JP2020001954A - セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】フライアッシュを多く含む場合であっても、強度発現性に優れ、乾燥収縮の小さいセメント組成物を提供する。【解決手段】普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むものであり、鉄率が1.85〜2.03であるクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm2/gを超える石灰石粉末及び/又はブレーン比表面積が3,000cm2/g以上である高炉スラグ粉末と、フライアッシュを含み、クリンカー粉末と石膏(SO3換算)の合計100質量%中、石膏(SO3換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、クリンカー粉末、石膏(SO3換算)、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末、並びに、フライアッシュの合計100質量%中、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の割合が1.0〜10.0質量%かつフライアッシュの割合が10質量%を超え、40質量%以下であるセメント組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント組成物に関する。
セメントの一部をフライアッシュで置換してなるフライアッシュ混合セメントは、水酸化カルシウムとフライアッシュのポゾラン反応により、安定なケイ酸カルシウム水和物等の化合物を生成して緻密な組織を形成する。そのため、フライアッシュ混合セメントは、水密性、化学抵抗性、及び、長期強度発現性に優れている。
また、ポゾラン反応による発熱量は、ポルトランドセメントの水和による発熱量に比べて少ないため、フライアッシュ混合セメントの水和熱は、ポルトランドセメントの水和熱よりも少なくなる。また、フライアッシュは、それ自体、球状の微粒子であるから、ボールベアリング作用により、コンクリート等の流動性を向上させることができ、それゆえ、コンクリート等の製造における単位水量を少なくすることができ、フライアッシュ混合セメントを用いた硬化体の乾燥収縮を小さくすることができる。
さらに、フライアッシュ混合セメントは、セメント製造時のCO排出量や、原料である石灰石や化石燃料などの天然資源の使用量を少なくすることができる点や、副産物であるフライアッシュを有効活用できる点などで、環境負荷の低減効果を有している。
フライアッシュ混合セメントはこのように多くの長所を有するが、一般社団法人セメント協会のホームページによると、2014年度のフライアッシュ混合セメントの生産高は74千t/年である。該生産高は、セメントの総生産高(56,700千t/年)の0.13%に過ぎない。このようにフライアッシュ混合セメントが普及しない理由として、例えば、初期の強度発現性が低いため、所定の強度を得るまでに長期の養生を要する点等が挙げられる。
かかるフライアッシュ混合セメントの強度発現性を向上させるための方法として、燃料となる石炭の性状や火力発電所の運転状態により品質が変動するフライアッシュの中から、好ましい品質を有するフライアッシュを評価して選別することなどが提案されている。
例えば、特許文献1では、石炭灰を大量に含む、強度発現性の良好なモルタルやコンクリート組成物のセメント/石炭灰比(質量比)は、石炭灰の20%のスラリー液のpHが11.0以上の場合に、0.5以上、該pHが9.0以上、11.0未満の場合に、0.7以上、該pHが6.0以上、9.0未満の場合に、1.0以上に定めている。
また、特許文献2には、安定的に良好な強度発現性を有するセメントの製造に適したフライアッシュは、リートベルト解析法で求められる格子定数が0.4935nm以下であるα−石英を含み、BET比表面積が5.0m/g以下であるものと記載されている。
特開平9−156971号公報 特開2011−20867号公報
特許文献1〜2に記載された発明は、石炭灰の性質によってセメント/石炭灰比を変更する方法や、特殊な評価方法を用いてフライアッシュを選別する方法であり、フライアッシュ混合セメントの強度発現性を直接的に向上させるものではない。
また、強度発現性に優れたセメント組成物を用いたモルタル等の硬化体であっても、乾燥収縮によるひび割れの発生によって、該硬化体からなる構造物の強度や耐久性が著しく低下する場合がある。このため、セメント組成物は、モルタル等の硬化体の状態において、乾燥収縮の小さいものが好ましい。
本発明の目的は、フライアッシュを多く含む(例えば、10質量%を超え、40質量%以下)場合であっても、強度発現性(特に、材齢3〜28日)に優れ、かつ、モルタル等の硬化体の状態において、乾燥収縮の小さいセメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末及び/又はブレーン比表面積が3,000cm/g以上である高炉スラグ粉末と、フライアッシュを含み、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合と、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、フライアッシュの量の合計100質量%中、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、フライアッシュの量の各割合が、特定の数値範囲内であるセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供するものである。
[1] 鉄率(I.M.)が1.85〜2.03であるポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末及び/又はブレーン比表面積が3,000cm/g以上である高炉スラグ粉末と、フライアッシュを含むセメント組成物であって、上記ポルトランドセメントクリンカー粉末が、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むものであり、上記ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、上記ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO換算)、上記石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、上記フライアッシュの量の合計100質量%中、上記石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量の割合が1.0〜10.0質量%で、かつ、上記フライアッシュの量の割合が10質量%を超え、40質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。
[2] 上記セメント組成物のブレーン比表面積が3,600〜4,500cm/gである前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記ポルトランドセメントクリンカー粉末は、水硬率(H.M.)が2.00〜2.35で、かつ、ケイ酸率(S.M.)が2.30〜2.65のものである前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記フライアッシュの単位質量中の、Na2O、K2O、MgO、SO3、TiO2、P25、及びMnOの各々の質量が、下記式(1)を満たすものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント組成物。
(Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P25+MnO)=0.10〜1.50 ・・・(1)
本発明のセメント組成物は、強度(例えば、モルタル圧縮強さ)発現性(特に、材齢3〜28日)に優れ、かつ、モルタル等の硬化体の状態における乾燥収縮の小さいものである。
本発明のセメント組成物は、鉄率(I.M.)が1.85〜2.03であるポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末及び/又はブレーン比表面積が3,000cm/g以上である高炉スラグ粉末と、フライアッシュを含むセメント組成物であって、ポルトランドセメントクリンカー粉末が、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むものであり、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、フライアッシュの量の合計100質量%中、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量の割合が1.0〜10.0質量%で、かつ、フライアッシュの量の割合が10質量%を超え、40質量%以下であるものである。以下、本発明を詳細に説明する。
1.セメント組成物の構成材料
(1)ポルトランドセメントクリンカー粉末
本発明で使用するポルトランドセメントクリンカー粉末(以下、単に「セメントクリンカー粉末」ともいう。)は、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むものである。セメントクリンカー粉末の鉄率(I.M.)は、1.85〜2.03、好ましくは1.88〜2.00、より好ましくは1.90〜1.99、特に好ましくは1.91〜1.98である。鉄率が1.85未満であると、セメント組成物の強度発現性が低下し、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮が大きくなる。鉄率が2.03を超えると、このようなセメントクリンカー粉末を、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と早強ポルトランドセメントクリンカー粉末の配合割合を調製することのみによって得ることは困難である。また、鉄率が2.03を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
セメントクリンカー粉末の水硬率(H.M.)は、セメントクリンカー粉末の調製の容易性や、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2.00〜2.35、より好ましくは2.15〜2.33、さらに好ましくは2.17〜2.32、特に好ましくは2.20〜2.30である。
セメントクリンカー粉末のケイ酸率(S.M.)は、セメントクリンカー粉末の調製の容易性や、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2.30〜2.65、より好ましくは2.35〜2.62、さらに好ましくは2.37〜2.60、さらに好ましくは2.40〜2.58、特に好ましくは2.45〜2.57である。
セメントクリンカー粉末の、ボーグ式を用いて算出した3CaO・SiO2(エーライト;以下、「CS」)ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性、強度発現性の向上、及び、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮の低減の観点から、好ましくは55.0〜70.0質量%、より好ましくは58.0〜69.0質量%、特に好ましくは60.0〜68.0質量%である。
また、セメントクリンカー粉末の、ボーグ式を用いて算出した2CaO・SiO2(ビーライト;以下、「CS」ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性、強度発現性の向上、及び、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮の低減の観点から、好ましくは7.0〜16.0質量%、より好ましくは8.0〜15.5質量%、さらに好ましくは9.0〜15.3質量%、さらに好ましくは10.0〜15.0質量%、特に好ましくは12.0〜14.9質量%である。
また、セメントクリンカー粉末の、ボーグ式を用いて算出した3CaO・Al(アルミネート相;以下、「CA」ともいう。)の含有率は、好ましくは7.5〜11.0質量%、より好ましくは8.0〜10.5質量%、さらに好ましくは8.3〜10.0質量%、特に好ましくは9.0〜9.9質量%である。
さらに、セメントクリンカー粉末の、ボーグ式を用いて算出した4CaO・Al・Fe(フェライト相;以下、「CAF」ともいう。)の含有率は、好ましくは7.0〜10.0質量%、より好ましくは7.5〜9.7質量%、特に好ましくは8.0〜9.5質量%である。
また、セメントクリンカー粉末の、ボーグ式を用いて算出したCSとCSの質量比(CS/CS)は、好ましくは8.0以下、より好ましくは3.5〜7.5、さらに好ましくは4.0〜7.3、特に好ましくは4.2〜6.0である。該比が8.0以下であれば、セメントクリンカー粉末の調製の容易性がより向上し、セメント組成物の強度発現性がより向上する。
なお、本明細書中、セメントクリンカー粉末中のC3S、C2S、C3A、C4AFの各含有率は、セメントクリンカー粉末全量(100質量%)中の割合として、セメントクリンカー原料やセメントクリンカー粉末(焼成物)の化学成分に基づき、下記のボーグの計算式を用いて算出される。
3S(質量%)=(4.07×CaO(質量%))−(7.60×SiO2(質量%))−(6.72×Al23(質量%))−(1.43×Fe23(質量%))
2S(質量%)=(2.87×SiO2(質量%))−(0.754×C3S(質量%))
3A(質量%)=(2.65×Al23(質量%))−(1.69×Fe23(質量%))
4AF(質量%)=3.04×Fe23(質量%)
セメントクリンカー粉末のフリーライムの含有率は、0.8質量%以下、好ましくは0.05〜0.7質量%、より好ましくは0.1〜0.6質量%である。該含有率が0.8質量%以下であると、セメント組成物の強度発現性がより向上する。
なお、本発明において、セメントクリンカー粉末(普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むもの)の調製に用いられる、普通ポルトランドセメントクリンカー及び早強ポルトランドセメントクリンカーの鉄率等や、CSの含有率等の鉱物組成は、調製によって得られるセメントクリンカー粉末の鉄率等やCS等の含有率の数値が、上述した数値範囲内となるように調製できるものであれば特に限定されるものではない。
また、セメントクリンカー粉末の調製における、普通ポルトランドセメントクリンカーと早強ポルトランドセメントクリンカーの配合割合は、調製によって得られるセメントクリンカー粉末の鉄率等やCS等の含有率の数値が、上述した数値範囲内となるように調製できるものであれば特に限定されるものではない。
また、セメントクリンカー粉末は、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末以外のポルトランドセメントクリンカー粉末(以下、「他のクリンカー粉末」ともいう。)を含んでいてもよいが、セメント組成物の流動性及び強度発現性等の観点から、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末および早強ポルトランドセメントクリンカー粉末のみからなるものが好ましい。
他のクリンカー粉末の量は、セメントクリンカー粉末の全量中の割合で、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
セメントクリンカー粉末のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性、及び強度発現性、さらには粉砕のコスト低減の観点から、好ましくは3,000〜4,300cm/g、より好ましくは3,100〜4,250cm/g、特に好ましくは3,200〜4,200cm/gである。
(2)石膏
本発明で使用する石膏としては、例えば、二水石膏、半水石膏、および無水石膏等が挙げられる。石膏は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、二水石膏と半水石膏の混合物を用いることが好ましい。二水石膏と半水石膏の合計100質量%中の半水石膏の割合は、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、SO換算で、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは25〜85質量%、特に好ましくは30〜80質量%である。
また、石膏のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは5,000〜15,000cm/g、より好ましくは6,000〜14,000cm/gである。
(3)石灰石粉末
本発明で使用する石灰石粉末のブレーン比表面積は、5,000cm/gを超えるものであり、好ましくは5,200〜15,000cm/g、より好ましくは5,400〜14,000cm/g、さらに好ましくは5,500〜13,000cm/g、特に好ましくは5,700〜12,000cm/gである。ブレーン比表面積が5,000cm/g以下であると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
(4)高炉スラグ粉末
本発明で使用する高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、3,000cm/g以上、好ましくは3,200〜6,000cm/g、より好ましくは3,500〜5,500cm/g、さらに好ましくは3,800〜5,200cm/g、特に好ましくは4,000〜5,000cm/gである。ブレーン比表面積が3,000cm/g未満であると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
(5)フライアッシュ
本発明で使用するフライアッシュのブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2,500〜6,000cm/g、より好ましくは2,700〜5,500cm/g、特に好ましくは3,000〜5,000cm/gである。
また、フライアッシュの単位質量中の、Na2O、K2O、MgO、SO3、TiO2、P25、及びMnOの各々の質量は、下記式(1)を満たすものが好ましい。
(Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P25+MnO)=0.10〜1.50 ・・・(1)
上記式(1)から導き出される質量比は、好ましくは0.10〜1.50、より好ましくは0.20〜1.00、さらに好ましくは0.25〜0.80、さらに好ましくは0.28〜0.70、特に好ましくは0.30〜0.60である。該質量比が上記数値範囲内であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。また、該質量比が1.50以下であれば、セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮をより小さくすることができる。
フライアッシュ中の石英の、リートベルト解析法を用いて得られた格子体積の値は、セメント組成物の強度発現性の向上、および、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮の低減の観点から、好ましくは113.5〜114.5Å、より好ましくは113.6〜114.4Å、特に好ましくは113.7〜114.3Åである。
なお、フライアッシュは、通常、石英を5〜25質量%の割合で含むものである。
フライアッシュ中の石英の、リートベルト解析法を用いて得られた格子体積の値は、該フライアッシュのX線回析図に基づき、例えば、Bruker社製の解析ソフト(商品名:「TOPAS ver2.1」)、及び、ICDD(International Centre for Diffraction Data)のPDFデータベースから得られる結晶構造データ(データベースの検索に用いられるICDD nunmber:331161(Quartz))を用いて得ることができる。
2.セメント組成物の組成(構成材料の配合)及び製造方法
(1)各材料の割合
本発明のセメント組成物において、セメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合は、1.0〜3.0質量%、好ましくは1.5〜2.9質量%、より好ましくは1.8〜2.8質量%である。該割合が1.0質量%未満であると、セメント組成物の流動性が低下する。該割合が3.0質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
また、セメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、全SO量の割合は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは1.5〜3.5質量%、より好ましくは1.7〜3.0質量%である。
本発明のセメント組成物において、セメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、フライアッシュの量の合計100質量%中、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量の割合は、1.0〜10.0質量%、好ましくは2.0〜9.0質量%、より好ましくは3.0〜8.0質量%である。該割合が上記数値範囲内であると、セメント組成物の強度発現性が向上する。
なお、本明細書中、「石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量」の語は、セメント組成物の材料として石灰石粉末と高炉スラグ粉末を併用する場合、石灰石粉末と高炉スラグ粉末の合計量を意味する。また、石灰石粉末及び高炉スラグ粉末を併用する場合、石灰石粉末と高炉スラグ粉末の混合割合は限定されるものではない。
本発明のセメント組成物において、セメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、及びフライアッシュの量の合計100質量%中、フライアッシュの割合は、10質量%を超え、40質量%以下、好ましくは13〜35質量%、より好ましくは15〜32質量%である。該割合が10質量%以下であると、セメント組成物の流動性が低下し、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮が大きくなる。また、フライアッシュの有効活用を促進する観点から好ましくない。該割合が40質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
本発明のセメント組成物は、上述したセメントクリンカー粉末、石膏、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末、並びに、フライアッシュの他に、必要に応じて、珪石粉末を、セメントクリンカー粉末100質量部に対して、5.5質量部以下の量で含んでいてもよい。
なお、本発明のセメント組成物は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、ブレーン比表面積は、3,600〜4,500cm/gであることが好ましく、3,650〜4,450cm/gであることがより好ましい。
(2)セメント組成物の製造方法
本発明のセメント組成物の製造方法としては、例えば、以下の(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)予め、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕して普通ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(以下、「OPC」ともいう。)を作製し、また、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕して早強ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(以下、「HC」ともいう。)を作製し、次いで、OPCと、HCと、石灰石粉末(ブレーン比表面積が5,000cm/gを超えるもの)及び/又は高炉スラグ粉末(ブレーン比表面積が3,000cm/g以上のもの)と、フライアッシュを混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm/g、より好ましくは3,100〜3,350cm/gとなるまで行うことが好ましい。また、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは4,100〜4,600cm/g、より好ましくは4,200〜4,600cm/g、より好ましくは4,200〜4,500cm/gとなるまで行うことが好ましい。
(b)予め、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と石灰石及び/又は高炉スラグを同時に粉砕し普通ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(OPC)を作製し、また、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕して早強ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(HC)を作製し、次いで、OPCと、HCと、フライアッシュを混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と石灰石及び/又は高炉スラグの粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm/g、より好ましくは3,100〜3,350cm/gとなるまで行うことが好ましい。なお、該粉砕によって、粉砕物に含まれる石灰石粉末のブレーン比表面積は、5,000cm/gを超えるものとなる。また、該粉砕によって、粉砕物に含まれる高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、3,000cm/g以上のものとなる。
また、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは4,100〜4,600cm/g、より好ましくは4,200〜4,500cm/gとなるまで行うことが好ましい。
(c)予め、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕して普通ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(OPC)を作製し、また、早強ポルトランドセメントと石膏と石灰石及び/又は高炉スラグを同時に粉砕して早強ポルトランドセメントクリンカー含有粉末(HC)を作製し、次いで、OPCと、HCと、フライアッシュを混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm/g、より好ましくは3,100〜3,350cm/gとなるまで行うことが好ましい。
また、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏と石灰石及び/又は高炉スラグの粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは4,100〜4,600cm/g、より好ましくは4,200〜4,500cm/gとなるまで行うことが好ましい。なお、該粉砕によって、粉砕物に含まれる石灰石粉末のブレーン比表面積は、5,000cm/gを超えるものとなる。また、該粉砕によって、粉砕物に含まれる高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、3,000cm/g以上のものとなる。
本発明のセメント組成物は、水、及び、必要に応じて配合される他の材料(例えば、細骨材、粗骨材、セメント分散剤等)と混合されることによって、ペースト、モルタル、又はコンクリートとして使用される。
セメント分散剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、又はポリカルボン酸系等の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤を使用することができる。
本発明のセメント組成物を、モルタル又はコンクリートとして使用する場合には、骨材として、モルタルやコンクリートの製造に使用される通常の細骨材(例えば、川砂、陸砂、砕砂等)や粗骨材(例えば、川砂利、山砂利、砕石等)を使用することができる。また、骨材の一部または全部として、溶融スラグ(例えば、都市ゴミ、都市ゴミ焼却灰、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる一種以上を溶融して製造されたもの)、高炉スラグ、製鋼スラグ、銅スラグ、碍子屑、ガラスカレット、陶磁器廃材、クリンカーアッシュ、廃レンガ、コンクリート廃材等の廃棄物を使用することもできる。
なお、必要に応じて、本発明の目的に支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤等の混和剤を使用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)普通ポルトランドセメント;太平洋セメント社製、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏を含みかつ石灰石粉末及び高炉スラグ粉末を含まないもの、ブレーン比表面積:3,250cm/g、上記普通ポルトランドセメントクリンカー(表1中、「普通クリンカー」と示す。)のH.M.の数値等を表1に示す
(2)早強ポルトランドセメント;太平洋セメント社製、早強ポルトランドセメントクリンカーと石膏を含みかつ石灰石粉末及び高炉スラグ粉末を含まないもの、ブレーン比表面積:4,400cm/g、上記早強ポルトランドセメントクリンカー(表1中、「早強クリンカー」と示す。)のH.M.の数値等を表1に示す
[普通ポルトランドセメントと早強ポルトランドセメントの混合物A〜Cの調製]
上記普通ポルトランドセメントと上記早強ポルトランドセメントを、適宜混合して、混合物A〜C(普通ポルトランドセメントと早強ポルトランドセメントの混合物)を得た。混合物A〜Cに含まれるポルトランドセメントクリンカー粉末(普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むもの:表1中、「クリンカーA〜C」と示す。)のH.M.の数値等を表1に示す。
[混合物Dの調製]
一般的なポルトランドセメントクリンカーの原料を用いて、H.M.等の数値が表1に示す数値である、ポルトランドセメントクリンカー粉末(表1中、「クリンカーD」と示す。)を製造した。次いで、該粉末と排脱二水石膏(粒径:0.01〜2mm程度)を、実機ボールミル(粉砕能力:130トン/時)に投入した後、同時に粉砕して比較用ポルトランドセメントである混合物Dを得た。混合物Dのブレーン比表面積は4,100cm/gであった。
混合物D中、石膏の含有率(SO換算)は1.5質量%、全SOの含有率は2.2質量%であった。また、混合物D中の二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO換算で50質量%であった。
Figure 2020001954
上記混合物A〜Dの製造で使用した材料以外の使用材料を以下に示す。
(1)石灰石粉末;ブレーン比表面積:8,500cm/g
(2)高炉スラグ粉末;ブレーン比表面積:4,800cm/g
(3)細骨材;「JIS A 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に定める標準砂
(4)セメント分散剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、BASFジャパン製、商品名「マスターグレニウムSP8N」
(5)消泡剤;非イオン界面活性剤、日華化学社製、商品名「フォームレックス747」
(6)フライアッシュA〜C;表2に示すもの
(7)水;水道水
Figure 2020001954
[実施例1〜9、比較例1〜5]
表3に示す種類の混合物及びフライアッシュ、並びに、石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末を、セメント組成物中の各材料の割合が表3に示すものとなるように、ナウタミキサを用いて混合して、セメント組成物1〜14を得た。得られたセメント組成物1〜14のブレーン比表面積を表3に示す。
なお、表3中、「石膏」(質量%)は、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合を示す。また、粉砕物中の二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO換算で30〜50質量%であった。
また、表3中、「フライアッシュ」(質量%)、「石灰石粉末」(質量%)、及び「高炉スラグ粉末」(質量%)は、各々、ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末の量、高炉スラグ粉末の量、及びフライアッシュの量の合計100質量%中、フライアッシュの量の割合、石灰石粉末の量の割合、及び、高炉スラグ粉末の量の割合を示す。
[比較例6]
上記普通ポルトランドセメント(市販されている普通ポルトランドセメントに相当するもの)をセメント組成物15とした。
セメント組成物1〜14において、セメント組成物中のセメントクリンカー粉末(普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末、又は、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むもの)のブレーン比表面積は、3,300〜3,900cm/gであった。セメント組成物15の普通ポルトランドセメントクリンカー粉末のブレーン比表面積は、2,900cm/gであった。
さらに、セメント組成物1〜15において、セメント組成物中の石膏のブレーン比表面積は、8,000〜12,000cm/gであった。
なお、セメント組成物中の特定の材料(石膏)のブレーン比表面積は、セメント組成物を走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、セメント組成物中の材料の粒子を特定し、該粒子の平均粒径を求めた後、該平均粒径から推定することができる 。
セメント組成物1〜15について、以下の評価を行った。
(1)モルタルフローの測定
水とセメント組成物の質量比(水/セメント組成物)が0.3、細骨材とセメント組成物の質量比(細骨材/セメント組成物)が1.4、消泡剤とセメント組成物の質量比(消泡剤/セメント組成物)が0.001、セメント分散剤とセメント組成物の質量比(セメント分散剤/セメント組成物)が0.0065となる量で、セメント組成物等のこれら材料を混合して、モルタルを調製した。これら材料の混練は、ホバートミキサーを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠(ただし、混練時間は、ここに記載されている時間よりも2分間長いものとした。)して行った。なお、混練に際して、セメント分散剤と消泡剤は水と同時にミキサーに投入した。
得られたモルタルについて、「JIS A 1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)」に記載されたスランプコーンを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」のフロー試験に準拠して、混練直後のモルタルフロー値を、15回の落下運動を行わないで測定した。
(2)モルタル圧縮強さの測定
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠して、材齢3日、7日、28日の各時点における、モルタル圧縮強さを測定した。
(3)乾燥収縮の測定
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠して、モルタルを調製し、「JIS A 1129−3(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第3部:ダイヤルゲージ法)」に準拠して、材齢182日におけるモルタルの乾燥収縮の値を測定した。
なお、乾燥収縮の絶対値が小さいほど、乾燥収縮の程度が小さいことを意味する。
結果を表4に示す。
なお、表4中、「―」は、測定を行っていないことを示す。
Figure 2020001954
Figure 2020001954
表4から、本発明のセメント組成物(実施例1〜9)を用いたモルタルは、モルタルフローおよびモルタル圧縮強さの大きいものであることがわかる。以下、詳しく説明する。
具体的には、混合物の種類が異なる以外は、実施例1(ポルトランドセメントクリンカー粉末のI.M.:1.92)と同じ配合割合のセメント組成物である比較例1(ポルトランドセメントクリンカー粉末のI.M.:1.83)と、実施例1を比較すると、比較例1におけるモルタル圧縮強さ(材齢3日:24.7N/mm、材齢7日:38.4N/mm、材齢28日:57.0N/mm)は、実施例1におけるモルタル圧縮強さ(材齢3日:28.4N/mm、材齢7日:44.7N/mm、材齢28日:63.8N/mm)は、よりも小さいことがわかる。さらに、比較例1におけるモルタルフロー(296mm)は、実施例1におけるモルタルフロー(300mm)よりも小さいことがわかる。
また、混合物の種類が異なる以外は、実施例1(ポルトランドセメントクリンカー粉末のI.M.:1.92)と同じ配合割合のセメント組成物である比較例2(ポルトランドセメントクリンカー粉末のI.M.:2.10)と、実施例1を比較すると、比較例2におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:61.4N/mm)は、実施例1におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:63.8N/mm)よりも小さいことがわかる。さらに、比較例2におけるモルタルフロー(238mm)は、実施例1におけるモルタルフロー(300mm)よりも極めて小さいことがわかる。
また、石灰石粉末の量の割合が異なる以外は、実施例1(石灰石粉末:4.0質量%)及び実施例2(石灰石粉末:8.0質量%)と同じ配合割合のセメント組成物である比較例3(石灰石粉末:0質量%)及び比較例4(石灰石粉末:14.0質量%)と、実施例1〜2を比較すると、比較例3〜4におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:51.5〜51.8N/mm)は、実施例1〜2におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:61.6〜63.8N/mm)よりも小さいことがわかる。さらに、比較例3におけるモルタルフロー(294mm)は、実施例1〜2におけるモルタルフロー(300〜318mm)よりも小さいことがわかる。
また、フライアッシュの量の割合が異なる以外は、実施例1(フライアッシュ:20質量%)と同じ配合割合のセメント組成物である比較例5(フライアッシュ:50質量%)と実施例1を比較すると、比較例5におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:51.7N/mm)は、実施例1におけるモルタル圧縮強さ(材齢28日:63.8N/mm)よりも小さいことがわかる。
また、フライアッシュ、石灰石粉末、及び高炉スラグ粉末を含まず、市販されている普通ポルトランドセメントに相当するセメント組成物である比較例6と、実施例1〜9を比較すると、比較例6のモルタルフロー(252mm)は実施例1〜9のモルタルフロー(288〜318mm)よりも小さく、かつ、比較例6の乾燥収縮の値の絶対値(880)は、実施例1、3、4、6、7、9の乾燥収縮の値の絶対値(660〜740)よりも大きいことがわかる。

Claims (4)

  1. 鉄率(I.M.)が1.85〜2.03であるポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末及び/又はブレーン比表面積が3,000cm/g以上である高炉スラグ粉末と、フライアッシュを含むセメント組成物であって、
    上記ポルトランドセメントクリンカー粉末が、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、及び、早強ポルトランドセメントクリンカー粉末を含むものであり、
    上記ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、
    上記ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO換算)、上記石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量、並びに、上記フライアッシュの量の合計100質量%中、上記石灰石粉末及び/又は高炉スラグ粉末の量の割合が1.0〜10.0質量%で、かつ、上記フライアッシュの量の割合が10質量%を超え、40質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。
  2. 上記セメント組成物のブレーン比表面積が3,600〜4,500cm/gである請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 上記ポルトランドセメントクリンカー粉末は、水硬率(H.M.)が2.00〜2.35で、かつ、ケイ酸率(S.M.)が2.30〜2.65のものである請求項1又は2に記載のセメント組成物。
  4. 上記フライアッシュの単位質量中の、Na2O、K2O、MgO、SO3、TiO2、P25、及びMnOの各々の質量が、下記式(1)を満たすものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物。
    (Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P25+MnO)=0.10〜1.50 ・・・(1)
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