JP7059744B2 - スラグコンパクションパイル工法用材料、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法及びスラグコンパクションパイルの造成方法。 - Google Patents

スラグコンパクションパイル工法用材料、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法及びスラグコンパクションパイルの造成方法。 Download PDF

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本発明は、スラグコンパクションパイル工法用材料、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法及びスラグコンパクションパイルの造成方法に関する。
我が国の港湾地域の海底は主に軟弱な粘性土地盤が厚く堆積しており、このような軟弱な基礎地盤上に重力式ケーソン等の護岸を建設する場合、支持力不足や多大な沈下発生が想定される。そのため、一般的に、天然砂を用いて軟弱地盤中に強固な砂杭(サンドコンパクションパイル)を造成して軟弱粘性土地盤を部分的に置換えるサンドコンパクションパイル工法や、天然砂の代わりに鉄鋼スラグを材料としたスラグコンパクションパイルを造成するスラグコンパクションパイル工法、軟弱地盤にセメント等の固化材を混合し固化させる深層混合処理工法等の、地盤の改良が行われている。
一方、港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年7月(社)日本港湾協会 以下、”港湾基準”という) (下)第4編第5章2岸壁において、レベル2地震動に対する岸壁(耐震強化施設)の損傷レベルについての要求性能としは、軽微な修復による必要機能の回復に影響を及ぼさないこと、あるいは必要とされる機能を損なわず継続して使用することに影響を及ぼさないことと定められている。具体的には、同1.4「耐震強化施設のレベル2地震動に対する変形量の限界値の標準的な考え方」において、表1の[特定(緊急物資輸送対応)]に示すように、レベル2地震動による変形量の限界値の標準が示されており、残留変形量の限界値は100cm程度、残留傾斜角の限界値は3度程度とされている。
Figure 0007059744000001
護岸の基礎地盤の改良後の強度・変形特性は、岸壁の損傷レベルの指標となる残留変形量に大きな影響を与えることが知られている。例えば、深層混合処理工法による改良地盤は、非常に高強度かつ高剛性であるため、レベル2地震動に対する被災レベルの抑制に大きな効果がある。一方、サンドコンパクションパイル工法は、一般的に、深層混合処理工法に比べて安価であるものの、それにより改良された地盤の強度や変形抑制効果が深層混合処理工法に対して劣る。そのため、サンドコンパクションパイル工法による改良地盤は、深層混合処理工法による改良地盤と比較して被災レベルが大きく、レベル2地震動に対して港湾基準で求められる要求性能を満足しないケースがある。
また、サンドコンパクションパイル工法による地盤の改良において、地盤の耐震性を向上させるためには、高置換率で高強度のサンドコンパクションパイルを造成する必要がある。
一方、サンドコンパクションパイル工法に使用するサンドコンパクションパイル材料の粒度は、施工性に影響を及ぼし、材料の粒度によっては、ケーシングパイプを通じて材料を軟弱地盤中に造成する際に、ケーシングパイプの内部にサンドコンパクション材料が詰まり、サンドコンパクションパイルの施工性が低下することがある。
そこで、効果的に残留変形量を低減させるサンドコンパクションパイル工法として、例えば、特許文献1には、サンドコンパクションパイル材料として、従来の砂に代えて、かみ合せ効果が大きい粒状材でかつ水硬性を有する鉄鋼スラグ、例えば、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグを用いる技術が開示されている。
特開2007-303091号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、従来の天然砂を用いたサンドコンパクションパイル改良地盤と比較して高強度、変形抑制効果は大きいものの、深層混合処理工法で改良された地盤と比べて、強度、変形抑制効果は劣る。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、施工性を維持しながら、地盤の耐震性を向上させることが可能なスラグコンパクションパイル工法用材料、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法及びスラグコンパクションパイルの造成方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、鉄鋼スラグの種類として高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有し、高炉水砕スラグと製鋼スラグの混合材料を95%以上の締固め度Dcで締固めた後、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さが、300kN/m以上であり、レベル2地震動に対する改良地盤上の構造物の残留水平変位量が100cm以下である、スラグコンパクションパイル工法用材料が提供される。
前記高炉水砕スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、5~80質量%であり、前記製鋼スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、20~95質量%であり、前記高炉水砕スラグの混合率及び前記製鋼スラグの混合率の合計が100質量%以下であることが好ましい。
前記鉄鋼スラグの種類として、更に高炉徐冷スラグを含有し、前記高炉徐冷スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、10質量%以下であり、前記製鋼スラグの混合率と、前記高炉水砕スラグの混合率と、前記高炉徐冷スラグの混合率とが合計で100質量%であることが好ましい。
JIS A 1204で規定された細粒分混合率FCに関し、高炉水砕スラグの細粒分混合率FCBFと、製鋼スラグの細粒分混合率FCLDとが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0質量%≦α・FCBF+β・FCLD≦10質量% 式(1)
α:前記高炉水砕スラグの混合率(質量%)
β:前記製鋼スラグの混合率(質量%)
FCBF:前記高炉水砕スラグの細粒分混合率(質量%)
FCLD:前記製鋼スラグの細粒分混合率(質量%)
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、鉄鋼スラグの種類として高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有する混合材料を、95%以上の締固め度Dcで締め固めた後、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さが、300kN/m以上となるように、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して5~80質量%の前記高炉水砕スラグと、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して20~95質量%の前記製鋼スラグと、を混合し、前記高炉水砕スラグ及び前記製鋼スラグの合計質量を前記鉄鋼スラグの合計質量に対して100質量%以下とする混合工程を含み、レベル2地震動に対する改良地盤上の構造物の残留水平変位量を100cm以下とする、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、本発明に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を、ケーシングパイプ内に投入して、スラグコンパクションパイルを造成する、スラグコンパクションパイルの造成方法が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、スラグコンパクションパイル工法を用いて、施工性を維持しながら地盤の耐震性を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体の三軸圧縮試験を説明するための説明図である。 同実施形態に係る三軸圧縮試験における軸ひずみεa-軸差応力(せん断力)q(=σ)の関係と、地震応答解析における弾塑性モデル(弾完全塑性モデル)での降伏時のせん断力τの設定方法を説明するための説明図である。 同実施形態に係る供試体の一軸圧縮強さqと地震応答解析に用いられるせん断抵抗角φの関係の一例を示すグラフ図である。 同実施形態に係るサンドコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体に作用するせん断力τとせん断ひずみγの関係を説明するための説明図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料の初期せん断剛性率Gと、せん断ひずみγ及びせん断力τとの関係を説明するための説明図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体の一軸圧縮強さqと地震応答解析に用いる初期せん断剛性率G(微小ひずみの等価せん断剛性率)の一例を示すグラフ図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体を用いた「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により得られたせん断ひずみγとせん断剛性率G及び履歴減衰率hの関係図の一例を示すグラフ図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体を用いた「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により得られたせん断ひずみγと、せん断剛性率Gを初期せん断剛性率Gで正規化した値(G/G)との関係図の一例を示すグラフ図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料を用いた供試体を用いた「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により得られたせん断ひずみγと履歴減衰率hの関係図の一例を示すグラフ図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の別の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の別の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の別の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の別の一例を説明するための模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法を用いた改良地盤上の岸壁の地震応答解析モデルの模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法を用いた改良地盤上の岸壁の地震応答解析における改良仕様の模式図である。 同実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法を用いた改良地盤上の岸壁の地震応答解析における入力地震波の模式図である。 同実施形態に係る高炉水砕スラグの混合率αと製鋼スラグの混合率βを変化させた供試体の一軸圧縮強さを示すグラフ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.背景>
緩い砂や軟弱な粘性土からなる地盤上に構造物を築造する場合には、地震時の緩い砂の液状化防止、構造物の荷重等による軟弱粘性土のすべり破壊防止や沈下低減対策として、サンドコンパクションパイル等の地盤改良が行われる場合が多い。サンドコンパクションパイル工法とは、強固に締固めたサンドコンパクションパイルを改良すべき地盤中に造成する地盤改良方法の一種である。
サンドコンパクションパイル工法は、次のような流れで行われる。まず、振動機などを用いてケーシングを所定の深さまで貫入し、ケーシング先端からサンドコンパクションパイル材料を排出しながらケーシングを所定の高さまで引上げる。次いで、そのケーシングを打ち戻し、排出したサンドコンパクションパイル材料を締固める。上記を繰り返してサンドコンパクションパイルを造成する。
従来のサンドコンパクションパイル工法では、サンドコンパクションパイル材料として天然砂を用いてサンドコンパクションパイルが造成されてきたが、天然資源の保護の観点から、サンドコンパクションパイル材料として、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕などの鉄鋼スラグの利用が推進されている。
ここで、製鋼スラグとは、製鋼工程で生成されるスラグであり、例えば、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、2次製錬スラグ、電気炉スラグなどを含む。
高炉徐冷スラグとは、溶融状態の高炉スラグが、自然放冷と適度な散水により冷却されることで生成されるスラグである。高炉徐冷スラグは、結晶質で通常40mm程度以下の砕石状で利用される。また、高炉水砕スラグとは、溶融状態の高炉スラグを加圧水で急冷することにより生成されるスラグであり、ガラス質(非結晶)で粒状を有する。
先だって説明したように、上記の特許文献1に記載の方法では、スラグコンパクションパイル工法材料として、必ず高炉徐冷スラグを使用していた。しかし、スラグコンパクションパイルの強度に着目した場合、特許文献1に開示された高炉徐冷スラグを含むスラグコンパクションパイル材料を使用したスラグコンパクションパイルでは、深層混合処理工法(CDM工法)による改良地盤と同等レベルの耐震性が得られる強度が得られにくかった。
本発明者らは、この原因について鋭意検討したところ、特許文献1に開示されたスラグコンパクションパイル材料を使用した場合、スラグコンパクションパイルが膨張し、ある程度の強度までしか増加しない場合があることを発見した。本発明者らは、この膨張の原因について、化学分析の結果から以下に示すメカニズムであることを明らかにした。スラグコンパクションパイル工法材料に用いられるスラグとして、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ及び高炉水砕スラグの混合材を用いた場合、スラグコンパクションパイル造成後に、高炉徐冷スラグから硫黄が溶出し、溶出した硫黄が酸化して硫酸イオンが生成される。また、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ及び高炉水砕スラグからカルシウムイオンが溶出し、更に高炉徐冷スラグ及び高炉水砕スラグからアルミニウムイオンが溶出する。この生じた硫酸イオン、溶出したカルシウムイオン及びアルミニウムイオンにより、セメント水和物の一種であるエトリンガイト(3CaOAl・3CaSO・32HO)が生成される。このエトリンガイトは、スラグコンパクションパイル材料を構成しているスラグの粒子間に生じ、その成長過程で結晶生成圧により粒子間を押し広げ膨張することにより、一度固化したスラグコンパクションパイルの強度増加が阻害されるとことが判明した。
従って、本発明者らは、鉄鋼スラグの中で特に硫黄成分の溶出量が多い高炉徐冷スラグを使用せず、製鋼スラグ及び高炉水砕スラグのみをスラグコンパクションパイル工法の材料として使用することがスラグコンパクションパイルの強度向上に有効であると着想するに至った。
一方で、施工性を維持するために、従来のスラグコンパクションパイル工法では、粒度改善のため高炉徐冷スラグを含む混合スラグが使用されてきた。製鋼スラグは細粒分を多量に含む場合が多く、スラグコンパクションパイル造成時に、ケーシングパイプがこの製鋼スラグの細粒分により閉塞し、施工性が低下する原因となっていた。そのため、従来、粒度の大きな高炉徐冷スラグを使用してスラグコンパクションパイル材料の粒度を調整することで、スラグコンパクションパイル造成の施工性を維持していた。
しかし、近年、製鋼スラグの製造プロセスの改善等により、細粒分の混合率が低い製鋼スラグが製造されるようになった。例えば、製鋼工程で生じた溶融スラグが冷却され、破砕されて得られた製鋼スラグが、所定の粒度範囲毎に分級されるようになった。
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ね、製鋼スラグ及び高炉水砕スラグのみを使用して、レベル2地震動に対する岸壁の残留水平変位量が目標性能レベルである100cm程度以下となるようなスラグコンパクションパイル工法用材料及びスラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法を発明した。本発明により、スラグ細粒分によるケーシングの閉塞により施工性を低下させることなく、スラグコンパクションパイルを造成することが可能となった。
<2.スラグコンパクションパイル工法用材料>
ここまで、本発明者らが本発明をするに至った経緯に説明した。続いて、本実施形態に係るスラグコンパクションパイル用材料について説明する。本実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法材料は、スラグの種類として高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有し、高炉水砕スラグと製鋼スラグの混合材料を95%以上の締固め度Dcで締固めた後、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さqが300kN/m以上であるスラグコンパクションパイル工法材料である。
<2.1.締固め度D
まず、スラグコンパクションパイル材料の締固め度Dについて説明する。締固め度Dは、材料の締固めの程度を表す指標である。締固め度Dは、具体的には、最大乾燥密度に対する材料の締固め時の乾燥密度の比であり、締固め度Dが高い材料であるほど、粒子の集合体としての供試体のせん断強度(せん断抵抗角φ)が大きく、荷重作用時の変形が小さい(剛性が大きい)という特性を有する。上記最大乾燥密度は、「JIS A 1210:土の突固めによる土の締固め試験」に規定された方法に基づいて測定する。最大乾燥密度は、具体的には、直径15cm、高さ12.5cm、容積2209cmの鋼製モールドにスラグコンパクションパイル材料を高さ方向に3層に分けて突き固め充填する。各層の突き固めは、質量が4.5kgのランマーを高さ45cmの位置から92回落下させて行う。そして、突き固め後の材料の密度を測定する。この試験では、含水比を変えた数種類の材料に対して上記の方法で締固め試験を行い、その締固め試料を炉乾燥して得られた数種類の乾燥密度の最大値を最大乾燥密度、最大乾燥密度が得られるときの締固め時の試料の含水比を最適含水比として評価する。
本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料を用いて作製する供試体の締固め度Dは95%以上とする。これは、本発明者らにより実際に施工されたスラグコンパクションパイルの杭頭部における締固め度Dの実測値(95%~115%)のほぼ下限値であることから、供試体の締固め度Dを95%以上とすることで、実際に岸壁に施工するスラグコンパクションパイルの強度がより安全側(スラグコンパクションパイルの強度が供試体の強度以上)になる。
<2.2.一軸圧縮強さq
先だって説明したように、港湾基準により、耐震性評価の基準として、レベル2地震動に対する地盤の残留水平変位量が、例えば、100cm程度以下であることが一つの指標となっている。一軸圧縮強さは、残留水平変位を抑制するための、スラグコンパクションパイルならびにその改良地盤におけるせん断抵抗角φや初期せん断剛性率Gとも後述するような相関性をもっており、材料品質管理の上から最も望ましい指標である。
28日間養生した後の供試体の一軸圧縮強さqが300kN/m以上であると、後述する図16Aの海底地盤、図16Bに示すスラグコンパクションパイルで70%で改良した岸壁直下の基礎地盤、岸壁、裏込め、埋め立てからなる港湾のモデルに図17に示すレベル2地震波を最下層の基盤から入力した地震応答解析(有効応力解析)での護岸頂点での残留水平変位量が100cm程度以下となる。図16Aは、「(財)沿岸開発技術センター、港湾構造物設計事例集、2007年、上巻、第1編、p7-1~7-65」に記載に基づいた解析モデルである。一方で、28日間養生した後の供試体の一軸圧縮強さqが300kN/m未満であると、残留水平変位量が100cmを超え、岸壁の要求性能を満足できない。従って、28日間養生した後の供試体の一軸圧縮強さqは300kN/m以上とする。また、28日間養生した後の供試体の一軸圧縮強さqが500kN/m以上であると傾斜角が3度以下となるため、28日間養生した後の供試体の一軸圧縮強さqは、好ましくは500kN/m以上である。
一軸圧縮強さqは、公知の方法で測定できる。例えば、一軸圧縮試験機を用いて、供試体を毎分1%の軸ひずみが生じるように連続して供試体に荷重をかけ、測定した軸ひずみと荷重から圧縮応力―軸ひずみ曲線を作成する。この圧縮応力―軸ひずみ曲線から得られる圧縮応力の最大値を一軸圧縮強さqとすることができる。
<2.3.スラグ混合率>
本実施形態に係る高炉水砕スラグと製鋼スラグを含むスラグコンパクションパイル材料は、締め固めることで拘束圧依存性を有するせん断抵抗(粒子の摩擦抵抗成分であるφ成分)が発現し、また、スラグコンパクションパイル材料が水和反応により固化することで、拘束圧に依存しないせん断抵抗(粘着成分)が発現する。その結果、本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料は、天然砂にはない強固なスラグコンパクションパイルを形成する。中でも、スラグコンパクションパイル材料の固化に起因するせん断抵抗は、高炉水砕スラグがアルカリによる刺激を受けて硬化するアルカリ刺激作用によって発現する。高炉水砕スラグは、スラグ成分の合計質量に対して5質量%以上含まれると、特にアルカリ作用の大きい製鋼スラグによるアルカリ刺激が高炉水砕スラグに与えられることで固化が促進され、スラグコンパクションパイルの強度を向上させることができる。一方で、高炉水砕スラグは、製鋼スラグと比較して粒度分布が単粒度に近く、締固めにくい。そのため、高炉水砕スラグの混合率αが30質量%以上となると、高炉水砕スラグと製鋼スラグが混合されたスラグコンパクションパイル材料の締固め性が低下し、スラグコンパクションパイルの強度向上の効果は低減する。よって、高炉水砕スラグの混合率αは、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、製鋼スラグの混合率βは、70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、高炉水砕スラグの混合率αは10質量%以上20質量%以下であり、製鋼スラグの混合率βは、80質量%以上90質量%以下である。
<2.4.スラグ組成>
<2.4.1.高炉水砕スラグ>
本実施形態に係る高炉水砕スラグは、一般的なセメント原料として用いられる成分を有していることが好ましい。そのため、高炉水砕スラグの含有化学成分は、一般的に用いられるセメント原料の組成範囲である、35~44質量%のCaOと、31~35質量%のSiOと、10~15質量%のAlと、5~8質量%のMgOと、を合計で100質量%以下となるように含有することが好ましい。
<2.4.2.製鋼スラグ組成>
高炉水砕スラグのアルカリ刺激効果は、製鋼スラグに含まれるf-CaOの多寡により、増減する可能性があるため、製鋼スラグは、1.0質量%以上のf‐CaOを少なくとも含有することが好ましい。より好ましくは、f-CaOの含有率は2.0質量%以上である。また、製鋼スラグは、35質量%以上50質量%未満のCaOと、7質量%以上20質量%未満のSiOとを含むことが好ましい。
<2.4.3.スラグ組成分析方法>
スラグの含有化学成分については、スラグから代表性良く分析試料を採取し、微粉砕した後、粉体ブリケットあるいはガラスビード化して蛍光X線装置により分析する方法、あるいは微粉砕した試料を酸やアルカリ等を用いて分解して溶液化し、ICP-OES法、原子吸光光度法、吸光光度法などで分析する方法が挙げられる。製鋼スラグに含まれるf-CaOについては、採取した分析試料を75μm以下に粉砕し、80℃程度に加熱したエチレングリコールに浸漬させることによって試料中のf-CaOを選択的に抽出した後、エチレングリコール中のCa濃度をICP-OES法、原子吸光光度法、吸光光度法などで分析することによって求めることができる。
<2.4.4.スラグ最大粒径>
高炉水砕スラグの最大粒径は、固化促進の観点から9.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは、高炉水砕スラグの最大粒径は、4.75mm以下である。また、製鋼スラグの最大粒径は、高炉水砕スラグのアルカリ刺激による固化促進の観点から、40mm以下であることが好ましい。より好ましくは、製鋼スラグの最大粒径は26.5mm以下である。
本実施形態に係る高炉水砕スラグ及び製鋼スラグの最大粒径は、「土の粒度試験方法」(JIS A 1204)において、全ての材料が通過する試験用ふるい(JIS Z 8801)に規定されている最小のふるい目とする。
<2.4.5.細粒分混合率FC>
細粒分混合率FCは、粒径75mm未満の地盤材料に含まれる粒径75μm未満の粒子である細粒分の割合を示す値であり、その地盤材料が粗粒材料か否かの判別や地震時の地盤の液状化判定などに利用される。この細粒分混合率FCは、「JIS A 1204:土の粒度試験方法」に規定された方法で測定される。
一般的に、スラグの粒径が小さいほどスラグの固化が促進される。そのため、高強度のスラグコンパクションパイルの製造には、地盤材料の細粒分混合率FCが高い方が好ましい。一方で、スラグコンパクションパイル材料の細粒分が多い場合は、スラグコンパクションパイル造成時に、ケーシングパイプがスラグコンパクションパイル材料により閉塞し、施工性が低下する可能性がある。そのため、本実施形態に係る高炉水砕スラグの細粒分混合率FCBF(質量%)と、製鋼スラグの細粒分混合率FCLD(質量%)は、(1)式を満たすことが好ましい。
0質量%≦α・FCBF+β・FCLD≦10質量% (1)
ただし、αは高炉水砕スラグの混合率(質量%)であり、βは製鋼スラグの混合率(質量%)である。
<2.4.6.供試体のせん断抵抗角φ
地盤を形成する土のせん断抵抗角φは、地盤の支持力、地盤の沈下、地盤の変形等の、構造物を支持する地盤の安定性に影響を及ぼす重要な因子の一つである。地盤にスラグコンパクションパイルを造成する際には、改良地盤の仕様を決定するための安定計算の際に、スラグコンパクションパイル材料のせん断抵抗角φが用いられ、かかるせん断抵抗角φは、必要に応じて実際に測定して設定される場合が多い。ここで、材料を所要の密度に充填して作製した集合体である供試体のせん断抵抗角φを算出する方法を、図1及び図2を参照しながら説明する。まず、スラグコンパクションパイル材料を用いた供試体に三軸圧縮試験を実施して、応力―ひずみ曲線Lを作成する。図1は、三軸圧縮試験の供試体(D=150mm、H=300mmの円柱供試体)に作用する応力σと、供試体に発生する軸ひずみεを説明するための説明図である。図2は、三軸圧縮試験における軸差応力qと軸ひずみεとの関係を示すグラフ図である。三軸圧縮試験では、供試体を試験機にセットした後、水平2方向及び鉛直1方向の三軸の各方向に、等方圧密圧力σを作用させる。所定の時間経過後、鉛直軸方向の1軸方向のみ圧力を増加させると、最大主応力σが作用する。この最大主応力σと最小主応力である圧密圧力σとの軸差応力q(=σ―σ)により、供試体には軸ひずみεが生じる。軸ひずみεは、供試体の高さHに対する、軸差応力qによる変形量ΔHの比であるΔH/H(=ε)で示される。
供試体の圧密非水三軸圧縮試験の試験初期では、図2の応力―ひずみ曲線Lに示すように、供試体の軸ひずみεが増大するに従って、軸差応力qも増加するひずみ硬化が生じる。しかし、軸差応力qが最大強度を示した後は、軸ひずみεの増大とともに軸差応力qが低下するひずみ軟化挙動を示す。
一方、地震応答解析による応力―ひずみ関係としてよく用いられる弾完全塑性モデルでは、軸差応力q(=せん断力)が最大強度を示した後は、軸ひずみεが増大しても軸差応力qが一定である図2のLのような曲線となる。そのため、供試体の応力―ひずみ曲線Lを、地震応答解析の弾完全塑性モデルによる軸ひずみεと軸差応力qとの関係を示す応力―ひずみ曲線Lに変換する必要がある。三軸圧縮試験により得られる供試体の応力―ひずみ曲線Lを地震応答解析モデルの応力―ひずみ曲線Lに変換する方法として、次のような方法を適用可能である。
例えば、供試体の三軸圧縮試験により得られる応力―ひずみ曲線Lにおいて、軸ひずみεが5%となるときの軸差応力qを、地震応答解析の応力-ひずみ曲線Lの軸差応力の最大値(残留応力qres)と仮定する。残留応力qresとなるときの、最大主応力σ1resと圧密圧力σから、降伏応力(すなわち降伏強度)に相当する供試体のせん断抵抗角φは、(2)式のように示される。
sinφ=(σ1res-σ)/(σ1res+σ) (2)
残留応力qres(=σ1res-σ)から、(2)式は(3)式のように書き換えられる。
φ=sin-1(qres/(qres+2σ)) (3)
ここで、φは供試体のせん断抵抗角である。qresは、供試体の三軸圧縮試験により得られる応力―ひずみ曲線Lにおいて、軸ひずみεが5%となるときの軸差応力である。σは、三軸圧縮試験における圧密圧力である。かかる供試体のせん断抵抗角φは、本実施形態にかかる地震応答解析に用いられる。
同一条件で作製、養生して得られた供試体の一軸圧縮強さqと三軸圧縮試験による地震応答解析に用いられるせん断抵抗角φの関係を図3に示す。図3に示すように、一軸圧縮強さqとせん断抵抗角φとの間には相関があることがわかる。この相関について、最小自乗法による線形相関を行った事例として、以下の(4)式に示す相関式を得た。
φ=0.0292×q+44.456(決定係数R=0.8194) (4)
この相関に基づくと、一軸圧縮強さqが300kN/m以上であれば、せん断抵抗角φは52.5°以上、一軸圧縮強さqが400kN/m以上であれば、せん断抵抗角φは55°以上、一軸圧縮強さqが500kN/m以上であれば、せん断抵抗角φは57.5°以上となる。上記いずれのせん断抵抗角φにおいても、後述するせん断剛性率G(その中で初期せん断剛性率G)と一軸圧縮強さqとの相関関係も考慮して、後述する図16Aのモデルでの地震応答解析を行うと、岸壁の残留水平変形量が100cm程度以下に収まる。地盤の耐震性をより向上させるには、一軸圧縮強さqは、より好ましくは、500kN/m以上である。
なお、一軸圧縮強さqとせん断抵抗角φとの間の相関式は、供試体を新たに作製して一軸圧縮試験と三軸圧縮試験を行い、一軸圧縮強さq及びせん断抵抗角φのデータが増加するごとに、再計算されたものを使用することも可能である。多くの一軸圧縮強さq及びせん断抵抗角φのデータを用いて算出された相関式であるほど、より精密に地盤の残留水平変位を抑制可能なせん断抵抗角φが取得可能となる。
<2.4.7.初期せん断剛性率G
地盤のせん断剛性率Gは、先だって説明した地盤を形成する土のせん断抵抗角φと同様に、地盤の変形に影響を与える因子の一つである。そのため、造成されるスラグコンパクションパイルのせん断剛性率Gは、地盤改良の際に検討されることが多い。従って、地盤の変形は、その地盤の形成する土のせん断抵抗角φ及びせん断剛性率Gの影響を受ける。例えば、図4に示すように、地盤に対して垂直応力σとせん断応力τが作用し、地盤にせん断ひずみγが生じた場合を考える。せん断剛性率Gは、厳密には地盤のせん断応力とせん断ひずみの関係が非線形(曲線)であるため、せん断ひずみの増加とともに曲線の勾配であるせん断剛性率Gが低下する。この関係において、非常に小さいせん断ひずみにおいては、せん断剛性率Gは最大値をとって一定と判断できる。この微小ひずみの等価せん断剛性率Geqを初期せん断剛性率Gと定義する。
ここで、図5を参照して、初期せん断剛性率Gについて説明する。図5は、せん断ひずみγ及びせん断力τとの関係を説明するための説明図である。土のせん断強度の実験式では、土に粘着力が発生しない場合、せん断強度τと垂直応力σとの関係は、土のせん断抵抗角φを用いて、(5)式のように表される。
τ=σ・tanφ (5)
初期せん断剛性率Gは、図5におけるせん断ひずみγ及びせん断力τとの関係図の初期接線から幾何学的に求められる。
供試体の初期せん断剛性率Gは、地盤工学会基準「変形特性を求めるための繰り返し試験」の一方法である「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により求めることができる。同一条件で作製、養生して得られた供試体の一軸圧縮強さqと初期せん断剛性率Gの関係を図6に示す。図6に示すように、一軸圧縮強さqと初期せん断剛性率Gとの間には相関があることがわかる。この相関について、最小自乗法による線形相関を行った事例として、以下の(7)式に示す相関式を得た。
=92.315Ln(q)+192.03(決定係数R=0.8562) (7)
この相関に基づくと、一軸圧縮強さqが300kN/m以上であれば、初期せん断剛性率Gは300MN/m以上、一軸圧縮強さqが400kN/m以上であれば、初期せん断剛性率Gは350MN/m程度、一軸圧縮強さqが500kN/m以上であれば、初期せん断剛性率Gは375MN/m以上となる。いずれも前述したせん断抵抗角φと一軸圧縮強さqとの相関関係も考慮して、後述する図16Aのモデルでの地震応答解析を行うと、岸壁の残留水平変形量が100cm程度以下に収まる。地盤の耐震性をより向上させるには、一軸圧縮強さqは、より好ましくは、500kN/m以上である。
図7は、地盤工学会基準「変形特性を求めるための繰り返し試験」に記載された「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)に基づいて繰り返し三軸試験を行い、得られたせん断ひずみγと等価せん断剛性率Geq及び履歴減衰率hの関係を示した図である。等価せん断剛性率Geqは、前述の通りせん断ひずみの増加とともに低下する。低ひずみ側のせん断剛性率を外挿予測することで、等価せん断剛性率Geqの極限値を求めることで初期せん断剛性率Gを得ることができる。このとき、初期せん断剛性率G及び所定のせん断ひずみγに対するせん断剛性率Gのいずれも一軸圧縮強さqに応じて変化する。図8は、一軸圧縮強さqの異なる2つの供試体での「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により測定されたせん断ひずみγと、せん断剛性率Gを初期せん断剛性率Gで正規化した値(G/G)との関係を示した図である。図8より、一軸圧縮強さqに関係なく、せん断ひずみγとせん断剛性率を初期せん断剛性率Gで正規化した値G/Gとの関係はほぼ同一であり、せん断ひずみγの増加に伴うせん断剛性率の低下割合は、一軸圧縮強さqに関係なく一義的に求められることがわかる。図9は、一軸圧縮強さqの異なる2つの供試体での「地盤材料の変形特性を求めるための繰り返し三軸試験方法」(JGS0542-2000)により測定されたせん断ひずみγと履歴減衰率hの関係を示すグラフ図である。図9に示すように、履歴減衰率hも先立って説明した地盤を形成する土のせん断抵抗角φ、せん断剛性率G、及び初期せん断剛性率Gと同様に、地盤の変形に影響を与える因子の一つであるが、履歴減衰率hは、一軸圧縮強さqに関係なくほぼ一義的に得られることが分かる。
なお、一軸圧縮強さqと初期せん断剛性率Gとの間の相関式は、供試体を新たに作製して一軸圧縮試験と三軸圧縮試験を行い、一軸圧縮強さq及び初期せん断剛性率Gのデータが増加するごとに、再計算されたものを使用することも可能である。多くの一軸圧縮強さq及び初期せん断剛性率Gのデータを用いて算出された相関式であるほど、より精密に地盤の残留水平変位を抑制可能なせん断抵抗角φが取得可能となる。
<3.造成方法>
ここまで、本実施形態に係るスラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法を詳細に説明した。続いて、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法について説明する。
<3.1.第1の造成方法>
図10は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係るスラグコンパクションパイルは、例えば、ケーシングパイプ1にホッパー2からスラグコンパクションパイル材料6を装入し、バイブロハンマ等の振動機3により振動を与えるとともに、ケーシングパイプ1の貫入、引抜き、及びケーシングパイプ1の先端部1aによる打戻しを繰り返す打戻し式により造成される。詳細には、無限軌道式走行車体に支持されたリーダー(図示せず)を介して支承され、ホッパー2及び振動機3を備えたケーシングパイプ支承ホルダー4により、ケーシングパイプ1の上端部が支承される。ケーシングパイプ1が支承された状態で、図10に示した、(1)~(6)の手順でスラグコンパクションパイルは造成されてもよい。
まず、図10に示すように、ケーシングパイプ1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行い、振動機3を起動し、ケーシングパイプ1を地中に貫入する。ケーシングパイプ1を所定深度まで貫入した後、ホッパー2からケーシングパイプ1内に本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を装入する。ケーシングパイプ1を所定の高さだけ引き抜きながら、圧縮空気等の排出手段を使用してケーシングパイプ1内のスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1の先端部1aから排出する。続いて、ケーシングパイプ1を地中に降下させて排出されたスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1の先端部1aを用いて打ち戻し、スラグコンパクションパイル材料6を締固め、拡径する。ケーシングパイプ1の貫入及び引抜き、並びにスラグコンパクションパイル材料6の排出及び締固めを繰り返し、スラグコンパクションパイル7を造成する。このとき、例えば、ケーシングパイプ1の先端部1aが軌跡T1を描くようにして、スラグコンパクションパイル7を造成する。このようにして造成されたスラグコンパクションパイル7が地盤の前後方向あるいは左右方向に複数設けられることにより、地盤が改良される。
<3.2.第2の造成方法>
次に、図11を参照しながら、本発明に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の他の一例を説明する。図11は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本造成方法は、例えば、ケーシングパイプ1を保持しながら回転駆動する回転駆動装置(図示せず)と、ホッパー2及びリーダー側のラックにかみ合う歯車を内蔵した強制昇降装置5とが、無限軌道式走行車体に支持されたリーダーを介してケーシングパイプ1の上端部で支承される。ケーシングパイプ1の上端部が支承された状態で、図11に示した(1)~(6)の手順でスラグコンパクションパイルは造成されてもよい。
まず、図11に示すように、ケーシングパイプ1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行い、強制昇降装置5を用いてケーシングパイプ1を回転させながらケーシングパイプ1を地中に貫入する。ケーシングパイプ1が所定深度まで貫入した後、ホッパー2からケーシングパイプ1内に本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を装入する。ケーシングパイプ1を、強制昇降装置5を用いて貫入時と逆方向に回転させながら所定の高さだけ引き抜きつつ、ケーシングパイプ1内のスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1の先端部1aから排出する。続いて、強制昇降装置5を用いてケーシングパイプ1を、貫入時と同方向に回転させながら降下させ、排出されたスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1の先端部1aで打ち戻してスラグコンパクションパイル材料6を締固め、拡径することで、スラグコンパクションパイル中間体6aが得られる。上記のような、ケーシングパイプ1の引抜き、スラグコンパクションパイル材料6の排出、締固めを繰り返すことでスラグコンパクションパイル中間体6aが形成し、スラグコンパクションパイル7が造成される。本方法は、強制昇降装置5により、ケーシングパイプ1の引抜き距離を短くして、ケーシングパイプ1の先端部が例えばT2のような軌跡を描くようにスラグコンパクションパイル材料6を締固めることで、スラグコンパクションパイル造成時の音を抑制することが可能である。
<3.3.第3の造成方法>
次に、図12を参照しながら、本発明に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の他の一例を説明する。図12は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本造成方法によるスラグコンパクションパイル7の造成は、外管1b及び内管1cを備えるケーシングパイプ1の先端に掘削・拡径ヘッド8が設けられた設備を用いて行われる。掘削・拡径ヘッド8は、ケーシングパイプ1に対して傾斜した状態で設けられる。本方法を適用したスラグコンパクションパイルの造成は、例えば、図12に示した(1)~(7)の手順で行われてもよい。掘削・拡径ヘッド8が設けられたケーシングパイプ1を地中に回転貫入すると、掘削・拡径ヘッド8が傾斜しているため、掘削・拡径ヘッド8に空隙部分が生じる。この空隙部分に掘削土が運ばれ、この掘削土が地盤の側面に押し付けられることで貫入孔が造成される。そして、連続的にスラグコンパクションパイル材料6の締固め、拡径を連続的に行うことでスラグコンパクションパイル中間体6aが形成し、最終的にスラグコンパクションパイル7が造成される。本方法では、ケーシングパイプ1の先端部が例えばT3のような軌跡を描くようにスラグコンパクションパイル材料6を締固めることで、造成過程で生じる振動や騒音を低減することが可能である。
<3.4.第4の造成方法>
次に、図13を参照しながら、本発明に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の他の一例を説明する。図13は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本造成方法は、内管1cと外管1bを備える二重管構造のケーシングパイプ1が使用される。詳細には、スラグコンパクションパイルは、二重管構造のケーシングパイプ1を所定深度まで回転貫入した後ケーシングパイプ1の引き上げとともに、本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を内管1cから排出しながら、内管1cを上下に動作させることで造成される。本実施形態に係るスラグコンパクションパイルは、例えば、図13に示した(1)~(5)の手順でスラグコンパクションパイルは造成されてもよい。
まず、図13に示すように、ケーシングパイプ1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行い、ケーシングパイプ1を回転させながらケーシングパイプ1を地中に貫入する。ケーシングパイプ1が所定深度まで貫入した後、ホッパー2からケーシングパイプ1の内管1cに本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を装入する。ケーシングパイプ1を、所定の高さだけ引き抜きつつ、ケーシングパイプ1内のスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1の先端部1aから排出する。続いて、スラグコンパクションパイル材料6は、例えば、内管1cの先端部1aを上下方向に30cm程度の動作距離で動作させ、1mあたり8~12回程度動作させることで締固められる。その後、ケーシングパイプ1の引抜き、スラグコンパクションパイル材料6の装入、及び内管1cを用いた締固めを繰り返すことで、スラグコンパクションパイル中間体6aが形成し、最終的にスラグコンパクションパイル7が造成される。
<3.5.第5の造成方法>
次に、図14を参照しながら、本発明に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の他の一例を説明する。図14は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本造成方法には、ケーシングパイプ1内に設けられたインナースクリュー9が使用される。インナースクリュー9によりスラグコンパクションパイル材料6が強制吐出され、インナースクリュー9の底面における捻りせん断によって、スラグコンパクションパイル材料6が締固め拡径されて、スラグコンパクションパイル7は、造成される。例えば、図14に示した、(1)~(6)の手順でスラグコンパクションパイルは造成されてもよい。
まず、図14に示すように、ケーシングパイプ1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行い、ケーシングパイプ1を地中に貫入する。ケーシングパイプ1を所定深度まで貫入した後、ホッパー2からケーシングパイプ1内に本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を装入する。ケーシングパイプ1を所定の高さだけ引き抜きながら、インナースクリュー9を回転させてケーシングパイプ1先端部からスラグコンパクションパイル材料6を強制吐出させる。続いて、ケーシングパイプ1を地中に降下させながら、インナースクリュー9を回転させ、排出されたスラグコンパクションパイル材料6を打ち戻し、締固め、拡径する。ケーシングパイプ1の先端部が、例えば軌跡T4を描くように引抜き、スラグコンパクションパイル材料6の排出、締固めを繰り返すことでスラグコンパクションパイル中間体6aが形成し、最終的にスラグコンパクションパイル7が造成される。
<3.6.第6の造成方法>
次に、図15を参照しながら、本発明に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の他の一例を説明する。図15は、本実施形態に係るスラグコンパクションパイルの造成方法の一例を説明するための説明図である。本造成方法は、ケーシングパイプ1を引き上げながら本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を排出し、ケーシングパイプ1に内装される締固め装置10により材料を締固め、拡径する方法である。例えば、図15に示した(1)~(5)の手順でスラグコンパクションパイルは造成されてもよい。
まず、図15に示すように、ケーシングパイプ1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行い、ケーシングパイプ1を地中に貫入する。ケーシングパイプ1が所定深度まで貫入した後、ホッパー2からケーシングパイプ1内に本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6を装入する。ケーシングパイプ1を所定の高さだけ引き抜きつつ、ケーシングパイプ1内のスラグコンパクションパイル材料6をケーシングパイプ1先端部から排出する。続いて、ケーシングパイプ1に内装された締固め装置10により、本実施形態に係るスラグコンパクションパイル材料6は締固められ、側方に広げられ拡径される。上記のようなケーシングパイプ1の引抜き、スラグコンパクションパイル材料6の排出、締固めを繰り返してスラグコンパクションパイル中間体6aが形成し、スラグコンパクションパイル7が造成される。このとき、スラグコンパクションパイル材料6は、締固め装置10により、連続して締固め、拡径されるため、ケーシングパイプ1の先端部は、例えば、T4のような軌跡を描くように締固められ、スラグコンパクションパイル造成過程で生じる振動や騒音を低減することが可能である。
<4.実施例>
<4.1.第1の実施例>
供試体を以下の方法で作製した。まず、高炉水砕スラグと製鋼スラグの混合材料を、直径が15cmであり、高さが30cmである鋼製の容器に、締固め度Dが95%となるように装入した。次いで容器内に水道水を加えて容器の上面を覆った後、水温が20℃の水槽に28日間浸漬して養生した。その後、容器から成形されたスラグコンパクションパイル材料を取出して供試体を得た。作製したスラグコンパクションパイル材料の最大乾燥密度は、先だって説明した「JIS A 1210:土の突固めによる土の締固め試験」に基づいて測定した。
上記の方法で作製した供試体について、先だって説明した方法を用いて一軸圧縮試験を行い、一軸圧縮強さqを測定した。この測定して得られた一軸圧縮強さqを用いて、残留水平変位の数値解析を行った。具体的には、「(財)沿岸開発技術センター、港湾構造物設計事例集、2007年、上巻、第1編、p7-1~7-65」に記載の解析モデルを用いた。図16A及び図16Bは、上記文献に記載された、重力式ケーソン護岸及び、重力式ケーソン護岸直下の軟弱海底粘性土地盤に対してスラグコンパクションパイル工法で改良する場合の解析モデルを示している。図17は、解析に用いるレベル2地震動の入力加速度波形を示したものである。
上記解析により得られた残留変形量の一覧を表2に示す。表中のH、V及びθはそれぞれ、残留水平変位、残留垂直変位および残留傾斜角である。なお、鉄鋼スラグによるスラグコンパクションパイルについては、一軸圧縮強さに対して、本文の図3に示す一軸圧縮強さqとせん断抵抗角φの関係、図6に示す一軸圧縮強さqと初期せん断剛性率Gの関係を小さ目に評価した値を設定し、地震応答解析を実施した。
Figure 0007059744000002
比較対象とする深層混合処理工法によって護岸基礎地盤を改良した場合、強度が非常に大きいので、線形弾性体として評価したところ、残留水平変位も80cm未満と100cm程度以下の要求性能を十分満足する。一方、コンパクションパイル材料に砂を使用したサンドコンパクションパイル(砂杭)の場合、強度や剛性が小さいため、残留水平変位は、150cmを超え、100cm程度以下の要求性能を満足しない。また、鉄鋼スラグをコンパクションパイル材料に用いたスラグコンパクションパイルにおいて、一軸圧縮強さ60kN/mの場合、前述のサンドコンパクションパイル(砂杭)の場合と同様に、一軸圧縮強さqや初期せん断剛性率Gが小さいため、残留水平変位は120cmを超え、100cm程度以下とする要求性能を満足しない。本発明に係る鉄鋼スラグをコンパクションパイル材料として使用したスラグコンパクションパイルでは、一軸圧縮強さqu及び初期せん断剛性率Gを大きくした場合、一軸圧縮強さが300kN/mの場合、残留水平変位が100cm程度以下となり、要求性能を満足することがわかった。
このように、高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有し、高炉水砕スラグと製鋼スラグの混合材料を95%以上の締固め度Dcで締め固め、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さが300kN/m以上であると、地盤の耐震性を向上させることが可能となることが分かった。
<4.2.第2の実施例>
続いて、表3に示すように、高炉水砕スラグ、製鋼スラグ、及び高炉徐冷スラグの混合率を変えて第1の実施例と同様の方法で供試体を作製した。供試体B1として、スラグコンパクションパイル材料に製鋼スラグのみを使用して供試体を作製し、供試体B2及び供試体B3として、製鋼スラグと高炉水砕スラグと高炉徐冷スラグとを混合して供試体を作製し、供試体B4~24として、製鋼スラグと高炉徐冷スラグとを混合して供試体を作製した。
Figure 0007059744000003
高炉水砕スラグ混合率αが5~80質量%であり、製鋼スラグ混合率βが20~95質量%である供試体A1~供試体A12の一軸圧縮強さqは、300kN/m以上となることが分かった。高炉徐冷スラグを10質量%含有する供試体A12の一軸圧縮強さqも300kN/m以上となることが分かった。一方で、高炉水砕スラグ混合率αが5質量%未満である供試体B1、供試体B2、及び供試体5~供試体24の一軸圧縮強さqは、300kN/m未満となることが分かった。また、高炉徐冷スラグ混合率δが10質量%超である、供試体B2及び供試体B3の一軸圧縮強度qは、300kN/m未満となることが分かった。
続いて、高炉水砕スラグと製鋼スラグの混合率を変化させ、第1の実施例と方法で作製した供試体の一軸圧縮強さqを測定した。測定結果をプロットしたグラフを図18に示す。図18に示すように、高炉水砕スラグの含有量が5質量%以上のスラグコンパクションパイル材料を用いて作製された供試体の一軸圧縮強さqは、400kN/m以上であった。一方、高炉水砕スラグの含有量が20質量%のスラグコンパクションパイル材料を用いて作製された供試体の一軸圧縮強さqは、1300kN/mであった。さらに、高炉水砕スラグの混合率が20質量%超となるスラグコンパクションパイル材料を用いて作製された供試体の一軸圧縮強さqは、高炉水砕スラグの混合率20質量%をピークに低下することが分かった。高炉水砕スラグの混合率が30質量%を超えると、一軸圧縮強さqに対する高炉水砕スラグの効果は低減することが分かった。
<4.3.第3の実施例>
続いて、細粒分含有率FCが異なるスラグコンパクションパイル材料を使用して、施工時のケーシングパイプの詰まりを検証した。表4に各スラグコンパクションパイル材料の細粒分含有率FC及びケーシングパイプの詰まりの有無を示す。
Figure 0007059744000004
表4に示すように、細粒分含有率Fcが10.2質量%である材料C6を用いたスラグコンパクションパイルの施工時には、ケーシングパイプに若干の詰まりが確認され、細粒分含有率Fcが15質量%以上である材料C7~材料C10を用いたスラグコンパクションパイルの施工時には、ケーシングパイプに詰まりが発生した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 ケーシングパイプ
1a 先端部
1b 外管
1c 内管
2 ホッパー
3 振動機
4 ケーシングパイプ支承ホルダー
5 強制昇降装置
6 スラグコンパクションパイル材料
6a スラグコンパクションパイル中間体
7 スラグコンパクションパイル
8 掘削・拡径ヘッド
9 インナースクリュー

Claims (6)

  1. 鉄鋼スラグの種類として高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有し、
    前記高炉水砕スラグと前記製鋼スラグの混合材料を95%以上の締固め度Dcで締め固めた後、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さが、300kN/m以上であり、レベル2地震動に対する改良地盤上の構造物の残留水平変位量が100cm以下である、スラグコンパクションパイル工法用材料。
  2. 前記高炉水砕スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、5~80質量%であり、
    前記製鋼スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、20~95質量%であり、
    前記高炉水砕スラグの混合率及び前記製鋼スラグの混合率の合計が100質量%以下である、請求項1に記載のスラグコンパクションパイル工法用材料。
  3. 前記鉄鋼スラグの種類として、更に高炉徐冷スラグを含有し、
    前記高炉徐冷スラグの混合率は、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して、10質量%以下であり、
    前記製鋼スラグの混合率と、前記高炉水砕スラグの混合率と、前記高炉徐冷スラグの混合率とが合計で100質量%である、請求項1または2に記載のスラグコンパクションパイル工法用材料。
  4. JIS A 1204で規定された細粒分混合率FCに関し、前記高炉水砕スラグの細粒分混合率FCBFと、前記製鋼スラグの細粒分混合率FCLDとが、下記式(1)を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載のスラグコンパクションパイル工法用材料。
    0質量%≦α・FCBF+β・FCLD≦10質量% (1)
    α:前記高炉水砕スラグの混合率(質量%)
    β:前記製鋼スラグの混合率(質量%)
    FCBF:前記高炉水砕スラグの細粒分混合率(質量%)
    FCLD:前記製鋼スラグの細粒分混合率(質量%)
  5. 鉄鋼スラグの種類として高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを含有する混合材料を95%以上の締固め度Dcで締め固めた後、28日間養生することにより作製される供試体の一軸圧縮強さが、300kN/m以上となるように、
    前記鉄鋼スラグの合計質量に対して5~80質量%の前記高炉水砕スラグと、前記鉄鋼スラグの合計質量に対して20~95質量%の前記製鋼スラグと、を混合し、前記高炉水砕スラグ及び前記製鋼スラグの合計質量を前記鉄鋼スラグの合計質量に対して100質量%以下とする混合工程を含み、レベル2地震動に対する改良地盤上の構造物の残留水平変位量を100cm以下とする、スラグコンパクションパイル工法用材料の製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のスラグコンパクションパイル工法用材料を、ケーシングパイプ内に投入して、スラグコンパクションパイルを造成する、スラグコンパクションパイルの造成方法。
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