JP6980552B2 - セメント組成物 - Google Patents
セメント組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6980552B2 JP6980552B2 JP2018023069A JP2018023069A JP6980552B2 JP 6980552 B2 JP6980552 B2 JP 6980552B2 JP 2018023069 A JP2018023069 A JP 2018023069A JP 2018023069 A JP2018023069 A JP 2018023069A JP 6980552 B2 JP6980552 B2 JP 6980552B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- amount
- cement
- cement composition
- fly ash
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/10—Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
また、ポゾラン反応による発熱量は、ポルトランドセメントの水和による発熱量に比べて少ないため、フライアッシュ混合セメントの水和熱は、ポルトランドセメントの水和熱よりも少なくなる。また、フライアッシュは、それ自体、球状の微粒子であるから、ボールベアリング作用により、コンクリート等の流動性を向上させることができ、それゆえ、コンクリート等の製造における単位水量を少なくすることができ、フライアッシュ混合セメントを用いた硬化体の乾燥収縮を小さくすることができる。
さらに、フライアッシュ混合セメントは、セメント製造時のCO2排出量や、原料である石灰石や化石燃料などの天然資源の使用量を少なくすることができる点や、副産物であるフライアッシュを有効活用できる点などで、環境負荷の低減効果を有している。
例えば、特許文献1では、石炭灰を大量に含む、強度発現性の良好なモルタルやコンクリート組成物のセメント/石炭灰比(質量比)は、石炭灰の20%のスラリー液のpHが11.0以上の場合に、0.5以上、該pHが9.0以上、11.0未満の場合に、0.7以上、該pHが6.0以上、9.0未満の場合に、1.0以上に定めている。
また、特許文献2には、安定的に良好な強度発現性を有するセメントの製造に適したフライアッシュは、リートベルト解析法で求められる格子定数が0.4935nm以下であるα−石英を含み、BET比表面積が5.0m2/g以下であるものと記載されている。
また、強度発現性に優れたセメント組成物を用いたモルタル等の硬化体であっても、乾燥収縮によるひび割れの発生によって、該硬化体からなる構造物の強度や耐久性が著しく低下する場合がある。このため、セメント組成物は、モルタル等の硬化体の状態において、乾燥収縮の小さいものが好ましい。
本発明の目的は、フライアッシュを多く含む(例えば、10質量%を超え、40質量%以下)場合であっても、強度発現性(特に、材齢3〜28日)に優れ、かつ、モルタル等の硬化体の状態において、乾燥収縮の小さいセメント組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供するものである。
[2] 上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末は、水硬率(H.M.)が2.00〜2.20で、かつ、ケイ酸率(S.M.)が2.40を超え、2.60以下のものである前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記フライアッシュの単位質量中の、Na2O、K2O、MgO、SO3、TiO2、P2O5、及びMnOの各々の質量が、下記式(1)を満たすものである前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
(Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P2O5+MnO)=0.10〜1.50 ・・・(1)
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)普通ポルトランドセメントクリンカー粉末
本発明で使用する普通ポルトランドセメントクリンカー粉末(以下、単に「セメントクリンカー」ともいう。)の鉄率(I.M.)は、1.88〜2.00、好ましくは1.90〜1.99、より好ましくは1.91〜1.98である。鉄率が1.88未満であると、セメント組成物の強度発現性が低下し、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮が大きくなる。鉄率が2.00を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
セメントクリンカーのケイ酸率(S.M.)は、セメントクリンカーの製造の容易性や、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2.40を超え、2.60以下、より好ましくは2.44〜2.58、特に好ましくは2.48〜2.55である。
また、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した2CaO・SiO2(ビーライト;以下、「C2S」ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性、強度発現性の向上、及び、該セメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮の低減の観点から、好ましくは20.0〜24.0質量%、より好ましくは20.5〜23.5質量%、特に好ましくは21.0〜23.0質量%である。
また、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した3CaO・Al2O3(アルミネート相;以下、「C3A」ともいう。)の含有率は、好ましくは8.5〜10.0質量%、より好ましくは8.7〜9.8質量%、特に好ましくは8.8〜9.4質量%である。
さらに、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した4CaO・Al2O3・Fe2O3(フェライト相;以下、「C4AF」ともいう。)の含有率は、好ましくは9.5〜11.5質量%、より好ましくは9.7〜11.0質量%、特に好ましくは10.0〜10.8質量%である。
C3S(質量%)=(4.07×CaO(質量%))−(7.60×SiO2(質量%))−(6.72×Al2O3(質量%))−(1.43×Fe2O3(質量%))
C2S(質量%)=(2.87×SiO2(質量%))−(0.754×C3S(質量%))
C3A(質量%)=(2.65×Al2O3(質量%))−(1.69×Fe2O3(質量%))
C4AF(質量%)=3.04×Fe2O3(質量%)
なお、本発明においては、セメントクリンカーの原料として、前記原料に加えて、産業廃棄物、一般廃棄物及び発生土から選ばれる一種以上を使用することができる。セメントクリンカーの原料として、産業廃棄物、一般廃棄物及び発生土から選ばれる一種以上を使用することは、廃棄物の有効利用を促進させる観点から好ましい。
ここで、産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物(ただし、後述する「発生土」を除く。)をいう。産業廃棄物としては、例えば、生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、製鉄汚泥等)、建設廃材、コンクリート廃材、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰等が挙げられる。
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物(ただし、後述する「発生土」を除く。)をいう。一般廃棄物としては、例えば、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。
発生土とは、建設工事に伴い副次的に発生する土砂(例えば、地盤の掘削により生じるボーリング廃土)や汚泥(建設汚泥;例えば、地盤改良工事で生じる、セメントミルクと掘削土の混合物)をいう。
各原料を混合する方法は、特に限定されるものではなく、慣用の混合装置等を用いて行えばよい。
また、焼成に使用する装置も、特に限定されるものではなく、例えば、ロータリーキルン等を用いればよい。なお、ロータリーキルンを用いて焼成する場合、燃料代替廃棄物(例えば、廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等)を使用することができる。
本発明で使用する石膏としては、例えば、二水石膏、半水石膏、および無水石膏等が挙げられる。石膏は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、二水石膏と半水石膏の混合物を用いることが好ましい。二水石膏と半水石膏の合計100質量%中の半水石膏の割合は、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、SO3換算で、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、特に好ましくは30〜85質量%である。
また、石膏のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは5,000〜15,000cm2/g、より好ましくは6,000〜14,000cm2/gである。
本発明で使用する高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、3,000cm2/g以上、好ましくは3,200〜6,000cm2/g、より好ましくは3,500〜5,500cm2/g、さらに好ましくは3,800〜5,200cm2/g、特に好ましくは4,000〜5,000cm2/gである。ブレーン比表面積が3,000cm2/g未満であると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
本発明で使用するフライアッシュのブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2,500〜6,000cm2/g、より好ましくは2,700〜5,500cm2/g、特に好ましくは3,000〜5,000cm2/gである。
また、フライアッシュの単位質量中の、Na2O、K2O、MgO、SO3、TiO2、P2O5、及びMnOの各々の質量は、下記式(1)を満たすものが好ましい。
(Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P2O5+MnO)=0.10〜1.50 ・・・(1)
上記式(1)から導き出される質量比は、好ましくは0.10〜1.50、より好ましくは0.20〜1.00、さらに好ましくは0.25〜0.80、さらに好ましくは0.28〜0.70、特に好ましくは0.30〜0.60である。該質量比が上記数値範囲内であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。また、該質量比が1.50以下であればセメント組成物からなる硬化体の乾燥収縮をより小さくすることができる。
なお、フライアッシュは、通常、石英を5〜25質量%の割合で含むものである。
フライアッシュ中の石英の、リートベルト解析法を用いて得られた格子体積の値は、該フライアッシュのX線回析図に基づき、例えば、Bruker社製の解析ソフト(商品名:「TOPAS ver2.1」)、及び、ICDD(International Centre for Diffraction Data)のPDFデータベースから得られる結晶構造データ(データベースの検索に用いられるICDD nunmber:331161(Quartz))を用いて得ることができる。
(1)各材料の割合
本発明のセメント組成物において、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO3換算)の割合は、1.0〜3.0質量%、好ましくは1.1〜2.5質量%、より好ましくは1.2〜2.2質量%である。該割合が1.0質量%未満であると、セメント組成物の流動性が低下する。該割合が3.0質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
また、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の、全SO3量の割合は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは1.5〜3.5質量%、より好ましくは1.7〜3.0質量%である。
本発明のセメント組成物の製造方法としては、例えば、以下の(a)〜(b)の方法が挙げられる。
(a)普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕し、次いで、高炉スラグ粉末とフライアッシュを添加して混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm2/g、より好ましくは3,100〜3,350cm2/gとなるまで行うことが好ましい。
(b)普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と高炉スラグを同時に粉砕し、次いで、フライアッシュを添加して混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と高炉スラグの粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm2/g、より好ましくは3,100〜3,350cm2/gとなるまで行うことが好ましい。
セメント分散剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、又はポリカルボン酸系等の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤を使用することができる。
本発明のセメント組成物を、モルタル又はコンクリートとして使用する場合には、骨材として、モルタルやコンクリートの製造に使用される通常の細骨材(例えば、川砂、陸砂、砕砂等)や粗骨材(例えば、川砂利、山砂利、砕石等)を使用することができる。また、骨材の一部または全部として、溶融スラグ(例えば、都市ゴミ、都市ゴミ焼却灰、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる一種以上を溶融して製造されたもの)、高炉スラグ、製鋼スラグ、銅スラグ、碍子屑、ガラスカレット、陶磁器廃材、クリンカーアッシュ、廃レンガ、コンクリート廃材等の廃棄物を使用することもできる。
なお、必要に応じて、本発明の目的に支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤等の混和剤を使用してもよい。
[普通ポルトランドセメントクリンカーA〜Eの製造]
下水汚泥、石炭灰、発生土等と、石灰石等の一般的なポルトランドセメントクリンカーの原料を用いて、得られる普通ポルトランドセメントクリンカー(A〜E)の水硬率(H.M.)、ケイ酸率(S.M.)、及び鉄率(I.M.)が、表1に示す値となるように、セメント組成物の原料を調製した。調製した原料を、ロータリーキルンを用いて、1,450℃で焼成して、塊状物である普通ポルトランドセメントクリンカーA〜Eを得た。
(1)高炉スラグ粉末:ブレーン比表面積4,800cm2/g
(2)二水石膏:排脱二水石膏(粒径0.01〜2mm程度)
(3)細骨材:「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に定める標準砂
(4)減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、BASFジャパン製、商品名「マスターグレニウムSP8N」
(5)消泡剤:非イオン界面活性剤、日華化学社製、商品名「フォームレックス747」
(6)フライアッシュA〜C:表2に示すもの
(7)水:水道水
表3に示す種類及び割合の普通ポルトランドセメントクリンカー(表3中、「クリンカー」と示す。)と、排脱二水石膏(表3中、「石膏」と示す。)を実機ボールミル(粉砕能力:130トン/時)に投入した後、これらを同時に粉砕して、粉砕物を得た。
得られた粉砕物に表3に示す種類及び割合の高炉スラグ粉末とフライアッシュを添加した後、混合して、セメント組成物1〜16を製造した。
なお、表3中、「全SO3」(質量%)は、普通ポルトランドセメントクリンカーの量と、石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の、全SO3の量の割合を示す。表3中、「石膏」(質量%)は、普通ポルトランドセメントクリンカーの量と、石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO3換算)の割合を示す。粉砕物中の二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO3換算で30〜50質量%であった。
また、表3中、「フライアッシュ」(質量%)及び「高炉スラグ粉末」(質量%)は、各々、普通ポルトランドセメントクリンカーの量、石膏の量(SO3換算)、高炉スラグ粉末の量、及びフライアッシュの量の合計100質量%中、フライアッシュの量の割合、及び、高炉スラグ粉末の量の割合を示す。
さらに、セメント組成物1〜16の製造における、高炉スラグ粉末及びフライアッシュを添加する前の粉砕物のブレーン比表面積を表3に示す。
普通ポルトランドセメントクリンカーEと排脱二水石膏を、実機ボールミル(粉砕能力:130トン/時)に投入した後、これらを同時に粉砕して、ブレーン比表面積が3,280cm2/gであるセメント組成物17を得た。
なお、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の全SO3の割合は、2.2質量%である。さらに、二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO3換算で48質量%であった。
なお、セメント組成物17は、市販されている普通ポルトランドセメントに相当するものである。
[比較例7]
セメント組成物17とフライアッシュAを混合して、セメント組成物18を製造した。セメント組成物18(100質量%)中、セメント組成物17の割合は85質量%であり、フライアッシュAの割合は15質量%である。
なお、セメント組成物18は、「JIS R 5213 (フライアッシュセメント)」に規定されているフライアッシュセメントB種に相当するものである。
さらに、セメント組成物1〜17において、セメント組成物中の石膏のブレーン比表面積は、8,000〜12,000cm2/gであった。
なお、セメント組成物中の特定の材料(石膏)のブレーン比表面積は、セメント組成物を走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、セメント組成物中の材料の粒子を特定し、該粒子の平均粒径を求めた後、該平均粒径から推定することができる。
(1)モルタルフローの測定
水とセメント組成物の質量比(水/セメント組成物)が0.3、細骨材とセメント組成物の質量比(細骨材/セメント組成物)が1.4、消泡剤とセメント組成物の質量比(消泡剤/セメント組成物)が0.001、減水剤とセメント組成物の質量比(減水剤/セメント組成物)が0.0065となる量で、セメント組成物等のこれら材料を混合して、モルタルを調製した。これら材料の混練は、ホバートミキサーを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠(ただし、混練時間は、ここに記載されている時間よりも2分間長いものとした。)して行った。なお、混練に際して、減水剤と消泡剤は水と同時にミキサーに投入した。
得られたモルタルについて、「JIS A 1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)」に記載されたスランプコーンを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」のフロー試験に準拠して、混練直後のモルタルフロー値を、15回の落下運動を行わないで測定した。
(2)モルタル圧縮強さの測定
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠して、材齢3日、7日、28日の各時点における、モルタル圧縮強さを測定した。
(3)乾燥収縮の測定
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠して、モルタルを調製し、「JIS A 1129−3(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第3部:ダイヤルゲージ法)」に準拠して、材齢182日におけるモルタルの乾燥収縮の値を測定した。
なお、乾燥収縮の絶対値が小さいほど、乾燥収縮の程度が小さいことを意味する。
結果を表4に示す。
具体的には、セメントクリンカーの種類が異なる以外は、実施例4(セメントクリンカーのI.M.:1.93)と同じセメント組成物である比較例1(セメントクリンカーのI.M.:1.82)と、実施例4を比較すると、比較例1のモルタル圧縮強さ(材齢3日:23.4N/mm2、材齢7日:37.7N/mm2、材齢28日:55.7N/mm2)は、実施例4のモルタル圧縮強さ(材齢3日:26.3N/mm2、材齢7日:43.1N/mm2、材齢28日:62.1N/mm2)よりも小さいことがわかる。
また、セメントクリンカーの種類が異なる以外は、実施例4(セメントクリンカーのI.M.:1.93)と同じセメント組成物である比較例2(セメントクリンカーのI.M.:2.10)と、実施例4を比較すると、比較例2のモルタル圧縮強さ(材齢28日:59.8N/mm2)は、実施例4のモルタル圧縮強さ(材齢28日:62.1N/mm2)よりも小さいことがわかる。さらに、比較例2のモルタルフロー(224mm)は、実施例4のモルタルフロー(287mm)よりも小さいことがわかる。
また、高炉スラグ粉末の量の割合が異なる以外は、実施例4(高炉スラグ粉末:4.0質量%)と同じセメント組成物である比較例4(高炉スラグ粉末:14質量%)と、実施例4を比較すると、比較例4のモルタル圧縮強さ(材齢28日:51.1/mm2)は、実施例4のモルタル圧縮強さ(材齢28日:62.1N/mm2)よりも小さいことがわかる。
また、フライアッシュを含まず、市販されている普通ポルトランドセメントに相当する比較例6と、実施例1〜11を比較すると、比較例6のモルタルフロー(252mm)は実施例1〜11のモルタルフロー(262〜322mm)よりも小さく、かつ、比較例6の乾燥収縮の値の絶対値(880)は、実施例4、5、7、11の乾燥収縮の値の絶対値(677〜764)よりも大きいことがわかる。
Claims (2)
- 鉄率(I.M.)が1.88〜2.00である普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が3,000cm2/g以上である高炉スラグ粉末と、ブレーン比表面積が3,000〜6,000cm 2 /gであるフライアッシュを含むセメント組成物であって、
上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO3換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO3換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、
上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO3換算)、上記高炉スラグ粉末の量、及び上記フライアッシュの量の合計100質量%中、高炉スラグ粉末の量の割合が1.0〜3.4質量%、フライアッシュの量の割合が30〜40質量%であり、
上記フライアッシュの単位質量中の、Na 2 O、K 2 O、MgO、SO 3 、TiO 2 、P 2 O 5 、及びMnOの各々の質量が、下記式(1)を満たすものであることを特徴とするセメント組成物。
(Na2O+0.658×K2O)/(MgO+SO3+TiO2+P2O5+MnO)=0.10〜1.00 ・・・(1) - 上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末は、水硬率(H.M.)が2.00〜2.20で、かつ、ケイ酸率(S.M.)が2.40を超え、2.60以下のものである請求項1に記載のセメント組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018023069A JP6980552B2 (ja) | 2018-02-13 | 2018-02-13 | セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018023069A JP6980552B2 (ja) | 2018-02-13 | 2018-02-13 | セメント組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019137588A JP2019137588A (ja) | 2019-08-22 |
JP6980552B2 true JP6980552B2 (ja) | 2021-12-15 |
Family
ID=67694993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018023069A Active JP6980552B2 (ja) | 2018-02-13 | 2018-02-13 | セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6980552B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112194429A (zh) * | 2020-09-10 | 2021-01-08 | 内蒙古亿利冀东水泥有限责任公司 | 一种固硫灰干混砂浆及其制备方法 |
CN113233855B (zh) * | 2021-05-24 | 2022-07-01 | 深圳市聚和星环境有限公司 | 一种利用工业固体废物加工防火板的方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3099166B2 (ja) * | 1994-03-29 | 2000-10-16 | 太平洋セメント株式会社 | 水硬性組成物 |
JP2012254909A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Taiheiyo Cement Corp | セメント組成物 |
JP6021753B2 (ja) * | 2013-06-27 | 2016-11-09 | 太平洋セメント株式会社 | 混合セメント |
-
2018
- 2018-02-13 JP JP2018023069A patent/JP6980552B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019137588A (ja) | 2019-08-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6947501B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP5818579B2 (ja) | 中性化抑制型早強セメント組成物 | |
JP6021753B2 (ja) | 混合セメント | |
JP7218083B2 (ja) | セメント組成物の製造方法 | |
KR20070001153A (ko) | 수경성 조성물 | |
JP6980552B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2004292307A (ja) | 水硬性組成物 | |
JP2007055843A (ja) | セメント添加材 | |
JP2014051433A (ja) | 水硬性組成物 | |
JP7103869B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP6036167B2 (ja) | 低炭素型セメントペースト組成物 | |
JP4908072B2 (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
TW201437177A (zh) | 混凝土及混合混凝土 | |
JP6316576B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP4842211B2 (ja) | セメント添加材用焼成物、セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP6867801B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP7051610B2 (ja) | セメント組成物及びその製造方法 | |
JP2010168256A (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP7042643B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP4166183B2 (ja) | コンクリート | |
JP4944750B2 (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP5350770B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP5355339B2 (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP7185509B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP7185508B2 (ja) | セメント組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210721 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210817 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211008 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6980552 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |