JP4770123B2 - 樹脂用組成物 - Google Patents

樹脂用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4770123B2
JP4770123B2 JP2004119619A JP2004119619A JP4770123B2 JP 4770123 B2 JP4770123 B2 JP 4770123B2 JP 2004119619 A JP2004119619 A JP 2004119619A JP 2004119619 A JP2004119619 A JP 2004119619A JP 4770123 B2 JP4770123 B2 JP 4770123B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bis
compound
weight
acid
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004119619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005298742A (ja
Inventor
和基 中川
淳也 早川
浩之 岡田
基晴 竹内
正博 城野
祐一 吉村
峰樹 久寳
孝浩 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2004119619A priority Critical patent/JP4770123B2/ja
Publication of JP2005298742A publication Critical patent/JP2005298742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4770123B2 publication Critical patent/JP4770123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でも、眼鏡用プラスチックレンズを製造する方法に関するものである。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は、低比重に加えるに、高透明性および低黄色度、光学性能として高屈折率と高アッベ数であり、高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減し、高耐熱性、高強度は二次加工を容易にするとともに、安全性等の観点からも重要である。本願発明者らは薄い肉厚および低い色収差を有する屈折率1.7以上かつアッベ数35以上の光学材料を可能とする新規な含硫化合物を見いだし、先に特許出願を行った(特許文献1〜3参照)。これらの発明においてはチイラン環を有する化合物を重合硬化して光学材料を製造しているが、この重合は速度の制御が難しく、これらの光学材料を製造する際には光学歪、着色、重合中の型からのハガレ等の問題が発生しやすく、耐熱性が低い場合があった。
特開平9−71580号公報 特開平9−110979号公報 特開平9−255781号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、チイラン環を有する化合物の重合速度の制御を容易にし、得られる硬化物の均一性を高め、硬化物の耐熱性を改善する手法を提供するものである。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(a)下記(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物と(b)エポキシ基を1分子中に1個以上有する化合物と(c)重合触媒として使用することにより、重合速度の適切な制御が可能であり、さらに硬化物の均一性および耐熱性が向上することを見出し、本発明に至った。
Figure 0004770123
発明の組成物により、十分に高い屈折率と良好なアッベ数を有する光学材料の従来技術の組成物を原料とする限り困難であった均一性および耐熱性改善が可能となった。
本発明で使用する(a)下記(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物(以下、「(a)化合物」と呼ぶ)は、硬化物を光学材料として用いる場合、2個以上のチイラン環を有する化合物がより好ましく、また、得られる光学材料のアッベ数の低下を抑制するうえで、鎖状構造の2個のチイラン環を有する化合物がさらに好ましい。
Figure 0004770123
特に好ましくは、下記構造式(2)式で表される化合物を少なくとも一種類以上を含む組成物を重合硬化して得られる硬化物であり、本発明の効果が非常に顕著に表れた。
Figure 0004770123
(mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す)
(a)化合物の好ましい具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド、テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,4,6−トリス(エピチオプロピルチオメチル)−1,3,5−ジチアン、(1,3または1,4)−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、(1,3または1,4)−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニルなどがあげられる。中でも好ましい具体例は、チオグリシジルスルフィドおよびチオグリシジルジスルフィドである。
本発明で使用する(b)エポキシ基を1分子中に1個以上有する化合物(以下、「(b)化合物」と呼ぶ)の添加量は、重合速度を適切に制御するための組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して0.001重量部〜10重量部、好ましくは、0.001重量部〜5重量部、さらに好ましくは、0.01重量部〜2重量部、最も好ましくは、0.05重量部〜1重量部使用する。(b)化合物の添加量が10重量部より多いと硬化物の屈折率が低下する場合がある。また、0.001重量部より少ないと重合速度の調整が不可能となり、耐熱性が低下する場合がある。
(b)化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルフォン、ビスフェノールエーテル、ビスフェノールスルフィド、ビスフェノールスルフィド、ハロゲン化ビスフェノールA、ノボラック樹脂等の芳香族ヒドロキシ化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるフェノール系エポキシ化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、iso-プロピルアルコール、iso-ブチルアルコール、tert-ブタノール、ネオペンチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジオール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノルA・プロピレンオキサイド付加物等のアルコール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシ化合物;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、安息香酸、ベンゾイル酢酸、ナフタリンカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソ、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、コハク酸、フマール酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等のカルボン酸化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系エポキシ化合物;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、1,2−、1,3−または1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、m−またはp−フェニレンジアミン、2,4−または2,6−トリレンジアミン、m−またはp−キシリレンジアミン、1,5−または2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン等の一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−または2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)−メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)−エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)−ブタン等のニ級アミンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物、シクロヘキセンオキシド、3、4−エポキシシクロヘキシル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキサイド、1、2:8、9−ジエポキシリモネン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)−5、5−スピロ−3、4−エポキシシクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物、スチレンオキシド、シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物、上述の多価アルコール、フェノール化合物とジイソシアネートおよびグリシドール等から製造されるウレタン系エポキシ化合物、および(a)化合物として例示したチイラン環を有する化合物のチイラン環の一部または全部がエポキシ環に置換した化合物等をあげることができる。以上、(b)化合物を例示したが、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
本発明の(a)化合物および(b)化合物を含む組成物は(c)重合触媒の存在下に加熱重合し硬化物を製造する。重合触媒としては公知のアミン類、第4級アンモニウム塩類、ホスフィン類、第4級ホスホニウム塩類、アミン類とボラン、および三フッ化ホウ素とのコンプレックス、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類およびこれらの半エステル類、ルイス酸類、有機酸類およびこれらの半エステル類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸、スズ化合物類等が使用される。これらのなかで硬化物の着色が少なく好ましいものは、1級モノアミン、2級モノアミン、3級モノアミン、3級ポリアミン、イミダゾール類、アミジン類、4級アンモニウム塩、ホスフィン、4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、第2級ヨードニウム塩であり、特に好ましくはオニウム塩である4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、第2級ヨードニウム塩であり、最も好ましくは4級ホスホニウム塩である。重合触媒の添加量は、組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して0.0001重量部〜10重量部、好ましくは、0.001重量部〜5重量部、より好ましくは、0.01重量部〜1重量部、最も好ましくは、0.01重量部〜0.5重量部使用する。重合触媒の量が10重量部より多いと硬化物の屈折率、耐熱性が低下し、着色する場合がある。また、0.0001重量部より少ないと十分に硬化せず耐熱性が不十分となる場合がある。
本発明の光学材料用組成物において、(a)化合物と(b)化合物の他に、(d)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物(以下、「(d)化合物」と呼ぶ)および/または(e)硫黄原子を含む無機化合物(以下、「(e)化合物」と呼ぶ)および/または(f)イソ(チオ)シアナト基を1分子あたり1個以上有する化合物(以下、「(f)化合物」と呼ぶ)を添加し組成物とすることは、それぞれ硬化物の色調、屈折率、耐衝撃性等の諸物性を改善するために有効な手段である。
本発明の組成物を重合した硬化物の色調、耐酸化性、耐候性を改善するために、(d)化合物を使用することも可能である。(d)化合物の添加量は、得られた硬化物の色調、耐酸化性、耐候性を改善するため組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して(d)化合物を0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。(d)化合物の添加量が50重量部を超えると、硬化物の耐熱性が低下する場合があり、0.01重量部より小さいと、高い色調改善効果が得られない場合がある。
(d)化合物の具体例としては、チオール類、チオフェノール類、および、ビニル、芳香族ビニル、メタクリル、アクリル、アリル等の不飽和基を有するチオール類、チオフェノール類等があげられる。より具体的には、チオール類としては、メチルチオール、エチルチオール、n−プロピルチオール、n−ブチルチオール、アリルチオール、n−ヘキシルチオール、n−オクチルチオール、n−デシルチオール、n−ドデシルチオール、n−テトラデシルチオール、n−ヘキサデシルチオール、n−オクタデシルチオール、シクロヘキシルチオール、イソプロピルチオール、tert−ブチルチオール、tert−ノニルチオール、tert−ドデシルチオール、ベンジルチオール、4−クロロベンジルチオール、メチルチオグリコーレート、エチルチオグリコーレート、n−ブチルチオグリコーレート、n−オクチルチオグリコーレート、メチル(3−メルカプトプロピオネート)、エチル(3−メルカプトプロピオネート)、3−メトキシブチル(3−メルカプトプロピオネート)、n−ブチル(3−メルカプトプロピオネート)、2−エチルヘキシル(3−エルカプトプロピオネート)、n−オクチル(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、2−メルカプトプロパノール、2−ヒドロキシプロピルチオール、2−フェニル−2−メルカプトエタノール、2−フェニル−2−ヒドロキシエチルチオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール等のモノチオール類、メタンジチオール、メタントリチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,2,7−トリメルカプト−4,6−ジチアヘプタン、1,2,9−トリメルカプト−4,6,8−トリチアノナン、1,2,8,9−テトラメルカプト−4,6−ジチアノナン、1,2,10,11−テトラメルカプト−4,6,8−トリチアウンデカン、1,2,12,13−テトラメルカプト−4,6,8,10−テトラチアトリデカン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、テトラキス(4−メルカプト−2−チアブチル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、1,1−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,4−チオフェンジチオール、1,2−ジメルカプト−3−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、グリセリルジチオグリコーレート等のポリチオール類およびこれらの2量体〜20量体といったオリゴマーなどのチオール類、チオフェノール、4−tert−ブチルチオフェノール、2−メチルチオフェノール、3−メチルチオフェノール、4−メチルチオフェノール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、2−ヒドロキシチオフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、4−ヒドロキシチオフェノールなどのチオフェノール類、アリルチオール、2−ビニルベンジルチオール、3−ビニルベンジルチオール、4−ビニルベンジルチオールなどの不飽和基を有するチオール類、2−ビニルチオフェノール、3−ビニルチオフェノール、4−ビニルチオフェノールなどの不飽和基を有するチオフェノール類などをあげることができる。これらのなかで好ましい具体例はポリチオール類であり、特に好ましくはスルフィド構造を有するポリチオール類である。以上、(d)化合物を例示したが、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
本発明の組成物を重合した硬化物の屈折率を高めるために、(e)化合物を使用することも可能である。(e)化合物の添加量は、得られた硬化物の屈折率を改善するため組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して(d)化合物を0.1〜50重量部であり、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。(d)化合物の添加量が0.1重量部未満の場合、硬化物の高屈折率化の効果が小さくなり、50重量部超えると、硬化物の耐熱性が低下や色調の悪化が顕著となる場合がある。
(e)化合物の具体例としては、単体硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫化炭素、硫化アンモニウム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、チオ炭酸塩、硫酸およびその塩、硫化水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、過硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、二塩化硫黄、塩化チオニル、チオホスゲン等のハロゲン化物、硫化ホウ素、硫化窒素、硫化珪素、硫化リン、硫化砒素、硫化セレン、金属硫化物、金属水硫化物などがあげられる。これらのなかで、好ましい具体例は硫黄もしくは硫化セレンであり、最も好ましいのは硫黄である。以上、(e)化合物を例示したが、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
本発明の組成物を重合した硬化物の耐衝撃性を高めるために、(f)化合物を併用して使用することも可能である。(f)化合物の添加量は、得られた硬化物の耐衝撃性を改善するため組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して(f)化合物が0.1〜50重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。(f)化合物の添加量が50重量部を超えると、硬化物の耐熱性が低下する場合があり、0.1重量部より小さいと、耐衝撃性改善効果が得られない場合がある。
(f)化合物の具体例としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、iso−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等のモノイソシアネート類、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアネートメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートメチルノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタン、3,4−ジイソシアネートセレノファン、2,6−ジイソシアネート−9−セレナビシクロノナン、ビス(イソシアネートメチル)セレノファン、3,4−ジイソシアネート−2,5−ジセレノラン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナトヘキシル)イソシアヌル酸、2,5−ジイソシアナートメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(4−イソシアナート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナートメチル−4−イソシアナート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナート−2−チアプロピル)−1,4−ジチアン、1,3,5−トリイソシアナートシクロヘキサン、1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアネートメチルチオ)メタン、1、5−ジイソシアネート−2−イソシアネートメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアネートエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(イソシアネートメチルチオ)プロパン、1,1,6,6−テトラキス(イソシアネートメチル)−2,5−ジチアヘキサン、1,1,5,5、−テトラキス(イソシアネートメチル)−2,4−ジチアペンタン、1,2−ビス(イソシアネートメチルチオ)エタン、1、5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン、1、5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン等のポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネート類のビュレット型反応によるニ量体、これらのポリイソシアネート類の環化三量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加物等が挙げられる。さらには、上記のイソシアナト基を1分子あたり1個以上有する化合物のイソシアナト基の全部または一部をイソチオシアナト基に変えた化合物等をあげることができる。これらのなかで好ましい具体例はポリイソシアネート類であり、特に好ましくは環状構造を有するポリイソシアネート類である。以上、本発明で用いられる、(f)化合物を例示したが、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
また、本発明の組成物を重合した硬化物の染色性を向上せしめるために、染色性向上成分として、カルボン酸、メルカプトカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミド、1,3−ジケトン、1,3−ジカルボン酸、3−ケトカルボン酸およびそのエステル類、メルカプトアルコール類、不飽和基を有する化合物と併用して使用することも可能である。この場合、これらは本発明の(a)化合物100重量部に対して0.001〜40重量部使用可能であり、単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
本発明の硬化物は(a)化合物中と反応可能な官能基を2個以上有する化合物や(a)化合物中と反応可能な官能基を1個と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物などの重合性化合物と硬化重合して製造することもできる。これら化合物としては、公知のチイラン環を有する化合物、多価カルボン酸無水物、不飽和基を有する化合物、などがあげられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
さらに、不飽和基を有する化合物を使用する際には、重合促進剤として、ラジカル重合開始剤を使用する事は好ましい方法である。ラジカル重合開始剤とは、加熱あるいは紫外線や電子線によってラジカルを生成するものであれば良く、公知のパーオキサイド類やアゾ系化合物類などの熱重合触媒、ベンゾフェノン、ベンゾインベンゾインメチルエーテルなどの公知の光重合触媒が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。ラジカル重合開始剤の配合量は、組成物の成分や重合硬化方法によって変化するので一慨には決められないが、通常は(a)化合物100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
さらには、本発明に関わる組成物にはこれらばかりでなく、(a)化合物のオリゴマー類、合成時に用いた溶媒や酸類、未反応原料、副生成物も問題にならない範囲で含まれていても良い。
また、本発明の組成物を重合硬化して光学材料を得るに際して、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。また、本発明の組成物は重合中に型から剥がれやすい場合は、公知の外部および/または内部密着性改善剤を使用または添加して、得られる硬化物と型の密着性を制御向上せしめることも可能である。密着性改善剤とは、公知のシランカップリング剤やチタネート化合物類などがあげられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。添加量は通常、(a)化合物100重量部に対して0.0001〜5重量部である。逆に、本発明の組成物は重合後に型から剥がれにくい場合は、公知の外部および/または内部離型剤を使用または添加して、得られる硬化物の型からの離型性を向上せしめることも可能である。離型剤とは、フッ素系ノニオン界面活性剤、シリコン系ノニオン界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム塩、燐酸エステル、酸性燐酸エステル、オキシアルキレン型酸性燐酸エステル、酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、オキシアルキレン型酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、パラフィン、ワックス、高級脂肪族アミド、高級脂肪族アルコール、ポリシロキサン類、脂肪族アミンエチレンオキシド付加物などがあげられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。添加量は通常、(a)化合物100重量部に対して0.0001〜5重量部である。
本発明の組成物を重合硬化して光学材料を製造する方法は、さらに詳しく述べるならば以下の通りである。前述した各組成成分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、(c)重合触媒、ラジカル重合開始剤、密着性改善剤、離型剤などの添加剤を、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合しても、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。各原料および副原料はいかなる順序で混合してもかまわない。
混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であれば良く、それぞれ一部または全部を(c)重合触媒の存在下または非存在下、撹拌下または非撹拌下で−100〜160℃で、0.1〜480時間かけて予備的に反応せしめた後、樹脂用組成物を調製する事も可能である。特に、樹脂用組成物中の化合物に固体成分が含まれ、ハンドリングが容易でない場合はこの予備的な反応が効果的である。この予備的な反応条件は、好ましくは−10〜120℃で0.1〜240時間、より好ましくは0〜100℃で0.1〜120時間、特に好ましくは20〜80℃で0.1〜60時間である。予備的な反応は、大気、窒素または酸素等の気体の存在下、常圧もしくは加減圧による密閉下、または減圧下等の任意の雰囲気下で行ってよい。また、この予備的な反応の際には、性能改良剤として使用する組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物、紫外線吸収剤などの各種添加剤を加えて行っても構わない。また、この予備的な反応物を液体クロマトグラフィーおよび/または粘度および/または比重および/または屈折率を測定することは、反応進行度を制御し、一定の光学材料を製造する上で好ましい。中でも、液体クロマトグラフィーおよび/または屈折率を測定する手法が高感度であることから好ましく、さらには、屈折率を測定する手法が簡便であることから最も好ましい。
本発明では樹脂用組成物に対し、あらかじめ脱気処理を行うが、これにより光学材料の高度な透明性が達成される場合がある。脱気処理は、組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物、(c)重合触媒、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に行う。好ましくは、混合時あるいは混合後に、減圧下に行う。処理条件は、0.001〜50torrの減圧下、1分間〜24時間、0℃〜100℃で行う。減圧度は、好ましくは0.005〜25torrであり、より好ましくは0.01〜10torrであり、これらの範囲で減圧度を可変しても構わない。脱気時間は、好ましくは5分間〜18時間であり、より好ましくは10分間〜12時間である。脱気の際の温度は、好ましくは5℃〜80℃であり、より好ましくは10℃〜60℃であり、これらの範囲で温度を可変しても構わない。脱気処理の際は、撹拌、気体の吹き込み、超音波などによる振動などによって、樹脂用組成物の界面を更新することは、脱気効果を高める上で好ましい操作である。脱気処理により、除去される成分は、主に硫化水素等の溶存ガスや低分子量のチオール等の低沸点物等であるが、本発明の効果を発現するのであれば、特に種類は限定されない。
さらには、これらの樹脂用組成物および/または混合前の各原料を0.05〜10μm程度の孔径を有するフィルターで不純物等を濾過し精製することは本発明の光学材料の品質をさらに高める上からも好ましい。
このようにして得られた樹脂用組成物は、ガラスや金属製の型に注入し、加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。好ましくは、加熱によって重合硬化する。この場合、硬化時間は0.1〜200時間、通常1〜100時間であり、硬化温度は−10〜160℃、通常−10〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間のホールド、0.1℃〜100℃/hの昇温、0.1℃〜100℃/hの降温およびこれらの組み合わせで行うことができる。また、重合終了後、硬化物を50〜150℃の温度で10分〜5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止、防曇性付与等表面処理を行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られた硬化物の屈折率およびアッベ数、耐熱性、光学歪および透明性の評価、および発熱時刻の測定は以下の方法で行った。
屈折率およびアッベ数(nd,νd):アッベ屈折率計を用い、25℃で測定した。
耐熱性:サンプルを厚さ3mmに切り出し、1mmφのピンに10gの加重を与え、30℃から10℃/分で昇温しTMA測定を行い、軟化点を測定した。
光学歪:硬化物をシュリーレン法による観察を行い、光学歪が見られないものをA、光学歪が見られるものをBとして評価を行った。
透明性:硬化物暗室内蛍光灯を用いて観察し、クモリが全く見られないものをA、クモリが見られるものをBとして評価を行った。
実施例1
(a)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド100重量部に(b)化合物としてビスフェノールAジグリシジルエーテル1重量部、N,N−ジエチルアミノエタノール0.25重量部を添加して均一溶液とした。得られた樹脂組成物を脱気処理し、0.5μmのPTFE製のメンブランフィルターでろ過した。次いで、この組成物をモールドに注入し、オーブンを用いて30℃で10時間、30℃から100℃まで10時間かけて昇温させ、最後に100℃で1時間重合硬化させた。硬化物は、室温まで放冷しモールドから離型した後、110℃で1時間アニールした。重合開始約15時間後に発熱ピークが見られた。得られた硬化物は、優れた光学特性、物理物性を有するのみならず表面状態および色調は良好であり、耐熱性、光学歪、透明性も良好であった。硬化物の諸物性を表1に示した。
実施例2〜6
実施例1と同様の操作を表1に示す組成で行った。得られた硬化物は、優れた光学特性、物理物性を有するのみならず表面状態および色調は良好であり、耐熱性、光学歪、透明性も良好であった。硬化物の諸物性を表1に示した。
比較例1〜4
実施例1と同様の操作を表1に示す(b)化合物のない組成で行った。得られた硬化物は、対応する実施例に比して、耐熱性、光学歪、透明性が悪化した。硬化物の諸物性を表1に示した。
比較例5および6
実施例1と同様の操作を表1に示すそれぞれ(a)化合物または(c)化合物のない組成で行った。組成物は、重合せず、硬化物が得られなかった。
Figure 0004770123
Figure 0004770123



Claims (7)

  1. (a)ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド100重量部と(b)ビスフェノールAジグリシジルエーテルおよび/または1,2−エポキシ−6,7−エピチオ−4−チアヘプタン0.05〜5重量部と(c)重合触媒のオニウム塩0.01重量部〜0.5重量部からなる光学材料用樹脂用組成物。
  2. さらに、(d)スルフィド構造を有するポリチオール類を0.1〜50重量部含む、請求項1記載の光学材料用樹脂用組成物。
  3. さらに、(e)硫黄を0.1〜50重量部含む、請求項1または2に記載の光学材料用樹脂用組成物。
  4. さらに、(f)環状構造を有するポリイソシアネート類を0.1〜50重量部含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物を重合硬化することによる光学材料の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物を重合硬化して得られる光学材料
  7. 請求項記載の光学材料からなる光学レンズ。
JP2004119619A 2004-04-14 2004-04-14 樹脂用組成物 Expired - Lifetime JP4770123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004119619A JP4770123B2 (ja) 2004-04-14 2004-04-14 樹脂用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004119619A JP4770123B2 (ja) 2004-04-14 2004-04-14 樹脂用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005298742A JP2005298742A (ja) 2005-10-27
JP4770123B2 true JP4770123B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=35330673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004119619A Expired - Lifetime JP4770123B2 (ja) 2004-04-14 2004-04-14 樹脂用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4770123B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20080094106A (ko) * 2006-03-01 2008-10-22 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 중합성 조성물 및 이것을 이용한 수지, 광학부품 및 렌즈
JP2007246690A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Seiko Epson Corp 光学基材の製造方法
AU2007245215B2 (en) * 2006-03-31 2012-04-12 Mitsui Chemicals, Inc. Polymerizable composition, and resin and optical part using the same
JPWO2007148439A1 (ja) * 2006-06-23 2009-11-12 三井化学株式会社 重合性組成物ならびにこれを用いた樹脂、光学部品およびレンズ
JP2008050266A (ja) * 2006-07-27 2008-03-06 Hitachi Chem Co Ltd フェノール誘導体及びそれから得られるコア架橋型スターポリスルフィド
JP5320767B2 (ja) * 2007-04-09 2013-10-23 三菱瓦斯化学株式会社 光学材料用樹脂組成物
JP5625226B2 (ja) * 2007-08-24 2014-11-19 三菱瓦斯化学株式会社 光学材料用樹脂組成物
JP2009144094A (ja) 2007-12-17 2009-07-02 Seiko Epson Corp 光学材料の製造方法および製造装置
BR112012000941B1 (pt) * 2009-07-16 2019-07-09 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Processo de produção de material óptico, material óptico e lentes ópticas
CN102329298B (zh) * 2011-07-22 2013-07-31 镇江俊视光学有限公司 一种高折光指数光学树脂单体及其制备方法
ES2606902T3 (es) * 2012-01-20 2017-03-28 Koc Solution Co. Ltd. Método para preparar material óptico basado en tioepoxi y composición polimerizable del mismo
TWI633140B (zh) * 2013-12-26 2018-08-21 三菱瓦斯化學股份有限公司 Composition for optical material and method of producing the same
KR20160139798A (ko) * 2015-05-28 2016-12-07 주식회사 케이오씨솔루션 티오에폭시계 초고굴절 광학수지 조성물과 티오에폭시계 광학재료의 제조방법
KR20210097356A (ko) * 2020-01-30 2021-08-09 주식회사 케이오씨솔루션 중합 경화속도가 조절된 에피설파이드계 고굴절 광학재료용 조성물과 이를 이용한 광학재료의 제조방법
WO2022168892A1 (ja) 2021-02-05 2022-08-11 三井化学株式会社 重合性組成物、樹脂、成形体、光学材料、及びレンズ
WO2024024918A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 三井化学株式会社 重合性組成物、樹脂、成形体、光学材料、及びレンズ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3794226B2 (ja) * 1998-12-25 2006-07-05 三菱瓦斯化学株式会社 色調および透明性に優れた高屈折率樹脂の製造方法
JP3405934B2 (ja) * 1999-03-10 2003-05-12 三井化学株式会社 新規な光学用樹脂
JP3738817B2 (ja) * 1999-04-23 2006-01-25 三菱瓦斯化学株式会社 光学材料用組成物
JP3632759B2 (ja) * 2001-04-06 2005-03-23 三菱瓦斯化学株式会社 エピスルフィド化合物の重合調整剤
JP3632761B2 (ja) * 2001-05-10 2005-03-23 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂用組成物
JP2003161921A (ja) * 2001-11-28 2003-06-06 Hoya Corp エピスルフィド化合物を用いてなる光学製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005298742A (ja) 2005-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2902389B1 (en) Novel episulfide compound and optical material composition
JP4770123B2 (ja) 樹脂用組成物
JP4377143B2 (ja) 新規含硫環状化合物からなる重合性組成物及び該重合性組成物を硬化させてなる樹脂
JP4561946B2 (ja) 光学材料用組成物
KR100868131B1 (ko) 중합 조정제 및 수지용 조성물
JP2001131257A (ja) 樹脂用組成物
JP3663861B2 (ja) 新規な樹脂用組成物
JP2000256435A (ja) 新規な光学用樹脂
WO2002102806A1 (fr) Compose alicyclique pour materiau optique
KR20040053250A (ko) 신규 함황 환상화합물로 이루어지는 중합성 조성물 및 이중합성 조성물을 경화시켜 이루어지는 수지
JP3563006B2 (ja) (チオ)エポキシ系重合性組成物
JP4477393B2 (ja) エピスルフィド化合物の安定剤
JP3632761B2 (ja) 樹脂用組成物
JP3541707B2 (ja) 樹脂用組成物
JP3373800B2 (ja) 新規な光学用樹脂
JP5322438B2 (ja) 光学材料用組成物、光学材料および眼鏡レンズ
JP3973617B2 (ja) (チオ)エポキシ系重合性組成物
JP5412760B2 (ja) 新規な含金属化合物
JP3668670B2 (ja) 重合性組成物およびそれからなる光学用樹脂の製造方法
JP5157737B2 (ja) 新規な含金属化合物
JP4599038B2 (ja) エピスルフィド組成物の重合性を改良する方法
JP4520776B2 (ja) 高屈折率チエタン化合物
JP3373825B2 (ja) 重合性組成物およびそれからなる光学用樹脂の製造方法
JP4015338B2 (ja) エピスルフィド系重合性組成物及び樹脂の製造方法
JP2003020319A (ja) 光学材料用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110606

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4770123

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3