかり過ぎるほか、処理コストが嵩むという問題がある。
また、表3の結果を水熱時間を横軸にしてグラフ化し、得られた結果を図1〜図4に、表4の結果を製鋼スラグに対する混練物調製時の純水の配合割合(mass%)を横軸にしてグラフ化し、得られた結果を図5〜図8に示す。
試料O1〜O4、試料X1〜X4及び試料AG1〜AG4については、本発明方法の目標値(フッ素濃度:0.8mg/L以下、COD成分濃度:8mg/L以下、カルシウム濃度:70mg/L以下、pH:11.0程度以下)が同時に満たされていることが判明した(表3及び図1〜図4)。従って、水熱養生処理については、養生温度100〜200℃及び養生時間2〜20時間の処理条件で行うことが、本発明の効果(処理後の製鋼スラグからのフッ素、COD成分及びカルシウムの溶出抑制並びに溶出水のpH低減)を発揮させる上で好ましいことが判明した。
Claims (3)
- フッ素及びCOD成分を含有する製鋼スラグに水を配合して混練し、得られた混練物を密閉容器内で飽和蒸気圧下に水熱養生処理する製鋼スラグの処理方法であって、
前記混練時の水の配合量は、100質量部の製鋼スラグに水を配合して混練した際に製鋼スラグの周囲に自由水が存在し始める時の水の量をA質量部として、絶乾状態の製鋼スラグ100質量部に対して0.5A質量部以上1.3A質量部以下であることを特徴とする製鋼スラグの処理方法。 - 前記水熱養生処理の処理条件が、養生温度100〜200℃及び養生時間2〜20時間であることを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの処理方法。
- 前記水熱養生処理の処理条件が、養生温度140〜160℃及び養生時間4〜6時間であることを特徴とする請求項2に記載の製鋼スラグの処理方法。
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