JPH07207264A - グラウト材 - Google Patents

グラウト材

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JPH07207264A
JPH07207264A JP6005136A JP513694A JPH07207264A JP H07207264 A JPH07207264 A JP H07207264A JP 6005136 A JP6005136 A JP 6005136A JP 513694 A JP513694 A JP 513694A JP H07207264 A JPH07207264 A JP H07207264A
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義男 田中
Hiroshi Jitouzono
博 地頭薗
Keiji Saito
恵二 斉藤
Hiroichi Takiguchi
普一 瀧口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブリーディングが少なく、流動性保持時間が
長く、しかも強度発現性に優れたグラウト材を提供す
る。 【構成】 早強セメント用クリンカー、普通セメント用
クリンカー及び二水石膏を混合粉砕して得られる粉砕混
合物と無機質微粉とを含むグラウト材。早強セメント用
クリンカーと普通セメント用クリンカーとの混合割合が
重量比で1:1〜3:1。早強セメント用クリンカーと
普通セメント用クリンカーとの合計に対する二水石膏の
混合割合がSO3 換算で3〜7重量%。粉砕混合物のブ
レーン値が4000〜6000cm2 /g。 【効果】 同時に混合状態で粉砕した粉砕混合物を用い
るため、各成分が粒子レベルで均一に混合され、各々の
長所が相乗的に発現され、ブリーディングが少なく、流
動性の保持時間が長く、強度発現性に優れる。無機質微
粉を添加混合することにより、ブリーディングをより一
層少なくし、粉砕混合物のブレーン値が比較的低いもの
であっても、良好な耐ブリーディング特性を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラウト材に係り、特
に、ブリーディングが少なく、流動性保持時間が長く、
しかも強度発現性に優れたグラウト材に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物や地盤等の隙間充填に用いられる
グラウト材としては、ブリーディングが少ないこと、及
び強度発現性に優れていることに加えて、充填時の作業
時間を十分に確保する点から、流動性保持時間が長いこ
とが要求される。
【0003】従来、グラウト材としては、一般に、普通
セメント又は早強セメントが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】普通セメントを用いた
グラウト材では、ブリーディングが多く、また、流動性
の保持時間は長いものの、強度発現性が悪いという欠点
がある。
【0005】一方、早強セメントを用いたグラウト材で
も、ブリーディングが多く、また、強度発現性は良い
が、流動性の保持時間が短いという欠点がある。
【0006】普通セメントと早強セメントとを混合する
ことも考えられるが、普通セメントと早強セメントとを
単に混合したものでは、ブリーディングが多く、また、
流動性の保持時間が短く、グラウト材としての要求特性
を十分に満足し得ない。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、ブリ
ーディングが少なく、流動性保持時間が長く、しかも強
度発現性に優れたグラウト材を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のグラウト材は、
早強セメント用クリンカー、普通セメント用クリンカー
及び二水石膏を混合粉砕して得られる粉砕混合物であっ
て、早強セメント用クリンカーと普通セメント用クリン
カーとの混合割合が重量比で1:1〜3:1であり、早
強セメント用クリンカーと普通セメント用クリンカーと
の合計に対する二水石膏の混合割合がSO3 換算で3〜
7重量%であり、かつ、ブレーン値が4000〜600
0cm2 /gである粉砕混合物と、無機質微粉とを含有
することを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明のグラウト材は、早強セメント用ク
リンカー(以下「HPクリンカー」と称する場合があ
る。)と普通セメント用クリンカー(以下「NPクリン
カー」と称する場合がある。)と二水石膏とを混合粉砕
してなる粉砕混合物と、無機質微粉とを含むものであ
る。
【0011】本発明において、HPクリンカーとNPク
リンカーとの混合割合は、重量比でHPクリンカー:N
Pクリンカー=1:1〜3:1とする。HPクリンカー
がNPクリンカーに対して1重量倍よりも少ないと十分
な強度発現性が得られず、逆に3重量倍を超えると流動
性が低下する。
【0012】また、HPクリンカーとNPクリンカーと
の合計に対する二水石膏の混合割合はSO3 換算で3〜
7重量%とする。この割合が3重量%未満ではブリーデ
ィング特性が悪く、7重量%を超えると流動性の保持時
間が低下する。
【0013】本発明に係る粉砕混合物は、HPクリンカ
ー、NPクリンカー及び二水石膏を上記所定配合にてミ
ル等の混合粉砕機に投入してブレーン値4000〜60
00cm2 /gに微粉砕したものである。このブレーン
値が4000cm2 /g未満であるとブリーディングが
多くなり、6000cm2 /gを超えると水和が急速に
進行して流動性の保持時間が短くなる。
【0014】なお、この粉砕に当り、ミル出口温度は8
5℃以下となるようにするのが好ましい。即ち、ミル出
口温度が85℃を超えると、二水石膏が脱水して半水石
膏となる。半水石膏はグラウト材の流動性の保持時間を
短くするため、二水石膏の脱水による半水石膏の生成を
防止するために、ミル出口温度は85℃以下とする。こ
のようなミル出口温度とするために、ミル内散水するこ
とが必要となる場合もある。
【0015】本発明のグラウト材は、このようにして得
られる粉砕混合物と無機質微粉とを含有するものである
が、好ましい含有割合は、粉砕混合物100重量部に対
して無機質微粉10〜50重量部である。粉砕混合物1
00重量部に対して無機質微粉が10重量部未満である
とブリーディング量が多くなり、50重量部を超えると
強度発現が悪くなる。
【0016】なお、無機質微粉としては、炭酸カルシウ
ム、高炉スラグ及びシリカフューム等の1種又は2種以
上であって、ブレーン値が6000cm2 /g以上、好
ましくは6000〜10000cm2 /gのものを用い
ることができ、これらは前記粉砕混合物の粉砕混合時に
添加混合して同時粉砕混合して用いても良く、また、粉
砕混合により得られた粉砕混合物に添加混合して用いて
も良い。
【0017】本発明のグラウト材は、通常のグラウト材
と同様に使用することができ、水/セメント比50〜7
0%程度で混合した後、補修部等に充填すれば良い。な
お、必要に応じて、減水剤、発泡剤、起泡剤等を添加混
合することができる。
【0018】このような本発明のグラウト材は、PC版
舗装用裏込め材として、要求性能値を十分に満たし得る
高特性グラウト材である。
【0019】PC版舗装用速硬型裏込め材の要求性能値 JAロートによる流動性 混練直後 :15秒以下 混練30分後:17秒以下 12時間強度:20kg/cm2 以上 (16時間強度:30kg/cm2 以上) ブリーディング率:2%以下 なお、JAロートによる流動性とは、土木学会「コンク
リート標準示方書」のPCグラウト試験方法(JSCE
−1986)で規定されるものであり、強度は同PCグ
ラウト圧縮強度試験方法に、また、ブリーディング率は
同ブリーディング率試験方法にそれぞれ規定されるもの
である。
【0020】
【作用】一般にHPセメントは初期強度発現に優れてい
る。しかし、工場で製造される場合は粉砕時のミル内温
度が高くなりやすく、石膏の結晶水脱水により、半水あ
るいは可溶性無水石膏に転移する。これによりグラウト
の流動性の保持時間が極端に短く、注入作業性が悪い。
それに対して、NPセメントはHPセメントほどではな
いが、前述する理由により流動性の保持時間が短いこと
が多い。更にはグラウトとして、粉末度が低いため、ブ
リーディングが多く、強度も材齢12時間の要求基準値
を満足しない。
【0021】また、PC版裏込め用グラウトは可能な限
りブリーディングを少なくする必要がある。注入可能な
流動性の保持時間の確保とブリーディングの二つ条件を
満足するためには、早強セメントや普通セメントの単味
の使用、あるいは単なる混合では不可能であった。
【0022】まず、要求するブリーディング値まで低下
させるにはセメントの粉末度を高くすることが最も効果
的である。しかし、HPセメントの場合、粉末度を高く
すれば、極く初期の水和反応が急激に生じるため、流動
性の保持が困難となる。そこで、HPに比較し水和反応
性が低い、NPクリンカーとHPクリンカーとを適量混
合し同時粉砕し、各々の特長を効果的に作用させること
が本発明の特徴である。ここで、添加する二水石膏はブ
リーディング及び硬化体の収縮低減に寄与する。
【0023】本発明においては、HPクリンカー、NP
クリンカー及び二水石膏を同時粉砕するとともに、粉砕
過程でミル出口温度を85℃以下とし、必要であればミ
ル内散水することで、二水石膏の脱水を生起することな
く微粉砕する。それにより、各成分が粒子レベルで均一
に混合されたものとなるため、各成分の各々の長所が相
乗的に発現され、ブリーディングが少なく、流動性の保
持時間が長く、しかも強度発現性の優れたものとなる。
【0024】しかして、このような粉砕混合物に無機質
微粉を添加混合することにより、ブリーディングをより
一層少なくすることができ、上記粉砕混合物のブレーン
値が比較的低いものであっても、良好な耐ブリーディン
グ特性を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0026】実施例1〜3 HPクリンカーとNPクリンカーとを2:1(重量比)
の割合で用い、これらHPクリンカーとNPクリンカー
との合計に対して二水石膏をSO3 換算で5.0重量%
添加して、ミルで混合粉砕して、ブレーン値4400c
2 /gのグラウト材を得た。このグラウト材の化学組
成は表1に示す通りである。
【0027】
【表1】
【0028】このグラウト材を、100重量部に対し
て、無機質微粉として表2に示すものを表2に示す割合
で添加混合し、表2に示す水/セメント比(W/C:重
量%)で、セメントに対して0.8重量%の減水剤
(「マイテイ150」花王(株)製)を添加して混練
し、各々、PC版舗装用速硬型裏込め材に規定する試験
を行い、結果を表2に示した。
【0029】比較例1 無機質微粉を添加しなかったこと以外は、実施例1と同
様にして試験を行って、結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2より、HPクリンカー、NPクリンカ
ー及び二水石膏を混合状態で粉砕して得られる粉砕混合
物に無機質微粉を添加して得られた本発明のグラウト材
は、流動性保持時間、ブリーディング、強度のすべての
面において、優れた特性を示すことが明らかである。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のグラウト材
によれば、ブリーディングが少なく、流動性保持時間が
長く、しかも強度発現性に優れたグラウト材が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧口 普一 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社セメント研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 早強セメント用クリンカー、普通セメン
    ト用クリンカー及び二水石膏を混合粉砕して得られる粉
    砕混合物であって、早強セメント用クリンカーと普通セ
    メント用クリンカーとの混合割合が重量比で1:1〜
    3:1であり、早強セメント用クリンカーと普通セメン
    ト用クリンカーとの合計に対する二水石膏の混合割合が
    SO3 換算で3〜7重量%であり、かつ、ブレーン値が
    4000〜6000cm2 /gである粉砕混合物と、無
    機質微粉とを含有することを特徴とするグラウト材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135939A (ja) * 1997-07-25 1999-02-09 Mitsubishi Materials Corp 速硬性土質改良材
JP2006097235A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Sekisui Chem Co Ltd 仕上げ下地床とその施工方法
JP2020001949A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 太平洋セメント株式会社 セメント組成物及びその製造方法
JP2020001954A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 太平洋セメント株式会社 セメント組成物

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JP2020001949A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 太平洋セメント株式会社 セメント組成物及びその製造方法
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