JP2017019714A - 脱硫スラグを用いた水和固化体 - Google Patents

脱硫スラグを用いた水和固化体 Download PDF

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Abstract

【課題】結合材の一部として比較的多量の脱硫スラグを配合した水和固化体であって、十分な強度を有し、脱硫スラグの配合に起因する膨張破壊が生じ難い水和固化体の提供。【解決手段】吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材とし、高炉スラグ微粉末又は高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料と、粒径が1mm以下であって、且つ粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上である脱硫スラグを結合材とし、脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料)の質量比を0.02〜0.75好ましくは0.25〜0.75とする水和固化体。前記水和固化体は、海域用途の人工石材等に適用できる十分な強度を有し、結合材の一部として比較的多量の脱硫スラグを配合するにも拘わらず膨張性が低く、膨張破壊が生じ難い優れた性能を有する。亦、結合材としてセメントや消石灰を使用しないため、低コストに製造できる。【選択図】なし

Description

この発明は、結合材としてセメントや消石灰を用いず、結合材の一部として脱硫スラグを用いる水和固化体に関する。
製鋼スラグを骨材とし、潜在水硬性の高炉スラグ微粉末などにアルカリ刺激剤を加えたものを結合材とし、これらに水を加えて混練し、打設して固化させた水和固化体は、港湾工事での捨石などのような海域用途の人工石材として広く用いられている。また、ブロックなどの二次製品としても用いられている。
この種の水和固化体は、結合材として高炉スラグ微粉末やポゾラン反応物質を用い、この結合材がアルカリ性の刺激を受けて水和固化する性質を利用している。アルカリ刺激としては、セメントや消石灰がよく用いられる。
しかし、セメントや消石灰を用いると製造コストが増大する。また、海域用途でセメントを用いる材料は、使用されたセメントからのアルカリ成分溶出のイメージがあり、敬遠される場合もある。
これに対して、アルカリ刺激剤に製鋼スラグの微粉末や脱硫スラグを用いる技術が知られている。
特許文献1には、脱硫スラグをアルカリ刺激剤代替として潜在水硬性物質やポゾラン反応性物質に配合したり、骨材代替として多量に配合することが記載されている。また、特許文献2には、脱硫スラグや他の製鋼スラグを最大粒径400μm以下にして、アルカリ刺激材的に配合することが記載されている。
特開2003−34562号公報 特開2013−6743号公報
脱硫スラグは、その高いCaO含有量のために、高炉水砕スラグ微粉末を刺激して固化させる性能がある。一方、1〜4質量%という高い硫黄含有量のために、固化反応ではエトリンガイトのような高結晶水水和物を生成させることが、特許文献1にも記載されている。エトリンガイトは、硫酸イオンやカルシウムイオン、アルミニウムイオンが溶解している液中から容易に析出するが、硫酸イオンがゆっくり供給される場合は、時間経過してから固化組織中で生成して膨張崩壊を引き起こす場合がある。また、比重が小さく、溶解析出を繰り返して組織中の空隙に充填され、その空隙を埋めていくため、他の膨張反応物質があると、その膨張体積を逃す空間(空隙)がなくなり、膨張崩壊を助長する場合もある。また、脱硫スラグ粒が大きいと、局所的に集中してエトリンガイトが生成し、組織中の空隙に充填されるとともに、結合組織を膨張破壊させる。
このように、脱硫スラグを固化体中に多量に用いることは、膨張崩壊が実用上のネックとなる。また、特許文献2のように、微粉砕してアルカリ刺激剤に用いる場合は、配合量が少ないため膨張に対する懸念は低いが、実際に最大粒径400μm以下に粉砕すると粉砕コストが増大するため、経済性を損なう。また、微粉の混合は、水和固化体の混練時の添加水量を押し上げる傾向があるため、強度を低下させる方向に作用する。これを抑制するために減水剤のような混和剤の添加量を増加させると、製造コストがさらに増大してしまう。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、結合材の一部として比較的多量の脱硫スラグを配合した水和固化体であって、十分な強度を有するとともに、脱硫スラグの配合に起因する膨張破壊が生じにくい水和固化体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために詳細な検討を行った結果、吸水率が所定値以上の製鋼スラグを骨材とし、高炉スラグ微粉末と所定粒度の脱硫スラグを結合材とすることにより、十分な強度を有し且つ膨張破壊を生じにくい水和固化体が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材とし、
高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料と、粒径が1mm以下であって、且つ粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上である脱硫スラグを結合材とし、
脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料)の質量比が0.02〜0.75であることを特徴とする水和固化体。
[2]上記[1]の水和固化体において、脱硫スラグが破砕後、磁選により鉄分を回収した後のスラグであることを特徴とする水和固化体。
[3]上記[1]又は[2]の水和固化体において、脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料)の質量比が0.25〜0.75であることを特徴とする水和固化体。
本発明の水和固化体は、海域用途の人工石材などに適用できる十分な強度を有するとともに、結合材の一部として比較的多量の脱硫スラグを配合するにも拘わらず膨張性が低く、膨張破壊が生じにくい優れた性能を有する。また、結合材としてセメントや消石灰を使用しないため、低コストに製造できる利点がある。
本発明の水和固化体は、骨材と結合材と水を混練し、この混練物を水和固化させたものであって、吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材とし、高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料と、粒径が1mm以下であって、且つ粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上である脱硫スラグを結合材とし、脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料)の質量比を0.02〜0.75としたものである。
骨材である製鋼スラグは、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程で発生するスラグであり、骨材として破砕加工、粒度調整したものである。
製鋼スラグとしては、転炉脱炭スラグ、溶銑予備処理スラグ(例えば、脱燐スラグ、脱珪スラグ)、電気炉スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。また、製鋼スラグのなかでも溶銑予備処理スラグは、遊離CaOが少ないために大気エージングの終了が早いだけでなく、遊離MgO相が少ないため水和膨張による割れなどが生じにくいので、特に好ましい。また、そのなかでも、脱燐スラグは比重が適度にあるため水和固化体の比重を高めることができ、例えば海中用途に用いる場合に波濤を受けても移動、転倒しにくいという優位性が得られるので、特に好ましい。また、製鋼スラグは、事前に大気エージングや蒸気エージングを施したものや、炭酸化処理などの各種処理を施したものを用いてもよい。製鋼スラグは、スラグ粒子の粒径が大きいほど、内部に遊離CaOや遊離MgOの粒を含む可能性が高くなり、水和固化体の膨張安定性にとって問題が生じる可能性が高くなるので、粒径25mm以下のものが好ましい。
骨材として用いる製鋼スラグのうち多孔質なものは、粒内に伸びる空隙を有しており、水和物の溶解析出による充填に対して余裕を持っている(すなわち膨張体積を逃す空間がある)。ただし、密閉された気孔(閉気孔)では、水和物を内部に溶解析出させることは困難であり、外側から水が浸入しうる経路(連続気孔や亀裂)をもった空隙であることが必要である。JIS A1109(2006)、JIS A1110(2006)に従って測定された細骨材の吸水率、粗骨材の吸水率は、水が浸入しうる空隙量と相関しており、この吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材とすることにより、脱硫スラグを結合材として比較的多量に用いても、脱硫スラグの配合による水和固化体の膨張を抑えることができる。
このため、本発明ではJIS A1109(2006)、JIS A1110(2006)で規定される吸水率試験方法で測定される吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材として用いる。この製鋼スラグは、粗骨材および/または細骨材として配合されるものであり、細骨材(例えば、粒度5mm以下)、粗骨材(例えば、粒度5mm超、25mm以下)について、それぞれ上記吸水率試験法で測定される吸水率が3.5%以上とする。
なお、骨材として吸水率が異なる2種以上の製鋼スラグを用いる場合(吸水率が異なる細粒(細骨材)と粗粒(粗骨材)からなる製鋼スラグの場合を含む。)には、上記吸水率は、それらの質量基準での配合比に基づいた重み付き平均値とする。
一方、製鋼スラグのスラグ粒子は閉気孔も有しており、吸水率が高いスラグ粒子は相対的に閉気孔も多く含んでいる。このような閉気孔も多く含むと、骨材粒子自体が脆弱化して破壊起点となり、高強度の固化体を製造できなくなる恐れがある。また、高比重の水和固化体を製造しにくくなる。このため、過剰に吸水率が高い製鋼スラグは避けるのが望ましく、実用的には単種の製鋼スラグで吸水率は7%以下(すなわち、複数種の製鋼スラグを含む場合は、それぞれの製鋼スラグの吸水率が7%以下。吸水率が異なる細粒(細骨材)と粗粒(粗骨材)からなる製鋼スラグの場合は、細粒(細骨材)、粗粒(粗骨材)のそれぞれの吸水率が7%以下。)が望ましい。
ここで、骨材スラグ自身が膨張性を持つと高結晶水水和物で充填性が高まった際に膨張崩壊を起すため、CaO/SiOが高く膨張性がある脱炭スラグの場合は、蒸気エージングで膨張を安定化させることが好ましい。一方、溶銑予備処理スラグ(脱珪スラグ、脱燐スラグなど)はCaO/SiOが2以下で膨張性が低く、また、これらのスラグは相対的に高粘性の状態で排出されるため、空気を巻き込んで多孔質化し易く、多くスラグの吸水率が本発明範囲の吸水率3.5%以上に達しているため利用が容易である。
製鋼スラグは、溶融した状態で排滓場に流し出した後に、表面に散水して強制的に冷却すると、組織内に亀裂等ができて水分が入り込めるようになり、吸水率を高めることができる。この手法は過剰に行うと粒子の脆弱化をも招くので、適正に調整して行う。
結合材である高炉スラグ微粉末は、高炉水砕スラグを粉砕・乾燥して作る微粉末であり、アルカリ刺激により硬化する潜在水硬性を有する。この高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が3000cm/g以上のものが好ましく、特に、JIS A6206(2013)に適合したものが好ましい。細粒でより比表面積の大きいほうが強度発現に優れるが、粉砕コストは増大する。
結合材として、高炉スラグ微粉末に加えてポゾラン硬化性材料(微粉末)を配合してもよい。このポゾラン硬化性材料としては、例えば、シリカヒューム、フライアッシュなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。シリカヒュームは、アーク式電気炉などにおいて金属シリコンやフェロシリコンを精錬する際の排ガス中に含まれる二酸化珪素を主成分とする副産物であり、水の存在下で水酸化カルシウムと反応して硬化するポゾラン反応性を有し、長期材齢での強度向上に寄与する。また、フライアッシュは、石炭火力発電所などにおいて微粉炭をボイラ内で燃焼させることで生じた石炭灰のうち、電気集塵機で捕集された石炭灰であり、このフライアッシュも水の存在下で水酸化カルシウムと反応して硬化するポゾラン反応性を有し、長期材齢での強度向上に寄与する。
結合材(アルカリ刺激剤)である脱硫スラグは、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程(脱硫プロセス)で発生するスラグであり、本発明では、粒径が1mm以下であって、且つ粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上である脱硫スラグを用いる。このような粒度の脱硫スラグを用いるのは、(i)膨張源である遊離CaOや遊離MgOの粗大粒子が入り込み、水和固化体の膨張安定性を悪化させるのを回避するために、粒径1mm以下であることが必要であり、(ii)粒径400μm以下の微粉の割合が増大すると、混練時に添加しなければならない水分量が増大し、水和固化体の強度が低下するので、これを回避するために、粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上であることが必要なためである。
脱硫スラグは脱硫プロセスで生成した直後は地金分を多量に含んでおり、通常は破砕して地金を回収する。脱硫スラグは、CaO/SiOが高く遊離CaOも多く含有するので、散水や雨水の水分と反応して膨張崩壊が進み、地金回収後の脱硫スラグは概して細粒となり、粒度は細骨材よりも細かい。遊離CaOまたは、それが消化した水酸化カルシウム分を含み、水分と接触すればアルカリ性を示すため、この粒度で十分に高炉スラグ微粉末の水和反応のアルカリ刺激作用を有する。磁選工程用に破砕される粒度で十分細粒を確保できる。ただし、この粒径よりも大きい場合は、脱硫スラグを粉砕処理してもよい。
このように脱硫スラグは高炉スラグ微粉末の水和反応の刺激効果やポゾラン反応を起すアルカリのCaOを供給する効果を有するが、本発明では、脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料)の質量比は0.02〜0.75とする。この質量比が0.02未満では、アルカリ刺激効果が十分に得られない。一方、本発明では、吸水率の高い骨材を使うことによって、脱硫スラグを多量に用いることが可能となるが、高結晶水の水和物の生成が増大すると、スラグ粒子内部の空隙に対する水和物の充填性が高くなり過ぎ、限界を超えて膨張崩壊を招く。このため上記質量比は0.75を上限とする。また、アルカリ刺激効果をより高めることにより、特に強度が高い水和固化体を得るには、上記質量比を0.25〜0.75とすることが好ましい。
本発明で使用する骨材と結合材は、以上がすべてであり、したがって、セメント(普通ポルトランドセメント、高炉セメンなどト)や消石灰などの結合材も含まない。
なお、原料中には、さらに、ワーカビリティ(打設作業のしやすさ)改善や強度・耐久性の向上、凝結速度の調整などを目的として使用される混和剤を配合してもよい。
本発明の水和固化体の製法は特に制限はなく、基本的な製法は従来法と同様でよい。すなわち、原料(骨材である製鋼スラグ、結合材である高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末+ポゾラン硬化性材料と脱硫スラグ)と水を混練し、この混練物を水和硬化させるが、この際、混練物を型枠に流し込んで水和硬化させて製品としてもよいし、混練物をヤードの広い範囲に打設し、水和硬化させた後、破砕・篩い分けを経て製品としてもよい。後者の製法では、例えば、原料と水の混練物をヤードの広い範囲に平に打設し、水和硬化後の水和固化体をコンクリートブレーカーなどの重機を用いて破砕し、必要に応じて、さらにジョークラッシャーなどを用いて破砕し、この破砕物を篩い分けして篩上を製品とする。篩い分けは、グリズリなどを用いて行うことができる。このような製法で得られる不定形な人工石材は、港湾土木材料である被覆石、根固め石、捨石、裏込め材、潜堤材などに特に適している。
以下の条件で本発明例、比較例の水和固化体を製造した。
骨材としては、以下のスラグ骨材の1種以上を用いた。カッコ内はスラグ粒度を示す。スラグの吸水率は、JIS A1110(2006)、JIS A1109(2006)に準拠して測定した。具体的には、使用した下記の各スラグについて、粒度5mm以下を細骨材、粒度5mm超を粗骨材として、それぞれJIS A1109(2006)、JIS A1110(2006)で規定される吸水率試験方法により吸水率を測定した後、細骨材と粗骨材の質量比に基づいた重み付き平均値を求め、この平均値を各スラグの吸水率とした。また、吸水率が異なる2種以上の製鋼スラグを用いた場合の吸水率は、それらの質量基準での配合比に基づいた重み付き平均値とした。なお、転炉脱炭スラグ(3)は、排滓後に散水せずに12時間以上放置して徐冷し、緻密化させたものであり、転炉脱炭スラグ(1),(2)に較べて吸水率が低くなっている。
・転炉脱炭スラグ(1)(0−10mm)、大気エージング10ヶ月、吸水率4.1%
・転炉脱炭スラグ(2)(0−10mm)、蒸気エージング(100℃で3日間保持)、吸水率3.5%
・転炉脱炭スラグ(3)(0−10mm)、大気エージング10ヶ月、吸水率3.2%
・脱燐スラグ(0−25mm)、大気エージング3ヶ月、吸水率4.1%
・脱珪スラグ(0−25mm)、大気エージング3ヶ月、吸水率3.8%
・高炉徐冷スラグ(0−25mm)、吸水率2.0%
結合材としては、高炉スラグ微粉末(ブレーン比表面積:4000cm/g)と、以下の脱硫スラグ(アルカリ刺激剤)の1種を用いた。
・脱硫スラグ(1):粒径が1mm以下であって、粒径400μm以上の粒子の割合が30質量%、磁選のみでエージング無し
・脱硫スラグ(2):粒径が5mm以下であって、粒径1mm以下の粒子の割合が20質量%、磁選のみでエージング無し
・脱硫スラグ(3):粒径が1mm以下であって、粒径400μm以上の粒子の割合が26質量%、磁選のみでエージング無し
・脱硫スラグ(4):粒径が5mm以下であって、粒径400μm〜1mmの粒子の割合が10質量%、磁選のみでエージング無し
・脱硫スラグ(5):粒径が1mm以下であって、粒径400μm以上の粒子の割合が14質量%、磁選のみでエージング無し
・脱硫スラグ(6):粒径が75μm以下、磁選のみでエージング無し
上記の骨材および結合材の配合条件を表1及び表2に示す。
原料の配合では水量を一定とし(但し、脱硫スラグ(5)、(6)を用いた比較例は水量を増量させた)、高性能減水剤添加量を加減して混練物のスランプを10〜15cmに調整した。混練物をφ100×200mmの型枠に打設して供試体を作製し、2日後に脱型した。この供試体について、以下のようにして強度の測定と膨張安定性試験を行った。
な試験を行った。
(1)強度の測定
供試体を20℃に保持した水槽に浸漬して養生し、7日後、28日後の圧縮強度を、JIS A1108(2006)に規定されたコンクリートの圧縮強度試験方法に準拠して測定した。
(2)膨張安定性試験
膨張安定性試験は、「鐵鋼スラグ水和固化体技術マニュアル−製鋼スラグの有効利用技術−(改訂版)」(平成20年2月)の附属書2に記載された膨張性評価試験法に準拠して、以下のような試験を実施した。
・試験1:φ100×200mmの型枠に打設した供試体を、打設7日後から80℃に保持した水槽に水浸させて膨張挙動を観察し、試験後の供試体外観から膨張安定性を以下のように評価した。
〇:有害なひび割れは確認されず、ポップアウトも少ない。(合格)
×:有害なひび割れが確認される。若しくは、有害なひび割れは確認されないが、ポップアウトは多い。(不合格)
・試験2:エトリンガイトは60℃程度で生成速度が最大になり、それ以上では分解して変質するため、膨張安定性試験の保持温度を60℃に変え、温度低下による反応速度の低下を見越して21日間浸漬して、エトリンガイトを主眼とした膨張挙動を観察し、試験後の供試体外観から膨張安定性を以下のように評価した。
〇:有害なひび割れは確認されず、ポップアウトも少ない。(合格)
×:有害なひび割れが確認される。若しくは、有害なひび割れは確認されないが、ポップアウトは多い。(不合格)
以上の試験結果を表1及び表2に併せて示すが、発明例はいずれも十分な強度と優れた膨張安定性が得られている。
発明例1、8は、結合材である脱硫スラグ(A)(粒径1mm以下)と高炉スラグ微粉末(B)の質量比A/Bを0.02としたものであり、7日強度が10N/mmに達し、型枠を外せるレベルに達した。発明例2〜4、9〜11は、結合材の質量比A/Bを、それぞれ0.26、0.50、0.75としたものであり、骨材である脱燐スラグをそれに合わせて低減した。これらは強度発現も問題なく、膨張安定性も試験1,2ともに問題なかった。また、発明例1、8に較べて強度レベルが高くなっている。発明例5、12は、発明例1、8の骨材の20容積%を転炉脱炭スラグ(1)で置換したものであり、強度がやや向上した。ただし、膨張安定性試験でわずかに表面に剥離(ポップアウト)が見られた。発明例6、13は、発明例1、8の脱燐スラグを脱珪スラグで置換したものであり、骨材の吸水率が上述した発明例より若干低い3.8%であるが、強度、膨張安定性ともに問題はなかった。発明例7、14は、冷却過程をやや徐冷傾向とした転炉脱炭スラグであって、蒸気エージング(100℃で3日間保持)した転炉脱炭スラグ(2)を骨材として用いたものであり、骨材の吸水率は3.5%である。膨張安定性試験で若干のポップアウトが見られ、強度も若干低下気味ではあるが、致命的なものはなく、人工石材としては使用可能なものであった。
比較例1は、結合材である脱硫スラグを添加しない水和固化体であり、アルカリ刺激に乏しく、7日での強度発現が低い。特に、水和固化体のブロック製作する場合、この強度では崩れるため型枠を外せない。比較例2、8は、脱硫スラグの最大粒径を5mmにしたものであるが、膨張性が残る粒子が大きいため、ポップアウトが多数起こり、供試体端部が一部欠落した。比較例3、4、9、10は、脱硫スラグを本発明の範囲を超えて過剰に配合したものであり、80℃での保持試験(試験1)でひび割れが生じた。比較例5、6、11、12は、吸水率が低い高炉徐冷スラグを配合して吸水率の平均を3.5%未満としたものであり、脱硫スラグ量は発明例3、10と同じであるが、骨材側の空隙が少ないため、60℃の保持試験(試験2)でひび割れが生じた。比較例7、13は、徐冷して緻密となり、その結果吸水率が低くなった転炉脱炭スラグ(3)を骨材として用いたものであり、ポップアウトも多い上に、60℃の保持試験(試験2)ではひび割れが見られた。比較例14、15は、粒径1mm以下ではあるものの、粒径400μm以上の粒子が割合が少ない(微粉の割合が多い)脱硫スラグ(5)を用いたものであるが、混練時に添加する水分量が増大するため、高炉スラグ微粉末量を増大させて強度指数を維持しても、十分な強度が得られず、特に7日での強度発現が低い。比較例16は、粒径75μm以下の脱硫スラグ(6)を用いたものであるが、比較例14、15と同様に混練時に添加する水分量が増大するため、高炉スラグ微粉末量を増大させて強度指数を維持しても、十分な強度が得られず、特に7日での強度発現が低い。
Figure 2017019714
Figure 2017019714

Claims (3)

  1. 吸水率が3.5%以上の製鋼スラグを骨材とし、
    高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料と、粒径が1mm以下であって、且つ粒径400μm以上の粒子の割合が25質量%以上である脱硫スラグを結合材とし、
    脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料)の質量比が0.02〜0.75であることを特徴とする水和固化体。
  2. 脱硫スラグが破砕後、磁選により鉄分を回収した後のスラグであることを特徴とする請求項1に記載の水和固化体。
  3. 脱硫スラグ/(高炉スラグ微粉末または高炉スラグ微粉末およびポゾラン硬化性材料)の質量比が0.25〜0.75であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水和固化体。
JP2016133802A 2015-07-08 2016-07-06 脱硫スラグを用いた水和固化体 Active JP6292257B2 (ja)

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