JP5032755B2 - 土壌処理材及びそれを用いた土壌浄化方法 - Google Patents

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本発明は土壌中のフッ素の吸着・不溶化能に優れた土壌処理材及びそれを用いた土壌浄化方法に関する。
フッ素化合物は、洗浄剤、エッチング剤、メッキ処理剤、金属処理剤、ガラス処理剤等として種々の工業分野で用いられており、特に最近では半導体分野での使用が増えている。フッ素化合物に含まれるフッ素は少量であれば、歯質の強化等に有用であるが、多量に摂取すると健康を害するので、環境中への排出量が厳しく規制されている。環境中へのフッ素の排出量を抑制する方法としては、例えば、フッ素汚染水は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等カルシウム化合物を添加し、汚染水中のフッ素と反応させ、難溶性のフッ化カルシウムとして沈殿させた後、固液分離することでフッ素を除去している。また、フッ素を含む工業排水、フッ素汚染地下水の流入、工場跡地の残土や産業廃棄物からのフッ素の浸出等による土壌のフッ素汚染も問題となっている。しかし、土壌中に拡散したフッ素を、水中のようにカルシウム化合物と効率よく反応させることは困難であり、このため、様々なフッ素汚染土壌の浄化方法が提案されている。例えば、フッ素汚染土壌にアルミニウム塩、鉄塩の少なくとも1種添加し、pH調整剤を添加して、生成する水酸化アルミニウまたは水酸化鉄にフッ素を吸着させ、不溶化する技術(特許文献1参照)が知られている。また、鉄水酸化物及びアルミニウム水酸化物の混合物とアルミニウム固溶酸化マグネシウム粒子粉末とを含む透過性地下水浄化領域を、汚染地下水の流域に配置した汚染地下水浄化構造(特許文献2参照)や、鉄イオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオンを含む複合酸化物粒子を用いたフッ素等を吸着、不溶化する吸着剤(特許文献3参照)が提案されている。
特開2002−326081号公報 特開2005−815号公報 特開2004−298810号公報
フッ素で汚染された土壌に適用したときに、より一層フッ素の吸着能力に優れ、しかも一旦吸着したフッ素の再溶出が抑制された土壌処理材を提供することを課題とする。
本発明者らは、これらの課題を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、鉄酸化物と水酸化アルミニウムとを含む土壌処理材において、特定の比表面積を有する鉄酸化物を用いると、フッ素の吸着能が高く、しかも一旦吸着したフッ素は再溶出し難いことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、(1)少なくとも100m/gの比表面積を有する鉄酸化物と(2)水酸化アルミニウム、加水分解若しくは中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物から選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物とを含むことを特徴とするフッ素を不溶化するための土壌処理材である。
本発明の土壌処理材は、フッ素の吸着能に優れ、しかも一旦吸着したフッ素は再溶出し難いという効果を奏するものである。
本発明は、フッ素を不溶化するための土壌中処理材であって、(1)少なくとも100m/gの比表面積を有する鉄酸化物と(2)水酸化アルミニウム、加水分解若しくは中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物から選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物とを含むことを特徴とする。比表面積が前記のように大きい鉄酸化物は、物理的吸着、化学的吸着のいずれにも有利であり、水酸化アルミニウムとの相乗効果により、フッ素の吸着能力が高くなり、しかも一旦吸着したフッ素はほとんど再溶出しないと考えられる。このため、本発明の土壌処理材は、アルミニウム固溶酸化マグネシウム粒子粉末、カルシウムイオン等の第3成分を併用しなくとも、処理後に長期にわたって雨水等の自然環境に曝されても、フッ素を安定して不溶化できる。本発明の土壌処理材には、(1)の鉄酸化物に対し(2)のアルミニウム化合物がAl/Fe比で表して1〜200重量%の範囲で含まれているのが好ましい。より好ましい範囲は、2〜50重量%である。
鉄酸化物の比表面積が100m/gより小さくなると、吸着力は低くなるばかりでなく、一旦吸着したフッ素が再溶出しやすくなる。本発明における比表面積は、BET法により測定したものであり、より好ましい比表面積の範囲は150〜300m/gである。本発明における鉄酸化物には、酸化第一鉄(FeO)、酸化第二鉄(Fe)、四三酸化鉄(Fe)等の鉄の酸化物、水酸化第一鉄(Fe(OH))、水酸化第二鉄(Fe(OH))等の鉄の水酸化物、オキシ水酸化鉄(FeO(OH))、水和酸化鉄または含水酸化鉄(FeO・HO、Fe・HO等)が包含される。鉄酸化物には、これらの中から単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよい。鉄酸化物に非晶質成分が含まれていると、フッ素の不溶化能力がいっそう高くなるので好ましい。鉄酸化物の性状は、粉体状、粒状、ペレット状、ウエットケーキ状等いずれでもよい。
前記の少なくとも100m/gの比表面積を有する鉄酸化物は、例えば、第一鉄塩溶液を30〜70℃の範囲の温度下で且つpHが6〜9の範囲で中和・酸化することで得ることができる。この方法は、細部の反応条件を制御することで上記の種々の組成の鉄酸化物を得ることができ、また得られた鉄酸化物は比表面積が大きいばかりでなく、結晶性が低いので、表面の化学的活性が大きく、特に化学的吸着に有利であるので、フッ素不溶化能に優れているため好ましい。反応温度の好ましい範囲は40〜60℃であり、反応時の好ましいpHの範囲は7〜9である。第一鉄塩としては硫酸第一鉄、塩化第一鉄等を用いることができる。あるいは、硫酸法酸化チタンの製造工程、鉄鋼材料の洗浄工程等で発生する鉄成分を含む廃硫酸を第一鉄塩溶液として用いると低コストである。中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、アンモニウムガス、アンモニア水、炭酸アンモニウム等のアンモニウム化合物等の公知の塩基性化合物が挙げられる。酸化剤としては、空気、酸素、オゾン等の酸化性ガスや、過酸化水素等の酸化性化合物を用いることができ、特に、空気を溶液中を吹き込む方法は、経済的で取り扱い易く、工業的に有利である。
本発明の土壌処理材に含まれる(2)のアルミニウム化合物は、水酸化アルミニウム、加水分解若しくは中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物から選ばれる少なくとも一種である。水酸化アルミニウムには、通常のアルミニウムの水酸化物や、水和酸化アルミニウム、含水酸化アルミニウム等やそれらの混合物等のいずれを用いることもできる。水酸化アルミニウムは混合物として土壌処理材に含まれていても、前記鉄酸化物の表面に被着していても、前記鉄酸化物との複合化合物として処理材に含まれていてもよい。また、加水分解若しくは中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物としては、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルニウム等の酸性アルミニウム化合物、アルミン酸ナトリウム等の塩基性アルミニウム化合物等が挙げられる。これらは、土壌中で加水分解されて水酸化アルミニウムを生成するが、中和剤との反応により水酸化アルミニウムを生成させれば、速効性が高く好ましい。硫酸アルミニウムは硫酸バンドとして知られ、凝集剤として広く用いられているので、入手し易く低コストであるので好ましい。併用する中和剤としては、具体的には、酸性アルミニウム化合物に対しては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等のアンモニウム化合物等の塩基性化合物を用いることができる。また、酸性アルミニウム化合物に対しては、例えば、硫酸、塩酸等の無機酸、酢酸、ギ酸等の有機酸等の酸性化合物を用いることができる。
本発明の土壌処理材には、更にマンガン酸化物が含まれていると、フッ素の不溶化能力がいっそう高くなるので好ましい。マンガン酸化物としては、マンガンの酸化物、水酸化物、水和酸化マンガン、含水酸化マンガン等のいずれでもよい。また、マンガン酸化物は、前記(1)の鉄酸化物及び(2)のアルミニウム化合物との混合物として処理材に含まれていてもよいが、鉄酸化物との複合化合物として鉄酸化物中に含まれているのが特に好ましい。マンガン酸化物の含有量は、Mn/Fe比で表して1〜20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜15重量%の範囲である。マンガン酸化物と鉄酸化物との複合化合物は、例えば、鉄酸化物を製造する際に、第一鉄塩溶液に予め硫酸マンガン、塩化マンガン等のマンガン化合物を添加しておき、その後、同様に加熱、中和・酸化することで得られる。また、硫酸法酸化チタンの製造工程から複製する廃硫酸には、所望量のマンガン塩が含まれているので、これを鉄源及びマンガン源として用いてもよい。
また、本発明の土壌処理材に、更に、石膏が含まれていると、フッ素の不溶化と同時に、処理土壌に強度を付与したり、本発明をスラリーで土壌に注入する場合、処理土壌が軟弱化しても土質を改良することができる。石膏は中性であるので、埋立、盛土等の再利用に適した様態とすることもできる。石膏の配合量は、適用する土質、土壌の含水率等により適宜設定するが、通常は、鉄酸化物に対し重量比(CaSO:FeO)で0.5:1〜2:1の範囲が好ましく、0.7:1〜1.5:1の範囲が更に好ましい。石膏としては、二水石膏(CaSO・2HO)、半水石膏(CaSO・0.5HO)、無水石膏(CaSO)、またはそれらを併用してもよい。石膏に硫酸法酸化チタンの製造工程、鉄鋼材料の洗浄工程等からの副生物、リン酸石膏、脱硫石膏等の副生石膏を用いると、低コストである。前述のように硫酸法酸化チタンの製造工程から発生する廃硫酸を中和して鉄酸化物または鉄酸化物とマンガン酸化物との複合化合物を得るのであれば、中和剤に水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の塩基性カルシウム化合物で中和すると、石膏と酸化鉄または水酸化鉄との混合物が得られるので、これを用いることもできる。
鉄酸化物、アルミニウム化合物、中和剤、マンガン酸化物、石膏以外にも、必要に応じて、(a)吸着材(活性炭、ゼオライト、キレート樹脂等)、(b)粘土鉱物(ベントナイト、タルク、クレー等)、(c)有機高分子(アニオン系有機高分子(ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸ソーダ−アクリルアミド共重合体、カルボキシメチルセルロースソーダ塩、デンプン−アクリル酸−アクリル酸ソーダ共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸ソーダ共重合体等)、非イオン系有機高分子(ポリアクリルアミド、アルキルセルロース、ポリエチレンオキサイド等)等)、(d)固化材(セメント、石灰等)及び固化遅延剤(クエン酸等)、(e)分散剤等を更に配合してもよい。
次に、本発明は土壌浄化方法であって、前記土壌処理材をフッ素汚染土壌に添加することを特徴とする。具体的には、一般的な土壌処理で用いられている公知の方法を用いることができ、例えば、フッ素汚染土壌に処理材を直接投入する所謂原位置浄化法が適用できる。本発明では、フッ素を長期間安定して不溶化できるので、フッ素を不溶化した後の処理材は、特に回収する必要が無く、低コストで土壌を浄化できる。原位置浄化方法において、土壌へ処理材を投入するには、土壌を掘り起こし処理材と混合した後埋め戻す、スラリー状にした処理材を土壌に注入する等、土壌の性状、地形等に応じて適宜選択でき、特に制限は無い。また、土壌中に処理材を含む層を形成し、この層を地下水が透過する際に、地下水に含まれるフッ素を不溶化することもできる。前記土壌処理材に含まれる各成分の添加順序には特に制限は無く、また、各成分は単独で添加しても、混合物として添加してもよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
硫酸第一鉄溶液(Feとして6.7g/リットル)7リットルを45℃に昇温し、pHが8.5となるように20%水酸化ナトリウムを添加しながら、溶液中に空気を吹き込み、鉄の酸化率が100%となるまで酸化した後、濾過、洗浄し、120℃で3時間乾燥して比表面積が180m/gの非晶質のオキシ水酸化鉄(FeO(OH))(試料a)を得た。試料aに、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウム(Al(SO・18HO)、中和剤として炭酸ナトリウム(NaCO)を、表1に示す配合量(重量比)で添加して本発明の土壌処理材(試料A)を得た。尚、試料Aに含まれる硫酸アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して5重量%である。
実施例2
実施例1において、水酸化ナトリウムに替えて水酸化カルシウムを用いた以外は実施例1と同様にして、比表面積が230m/gの非晶質のオキシ水酸化鉄(FeO(OH))(試料b)と焼石膏とを重量比(CaSO:Fe)で1:1の割合で含む混合物を得た。この混合物に、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウム、中和剤として炭酸ナトリウムを、表1に示す配合量(重量比)で添加して本発明の土壌処理材(試料B)を得た。試料Bに含まれる硫酸アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して5重量%である。
実施例3
実施例2において得られたオキシ水酸化鉄(試料b)と焼石膏とを重量比(CaSO:Fe)で1:1の割合で含む混合物に、水酸化アルミニウムを表1に示す配合量(重量比)で添加して本発明の土壌処理材(試料C)を得た。試料Cに含まれる水酸化アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して20重量%である。
実施例4
実施例1で得られたオキシ水酸化鉄(試料a)を水に分散して50g/リットルのスラリーとし、このスラリーに硫酸アルミニウム(Alとして50g/リットル)を添加後、pHが8.5となるように10%炭酸ナトリウム水溶液を添加して、鉄酸化物表面に水酸化アルミニウムを披着(鉄酸化物:水酸化アルミニウム=2.5:1(重量比))させた後、濾過、洗浄し、75℃で20時間乾燥して、本発明の土壌処理材(試料D)を得た。試料Dに含まれる水酸化アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して20重量%である。
実施例5
実施例1において、硫酸第一鉄溶液に替えて、硫酸第一鉄と硫酸マンガンの混合溶液(Feとして6.7g/リットル、Mnとして0.7g/リットル、Mn/Feで9.5重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、マンガン酸化物を複合化合物として含み、比表面積が250m/gの非晶質のオキシ水酸化鉄(FeO(OH))(試料c)を得た。鉄酸化物(試料c)に、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウムを、表1に示す配合量(重量比)で添加して本発明の土壌処理材(試料E)を得た。試料Dに含まれる硫酸アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して5重量%である。
比較例1
実施例2で得られた鉄酸化物(試料b)と焼石膏との混合物を、比較試料の土壌処理材とした。(試料F)
比較例2
硫酸第一鉄溶液(Feとして60g/リットル)7リットルを42℃に昇温し、20%水酸化ナトリウムでpHを7.3に調製した後、溶液中に空気を吹き込み、pHが4以下になった時点で反応を終了し、濾過、洗浄して、比表面積が60m/gの結晶性のオキシ水酸化鉄(FeO(OH))(試料d)を得た。オキシ水酸化鉄(試料d)に、硫酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムの中和等量の炭酸ナトリウムを、表1に示す配合量(重量比)で添加して比較試料の土壌処理材とした。(試料G)試料Gに含まれる硫酸アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して5重量%である。
比較例3〜6
硫酸アルミニウム及び/または硫酸第二鉄とそれらの中和等量の炭酸ナトリウムを、それぞれ表1に示す配合量(重量比)で混合して比較試料の土壌処理材を得た。(試料H〜J)試料Jに含まれる硫酸アルミニウムの含有量は、Al/Fe比で表して5重量%である。また、各成分を全く用いない場合を、比較例6とする。
評価1:フッ素溶出試験
フッ素汚染土壌(含水率21%)を目開きが2mmの篩で篩別けした後、篩下の汚染土壌100重量部に対し、実施例1〜5、比較例1〜4の試料A〜Iを、表1に示す割合で混合した。その後、常温で1日間養生した。養生試料を風乾し、乾燥品50gを500ccの超純水と混合し、6時間振とう(振とう幅:4cm、振とう速度:200回/分)を行った。30分静置後、遠心分離し、0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過した。濾液に含まれるフッ素の濃度を吸光光度法により測定した。結果を表1に示す。本発明の土壌処理材は、フッ素溶出量が環境基準の0.8mg/リットル未満であり、フッ素不溶化能が優れていることが判る。
Figure 0005032755
評価2:長期安定性試験
評価1で養生した後の汚染土の中で、実施例1、2、5、比較例1、3〜5の試料A、B、E、F、H、I、Jについて、評価1の方法において、硫酸0.754mg/試料1g(酸性雨100年分相当の酸)または消石灰2.85mg/試料1g(酸性雨500年分相当等量のアルカリ)を超純水との混合時に加える他は評価1と同様にして、フッ素濃度を測定した。結果を表2に示す。本発明の処理材は、再溶出試験でも前記環境基準以下の溶出量であり、フッ素を長期間にわたって不溶化できることが判る。特に、水酸化マンガンを含む本発明の処理材(試料E)は、フッ素再溶出の抑制効果が高いことが判る。
Figure 0005032755
本発明は、フッ素汚染土壌の浄化に有用である。

Claims (6)

  1. (1)少なくとも100m/gの比表面積を有する非晶質のオキシ水酸化鉄(FeO(OH))と(2)水酸化アルミニウム、加水分解若しくは中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物から選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物とを含むことを特徴とするフッ素を不溶化するための土壌処理材。
  2. 当該オキシ水酸化鉄に対しアルミニウム化合物をAl/Fe比で表して1〜200重量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1記載の土壌処理材。
  3. アルミニウム化合物が中和により水酸化アルミニウムを生成する化合物であって、更に中和剤を含むことを特徴とする請求項1記載の土壌処理材。
  4. 更にマンガン酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の土壌処理材。
  5. 更に石膏を含むことを特徴とする請求項1記載の土壌処理材。
  6. 請求項1記載の土壌処理材をフッ素汚染土壌に添加することを特徴とする土壌浄化方法。
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