JP5326996B2 - 泥土含有固化体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、泥土を利用して得た固化体及びその製造方法に関し、さらには、泥土に鉄鋼スラグ等を混ぜて得た泥土含有固化体及びその製造方法に関する。
鉄鋼製造において、高炉で溶融された鉄鉱石の鉄以外の成分は、副原料の石灰石やコークス中の灰分と共に高炉スラグとなり、また、高炉で製造された銑鉄から鋼片をつくりだす製鋼工程では、製鋼スラグが生成し、このうち、前者の高炉スラグは銑鉄1tあたり約300kg発生し、後者の製鋼スラグは鉄1tあたり約120kg発生することから、これらを有効に利用する方法が種々検討されている。代表的には、溶融状態の高炉スラグに加圧水を噴射して急激に冷却させて得た高炉水砕スラグを粉砕し、普通セメント等を混ぜて高炉セメントにする方法があり、この高炉セメントは、石灰石や粘土等を焼成し、石膏を混ぜて、更に粉砕して得る、いわゆる普通ポルトランドセメントに比べて、焼成工程から得られるクリンカーの使用量を少なくすることができることから、省エネルギー等の観点からも、広く利用されている。
一方、製鋼スラグは、硬質かつ高耐磨耗性であることから、その特性を利用し、例えば、製鋼スラグに対して、高炉スラグを微粉砕した高炉スラグ微粉末や高炉セメント、フライアッシュ等を混ぜ、水を加えて混練し、養生することでコンクリート状の水和固化体が得られることが知られている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、製鋼スラグは、遊離石灰(フリーライム:f-CaO)を含むことから、その水和反応によりスラグ自体が膨張し、得られた固化体がひび割れしたり、場合によっては崩壊してしまうことがある。そのため、上記のような製鋼スラグを用いて水和固化体を得る場合には、通常、空気や水と反応させるエージング処理を行い、十分に安定化したものを使用しなければならない。そこで、水和固化体の製造において、安定化した製品を提供するために、財団法人沿岸開発技術センターから「鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアル」(非特許文献1)が発行されており、これによれば、膨張性が安定化する粉化率2.5%以下(質量ベース)の製鋼スラグを使用することが定められている。
ところで、高炉スラグや製鋼スラグのような鉄鋼スラグと同様に、近時、その再利用法の検討がなされているものに浚渫土や建設排土等の泥土がある。例えば航路、泊地、河川等の浚渫により生ずる浚渫土は、埋立て資材等に使用されているものの、その高い含水比が問題になり、リサイクル技術の確立が望まれている。そこで、製鋼スラグ等を泥土に混ぜることで、泥土の強度を改質する方法が提案されている(特許文献3参照)。強度が改良された泥土は、干潟や浅場造成用のマウンド材や、河床の深掘れ部分の埋め戻し材等に利用することができ、河川や海域の自然再生事業に適用することも可能になるが、この泥土を改質する技術は、上記のようなマウンド材や埋め戻し材として利用するのに必要なレベルの強度改良であり、コンクリート状の水和固化体を得る場合とは異なり、その圧縮強度は高々0.1〜0.5N/mm2程度である。
特開2003−2726号公報(段落0020) 特開2004−292295号公報(請求項1) 特開2009−121167号公報(表1及び2)
「鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアル(改訂版)〜製鋼スラグの有効利用技術」財団法人沿岸技術研究センター;H20年2月発行
製鋼スラグを用いて水和固化体を製造するために、従来、製鋼スラグのエージング処理は一般的に行われているが、製鋼スラグの膨張性を安定化させるために、スラグを野積みにして風雨にさらす自然エージングを行うと、1、2年程度のエージング期間が必要になる。一方で、スラグを水蒸気で処理して、エージング期間を2、3日程度に大幅に短縮できる蒸気エージングも利用されているが、自然エージングと同様、スラグを野積みするための広大な土地が必要になる。そのため、製鋼スラグを用いて水和固化体を得る上で、製鋼スラグのエージング処理が、手間やコストの面で大きな障害になっている。
そこで、本発明者等は、製鋼スラグを用いた水和固化体の製造において、製鋼スラグのエージング処理を必要とせずに、製鋼スラグの膨張を抑制する手段について鋭意検討した。その結果、泥土を水和固化体の混合原料に加えることで、製鋼スラグの膨張が抑制され、固化体のひび割れや崩壊を防ぐことができることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、粉化率が2.5%(質量ベース)を超えるような製鋼スラグの膨張を抑制して、ひび割れや崩壊を防ぐようにした固化体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、粉化率が2.5%(質量ベース)を超えるような製鋼スラグを用いながらも、ひび割れや崩壊を防いで固化体を得ることができる方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)(A1)高炉スラグ微粉末又は(A2)セメントのいずれか一方又は両方を15vol%以上40vol%以下、(B)含水比が質量ベースで70〜250%の泥土を40vol%以上50vol%以下、及び(C)最大粒径が5mm以下であり、粉化率が質量ベースで2.5%を超える製鋼スラグを10vol%以上45vol%以下含み、水分量が30vol%以上60vol%以下となるように調整した混合原料を、混練後に、養生して硬化させて得られたことを特徴とする泥土含有固化体。
(2)下記式(1)で表わされる強度指数が1.0以上の混合原料を用いることを特徴とする上記(1)項に記載の泥土含有固化体。
強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕・・・(1)
〔但し、α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)〕
(3)(A1)高炉スラグ微粉末又は(A2)セメントのいずれか一方又は両方を15vol%以上40vol%以下、(B)含水比が質量ベースで70〜250%の泥土を40vol%以上50vol%以下、及び(C)最大粒径が5mm以下であり、粉化率が質量ベースで2.5%を超える製鋼スラグを10vol%以上45vol%以下含み、水分量が30vol%以上60vol%以下となるように調整した混合原料を、混練後に、養生して硬化させることを特徴とする泥土含有固化体の製造方法。
(4)下記式(1)で表わされる強度指数が1.0以上の混合原料を用いることを特徴とする上記(3)項に記載の泥土含有固化体の製造方法。
強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕・・・(1)
〔但し、α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)〕
本発明によれば、粉化率が2.5%(質量ベース)を超えるような製鋼スラグを用いても、ひび割れや崩壊のおそれのない水和固化体を得ることができる。そのため、これまでのようなエージング期間を確保したり、広大な土地を利用して、事前に製鋼スラグをエージング処理する必要性がなくなることから、従来に比べて極めて低コストで、工業的に簡便かつ有利に水和固化体を製造することができるようになる。しかも、鉄鋼製造において副生される製鋼スラグや高炉スラグを利用するのみならず、これまでにリサイクル技術の確立が望まれていた泥土をも利用するため、これらの再利用の観点からも非常に有益である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、固化体を得るための混合原料に、(C)成分の製鋼スラグとして、最大粒径が5mm以下であり、かつ、粉化率が2.5%(質量ベース)を超えるものを用いる。一般に、製鋼スラグは、i)溶融状態のスラグを冷却ヤードに流し込み、自然放冷と適度の散水により冷却して結晶質の岩石状のスラグとし(冷却工程)、ii)これを破砕機で破砕した後に、篩い分けして、所定の粒度に調整するが(破砕・篩い分け工程)、この状態では、製鋼工程で添加されたCaOや微量のMgOの一部が溶解されずにスラグ中に残存するため、水と接触して膨張性を示す。そのため、通常は、この膨張性を安定化するために、iii)予め水と水和させて膨張させる、いわゆるエージング処理が行われる(エージング工程)。そして、製鋼スラグの膨張性が安定化したかどうかを判断する指標のひとつに粉化率の測定があり、粉化率が2.5%以下(質量ベース)であれば、エージング処理が十分に進み、水和固化体の製造において、ひび割れや崩壊を防げる製鋼スラグであると評価される(非特許文献1の118−136頁)。
この製鋼スラグの粉化率は、最大粒径よりも小さな第1の篩い目で製鋼スラグの細粒粉を篩い分け除去し、その第1の篩い目の上にある製鋼スラグを水に浸し、水温が80℃±3℃になった時点から連続10日間水温を保持して水和促進処理してから乾燥し、その後、第2の篩い目として、第1の篩い目よりも小さな篩い目で篩い分け、以下の式(2)から計算される値である。
(第2の篩い目の篩い下のスラグ質量)/(水和促進処理前の第1の篩い目のスラグ質量)×100(%) ・・・(2)
具体的に、本発明では、(C)成分の製鋼スラグとして最大粒径が5mm以下のものを使用することから、第1の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち4.75mmの篩い目を用いて細粒粉を除去し、篩い上のスラグを水に浸し、水温が80℃±3℃になった時点から連続10日間水温を保持して水和促進処理し、乾燥室内の温度を105℃±5℃の温度で24時間乾燥させた後に、第2の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち2mmの篩い目を用いて篩い分けして、上記式(2)に基づき粉化率を求めるようにする。ここで、上述した製鋼スラグの処理において、ii)の破砕・篩い分け工程で最大粒径5mm以下に加工したスラグは、通常、自然エージングでは、180日間程度、蒸気エージングでは2日間程度のエージング期間を要して膨張性が安定化されたスラグ、すなわち粉化率が2.5%以下(質量ベース)のスラグにすることができる。本発明では、少なくともこれらの期間を要するエージング処理を行うことなく(つまり、iii)のエージング工程を必要とせずに)、i)及びii)の工程を経て最大粒径5mm以下にした製鋼スラグを、そのまま水和固化体の混合原料に用いるようにする。その理由は、最大粒径が5mmを超えると、得られる固化体のひび割れや崩壊を十分に抑制することが難しくなるためである。なお、ii)の破砕・篩い分け工程で最大粒径5mm以下の製鋼スラグを得るための具体的な手段としては、例えば破砕機を用いて破砕を行い、その後、振動篩いにより篩い分けするなどの公知の方法を採用することができ、また、最大粒径が5mm以下の製鋼スラグとは、JIS A 1102に規定の「骨材のふるい分け試験方法」に基づき特定されるものである。
一般に、製鋼スラグは、高炉で製造された銑鉄から、不要な成分を除去して、靭性・加工性のある鋼にする製鋼工程で生じる石灰分を主体としたものであり、本発明では、所定の最大粒径及び粉化率を満たすものであればよく、(C)成分の製鋼スラグとして、例えば転炉スラグ、予備処理スラグ、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、電気炉還元スラグ、電気炉酸化スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグ等のいずれか1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。混合原料における(C)製鋼スラグの含有量については、体積比で10vol%以上50vol%以下、好ましくは25vol%以上45vol%以下である。製鋼スラグの含有量が10vol%より少ないと、得られる固化体の圧縮強度を十分確保することが困難になる。反対に、製鋼スラグの含有量が50vol%を超えると、ひび割れや崩壊を防ぐのが困難になる。なお、本発明で用いる(C)成分の製鋼スラグは、いわゆる未エージング処理品に限定されるものではなく、何らかのエージング処理を行ったものでも、最大粒径が5mm以下であり、粉化率が2.5%(質量ベース)を超えるものを使用してもよい。
また、混合原料に用いる(A1)高炉スラグ微粉末又は(A2)セメント(以下、これらをまとめて「(A)成分」と言う場合がある)について、このうち、(A1)高炉スラグ微粉末は、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収した高炉スラグを微粉砕したものであり、詳しくは、溶融状態のスラグに加圧水を噴射するなどして急激に冷却した水砕スラグを微粉砕したものを使用することができる。水砕スラグの微粉砕の程度は、一般に、3000〜8000cm2/g程度である。
一方、(A2)セメントは、ポルトランドセメントと混合セメントとに分類でき、このうち、ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントに分類され、また、混合セメントは、主に高炉セメント、フライアッシュセメントに分類される。なかでも、高炉セメントは、一般に、高炉水砕スラグを粉砕して普通ポルトランドセメントを混ぜたものであり、高炉スラグの分量によりA〜C種の3種類に分類(JIS R 5211)される。本発明では、これらのセメントのいずれを用いてもよい。また、先に記した(A1)高炉スラグ微粉末を含めて、本発明では、(A)成分として、(A1)高炉スラグ微粉末と(A2)セメントのいずれか一方を使用してもよく、2種類を混合して使用してもよい。
混合原料における(A)成分の合計含有量については、体積比で15vol%以上60vol%以下、好ましくは20vol%以上40vol%以下である。(A)成分の含有量が15vol%より少ないと、得られる固化体の圧縮強度を十分確保することが困難になる。反対に60vol%を超えると、(B)成分や(C)成分の配合割合が少なくなり過ぎて、必要な圧縮強度が十分に得られないほか、本発明が目的とする固化体のひび割れや崩壊を抑制する効果が不十分になるおそれがある。
また、(B)成分として用いる含水比が質量ベースで70〜250%の泥土としては、例えば浚渫土や建設排土等を挙げることができる。このうち、浚渫土は、港湾、河川、運河等の航路や泊地を拡げる目的や、河川、湖沼、ダム等の水底や海底の汚泥・底質汚染を除去する目的等を含めて、総じて浚渫により生じた土粒子と水とを含んだものである。また、建設排土は、掘削等の建設工事で排出される土粒子と水とを含んだものである。これらはいずれも、その高い含水比により、ダンプトラック等に山積みして搬送するのが困難であったり、その上を人が歩けない程度のものであり、本発明ではこのような泥土を、固化体を得るための混合原料に用いる。なお、泥土の含水比は、泥土に含まれる水と土粒子の質量比率(水/土粒子)から求めたものである。
先に述べたように、製鋼スラグは以下の化学式の反応が起こる際に膨張することが知られているが、本発明では、固化体の混合原料に泥土を用いることで、何らかの作用によりこのような反応が抑制されて、膨張が抑制されるものと考えられる。そのため、粉化率が2.5%(質量ベース)を超える製鋼スラグを用いて固化体を製造しても、ひび割れや崩壊を防ぐことができる。
CaO+H2O→Ca(OH)2
(B)成分に用いる泥土の含有量については、混合原料における体積比で、40vol%以上50vol%以下となるようにする。泥土の割合が40vol%に満たないと製鋼スラグの膨張を抑制する効果が十分に得られないおそれがあり、反対に50vol%を超えると、(A)成分や(C)成分の配合割合が少なくなり過ぎて、固化体として必要な圧縮強度が得られなくなるおそれがある。
また、混合原料中の水分量については、混合原料における体積比で、30vol%以上60vol%以下、好ましくは40vol%以上50vol%以下となるように調整する。混合原料における体積比で30vol%未満であると、混練作業が困難になるおそれがあり、反対に60vol%を超えると、所定の原料(A)〜(C)成分の配合量が十分確保できずに、固化体として必要な圧縮強度が得られなくなるおそれがある。この水分量は、混合原料に含まれる水分量のことを意味し、(A)〜(C)成分を配合して、別途水を添加しない場合は(B)成分の泥土中の水分量のみを表し、(A)〜(C)成分の他に水を添加する場合は(B)成分の泥土中の水分量と添加した水分量との合計量を表す。なお、(B)成分の泥土中の水分量が多すぎて水を除去した場合には、除去して調整した後の泥土中の水分量を表す。
本発明では、用いる混合原料について、強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕が1.0以上となるようにして、混練し、養生して固化体を得るようにするのが好ましい。ここで、各成分に乗じた係数について、非特許文献1の記載によれば、高炉スラグ微粉末が1であり、普通ポルトランドセメントが2である。また、混合セメントに乗じる係数αについては、フライアシュセメントの係数が0.35であるため、高炉スラグ微粉末と普通ポルトランドセメントとの混合物である高炉セメントの場合、あるいはフライアッシュと普通ポルトランドセメントの混合物であるフライアッシュセメントの場合は次の式により求められる。
α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)
例えば、混合セメントとして高炉セメントB種を用いる場合、普通ポルトランドセメントの含有量が質量比45%であり、高炉スラグ微粉末の含有量が質量比55%の場合は、α=1×0.55+2×0.45=1.45となる。また、先の強度指数を求める式における「水質量」は混合原料中の水分量であり、(B)成分の泥土に含まれる含水分のほか、別途水を添加した場合には、その添加水を含めた水分量であり、別途水を添加しない場合は、(B)成分の泥土中の水分量のみを表す。なお、(B)成分の泥土から水を一部取り除いた場合には、調整後の泥土に含まれる水分量である。
上記の強度指数が1.0以上の混合原料を用いれば、養生の際の硬化速度を速めて、例えば湿潤条件下で養生開始28日後(材齢28日)に少なくとも9.8N/mm2の圧縮強度を発現せしめることができるため好ましい。このような観点から、より好ましくは強度指数が1.5以上であるのが良く、更に好ましくは強度指数が1.7以上であるのが良い。
本発明において、混合原料を混練する具体的手段については特に制限されず、公知の混練手段を用いることができる。また、混練後の養生方法については、気中養生、水中養生、常圧蒸気養生など、通常の水和固化体を得るための方法を用いることができる。更には、目的とする固化体の用途等に応じて、混練後、即時脱型成型して養生するようにしてもよい。養生後は、所定の大きさに粉砕して、天然石に代わる人工石材として利用することができるほか、その用途に制限はない。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
高炉スラグ微粉末として、JIS A 6206に規定されたコンクリート用高炉スラグ微粉末4000(比表面積4000cm2/g)を用い、高炉セメントとして、JIS R 5211に規定された高炉セメントB種(比表面積3200〜3300cm2/g)を用い、浚渫土としては、東京湾第一航路の浚渫により回収された浚渫土(含水比159%、湿潤密度1.32g/cm3)を用いた。また、製鋼スラグとしては、製鐵所で回収した製鋼スラグを溶融状態のまま冷却ヤードに移送し、ヤードにて自然冷却させた後(冷却工程)、破砕機を用いて粉砕し、これを所望の粒度となるように篩い分け(破砕・篩い分け工程)、更には磁選にて粒鉄を除去して、粒径が5mm以下の製鋼スラグIと、粒径が5mm超30mm以下の製鋼スラグIIを回収した。また、粒径が5mm以下の製鋼スラグIの一部を144時間の蒸気エージング処理を行い(エージング工程)、製鋼スラグIIIを用意した。
上記で得た製鋼スラグに関し、このうち製鋼スラグI及びIIIについては、第1の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち4.75mmの篩い目を用いて細粒粉を除去し、篩い上のスラグを水に浸し、水温が80℃±3℃になった時点から連続10日間水温を保持して水和促進処理し、乾燥室内の温度を105℃±5℃の温度で24時間乾燥させた後に、第2の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち2mmの篩い目を用いて篩い分けして、下記式(2)に基づきそれぞれ粉化率を求めた。その結果、製鋼スラグIの粉化率は5.18%(質量ベース)であり、製鋼スラグIIIの粉化率は0.69%であった。一方、製鋼スラグIIについては、第1の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち9.5mmの篩い目を用い、第2の篩い目として、JIS Z8801-1に規定された篩いのうち8.0mmの篩い目を用いた以外は製鋼スラグIの場合と同様にして粉化率を求めたところ、6.93%(質量ベース)であった。これらの結果をまとめて表1に示す。
(第2の篩い目の篩い下のスラグ質量)/(水和促進処理前の第1の篩い目のスラグ質量)×100(%) ・・・(2)
Figure 0005326996
上記で準備した各原料を用いて、これらを表2に示したとおりに混合し、所定量の水を加えた混合原料を、2軸強制練りミキサーを用いて2分間混練した後、モールドに詰めて成形し、これを温度20℃の湿潤条件下で28日間養生させて、φ50mm×高さ100mmの試験用固化体(実施例1〜2及び比較例1〜3)を得た。また、参考例として、粉化率が2.5%以下(質量ベース)の製鋼スラグIIIを用いて表2に示したとおりに混合し、上記と同様に試験用固化体を得た(参考例1)。なお、表2における強度指数は下記式(1)から求められ、具体的には〔(B1)+1.55×(B2)〕/〔(W1)+(W2)〕から求めた値である。
強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕・・・(1)
〔但し、α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)〕
Figure 0005326996
上記の試験用固化体について、養生開始から1週間経過した時点、及び2週間経過した時点で、それぞれ試験用固化体の外観を目視にて確認し、表面に形成されたポップアウト(発砲の形跡)の数、及びクラックの有無(クラックが発生している場合はその長さと本数)を評価した。また、養生開始から28日経過した試験用固化体について、1000kN耐圧圧縮試験機を用いて一軸圧縮強度を測定した。これらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 0005326996
以上の結果より、実施例1及び2の固化体はクラックの発生がなく、参考例1の固化体と同様にひび割れや崩壊を防ぐことができた。これに対し、比較例1〜3の固化体は、いずれもクラックの発生が確認されることから、本発明のように、粉化率が2.5%(質量ベース)を超える製鋼スラグであっても、最大粒径が5mm以下のものを泥土と共に混合原料に使用することで、製鋼スラグの膨張を抑制して、得られる固化体のひび割れや崩壊を防止できることが分かった。

Claims (4)

  1. (A1)高炉スラグ微粉末又は(A2)セメントのいずれか一方又は両方を15vol%以上40vol%以下、(B)含水比が質量ベースで70〜250%の泥土を40vol%以上50vol%以下、及び(C)最大粒径が5mm以下であり、粉化率が質量ベースで2.5%を超える製鋼スラグを10vol%以上45vol%以下含み、水分量が30vol%以上60vol%以下となるように調整した混合原料を、混練後に、養生して硬化させて得られたことを特徴とする泥土含有固化体。
  2. 下記式(1)で表わされる強度指数が1.0以上の混合原料を用いることを特徴とする請求項1に記載の泥土含有固化体。
    強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕・・・(1)
    〔但し、α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)〕
  3. (A1)高炉スラグ微粉末又は(A2)セメントのいずれか一方又は両方を15vol%以上40vol%以下、(B)含水比が質量ベースで70〜250%の泥土を40vol%以上50vol%以下、及び(C)最大粒径が5mm以下であり、粉化率が質量ベースで2.5%を超える製鋼スラグを10vol%以上45vol%以下含み、水分量が30vol%以上60vol%以下となるように調整した混合原料を、混練後に、養生して硬化させることを特徴とする泥土含有固化体の製造方法。
  4. 下記式(1)で表わされる強度指数が1.0以上の混合原料を用いることを特徴とする請求項3に記載の泥土含有固化体の製造方法。
    強度指数=〔(1×高炉スラグ微粉末質量+2×ポルトランドセメント質量+α×混合セメント質量)/水質量〕・・・(1)
    〔但し、α=1×(混合セメント中の高炉スラグ微粉末の質量比)+2×(混合セメント中のポルトランドセメント質量比)+0.35×(混合セメント中のフライアッシュの質量比)〕
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