JP4747980B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に配列されているロータを有する回転電機に関する。
電動機等の回転電機には、そのロータに、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されているものがある。このようなロータに突極を有する回転電機としてリラクタンスモータが知られている。突極が周方向に配列されていることで、リラクタンスすなわち磁気抵抗が低い部分と高い部分が、ロータ周方向に交互に配置されることになる。このようなロータの周囲に、ステータによって回転磁界を形成すると、突極が回転磁界に吸引され、ロータを回転させるトルクを発生することができる。
リラクタンスモータは、ロータに永久磁石を配しておらず、上記のようにリラクタンスの差によりトルクを発生するモータである。ロータに永久磁石を用いていないため、その分だけ安価であり、また、ロータに永久磁石を固定するための構造が不要で、構造を簡単なものとすることができる。もちろん、永久磁石が、回転による遠心力でロータより剥れることについての考慮も不要であり、高速回転での使用にも適している。このような利点から、リラクタンスモータは、例えば、自動車の動力源として採用することが有望視されている。
しかし、このような突極がロータに配列された回転電機は、ロータを回転させると、突極が、ロータの周囲にある空気を攪拌してしまうという問題がある。特に高速回転時において、ロータが略円柱形状の回転電機に比べて、空気の攪拌に起因する回転抵抗が増大するという問題がある。
このような回転抵抗を低減するため、ロータ端面において、隣り合う突極の間を覆う技術が知られている。例えば、下記の特許文献1に記載の電動機においては、ロータコアの回転軸の軸方向端部に、円盤状の板状部材を設けることで、ロータの突極間の溝と、ロータ端面より回転軸方向外側にある空間との間で、空気が出入りすることを防止し、ロータ回転時に生じる空気の攪拌に起因する回転抵抗を低減している。
特開平11−69674号公報
ところで、上述のような回転電機には、ロータの回転軸を支持するベアリングを潤滑するため、またロータやステータを冷却するために、これら部位に外部から潤滑油を供給するものがある。このような回転電機は、一般的に、ハウジング内の底部に、潤滑油が存在する状態で作動することとなる。
このような潤滑系を採用する回転電機が、上述の突極を備えたロータを有する場合、隣り合う突極の間の溝状の空隙(以下、スロットと記す)に、潤滑油が流入すると、突極が、この潤滑油を叩き、これがロータの回転抵抗となる。このような、潤滑油の攪拌に起因するロータの回転抵抗(以下、「油の攪拌抵抗」と記す)は、空気のみを攪拌する場合に比べて、極めて大きなものとなる。とりわけ、ロータを高速回転させる場合には、この油の攪拌抵抗は、顕著なものとなり、回転電機が出力するトルクを大幅に低下させることとなる。このような油の攪拌抵抗は、例えば、回転電機が、車両に動力源として搭載されている場合、車両の燃費悪化の要因となる。このため、回転電機には、高速回転時における油の攪拌抵抗を低減する技術が、特に要望されている。
そこで、本発明は、隣り合う突極の間であるスロットへの潤滑油の流入を抑制することで、高速回転時における油の攪拌抵抗を低減可能な、回転電機を提供する。
本発明に係る回転電機は、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、ロータ端面に設けられ、当該端面より回転軸の軸方向の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有する。油がスロットに流入することを抑制することで、ロータの高速回転時における、油の攪拌抵抗を低減することができる。
好ましくは、遮蔽手段は、ロータ回転速度の上昇に応じて前記径方向を外向きに突出し、スロットの開口を、より広い面積で覆う。
また好ましくは、遮蔽手段は、ロータ端面に沿って前記径方向に移動可能であり、スロットの開口を覆う遮蔽部材と、ロータの回転速度の上昇に応じて、遮蔽部材が前記径方向を外向きに移動するように遮蔽部材を支持する支持手段とを有する。
また好ましくは、支持手段は、一端が遮蔽部材に、他端がロータに接続されており、遮蔽部材を、回転軸から所定の距離に位置するように付勢する付勢部材であり、遮蔽部材は、ロータ回転速度の上昇に応じて作用する遠心力により、付勢手段の付勢力に抗して、前記径方向を外向きに移動する移動部材である。
また、好ましくは、付勢部材は、ロータ回転速度の上昇に応じて前記径方向に伸長するバネである。
また、本発明に係る他の態様の回転電機は、当該端面より回転軸の軸方向の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽するように、ハウジング内に存在する油に前記軸方向外向きの流れを形成するファンを有する。ロータの回転速度が上昇しても、ファンが形成する軸方向外向きの流れにより、スロットに流入する油を遮蔽するため、ロータの高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
好ましくは、ファンは、複数の羽根がロータの回転軸に結合されて構成される。
また、本発明に係る回転電機は、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で複数配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、ロータに設けられ、回転軸の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有する。ロータに設けられる遮蔽手段によって、油がスロットに流入することが抑制され、ロータの高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
また、好ましくは、遮蔽手段は、非磁性材料を用いて構成される突極間埋め込み部材である。突極の間を非磁性材料で埋め込むことで、回転電機としてのロータの性能をそのままにして、油がスロットに流入することがなくなり、スロットにおける油の攪拌抵抗をなくすことができる。
また、好ましくは、突極埋め込み部材と、少なくとも突極の1つとを相互に接続する接続部材を有する。これにより、遠心力等で、突極埋め込み部材がロータから分離等をすることを抑制できる。
また、本発明に係る回転電機は、回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で複数配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、ロータまたはステータに設けられ、回転軸の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有し、遮蔽手段は、スロットと外部とを結ぶ油流出口を有する流出口付き遮蔽板である。ロータに設けられる遮蔽手段によって、油がスロットに流入することが抑制され、また、スロットに入り込んだ油を油流出口より排除でき、ロータの高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
また、好ましくは、遮蔽手段は、非磁性材料を用いて構成される遮蔽板である。遮蔽板を非磁性材料とすることで、回転電機としてのロータの性能をそのままにして、油の攪拌抵抗を低減することができる。
本発明の回転電機によれば、ロータの高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。一例として、車両の駆動装置に一体に結合された回転電機について説明する。
〔第1実施形態〕
まず、本実施形態の回転電機10が適用される車両1の駆動装置5及びその制御系について、図1を用いて説明する。図1には、車両1の駆動装置5および制御系の概略構成を示している。車両1には、動力源として、発電可能な電動機である回転電機10が設けられている。また、回転電機10が出力した動力を駆動輪48に伝達させる装置として、回転電機10から伝達された回転を減速してトルクを増大する減速装置30と、減速装置30から伝達された動力を左右の駆動輪48に分配する差動装置40が設けられており、さらに、回転電機10に供給する電力を貯蔵する二次電池50と、二次電池50と回転電機10との間に介在して電力の授受を行うインバータ52と、インバータ52を制御することで回転電機10の駆動を制御する電子制御装置54(以下、ECUと記す)が設けられている。
回転電機10は、インバータ52から供給された電力を、動力に変換して回転軸12から出力する電動機としての機能と、回転軸12から入力された動力を、電力に変換してインバータ52に出力する発電機としての機能とを兼ね備えており、これら電動機又は発電機としての機能は、ECU54により逐次、切換可能に制御される。回転電機10は、電動機として、駆動輪48に動力を伝達することができる。
回転電機10は、ステータ16とロータ18とを有している。ステータ16は、インバータ52に電気的に接続されており、インバータ52から電力供給を受けて回転磁界を形成することができる。ロータ18は、ステータ16に形成される回転磁界に吸引されて回転駆動する。ロータ18には、回転軸12が結合されており、ロータ18に生じる回転駆動力は、この回転軸12から減速装置30に伝達される。ロータ18の構造の詳細については、後述する。
減速装置30は、回転電機10の回転軸12に連結されているメインシャフト32と、メインシャフト32に結合されているカウンタドライブギア33と、カウンタドライブギア33と噛み合うカウンタドリブンギア34と、カウンタドリブンギア34と結合されているカウンタシャフト35と、カウンタシャフト35に結合されており、差動装置40のリングギア42と噛み合うファイナルドライブギア36とを有している。
回転電機10の回転軸12からメインシャフト32に伝達された回転は、カウンタドライブギア33とカウンタドリブンギア34により、回転速度が減速しトルクが増大してカウンタシャフト35に伝達される。カウンタシャフト35に伝達された回転は、ファイナルドライブギア36と差動装置40のリングギア42により、さらに回転速度が減速しトルクが増大して差動装置40に伝達される。このようにして、減速装置30は、回転電機10の回転軸12の回転を減速し、トルクを増大させて、差動装置40に伝達する。
差動装置40は、ファイナルドライブギア36に噛み合うリングギア42と、リングギア42に固定された差動ケース43とを有している。差動ケース43は、左右の駆動軸46にそれぞれ接続している左右のサイドギア45と、このサイドギア45と直交して噛み合うピニオンギア44とを、回転可能に保持している。
減速装置30のファイナルドライブギア36からリングギア42を介して差動ケース43に伝達された回転は、差動ケース43と共に公転するピニオンギア44からサイドギア45に伝達される。サイドギア45の回転は、左右の駆動軸46を介して駆動輪48に伝達される。車両1が旋回する場合など、左右の駆動輪48に回転速度の差が生じる場合は、サイドギア45にも回転速度差が生じることとなるが、この場合は、ピニオンギア44が自転することで、この回転速度差を吸収することができる。つまり、差動装置40は、減速装置30から入力された動力を左右の駆動軸46、すなわち駆動輪48に分配することができる。
以上のように車両1を構成することで、回転電機10は、二次電池50から供給された電力から発生した動力を、減速装置30及び差動装置40を介して、駆動輪48に伝達させて、車両1を推進させることができる。なお、本構成例において、駆動装置5は、変速機構を有しておらず、車両1の速度は、回転電機10のロータ18の回転速度に比例している。
また、車両減速時においては、駆動輪48から差動装置40及び減速装置30に入力された動力を、回転電機10に伝達し、ここで電力に変換して、二次電池50に回収することができる。回転電機10の動力発生及び電力回収は、アクセルポジションセンサ56の操作量に基づき算出された要求駆動力や、二次電池50から検出された電池残存容量に応じて、ECU54により適宜、制御されている。
以上に説明した回転電機10、減速装置30、及び差動装置40は、一体に結合されて駆動装置5を構成している。また、この駆動装置5内において、回転電機10、減速装置30、及び差動装置40を、冷却及び潤滑する潤滑油は、共用されており、これら装置を、順次、潤滑油が循環するよう構成されている。以下に、駆動装置5内の構造と、駆動装置5内を循環する潤滑油の流れについて、図2及び図3を用いて説明する。図2は、駆動装置5の横断面図であり、矢印Yは、車両前方を、矢印Xは、車両左方を示している。図3は、図2のA−A線による断面図であり、矢印Zは、車両上方を示している。
まず、駆動装置5内の構造について説明する。駆動装置5には、図2に示すように、回転電機10のロータ18、ステータ16及び回転軸12を収容するモータ室10aと、図1で説明した減速装置30のギア33,34,36及びシャフト32,35と差動装置40のリングギア42及び差動ケース43を収容するギア室30aと、駆動装置5内の潤滑油を貯留するタンク室60aが形成されている。また、図3に示すように、回転電機10のステータ16の車両上方(矢印Zで示す側)には、図2で示されているタンク室60aに連通し、駆動装置5の作動時に潤滑油を一時的に貯留する上部タンク室62aが形成されている。
これらモータ室10a、ギア室30a、タンク室60a及び上部タンク室62aは、駆動装置5のハウジング14により仕切られている。タンク室60aとギア室30aの間には、図2に示すように、連通穴64が形成されており、ギア室30aとモータ室10aの間には、図3に示すように、連通穴66が形成されている。また、モータ室10aと上部タンク室62aの間には、連通穴68が形成されている。このように、モータ室10a、ギア室30a、タンク室60a、及び上部タンク室62aは連通しており、潤滑油が流通可能となっている。また、減速装置30のメインシャフト32及びカウンタシャフト35、及び回転電機10の回転軸12は、内部が中空に形成されており、この中空部分の両端は、開放されている。つまり、シャフト及び回転軸12の、一端から他端へ潤滑油が流通可能となっている。
次に駆動装置5内を循環する潤滑油の流れについて説明する。車両1が静止しているとき、すなわち駆動装置5が非作動状態にあるとき、モータ室10a及びギア室30aには、所定の量の潤滑油が溜まっている。このとき回転電機10のロータ18は、潤滑油に浸かった状態となっている。
そして、駆動装置5が作動して車両1が動き出すと、リングギア42が回転して、ギア室30aにある潤滑油を上部タンク62aに掻き揚げる。上部タンク62aに掻き揚げられた潤滑油は、連通穴68から滴下してステータ16を冷却すると共に、図示しない潤滑油通路からタンク室60aに流入する。タンク室60aに流入した潤滑油は、連通穴64からギア室30aに流入する。
ギア室30aに流入した潤滑油は、ギア室30aにあるメインシャフト32及びカウンタシャフト35を保持するベアリング71〜74を潤滑する一方、図2に矢印Hで示すように、メインシャフト32の端(車両右側)からメインシャフト32の中空部分に流入する。この中空部分から、さらに矢印Iで示すように回転軸12の中空部分に流れた潤滑油は、矢印Jで示すように回転軸12を保持するベアリング76,77を潤滑してモータ室10aに流入する。
さらに、図3に示すように、モータ室10aに流入した潤滑油は、ステータ16とハウジング14の間に形成されている潤滑油通路65やステータ16とロータ18の間を流れ、さらにモータ室10aとギア室30aの間にある連通穴66を矢印Kで示すように流れて、再びギア室30aに戻る。
モータ室10aからギア室30aに流れた潤滑油と、タンク室60aからベアリング71〜74を潤滑してギア室30aに流れた潤滑油は、合流して図2に矢印Lで示すように差動装置40に向けて流れる。差動装置40に流れた潤滑油は、差動ケース43を保持するベアリング78,79や、差動ケース43内にあるサイドギア45やピニオンギア44を潤滑する一方、再びリングギア42により、上部タンク室62aに掻き揚げられる。
このように、リングギア42の回転により駆動装置5内に潤滑油を循環させることで、上部タンク室62aから滴下する潤滑油によりステータ16を冷却する一方、モータ室10a及びギア室30aにある各ベアリングを潤滑することができる。
次に、回転電機10のロータ18の詳細な構造について、図3及び図4を用いて説明する。図4には、図3にB−B線による断面を示す。本実施形態の回転電機10は、リラクタンスモータであり、回転軸12の径方向を外向きに突出する突極80が、周方向(矢印Rで示す)に所定の間隔で配列されている。この突極80は、回転軸12の軸方向(矢印Tで示す)に所定の長さに亘って形成されており、隣り合う突極80の間には、溝状の空隙82が形成されている。以下、この「溝状の空隙」をスロット82と記す。
ロータ18が回転すると、スロット82内の空気は、遠心力の作用により、回転軸12の径方向に移動してステータ16に押し付けられる。これにより、スロット82の底部84の圧力が低下する。ステータ16に押し付けられた空気は、回転軸12の軸方向を外向きに流れ、スロット82外のモータ室10a内に排出される。一方、圧力が低下したスロット82の底部84には、スロット82の開口86より回転軸12の軸方向の外側から、モータ室10a内の空気が流入しようとする。このようにして、ロータ18が回転すると、突極80がモータ室10a内の空気を攪拌する。これにより、モータ室10a内には、空気の流れが形成される。
回転電機10が、ロータ18を収容するハウジング14内の底部84、すなわちモータ室10a内に、潤滑油が溜まっている状態、又は潤滑油が流れている状態など、「潤滑油が存在する状態」で作動するものである場合、回転電機10を作動させロータ18が回転すると、前述の空気の流れにより油面が大きく波立つことになる。波立った潤滑油を、ロータ18の突極80が叩いてしまうと、ロータ18には、極めて大きな回転抵抗(油の攪拌抵抗)が生じることとなる。特に、ロータ18を高速回転させる場合には、この油の攪拌抵抗は顕著なものとなり、回転電機10が出力するトルクを大幅に低下させることとなる。
このような突極80が潤滑油を叩くことによるロータ18の回転抵抗を低減するために、本実施形態においては、高速回転時において、潤滑油がスロット82に流入することを抑制している。以下に、本実施形態におけるロータ18の構造について、図3を用いて説明する。
ロータ18には、図3に示すように、その端面18aにおいてスロット82に流入する潤滑油を遮蔽する遮蔽部材90と、遮蔽部材90を支持するバネ92が設けられている。遮蔽部材90は、回転軸12の軸方向から見て扇形を呈する板状の部材であり、ロータ18の端面に沿って移動可能に配置されている。遮蔽部材90は、回転軸12の径方向(矢印Sで示す)に突出することで、スロット82の開口86を、より広い面積で覆うことができる。一方、バネ92は、その一端が遮蔽部材90の回転軸12側の端部に、他端がロータ18の回転軸12の外周面に接続されており、回転軸12の径方向Sに伸縮するよう配置されている。バネ92は、遮蔽部材90を、回転軸12から径方向に所定の距離に位置するよう付勢している。これら遮蔽部材90とバネ92は、各スロット82に対応して、ロータ18の周方向Rに所定の間隔で複数配列されている。
次に、遮蔽部材90とバネ92の動作について、図3及び図5を用いて、モータ室10a内における潤滑油の流れと併せて説明する。図5は、図3に矢印Cで示す方向から見たロータ18の端面図であり、図5(a)には、ロータ18が停止、又は低速で回転している状態を、図5(b)には、ロータ18が高速で回転している状態を示す。
ロータ18が回転を停止している、又は低速で回転している場合、図5(a)に示すように、バネ92は収縮した状態にあり、遮蔽部材90は、図3で説明したスロット82の開口86をほとんど覆っていない。つまり、ロータ18とステータ16間の流路が確保されている。これにより、ロータ18が停止状態から回り出したとき、スロット82内にある潤滑油は、突極80により攪拌されて、スロット82の開口86より回転軸12の軸方向(矢印Tで示す)を外側に排出され易くなる。
また、ロータ18が低速で回転しており、図3に矢印Jで示すように、モータ室10aに流入した潤滑油が、油通路65だけでなくスロット82内をギア室30a側に流れる場合に、ロータ端面18aにおいて十分な流路面積を確保することができており、遮蔽部材90が、スロット82内における潤滑油の流れを妨げてしまうことがない。
ロータ18が高速で回転すると、図5(b)に示すように、遮蔽部材90が図3で説明したロータ端面18aに沿って回転軸12の径方向を外向き(矢印Sで示す)に移動する。このとき、遮蔽部材90には、回転速度に応じた遠心力が作用しており、バネ92は、この遠心力により伸長している。つまり、遮蔽部材90は、バネ92の付勢力に抗して移動する。移動した遮蔽部材90は、スロット82の開口86を、回転軸12の径方向Sを内側から、より広い面積で覆う。これにより、図3に示すように、ロータ端面18aより軸方向外側から、スロット82のうち特に圧力の低いスロット82の底部84に、モータ室10a内の潤滑油が流入することを抑制できる。したがって、ロータ18が高速で回転している時の、油の攪拌抵抗を低減することができる。
以上のように、遮蔽部材90を、ロータ18の回転速度の上昇に応じて、ロータ端面18aに沿って、回転軸12の径方向外向きに突出させることで、スロット82の開口86を、より広い面積覆うことができる。
なお、遮蔽部材90は、ロータ18が高速で回転している状態において、スロット82の開口86を全て覆う必要はない。これについて図6を用いて説明する。図6には、遮蔽部材90がスロット82の底84aから突出する距離rと、ロータ18に作用する抵抗により回転電機10に生じる損失トルクとの関係を示す。なお、図6においては、車両1が高速(130km/h)で走行している状態、すなわちロータ18が高速で回転している状態を示している。
図6に示すように、ロータ18の高速で回転している状態において、遮蔽部材90が突出する距離rをゼロに設定すると、最も損失トルクが大きく、突出する距離rを、r1まで増大させるにつれて、損失トルクは急激に減少している。加えて、距離rを、r1以上に設定しても、損失トルクは減少していない。
したがって、図5(b)に示すように、ロータ18が高速回転している状態において、遮蔽部材90が、スロット82の底からr1の距離を突出するように、バネ92の定数を設定することで、この状態における回転電機10の損失トルク、すなわちロータ18に作用する油の攪拌抵抗を低減することができる。また、遮蔽部材90が突出する距離を、r1以上に、すなわち必要以上に突出させないことで、ロータ18が停止状態から回り出したときの、スロット82からの潤滑油の排出や、ロータ18が低速で回転している状態におけるスロット82内を横断する潤滑油の流れを、遮蔽部材90が妨げてしまうことがない。つまり、ロータ18の高速回転時における油の攪拌抵抗の低減と、ロータ18が回り出したときのスロット82内にある潤滑油の排出性とを、両立することができる。
以上説明したように本実施形態の回転電機10によれば、ロータ端面18aに、当該端面より外側からスロット82に流入する潤滑油を遮蔽する手段(遮蔽部材90,バネ92)が、ロータ端面18aに設けられているため、ロータ18の高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
なお、本実施形態において、スロット82に流入する潤滑油を遮蔽する遮蔽手段は、ロータ18の回転速度の上昇に応じて、径方向を外向きに突出する構成としたが、本発明は、これに限定されるものではない。ロータ端面18aより外側からスロット82に流入する潤滑油が遮蔽できれば良く、例えば、ロータ端面18aに、当該端面と略同一の形状を呈する板状部材を設けて、これをロータ18の回転速度の上昇に応じて、周方向にスライドさせてスロット82の開口86を覆うことも好適である。
また、本実施形態において、スロットの開口86を覆う遮蔽部材90を支持する支持手段として、バネ92を設ける構成としたが、本発明は、これに限定されるものではない。ロータ18の回転速度の上昇に応じて、遮蔽部材90が径方向外向きに移動するよう支持できれば良く、例えば、支持手段としてアクチュエータを設け、回転速度の上昇に応じて遮蔽部材90が径方向外向きに移動するよう、アクチュエータを駆動制御することも好適である。
〔第2実施形態〕
本実施形態の回転電機10bについて、図7及び図8を用いて説明する。回転電機10bは、図1及び図2に示す車両1の駆動装置5において、回転電機10に替えて用いられる。図7には、回転電機10bの縦断面図を示し、図8には、ロータ18の回転軸12の斜視を示す。本実施形態は、スロット82に流入する潤滑油を遮蔽する手段として、ファン100が設けられている点で、第1実施形態と異なり、以下に詳細を説明する。なお、第1実施形態と共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態において、ロータ端面18aのギア室30a側には、図3で説明したスロット82の開口86を遮蔽するよう、ファン100が設けられている。ファン100は、ロータ18の回転軸12に一体に結合されており、回転電機10が作動してロータ18が回転すると、ロータ18と共に回転軸12を中心に回転する。このファン100は、図8に示すように、複数の羽根102から構成されており、これらの羽根102が、回転軸12に直接に結合されている。羽根102の形状は、ファン100が回転したときに、ロータ端面18aから回転軸12の軸方向外向きの流れ(矢印Nで示す)を形成するように設定されている。なお、羽根102の回転軸径方向(矢印Tで示す)の大きさは、少なくともスロット82の開口86を遮蔽することができる大きさであれば、ハウジング14やステータ16等の形状に応じて任意のものとすることができる。
ロータ18が停止している状態においてロータ18の突極80に潤滑油が浸かっている場合は、ロータ18が回転すると、スロット82内にある潤滑油をファン100が掻き出し、スロット82内に空気と共に、回転軸方向外向きに流すことができる。この流れによって、モータ室10aのハウジング14の底14aに溜まっている潤滑油に、矢印Kで示すギア室30aへの流れを形成する。また、突極80に潤滑油が浸かっていない場合であっても、スロット82内の空気を掻き出して、矢印Nで示す軸方向外向きの空気流を形成することで、ハウジング14の底14aに溜まっている潤滑油に、ギア室30aへの流れを形成する。このように、ギア室30a側のロータ端面18aにおいて、ファン100は、空気と潤滑油に、ロータ回転速度に応じた強さの軸方向外向きの流れを形成することで、ロータ端面18aより回転軸12の軸方向の外側から、スロット82に流入する潤滑油を遮蔽する。
これにより、ロータ18の停止状態においてモータ室10a内に溜まっていた潤滑油を、ロータ18が回り出すことによりギア室30aに汲み出して、モータ室10a内における油面レベルを低下させることができると共に、ロータ18の回転速度が上昇しても、ファン100が形成する軸方向外向きの流れにより、スロット82に流入する潤滑油を遮蔽するため、ロータ18の高速回転時における油の攪拌抵抗を低減することができる。
なお、本実施形態において、ファン100は、複数の羽根102が回転軸12に結合されているものとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。スロット82に流入する潤滑油を遮蔽するよう、モータ室10a内の潤滑油に軸方向外向きの流れが形成できれば良く、例えば、図9に示すように、ロータ端面18aにおいてスロット82を遮蔽する円盤状部材104と、その外周に設けられた羽根106によりファンを構成することも好適である。
〔第3実施形態〕
上記においては、ロータ18の隣り合う突極80の間には溝状のスロット82があり、軸方向からロータ18を見ると、隣り合う突極80の間に開口86が存在する。図10は、隣り合う突極80の間に油が流入することを遮蔽する手段として、端的に、各スロット82の部分を突極間埋め込み部材110で埋めたロータ19を軸方向から見た様子を示す図である。
隣り合う突極80の間を突極間埋め込み部材110でそれぞれ埋められたロータ19は、その外周が一様な円周状となり、中心に回転軸12を備える円筒形状を備えるものとなる。突極間埋め込み部材110は、隣り合う突極の間のスロット82にそれぞれ分離した形態で配置されてもよく、ロータ19の軸方向に沿った両端側、あるいは一方端側で互いに接続されて配置されてもよい。
ロータ19の隣り合う突極80の間を埋める突極間埋め込み部材110の材料は、ロータ19回転電機としての性能をそのままにすることが好ましい。例えば、比質量が小さく、非磁性の材料が好ましい。かかる材料としては、非鉄の軽金属、樹脂材料等を用いることができる。樹脂材料を用いるときは、樹脂成形技術により、磁性材料のコア部分と突極間埋め込み部分とを一体として成形することができる。
図10に示されるように、突極80の側壁には、くぼみ112,113が設けられる。このくぼみ112,113は、ロータ19から突極間埋め込み部材110が分離しないようにする接続部材である。図10の例では、くぼみ112,113が各突極80の両側壁に設けられるが、片側の側壁のみに設けるようにしてもよい。また、くぼみ112,113は、軸方向に延びる溝であってもよく、あるいは、適当なくぼみ形状で、各突極80の側壁上に離散的に設けられてもよい。また、突極間埋め込み部材110が、ロータ19の軸方向に沿った両端側、あるいは一方端側で互いに接続されて配置される形態の場合は、くぼみ112,113は、少なくとも突極80の1つ、あるいはロータ19の端部に設けられるのみでもよい。
図11は、隣り合う突極80の間を突極間埋め込み部材110でそれぞれ埋められたロータ19を備える回転電機10cを含む駆動装置5cにおける潤滑油の流れを説明する図である。図3、図7と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図2、図3に関連して説明したように、駆動装置5cが作動して車両が動き出すと、リングギアの回転により、ギア室30aにある潤滑油が上部タンク62aに掻き揚げられる。上部タンク62aに掻き揚げられた潤滑油は、連通穴68から滴下してステータ16を冷却すると共に、タンク室を経由してギア室30aに流入する。
ギア室30aに流入した潤滑油は、矢印Iで示すように回転軸12の中空部分に流れ、矢印Jで示すように回転軸12を保持するベアリング76,77を潤滑してモータ室10aに流入する。そして、ステータ16とハウジング14の間に形成されている潤滑油通路65、およびステータ16とロータ18の間を流れて、モータ室10aとギア室30aの間にある連通穴66を矢印Kで示すように流れて、再びギア室30aに戻る。
このように、駆動装置5cが作動することで、潤滑油が掻き揚げられ循環することで、上部タンク室62aから滴下する潤滑油によりステータ16を冷却する一方、モータ室10a及びギア室30aにある各ベアリングを潤滑することができる。このときに、図10の構成によれば、突極80を有するロータ19は、隣り合う突極80の間が突極間埋め込み部材110でそれぞれ埋められているので、図11に示されるように、隣り合う突極80の間に潤滑油が流入することがなく、回転するロータ19による油の攪拌抵抗を大幅に低減できる。
〔第4実施形態〕
上記においては、ロータ18の隣り合う突極80の間には溝状のスロット82があり、軸方向からロータ18を見ると、隣り合う突極80の間に開口86が存在する。図12,13は、隣り合う突極80の間に油が流入することを遮蔽し、油の攪拌抵抗を低減する手段として、各スロット82の部分に遮蔽板120を設けたものである。ここで、図12は、回転電機の縦断面図の一部を示し、図13は、回転電機を構成するロータの端面の様子を示す図である。
遮蔽板120は、スロット82の部分を軸方向に渡って全部埋めるのではなく、ロータ18の両端部において配置される板材である。したがって、ロータ18の両端部に配置される遮蔽板120に挟まれる領域は、スロット82がそのまま残される。そこでその残されたスロット82に滞留する可能性のある油を外部に排出するために、スロット82と外部とを結ぶ油流出口124が各スロット82ごとに設けられる。図12,13に示されるように、油流出口124は、スロット82の底面側、すなわち回転軸12からの半径距離で最も短い位置に配置される。
隣り合う突極80の間のスロット82について、ロータ18の端面において遮蔽板120がそれぞれ配置されることで、ロータ18は、軸方向の両端部が平坦な形状を備えるものとなる。遮蔽板120は、図12,13において、隣り合う突極の間のスロット82にそれぞれ分離した形態で配置されているが、ロータ18の軸方向に沿った両端側で、それぞれ互いに接続されて配置されてもよい。この場合には、遮蔽板は、ロータ18の両端側において接続された円環状板部材となる。
図13に示されるように、突極80の側壁には、くぼみ122,123が設けられる。このくぼみ122,123は、ロータ18から遮蔽板120が分離しないようにする接続部材であり、図11において説明したくぼみと同様のものである。特に、遮蔽板120を各スロットにおいてそれぞれ独立して分離して配置する場合には、このくぼみ122,123を設けることが好ましい。図13の例では、くぼみ122,123が各突極80の両側壁に設けられるが、片側の側壁のみに設けるようにしてもよい。なお、遮蔽手段として、円環状遮蔽板をロータ18の両端側に設ける形態の場合には、くぼみ122,123は、少なくとも突極80の1つに設けられるのみでもよい。
遮蔽板120の材料は、ロータ18の回転電機としての性能をそのままにすることが好ましい。例えば、比質量が小さく、非磁性の材料が好ましい。かかる材料としては、非鉄の軽金属、樹脂材料等を用いることができる。樹脂材料を用いるときは、樹脂成形技術により、磁性材料のコア部分と突極間埋め込み部分とを一体として成形することができる。
図14は、油流出口の設け方のいくつかの例を示す図で、ここではロータ端面の様子が示されている。図14(a)は、突極80の側壁にくぼみを設けない基本形を示す図である。この場合には、上記のように一体成形法、あるいは適当な接着技術によって遮蔽板130を隣り合う突極80の間のスロットに設け、油流出口124をスロットの底部に設ける。この油流出口124によって、ロータ両端の遮蔽板130の間に残されたスロットに滞留する油を外部に排出できる。
図14(b)は、(a)に対し、さらに油流出口142を設ける遮蔽板140を示す図である。油流出口142は、遮蔽板140の頂部、すなわち、すなわち回転軸からの半径距離で最も長い位置に設けられる。この油流出口142によって、ロータにおいて重力方向に沿って下部の位置にあるスロットに滞留する油を外部に排出することができる。
図14(b)における油流出口142は、スロットに設けられる遮蔽板140の円周方向に沿ってほぼ中央部に配置されている。図14(c)に示される遮蔽板150においては、油流出口152が突極80の側面に接して設けられる。油流出口152は、突極80の両側壁の内、ロータが回転する方法に沿って下流側にある側壁に接して設けられることが好ましい。図14(c)ではロータの回転方向が矢印で示されているが、油流出口152は、その矢印に対して下流側にある突極側壁に接して設けられている。このように配置することで、ロータの回転に伴って油をスロットに誘導することを抑制し、入り込んだ油を外部に効率よく排出することができる。
図12から図14においては、ロータ18の両端部に遮蔽板を設けたが、遮蔽板をステータに設けることもできる。図15,図16は、隣り合う突極80の間に油が流入することを遮蔽する手段として、各スロット82の部分を遮蔽するように、ロータ18の両端に向かい合わせて遮蔽板160をステータに設ける例を示す図である。ここで、図15は、回転電機の縦断面図の一部を示し、図16は、回転電機を構成するロータ18を端面側から見た様子を示す図である。図16においては、遮蔽板160を一部破断し、ロータ18の突極80とスロット82を示してある。
遮蔽板160は、ロータ18の軸方向について、ロータ18の回転を妨げない程度に隙間をあけて、ロータ18の両端に向かい合わせて配置される。そして、遮蔽板160は、円環状の部材で、その内径の位置が、スロット82の底部よりも外径側になるように設定される。すなわち、回転軸12からの半径距離において、スロット82の底部までの長さよりも、遮蔽板160の内径の半径の方が長い。つまり、遮蔽板160は、スロット82全部を遮蔽するのではなく、スロット82の底部のところの一部外部に露出する。したがって、このスロット82が露出する隙間が、油流出口162として機能する。これによって、スロット82に入り込んだ油を油流出口162として機能する隙間から外部に排出できる。
このように、ロータまたはステータに遮蔽板を設け、回転軸の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を抑制して、油の攪拌抵抗を低減し、スロットに入り込んだ油を、スロットと外部とを結ぶ油流出口を通して、外部に排出することができる。
第1実施形態の回転電機が適用される車両の概略構成を示す図である。 第1実施形態の回転電機が一体に結合される駆動装置の横断面図である。 第1実施形態の回転電機の縦断面図であり、図2のA−A線による断面図である。 図3のB−B線によるロータの断面図である。 図3に矢印Cで示す方向から見たロータ端面図であり、(a)には、ロータが停止、又は低速で回転している状態を示し、(b)には、ロータが高速で回転している状態を示している。 遮蔽部材がスロットの底から突出する距離rと、ロータに作用する油の攪拌抵抗により回転電機に生じる損失トルクとの関係を示す図である。 第2実施形態の回転電機の縦断面図であり、図2のA−A線による断面図である。 第2実施形態の回転電機を構成する回転軸及びファンの斜視図である。 第2実施形態の回転電機を構成するファンの変形例を示す図である。 第3実施形態の回転電機を構成するロータの端面の様子を示す図である。 第3実施形態の回転電機における潤滑油の流れを説明する図である。 第4実施形態の回転電機の縦断面図の一部を示す図である。 第4実施形態の回転電機を構成するロータの端面の様子を示す図である。 第4実施形態において、遮蔽板における油流出口の他の例を示す図である。 第4実施形態における別の例の回転電機の縦断面図の一部を示す図である。 第4実施形態における別の例の回転電機を構成するロータを端面側から見た様子を示す図である。
符号の説明
1 車両、5 駆動装置、10 回転電機、12 回転軸、14 ハウジング、16 ステータ、18,19 ロータ、30 減速装置、40 差動装置、50 二次電池、54 電子制御装置(ECU)、80 突極、82 スロット、86 スロットの開口、90 遮蔽部材、92 バネ、100 ファン、102 羽根、110 突極間埋め込み部材、112,113,122,123 くぼみ、120,130,140,150,160 遮蔽板、124,142,152,162 油流出口。

Claims (12)

  1. 回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、
    ロータ端面に設けられ、当該端面より回転軸の軸方向の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有する回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    遮蔽手段は、ロータ回転速度の上昇に応じて前記径方向を外向きに突出し、スロットの開口を、より広い面積で覆う回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機であって、
    遮蔽手段は、
    ロータ端面に沿って前記径方向に移動可能であり、スロットの開口を覆う遮蔽部材と、
    ロータの回転速度の上昇に応じて、遮蔽部材が前記径方向を外向きに移動するように遮蔽部材を支持する支持手段と、
    を有する回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機であって、
    支持手段は、一端が遮蔽部材に、他端がロータに接続されており、遮蔽部材を、回転軸から所定の距離に位置するように付勢する付勢部材であり、
    遮蔽部材は、ロータ回転速度の上昇に応じて作用する遠心力により、付勢手段の付勢力に抗して、前記径方向を外向きに移動する移動部材である回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機であって、
    付勢部材は、ロータ回転速度の上昇に応じて前記径方向に伸長するバネである回転電機。
  6. 回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、
    当該端面より回転軸の軸方向の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽するように、ハウジング内に存在する油に前記軸方向外向きの流れを形成するファンを有する回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機であって、
    前記ファンは、複数の羽根がロータの回転軸に結合されて構成される回転電機。
  8. 回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で複数配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、
    ロータに設けられ、回転軸の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有する回転電機。
  9. 請求項8に記載の回転電機であって、
    遮蔽手段は、非磁性材料を用いて構成される突極間埋め込み部材である回転電機。
  10. 請求項9に記載の回転電機であって、
    突極埋め込み部材と、少なくとも突極の1つとを相互に接続する接続部材を有する回転電機。
  11. 回転軸の径方向に突出する突極が、周方向に所定の間隔で複数配列されたロータを有し、ロータを収容するハウジング内の底部に油が存在する状態で作動する回転電機であって、
    ロータまたはステータに設けられ、回転軸の外側から、ロータの隣り合う突極の間であるスロットに流入する油を遮蔽する遮蔽手段を有し、
    遮蔽手段は、スロットと外部とを結ぶ油流出口を有する流出口付き遮蔽板である回転電機。
  12. 請求項11に記載の回転電機であって、
    遮蔽手段は、非磁性材料を用いて構成される遮蔽板である回転電機。
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