JP2016216274A - 人工石材 - Google Patents

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陽太郎 井上
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裕介 加藤
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Hiroyuki Tofusa
博幸 當房
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Abstract

【課題】高比重で且つ強度、膨張安定性を十分に満足し、製造時における混練物の流動性を確保して効率的且つ安価に製造可能な人工石材を提供する。【解決手段】骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、骨材の一部が、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグからなるとともに、風砕スラグの骨材中に占める割合を10〜80容積%とし、乾燥比重を2.5以上とする。風砕スラグは高比重、低吸水率、低膨張性であって、細粒で且つ形状が球形であるため、高比重で且つ強度、膨張安定性を十分に満足する人工石材となり、製造時における混練物の流動性も確保できる。【選択図】図1

Description

本発明は、骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材に関する。
港湾土木材料や路盤材などに人工石材として使用される鉄鋼スラグ水和固化体は、製鋼スラグと高炉スラグ微粉末を主体としたスラグ製品であり、コンクリートと同様に混練設備を用いて製造することが可能である。
鉄鋼スラグ水和固化体のブロックを製造する方法としては、特許文献1に示されるように、製鋼スラグ及び高炉スラグ微粉末を主体とする原料と水との混練物を型枠内に流し込み、この型枠内で混練物を使用状態の強度が発現するまで養生した後、型枠を外して水和固化体を得るのが一般的である。
一方、型枠を使用しない方法も提案されており、特許文献2には、製鋼スラグ及び高炉スラグ微粉末を主体とする原料と水との混練物をヤードに打設して転圧し、この転圧された混練物に、該混練物を所定の大きさのブロックに分割するための切欠きを打ち込み、そのまま養生し、養生後の固化体を前記切欠きによりブロックに分割し、このブロックを破砕して用途に応じて分級する方法が示されている。また、特許文献3には、ヤードに掘られた複数の溝に、製鋼スラグ及び高炉スラグ微粉末を主体とする原料と水との混練物を流し込み、適度に硬化させた後に幅方向に破砕して切断し、塊状の鉄鋼スラグ水和固化体を製造する方法が示されている。
特開2006−264045号公報 特開2011−1234号公報 特開2009−107908号公報 特開昭55−109261号公報 特開2004−238234号公報
鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材の製造プロセスでは、高品質の製品を効率的且つ安価に製造することが求められる。また、港湾土木用途の人工石材は、波浪安定性の向上という観点から高比重であることが求められる。具体的には、「JIS A5006 割ぐり石」に記載の硬石範囲以上:見掛比重2.5以上のものが求められる。しかし、特許文献1〜3の製造方法では、混練物の打設時の流動性を確保するために水分量を多くする必要があるなど、原料の配合に制約を受けるので、高比重の製品を製造することが難しい。また、減水剤等を添加してこれらスペック製品の配合設計を行っても、原料コストの増大を招いてしまう問題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、高比重で且つ強度、膨張安定性などの品質を十分に満足し、また、製造時における混練物の流動性を確保して効率的且つ安価に製造することができる人工石材を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、
骨材の一部が、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグからなるとともに、該風砕スラグの骨材中に占める割合が10〜80容積%であり、乾燥比重が2.5以上であることを特徴とする人工石材。
[2]上記[1]の人工石材において、骨材中に占める前記風砕スラグの割合が20〜60容積%であることを特徴とする人工石材。
[3]上記[1]又は[2]の人工石材において、骨材が粗骨材と細骨材からなり、細骨材の全量が前記風砕スラグからなることを特徴とする人工石材。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの人工石材において、骨材が溶銑予備処理スラグと前記風砕スラグからなることを特徴とする人工石材。
本発明の人工石材は、骨材の一部に転炉脱炭スラグの風砕スラグを用いた鉄鋼スラグ水和固化体からなるため、高比重で且つ強度、膨張安定性などの品質を十分に満足し、また、製造時における混練物の流動性を確保して効率的且つ安価に製造することができる。すなわち、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグは、溶融状態から徐冷される一般の転炉脱炭スラグに比べて、高比重、低吸水率、低膨張性であって、細粒で且つ形状が球形であるという特徴を有する。この特徴により、骨材の一部に適量の風砕スラグを用いた鉄鋼スラグ水和固化体からなる本発明の人工石材は、強度、膨張安定性などの石材として品質(性能)を十分に満足しつつ、高比重であり、しかも、製造時における混練物の流動性が確保されて効率的且つ安価に製造することができる。このため、港湾土木用途において高い波浪安定性を有する人工石材を安価に提供することができる。また、安価な製鋼スラグ骨材の比率を高めることができ、製鋼スラグの利材化促進を図ることができる。
なお、特許文献4、5には、コンクリートの流動性を高めるために、風砕スラグをコンクリート用細骨材として用いることが記載されているが、本発明のような鉄鋼スラグ水和固化体からなる高比重(乾燥比重)の人工石材は開示されていない。また、鉄鋼スラグ水和固化体とは異なり、コンクリートはセメント使用量が多く、且つ天然骨材を使用するので、リサイクル資源の有効活用、原料コスト、CO排出量などの環境への影響といった面でも難がある。
鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、骨材の一部に風砕スラグを用いたもの(骨材の残部は溶銑予備処理スラグ)と、骨材の一部に転炉脱炭スラグを用いたもの(骨材の残部は溶銑予備処理スラグ)について、骨材中の風砕スラグ又は転炉脱炭スラグの割合(容積%)と人工石材の乾燥比重との関係を示すグラフ
本発明者らは、高比重で且つ強度、膨張安定性などの品質を十分に満足し、また、製造時における混練物の流動性を確保して効率的且つ安価に製造することができる鉄鋼スラグ水和固化体(人工石材)を得るために検討を重ねた結果、骨材の一部として、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグを用いることにより、上記の要求を満足する鉄鋼スラグ水和固化体が得られることを見出した。
すなわち、本発明の人工石材は、骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする鉄鋼スラグ水和固化体からなるものであって、骨材の一部が、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグからなるとともに、この風砕スラグの骨材中に占める割合が10〜80容積%であり、乾燥比重が2.5以上である人工石材である。
鉄鋼スラグ水和固化体は、骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする(すなわち、それらを原料中で50質量%以上含有する)ものであり、原料と水の混練物を水和硬化させたものである。また、骨材は製鋼スラグの割合が50質量%以上、結合材は高炉スラグ微粉末の割合が50質量%以上である。
また、以上の主原料に加えて、必要に応じて、他の骨材、結合材、アルカリ刺激剤、混和剤などを含有してもよい。
骨材である製鋼スラグは、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程で発生するスラグであり、骨材として破砕加工、粒度調整したものである。後述するように本発明では、骨材である製鋼スラグの一部として風砕スラグを用いる。
製鋼スラグとしては、転炉脱炭スラグ、溶銑予備処理スラグ(例えば、脱燐スラグ、脱珪スラグ)、電気炉スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグなどが挙げられ、風砕スラグ以外の骨材としては、これらの1種以上を用いることができる。製鋼スラグのなかでも溶銑予備処理スラグは、遊離CaOが少ないために大気エージングの終了が早いだけでなく、遊離MgO相が少ないため水和膨張による割れなどが生じにくいので、特に好ましい。
また、製鋼スラグは、事前に大気エージングや蒸気エージングを施したものや、炭酸化処理などの各種処理を施したものを用いてもよい。
製鋼スラグは、スラグ粒子の粒径が大きいほど、内部に遊離CaOや遊離MgOの粒を含む可能性が高くなり、水和固化体の膨張安定性にとって問題が生じる可能性が高くなるので、粒径25mm以下のものが好ましい。
結合材である高炉スラグ微粉末は、高炉水砕スラグを粉砕・乾燥して作る微粉末であり、アルカリ刺激により硬化する潜在水硬性を有する。なお、高炉スラグ微粉末としては、JIS A6206(2013)に適合したもの使用することが好ましい。
原料には、さらに必要に応じて、各種セメント、消石灰、石灰ダスト、シリカフューム、フライアッシュの中から選ばれる1種以上を配合することができる。
セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、混合セメント、アルミナセメント等の1種以上を用いることができる。これらのセメントは、結合材又は/及びアルカリ刺激剤として機能する。
消石灰は、アルカリ刺激材として機能する。
石灰ダストとは、石灰石を焼成する際に焼成キルンの集塵機により捕集された乾燥ダストである。この石灰ダストもアルカリ刺激剤として機能する。
シリカヒュームは、アーク式電気炉などにおいて金属シリコンやフェロシリコンを精錬する際の排ガス中に含まれる二酸化珪素を主成分とする副産物であり、水の存在下で水酸化カルシウムと反応して硬化するポゾラン反応性を有し、長期材齢での強度向上に寄与する。
フライアッシュは、石炭火力発電所などにおいて微粉炭をボイラ内で燃焼させることで生じた石炭灰のうち、電気集塵機で捕集された石炭灰であり、このフライアッシュも水の存在下で水酸化カルシウムと反応して硬化するポゾラン反応性を有し、長期材齢での強度向上に寄与する。
原料中には、さらに、ワーカビリティ(打設作業のしやすさ)改善や強度・耐久性の向上、凝結速度の調整などを目的として使用される混和剤を配合してもよい。
本発明の人工石材では、骨材の一部が、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られる風砕スラグ(以下、単に「風砕スラグ」という)からなる。この風砕スラグの製法自体は公知のものである。
溶融状態から徐冷された塊状スラグは、破砕加工、地金除去、粒度調整などを経て骨材となる。これに対して、風砕スラグは、溶融した転炉脱炭スラグを風砕(ノズルから高速空気流を噴射することで急冷・飛散させる)することで得られる細粒で形状が球形のスラグであり、そのままで細骨材相当の粒度を有する。また、鉄鋼スラグ水和固化体の製造では、膨張量が小さいスラグを骨材として使用する必要があるが、溶融状態から徐冷される一般の転炉脱炭スラグは、溶銑予備処理スラグなどに較べてCaOを比較的多く含み、膨張性が高い。これに対して、風砕スラグは、溶融スラグに含まれるCaOが風砕の過程でFeと反応してカルシウムフェライトとして固定されるので、膨張量が小さい(低膨張性)スラグとなる。また、風砕スラグは、風砕により緻密なスラグ組織となり、また、地金回収がなされず、しかも風砕時にFeOが酸化してFeとなり、重くなるので、高比重である。さらに、風砕により緻密なスラグ組織となり、しかも形状が球形であるため吸水率が小さい。
すなわち、風砕スラグは、溶融状態から徐冷される一般の転炉脱炭スラグに較べて、高比重、低膨張性、低吸水率であり、細粒で且つ形状が球形であるという特徴を有する。
表1に、風砕スラグの骨材としての性状を、その他の製鋼スラグ(溶融状態から徐冷される一般の溶銑予備処理スラグと転炉脱炭スラグ)と比較して示す。これによれば、比重(表乾比重)は転炉脱炭スラグに較べて溶銑予備処理スラグの方が大きいが、この溶銑予備処理スラグよりも風砕スラグの比重はさらに大きい。また、吸水率は、転炉脱炭スラグに較べて溶銑予備処理スラグの方がかなり低いが、この溶銑予備処理スラグよりも風砕スラグの吸水率は格段に低い。なお、以下の説明において、特に断わりなく「溶銑予備処理スラグ」、「転炉脱炭スラグ」という場合、溶融状態から徐冷される一般の溶銑予備処理スラグ、転炉脱炭スラグを指す。
Figure 2016216274
本発明の人工石材は、このような風砕スラグを骨材の一部に適量使用することで、強度、膨張安定性などの石材として品質(性能)を十分に満足しつつ、高比重であり、しかも、製造時における混練物の流動性が確保されて効率的且つ安価に製造することができる。また、石材としての乾燥比重の確保、およびその品質管理の観点からは、石材の表乾比重と乾燥比重の差(比重差=表乾比重−乾燥比重)は小さい方が好ましいが、風砕スラグを骨材の一部に使用することで、この比重差を小さくできる利点もある。
ここで、製品比重と流動性の改善効果を十分に発揮するために、風砕スラグの骨材中に占める割合は10容積%以上、好ましくは20容積%以上とする。一方、風砕スラグの割合が多くなると、他の骨材、特に粗骨材である製鋼スラグ(溶融状態から徐冷される一般の製鋼スラグ)の割合が減少することになり、粗骨材用スラグの使用量が少なくなるとともに、骨材全体の粒度分布の適正化や乾燥収縮などの耐久性に問題が生じるおそれがある。このため、5mm超の粒度を有する粗骨材用スラグの積極的利用、骨材全体の粒度分布を適正化することによる実績率(容積充填率)の向上、さらには乾燥収縮などの耐久性が必要となる場合を考慮して、風砕スラグの骨材中に占める割合は80容積%以下、好ましくは60容積%以下とする。
通常、鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材に含まれる骨材は、細骨材(例えば、粒度5mm以下)と粗骨材(例えば、粒度5mm超、25mm以下)からなるが、風砕スラグは粒径が小さいため、本発明の人工石材に含まれる風砕スラグは、細骨材に該当する。また、上述した観点から、本発明の人工石材では、細骨材の全量が風砕スラグからなることが好ましい。
また、本発明の人工石材では、上述したように転炉脱炭スラグの使用を排除するものではないが、転炉脱炭スラグは高膨張性、低比重、高吸水率であるため、風砕スラグ以外の骨材(粗骨材を含む骨材)としては、溶銑予備処理スラグが好ましい。また、骨材の一部に転炉脱炭スラグを使用する場合でも、上述した観点から、骨材中の割合で35容積%程度を上限とすることが好ましい。
港湾土木用途の人工石材は、波浪安定性の向上という観点から高比重であることが求められ、具体的には、「JIS A5006 割ぐり石」に記載の硬石範囲以上:見掛比重2.5以上のものが求められる。このため本発明の人工石材は、乾燥比重を2.5以上とする。人工石材の乾燥比重は、骨材中の風砕スラグなどの配合量を調整することにより、調整することができる。
図1は、鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、骨材の一部に風砕スラグを用いたもの(骨材の残部は溶銑予備処理スラグ)と、骨材の一部に転炉脱炭スラグを用いたもの(骨材の残部は溶銑予備処理スラグ)について、骨材中の風砕スラグ又は転炉脱炭スラグの割合(容積%)と人工石材の乾燥比重との関係を示している。この試験で得られた人工石材は、溶銑予備処理スラグの一部又は全部が粗骨材を構成している。
図1によれば、骨材の一部に転炉脱炭スラグを用いた人工石材は、乾燥比重が2.5を下回り、転炉脱炭スラグの割合が多いほど乾燥比重は小さくなっている。これに対して、骨材の一部に風砕スラグを用いた人工石材は、乾燥比重が大きく、乾燥比重2.5以上が安定して得られている。
本発明の人工石材は、鉄鋼スラグ水和固化体からなるものであるが、リサイクル資源の有効活用、原料コスト、CO排出量などの環境への影響といった面から、多量のセメントや天然骨材を併用するコンクリートよりも、鉄鋼スラグ水和固化体の方が優れている点が多い。
本発明の人工石材の製法は特に制限はなく、基本的な製法は従来法と同様でよい。すなわち、原料(骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする)と水を混練し、この混練物を水和硬化させるが、この際、混練物を型枠に流し込んで水和硬化させて製品石材としてもよいし、混練物をヤードの広い範囲に打設し、水和硬化させた後、破砕・篩い分けを経て製品石材としてもよい。後者の製法では、例えば、原料と水の混練物をヤードの広い範囲に平に打設し、水和硬化後の水和固化体をコンクリートブレーカーなどの重機を用いて破砕し、必要に応じて、さらにジョークラッシャーなどを用いて破砕し、この破砕物を篩い分けして篩上を製品石材とする。篩い分けは、グリズリなどを用いて行うことができる。このような製法で得られる不定形な人工石材は、港湾土木材料である被覆石、根固め石、捨石、裏込め材、潜堤材などに特に適している。
・発明例1,2および比較例1
表2に示すような原料の配合で発明例及び比較例の製品(人工石材)を製造した。これらの製造例では、水、粉体(高炉スラグ微粉末、普通ポルトランドセメント)、粗骨材(粒径5mm超25mm以下)の単位量(kg/m)は同じにし、細骨材(粒径5mm以下)の種類と単位量(kg/m)を変えた。
比較例1は、細骨材として溶銑予備処理スラグのみを用いたものである。発明例1は、比較例1の配合に対して細骨材の約50%を風砕スラグで置換したものであり、発明例2は、比較例1の配合に対して細骨材の100%を風砕スラグで置換したものである。
これらの各実施例において、練りあがり直後のフレッシュ状態の流動性を評価するためにスランプ値(cm)を測定した。スランプ値は4cm以上を「良好」とし、スランプ値の測定は「JIS A1101(2005)コンクリートのスランプ試験方法」に準拠して行った。
また、得られた人工石材の品質について、以下のような評価を行った。
・膨張安定性
「鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアル −製鋼スラグの有効利用技術−(沿岸技術研究センター)」に準拠した鉄鋼スラグ水和固化体の膨張安定性評価試験方法(80℃膨張安定性試験、10日間浸漬)に基づき、試験後の供試体外観から膨張安定性を以下のように評価した。
○:有害なひび割れは確認されず、ポップアウトも少ない。
△:有害なひび割れは確認されないが、ポップアウトは多い。
×:有害なひび割れが確認される。
・強度
20℃水中標準養生後の4週圧縮強度(N/mm)を測定し、「JIS A5006(1995)割ぐり石」に記載される準硬石同等である4週圧縮強度:10N/mm以上を合格とした。圧縮強度の測定は「JIS A1108(2006)コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して行った。
・比重
表乾比重と乾燥比重を測定し、乾燥比重2.5以上を合格とした。比重は「JIS A1108」圧縮強度測定試験後の供試体を用いて測定した。20℃標準養生を行った供試体を圧縮強度測定に供する直前に、重量を測定して表乾重量を出し、直径および高さを測定して表乾体積を算出した。これらから表乾比重を算出した。その後105℃で恒量となるまで乾燥させて乾燥重量を出し、直径および高さを測定して乾燥体積を測定した。これらから乾燥比重を算出した。
以上の評価結果を表3に示す。これによれば、骨材の全量が溶銑予備処理スラグからなる比較例1はスランプ値が低く、混練物の流動性に難がある。流動性を増すために混和剤を加えることが考えられるが、原料コストの増大を招いてしまう。一方、発明例1、2はスランプ値が高く、混練物の流動性が十分に確保されている。また、製品比重が高く、強度と膨張安定性も十分なレベルが得られている。
Figure 2016216274
Figure 2016216274
・発明例3,4および比較例2〜4
表4に示すような原料の配合で発明例及び比較例の製品を製造した。これらの製造例では、水、粉体(高炉スラグ微粉末、普通ポルトランドセメント)の単位量(kg/m)は同じにし、骨材の種類と単位量(kg/m)を変えた。
比較例2は、粗骨材(粒径5mm超25mm以下)、細骨材(粒径5mm以下)ともに溶銑予備処理スラグのみを用いたものである。比較例3、4は、比較例2の配合に対して骨材の一部を転炉脱炭スラグ(粒径5mm以下)で置換したものである。また、発明例3、4は、比較例2の配合に対して骨材の一部を風砕スラグ(粒径5mm以下)で置換したものである。
これら各実施例について、上述したと同様の方法で、混練物のスランプ値の測定と、人工石材の品質(膨張安定性、強度、比重)の評価を行った。
その結果を表5に示す。これによれば、骨材の全量が溶銑予備処理スラグからなる比較例2はスランプ値が低く、混練物の流動性に難がある。また、骨材が溶銑予備処理スラグと転炉脱炭スラグからなる比較例3、4は製品比重が小さく、また、転炉脱炭スラグの割合が多い比較例4は膨張安定性も劣っている。これに対して、発明例3、4はスランプ値が高く、混練物の流動性が十分に確保されており、また、製品比重が高く、強度と膨張安定性も十分なレベルが得られている。
また、発明例3,4は、比較例2〜4に較べて製品の表乾比重と乾燥比重の差(比重差=表乾比重−乾燥比重)が小さく、製品の乾燥比重の確保、およびその品質管理の面で有利であることが判る。
なお、表5によれば、骨材の一部として転炉脱炭スラグを使用した場合(比較例3、4)でも流動性は改善しており、これは骨材全体の粒度分布が変化したことによる影響などが考えられる。しかし、転炉脱炭スラグは風砕スラグに較べて低比重、高吸水率、高膨張性であり、これらの特徴のうち高膨張性に伴う製品の膨張については、適切なエージング処理(例えば、大気エージング、蒸気エージング)を施すことで抑制することは十分に可能であるが、低比重、高吸水率という特徴はそのままであり、多量の転炉脱炭スラグを使用することは、高比重の製品を製造するという観点からは必ずしも望ましくない。
Figure 2016216274
Figure 2016216274
・比較例5
表6に示すような配合で、骨材の一部として風砕スラグを配合したコンクリート(特許文献4、5に記載のコンクリートに相当するもの)を製造し、上述したと同様の方法で、混練物のスランプ値と製品コンクリートの強度を測定した。その結果を表6に併せて示す。これによれば、総配合量から予想される製品比重は小さく、比重に難があることが判る。加えて、コンクリートであるため鉄鋼スラグ水和固化体と比較してセメント使用量が多く、且つ天然骨材を使用しているので、リサイクル資源の有効活用、原料コスト、CO排出量などの環境への影響といった面でも難がある。
Figure 2016216274

Claims (4)

  1. 骨材である製鋼スラグと結合材である高炉スラグ微粉末を主原料とする鉄鋼スラグ水和固化体からなる人工石材であって、
    骨材の一部が、溶融した転炉脱炭スラグにノズルから高速空気流を噴射することで得られた風砕スラグからなるとともに、該風砕スラグの骨材中に占める割合が10〜80容積%であり、乾燥比重が2.5以上であることを特徴とする人工石材。
  2. 骨材中に占める前記風砕スラグの割合が20〜60容積%であることを特徴とする請求項1に記載の人工石材。
  3. 骨材が粗骨材と細骨材からなり、細骨材の全量が前記風砕スラグからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の人工石材。
  4. 骨材が溶銑予備処理スラグと前記風砕スラグからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工石材。
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CN114409322A (zh) * 2022-03-04 2022-04-29 武汉理工大学重庆研究院 一种负碳钢渣免烧砖及其制备方法和应用

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