JP5124745B2 - 成形体、及び成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自硬性を有するフライアッシュを含有する成形体用混和材、自硬性を有するフライアッシュを用いた耐硫酸性を有する成形体、及びその成形体の製造方法に関する。
コンクリート又はモルタル(以下、コンクリート等という。)は、様々な建造物等に利用され、化学的に過酷な環境下、例えば、海水、化学溶液、酸化雰囲気に直接曝されることも多い。特に、下水道施設において、コンクリート等の構造物は、化学的に過酷な環境下に晒される状態となり、硫黄塩還元細菌と硫黄酸化細菌が関与する硫化水素(HS)や硫酸(HSO)によって侵食され、これに伴って脆弱になる。したがって、下水道施設のコンクリート等の構造物は、通常の環境のコンクリート構造物に比べ耐用年数が短くなる傾向がある。
このような問題を解決するコンクリート等として、耐硫酸性を有するコンクリート等がある。耐硫酸性をもたないコンクリート等には、遊離性水酸化カルシウム(Ca(OH))が多く含まれている。
このカルシウム成分は、侵食した硫酸(HSO)と反応してエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)等を生成する。エトリンガイト等が内部で生成すると、数倍に膨張して亀裂が発生し、コンクリート等の劣化が進行する。したがって、上述の耐硫酸性コンクリート等の開発にあたっては、含まれるカルシウム成分を如何に減らすかというところに目が向けられている。
例えば、特許文献1には、細骨材とポルトランドセメントに対して、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム及び水を加え、ポルトランドセメントから発生する水酸化カルシウム(Ca(OH))の量を抑制することで耐硫酸性を向上させる旨が記載されている。
一般に、フライアッシュといっても、様々な性質を有するものがあり、例えば、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラにおいて高温で微粉石炭を燃焼させたときに発生する灰分であるフライアッシュ等が知られている。
微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュは、自硬性を有していないため、コンクリート等の結合材としては適していない。特許文献1に開示されたモルタルについても、結合材としてポルトランドセメントを用いている。すなわち、微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュを混和材とする場合には硬化促進材を混合する必要がある。また、例えば非特許文献1に開示されているように、微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュ自体が寄与してコンクリート等の耐硫酸性能を向上させているのではないことが知られている。
このように、コンクリート等に混和されていた微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュは、それのみを混和させることによって、耐硫酸性能が得られるというものではなく、また、それ自体が自硬性を有さないことから、耐硫酸性を有するコンクリートたらしめるために硬化させる硬化促進材や、耐硫酸性能を発現させるためのその他の物質を混和させる必要が生じ、コスト的に大きな負担となっていた。
特開2000−128618号公報 第58回セメント技術大会講演要旨2004、pp162−163
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来のフライアッシュと比較して、成形体とした際に、耐硫酸性能が高く、コスト的にも有利な成形体、及びその成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本件発明者等は特定量以上のカルシウム成分を含有した常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュを混和材として用いることで、コンクリート等の耐硫酸性能が従来に比べて格段に向上することを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
また、本発明に係る成形体は、自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材と、水とを混合して成形することを特徴とする。また、本発明は、ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上である自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュを含有することを特徴とする。
また、上記細骨材が、高炉スラグ細骨材であることが好ましい。
さらに、本発明に係る成形体の製造方法は、自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材と、水とを混合して成形することを特徴とする。また、本発明は、ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上である自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュを含有することを特徴とする。
ここで、常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材と、水とを混合して成形すると、成形体内部に多数の微細孔が全体にわたって導入される。
本発明によれば、セメントの代わりに自硬性を有するフライアッシュを混和材として用いることで、コンクリート等の劣化の要因となるカルシウム成分の含有量を大幅に低減させるとともに、内部全体に亘って多数の微細孔が導入された成形体を形成することができる。そのため本発明に係る成形体は、下水道施設のように化学的に過酷な環境下、例えば硫黄塩還元細菌と硫黄酸化細菌とが関与して生成した硫酸等に長期にわたって直接曝されても、この微細孔が、カルシウム成分と侵食した硫酸との反応により生成される化合物の結晶成長による膨張力を緩和するため、成形体の劣化が抑制され、構造物の耐用年数を長くすることができる。
本発明は、自硬性を有するフライアッシュを用いることで、耐硫酸性を有し、コスト的に有利な成形体を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について説明する。
本発明に係る成形体用混和材は、常圧流動床ボイラ由来で自硬性を有するフライアッシュを主成分とする。また、本発明に係る成形体は、常圧流動床ボイラ由来の自硬性を有するフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材である高炉スラグ水砕砂と、水とを混合して成形してなる。好ましくは、常圧流動床ボイラ由来の自硬性を有するフライアッシュ8〜14重量部と、高炉スラグ微粉末11〜17重量部と、高炉スラグ水砕砂75重量部とを合計100重量部として混合してなる。また、フライアッシュとしては、ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上のものが好ましい。このようなフライアッシュは、常圧流動床ボイラ内で石灰石(CaCO)と石炭とを混合して燃焼する際、灰中に生石灰(CaO)が残留することにより生成される常圧流動床石炭ボイラ由来のものである。
一般に、フライアッシュとは、石炭ボイラで石炭を燃焼したときに発生する灰を集塵装置により回収した副産物のことを指す。このフライアッシュには、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラにおいて高温で微粉石炭を燃焼させたときに発生する灰分であるフライアッシュや、石炭火力発電所の流動床ボイラにおいて粗粒石炭を低温で燃焼させたときに発生する灰分であるフライアッシュがある。一般にコンクリート等に混和材として用いられるフライアッシュは、日本全国に設置台数の多い、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュである。
この微粉炭燃焼ボイラの脱硫装置は、一般にボイラの外部に配されているため、ボイラ内で石灰石(CaCO)を用いた脱硫は行われない。また、微粉炭燃焼ボイラの温度は1300〜1600℃と高く、灰の融点を超える温度範囲で燃焼させるため、発生する灰は溶融しガラス状態で回収され、微小球の形態を呈する。微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュは、ガラスを主体とするが、石英(SiO)やムライト(3Al・2SiO)、時には磁鉄鉱(Fe)等の鉱物を少量含む。
これに対して、本発明において用いられるフライアッシュは、常圧流動床ボイラにおいて粗粒石炭を低温で燃焼させたときに発生する灰分である。流動床ボイラには加圧流動床ボイラと常圧流動床ボイラとの2形式がある。
ここで、上記2形式のボイラについて説明すると、まず、ボイラ内において、石炭粒子に下から空気の供給を増やしていくと、石炭粒子層中の気泡の上昇に伴い石炭粒子が沸騰するような流動状態になり、この流動状態下で燃料を燃やすことを流動層燃焼という。大気圧状態で流動層燃焼させるボイラを常圧流動床ボイラといい、6〜20気圧の加圧下で流動層燃焼させるボイラを加圧流動床ボイラという。
流動床ボイラは石炭等の化石燃料をはじめ、廃棄物等を燃料として当初はバブリング型常圧流動床ボイラを中心に実用化されてきた。その後、バブリング型常圧流動床ボイラでは達成が難しかった燃焼効率の向上・燃料供給口の減少・低NO化(多段燃焼)・層内管の摩耗抑制・負荷変動の単純化等の課題の克服を目指して循環流動層ボイラの実用化が進んだ。その後、CO等の環境問題から発電効率の向上を目指した加圧流動床ボイラの開発が進められ実用化されている。本実施例においては、住友共同電力株式会社の常圧流動床ボイラ(バブリング型流動床ボイラと循環流動層ボイラ)において生成される灰分をフライアッシュとして用いている。
この常圧流動床ボイラの特徴は、ボイラ内で粗粒石炭を燃焼する際に、石灰石(CaCO)を投入することによりボイラ内で脱硫するシステムを取り入れていることである。また、常圧流動床ボイラの温度は850〜900℃と微粉炭燃焼ボイラの温度に比べて低く、灰の融点を超えることがないため、微粉炭燃焼ボイラ灰は微小球の形態を呈するのに対して、常圧流動床ボイラ灰は角張った微粉状態で回収される。
本発明に用いられる常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュは、灰長石(CaO・Al・2SiO)や珪灰石(CaO・SiO)等のCaO−Al−SiO系鉱物の他、これらが硫黄や水と結合した水酸エレスターダイト(6CaO・3SiO・3CaSO・CaO(OH))を含む場合がある。また、石灰分は遊離状態でも存在し、生石灰(CaO)や無水石膏(CaSO)を含む。
ここで、本発明に用いられるフライアッシュは、ボイラ内で粗粒石炭を流動燃焼及び炉内脱硫するために、石灰石(CaCO)を投入しているので、微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュと比べて、生石灰(CaO)の含有量が多くなっている。このため、常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュは自硬性を有し、本発明においては結合材としての役割を果たす。
本発明に用いられるフライアッシュとしては、常圧流動床ボイラ灰由来の自硬性を有するフライアッシュであり、かかるフライアッシュは、通常、ブレーン比表面積5500cm/g以上、10000cm/g以下、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上、15重量%以下で、角張った微粉状物である。本発明において用いるフライアッシュの比表面積が5500cm/g未満で、生石灰(CaO)濃度が3重量%未満の場合には、耐硫酸性効果や自硬性の発現が低くなる。
なお、上述のブレーン比表面積とは、JIS−A6201 8.5.2に記載の如くJIS−R5201 7.1に準拠し計測される値である。
高炉スラグ微粉末は、高炉において銑鉄を製造する際に副産物として得られる高炉スラグを、水又は空気で急激に冷却し、微粉砕したものである。高炉スラグ微粉末は、生石灰(CaO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)を主成分としており、潜在水硬性を有する。本発明において、高炉スラグ微粉末は結合材としての役割を果たす。
高炉スラグ水砕砂は、高炉において銑鉄を製造する際に発生する高炉スラグに加圧水を噴射して、急冷したものを軽破砕し、粒度、粒形を整えたものであり、本発明においては、細骨材の役目をする。カルシウム成分が多い高炉スラグ水砕砂を細骨材として用いることで、成形体の耐硫酸性能の向上に寄与する。なお、高炉スラグ水砕砂と同等の比重、圧縮強度が得られる細骨材又は骨材を混入すればよく、勿論高炉スラグ水砕砂に限定されない。
本発明に係る成形体は、上述の各材料を、自硬性を有するフライアッシュ5〜20重量部、好ましくは10〜15重量部と、高炉スラグ微粉末5〜20重量部、好ましくは10〜18重量部と、高炉スラグ水砕砂等の細骨材とを合計100重量部となるように混合し、これに適量の水を加えて、混練し、型枠に流し込むことで成形し、硬化させることが好ましい。
本発明においては、フライアッシュの量が5重量部よりも少ないと、初期強度が弱くなり、20重量部よりも多いと、長期強度が弱くなる。また、高炉スラグ微粉末は、5重量部よりも少ないと、長期強度が弱くなる傾向が見られ、20重量部よりも多いと、初期強度が弱くなる傾向が見られる。
本発明に係る耐硫酸性を有する成形体の硬化は次のように進行する。すなわち、潜在水硬性を有する高炉スラグは、本発明に用いられるフライアッシュの水和挙動によるアルカリ成分の刺激作用によりその潜在水硬性の発現が促進されて水硬反応が始まる。この高炉スラグの水和反応が始まると、アルカリ成分(水酸化カルシウム)を副生しながら反応が進行する。
高炉スラグの上記反応により副生される水酸化カルシウムは強度発現、成形体の緻密化に寄与することになるが、余剰の水酸化カルシウムは本発明に用いられるフライアッシュの水硬反応(ポゾラン反応)に消費され、生成する珪酸カルシウム水和物(C−S−H)が空隙を埋めて組織を緻密化するように作用する。さらに、本発明に用いられる常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュは、自硬性を有する結果、高炉スラグの硬化と相まって成形体の硬化が進行する。
以上のように製造される本発明に係る成形体は、その内部全体に亘って多数の微細孔が導入される。本発明に係る成形体は、下水道施設のように化学的に過酷な環境下、例えば硫黄塩還元細菌と硫黄酸化細菌とが関与して生成した硫酸等に長期にわたって直接晒されても、この微細孔が、カルシウム成分と侵食した硫酸との反応により生成される化合物の結晶成長による膨張力を緩和するため、成形体の劣化が抑制され、構造物の耐用年数を長くすることができる。
続いて、実施例により本発明を詳述する。
1.モルタルの調製
(1)使用材料
セメント:ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製、比重3.14)
混和材 :常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュ(住友共同電力(株)製、比重2.44、ブレーン比表面積6550cm/g(F1)、比重2.17、ブレーン比表面積8400cm/g(F2))
高炉スラグ微粉末(新日鐵高炉セメント(株)製、比重2.91)
細骨材 :高炉スラグ水砕砂(鋼管鉱業(株)製、比重2.81)
混合砂(川砂と山砂を質量比1:1で混合、粒径5.0mm未満、比重2.55)
水 :水道水
(2)配合
モルタルの配合を表1に示す。ここで、表1における符号は、
F1:CaO含有量がフライアッシュの質量を基準(100質量%)として13.1質量%の常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュ、
F2:CaO含有量がフライアッシュの質量を基準(100質量%)として4.4質量%の常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュ、
BF:高炉スラグ微粉末、
B1:F1(又はF2)とBFとを混合した結合材、
B2:ポルトランドセメント、
S1:高炉スラグ水砕砂、
S2:混合砂、
W :水、をそれぞれ示している。
結合材(F1,F2,BF,B2)の括弧内の数字は、各結合材の混合比(質量%)を示し、比較データの単位量はg(グラム)である。配合NO.1〜4は、本発明に係る耐硫酸性を有する成形体である。配合NO.2は、配合NO.4に比べて、常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュにおけるCaO含有量が多い。配合NO.5と6は、セメントを含有するモルタルで、耐硫酸性成形体との比較のために設けた。配合NO.5は、標準モルタルであり、配合NO.6は、上記標準モルタルの細骨材に高炉スラグ水砕砂を使用している。
Figure 0005124745
(3)混練方法
混練はホバート型モルタルミキサを使用し、ブリーディング等の材料分離を抑制するためにダブルミキシング法にて行った。この際、一次水率は23%としている。
2.評価試験
表1に示すモルタル配合について、(イ)耐硫酸性試験、(ロ)曲げ強度試験、(ハ)圧縮強度試験、(ニ)EPMA分析を実施した。試験方法及び試験結果を以下に示す。
(1)試験方法
(イ)耐硫酸性試験
・試験体
JIS−R5201に準拠して作製したモルタルを4×4×4cmの型枠を用いて、1配合につき3体作製した。
・養生方法
材齢1日で脱型後、材齢21日まで20℃で水中養生した。
・試験方法
養生後の試験体を硫酸水溶液に浸漬し、1、2、4、8、16、32日経過後にそれぞれ取り出し、外観観察及び、重量測定を行った。なお、本試験において用いた硫酸水溶液は、濃度10%の硫酸水溶液を使用した。また、試験体を浸漬した硫酸水溶液は、各試験体に対し500cm用い、7日毎に全量を交換した。
(ロ)曲げ強度試験
・試験体
JIS−R5201に準拠して作製したモルタルを4×4×4cmの型枠を用いて、1配合につき3体作製した。
・養生方法
材齢1日で脱型後、材齢21日まで20℃で水中養生した。
・試験方法
JIS−R5201に準拠して、材齢90日における曲げ強度試験を実施した。
(ハ)圧縮強度試験
・試験体
JIS−R5201に準拠して、4×4×16cmの試験体を、1配合につき3体作製した。
・養生方法
材齢1日で脱型後、材齢21日まで20℃で水中養生した。
・試験方法
JIS−R5201に準拠して、材齢90日における圧縮強度試験を実施した。
(ニ)EPMA(電子線マイクロアナライザ)分析
・試験体
JIS−R5201に準拠して作製したモルタル(4×4×16cm)を切断して、4×4×4cmに成形した。
・養生方法
材齢1日で脱型後、材齢21日まで20℃で水中養生した。
・試験方法
養生後の試験体を温度20℃、濃度10%の硫酸水溶液に浸漬し、浸漬材齢32日における試験体の硫酸水溶液に晒された表面部と、硫酸水溶液に晒されていない中心部とをそれぞれ切り出し、真空乾燥器内で24時間乾燥させた。乾燥した試験体をメタクリル樹脂に埋め込み、該樹脂の硬化後、研磨及び炭素蒸着して、硫黄(S)、カルシウム(Ca)、珪素(Si)、及びアルミニウム(Al)の4元素についてEPMA分析を実施した。
・測定条件
使用装置:日本電子(株)社製電子線マイクロアナライザJXA−8621M
加速電圧:15kV
プローブ電流:5×10−8
プローブ径:0.5μmφ
計数時間:40msec
ピクセル数:400×400
ピクセルサイズ:2μm
標準試料:S(Anhydrite、SO=58.8%)、Ca,Si(Wollastonite、CaO=48.3%、SiO=51.7%)、Al(AdulariaAl=20.0%)
(2)試験結果
(イ)耐硫酸性試験
耐硫酸性試験の試験結果を表2に示す。
Figure 0005124745
(ロ)曲げ強度試験、(ハ)圧縮強度試験
曲げ強度試験、圧縮強度試験の試験結果を表3に示す。表3の各値は3つの測定値の平均である。
Figure 0005124745
(ニ)EPMA分析
EPMA分析の分析結果を表4に示す。表4における各値は、それぞれの元素の酸化物状態での質量濃度を示している。
Figure 0005124745
配合NO.1の試験体中心部のEPMAによる分析結果を図1に示す。また、配合NO.5の試験体中心部のEPMAによる分析結果を図2に示す。
上記試験結果から、表2に示すように、常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュを混和材として用いた配合NO.1〜4のモルタルは、セメントを用いた配合NO.5及び6のモルタルに比べて、耐硫酸性能が格段に向上した。すなわち、ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上である自硬性を有するフライアッシュ5〜20重量部、高炉スラグ微粉末5〜20重量部、及び、細骨材とを合計100重量部として、これと水とを混合し成形してなる成形体は、耐硫酸性能が格段に向上する(表1と表2とを参照。)。
表2において配合NO.2と4との比較から、常圧流動床ボイラ灰の生石灰(CaO)の含有量を増量させた方が良好な耐硫酸性能を示した。すなわち、本発明に用いるフライアッシュとしては、常圧流動床ボイラ内で石灰石(CaCO)と石炭とを混合して燃焼する際、混合する石灰石(CaCO)の量を脱硫に用いる量よりも多くすることにより、生石灰(CaO)が多く残留した常圧流動床ボイラ灰を用いることによって、さらに、耐硫酸性能が向上する。
表3に示すように、材齢90日における本発明に係る成形体の強度はJIS規格に十分に適うものであった。これは、常圧流動床ボイラ灰に含まれる生石灰(CaO)が水硬性を有するため、生石灰(CaO)を含有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュは結合材の役割を果たす。さらに、本発明に用いられる常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュは、低温で燃焼されており、角張った微粉であることが関与するためと考えられる。
図1と図2との比較から、常圧流動床ボイラ灰を用いた成形体は、標準モルタルと比較して、内部に多数の微細孔を含有する組織となっており、SO濃度の高い部分は微細孔や骨材の周辺に認められることが判明した。これは多数の微細孔において石膏等が多く生成したためと考えられる。常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュを用いた成形体は、多数の微細孔を含有し、硫酸との反応により生成する石膏等がその微細孔に生成して石膏等の結晶成長に伴う膨張が緩和されるため、成形体の劣化が抑制され、耐硫酸性能が格段に向上するものと考えられる。
以上、具体的実験結果を参照しながら説明したように、本発明によれば、セメントの代わりに常圧流動床ボイラ由来の自硬性を有するフライアッシュを混和材として用いることで、コンクリート等の劣化の要因となるカルシウム成分の含有量を大幅に低減させるとともに、成形体の内部全体に亘って多数の微細孔が導入される。本発明に係る成形体は、下水道施設のように化学的に過酷な環境下、例えば硫黄塩還元細菌と硫黄酸化細菌とが関与して生成した硫酸等に長期にわたって直接晒されても、この微細孔が、カルシウム成分と侵食した硫酸との反応により生成される化合物の結晶成長による膨張力を緩和するため、成形体の劣化が抑制され、構造物の耐用年数を長くすることができる。
したがって、コンクリート等の耐硫酸性能を向上させる自発水硬性を有する混和材、硬化促進材を混合しなくても硬化して耐硫酸性を有する成形体を生成することができ、コスト的に有利であるとともに、従来廃棄物とされていた流動床ボイラ灰を有効利用することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である
硫酸浸漬後の本発明に係るモルタルの試験体中心部のEPMAによる分析結果であって、(A)組織像を示す図、(B)SO濃度の分布を示す図である。 硫酸浸漬後の従来のモルタルの試験体中心部のEPMAによる分析結果であって、(A)組織像を示す図、(B)SO濃度の分布を示す図である。

Claims (5)

  1. ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上である自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材と、水とからなる成形体。
  2. 上記細骨材が、高炉スラグ細骨材であることを特徴とする請求項1記載の成形体。
  3. ブレーン比表面積5500cm/g以上、生石灰(CaO)濃度が3重量%以上である自硬性を有する常圧流動床ボイラ由来のフライアッシュと、高炉スラグ微粉末と、細骨材と、水とを混合し、成形する成形体の製造方法。
  4. 上記細骨材が、高炉スラグ細骨材であることを特徴とする請求項3記載の成形体の製造方法。
  5. 上記フライアッシュ5〜20重量部、上記高炉スラグ微粉末5〜20重量部、及び、上記細骨材ととを合計100重量部とし、水と混合することを特徴とする請求項3又は4記載の成形体の製造方法。
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