JP4770441B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に配列されているロータを有する回転電機に関する。
電動機等の回転電機には、そのロータに、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されているものがある。このようなロータに突極を有する回転電機としてリラクタンスモータが知られている。突極が周方向に配列されていることで、リラクタンスすなわち磁気抵抗が低い部分と高い部分が、ロータ周方向に交互に配置されることになる。このようなロータの周囲に、ステータによって回転磁界を形成すると、突極が回転磁界に引き付けられ、ロータを回転させるトルクを発生することができる。
リラクタンスモータは、ロータに永久磁石を配しておらず、上記のようにリラクタンスの差によりトルクを発生するモータである。ロータに永久磁石を用いていないため、その分だけ安価であり、また、ロータに永久磁石を固定するための構造が不要で、構造を簡単なものとすることができる。さらに、永久磁石が、回転による遠心力でロータより剥れることについての考慮も不要であり、高速回転での使用にも適している。このような利点から、リラクタンスモータは、例えば、自動車の動力源として採用することが有望視されている。
ところで、前述のような回転電機には、ロータの回転軸を支持するベアリングを潤滑するため、またロータやステータを冷却するために、これら部位に外部から潤滑油を供給し、ロータ及びステータを収容するハウジング内(以下、モータ室と記す)の底に、潤滑油が溜まっている状態、又は潤滑油が流れている状態など、「潤滑油が存在する状態」で作動するものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平5−284691号公報 特開2005−106266号公報
このような潤滑系を採用する回転電機が、上述の突極を備えたロータを有する場合、隣り合う突極の間の溝状の空隙(以下、スロットと記す)に、潤滑油が流入すると、突極がこの潤滑油を叩き、これがロータの回転抵抗となる。このようなロータに突極を備える回転電機の場合、潤滑油の攪拌に起因するロータの回転抵抗(以下、「潤滑油の攪拌抵抗」と記す)は、ロータの形状が略円柱形状を呈するものに比べて大きなものとなり、回転電機が出力するトルクを低下させることとなる。
特に、回転電機が、その動力を伝達する動力伝達機構と一体に結合されて車両用の駆動装置を構成している場合、回転電機の潤滑油は、駆動装置で共用されていることがあり、駆動装置が非作動状態にあるとき、モータ室に溜まっている潤滑油に、突極が浸かっていることがある。このような状態にある回転電機を作動させると、突極が潤滑油を攪拌し、ロータには、極めて大きな潤滑油の攪拌抵抗が作用することとなり、車両の燃費悪化の要因となる。以上のように、突極を備えたロータを有する回転電機には、潤滑油の攪拌抵抗を低減する技術が要望されている。
そこで、本発明は、ロータ回転時にモータ室の油に流れを形成することで、潤滑油の攪拌抵抗を低減可能な回転電機を提供する。
本発明に係る回転電機軸方向に沿って磁極が設けられるステータと、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されたロータと、を有し、ロータを収容するモータ室に潤滑油が存在する状態で作動する回転電機であって、突極は、ステータの磁極に対応してロータの一方側端面と他方側端面の間に亘って設けられる中央の部分である本体部と、本体部から連続して軸方向外側にロータ端面まで、軸方向に対し所定の傾斜角度で傾斜して延設する面を有する軸流形成部と、を有し、軸流形成部は、所定の傾斜角度がロータの回転方向に対して後退するように設定され、これによって、ロータが回転して突極がモータ室の潤滑油に当るときに、突極の両端部において、潤滑油を軸方向外側に排出させるような流れを形成することを特徴とする。このように、突極の軸流形成部の面が、これに当たる潤滑油に軸方向外向きの流れを形成することで、隣り合う突極の間からの潤滑油の排出を促進している。なお、ステータは、その磁極が、従来の軸方向に沿って延びる形式のものを利用することができ、潤滑油に軸方向外向きの流れを形成する回転電機を、低コストで実現することができる。
また好ましくは、ロータを収容し、底部に潤滑油が溜まっているモータ室と、ロータ端面より前記軸方向外側に設けられ、モータ室外に連通する油通路とを有しており、ロータが回転すると、軸流形成部が油通路に向かう流れを形成することで、モータ室に溜まっている潤滑油をモータ室外に排出する。
また好ましくは、回転電機は、回転電機からの動力を伝達するギアを有する動力伝達機構と一体に結合されて、車両を駆動する駆動装置を構成するものであり、駆動装置には、モータ室と、ギアを収容するギア室と、モータ室及びギア室に供給する潤滑油を貯留するタンク室が設けられている。ロータが回転すると、モータ室に溜まっている潤滑油が、油通路からギア室に送られ、さらにギアによりタンク室に掻き揚げられることにより、タンク室に貯留され、ロータの抵抗面に当たる油量が減少する。
本発明の回転電機によれば、スロット内にある潤滑油に軸方向外向きの流れを形成し、潤滑油をスロット外に排出することで、ロータ回転時における潤滑油の攪拌抵抗を低減することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。一例として、車両の駆動装置に一体に結合された回転電機について説明する。
まず、本実施形態の回転電機10が適用される車両1の駆動装置5及びその制御系について、図1を用いて説明する。図1には、車両1の駆動装置5および制御系の概略構成を示している。車両1には、動力源として、発電可能な電動機である回転電機10が設けられている。また、回転電機10が出力した動力を駆動輪48に伝達させる機構として、回転電機10から伝達された回転を減速してトルクを増大する減速装置30と、減速装置30から伝達された動力を左右の駆動輪48に分配する差動装置40が設けられている。また車両1には、回転電機10に供給する電力を貯蔵する二次電池50と、二次電池50と回転電機10との間に介在して電力の授受を行うインバータ52と、インバータ52を制御することで回転電機10の駆動を制御する電子制御装置54(以下、ECUと記す)が設けられている。
回転電機10は、インバータ52から供給された電力を、動力に変換して回転軸12から出力する電動機としての機能と、回転軸12から入力された動力を、電力に変換してインバータ52に出力する発電機としての機能とを兼ね備えており、これら電動機又は発電機としての機能は、ECU54により逐次、切換可能に制御される。回転電機10は、電動機として、駆動輪48に動力を出力する一方、発電機として、駆動輪48から伝達された動力を電力に変換して回収することができる。
回転電機10は、ステータ16とロータ18とを有している。ステータ16は、インバータ52に電気的に接続されており、インバータ52から電力供給を受けて回転磁界を形成することができる。ロータ18は、ステータ16に形成される回転磁界に引き付けられて回転駆動する。ロータ18には、回転軸12が結合されており、ロータ18に生じる回転駆動力は、この回転軸12から減速装置30に伝達される。回転電機10のロータ18や、これに配列されている突極の構造については、後述する。
減速装置30は、回転電機10の回転軸12に連結されているメインシャフト32と、メインシャフト32に結合されているカウンタドライブギア33と、カウンタドライブギア33と噛み合うカウンタドリブンギア34と、カウンタドリブンギア34と結合されているカウンタシャフト35と、カウンタシャフト35に結合されており、差動装置40のリングギア42と噛み合うファイナルドライブギア36とを有している。
回転電機10の回転軸12からメインシャフト32に伝達された回転は、カウンタドライブギア33とカウンタドリブンギア34により、回転速度が減速しトルクが増大してカウンタシャフト35に伝達される。カウンタシャフト35に伝達された回転は、ファイナルドライブギア36と差動装置40のリングギア42により、さらに回転速度が減速しトルクが増大して差動装置40に伝達される。このようにして、減速装置30は、回転電機10の回転軸12から出力された回転を減速しトルクを増大させて、回転電機10の出力した動力を、差動装置40に伝達する。
差動装置40は、ファイナルドライブギア36に噛み合うリングギア42と、リングギア42に固定された差動ケース43とを有している。差動ケース43は、左右の駆動軸46にそれぞれ接続している左右のサイドギア45と、このサイドギア45と直交して噛み合うピニオンギア44とを、回転可能に保持している。
減速装置30のファイナルドライブギア36からリングギア42を介して差動ケース43に伝達された回転は、差動ケース43と共に回転するピニオンギア44からサイドギア45に伝達される。サイドギア45の回転は、左右の駆動軸46を介して駆動輪48に伝達される。車両1が旋回する場合など、左右の駆動輪48に回転速度の差が生じる場合は、サイドギア45にも回転速度差が生じることとなるが、この場合は、ピニオンギア44が自転することで、この回転速度差を吸収することができる。このようにして、差動装置40は、減速装置30から出力された動力を、左右の駆動軸46、すなわち駆動輪48に分配して伝達することができる。
以上のように車両1を構成することで、回転電機10は、二次電池50から供給された電力から発生した動力を、減速装置30及び差動装置40を介して、駆動輪48に伝達させて、車両1を推進させることができる。また、車両減速時においては、駆動輪48から差動装置40及び減速装置30に入力された動力を、回転電機10に伝達し、ここで電力に変換して、二次電池50に回収することが可能となっている。回転電機10の動力発生及び電力回収は、アクセルポジションセンサ56の操作量に基づき算出された要求駆動力や、二次電池50から検出された電池残存容量に応じて、ECU54により適宜、制御されている。
以上に説明した回転電機10、減速装置30、及び差動装置40は、一体に結合されて駆動装置5を構成している。この駆動装置5において、回転電機10、減速装置30、及び差動装置40を潤滑する潤滑油は、共用されており、潤滑油は、駆動装置5内を循環して、これら装置を、順次、潤滑及び冷却するよう構成されている。以下に、駆動装置5の構造と、駆動装置5内を循環する潤滑油の流れについて、図2〜図3を用いて説明する。図2には、回転電機10及び駆動装置5の横断面図を示し、図3には、図2のA−A線による断面図、すなわち駆動装置の縦断面図を示す。なお、これらの図において、矢印Xは、車両左方を、矢印Yは、車両前方を、矢印Zは、車両上方を示している。
駆動装置5には、図2に示すように、前述のロータ18、ステータ16及び回転軸12を収容するモータ室10aと、減速装置30のギア33,34,36及びシャフト32,35と差動装置40のリングギア42及び差動ケース43を収容するギア室30aと、駆動装置5内の潤滑油を貯留するタンク室60aが形成されている。また、図3に示すように、回転電機10のステータ16の車両上方には、タンク室60aに連通し、駆動装置5の作動時に潤滑油を一時的に貯留する上部タンク室62aが形成されている。これらモータ室10a、ギア室30a、タンク室60a及び上部タンク室62aは、駆動装置5のハウジング14により仕切られている。タンク室60aとギア室30aの間には、図2に示すように、油通路64が形成されている。
また、図3に示すように、モータ室10aとギア室30aとの間にあるハウジング14bには、これらを連通する油通路66が形成されており、この油通路66は、ロータ端面18bより、回転軸12の軸方向(矢印Tで示す)の外側に設けられている。また、モータ室10aと上部タンク室62aの間には、連通穴68が形成されている。このように、モータ室10a、ギア室30a、タンク室60a、及び上部タンク室62aは連通しており、潤滑油が流通可能となっている。また、減速装置30のメインシャフト32及びカウンタシャフト35、及び回転電機10の回転軸12は、内部が中空に形成されており、この中空部分の両端は、開放されている。つまり、シャフト及び回転軸12の、一端から他端へ潤滑油が流通可能となっている。
次に、駆動装置5内を循環する潤滑油の流れについて説明する。車両1が静止しているとき、すなわち駆動装置5及び回転電機10が非作動状態にあるとき、モータ室10a及びギア室30aの底部10c,30cには、所定の量の潤滑油が溜まっており、その油面の高さは、略同一となっている。このとき、回転電機10のロータ18は、潤滑油に浸かった状態となっている。
そして、駆動装置5すなわち回転電機10がロータ18を回転させて車両1を前進させると、ロータ18の回転に伴い、リングギア42が回転して、ギア室30aにある潤滑油を上部タンク62aに掻き揚げる。上部タンク62aに掻き揚げられた潤滑油は、連通穴68から滴下してステータ16を冷却すると共に、図示しない潤滑油通路からタンク室60aに流入する。タンク室60aに流入した潤滑油は、油通路64からギア室30aに流入する。
ギア室30aに流入した潤滑油は、ギア室30aにあるメインシャフト32及びカウンタシャフト35を保持するベアリング71〜74を潤滑する一方、図2に矢印Hで示すように、メインシャフト32の端(車両1右側)からメインシャフト32の中空部分に流入する。この中空部分から、さらに矢印Iで示すように回転軸12の中空部分12aに流れた潤滑油は、矢印Jで示すように回転軸12を保持するベアリング76,77を潤滑してモータ室10aに流入する。
さらに、図3に示すように、モータ室10aに流入した潤滑油は、ステータ16とハウジング14の間に形成されている潤滑油通路65やステータ16とロータ18の間を流れ、さらにモータ室10aとギア室30aの間にある油通路64を矢印Kで示すように、軸方向Tを外向きに流れて、再びギア室30aに戻る。
モータ室10aからギア室30aに流れた潤滑油と、タンク室60aからベアリング71〜74を潤滑してギア室30aに流れた潤滑油は合流して、図2に矢印Lで示すように差動装置40に向けて流れる。差動装置40に流れた潤滑油は、差動ケース43を保持するベアリング78,79や、差動ケース43内にあるサイドギア45やピニオンギア44を潤滑する一方、再び、リングギア42の回転により、上部タンク室62aに掻き揚げられる。
このように、ロータ18の回転に伴うリングギア42の回転により、駆動装置5内に潤滑油を循環させることで、上部タンク室62aから供給する潤滑油によりステータ16を冷却する一方、モータ室10a及びギア室30aに潤滑油を供給して各ベアリングを潤滑する。また、リングギア42がギア室30aにある潤滑油を掻き揚げて、タンク室60a,62aに潤滑油を貯留することで、この分、ギア室30aと、これに連通するモータ室10aに溜まっている潤滑油の油面を低下させて、ロータ18の突極80が攪拌する潤滑油の油量を減少させる。
次に、回転電機10のロータ18の構造について、図3及び図4を用いて説明する。図4には、図3のB−B線による断面図、すなわちロータ18の略中央の断面図を示す。なお、図4には、回転電機10が非作動状態のときに、モータ室10aに溜まっている潤滑油の油面の一例を、一点鎖線Dで示す。
回転電機10は、リラクタンスモータであり、そのロータ18には、図4に示すように、回転軸12の径方向(矢印Sで示す)を外向きに突出する突極80が、周方向(矢印Rで示す)に所定の間隔で配列されている。つまり、隣り合う突極80の間には、溝状の空隙82が形成されていることとなり、以下、この「溝状の空隙」をスロット82と記す。
この突極80は、図3に示すように、ロータ端面18aから、もう一方のロータ端面18bの間に亘って、設けられている。詳細には、2つのロータ端面18a,18bの間の略中央の部分80a(以下、本体部と記す)において、回転軸の軸方向(矢印Tで示す)に沿って延設されている。この本体部80aに対応して、ステータ16の磁極16aが、軸方向Tに沿って設けられている。なお、本体部80aより軸方向外側の部分80cは、軸方向Tに対して傾斜して延設されており、この部分の詳細については後述する。
このような突極80を有するロータ18を回転させると、突極80は、モータ室10aに溜まっている潤滑油に当たって、これを攪拌し、その反力としての抵抗を潤滑油より受ける。すなわち、突極80を構成する面の中には、モータ室10aに溜まっている潤滑油が当たって、その抵抗を受ける面がある。この面は、ロータが回転する向きに応じて定まる。
本実施形態の回転電機10は、車両1用の駆動装置5を構成しており、また、車両1は、前後進が可能な自動車であることから、ロータ18が主に回転する向き(以下、主回転方向と記す)は、回転電機10すなわち駆動装置5が、車両1を前進させる方向に規定されている。本実施形態のロータ18の主回転方向を、図3〜図6に、矢印Rmで示す。
以上から、本実施形態のロータの各突極80には、これを構成する面のうち、ロータ18が主回転方向Rmに回転したときに、潤滑油が当たって抵抗を受ける面を定義することができる。以下の説明において、この抵抗を受ける面を「抵抗面」と記し、図3〜図6に符号90(90a,90c)で示す。つまり、抵抗面90は、図4に示すように、突極80と、スロット82との境界面のうち、主回転方向Rm側の境界面となる。
上述のような潤滑系を採用し、かつ突極80を有する回転電機10において、モータ室10aからスロット82に潤滑油が流入すると、突極80の抵抗面90がこの潤滑油を叩き、これがロータ18の回転抵抗となって、回転電機10が出力するトルクを低下させる。
加えて、回転電機10すなわち駆動装置5が非作動状態にあるときは、モータ室10aの底部に潤滑油が溜まっており、この潤滑油には、図4に示すように、ロータ18の突極80が浸かっている。回転電機10が作動を開始してロータ18が主回転方向Rmに回転すると、突極80の抵抗面90が溜まっている潤滑油を攪拌し、ロータ18には極めて大きな潤滑油の攪拌抵抗が作用する。このとき、ロータ18と共にリングギア42が回転して潤滑油を掻き揚げ、タンク室60a,62aに潤滑油を貯留することで、ロータ18の突極80が攪拌する潤滑油の油量は減少していく。しかし、リングギア42の回転により、タンク室60a,62aに潤滑油が十分に貯留されて、モータ室10aの底部10cに溜まっている潤滑油の油面が低下するまでには、回転電機10の作動開始から、ある程度の時間がかかる。この間、突極80は潤滑油に浸かっているため、ロータ18には極めて大きな回転抵抗が作用することとなる。
以上のようなロータ回転時における潤滑油の攪拌抵抗を低減するために、本実施形態においては、ロータ18の回転時において、突極80の抵抗面90に当たる潤滑油に、回転軸12の軸方向外向きの流れを形成している。以下に、本実施形態における突極80の詳細な構造について、図3〜図6を用いて説明する。図5には、図3に矢印Cで示す方向から見たロータの端面図を示し、図6には、図5に矢印Uで示す径方向Sの外側から見た突極の上面図を示す。なお、図6においては、理解を容易とするため、円柱状のロータを平面状に展開した状態を示している。
突極80は、図3に示すように、軸方向Tの略中央に設けられている本体部80aと、本体部80aから軸方向T外側に延設されている軸流形成部80cから構成されている。軸流形成部80cは、本体部80aから連続して、ロータ端面18a,18bまで延設されている。なお、本体部80aと軸流形成部80cは、図4に二点鎖線Eで囲う、略同一の軸直交断面を有している。
本体部80aは、図6に示すように、ロータ回転軸12の軸方向Tに沿って延設されている。この本体部80aに対応して、ステータ16の磁極16aが、軸方向Tに沿って設けられている。ステータ16が回転磁界を形成すると、ステータ16の磁極16aと突極80の本体部80aとの間が、磁束の通り道となる。一方、軸流形成部80cは、軸方向Tに対し、所定の角度θで傾斜して延設されている。傾斜角度θは、本体部80aからロータの端面18aに向けて、主回転方向Rmに対して後退するよう設定されている。
このように突極80を構成することで、ロータ18の回転により定義される抵抗面90は、図6に示すように、本体部80aとスロット82との境界面である本体面90aと、軸流形成部80cとスロット82との境界面である軸流形成面90cに区画される。つまり、抵抗面90のうち、軸流形成部80cに対応する、軸方向Tの端部が、軸流形成面90cとなる。上述のように、軸流形成面90cは、本体面90aから軸方向Tを外向きに離れるに従って、本体面90aから主回転方向Rmとは逆方向に離れるよう、回転軸12の軸方向Tに対して、角度θで傾斜している。図5に示すように、ロータ端面18aを軸方向Tから見ると、スロット開口86を通して、軸流形成面90cが、その面を覗かせている。
なお、軸流形成面の傾斜角度θは、回転電機10が非作動状態から作動を開始して、モータ室10aに溜まっている潤滑油の排出が必要となるような回転速度域や、回転電機10にとって使用頻度の高い回転速度域など、潤滑油に軸方向外向きの流れを形成する目的に応じて、任意の角度に設定することができる。
ロータ18が、主回転方向Rmに回転する、すなわち図6において突極80が主回転方向Rmに「移動する」と、スロット82内にある潤滑油は、矢印Fで示すように、抵抗面90に向けて相対的に移動することとなる。そして、抵抗面90に向けて移動する潤滑油のうち、軸流形成面90cに当たった潤滑油は、矢印Gで示すように、向きを変えて軸方向Tを外向きに移動する。つまり、ロータ18が主回転方向Rmに回転することにより、軸流形成面90cは、これに当たる潤滑油に、軸方向外向きの流れを形成する。
さらに、ロータ18の回転により、軸流形成面90cが、潤滑油に軸方向外向きの流れ(矢印Gで示す)を形成することで、図3に示すように、モータ室10aの底部10cに溜まっていた潤滑油は、モータ室10aとギア室30aとの間のハウジング14b側に押し付けられる。これにより、モータ室10a内の潤滑油は、矢印Kで示すように、油通路66からギア室30aに圧送されて排出される。
ギア室30aに送られた潤滑油は、さらに、リングギア42により掻き揚げられて、タンク室60a,62aに貯留される。タンク室60a,62aに貯留される潤滑油量が、回転電機10が非作動状態のときに比べて増加することにより、この分だけ、モータ室10a及びギア室30aに溜まる潤滑油量が減少し、モータ室10aの油面が低下する。これにより、ロータ18の突極80の抵抗面90に当たる潤滑油量が減少する。
以上説明したように本実施形態においては、突極80の抵抗面90のうち、軸方向Tの端部に軸流形成面90cを形成することで、ロータ18が主回転方向Rmに回転しているとき、スロット82内にある潤滑油に軸方向外向きの流れを形成することで、スロット開口86からの潤滑油の排出を促進している。この結果、従来の突極をロータに備える回転電機に比べて、ロータ回転時における潤滑油の攪拌抵抗を低減することができる。
また、本実施形態においては、ステータ16の磁極16aが軸方向Tに沿って延設されており、これに対応して、同じく軸方向Tに沿って延びる本体部80aが設けられている。本体部80aの外側に、本体部80aに対して傾斜が付けられた軸流形成部80cを設けるだけで良く、ステータ16については、その磁極16aが従来の軸方向Tに沿って延びる形式のものを利用することができる。潤滑油に軸方向外向きの流れを形成する回転電機を、低コストで実現することができる。
また、本実施形態においては、ロータ端面より軸方向外側に、モータ室10aとギア室30aとを連通する油通路66が設けられている。ロータ18が回転を開始すると、軸流形成面が潤滑油に形成する軸方向外向きの流れにより、モータ室の底部に溜まっていた潤滑油を、油通路からギア室に排出する。回転電機の非作動状態において、モータ室の底部に溜まっていた潤滑油を、ロータの回転開始と同時に、モータ室外に排出させることができる。これにより、モータ室に溜まる潤滑油の油面を低下させ、ロータの抵抗面に当たる潤滑油量を減少させることができる。
なお、本実施形態において、突極80の軸流形成部80cは、本体部80aと略同一の断面を有し、本体部80aに対して傾斜しているものとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。ロータ回転時に、これに当たる潤滑油に軸方向外向きの流れを形成する軸流形成面を有していれば良く、例えば、突極を、主回転方向Rm側に上底を有する台形形状とすることも好適である。略直方体を呈する突極に対して、主回転方向Rm側の二辺を面取りするだけで良く、容易に製造することができる。
第1実施形態の回転電機が適用される車両の概略構成を示す図である。 第1実施形態の回転電機が一体に結合される駆動装置の横断面図である。 第1実施形態の回転電機の縦断面図であり、図2のA−A線による断面図である。 図3のB−B線によるロータの断面図である。 図3に矢印Cで示す方向から見たロータ端面図である。 図5に矢印Uで示す方向から見た突極の上面図であり、略円柱状のロータを、平面状に展開した展開図である。
符号の説明
1 車両、5 駆動装置、10 回転電機、12 回転軸、14 ハウジング、16 ステータ、18 ロータ、30 減速装置、40 差動装置、50 二次電池、54 電子制御装置(ECU)、80 突極、80a 本体部、80c 軸流形成部、82、スロット、86 スロット開口、90 抵抗面、90c 軸流形成面。

Claims (3)

  1. 軸方向に沿って磁極が設けられるステータと、
    回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されたロータと、を有し、
    ロータを収容するモータ室に潤滑油が存在する状態で作動する回転電機であって、
    突極は、
    ステータの磁極に対応してロータの一方側端面と他方側端面の間に亘って設けられる中央の部分である本体部と、
    本体部から連続して軸方向外側にロータ端面まで、軸方向に対し所定の傾斜角度で傾斜して延設する面を有する軸流形成部と、
    を有し、
    軸流形成部は、
    所定の傾斜角度がロータの回転方向に対して後退するように設定され、これによって、ロータが回転して突極がモータ室の潤滑油に当るときに、突極の両端部において、潤滑油を軸方向外側に排出させるような流れを形成することを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    ロータを収容し、底部に潤滑油が溜まっているモータ室と、
    ロータ端面より前記軸方向外側に設けられ、モータ室外に連通する油通路と、
    を有し、
    ロータが回転すると、軸流形成部が油通路に向かう流れを形成することで、モータ室に溜まっている潤滑油を、モータ室外に排出することを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機であって、
    回転電機は、回転電機からの動力を伝達するギアを有する動力伝達機構と一体に結合されて、車両を駆動する駆動装置を構成するものであり、
    駆動装置には、モータ室と、ギアを収容するギア室と、モータ室及びギア室に供給する潤滑油を貯留するタンク室が設けられており、
    ロータが回転すると、
    モータ室に溜まっている潤滑油が、油通路からギア室に送られ、さらにギアによりタンク室に掻き揚げられることにより、タンク室に貯留され、
    これによって突極に当る油量が減少することを特徴とする回転電機。
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