JP2008222458A - カルシウムイオン水の製造方法、セメント硬化体及びその製造方法 - Google Patents

カルシウムイオン水の製造方法、セメント硬化体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貝殻から不純物を含まない高濃度のカルシウムイオン水溶液を製造すること、
また、このカルシウムイオン水を用い、機械的強度及び耐久性を高めたセメント硬化体を提供することを課題とする。
【解決手段】貝殻を焼成した粉末を酸性水溶液中で溶解させた後、この溶解液をろ過して不純物を除去したカルシウムイオン水を得る。このようにして得られたカルシウムイオン水を用い、セメント、細骨材12あるいは細骨材12及び粗骨材11と混練してモルタル1aあるいはコンクリート1bを得る。セメント粒子を構成するイオン21とカルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオン22が結合し、曲げ強度等機械的強度に優れたモルタル1aあるいはコンクリート1bとなる。また、空隙内にカルシウム化合物2が形成されるため、空隙率が小さく、耐久性に優れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼成した貝殻を原料とする高濃度のカルシウムイオン水の製造方法、また、カルシウムイオン水を用いて機械的強度及び耐久性を向上させたセメント硬化体及びその製造方法に関する。
食用にされた後の貝殻の多くは廃棄物として海や河川に捨てられている。しかし、貝殻は多量のカルシウムを含んでいるため、資源を有効活用すべく再利用できることが望ましい。そこで、貝殻からカルシウムイオン水を製造する方法(例えば、特許文献1、2)や、貝殻を利用したモルタルやコンクリート等のセメント硬化体(例えば、特許文献3、4、非特許文献1)等、貝殻の再利用化が進められている。
特許文献1に記載の発明では、貝殻焼成カルシウムをクエン酸や酒石酸のナトリウム塩あるいはカリウム塩に溶解させてカルシウム溶液製剤を得ている。そして、このカルシウム溶液製剤を有効成分とし、食品の制菌剤として利用している。
特許文献2では、貝類の殻等を有機酸で溶解し、溶解の過程でろ過助剤を添加することで気泡を大量に発生させずに貝殻等カルシウム源の溶解時間を短縮させている。
また、特許文献3では、貝殻に酸性溶液を接触させ、貝殻に付着している有機物の還元腐敗を抑制しながら、表面にミネラル分と有機物の分解で生じた有機酸とを付着させた貝殻をセメントペーストに混練した貝殻リサイクルブロックである。貝殻には有機物が付着しているため、そのままセメント材料に混入させると腐臭が激しく、また、強度低下をきたすことになるが、事前に有機物を取り除くことでこれら課題を解決している。
特許文献4では、貝殻を焼成した焼成カルシウムをセメントに対して2〜80重量%の割合でセメント、骨材等に混入させてモルタルを成形している。
また、非特許文献1では、貝殻焼成カルシウム粉を水に入れてかき混ぜた後、この貝殻焼成カルシウム粉の入った水を用いて、セメントと骨材とを混練して得たモルタル及びコンクリートを得て、機械的強度の向上を図っている。
特開平11−290044号公報 特開平9−77673号公報 特開2004−307257号公報 特開2004−131333号公報 「イオン化Ca混入による強化モルタル及びコンクリートに関する研究」近畿大学工学部、近畿大学工学部研究報告、No38 平成16年12月発行
貝の多くは河口近辺で採取されるが、海や河川に流出する産業廃棄物と共存している場合が多く、このため、貝殻には重金属を含んでいることが多い。特許文献1では、貝殻焼成カルシウムをクエン酸ナトリウム等で溶解させているが、重金属を除去していない。このため、これら重金属等有害物が混入したままの水溶液となり、安全性に問題がある。
特許文献2においても、貝殻表面の有機物を除去しているが、上述の重金属を除去していないため、安全性に課題を有する。
特許文献3の発明は、粉砕した貝殻を骨材として利用したものであり、貝殻とセメントの粒子とは親和性が低いため、貝殻はセメント粒子と結合することなく、リサイクルブロック中に点在した形態で存在する。このため、リサイクルブロックが収縮、膨張するとセメント粒子と貝殻が分離してしまい、リサイクルブロックの機械的強度の向上を図れないという課題がある。
また、セメントの製造過程で空隙が生じてしまうが、空隙に水が浸入し、浸入した水の凍結に伴う体積膨張により、セメントがひび割れを起こすという課題がある。
更に、貝殻から重金属を取り除かずに使用しているため、リサイクルブロックの経時変化によるセメントの分解反応に伴ってこれら重金属が溶出してしまい、有害物質が流れ出してしまうという問題もある。
特許文献4においても、焼成貝殻を骨材として使用したものであるため、上述同様、焼成貝殻とセメント粒子の分離により、機械的強度の向上が困難という課題がある。
非特許文献1では、貝殻焼成カルシウムを水と混合してモルタルを製造しているが、貝殻焼成カルシウムは水に溶解しにくいものであるため、いわゆる骨材として利用されているに過ぎない。このため、貝殻焼成カルシウムとセメントの粒子間での結合がなく、分離しやすいため、モルタルの機械的強度の向上は困難である。
本発明は、貝殻から不純物を含まない高濃度のカルシウムイオン水溶液を製造すること、また、このカルシウムイオン水を用い、機械的強度及び耐久性を高めたセメント硬化体を提供することを課題とする。また、既存建造物のひび割れ補修に適する優れた靭性を有するセメント硬化体を提供することを課題とする。
本発明は、貝殻を焼成し、酸化カルシウムを含有する貝殻粉末を得る工程と、酸性水溶液に前記貝殻粉末及び炭酸水素ナトリウムを入れて、前記貝殻粉末を溶解して貝殻粉末溶解液を得る工程と、前記貝殻粉末に含まれる不純物を沈降させ、カルシウムイオンを含む前記貝殻粉末溶解液の上澄み液をろ過する工程とを具備することを特徴とする。
また、本発明は、前記酸性水溶液として酢酸水溶液を用いたことを特徴とする。
更に、本発明は、セメントと、骨材と、カルシウムイオン水とを混練してなるセメント硬化体において、前記カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンの結合手が前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合したカルシウム化合物を形成することを特徴とする。
更に、本発明は、前記セメント硬化体の空隙に前記カルシウム化合物を存在させ、前記カルシウム化合物が前記空隙表面の前記セメントの粒子間を架橋して結合していることを特徴とする。
更に、本発明は、セメントと骨材とカルシウムイオン水のみを混練する工程と、前記カルシウムイオン水に含まれるカルシウムの結合手で前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合させたカルシウム化合物を形成する工程とを具備することを特徴とする。
更に、本発明は、前記混練工程で生じる空隙に前記カルシウムイオン水を入れて、前記カルシウムイオン水に含まれる前記カルシウムの結合手と前記空隙表面の前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合させて前記カルシウム化合物を形成させることを特徴とする。
本発明によれば、酸性水溶液に焼成した貝殻粉末を溶解し、貝殻粉末溶解液を得て、不純物を沈降させた後に上澄み液をろ過している。このため、廃棄物である貝殻から、重金属等の不純物を除去でき、高濃度のカルシウムイオン水を得ることが可能である。
また、本発明によれば、酸性水溶液として酢酸水溶液を用いているため、貝殻粉末が溶解しやすく高濃度のカルシウムイオン水を得ることができる。
更に、本発明によれば、カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンの結合手がセメント粒子間を結合したカルシウム化合物を形成しているため、セメント硬化体の靭性が向上し、曲げ強度及び曲げひずみに優れたセメント硬化体を提供できる。
更に、本発明によれば、前述のようにセメント硬化体の曲げ強度及び曲げひずみ度が高いため、コンクリートクラック等のひび割れ部分にモルタルとして充填させて、既存の建造物の補修ができる。
更に、本発明によれば、セメント硬化体の空隙部にカルシウム化合物を形成させているため、空隙率が小さく、圧縮強度に優れたセメント硬化体を提供できる。
更に、本発明によれば、酸性のカルシウムイオン水を用いており、セメントの余分なアルカリ分を除くことができるため、アルカリ骨材反応によるセメント硬化体のひび割れや、強度及び弾性低下を抑止できる。このため、耐久力の高いセメント硬化体の提供が可能である。
更に、本発明によれば、空隙率が小さく鉄筋との付着力が強まるため、鉄筋と分離しにくいセメント硬化体を提供できる。
更に、本発明によれば、空隙率が小さいため、水分吸収量が少なく、水分凍結に伴う体積膨張によるセメント硬化体のひび割れを抑止できるとともに、大気中の二酸化炭素吸収量も抑えられ、セメントの中性化を抑止できる。このため、耐久性に優れたセメント硬化体を提供できる。
更に、本発明によれば、貝殻から不純物を除去したカルシウムイオン水を用いているため、セメント硬化体の分解反応に伴う重金属の流出がないとともに、産業廃棄物を有効利用できる利点がある。
図1を参照して、カルシウムイオン水の製造方法について説明する。図1は本発明のカルシウムイオン水の製造方法を示す工程図である。カルシウムイオン水の製造方法は、主に、貝殻焼成工程、貝殻粉末溶解工程、不純物分離工程からなる。
まず、貝殻焼成工程について説明する。貝殻を1000〜1200℃で焼成し、酸化カルシウムを含有する貝殻粉末を得ることができる。用いる貝殻は特に限定されるものではなく、生産地にて採取できるものを用いればよい。
次に、貝殻粉末溶解工程について説明する。
酸性水溶液に、上述の酸化カルシウムを含む貝殻粉末と炭酸水素ナトリウムを入れて攪拌し、酸性水溶液中で貝殻粉末を溶解する。炭酸水素ナトリウムが分解して発生する炭酸ガスにより、貝殻粉末の溶解を促進させて、貝殻粉末から2価のカルシウムイオンが溶け込む。また、炭酸ガスにより炭酸カルシウムが生じるが、更に炭酸水素ナトリウムを添加し、炭酸ガスを過剰に発生させることで、炭酸カルシウムが分解され、2価のカルシウムイオンとして水溶液中に滞在し、カルシウムイオンを含む貝殻粉末溶解液を得ることができる。
酸性水溶液を用いているため、貝殻粉末溶解液は酸性を示すが、更に炭酸水素ナトリウムを添加することで、水溶液を中性近くまで中和させることもできるので、カルシウムイオン水の用途に応じて、pHの調整も可能である。
酸性水溶液として、酢酸水溶液、クエン酸水溶液、ギ酸水溶液、酒石酸水溶液等、種々の溶液を用いることができる。なかでも酢酸水溶液を用いると、貝殻粉末の溶解が促進されて、溶液中のカルシウムイオン濃度が高くなるため、特に適している。なお、塩酸や硫酸等を使用して、これを用い後述のセメント硬化体を製造すると、内部に鉄筋を設けた場合に鉄筋を腐食させてしまうため好ましくない。
不純物分離工程について説明する。
カルシウムイオンを含む貝殻粉末溶解液を静置させておくと、貝殻粉末に含まれていた不純物である重金属が水溶液中の成分と化合物を形成して沈降する。貝は主に河口で採取されるが、河口には工場廃水や生活廃水が流れ込むため、貝殻粉末に種々の重金属、たとえばカドミウム(Cd)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、水銀(Hg)等が含まれている。これら重金属は前述の溶解工程で分離して重金属イオンとなり、溶液中で酸化物や水酸化物、あるいは炭酸塩を形成し、沈降する。
不純物を沈降させた後、カルシウムイオンを含む貝殻粉末溶解液の上澄み液を不純物と分離し、この上澄み液をろ過する。
このようにして貝殻粉末から不純物を含有しない、無色透明な高濃度のカルシウムイオン水を製造することができる。
図2はセメント硬化体の内部構造を示す模式図である。
セメント硬化体は、主に、砂等の細骨材を含むモルタルと、細骨材に加え、砕石や砂利等の粗骨材を含むコンクリートに大別される。図2(A)は、本発明のセメント硬化体であるモルタル1a、(B)がコンクリートを示している。また、図2(C)は、貝殻焼成粉末等のカルシウム粉末をそのまま加えたモルタル、(D)は貝殻焼成粉末等のカルシウム粉末をそのまま加えたコンクリートを示している。
以下、図2(A)を参照して、本発明のモルタル1aについて説明する。
モルタル1aは、セメントと細骨材12とカルシウムイオン水とを混練してなるモルタル1aであり、拡大図に示すように、カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオン22の結合手がセメント粒子を構成するイオン21間を結合したカルシウム化合物2を形成している。
通常の水を使用せず、カルシウムイオン水を用いているため、硬化の過程でカルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオン22の結合手がこれらのセメント粒子を構成するイオン21と結合する。カルシウムイオン22の2つの結合手により、セメント粒子21間が結合され、カルシウム化合物2を形成する。なお、カルシウム化合物2として、主にセメント粒子21のシリカ成分とカルシウムイオン22がイオン結合し、カルシウムシリケート化合物を形成しているものと考えられる。過剰のカルシウムイオンを加えることによりセメントの中に存在する過剰の遊離シリカが反応し、CaO・SiO・nHOを形成するものと考えられる。
このように、カルシウムイオン22とセメント粒子を構成するイオン21間の結合力により、モルタル1aが靭性を有することになり、曲げ応力に対しても強度が高いとともに曲げひずみ度が高く、引っ張り応力にもモルタル1aは破断しにくくなるため、ひび割れが生じにくくなると考えられる。
モルタル1aの製造過程において、混練時や硬化時のブリージングで空隙13が生じることになるが、後述のように空隙13内にカルシウムイオン水が入り込み、空隙13表面のセメント粒子を構成するイオン21間をカルシウムイオン22の結合手が架橋して結合し、カルシウム化合物を形成する。空隙13内にカルシウム化合物2が介在することとなり、モルタル1aの空隙率が小さくなる。
外部応力によってひび割れの基点となりやすい空隙が、小さくなること、また、減少することで、モルタル1aは更に曲げ強度及び曲げひずみ度が高くなると考えられる。
そして、モルタル1aの空隙率が小さいため、モルタル1aの給水量は少なくなる。モルタル1a内部に入った水分の凍結に伴う体積膨張によって、モルタル1aのひび割れを招くことになるが、本発明では給水量が少ないため、ひび割れの抑止が可能となる。
また、空隙に大気中の二酸化炭素が入り込み、モルタル1aのカルシウム成分が炭酸カルシウムとなり、セメントの中性化が進む。セメントが中性化してしまうと、セメント硬化体内部に鉄筋を配置した場合、容易に鉄筋が錆びてしまい、錆による鉄筋の膨張からセメントのひび割れが生じる。しかし、本発明のモルタル1aでは空隙率が小さいため、二酸化炭素の侵入量が少なく、中性化の促進を抑止できることとなり、耐久性が向上する。
モルタル1aは、前述のように曲げ強度及び曲げひずみ度が高く、いわゆる優れた靭性を有するので、コンクリートやモルタル建造物のひび割れの補修にも適する。カルシウムイオン水、セメント、及び砂等の細骨材の混練物を、既存のコンクリートやモルタル建造物のひび割れ部分に充填、硬化させて、モルタル1aを形成することにより補修をすることができる。
既存のコンクリート建造物、たとえば橋を一例にとると、車等の通行により、外部応力がかかり、コンクリートに圧縮応力、引っ張り応力が発生する。曲げ強度及び曲げひずみ度の小さい箇所、いわゆる圧縮応力や引っ張り応力に弱い箇所でひび割れが発生する。特に、コンクリート建造物は剛体であり、引っ張りひずみが小さいことから、橋の下側が引っ張り応力に耐え切れなくなり、ひび割れが発生してしまう。ひび割れが発生した場合、従来は樹脂で埋めて補修していたが、樹脂は単にコンクリート内部への水の浸入を抑え、内部の鉄筋が錆びないようにする、いわば防水材としての機能しか果たしていない。このため、更に外部応力が加わった場合、引っ張り応力に対処できず、ひび割れの悪化を防止できるものではない。
一方、本願のモルタル1aをひび割れ部に形成することにより、ひび割れ部に更に外部応力が加わった場合でも、モルタル1aの靭性により圧縮応力や引っ張り応力にも耐えられることになる。このため、ひび割れの悪化を防止でき、補強材として機能する。そして、既存のコンクリートやモルタル建造物と成分が近いことから、相溶性が高いため剥離が起こりにくい。このように相溶性が高く、また、曲げひずみ度も高いことから、既存建造物に応力が加わった場合でも追従性が良く、既存建造物のひび割れの悪化を抑止でき長寿命化にもつながる。このように、曲げ強度に弱い箇所に、曲げ強度及び曲げひずみ度の高いモルタル1aで補修し、一体化させることで補強することができるので、既存建造物の強度の向上もなし得る。
なお、ひび割れの補修を行う場合、補修箇所に前述のカルシウムイオン水を散布した後に、混練物を充填することが好ましい。既存の建築物と硬化したモルタル1aとのなじみが更に良くなるからである。
ここでは、外部応力によるひび割れ部の補修について説明したが、水分の凍結による体積膨張に伴うひび割れ等、内部応力によるひび割れ補修にも有効であることはいうまでもない。
なお、図2(C)は、貝殻焼成粉末等を溶解せずに、貝殻粉末等をそのまま骨材として利用して製造したモルタル3aであるが、貝殻焼成粉末に含まれるカルシウムは固体の酸化カルシウム31であるため、セメント粒子を構成する21と結合せず、そのままの形でモルタル3aの中に留まる。このため、曲げ強度、曲げひずみ度の向上につながらないとともに、空隙率が小さくならないので、耐久性の向上もなしえない。また、セメントとこのような酸化カルシウム3aでは膨張係数の相違から、ひび割れの原因ともなってしまう。
図2(B)は、本発明のコンクリート1bであるが、前述同様に、カルシウムイオン水を用いているため、硬化の過程でカルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオン22の結合手がこれらのセメント粒子を構成するイオン21と結合している。カルシウムイオン22の2つの結合手により、セメント粒子21間が結合され、カルシウム化合物2を形成しているため、また、空隙率も小さいため、曲げ強度や圧縮強度等、機械的強度にすぐれたコンクリート1bとなっている。
コンクリートの場合、粒径の大きい粗骨材11を入れるため、ブリージングによる水分の上昇で粗骨材11の下に水が溜まり、この水が蒸散して空隙13が生じやすく、ひび割れや強度の低下につながる。しかしながら、前述のようにこの空隙13内にもカルシウム化合物2が形成されるため、空隙率が小さくなり、機械的強度及び耐久性の向上をなしえている。
また、セメントに余分なアルカリ分が存在すると、骨材とアルカリによってアルカリ骨材反応が起こり、骨材表面に吸水性ゲルが生じてしまう。多くの場合、粗骨材に使用される岩石にはシリカ成分が存在し、シリカ成分とセメント中のNa、K、OH等のアルカリ成分が反応し、アルカリシリカゲルが生成される。この吸水性ゲルであるアルカリシリカゲルによる水分吸収、膨張により、コンクリートにひび割れが発生することとなる。しかし、後述のように本発明のコンクリート1bは、酸性水溶液にカルシウムイオンが存在するカルシウムイオン水を用いて製造している。この酸性水溶液により、セメントの余分なアルカリ分が除去されているため、アルカリ骨材反応が起こりにくく、ひび割れが発生しにくい耐久性の向上したコンクリート1bとなる。
コンクリート1bは曲げ強度や曲げひずみ度に優れるため、鉄筋コンクリートと使用する場合、鉄筋の数量を減らすことも可能と考えられる。
一方、図2(D)は、貝殻焼成粉末等のカルシウム粉末31をそのまま用いたコンクリート3bである。前述のように、セメント粒子21とカルシウム粉末31は化学的に結合しておらず、また、空隙13の中にカルシウム化合物が形成されることはない。このため、機械的強度の向上をなしえない。さらに、セメントのアルカリ分が除去されることもなく、アルカリ骨材反応によるひび割れの発生を抑止できない。
図3は、前述の製造方法によって製造した本発明のモルタルのSEM写真である。図3(A)は、後述の実施例で得られたカルシウムイオン水を水で60重量%に希釈して製造したモルタル、(B)は、カルシウムイオン水を水で30重量%に希釈して製造したモルタルのSEM写真である。また、図3(C)は、貝殻焼成粉末を混合した水を用いて製造したモルタル、(D)は、カルシウムイオン水を用いず水を用いて製造したモルタルのSEM写真である。なお、いずれの写真も5000倍の拡大率で撮影したものである。
図3(A)及び(B)では、全体的に白っぽく、空隙の小さい緻密な構造をしている。セメント硬化体の空隙表面のセメント粒子を構成するイオンとカルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンが結合し、カルシウム化合物が空隙内部に形成され、空隙が減少していることがわかる。また、図3(A)では、(B)に比べ、カルシウムイオン濃度が高い水溶液を用いて製造したものであるため、カルシウム化合物の形成量も多い。このように、用いる水溶液のカルシウムイオン量が多いほど、カルシウム化合物がより形成され、空隙が小さくなることがわかる。
一方、カルシウムイオン水を用いずに製造した(C)及び(D)では、空隙が大きいことがわかる。本発明のように、カルシウムイオン水が空隙部に入り込んでカルシウム化合物を形成することがないため、硬化後は空洞のままである。
なお、図3ではモルタルの写真を用いて説明したが、コンクリートについても粗骨材が混入する以外は同様である。
次に、図4を参照して、本発明のセメント硬化体の製造方法について説明する。本発明の製造方法は図4の工程図に示すように、主に混練工程とカルシウム化合物形成工程からなる。
まず、混練工程について説明する。セメントと骨材とカルシウムイオン水のみを混練する。混練により、セメント及び骨材が分散するとともに、カルシウムイオン水が満遍なく行き渡る。混練には通常用いられる攪拌装置等を用いて行えばよい。
セメントはポルトランドセメント等、一般に入手可能なセメントを用いることができる。
セメント硬化体としてモルタルを製造する際は、骨材として砂等の細骨材を用いる。また、コンクリートを製造する際は、骨材として砂等の細骨材に加え、砕石等の粗骨材を更に加えればよい。
カルシウムイオン水は、カルシウムイオンが溶解した水溶液を用いることができるが、好ましくは、前述のように貝殻から製造したカルシウムイオン水を用いるとよい。セメント粒子間を結合させるカルシウムイオンを多く含み、カルシウム化合物の形成を促進できるからである。また、酢酸水溶液等、酸性水溶液を用いてカルシウムイオン水を製造したものであるため、セメントの余分なアルカリ分を除く作用があり、アルカリ骨材反応を抑え、耐久性の高いセメント硬化体を得られる。更に、重金属等不純物を除去しており、セメント硬化体の水分吸収に伴う分解反応による、重金属等の流出を抑止できる。廃棄物である貝殻を有効利用が可能となる。
次に、カルシウム化合物形成工程について説明する。混練時及び硬化時の過程で、カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンが、主にシリカ成分を有するセメント粒子と化学反応し結合する。カルシウムイオンは2本の結合手をもつため、これら2つの結合手がセメント粒子間をつなぐように結合し、カルシウム化合物を形成することになる。カルシウムイオン水が混練時にセメント粒子全体に行き渡っているため、このカルシウム化合物はセメント硬化体全体に渡って形成される。
混練時に混入する気泡によって空隙が生じるが、この空隙にカルシウムイオン水が入り込み、カルシウムイオンが空隙表面のセメント粒子と結合する。カルシウムイオンの2本の結合手がセメント粒子と結合し、カルシウム化合物を形成するにつれて空隙が小さくなっていく。また、余剰のカルシウムイオンは水分の蒸発とともに、空隙内でカルシウムの結晶を形成し、更に空隙を小さくしていく。
セメント硬化時のブリージングにより、骨材の下部に水分が留まりやすく、後に水分の蒸発とともに空隙が形成されてしまう。しかしながら、本製造方法ではカルシウムイオン水を用いているため、骨材の下部に溜まる水分もカルシウムイオン水である。このため、骨材の下部の空隙が生じる箇所でも、カルシウムイオンが周辺のセメント粒子と結合し、カルシウム化合物を形成して空隙を小さくしていくことになる。
また、骨材とセメント粒子との界面には水膜ができ、水膜の蒸発により骨材とセメントの接合面に空隙ができるが、骨材とセメント粒子との界面においてもカルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンがセメント粒子と結合し、カルシウム化合物を形成する。このため、骨材とセメント粒子との界面においてもカルシウム化合物が介在し、空隙が生じにくくなる。
このように、セメント硬化体の空隙率を小さくできるため、セメント硬化体の乾燥収縮も抑えられ、ひび割れが起こりにくいセメント硬化体を製造できる。また、空隙率が小さいため、大気中の二酸化炭素の吸収量を減少させることができ、中性化が起こりにくく耐久性を向上させたセメント硬化体を製造できる。
また、酢酸水溶液等、酸性水溶液を用いて製造したカルシウムイオン水を使用すると、セメントの余分なアルカリ成分を中和させることができる。セメントの余分なアルカリ成分がなくなるので、アルカリ骨材反応を抑制でき、更に耐久性の高いセメント硬化体を製造できる。
既存コンクリート建造物等のひび割れ補修に用いる場合には、細骨材とセメントとカルシウムイオン水の混練物をひび割れ部分に充填して硬化させればよい。モルタルが形成され、外部応力に弱い箇所を補強できることになる。また、補修するひび割れ部分にカルシウムイオン水を塗布した後に、混練物を充填するとより効果的である。ひび割れ部のセメントとモルタルの馴染みが更に強まるからである。
貝殻を1200℃で焼成し、不純物を含有する貝殻粉末を得た。
次に、濃度99.9重量mol%の酢酸100ccに純水900ccを加え、1000ccの酢酸水溶液を調製した。この酢酸水溶液に貝殻粉末20gを入れ、酢酸水溶液中に貝殻粉末が溶解する状態を確認しながら、炭酸水素ナトリウムを2g入れ、貝殻粉末を溶解した。
貝殻粉末を完全に溶解させて貝殻粉末溶解液とした後、重金属等不純物が沈降するまで静置した。不純物を沈降させた後、貝殻粉末溶解液から不純物を除去し、残った上澄み液をろ過装置にてろ過し、カルシウムイオン水を得た。
このようにして得た、カルシウム粉末を含まないカルシウムイオン水を用い、以下のようにモルタルを製造した。
JIS規格に沿って行うため、水セメント比が45%になるように、セメント600g、砂1200g、カルシウムイオン水270gを混練した。これを型枠に流し込んで硬化させ、40mm×40mm×160mm、重量580〜600gの大きさのモルタル試験体を製造した。
上述のように製造したカルシウムイオン水100%を、そのまま使用したもの(試験体1)、水を混合して60%に希釈したもの(試験体2)、30%に希釈したもの(試験体3)について、3種類の試験体を製造した。また、比較例として、カルシウムイオン水を用いず通常の水を用いて同様にモルタル試験体(試験体4)を製造した。
これら、4種の試験体について水中養生を行い、7日、28日、56日、90日経過後の各試験体の曲げ強度及び曲げひずみ度を測定した。
万能試験機に設定された載荷板上の中央に試験体を設置し、試験体の上面から除々に曲げ荷重をかけた。試験体下面にはデジタルひずみ計と接続した測定用ゲージを貼り、試験体が破壊するまで荷重を100Nステップで増加させてゆき、曲げひずみ量を測定した。曲げ強度は、曲げ荷重を試験体の断面積で割って求めた。
曲げ強度試験の結果を図5及び図6に示す。図5(A)が試験体1、(B)が試験体2、(C)が試験体3の測定結果である。また、図6は試験体4の測定結果を示している。
試験体4では、いずれの経過日数のものでも曲げひずみ度が大きく伸びることはなかった。曲げひずみ度が小さく、外部応力に対し、すぐに伸びの限界に達し、ひび割れしやすいものであることがわかる。試験体4に代表される既存のモルタルを、既存建造物のひび割れ部に充填しても、モルタルの伸び量の限界が低く、再度ひび割れが発生するので、補修材として利用することができない。
一方、試験体1〜3では、経過日数によってばらつきが生じているものの、試験体4と比較して曲げひずみ度が大きく伸びており、靭性が高まっていることがわかる。外部応力に対しても、伸びの限界が高いため、ひび割れしにくいことがわかる。なお、測定図中、急激に曲げひずみ度が減少している箇所があるが、これは測定中に試験体から測定ゲージが外れてしまったためである。測定ゲージが外れなかった場合を考慮すれば、曲げひずみ度は大きく、また、曲げ強度も大きくなるものと考えられる。
試験体1〜3では、曲げひずみ度が非常に高く、優れた靭性を有することから、コンクリートやモルタル等の既存建造物のひび割れ部に、補修材として適用することが可能である。ひび割れ部に本発明のモルタルを充填すれば、外部応力に対して弱い箇所をその優れた靭性で引っ張り応力を吸収し、補強材として機能する。このため、ひび割れ部に更に外部応力が加わった場合でも、ひび割れの悪化を防止できることになる。
次に、90日経過後の各試験体について圧縮強度を測定した。試験体を圧縮試験用器具に載せ、万能試験機に設定された載荷板上の中央に設置し、試験体が圧縮破壊されるまで徐々に荷重をかけた。圧縮強度(N/mm)は、最大圧縮荷重(N)を試験体の断面積(mm)で割って求めた。その結果を表1に示す。なお、表1は各試験体について2回測定を行った平均値である。
水のみで製造した試験体4が41.26N/mmに対し、カルシウムイオン水から製造した試験体1では52.55N/mm、試験体2では48.88N/mm、試験体3では46.31N/mmと、いずれも圧縮強度が高い。カルシウムイオン水を用いて試験体を製造することで、空隙内部にカルシウム化合物が形成され、空隙が減少するため、圧縮強度が高まったものと考えられる。また、カルシウムイオン水のカルシウムイオン濃度が高い順に圧縮強度が高いことから、カルシウムイオン濃度が高い水溶液を用いれば、より圧縮強度を高めたセメント硬化体となることがわかる。
次に、鉄筋への付着性について検証を行った。セメント、骨材、カルシウムイオン水の配合、及び試験体の大きさは前述と同様にし、鉄筋が貫通した状態で試験体1〜4を製造した。鉄筋の軸方向に徐々に荷重を加えてゆき、鉄筋が試験体から抜け落ちたときの最大荷重を測定した。付着強度は、最大荷重を鉄筋と試験体との付着表面積で割った値として求めた。その結果を表2に示す。なお、表2は、各試験体について2回ずつ試験を測定した平均値である。
表2の結果から、水のみを用いて製造した試験体4の付着強度が4.74N/mmに対し、カルシウムイオン水を用いて製造した試験体1及び試験体3の付着強度は、それぞれ5.29N/mm、5.25N/mmと高いことがわかる。試験体4では、製造の過程で、試験体と鉄筋との接合面に水膜が生じ、空隙が生じやすい。このため、試験体4と鉄筋との密着性が損なうこととなり、付着強度が低下したものと考えられる。
一方、試験体1ではカルシウムイオン水を用いているため、試験体と鉄筋との接合面ではカルシウム化合物が形成される。その結果、試験体1と鉄筋との接合面との空隙が減少して密着性が高まるため、付着強度の向上が図られたものと考えられる。
なお、カルシウムイオン水を試験体2について測定した強度が低い値となっているが、実験データにばらつきが生じたため、弱い値になったものと考えられる。
次に、前述同様に試験体1〜4を製造し、吸水性について検証を行った。製造した試験体1〜4を容器に入れ、試験体の下部10mmだけ浸かるように、容器に水を注ぎ、時間経過に伴う重量変化から試験体の吸水量を測定した。その結果を図7に示す。
カルシウムイオン水を用いて製造した試験体1〜3では、水のみを用いて製造した試験体4と比較し、いずれも吸水量が少ない。そして、カルシウムイオン濃度が高いものほど吸水量が少なくなっている。カルシウムイオン水中のカルシウムイオンが多いほど、カルシウム化合物の形成によって試験体の空隙が減少し、吸水量が減少したものと考えられる。
セメント硬化体では、中性化を抑止するために、ある程度の吸水性は必要であるが、過剰に吸水性が高いと、結露によるカビや鉄筋の錆の発生を促すことになるとともに、内部に侵入した水分の凍結による体積膨張でひび割れが生じることになる。本発明のセメント硬化体では吸水量が高くないため、カビや錆の発生やひび割れが生じにくく、耐久性の高いセメント硬化体を提供できることがわかる。
貝殻から不純物を含まない高濃度のカルシウムイオン水溶液を製造できるので、食品業界や製薬業界等幅広い分野での利用が可能である。また、このカルシウムイオン水を用い、機械的強度及び耐久性を高めたセメント硬化体を提供できるため、モルタル、コンクリート等を使用する建築分野での利用が可能である。また、セメント硬化体の優れた靭性を有するので、既存のコンクリート建造物のひび割れ補修にも利用できる。
本発明のカルシウムイオン水の製造方法を示す工程図である。 本発明のセメント硬化体の内部構造を示す模式図である。 本発明のセメント硬化体のSEM写真である。 本発明のセメント硬化体の製造方法を示す工程図である。 本発明のセメント硬化体の曲げ強度を示す測定図である。 本発明の対比となるセメント硬化体の曲げ強度を示す測定図である。 本発明のセメント硬化体の吸水量を示す測定図である。
符号の説明
1a モルタル
1b コンクリート
2 カルシウム化合物
3a モルタル
3b コンクリート
11 粗骨材
12 細骨材
13 空隙
21 セメント粒子を構成するイオン
22 カルシウムイオン
31 カルシウム粉末

Claims (6)

  1. 貝殻を焼成し、酸化カルシウムを含有する貝殻粉末を得る工程と、
    酸性水溶液に前記貝殻粉末及び炭酸水素ナトリウムを入れて、前記貝殻粉末を溶解してカルシウムイオンを含む貝殻粉末溶解液を得る工程と、
    前記貝殻粉末に含まれる不純物を沈降させ、カルシウムイオンを含む前記貝殻粉末溶解液の上澄み液をろ過する工程とを具備することを特徴とするカルシウムイオン水の製造方法。
  2. 前記酸性水溶液として酢酸水溶液を用いたことを特徴とする請求項1に記載のカルシウムイオン水の製造方法。
  3. セメントと、骨材と、カルシウムイオン水とを混練してなるセメント硬化体において、
    前記カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンの結合手が前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合したカルシウム化合物を形成することを特徴とするセメント硬化体。
  4. 前記セメント硬化体の空隙に前記カルシウム化合物を存在させ、
    前記カルシウム化合物が前記空隙表面の前記セメントの粒子間を架橋して結合していることを特徴とする請求項3に記載のセメント硬化体。
  5. セメントと骨材とカルシウムイオン水のみを混練する工程と、
    前記カルシウムイオン水に含まれるカルシウムイオンの結合手で前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合させたカルシウム化合物を形成する工程とを具備することを特徴とするセメント硬化体の製造方法。
  6. 前記混練工程で生じる空隙に前記カルシウムイオン水を入れて、
    前記カルシウムイオン水に含まれる前記カルシウムイオンの結合手と前記空隙表面の前記セメントの粒子を構成するイオン間を結合させて前記カルシウム化合物を形成させることを特徴とする請求項5に記載のセメント硬化体の製造方法。
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