JP5320767B2 - 光学材料用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、一般的に屈折率が上昇するほどアッベ数が低下するため、これまでに両者を同時に向上させる検討が行われている。これらの検討の中で最も優れた方法は、特許文献1に示されるエピスルフィド化合物を使用する方法であり、屈折率1.7かつアッベ数36を達成している。
一方、要求される性能は屈折率、アッベ数に加え、物理的性質としては高透明性、低黄色度、高耐熱性、高強度等であり、二次加工性としては染色しやすいことである。良好な光学物性に加えてこれらを満たすために、特許文献2から5に示される組成が提案されている。
以上のように、エピスルフィド化合物およびそれを用いた組成物は優れた光学物性と眼鏡レンズに必要な諸性能を兼ね備えた材料である。
一方、エピスルフィド基の反応性に着目すると、エピスルフィド基はアミン化合物等の触媒を用いることで連鎖的に開環反応が進行し単独重合が可能である。単独重合が可能であるため、エポキシ樹脂のように硬化に際して大量の硬化剤を必要とせず、少量の触媒で十分であることが特長である。しかしながら、エピスルフィド基の反応性の狭さから、コモノマーとして使用可能な官能基に制限がある。例えば、一般的に用いられている汎用樹脂モノマーであるアクリル化合物、メタアクリル化合物(単に(メタ)アクリル化合物と言うことがある)、アリル化合物等はエピスルフィド基と反応しにくいため、これらとエピスルフィド化合物からなる組成物から樹脂を得ることは容易ではなかった。汎用樹脂と反応しにくいことは、エピスルフィド化合物の優れた物性を発現させることの障害となっていた。
したがって、エピスルフィド化合物については、少量の触媒量で硬化可能な単独重合性を活かしつつ、その優れた諸物性を汎用樹脂に適用させることが求められていた。
1.(a)アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選択されるいずれかの基と、β−エピチオプロピル基とをそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物と、(b)アクリロイル基、メタアクリロイル基、およびアリル基の中から選ばれる少なくとも1つの基を1分子中に1個以上有する化合物を含有し、さらに硬化触媒として複素環を有するアミン、ホスフィン、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩および第2級ヨードニウム塩中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物と、過酸化物およびアゾ化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物とを含有する光学材料用組成物。
2. さらに、(c)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物とからなる第1項記載の光学材料用組成物。
3.(a)アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選択されるいずれかの基と、β−エピチオプロピル基とをそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物が下記(1)式で表される化合物である第1項に記載の光学材料用組成物。
((1)式中、XはO(CH2)n、S(CH2)n、または(CH2)nを示し、nは0から6の整数を示す。Yはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、またはビニル基を示す。)
4.(1)式で表される化合物がチオグリシジルメタクリレート((1)式においてXがO、Yがメタクリロイル基)である第3項記載の光学材料用組成物。
5.(1)式で表される化合物がアリルチオグリシジルエーテル((1)式においてXがO、Yがアリル基)である第3項記載の光学材料用組成物。
6.(c)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物がビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンから選ばれる1種以上である第2項記載の光学材料用組成物。
7.プラスチックレンズ用である請求項1〜6いずれかに記載の光学材料用組成物。
8.第1項記載の光学材料用組成物を重合硬化して得られる光学材料。
9.第8項記載の光学材料からなる光学レンズ。
10.第1項記載の光学材料用組成物を重合硬化する光学材料の製造方法。
((1)式中、XはO(CH2)n、S(CH2)n、または(CH2)nを示し、nは0から6の整数を示す。Yはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、またはビニル基を示す。)
より好ましい化合物は、(1)式で示される化合物である。中でも好ましい化合物は(1)式においてnが0、より好ましい化合物は(1)式においてXがO(酸素原子)またはS(硫黄原子)であり、Yがメタクリロイル基又はアリル基である。更に好ましい化合物は、チオグリシジルメタクリレート((1)式においてXがO、Yがメタクリロイル基)、アリルチオグリシジルエーテル((1)式おいてXがO、Yがアリル基)、チオグリシジルチオメタクリレート((1)式においてXがS、Yがメタクリロイル基)、およびアリルチオグリシジルチオエーテル((1)式においてXがS、Yがアリル基)である。特に好ましい化合物は、チオグリシジルメタクリレートおよびアリルチオグリシジルエーテルであり、最も好ましい化合物はチオグリシジルメタクリレートである。
以上具体例を示したが、これらに限定されるわけではなく、またこれらは単独でも2種以上を混合して使用しても構わない。
アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリシジルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、アリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)シクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのヘキサアクリレート等のアクリル化合物等が挙げられる。
メタアクリロイル基を有する化合物の具体例としては、上記アクリル化合物で例示した化合物のアクリロイル基の一部もしくは全てをメタクリロイル基に置き換えた化合物が挙げられる。
以上具体例を示したが、これらに限定されるわけではなく、またこれらは単独でも2種以上を混合して使用しても構わない。これらの中で好ましい化合物は、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートである。
具体的には、ポリイソシアネートとポリオールを先ず反応させ、次にヒドロキシ(メタ)アクリレートと反応させて得られる化合物や、ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートを先ず反応させ、次にポリオールと反応させて得られる化合物等が挙げられる。好ましい化合物は、2官能ポリイソシアネートと2官能ポリオールを先ず反応させ、次にペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと反応させ得られる化合物である。また反応触媒にはジブチル錫ジラウレート等の公知のウレタン化触媒を使用することができる。
この場合、使用されるヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。好ましいのは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートである。これらヒドロキシ(メタ)アクリレートは単独で用いても又は2種類以上を混合して用いてもよい。
ポリオールとしては、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールが用いられる。具体例としては、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)トリオール、コポリ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールS、スピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは単独で用いても又は2種類以上を混合して用いてもよい。
(a)アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選択されるいずれかの基と、β−エピチオプロピル基とをそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物と、(b)アクリロイル基、メタアクリロイル基、およびアリル基の中から選ばれる少なくとも1つの基を1分子中に1個以上有する化合物の割合は任意であるが、好ましい組成の範囲は、(a)化合物1から99.9重量部と、(b)化合物0.1から99重量部であり、より好ましくは(a)化合物10から90重量部と、(b)化合物10から90重量部である。
ヒドロキシチオフェノール類としては、2−ヒドロキシチオフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、4−ヒドロキシチオフェノール等を挙げることができる。
以上具体例を示したが、これらに限定されるわけではなく、またこれらは単独でも2種以上を混合して使用しても構わない。
複素環を有するアミンの具体例としては、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−メチル−2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、アルキルイミダゾールとイソシアヌル酸の付加物、アルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等の各種イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等のアミジン類が挙げられる。好ましくは、イミダゾール類である。
第2級ヨードニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムヨーダイド等が挙げられる。
紫外線吸収剤の好ましい例としては、サリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物等が挙げられる。それらの具体例としては、サリチル酸系化合物としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート;ベンゾフェノン系化合物としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン;ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕;シアノアクリレート系化合物としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。中でも好ましい化合物は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物であり、最も好ましい化合物はベンゾトリアゾール系化合物である。特に好ましい化合物の具体例は2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
ブルーイング剤の好ましい例としてはアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤、紫外線吸収剤およびブルーイング剤の添加量は、通常、光学材料用組成物100重量部に対してそれぞれ0.000001〜5重量部である。
光学物性:アタゴ社製アッベ屈折計NAR−4Tを用い、d線での屈折率とアッベ数を25℃で測定した。
外観、透明性:目視で観察した。
(a)化合物としてチオグリシジルメタクリレート90重量部、(b)化合物としてベンジルメタクリレート10重量部に触媒としてN−メチルイミダゾール1.0重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0重量部を加え室温で攪拌し均一液とした。次いでこれを10torrで10分間脱気した後ろ過し、レンズ用モールドに注入し、オーブン中で30℃から110℃まで22時間かけて昇温して重合硬化させた。その後型から外し、110℃で1時間加熱してアニール処理を行った。得られたレンズは透明であり、良好な外観であった。光学物性等を測定し、その結果を表1に示した。
表1に示す組成、触媒を用いて実施例1と同様に重合硬化させてレンズを得た。得られたレンズは透明であり、良好な外観であった。光学物性等を測定し、その結果を表1に示した。
(a)重合性不飽和結合基とチイラン環をそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物
TGMA:チオグリシジルメタクリレート
ATGE:アリルチオグリシジルエーテル
EPTMS:3−または4−(β−エピチオプロピルチオメチル)スチレン
(b)アクリロイル基、メタアクリロイル基、およびアリル基の中から選ばれる少なくとも1つの基を1分子中に1個以上有する化合物
BMA:ベンジルメタクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレ−ト
ADC:アリルジグリコールカーボネート
DAP:ジアリルフタレート
EB:ダイセル・サイテック(株)製ウレタンアクリレートEBECRYL8402
(c)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物
BMES:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
PETP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
表1中の触媒略号
MI :N−メチルイミダゾール
TBPB:テトラブチルホスホニウムブロマイド
EBAC:トリエチルベンジルアンモニウムクロライド
TBP :トリブチルホスフィン
PBND:tert−ブチルパーオキシネオデカノエート
POO :1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
PBO :tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−メタクリロイルオキシ)フェニル)プロパン75重量部、スチレン25重量部、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート1.0重量部を加えた後、実施例1と同様に重合硬化させてレンズを得た。得られたレンズは透明であり、良好な外観であった。光学物性等を測定し、その結果を表2に示した。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)56重量部、m−キシリレンジイソシアネート44重量部、ジブチルスズジクロライド0.05重量部、内部離型剤としてゼレックUN0.01重量部を加えた後、実施例1と同様に重合硬化させてレンズを得た。得られたレンズは透明であり、良好な外観であった。光学物性等を測定し、その結果を表2に示した。
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド90重量部、ベンジルメタクリレート10重量部、N−メチルイミダゾール1.0重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0重量部を加え室温で攪拌し均一液とした。次いでこれを10torrで10分間脱気した後ろ過し、レンズ用モールドに注入し、オーブン中で30℃から110℃まで22時間かけて昇温して重合硬化させたが重合硬化しなかった。その結果を表2に示した。
表2に示す組成、触媒を用いて実施例1と同様の操作を行ったが、重合硬化しなかった。その結果を表2に示した。
BPAMA:2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−メタクリロイルオキシ)フェニル)プロパン
ST:スチレン
PETP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
MXDI:m−キシリレンジイソシアネート
BMA:ベンジルメタクリレート
ADC:アリルジグリコールカーボネート
BES:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
表2中の触媒略号
PBND:tert−ブチルパーオキシネオデカノエート
BTC :ジブチルスズジクロライド
MI :N−メチルイミダゾール
POO :1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
TBPB:テトラブチルホスホニウムブロマイド
Claims (10)
- (a)アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選択されるいずれかの基と、β−エピチオプロピル基とをそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物と、(b)アクリロイル基、メタアクリロイル基、およびアリル基の中から選ばれる少なくとも1つの基を1分子中に1個以上有する化合物を含有し、さらに硬化触媒として複素環を有するアミン、ホスフィン、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩および第2級ヨードニウム塩中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物と、過酸化物およびアゾ化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物とを含有する光学材料用組成物。
- さらに、(c)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物を含有する請求項1記載の光学材料用組成物。
- (a)アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、およびビニル基からなる群より選択されるいずれかの基と、β−エピチオプロピル基とをそれぞれ1分子中に1個以上有する化合物が下記(1)式で表される化合物である請求項1に記載の光学材料用組成物。
((1)式中、XはO(CH2)n、S(CH2)n、または(CH2)nを示し、nは0から6の整数を示す。Yはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、またはビニル基を示す。) - (1)式で表される化合物がチオグリシジルメタクリレート((1)式においてXがO、Yがメタクリロイル基)である請求項3記載の光学材料用組成物。
- (1)式で表される化合物がアリルチオグリシジルエーテル((1)式においてXがO、Yがアリル基)である請求項3記載の光学材料用組成物。
- (c)チオール基を1分子中に1個以上有する化合物がビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンから選ばれる1種以上である請求項2記載の光学材料用組成物。
- プラスチックレンズ用である請求項1〜6いずれかに記載の光学材料用組成物。
- 請求項1記載の光学材料用組成物を重合硬化して得られる光学材料。
- 請求項8記載の光学材料からなる光学レンズ。
- 請求項1記載の光学材料用組成物を重合硬化する光学材料の製造方法。
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