JP6015585B2 - 水和硬化体 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートやモルタルのような水和硬化体に係り、とくに製鉄所等産業副産物の一つである製鋼スラグを有効に利用した水和硬化体に関する。
製鉄所の副産物の一つである製鋼スラグは、鉄分を多く含み高比重で硬質な物質であるが、精錬時に使用した酸化カルシウム(CaO)の一部が未反応の状態(遊離CaO)で残存しており、この遊離CaOが雨水や海水等の水分と接触すると、水和反応を起こしてCa(OH)を形成する。この反応に伴い、著しい体積膨張が生じるため、それを利用した構造物などが破壊するという問題があり、製鋼スラグの有効利用が著しく阻害されていた。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、骨材として風砕処理の施されていない製鋼スラグを含有し、結合材として潜在水硬性を有するシリカ含有物質とポゾラン反応性を有するシリカ含有物質のうち1種又は2種を50重量%以上含有してなる水和硬化体が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、製鋼スラグに含まれるCaOの水和反応が抑制されるため、使用中にCaOの水和反応による破壊が生じない水和硬化体となり、製鋼スラグの有効利用を促進できるとしている。
また、特許文献2には、粉粒状の製鋼スラグとSiO含有物質とを水で混練してスラグ硬化体を製造するスラグ硬化体の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術では、製鋼スラグとして溶銑予備処理スラグを、SiO含有物質として高炉スラグ微粉末を使用し、水を除く全配合物のうち、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末を5〜40mass%含有させるとしている。特許文献2に記載された技術では、硬化を促進させるために、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫化塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を含有することが好ましいとしている。特許文献2に記載された技術によれば、製鋼スラグを用いても、膨張破壊は起こらず、高強度でかつ表面層にひび割れの発生もほとんどないスラグ硬化体が得られるとしている。
これらの技術をもとに、非特許文献1が発行され、鉄鋼スラグ水和硬化体を製造する際のマニュアルとして利用されている。
これとは別に、特許文献3には、細骨材、粗骨材として所定の大きさに粉砕整粒された鉄鋼スラグと、結合材として微粉砕された高炉スラグと製鋼スラグとを配合した鉄鋼スラグを混練水で混練し、成形して得られるスラグブロックが記載されている。特許文献3に記載された技術によれば、セメントを結合材とするコンクリートブロックと比較しても圧縮強度、嵩比重が変わらない高品質の製品となるとしている。また、特許文献3に記載された技術では、原料すべてを製鉄所の副産物として発生する鉄鋼スラグを使用しており、鉄鋼スラグの有効利用という観点では優れている。
特開平10−152364号公報 特許第3654122号公報 特開平02−233539号公報
(財)沿岸技術研究センター:沿岸技術ライブラリーNo.28「鉄鋼スラグ水和固化技術マニュアル(改訂版)」、2008.2発行。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、骨材として使用する製鋼スラグが特定されておらず、使用する製鋼スラグによっては、養生後、硬化体が崩壊する場合があるという問題を残していた。また、特許文献2に記載された技術では、原料すべてを製鉄所の副産物として発生する鉄鋼スラグを使用するまでに至っておらず、製鋼スラグの有効利用という点では課題を残していた。
また、特許文献3に記載された技術では、使用する製鋼スラグが特定されておらず、反応性が安定せず、安定した強度を確保できないという問題があった。
さらに、非特許文献1に記載されたマニュアルでは、鉄鋼スラグ水和固化体として、骨材に製鋼スラグを、主な結合材に高炉スラグ微粉末を使用したうえ、安定した反応性を確保するという観点から、アルカリ刺激材として、消石灰、普通ポルトランドセメントを添加することが推奨されている。これは、原料として製鉄所副産物のみを使用した水和硬化体が、工業的製品としてまだ十分に実用に耐えるまでに至っていないためである。
本発明は、かかる従来技術に鑑みて成されたものであり、原料として製鉄等産業副産物のみを使用しても、作業性(ワーカビリティー)に問題がなく、安定して所望の強度を確保でき、しかも使用中に崩壊等の問題を生じない体積安定性に優れる、水和硬化体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、まず、原料すべてを製鉄等産業副産物である高炉スラグ、製鋼スラグ等とした場合に、水和硬化体の強度に影響する各種要因について鋭意研究した。その結果、水和硬化体の強度には、とくに結合材として微粉砕して使用する製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)中の遊離CaOが強く影響していることを知見した。
製鋼スラグには、溶銑予備処理時に発生する溶銑予備処理スラグ、転炉脱炭精錬時に発生する転炉スラグがあり、通常、製鋼プロセスの違いや、炭素、燐、硫黄等の含有量など溶鋼の要求品質によって、スラグ中に含有される、例えばCaOや鉱物相等の種類、含有量が大きく相違する。そこで、水和硬化体の強度変動は、製鋼スラグ中に含まれるCaO量のばらつきに起因して生じたものと推察し、本発明者らは、水和硬化体の強度を安定して確保するために、結合材として使用する製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)を、遊離CaO量が一定値以上の適正範囲に調整された製鋼スラグとすることが、とくに重要になることに思い至った。
潜在水硬性を有するシリコン含有物質は、アルカリ水溶液の下で反応(部分溶解)して、l・CaO−m・SiO−n・HOゲル(水和物)を形成して硬化する。CaOを含有する製鋼スラグは、水とともに混練されると、高濃度のアルカリ水溶液を生成し、シリコン含有物質の水和硬化反応性(潜在水硬性)を刺激する。製鋼スラグ中に含まれるCaO量は、水溶液のアルカリの度合に強く影響を与えるため、その変動が、潜在水硬性を有するシリコン含有物質の水和硬化反応の進行に影響し、硬化の程度が変動して、水和硬化体強度が変化したものと推察した。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
骨材としての粉化率:0.8%の製鋼スラグに、結合材として、高炉スラグ微粉末(ブレーン値:4000cm/g)とともに、CaO量が40〜55質量%で、遊離CaO(f−CaO)が0.5〜5.2質量%の範囲に変化した各種転炉スラグを配合し、水を加えて混練したのち、モールド(100mmφ×200mmL)内に注入して、水和硬化体である試験材(円柱状)とした。なお、同時に、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質であるフライアッシュ(JIS A 6201相当品)も添加した。
得られた試験材を、水中で28日間養生したのち、JIS A 1108に準拠して一軸圧縮強度を評価した。なお、骨材として使用した製鋼スラグは、溶銑予備処理の脱燐処理時に発生した溶銑予備処理スラグとした。また、使用した転炉スラグは、粒子径が2mm以下で、粒子径:0.6mm以下の粒子の割合が87%であるものを使用し、高炉スラグ微粉末100質量部に対し21質量部配合した。なお、フライアッシュは、転炉スラグ100質量部に対し118質量部、配合した。また、全混合物中の骨材容積は60%とした。
得られた結果を、一軸圧縮強度と微粉砕した製鋼スラグ中の遊離CaO量との関係で図1に示す。
図1から、所望の強度である9.8N/m(準硬石相当)以上を有する水和硬化体を得るためには、潜在水硬性を有するシリコン含有物質に組み合わせる製鋼スラグを、1.5質量%以上の遊離CaOを含有する微粉砕製鋼スラグとする必要があることがわかる。なお、工業的に安定した性能を確保するためには、上記した強度に20%程度上のせした強度を確保することが望ましく、そのためには3質量%以上とする必要があることがわかる。
また、遊離CaO(f−CaO)が3.5質量%の転炉スラグの配合量を、高炉スラグ微粉末100質量部に対し10〜40質量部の範囲に変化して配合し、同様に、一軸圧縮強度を評価した。得られた結果を図2に示す。
図2から、所望の強度である9.8N/m以上を有する水和硬化体を得るためには、転炉スラグの配合量を、高炉スラグ微粉末100質量部に対し20質量部以上とする必要があることがわかる。
さらに、製鋼スラグを微粉砕するに際し、経済的な粉砕方法で処理した場合には、製鋼スラグが硬質であることから粒状のものが若干残存し、余剰の遊離CaOとなる場合があり、水和硬化体内で、余剰遊離CaOの水和膨張反応による微視的破壊が発生する恐れがある。そこで、本発明者らは、このような余剰遊離CaOの水和膨張反応による微視的破壊を防止し、水和硬化体の強度のばらつきを小さくするために、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質をさらに含有させる必要があることに思い至った。
ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質を含有させることにより、余剰遊離CaOが残存すると、ポゾラン反応によって、l・CaO−m・SiO−n・HOゲル(水和物)を形成して、CaO(固体)の水和膨張反応を抑制するとともに、マトリックス組織の緻密化を図ることができる。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)骨材と結合材とを、水とともに混練し成形、硬化してなる水和硬化体であって、前記骨材を製鋼スラグを主とする骨材とし、前記骨材としての前記製鋼スラグが、80℃の温水に10日間浸漬する条件で測定した粉化率が2.5%以下であり、前記結合材が、潜在水硬性を有するシリカ含有物質と、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質と、さらに1.5質量%以上の遊離CaOを含み粒子径0.6mm以下の粒子を85質量%以上含有する微粉砕製鋼スラグとからなり、前記微粉砕製鋼スラグを、前記潜在水硬性を有するシリカ含有物質100質量部に対し、20質量部以上100質量部未満含有し、前記ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質を該微粉砕製鋼スラグ100質量部に対し、10質量部以上120質量部未満含有することを特徴とする水和硬化体
(2)(1)において、前記潜在水硬性を有するシリカ含有物質が高炉スラグ微粉末であり、前記ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質がフライアッシュ及び/又はシリカフュームであることを特徴とする水和硬化体。
本発明によれば、原料のすべてを鉄鋼スラグ等の製鉄等の産業副産物としても、作業性(ワーカビリティー)に問題がなく、所望の強度を有し、体積安定性に優れる水和硬化体を安定して提供でき、製鉄所等の産業副産物の有効利用を促進でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、コンクリートや石材の代替として、環境保全、省資源に貢献できるという効果もある。
水和硬化体の一軸圧縮強度に及ぼす微粉砕製鋼スラグ中の遊離CaOの影響を示すグラフである。 水和硬化体の一軸圧縮強度に及ぼす微粉砕製鋼スラグ量SSと高炉スラグ微粉末量BPとの比、SS/BP、の影響を示すグラフである。
一般に、骨材と結合材とを原料として、原料と水とを混練したのち、モールドに装入し成形し、養生、硬化して、所望形状の水和硬化体となる。本発明水和硬化体では、原料のすべてを鉄鋼スラグ等の産業副産物を利用する。
本発明では、結合材は、潜在水硬性を有するシリカ含有物質と、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質と、さらに微粉砕された製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグともいう)とする。
潜在水硬性を有するシリカ含有物質は、アルカリ水溶液の下で反応(部分溶解)して、l・CaO−m・SiO−n・HOゲル(水和物)を形成して硬化し、主たる結合材として作用する。潜在水硬性を有するシリカ含有物質としては、高炉スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ等が例示できるが、安定した反応性を確保するという観点から高炉スラグ微粉末とすることが好ましい。本発明で結合材として使用する高炉スラグ微粉末は、JIS A 6206に適合したものとすることが好ましい。なお、ここでいう「微粉末」とは、JIS A 6206に準拠してブレーン空気透過法で測定した比表面積(ブレーン値)が2750cm/g以上の微粉末をいうものとする。
また、微粉砕された製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)は、上記したシリカ含有物質の水硬性の発現に寄与し、アルカリ刺激剤として所定強度の水和硬化体を安定して得るために本発明では重要な添加物である。本発明で使用する製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)は、遊離CaOを1.5質量%以上含有するように選定した製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)とする。遊離CaO量が1.5質量%未満では、図1に示すように、所望の強度(9.8N/m以上:準硬石相当)を安定して確保できない。このようなことから、添加する製鋼スラグは、製鋼スラグ全量に対する質量%で、遊離CaO量を1.5質量%以上含有する製鋼スラグに限定した。なお、安定した強度発現という観点から、好ましくは3質量%以上である。
また、使用する製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)は、アルカリ刺激剤として有効に作用するために、あるいは強度安定性の向上に有効に寄与するために、微粉砕しておく必要がある。ここでいう「微粉砕」とは、粒子径0.6mm以下の粒子が製鋼スラグ全量に対する質量%で85%程度以上となるように、粉砕する場合をいうものとする。
なお、微粉砕製鋼スラグの添加量(含有量)は、潜在水硬性を有するシリカ含有物質100質量部に対し、20質量部以上100質量部未満とすることが好ましい。添加量(含有量)が20質量部未満では、アルカリ刺激剤が十分でなかったり、均質性が不十分となり、所望の強度を安定して確保できなくなる。一方、100質量部以上となると、固化体のマトリックス部が製鋼スラグ主体となるため、得られる水和硬化体の強度が不足する。このため、微粉砕製鋼スラグの添加量(含有量)は、潜在水硬性を有するシリカ含有物質100質量部に対し、20質量部以上100質量部未満の範囲に限定することが好ましい。
また、本発明では、得られる水和硬化体の品質をさらに安定化するために、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質を含有させる。ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質は、余剰遊離CaOが残存した場合に、ポゾラン反応を発現して、CaOを消費し、CaO(固体)の水和膨張反応を抑制するとともに、マトリックス組織を緻密化する。これにより、水和硬化体の強度ばらつきが減少するという効果を奏する。
ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質としては、火力発電所から副産物(産業副産物)として発生するフライアッシュ、電気炉等で副産物(製鉄副産物)として発生するシリカフュームが例示でき、本発明では、これらを単独又は複合して含有できる。
なお、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質の添加量(含有量)は、微粉砕製鋼スラグ100質量部に対し、10質量部以上100質量部未満とすることが好ましい。10質量部未満では、スラグの種類にもよるが、水和硬化体の発現する強度が低下する場合が多くなる。一方、100質量部以上と過剰に含有すると、未凝固水和硬化体の作業性(ワーカビリティー)が低下するうえ、水和硬化体の発現する強度が低下する。このため、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質は、微粉砕製鋼スラグ100質量部に対し、10質量部以上100質量部未満に限定することが好ましい。
つぎに、結合材と組み合わせて配合する骨材は、本発明では製鋼スラグを主として用いる。ここでいう「主として」とは、当該物質が骨材全量に対して50質量%以上である場合をいうものとする。製鋼スラグには、溶銑予備処理時に発生する溶銑予備処理スラグ、転炉脱炭精錬時に発生する転炉スラグがあるが、骨材として使用する場合には、膨張安定性、体積安定性の高いものとする必要がある。そこで、本発明では、粉化率が2.5%以下、好ましくは遊離MgOが8.5%以下の製鋼スラグとすることが好ましい。なお、粉化率は、非特許文献1に提示された粉化試験(80℃で10日間保持)を実施して得られた値を用いるものとする。
また、骨材として使用する製鋼スラグは、使用目的に応じて所定の大きさに粉砕整粒されたものとする。本発明水和硬化体では、骨材として100質量%製鋼スラグを使用することが望ましいが、製鋼スラグの一部に代えて、製鉄副産物である、高炉徐冷スラグ粗骨材、高炉水砕スラグ細骨材、風砕スラグ等とすることもできる。また、骨材の一部を天然砕石、山砂等としても、何ら問題のない水和硬化体が得られることは言うまでもない。
また、未凝固の水和硬化体の作業性(ワーカビリティー)を向上させるために、さらに、上記した原料に加えて、通常、コンクリートで混和剤として使用されている減水剤を添加してもよく、減水剤はJIS A 6204に準拠したものを使用することが好ましい。
なお、本発明水和硬化体を製造するための、骨材と結合材と水の配合割合や、混練方法、打設方法、成形方法、養生等の施工方法は、用途に応じて、通常のコンクリート、モルタルの場合と同様としてよい。
また、本発明水和硬化体を製造するに際しては、作業性(ワーカビリティー)の指標である、JIS A 1101の規定に準拠して測定されるスランプ値を通常では8〜20cm程度、二次製品であれば0〜5cm程度に調整することが好ましい。
なお、強度指標として結合材の合計量と混練水量との比(粉体水比)は、次式
強度指数={潜在水硬性を有するシリカ含有物質+0.35×(ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質)+0.35×(微粉砕製鋼スラグ)}/(混練水量)
で算出するものとする。
高炉から出銑した溶銑に、溶銑予備処理として脱珪処理を施したのち脱燐処理を施し、その際発生した溶銑予備処理スラグ(製鋼スラグ)を骨材として使用した。この製鋼スラグの粉化率は0.7%であった。なお、粉化率の測定は、非特許文献1に提示された粉化試験に準拠して行った。
溶銑予備処理として脱燐処理を施された溶銑に、さらに機械撹拌式脱硫処理を施したのち、転炉に装入し脱炭精錬を行った。その際発生した転炉スラグ(製鋼スラグ)を回収し、結合材の一つであるアルカリ刺激剤の原料とした。なお、回収した転炉スラグは、遊離CaO量が異なる3種を選択した。
回収した転炉スラグ(製鋼スラグ)は含水量が高かったため、生石灰を投入し吸水乾燥させながら、転炉スラグをローラーミルで粉砕し、粒径分布で、全粒子が2mm以下、0.6mm以下の粒子の割合が91%、86%である、微粉砕された転炉スラグ(製鋼スラグ)A、Cを得た。
また、一部の転炉スラグでは、生石灰を投入せずに含水量が高いまま、回収した転炉スラグをローラーミルで粉砕し、0.6mm以下の粒子の割合が87%の粒径分布を有する微粉砕された転炉スラグ(製鋼スラグ)Bを得た。なお、同じ転炉スラグを用いて、粉砕条件を変化して、0.6mm以下の粒子の割合が40%である粒径分布を有する微粉砕された転炉スラグ(製鋼スラグ)B1を得た。
結合材の一つであるアルカリ刺激剤として使用した製鋼スラグ(微粉砕製鋼スラグ)の組成、粒径分布を表1に示す。
また、結合材の一つである潜在水硬性を有するシリカ含有物質として、高炉スラグ微粉末(ブレーン値:4000cm/g)を用いた。また、結合材の一つであるポゾラン反応を有するシリカ含有物質としてフライアッシュ(JIS II種相当品)を用いた。
表2に示す配合量で、骨材と結合材とを、水とともに混練したのち、モールド(100mmφ×200mmL)に注入して成形し、水中で28日間養生し、硬化させて水和硬化体(円柱試験体)とした。なお、混和剤は添加しなかった。
得られた円柱試験体について、JIS A 1108の規定に準拠して、一軸圧縮強度を測定した。なお、未凝固の水和硬化体の作業性(ワーカビリティー)の指標として、混練直後に、JIS A 1101の規定に準拠してスランプ値を測定した。得られた値を表2に併記した。
一部の円柱試験体について、非特許文献1の記載に基づき、混練から7日後に、80℃に保持した温水槽に移し、10日間浸漬して、体積安定性の評価を実施した。体積安定性は、浸漬後の試験体の状態を目視で観察し評価した。評価は、大きな破損や同方向に連結するような有害亀裂がある場合を×、5mmを超えるようなポップアウトがある場合を△、ほとんど変化がない場合を○とした。得られた結果を表2に併記して示す。
Figure 0006015585
Figure 0006015585
本発明例はいずれも、未凝固状態でスランプ値5〜15cmの優れた作業性(ワーカビリティー)を有するとともに、9.8N/mm以上(準硬石相当)の圧縮強度を有し、準硬石と同等以上の特性を有し、体積安定性に優れた水和硬化体となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、圧縮強度が低下し、体積安定性も低下している。

Claims (2)

  1. 骨材と結合材とを、水とともに混練し成形、硬化してなる水和硬化体であって、
    前記骨材を製鋼スラグを主とする骨材とし、
    前記骨材としての前記製鋼スラグが、80℃の温水に10日間浸漬する条件で測定した粉化率が2.5%以下であり、
    前記結合材が、潜在水硬性を有するシリカ含有物質と、ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質と、さらに1.5質量%以上の遊離CaOを含み粒子径0.6mm以下の粒子を85質量%以上含有する微粉砕製鋼スラグとからなり、
    前記微粉砕製鋼スラグを、前記潜在水硬性を有するシリカ含有物質100質量部に対し、20質量部以上100質量部未満含有し、前記ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質を該微粉砕製鋼スラグ100質量部に対し、10質量部以上120質量部未満含有することを特徴とする水和硬化体。
  2. 前記潜在水硬性を有するシリカ含有物質が高炉スラグ微粉末であり、前記ポゾラン反応性を有するシリカ含有物質がフライアッシュ及び/又はシリカフュームであることを特徴とする請求項に記載の水和硬化体。
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