JP4377143B2 - 新規含硫環状化合物からなる重合性組成物及び該重合性組成物を硬化させてなる樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い屈折率及び高い透明性が要求される光学材料等の樹脂分野に好適に使用することを可能とする含硫環状化合物に関する。また、本発明は、該含硫環状化合物を含有する重合性組成物、該組成物を重合硬化させてなる樹脂及び光学材料、更には、該組成物を硬化させる樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料に急速に普及してきている。
【0003】
これらプラスチックレンズに要求される性能は、光学性能としては高屈折率、高アッベ数であるが、物理的化学的性質としては耐衝撃性が良好なこと、染色が容易であること、耐熱性に問題がないこと、さらに低比重であること、更に言えば、レンズ製造方法とモノマー化合物が人体に安全で取り扱いが容易であることが挙げられる。
【0004】
これらの性能の内、高耐熱性、低比重については現在の高屈折率プラスチックレンズでも高いレベルで実現されてきている。現在、これらの目的に広く用いられる樹脂としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以下、D.A.Cと称す)をラジカル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であること、染色性に優れていること、切削性および研磨性等の加工性が良好であること等、種々の特徴を有している。しかしながら、この樹脂は、屈折率nd が1.50前後と低く、プラスチックレンズの中心厚やコバ厚が厚くなるため、より屈折率の高いプラスチックレンズ用樹脂が望まれていた。
D.A.C樹脂よりも屈折率を高くしたものとして、樹脂中に硫黄原子を導入した、ポリチオウレタン樹脂や含硫O−(メタ)アクリレート樹脂やチオ(メタ)アクリレート樹脂が知られている。ポリチオウレタン樹脂は、高屈折率で耐衝撃性、染色性が良好である等、バランスの優れた樹脂である。その他、高屈折率、高アッベ数を有するものとして、ポリエピスルフィド化合物を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
また、更なる高屈折率化を追求したポリエピジチオ化合物や、ポリエピスルフィド化合物へ公知の含硫化合物を添加する方法なども提案されているが、ポリエピジチオ化合物については、該化合物の製造方法や同定データ−が実施例に記載されていなく、また、ポリエピスルフィド化合物へ公知の含硫化合物を添加する方法では、樹脂の架橋性が低下し耐熱性が低下する場合があるため、いずれも実用性には乏しい。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)
上記のポリエピスルフィド化合物へ公知の含硫化合物を添加する方法では、添加する化合物として単官能のチエタン化合物が例示されている。チエタン化合物の代表的な公知化合物として、メタクリロイルオキシアルキルチエタンがあるが、光重合性化合物として、感光性組成物に使用されている。該組成物は、屈折率的にも低く透明性がないことから、本願の様な高屈折率を要求している光学用途に使用できない場合がある(例えば、特許文献7、特許文献8参照)。
このような状況の中で、現在提案、実用化まで進んできた高屈折率と高アッベ数をバランスよく有するポリエピスルフィド化合物を使用する方法では、ポリエピスルフィド化合物の熱安定性が低いなどハンドリング面で問題を生じる場合がある。この問題を克服するため、ポリエピスルフィド化合物の熱安定性を改良する方法が要求され、種々の方法も提案されているが、いずれも十分に満足のいくものではない(例えば、特許文献9参照)。
また、ポリエピスルフィド化合物を硬化させてなる樹脂は脆く、特に眼鏡レンズ用途の場合、ツーポイント加工などの特殊加工が出来ない場合があり、また、注型重合後の離型時にレンズ割れを引き起こすなどの問題がある場合があった。また、耐衝撃性が非常に低いために、安全性を求められる眼鏡レンズ用途では、要求物性を十分に満足するまでに至っていない場合があった。そのため、樹脂改質を目的として、さまざまな方法が提案されているが、いずれも十分に満足のいくものではない(例えば、特許文献10参照)。
【0005】
【特許文献1】
WO89/10575号公報
【特許文献2】
特開平9−110979号公報
【特許文献3】
特開平11−322930号公報
【特許文献4】
特開2000−281787号公報
【特許文献5】
特開2001−002783号公報
【特許文献6】
特開2002−040201号公報
【特許文献7】
特開昭55−066909号公報
【特許文献8】
特開昭59−180544号公報
【特許文献9】
特開平11−256038号公報
【特許文献10】
特開2001−131257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、プラスチックレンズの高屈折率と高アッベ数化が求められる中で、ポリエピスルフィド化合物代替を可能とし、且つ、高屈折率、高アッベ数を有し、且つ、脆さや耐衝撃性を改良できる新規化合物提案への要求は多大なものであった。
【0007】
そこで、本発明者らはポリエピスルフィド化合物とは異なる化合物について、アッベ数を低下させることなく屈折率を向上させ、更なる高屈折率と高アッベ数化の要求に応えられる素材の検討を行ってきた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、式(1)で表される構造、即ち含硫環状骨格を有する化合物を硬化させてなる樹脂の屈折率が高い上にアッベ数も高く、優れた光学物性が得られるだけでなく、脆さや耐衝撃性に優れたものであることを見出した上に、化合物そのものも現在提案されているポリエピスルフィド化合物よりも熱安定性に優れていることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下の事項を含む。
[1] 下記式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物。
【0010】
【化9】
【0011】
(式中、R1は、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基を表す。前記反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。
Yは硫黄原子、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは0〜3の整数を表す。
X1は、下記式(2)で表される部分構造のうち、R2からR7の内、いずれか一つを置き換えた構造を有する。X1で置き換えた以外の、R2からR7は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
(ただし、下記式(14)に示す化合物を除く。))
【0012】
【化10】
【0013】
[2] 前記式(1)中、R1が、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体またはアラルキル基である、[1]に記載の含硫環状化合物。
[3] 下記式(3)で表される構造を有する[1]または[2]に記載の含硫環状化合物。
【0014】
【化11】
【0015】
(式中、R1は、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基を、R2からR6は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは0〜3の整数、Yは硫黄原子である。前記反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。)
[4] 下記式(4)で表される構造を有する[1]乃至[3]のいずれかに記載の含硫環状化合物。
【0016】
【化12】
【0017】
(式中、Qは、水素原子、又は反応性末端基を有する直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。nは0〜3の整数を表す。前記反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。)
[5] 含硫環状化合物が3−メルカプトチエタン、3−(アクリロイルチオ)チエタン、3−(メタクリロイルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオ)チエタン、3−(アリルチオ)チエタン、3−(イソシアナトメチルチオ)チエタン、3−(アミノエチルチオ)チエタン、3−(イソチオシアナトエチルチオ)チエタンのいずれかである[1]乃至[4]のいずれかに記載の含硫環状化合物。
[6]下記式(5)で表される構造を有する含硫環状化合物。
【0018】
【化13】
【0019】
(R’、R”は、それぞれ独立にチア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Uはチア化されていてもよい置換または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。V、Wは硫黄原子を表す。lは0〜2の整数を表し、oは1〜4の整数、n1、n2はそれぞれ独立に0〜3の整数、qは0または1の整数を表す。X2は、下記式(6)で表される部分構造のうち、R9〜R14の内いずれか1つを置き換えた構造を有し、X3は、下記式(6)で表される部分構造のうち、R15〜R20の内いずれか1つを置き換えた構造を有する。X2及びX3で置き換えた以外の、R9〜R20は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。)
【0020】
【化14】
【0021】
[7] 下記式(7)で表される[6]に記載の含硫環状化合物。
【0022】
【化15】
【0023】
(式中、R9〜R19は、それぞれ独立に水素原子、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、R’、R”は、それぞれ独立にチア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Uはチア化されていてもよい置換または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。V、Wは硫黄原子を表す。lは0〜2の整数を表し、oは1〜4の整数、n1、n2はそれぞれ独立に0〜3の整数、qは0または1の整数を表す。)
[8] 下記式(8)で表される[6]または[7]に記載の含硫環状化合物。
【0024】
【化16】
【0025】
(式中、R”’は、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の炭化水素基、Uは、チア化されていてもよい置換または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。lは0〜2の整数を表し、oは1〜4の整数、nは0〜3の整数、qは0または1の整数を表す。)
[9] 含硫環状化合物がビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)スルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、ビス(3−チエタニルチオメチル)スルフィド、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,2−ビス(チエタニルチオメチル)ベンゼン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン−2−メチルのいずれかである[6]乃至[8]のいずれかに記載の含硫環状化合物。
[10] 3−チエタノール及び/または3−ハロゲノチエタン及び/または3−メルカプトチエタンから誘導されることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載の含硫環状化合物の製造方法。
[11] [1]乃至[9]のいずれかに記載の含硫環状化合物を含有する重合性組成物。
[12] [11]に記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂。
[13] [12]に記載の樹脂からなる光学材料。
[14] [11]に記載の重合性組成物を注型重合することを特徴とする樹脂の製造方法。
[15] [11]に記載の重合性組成物を硬化触媒として、トリハロゲン化ホウ素系化合物及びそのコンプレックスまたは、トリハロゲノメタンスルホン酸及びそのエステル、無水物から選ばれる一つ以上の化合物を使用して硬化樹脂を得ることを特徴とする樹脂の製造方法。
[16] [11]に記載の重合性組成物に樹脂改質剤として、SH基及び/またはNH基及び/またはNH2基を1つ以上有する化合物から選ばれる一つ以上の化合物を添加して硬化樹脂を得ることを特徴とする樹脂の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0027】
本発明において含硫環状化合物とは下記式(9)で表される部分構造を少なくとも1つ有する化合物のことである。
【0028】
【化17】
【0029】
(式中、R21からR26は、水素原子または、置換または未置換の炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
【0030】
即ち、本発明の含硫環状化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
【0031】
【化18】
【0032】
(式中、R1は、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基を表す。前記反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。
Yは硫黄原子、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは0〜3の整数を表す。
X1は、下記式(2)で表される部分構造のうち、R2からR7の内、いずれか一つを置き換えた構造を有する。X1で置き換えた以外の、R2からR7は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
(ただし、下記式(14)に示す化合物を除く。))
【0033】
【化19】
【0034】
ここで、R2〜R7で表される置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、アリール基、アラルキル基が含まれる。R2〜R7は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましいものであり、水素原子であることが特に好ましい。
【0035】
Rで表される置換又は未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基とは、直鎖、分岐又は環状のアルキレン基、直鎖、分岐又は環状のアルケニレン基、アリーレン基、アラルキレン基が含まれる。
【0036】
Yは、硫黄原子を表す。
【0037】
R1は、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基を表す。ここで、反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種であり、特にチエタニル基、チエタニルチオ基、エピスルフィド基、メルカプト基、イソチオシアナート基、チオ(メタ)アクリル基、ビニルチオ基、アリルチオ基が好ましい。これらの反応性末端基は、1つのみならず、複数有していてもよい。また、R1が反応性末端基である場合は、チエタニル基、オキセタニル基、エピスルフィド基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
【0038】
式(1)としては、R7がX1である下記式(3)で表される化合物が好ましい。
【0039】
【化20】
【0040】
(式中、R2からR6は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは0〜3の整数、Yは硫黄原子、R1は、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基を表す。反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。)
【0041】
式(3)としては、Yが硫黄原子である下記式(4)で表される3−チエタン化合物が好ましい。
【0042】
【化21】
【0043】
(式中、Qは、水素原子、又は反応性末端基を有する直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体、アリール基、アラルキル基、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。nは0〜3の整数を表す。反応性末端基は、チエタニル基、チエタニルチオ基、オキセタニル基、オキセタニルチオ基、エピスルフィド基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、イソ(チオ)シアナート基、アミノ基、(チオ)(メタ)アクリル基、ビニル(チオ)基、アリル(チオ)基およびイソプロペニル基からなる群から選択される一種である。)
【0044】
本発明においては、前記式(8)で表される構造を2個以上有する化合物が、樹脂屈折率が高く、優れた光学物性を有する樹脂を提供できる点で好ましい。即ち、下記式(5)で表される含硫環状化合物が好ましい。
【0045】
【化22】
【0046】
(R’、R”は、それぞれ独立にチア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Uはチア化されていてもよい置換または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。V、Wは硫黄原子を表す。lは0〜2の整数を表し、oは1〜4の整数、n1、n2はそれぞれ独立に0〜3の整数、qは0または1の整数を表す。X2は、下記式(6)で表される部分構造のうち、R9〜R14の内いずれか1つを置き換えた構造を有し、X3は、下記式(6)で表される部分構造のうち、R15〜R20の内いずれか1つを置き換えた構造を有する。X2及びX3で置き換えた以外の、R9〜R20は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。)
【0047】
【化23】
【0048】
ここで、R9〜R20としては、前記式(1)中のR1〜R6と同様の意味を示し、また、R’、R”は前記式(1)中のRと同様の意味を示す。)
【0049】
式(6)としては、R14がX2であり、R20がX3である下記式(7)で表される化合物が好ましい。
【0050】
【化24】
【0051】
(式中、R9〜R19は、それぞれ独立に水素原子、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、R’、R”は、それぞれ独立にチア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Uはチア化されていてもよい置換または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。V、Wは硫黄原子を表す。lは0〜2の整数を表し、oは1〜4の整数、n1、n2はそれぞれ独立に0〜3の整数、qは0または1の整数を表す。)
【0052】
V、Wは硫黄原子を表す。
【0053】
Uは直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数7〜10のアラルキレン基が好ましく、アルキレン基及びアラルキレン基中のアルキル成分におけるメチレン基の一部が、硫黄に置き換わってチア化されていてもよい。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の直鎖アルカンから誘導される2価の基、イソプロパン、sec−ブタン、tert−ブタン、sec−ペンタン、neo−ペンタン等の分岐アルカンから誘導される2価の基、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカンから誘導される2価の基、3−チアペンタン、4−チアヘキサン、3,6−ジチアオクタン、3,6,9−トリチアウンデカン等の直鎖又は分岐のチアアルカンから誘導される2価の基,1,4−ジチアン、1,3−ジチアン、1,3−ジチオラン、1,3−ジチエタン等の環状チアアルカンから誘導される2価の基、ベンゼン、トルエン、キシレン等の未置換又はアルキル置換ベンゼンから誘導される2価の基、チオフェン等の芳香族複素環から誘導される2価の基などが挙げられる。
【0054】
又、Uは前記反応性末端基あるいは、エピスルフィド基を除くアルキレンスルフィド(チオ)基で置換されていてもよく、特に置換基として1〜3個のチエタニル基、チエタニルチオ基を有していてもよい。即ち、3官能以上の含硫環状化合物も含まれる。
lは0〜2の整数を表し、例えば、Uがフェニレン、lが2の場合、ビフェニレン等も含まれる。
【0055】
式(7)として、下記式(8)の構造を有する化合物が特に好ましい。
【0056】
【化25】
【0057】
(式中、R’”は、前記R’、R”と同様の意味を、U、l、o、qは前記と同様の意味を表し、nは0〜3の整数を表す。)
【0058】
式(8)で表される構造を有する化合物の具体例としては、1,1−ビス(3−チエタニルチオ)メタン、1,2−ビス(3−チエタニルチオ)エタン、1,2−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)ブタン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)ブタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)ペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(3−チエタニルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(3−チエタニルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(3−チエタニルチオ)プロパン、2,2−ビス(3−チエタニルチオ)−1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1−(3−チエタニルチオ)ブタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2−(3−チエタニルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(3−チエタニルチオ)−2,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(3−チエタニルチオ)−4−(3−チエタニルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4−(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−2,4,5−トリス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]−2−(3−チエタニルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,8−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−5,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(3−チエタニルチオメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(3−チエタニルチオメチルチオ)エタン、3−(3−チエタニルチオメチル)−1,5−ジ(3−チエタニルチオ)−2,4−ジチアペンタン等の鎖状脂肪族の3−チエタニルチオ化合物、及び、
【0059】
1,3−ビス(3−チエタニルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン、4,6−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチアン、4,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチオラン、2,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチエタン、2,5−ビス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、2−ビス(3−チエタニルチオ)メチル−1,3−ジチオラン等の環状脂肪族の3−チエタニルチオ化合物、及び、
【0060】
1,2−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(3−チエタニルチオ)ビフェニル等の芳香族3−チエタニルチオ化合物、さらに左右非対称化合物として、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルプロパン−1−オン等を挙げることができるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。例示化合物の内、好ましい化合物としては、1,1−ビス(3−チエタニルチオ)メタン及び1,2−ビス(3−チエタニルチオ)エタン、1,2,3−トリス(3−チエタニルチオ)プロパン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4−(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,8−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−5,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、4,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチオラン、2,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチエタン、2−ビス(3−チエタニルチオ)メチル−1,3−ジチオラであり、より好ましい化合物としてはビス(3−チエタニルチオ)メタン、ビス(3−チエタニルチオメチル)スルフィド、2−ビス(3−チエタニルチオ)メチル−1,3−ジチオランである。
【0061】
本発明に係る、式(1)で表される含硫環状化合物は、例えば、下記式(10)で表される3−ヒドロキシ(アルキル)チエタン化合物から導くことが可能である。
【0062】
【化26】
(式中Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
【0063】
式(10)で表される構造を有する化合物の具体例としては、3−チエタノール、3−ヒドロキシメチルチエタン、3−ヒドロキシエチルチエタン、3−ヒドロキシプロピルチエタン、3−ヒドロキシイソプロピルチエタン、等のアルキルチエタン化合物及び、3−ヒドロキシエチルチオチエタン等の含硫ヒドロキシチエタン化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
【0064】
うち代表的なものは3−チエタノールである。3−チエタノールは公知の方法により容易に合成できる。例えば、硫化水素を飽和溶解させたアルコール又は水中へ、エピハロヒドリンとアルカリを同時に装入すればよい。ここで用いるアルコールは硫化水素が溶解可能であればいかなるものでも良いが、溶解度の大きいメタノールが好ましい。エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンが好ましい。アルカリとしては、無機、有機何れのものでもよく、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩、アンモニア、3級アミン、2級アミン、1級アミン、金属アルコキシド等が好ましい。その他、1−クロロ−3−メルカプトプロパン−2−オールと前記アルカリを無溶媒または水、アルコールなどの溶媒中で反応させる方法もある。
【0065】
得られた3−チエタノールを含む式(10)で表される構造を有する3−ヒドロキシ(アルキル)チエタン化合物はハロゲン化剤などにより下記式(11)で表される構造を有する3−ハロゲノ(アルキル)チエタンへ変換することが可能である。
【0066】
【化27】
【0067】
(式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表し、式中Rは、置換または未置換の直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
【0068】
ここで用いるハロゲン化剤の好ましいものとしては、塩化チオニル、三塩化リン、塩酸、塩化水素、三臭化リン、臭化水素酸、臭化水素、塩素、臭素等が挙げられるが例示化合物に限定されるわけではない。反応の際に用いる溶媒は、ハロゲン化剤の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはハロゲン化を阻害しないもの、ハロゲン化剤と反応しないものであればいずれでも良い。反応温度もハロゲン化剤の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜50℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜30℃であれば好ましい。
【0069】
式(11)で表される構造を有する化合物の具体例としては、3−クロロチエタン、3−クロロメチルチエタン、3−クロロエチルチエタン、3−クロロプロピルチエタン、3−クロロイソプロピルチエタン等およびクロロ基を臭素基、ヨウ素基へ変換したハロゲノ(アルキル)チエタン化合物及び、3−クロロエチルチオチエタン等の含硫ハロゲノ(アルキル)チエタン化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
【0070】
式(9)で表される構造を2個以上有する化合物(式(5)のうち)、チエタニル基を少なくとも2個以上有する前記式(7)の化合物を合成する方法としては、具体的には次のような方法を挙げることができる。
【0071】
式(11)で表される構造を有する3−ハロゲノ(アルキル)チエタンを硫化ソーダ、二硫化二ソーダ、三硫化二ソーダ、四硫化二ソーダ、硫化カリウム、二硫化二カリウム、三硫化二カリウム、四硫化二カリウム等の硫化アルカリと反応させることにより、ビス(3−チエタニルアルキル)スルフィド、ビス(3−チエタニルアルキル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニルアルキル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニルアルキル)テトラスルフィド等の合成が可能である。従って、3−ハロゲノチエタンからはビス(3−チエタニル)スルフィド、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド等が合成可能である。反応の際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒または炭化水素系化合物、芳香族系化合物、ハロゲン化系化合物、エステル系化合物、エーテル系化合物、ケトン系化合物等の反応生成物を溶解可能とする溶媒を用いると良い結果が得られることがある。好ましくは、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられるが、例示化合物に限定されるわけではない。また、反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜50℃であれば好ましい。0℃〜30℃であればより好ましい。
【0072】
3−ハロゲノ(アルキル)チエタンは公知のポリチオール化合物と反応させることにより、目的の含硫環状化合物を合成することができる。具体的には3−ハロゲノ(アルキル)チエタンとポリチオール化合物を溶媒の存在又は非存在下、混合したところへ無機アルカリもしくは金属アルコキシド、有機アミン等のアルカリを装入する方法が挙げられる。また、ポリチオール化合物のチオール基を無機アルカリもしくは金属アルコキシドにより金属塩化した溶液と3−ハロゲノ(アルキル)チエタンとを混合、反応させる方法も挙げられる。反応に要する3−ハロゲノ(アルキル)チエタンとポリチオール化合物の量比、即ち、(3−ハロゲノ(アルキル)チエタン中のハロゲノ基)/(ポリチオール化合物中のチオール基)で表される比は、理論的には1であるが、反応速度や経済性を考慮すれば0.5〜2であり、0.8〜1.5であれば好ましい。0.9〜1.2であればより好ましい。反応の際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には規定できないが、無溶媒または炭化水素系化合物、芳香族系化合物、ハロゲン化系化合物、エステル系化合物、エーテル系化合物、ケトン系化合物等の反応生成物を溶解可能とする溶媒を用いると良い結果が得られることがある。中でもベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好ましいが、例示化合物に限定されるわけではない。また、反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には規定できないが、通常−50℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−30℃〜50℃であれば好ましい。−10℃〜30℃であればより好ましい。
【0073】
ここで原料として用いられるポリチオール化合物は、公知のポリチオール化合物であればいかなるものでも良いが、好ましいものの具体例としては、1,1−メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、ビス(1−メルカプトメチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトチオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトチオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス3−メルカプトプロピオネート)、1,1,1−トリメチルメルカプトエタン、1,1,1−トリメチルメルカプトプロパン、2,5−ジメルカプトメチルチオファン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2−メルカプトエチル)チオメチル]−1,4−ジチアン、1,3−シクロヘキサンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、3−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、4,6−ジメルカプト−1,3−ジチアン等の脂肪族チオール、及び、
【0074】
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,2,5−トリメルカプトベンゼン等の芳香族チオールが挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0075】
3−ハロゲノ(アルキル)チエタンは、置換反応によってハロゲン原子をメルカプト基へ変換できる。この置換反応は、チオ尿素を用いる反応、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム等の水硫化アルカリ金属類および硫化アルカリ金属類を用いる方法、ナトリウムポリスルフィドやカリウムポリスルフィド等の金属ポリスルフィド類を用いる方法、ナトリウムトリチオカーボネート、カリウムトリチオカーボネート等のアルカリ金属カーボネート類を用いる方法、キサントゲン酸カリウムを用いる方法、Bunte塩を用いる方法等の公知の反応である。チオシアン酸塩類、チオ尿素類、トリフェニルフォスフィンスルフィド等のチア化剤、好ましくはチオシアン酸塩類、チオ尿素類を用いる方法としては、チア化剤と水、アルコール、ケトン、エステルなどから選ばれる少なくとも1種類以上の極性溶媒中で反応させることにより、イソチウロニウム塩を形成する。このイソチウロニウム塩を含有する溶液中または取り出したイソチウロニウム塩ヘ前記同様のアルカリを加え反応させることにより、式(12)で表される構造を有する3−メルカプト(アルキル)チエタンを合成することができる。
【0076】
【化28】
【0077】
(式中、Rは、置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
【0078】
ここで使用するアルカリの好ましいものは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム及び該アルカリの水溶液である。アルカリを加える際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはアルカリとの反応を阻害しないもの、アルカリと反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜80℃であれば好ましい。10℃〜60℃であればより好ましい。
【0079】
3−メルカプト(アルキル)チエタンを用いれば、種々のハロゲン化炭化水素化合物と反応させることにより、前述の各種チエタン化合物の合成が可能である。3−メルカプト(アルキル)チエタンとハロゲン化炭化水素化合物とを反応させる方法としては、ハロゲン化炭化水素化合物と3−メルカプト(アルキル)チエタンを含有する組成物に、金属アルコキシドを添加すると良い結果が得られる場合がある。また、予めアルカリ金属塩や金属アルコキシド等と3−メルカプト(アルキル)チエタンを反応させ造塩した後、ハロゲン化炭化水素化合物と反応させても良い結果が得られる場合がある。ここで用いる反応溶媒としては、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはアルカリ金属塩もしくは金属アルコキシドと3−メルカプト(アルキル)チエタンとハロゲン化炭化水素化合物との反応を阻害しないもの、アルカリ金属塩もしくは金属アルコキシドと反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−70℃〜50℃とすると良い結果が得られる場合があり、−50℃〜50℃であれば好ましい。
【0080】
ここで用いるハロゲン化炭化水素化合物は公知のハロゲン化炭化水素化合物であればいかなるものでも良いが、好ましいものの具体例としては、1,1−ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、2,2−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラキス(クロロメチル)メタン、1,2−ジクロロシクロヘキサン、ビス(1−クロロメチル)スルフィド、ビス(2−クロロエチル)スルフィド、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、1,1,1−トリメチルクロロエタン、1,1,1−トリメチルクロロプロパン、2,5−ジクロロメチルチオファン、4−クロロメチル−1,8−ジクロロ−3,6−ジチアオクタン、2,5−ジクロロメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2−クロロエチル)チオメチル]−1,4−ジチアン、1,3−ジクロロシクロヘキサン、1,4−ジクロロシクロヘキサン、4,8−ジクロロメチル−1,11−クロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジクロロメチル−1,11−クロロ−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジクロロメチル−1,11−クロロ−3,6,9−トリチアウンデカン等および、これらクロロ基が臭素、ヨウ素に置換された化合物を含む脂肪族ハロゲン化炭化水素化合物、更には、
【0081】
1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、2,2’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジクロロビフェニル、ビス(4−クロロフェニル)メタン、ビス(4−クロロフェニル)スルフィド、ビス(4−クロロフェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)プロパン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,5−トリクロロベンゼン等および、これらクロロ基が臭素、ヨウ素に置換された化合物を含む芳香族ハロゲン化炭化水素化合物等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0082】
また、その他のメルカプト基と反応可能な官能基を有する化合物、具体的にはアルデヒド類、アセタール類、ケトン類、ケタール類、エポキシ類、エピスルフィド類、オレフィン類、イソ(チオ)シアナート類、チオール類、酸ハライド類、酸無水物類等の官能基を有する化合物と3−メルカプト(アルキル)チエタン化合物を反応させれば、直接的に反応性末端基がチエタニル基である式(4)で表される構造を有する化合物の合成が可能である。ここで、アルデヒド類、アセタール類、ケトン類の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、2−チオフェンアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、フタルアルデヒド等のアルデヒド類、及びこれらアルデヒド化合物のアセタール化物、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサンジオン等のケトン類、及びそのケタール類が挙げられる。エポキシ類、エピスルフィド類、オレフィン類、イソ(チオ)シアナート類、チオール類、酸ハライド類、酸無水物類については、前述及び後述のそれぞれの官能基を有する例示化合物が具体例として挙げられるが、例示化合物に限定されるわけではない。
【0083】
更に、3−メルカプト(アルキル)チエタン化合物を分子間で酸化させることにより、ジスルフィド結合を有するチエタン化合物の合成が可能である。したがって、前述の3−メルカプトチエタンを使用し、酸化することで、ビス(3−チエタニル)ジスルフィドの合成が可能となる。同様に3−メルカプト(アルキル)チエタン化合物を使用すれば、ビス(3−チエタニルアルキル)ジスルフィドの合成も可能である。ここで酸化反応に用いる酸化剤としては、通常メルカプト基を酸化し、ジスルフィド結合を合成する際に用いられる酸化剤であれば、いかなるものでも良く、その具体例としては、酸素、過酸化水素及びその水溶液、次亜塩素酸ソーダ等の次亜ハロゲン酸塩及びその水溶液、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩及びその水溶液、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン、塩化スルフリル、塩化鉄(III)、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物、酸化窒素等が挙
げられるが、例示化合物に限定されるわけではない。この酸化反応で用いる反応溶媒としては、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒または酸化剤の効果を阻害しないもの、酸化剤と反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−70℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−30℃〜80℃であれば好ましい。
【0084】
末端基にオキセタニル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を合成する方法の具体例としては、式(1)で表される構造のうち、末端基がメルカプト基である構造を有する下記式(13)の化合物と3−ハロゲノ(アルキル)オキセタンを混合したところへ、金属アルコキシドを添加すると良い結果が得られる場合がある。
【0085】
【化29】
【0086】
(式中、Q’は、水素原子又は少なくともメルカプト基を有する直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10のアルキル基およびそのチア体、アリール基、アラルキル基を、R””は、置換または未置換の直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜6の炭化水素基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
【0087】
また、予めアルカリ金属塩や金属アルコキシド等と式(13)で表される構造を有する化合物を反応させ造塩した後、3−ハロゲノ(アルキル)オキセタンと反応させても良い結果が得られる場合がある。ここで用いる反応溶媒としては、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはアルカリ金属塩もしくは金属アルコキシドと式(13)で表される構造を有する化合物とハロゲン化炭化水素化合物との反応を阻害しないもの、アルカリ金属塩もしくは金属アルコキシドと反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−70℃〜50℃とすると良い結果が得られる場合があり、−50℃〜50℃であればより好ましい。
【0088】
ここで用いる3−ハロゲノ(アルキル)オキセタン化合物は公知の3−ハロゲノ(アルキル)オキセタン化合物もしくは、3−ヒドロキシ(アルキル)オキセタン化合物をハロゲン化して得た3−ハロゲノ(アルキル)オキセタン化合物であればいかなるものでも良いが、好ましいものの具体例としては、3−クロロメチルオキセタン、3−クロロエチルオキセタン等の3−クロロ(アルキル)オキセタン化合物および、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、3−クロロエチル−3−エチルオキセタン等の3−クロロ(アルキル)−3−(アルキル)オキセタン化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
【0089】
ここで用いる式(13)で表される構造を有する化合物の好ましいものの具体例としては、3−(メルカプトメチルチオ)チエタン、3−(メルカプトエチルチオ)チエタン、3−(1−メルカプトプロピル−2−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトプロピル−3−チオ)チエタン、3−(2−メルカプトプロピル−2−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトブチル−4−チオ)チエタン、3−(メルカプトメチルチオメチルチオ)チエタン、3−(メルカプトエチルチオエチルチオ)チエタン、3−(2−メルカプト−1−ヒドロキシプロピル−3−チオ)チエタン、3−(3−メルカプト−2−ヒドロキシプロピル−1−チオ)チエタン、3−(2−メルカプトメチルチオフェン−5−メチルチオ)チエタン、3−(2−メルカプトメチル−1,4−ジチアン−5−メチルチオ)チエタン、3−(1−メルカプトシクロヘキサン−2−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトシクロヘキサン−3−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトシクロヘキサン−4−チオ)チエタン等の脂肪族化合物、及び、3−(1−メルカプトベンゼン−2−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトベンゼン−3−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトベンゼン−4−チオ)チエタン、3−(1−メルカプトメチルベンゼン−2−メチルチオ)チエタン、3−(1−メルカプトメチルベンゼン−3−メチルチオ)チエタン、3−(1−メルカプトメチルベンゼン−4−メチルチオ)チエタン等の芳香族化合物等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0090】
末端基にエポキシ基及び/またはエピスルフィド基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を合成する方法の具体例としては、3−メルカプト(アルキル)チエタンとエピハロヒドリンをアルカリ触媒下反応させ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロパニルチオ)(アルキル)チエタンなるハロヒドリン体を合成した後、アルカリにより脱塩化水素することで、3−(2,3−エポキシプロピルチオ)(アルキル)チエタンを得ることが可能である。ここで用いるアルカリとしては、無機、有機何れのものでもよく、好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩、アンモニア、3級アミン、2級アミン、1級アミン、金属アルコキシド等を用いると良い。アルカリを加える際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはアルカリとの反応を阻害しないもの、アルカリと反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜80℃であれば好ましい。10℃〜60℃であればより好ましい。。また、別の方法として、3−ヒドロキシ(アルキル)チエタン化合物と1−クロロ−3−メルカプトプロパン−2−オールとを酸触媒下、縮合することで、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルチオ)(アルキル)チエタンなるハロヒドリン体を合成した後、前記同様にアルカリに脱塩化水素する方法等が挙げられる。縮合の際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、縮合を阻害しないものであればいずれのものでも良く、共沸脱水可能な溶媒を用いることは、反応効率を上げる意味で好ましい。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常0℃〜120℃とすると良い結果が得られる場合があり、20℃〜110℃であれば好ましい。30℃〜90℃であればより好ましい。
【0091】
得られた3−(2,3−エポキシプロピルチオ)(アルキル)チエタン化合物の好ましいものの具体例としては、3−(2,3−エポキシプロピルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルジチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオエチルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオプロピルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオブチルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオメチルチオメチルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオエチルチオエチルチオ)チエタン、3−(2,3−エポキシプロピルチオヒドロキシプロピルチオ)チエタン、3−[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)メチルチオフェン−5−メチルチオ]チエタン、3−[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)メチル−1,4−ジチアン−5−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン−2−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン−3−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン−4−チア]チエタン等の脂肪族化合物、及び、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン−2−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン−3−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン−4−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)メチルベンゼン−2−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)メチルベンゼン−3−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エポキシプロピルチオ)メチルベンゼン−4−メチルチオ]チエタン等の芳香族化合物等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0092】
得られた末端基にエポキシ基を有する式(1)で表される構造を有する化合物をチア化剤と反応させることにより、末端基にエピスルフィド基を有する式(1)で表される構造を有する化合物の合成が可能である。ここで用いるチア化剤としては、チオシアン酸塩類、チオ尿素類、トリフェニルフォスフィンスルフィド等のチア化剤、好ましくはチオシアン酸塩類、チオ尿素類と必要であるならば触媒量の蟻酸、酢酸、プロピオン酸、フタル酸等の有機酸および該有機酸のハロゲン置換体、更には無水物等、または塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸と水、アルコール、ケトン、エーテル、エステルなどから選ばれる少なくとも1種類以上の極性溶媒および、必要ならば得られるエピスルフィド化合物が溶解可能な公知の有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。また、チオ尿素類とほぼ当量の蟻酸、酢酸、プロピオン酸、フタル酸等の有機酸および該有機酸のハロゲン置換体、更には無水物等、または塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸と水、アルコール、ケトン、エーテル、エステルなどから選ばれる少なくとも1種類以上の極性溶媒中で反応することによりイソチウロニウム塩を形成し、このイソチウロニウム塩を含有する溶液中または取り出したイソチウロニウム塩ヘ前記同様のアルカリを加え反応させることにより、合成することも可能である。ここで使用するアルカリの好ましいものは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム及び該アルカリの水溶液である。アルカリを加える際に用いる溶媒は、合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはアルカリとの反応を阻害しないもの、アルカリと反応しないものであればいずれでも良い。反応温度も合成する化合物の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜100℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜80℃であれば好ましい。10℃〜60℃であればより好ましい。
【0093】
得られた末端基がエピスルフィド基である式(1)で表される構造を有するチエタン化合物の好ましいものの具体例としては、3−(2,3−エピチオプロピルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルジチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオエチルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオプロピルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオブチルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオメチルチオメチルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオエチルチオエチルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオヒドロキシプロピルチオ)チエタン、3−[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)メチルチオフェン−5−メチルチオ]チエタン、3−[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)メチル−1,4−ジチアン−5−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン−2−チオ]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン−3−チオ]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン−4−チオ]チエタン等の脂肪族化合物、及び、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン−2−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン−3−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン−4−チア]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)メチルベンゼン−2−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)メチルベンゼン−3−メチルチオ]チエタン、3−[1−(2,3−エピチオプロピルチオ)メチルベンゼン−4−メチルチオ]チエタン等の芳香族化合物等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0094】
末端基にアミノ基及びイソシアナート基、イソチオシアナート基、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、イソプロペニル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を合成する方法としては、次のような一般的な方法が挙げられる。
【0095】
アミノ基を有する化合物を合成するには、前記の末端基にハロゲノ基を有するチエタン化合物を公知のハロゲン化アルキルをアミノ化する方法、例えば、アルカリ金属アジド化合物とハロゲン化アルキルを反応させ、アジド化合物を合成した後、ベシャン還元法やリチウムアルミニウムハイドライドまたはナトリウムボロンハイドライドとヨウ素を用いる方法、アダムス触媒下で水素を用いる方法によりアミノ化合物へ合成できる。その他、アンモノリシス法、ガブリエル法、デレピン法、ヘキサミン法等の方法でも合成できる場合がある。また、前記の末端基にヒドロキシル基及び/またはメルカプト基を有するチエタン化合物にハロゲノアルキルアミン(塩酸塩等の塩も含む)とアルカリ存在下で反応させれば、容易に目的の化合物の合成が可能である。
【0096】
イソシアナート基を有する化合物を合成するには、前記アミノ化合物をホスゲンと反応させることにより得ることができる。ホスゲン化反応は、低温でアミンとホスゲンを反応させた後高温でホスゲン化を行う冷熱2段法やアミンと塩酸ガスにより塩酸塩を形成した後ホスゲン化を行う塩酸塩法等がある。また、前記の末端基にヒドロキシル基及び/またはメルカプト基を有するチエタン化合物にクロロ酢酸エステル等のハロゲン化酸エステル類を反応させ、ヒドラジンにてヒドラジド化した後に、亜硝酸と反応させることにより酸アジド体を経てクルチウス転位反応により合成することも可能である。
【0097】
イソチオシアナート基を有する化合物を合成するには、前記のアミノ化合物と二硫化炭素と苛性ソーダ等のアルカリを反応させた後、アルキルクロロホーメートなどの塩素化剤を用いて分解する方法などで合成できる。アミノ化合物にチオホスゲンを反応させる方法も好適に使用できる。
【0098】
(メタ)アクリル基を有する化合物を合成するには、前記の末端基にヒドロキシル基及び/またはメルカプト基を有するチエタン化合物にクロロプロピオン酸クロライド等のハロゲン化酸ハライド類を反応させ、次いで3級アミンやアルカリ金属塩及びその水溶液、金属アルコキシド等のアルカリで脱ハロゲン化水素を行う方法や、(メタ)アクリル酸クロライド等の酸クロライドを直接反応させる方法がある。
【0099】
アリル基、ビニル基、イソプロペニル基を有する化合物を合成するには、前記の末端基にヒドロキシル基及び/またはメルカプト基を有するチエタン化合物にアリルクロライド等のアリルハライド類、ビニルブロマイド等のビニルハライド類、イソプロペニルクロライド等のイソプロペニルハライド類を前記のアルカリと共に反応する方法がある。
【0100】
これら末端基にアミノ基及びイソシアナート基、イソチオシアナート基、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、イソプロペニル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を合成する方法は、目的とする化合物の構造により異なり限定は出来ず、例示のみの方法に限定されるわけではない。また、反応に使用する溶媒や反応温度なども目的とする化合物の構造により異なり限定は出来ない。これら末端基にアミノ基及びイソシアナート基、イソチオシアナート基、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、イソプロペニル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物のうち、好ましいものの具体例としては、3−(アミノメチルチオ)チエタン、3−[イソ(チオ)シアナトメチルチオ]チエタン、3−(アミノエチルチオ)チエタン、3−[イソ(チオ)シアナトエチルチオ]チエタン、3−[(メタ)アクリロイルチオ]チエタン、3−(アリルチオ)チエタン、3−(ビニルチオ)チエタン、3−(イソプロペニルチオ)チエタン等が挙げられるが、例示化合物に限定されるわけではない。
【0101】
上記の様な3−チエタニル化合物以外に、2−チエタニル化合物の合成も3−チエタニル化合物同様に可能である。具体的には、まず、3、3,−ジメルカプト−1−ハロゲノプロパンを3,3−ジアルキロキシ−1−ハロゲノプロパン(例えば、3−クロロプロピオンアルデヒドジエチルアセタール)と硫化水素とを反応させることで得る。得られた3,3−ジメルカプト−1−ハロゲノプロパンを溶媒の存在下あるいは、非存在下で、前述の様なアルカリと反応させることで、分子内で環化され、2−メルカプトチエタンを合成することが出来る。得られた2−メルカプトチエタンを用いて、前述と同様に種々の反応を行うことで、2−チエタニル基由来の種々の構造を有する化合物の合成が可能である。
【0102】
本発明に係る式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物を含有する重合性組成物の構成要件は、1つ以上の式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物を含有することであるが、該重合性組成物を硬化してなる樹脂の屈折率、アッベ数等の光学物性の調整や、色相、耐光性や耐候性、耐熱性、耐衝撃性、硬度、比重、線膨張係数、重合収縮率、吸水性、吸湿性、耐薬品性、粘弾性等の諸物性を調整、透過率や透明性の調整、重合性組成物の粘度、その他保存や輸送方法の取扱い性を調整するためなど、樹脂の改良や取り扱い性を改良をする目的で、精製や洗浄、保温、保冷、濾過、減圧処理などの有機化合物を合成する際に一般的に用いられる手法、操作を施したり、また、公知の化合物等を安定剤や樹脂改質剤として加えたりすることは良好な樹脂を得る目的で好ましい場合がある。長期の保存安定性や、重合安定性、熱安定性などの安定性向上のために加えられるものとしては、重合遅延剤や重合禁止剤、脱酸素剤、酸化防止剤などの化合物が挙げられるが、記載のものに限定されるわけではない。
【0103】
重合性組成物を精製するのは、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良する為や純度を上げるために用いられる手法であるが、本発明に係る式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物を含有する重合性組成物を精製する方法は、公知の方法、例えば、蒸留、再結晶、カラムクロマト法(シリカゲル法や活性炭法、イオン交換樹脂法など)、抽出などであればいかなる手法をいかなるタイミングで行っても良く、一般に精製して得られる組成物を硬化させて得られる樹脂の透明性や色相が改良されていれば良い。
【0104】
重合性組成物を洗浄する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで極性及び/または非極性溶媒で洗浄し、樹脂の透明性を阻害する物質、例えば、重合性組成物を合成する際に使用される又は、副生する無機塩、例えば、アンモニウム塩やチオ尿素などを取り除くまたは減量する方法が挙げられる。用いる溶媒は、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液の極性等により一概に限定は出来ないが、取り除きたい成分を溶解可能で、かつ、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液と相溶しにくいものが好ましく、一種類のみならず、2種類以上を混合して使用しても良い。ここで取り除く成分は目的や用途に応じて異なるが、なるべく少なくしておくことが好ましく、5000ppmとすると好ましい。1000ppm以下とすればより好ましい。100ppm以下とすれば更に好ましい。
【0105】
重合性組成物を保温・保冷・濾過する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで行うのが一般的である。保温とは、例えば、重合性組成物が保管中に結晶化し、ハンドリングが悪くなった場合、重合性組成物及び重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能が低下しない範囲で加熱溶解する方法が挙げられる。加熱する温度範囲や加熱溶解する方法は、取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造により一概に限定できないが、通常凝固点+50℃以内で行われ、+20℃以内でれば好ましい。その際、攪拌可能な装置で機械的に攪拌したり、組成物に不活性なガスでバブリングすることで内液を動かし溶解する方法などが挙げられる。保冷とは重合性組成物の保存安定性を高める目的で通常行われるが、融点が高く結晶化後の取り扱いに問題がある場合は、保管温度を考慮する必要がある。保冷温度は取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、保存安定性により一概に限定できないが、式(1)で表される構造を有する化合物を含有する重合性組成物の場合、20℃以下の低温で保管すると良く、10℃以下が好ましい。しかしながら、融点が高い場合には、通常凝固点より高い温度で行なうと使用時の取り扱い性が良い場合がある。加熱溶解が容易に可能な場合は、凝固点以下で保存しても何ら問題ない。
【0106】
光学用途に用いる重合性組成物の場合、その非常に高い透明性を要求されることから、通常重合性組成物を孔径の小さいフィルターで濾過を行うとよい。ここで用いるフィルターの孔径は通常0.05〜10μmで行われるが、操作性や性能を考慮すれば0.05〜5μmが好ましい。0.1〜5μmであればより好ましい。本願発明の含硫環状化合物を含有する重合性組成物も例外なく濾過すると良い結果が得られる場合が多い。濾過する温度については、凝固点付近の低温で行うと更に好ましい結果が得られる場合があるが、濾過中に凝固が進行するような場合は、濾過作業に支障を来さない温度で行うと良い場合がある。
【0107】
減圧処理は、一般的に重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能を低下させる溶媒や溶存ガス、臭気を取り除くのに行われる手法である。溶存溶媒は一般に得られる樹脂の屈折率低下や耐熱性低下を招くため、可能な限り取り除く必要がある。溶存溶媒の許容値は取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存する溶媒の構造により一概に限定できないが、通常1%以下とするのが好ましい。5000ppm以下とすればより好ましい。。溶存ガスは重合阻害となるものや、得られる樹脂に気泡が混入する弊害があるため取り除く方が好ましい。特に、水蒸気などの水分を意味するガスについては、とりわけ乾燥ガスでバブリングするなどして除去した方が好ましい。溶存量については、重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存するガスの物性及び構造、種類により一概に限定できない。
【0108】
樹脂改質剤としては、本発明に係る重合性組成物に含まれる以外の公知のチエタン化合物、ジチエタン化合物、トリチエタン化合物、チオラン化合物、ジチオラン化合物、トリチオラン化合物、ジチアン化合物、トリチアン化合物、エピスルフィド化合物類及びエポキシ化合物類、アミン化合物類、チオール化合物類、フェノール化合物類を含むヒドロキシ化合物類、イソ(チオ)シアナート化合物類、メルカプト有機酸類、有機酸類及び無水物類、アミノ酸及びメルカプトアミン類、(メタ)アクリレート類等を含むオレフィン類、硫黄原子またはセレン原子を有する環状有機化合物や無機化合物類が挙げられる。これら樹脂改質剤の内、エポキシ化合物やイソ(チオ)シアナート化合物、(メタ)アクリレート類を含むオレフィン類は、得られる樹脂の脆さの克服や耐衝撃性の向上に対してより好ましい。アミン化合物類、チオール化合物類、フェノール化合物類は得られる樹脂の色相改善に対して好ましい。その中でも、SH基及び/またはNH基及び/またはNH2基を1個以上有する化合物はより好ましい。
【0109】
本発明に係る樹脂改質剤としてのエピスルフィド化合物の具体例としては、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(エピチオエチルチオ)メタン、ビス(エピチオエチルチオ)ベンゼン、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]メタン等のエピチオエチル化合物、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物、及び、
【0110】
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物、及び、
【0111】
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族2,3−エピチオプロピルチオ化合物、
【0112】
エチレンスルフィド、プロピレンスルフィド、メルカプトプロピレンスルフィド、メルカプトブテンスルフィド、エピチオクロルヒドリン等の単官能エピスルフィド化合物、
【0113】
ビス(2,3−エピチオプロピル)エーテル、ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物、及び、
【0114】
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物、及び、
【0115】
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族2,3−エピチオプロピルオキシ化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0116】
例示化合物のうち好ましい化合物としては、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン及びビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、より好ましい化合物としてはビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、及びビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドである。
【0117】
本発明に係る樹脂改質剤としてのエポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物、二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等その他、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。
【0118】
スルフィド基含有エポキシド化合物とエーテル基含有エポキシド化合物の具体的化合物例としては、ビス(2,3−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−1−(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エポキシプロピルチオ化合物、及び、
【0119】
1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エポキシプロピルチオ化合物、及び、
【0120】
1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族2,3−エポキシプロピルチオ化合物、
【0121】
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドール、エピクロルヒドリン等の単官能エポキシ化合物、
【0122】
ビス(2,3−エポキシプロピル)エーテル、ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エポキシプロピルオキシ化合物、及び、
【0123】
1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エポキシプロピルオキシ化合物、及び、
【0124】
1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族2,3−エポキシプロピルオキシ化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。これらの例示化合物のみに限定されるものではない。
【0125】
樹脂改質剤として添加を可能とするアミン化合物の具体例としては、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ter−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、2,3−、あるいは4−メチルベンジルアミン、o−、m−、あるいはp−メチルアニリン、o−、m−、あるいはp−エチルアニリン、アミノモルホリン、ナフチルアミン、フルフリルアミン、α−アミノジフェニルメタン、トルイジン、アミノピリジン、アミノフェノール、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、メトキシエチルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2,2−ジエトキシエチルアミン等の単官能1級アミン化合物、
【0126】
エチレンジアミン、1,2−、あるいは1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−、m−あるいはp−ジアミノベンゼン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−、あるいは4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、2,7−ジアミノフルオレン、1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタレン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノピリジン、2,4−、あるいは2,6−ジアミノトルエン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、1,3−、あるいは1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、2−、あるいは4−アミノピペリジン、2−、あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−、あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン等の1級ポリアミン化合物、
【0127】
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジフェニルアミン、N−メチルアミン、N−エチルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジナフチルアミン、1−メチルピペラジン、モルホリン等の単官能2級アミン化合物、
【0128】
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジエチル−1,7−ジアミノヘプタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。また、上記アミン化合物は単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。また、例示化合物の内、ベンジルアミン、ピペラジン類はより好ましい化合物である。
【0129】
また、樹脂改質剤として添加を可能とするチオール化合物としては、メルカプト基以外にも少なくとも1個の硫黄原子を含有するものも含まれる。これらの具体例としては、単官能チオール化合物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、エチルフェニルメルカプタン、2−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、2−メルカプトメチル−1,4−ジチアン等の脂肪族メルカプタン化合物、チオフェノール、メルカプトトルエン等の芳香族メルカプタン化合物、
【0130】
2官能以上のポリチオール化合物としては、例えば、1,1−メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート) 、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、
【0131】
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、
【0132】
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール− sym−トリアジン等の複素環を含有したポリチオール、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物、
【0133】
ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、
【0134】
ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、
【0135】
3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、ビスムチオール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物、
【0136】
また、ヒドロキシ基を有するメルカプト化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、 3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。さらには、これらポリチオール化合物の塩素置換体、臭素置換体のハロゲン置換体を使用してもよい。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種類以上を混合して用いることもできる。これらチオール化合物のうち、得られる樹脂の屈折率を考慮すれば、ポリスルフィド系のポリチオール化合物が好ましい。炭素、水素、硫黄原子のみから構成されるポリチオール化合物であれば、より好ましい。得られる樹脂の耐熱性を考慮すれば、単可能よりもむしろ、2官能以上が好ましい。4官能以上であればより好ましい。この好ましいものの具体例としては、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンが挙げられる。
【0137】
本発明に係る樹脂改質剤としてのフェノール化合物類を含むヒドロキシ化合物類の具体例としては、単官能以上のモノまたはポリオールでありフェノール性水酸基も含む。分子内に硫黄原子を含有しているものも含まれる。具体的に単官能化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノニルアルコール、デカノール、ドデシルアルコール、セチルアルコール、イソトリデシルアルコール、ステアリルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、アリルアルコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、フェノキシエタノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、メチルシクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の脂肪族単官能アルコール化合物、
【0138】
フェノール、クレゾール、エチルフェノール、メトキシフェノール、エトキシフェノール、メトキシエチルフェノール、クミルフェノール、フェノキシフェノール、tert−ブチルフェノール、ナフトール等の芳香族単官能フェノール化合物、
【0139】
2官能以上のポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグリコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、マニトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ドルシトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロール、トリエチレングリコール、ポリエチレヌリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、ビシクロ[4,3,0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカンジオール、ビシクロ[4,3,0]−ノナンジメタノール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカンジエタノール、スピロ[3,4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ジブロモネオペンチルグリコール等のポリオールのほかにシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、ピロメリット酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール酸、ジカルボキシシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸等の有機多塩基酸と前記ポリオールの縮合反応生成物、前記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。さらには、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用してもよい。
【0140】
また、硫黄原子を含有するモノまたはポリオール化合物としては、例えばビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル]スルフィド、ビス[2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル]スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基あたり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)シクロヘキサン等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。さらには、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用してもよい。
【0141】
本発明の樹脂改質剤としてのイソ(チオ)シアネート化合物類の具体例としては、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、n−プロピルイソシアナート、イソプロピルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、sec−ブチルイソシアナート、tert−ブチルイソシアナート、ペンチルイソシアナート、ヘキシルイソシアナート、ヘプチルイソシアナート、オクチルイソシアナート、デシルイソシアナート、ラウリルイソシアナート、ミリスチルイソシアナート、オクタデシルイソシアナート、3−ペンチルイソシアナート、2−エチルヘキシルイソシアナート、2,3−ジメチルシクロヘキシルイソシアナート、2−メトキシフェニルイソシアナート、4−メトキシフェニルイソシアナート、α−メチルベンジルイソシアナート、フェニルエチルイソシアナート、フェニルイソシアナート、o−、m−、あるいはp−トリルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、ベンジルイソシアナート、イソシアナートメチルビシクロヘプタン等の単官能イソシアナート化合物、
【0142】
ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアナート化合物、
【0143】
イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアナート化合物、
【0144】
フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4−ジイソシアナート、ビス (イソシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート化合物、
【0145】
ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン等の含硫脂肪族イソシアナート化合物、
【0146】
ジフェニルスルフィド−2,4−ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソシアナートなどの芳香族スルフィド系イソシアナート化合物、
【0147】
ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソシアナート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3−ジイソシアナートなどの芳香族ジスルフィド系イソシアナート化合物、2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン等の含硫複素環化合物、
【0148】
その他にも、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオランなどが挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
【0149】
更に、イソチオシアナート化合物の具体例としては、メチルイソチオシアナート、エチルイソチオシアナート、n−プロピルチオイソシアナート、イソプロピルイソチオシアナート、n−ブチルイソチオシアナート、sec−ブチルイソチオシアナート、tert−ブチルイソチオシアナート、ペンチルイソチオシアナート、ヘキシルイソチオシアナート、ヘプチルイソチオシアナート、オクチルイソチオシアナート、デシルイソチオシアナート、ラウリルイソチオシアナート、ミリスチルイソチオシアナート、オクタデシルイソチオシアナート、3−ペンチルイソチオシアナート、2−エチルヘキシルイソチオシアナート、2,3−ジメチルシクロヘキシルイソチオシアナート、2−メトキシフェニルイソチオシアナート、4−メトキシフェニルイソチオシアナート、α−メチルベンジルイソチオシアナート、フェニルエチルイソチオシアナート、フェニルイソチオシアナート、o−、m−、あるいはp−トリルイソチオシアナート、シクロヘキシルイソチオシアナート、ベンジルイソチオシアナート、イソチオシアナートメチルビシクロヘプタン等の単官能イソチオシアナート化合物、
【0150】
1,6−ジイソチオシアナトヘキサン、p−フェニレンイソプロピリデンジイソチオシアナート等の脂肪族ポリイソチオシアナート化合物、
シクロヘキサンジイソチオシアナート、ジイソチオシアナトメチルビシクロヘプタン等の脂環族ポリイソチオシアナート化合物、
1,2−ジイソチオシアナトベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4−ジイソチオシアナト−1,1−ビフェニル、1,1−メチレンビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、1,1−メチレンビス(4−イソチオシアナト−2−メチルベンゼン)、1,1−メチレンビス(4−イソチオシアナト−3−メチルベンゼン)、1,1−(1,2−エタンジイル)ビス(イソチオシアナトベンゼン)、4,4−ジイソチオシアナトベンゾフェノン、4,4−ジイソチオシアナト−3,3−ジメチルベンゾフェノン、ジフェニルエーテル−4,4−ジイソチオシアナート、ジフェニルアミン−4,4−ジイソチオシアナート等の芳香族イソチオシアナート化合物、さらには、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、(2,2−ピリジン)−4,4−ジカルボニルジイソチオシアナート等のカルボニルイソチオシアナート化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
【0151】
また、イソチオシアナート基のほかに1個以上の硫黄原子を含有するイソチオシアナート化合物の具体例としては、チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)、チオビス(2−イソチオシアナトエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアナトエタン)等の含硫脂肪族イソチオシアナート化合物、1−イソチオシアナト−4−[(2−イソチオシアナト)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)等の含硫芳香族イソチオシアナート化合物、2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン等の含硫複素環化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。さらに、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
【0152】
更に、イソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物も挙げられる。1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン等の脂肪族、脂環族化合物、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン等の芳香族化合物、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン等の複素環式化合物、さらには、4−イソシアナト−4’−イソチオシアナトジフェニルスルフィド、2−イソシアナト−2’−イソチオシアナトジエチルジスルフィド等のイソチオシアナート基以外にも硫黄原子を含有する化合物等であるが、例示化合物に限定されるものではない。さらに、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
【0153】
本発明の樹脂改質剤としてのメルカプト有機酸化合物の好ましいものの具体例としては、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。また、上記メルカプト有機酸化合物は単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0154】
有機酸及びその無水物の好ましいものの具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の炭化水素系有機酸及びそのハロゲン、ニトロ、シアノ化体等の単官能有機酸および、トリフルオロ酢酸無水物、クロロ酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸無水物、メチルノルボルナン酸無水物、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物、フタル酸、コハク酸等の2官能有機酸、チオジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸等の含硫有機酸等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0155】
オレフィン類の好ましいものの具体例としては、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブチキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、
【0156】
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)、ジビニルスルフィド、ジビニルジスルフィド等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
【0157】
更に上記数種の樹脂改質剤はいずれも単独種でも2種類以上を混合して使用しても良い。樹脂改質剤の添加量としては、重合性組成物を構成する化合物の構造により異なり、一概に限定することは出来ないが、通常重合性組成物に対して、0.001wt%〜50wt%の範囲で添加することが可能である。添加量が0.005wt%〜25wt%であれば好ましい。0.01wt%〜15wt%であれば、より好ましい。
【0158】
本発明の式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物を含有する重合性組成物は、通常、公知の含硫環状化合物を重合する際の方法を用いて硬化させることが可能であり、硬化樹脂を得るための硬化触媒等の種類や量、単量体の種類や割合は重合性組成物を構成する化合物の構造により異なり、一概に限定する事はできないが、硬化触媒の種類としては本発明の樹脂改質剤以外のアミン類、ホスフィン類、有機酸およびその塩、エステル、無水物類、無機酸、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、3級スルホニウム塩類、2級ヨードニウム塩類、ルイス酸類、ラジカル重合触媒類、カチオン重合触媒類等が通常用いられる。
【0159】
硬化触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルジベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、α−、β−、あるいはγ−ピコリン、2,2’−ビピリジル、1,4−ジメチルピペラジン、ジシアンジアミド、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪族及び芳香族3級アミン類、
【0160】
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、
【0161】
トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸ソーダ、トリハロゲノ酢酸及びそのエステル、無水物、塩、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸ソーダ等のトリハロゲノメタンスルホン酸及びそのエステル、無水物、塩、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、
テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、
テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩、
トリメチルスルホニウムブロマイド、トリブチルスルホニウムブロマイド等の3級スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムブロマイド等の2級ヨード二ウム塩、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、塩化アルミ、フッ化アルミ、トリフェニルアルミ、アセチルアセトンアルミ、イソプロポキシドアルミ、テトラクロロチタン及びその錯体、テトラヨードチタン、ジクロロチタニウムジイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド等のチタン系アルコキシド、酢酸カルシウム、三フッ化硼素、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、三フッ化硼素ピペリジン錯体、三フッ化硼素エチルアミン錯体、三フッ化硼素酢酸錯体、三フッ化硼素リン酸錯体、三フッ化硼素t−ブチルメチルエーテル錯体、三フッ化硼素ジブチルエーテル錯体、三フッ化硼素THF錯体、三フッ化硼素メチルスルフィド錯体、三フッ化硼素フェノール錯体等の三フッ化硼素の各種錯体及び三塩化硼素の各種錯体等のトリハロゲン化硼素化合物及びそのコンプレックスなどのルイス酸、
【0162】
2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ砒酸、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のカチオン重合触媒が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
上記硬化触媒は単独でも2種以上を混合して用いても良く、これら硬化触媒の内、反応性の異なる2種以上のものを併用すると、モノマーのハンドリング性、得られる樹脂の光学物性、色相、透明性、光学ひずみ(脈離)が向上する場合があるため、好ましい。
【0163】
上記化合物のうち、好ましいものは、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン等の有機錫化合物、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸ソーダ、トリハロゲノ酢酸及びそのエステル、無水物、塩、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸ソーダ等のトリハロゲノメタンスルホン酸及びそのエステル、無水物、塩、三フッ化硼素、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、三フッ化硼素ピペリジン錯体、三フッ化硼素エチルアミン錯体、三フッ化硼素酢酸錯体、三フッ化硼素リン酸錯体、三フッ化硼素t−ブチルメチルエーテル錯体、三フッ化硼素ジブチルエーテル錯体、三フッ化硼素THF錯体、三フッ化硼素メチルスルフィド錯体、三フッ化硼素フェノール錯体等の三フッ化硼素の各種錯体及び三塩化硼素の各種錯体等のトリハロゲン化硼素化合物及びそのコンプレックスなどのルイス酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ砒酸、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のカチオン重合触媒であり、より好ましいものは、ジメチル錫ジクロライド、トリフルオロメタンスルホン酸及びその無水物、エステル、塩及び三フッ化硼素の各種錯体である。
【0164】
硬化触媒の添加量は、重合性組成物の総重量に対して0.001〜10wt%の範囲で用いられるが、0.01〜5wt%で用いると好ましい。0.005〜1wt%の範囲で使用すればより好ましい。硬化触媒の添加量がこの範囲内であれば、良好に硬化した樹脂の製造が可能であり、ポットライフが保たれ、また、得られる樹脂の透明性、光学物性が良好なものが得られる場合がある。硬化触媒は、本願記載の化合物に直接添加しても、他の化合物に溶解または分散させてから添加しても良いが、他の化合物に溶解または分散させてから添加した方が好ましい結果を与える場合がある。更には、硬化触媒を添加する場合、窒素雰囲気下または乾燥ガス雰囲気下で行うと好ましい結果を与える場合がある。更に得られる樹脂の性能をより引き出すためには、樹脂中に残存する未反応官能基の量を、樹脂総重量に対して0.5wt%以下とすると好ましい。0.3wt%以下とより好ましい。
【0165】
本発明の式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物を含有する重合性組成物を硬化し成形する際には、目的に応じて公知の成形法におけると同様に、前記以外の安定剤、樹脂改質剤、鎖延長剤、架橋剤、HALS系を代表とする光安定剤、ベンゾトリアゾール系を代表とする紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系を代表とする酸化防止剤、着色防止剤、アントラキノン系分散染料を代表とする染料、充填剤、シリコーン系を代表とする外部離型剤または酸性燐酸エステル、4級アンモニウム塩を代表とする内部離型剤、密着性向上剤などの種々の物質を添加してもよい。上記添加を可能とする各種添加剤の添加量は、それぞれの添加剤の種類、構造、効果により異なり一概に限定することは出来ないが、通常、重合性組成物の総重量に対して0.001〜10wt%の範囲で用いられるが、0.01〜5wt%の範囲で使用すると好ましい。染料については、この範囲ではなく、1ppb〜100ppmの範囲で使用すると好ましい。これらの範囲内であれば、良好に硬化した樹脂の製造が可能であり、得られる樹脂の透明性、光学物性が良好なものが得られる場合がある。
【0166】
本発明の組成物を硬化してなる樹脂(例えば、プラスチックレンズ)を得る際の代表的な重合方法としては、注型重合が挙げられる。即ち、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に、本発明の重合性組成物を注入する。注入操作は、特に問題のない限り通常の雰囲気下で行うと良いが、窒素雰囲気下または、乾燥ガス雰囲気下で行うとより良い結果を与える場合がある。モールド内を予め窒素ガスまたは乾燥ガスで置換しておいても良い。ここで重合性組成物には必要に応じて硬化触媒および樹脂改質剤を混合したり、脱泡操作などの10kPa以下での減圧処理、フィルター濾過等の操作を予め行っておいてもよい。次いで、オーブン中や水中など加熱可能装置内で加熱することにより硬化させ、樹脂を取り出すことができる。
【0167】
本発明の組成物を硬化してなる樹脂を得るための重合法、重合条件等は、用いる硬化触媒等の種類や量、単量体の種類や割合によって、一概に限定する事はできない。
【0168】
成型モールドに注入された本発明の重合性組成物の加熱重合条件は、本発明の式(1)で表される構造を有する化合物を含有する重合性組成物の組成及び構造により異なり一概に限定できず、また、樹脂改質剤の種類、硬化触媒の種類、成型モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定できないが、重合温度はおよそ−50〜200℃で行われるが、−20℃〜150℃が好ましい。0℃〜130℃の温度範囲では更に好ましい。重合時間は0.01〜100時間で行われるが、0.05〜50時間で行うと好ましい。0.1〜25時間かけて行えばより好ましい。場合によっては、温度条件を低温や昇温、降温などのプログラムを組み重合することも可能である。
【0169】
更には、本発明の組成物は、電子線や紫外線等のエネルギー線を照射することにより重合時間の短縮を図ることも可能である。この際には、ラジカル重合触媒やカチオン重合触媒等の硬化触媒等を添加しても良い。また、取り出した硬化樹脂については、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。アニール条件としては、硬化する重合性組成物を構成する化合物の構造、得られる樹脂の構造などにより異なり、一概に限定できないが、通常30℃〜200℃で行われるが、50℃〜150℃で行うと好ましい。70℃〜130℃で行えばより好ましい。
【0170】
更に、本発明の樹脂は、注型重合時の成型モールドを変えることにより種々の形態の成形体として得ることができ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)等の高屈折率や透明性の特長を生かした樹脂が要求される各種の用途に使用することができる。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として好適である。
【0171】
さらに、本発明の光学材料を用いたレンズでは、必要に応じ、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、あるいは、ファッション性付与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理等の物理的あるいは化学的処理を施すことができる。
【0172】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、得られた重合性組成物の熱安定性に関する試験は、重合性組成物を窒素下40℃にて、保温試験を行い、主成分の純度変化を測定し、一ヶ月後の純度低下が10%以上のものを安定性×、10%未満のものを安定性○とした。得られた硬化樹脂の性能試験のうち、光学物性、比重、光学歪み、耐衝撃性試験は以下の試験法により評価した。
【0173】
・屈折率(ne)アッベ数(νe):プルフリッヒ屈折計を用い20℃で測定した。
・比重 : アルキメデス法により20℃にて測定した。
・光学歪み : 高圧水銀灯下目視で観察した。
・耐衝撃性試験 : 中心厚およそ1.0mmのレンズ(−3D)に、高さ127cmの位置から16gの鉄球を落下させ、レンズの破損状態を確認した。レンズが破損したものは×、破損しなかったものは○とした。
【0174】
実施例1
攪拌機と温度計を備えた反応器中にチオ尿素190g、35%塩酸水253g、水250gを装入し攪拌しているところへ、滴下しながら3−チエタノール156gを装入し、30℃で24時間、攪拌しながら熟成を行った。次いで、30℃に維持しながら、24%アンモニア水177gを滴下しながら装入し、30℃にて、15時間攪拌しながら熟成を行った。静置後、有機層である下層134gを取り出した。取り出した下層を減圧下単蒸留を行い、106Paにて、40℃の留分を回収した。得られた留分は69gであり、3−メルカプトチエタン(以下、化合物Aと称す)であった。
【0175】
得られた、化合物Aの同定データーを以下に示す。
【0176】
【表1】
【0177】
【化30】
【0178】
実施例2
攪拌機と温度計を備えた反応器中に3−クロロチエタン(以下化合物Bと称す)163gとトルエン200gを装入し、攪拌しているところへ、70%水硫化ソーダ化合物60g、水60gと49%苛性ソーダ62gを反応することで得られた硫化ソーダ水溶液を5℃にて滴下しながら装入した。2時間熟成後、得られたトルエン層を酢酸と食塩の水溶液で水洗し、得られたトルエン層を硫酸マグネシウムで脱水した後、濃縮したところ、濃縮残渣135gを得た。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、ビス(3−チエタニル)スルフィド(以下、化合物Cと称す)84gであった。得られた化合物Cの安定性は○であった。
【0179】
得られた、化合物Cの同定データーを以下に示す。
【0180】
【表2】
【0181】
【化31】
【0182】
実施例3
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gとトルエン200gを装入し、攪拌しているところへ、12.7%次亜塩素酸ソーダ水溶液890gを10℃に維持しながら滴下し、装入した。10℃にて2時間熟成後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は148gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド(以下、化合物Dとする)であった。得られた化合物Dの安定性は○であった。
【0183】
得られた、化合物Dの同定データーを以下に示す。
【0184】
【表3】
【0185】
【化32】
【0186】
実施例4
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gを装入し攪拌しているところへ、27%ナトリウムメトキシド300gを10℃に保ちながら滴下し装入した。10℃にて1時間熟成の後、ジクロルメタン60gを100mlメタノールに溶解させたところへ、反応器内温を40℃に保ちながら滴下し装入した。40℃にて2時間熟成後、トルエン200mlおよび水400mlを装入し、抽出を行った。水層を廃棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は105gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、ビス(3−チエタニルチオ)メタン(以下、化合物Eとする)であった。得られた化合物Eの安定性は○であった。
【0187】
得られた、化合物Eの同定データーを以下に示す。
【0188】
【表4】
【0189】
【化33】
【0190】
実施例5
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gを装入し攪拌しているところへ、27%ナトリウムメトキシド300gを10℃に保ちながら滴下し装入した。10℃にて1時間熟成の後、ビス(クロロメチル)スルフィド92gを100mlメタノールに溶解させたところへ、反応器内温を40℃に保ちながら滴下し装入した。40℃にて2時間熟成後、トルエン200mlおよび水400mlを装入し、抽出を行った。水層を廃棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は164gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、ビス(3−チエタニルチオメチル)スルフィド(以下、化合物Fとする)であった。得られた化合物Fの安定性は○であった。
【0191】
得られた、化合物Fの同定データーを以下に示す。
【0192】
【表5】
【0193】
【化34】
【0194】
実施例6
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gを装入し攪拌しているところへ、27%ナトリウムメトキシド300gを10℃に保ちながら滴下し装入した。10℃にて1時間熟成の後、m−キシリレンジクロライド123gを100mlメタノールに溶解させたところへ、反応器内温を40℃に保ちながら滴下し装入した。40℃にて2時間熟成後、トルエン200mlおよび水400mlを装入し、抽出を行った。水層を廃棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は154gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン(以下、化合物Gとする)であった。得られた化合物Gの安定性は○であった。
【0195】
得られた、化合物Gの同定データーを以下に示す。
【0196】
【表6】
【0197】
【化35】
【0198】
実施例7
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gを装入し攪拌しているところへ、27%ナトリウムメトキシド300gを10℃に保ちながら滴下し装入した。10℃にて1時間熟成の後、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン152gを100mlメタノールに溶解させたところへ、反応器内温を40℃に保ちながら滴下し装入した。40℃にて2時間熟成後、トルエン200mlおよび水400mlを装入し、抽出を行った。水層を廃棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は182gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン(以下、化合物Hとする)であった。得られた化合物Hの安定性は○であった。
【0199】
得られた、化合物Hの同定データーを以下に示す。
【0200】
【表7】
【0201】
【化36】
【0202】
実施例8
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gと49%苛性ソーダ0.1gを装入し攪拌しているところへ、エピクロルヒドリン138gを5℃に維持しながら滴下し装入した。10℃にて2時間熟成後、トルエン200mlを装入し、25%苛性ソーダ320gを20℃に維持しながら滴下し装入した。20℃にて2時間熟成後、水層を廃棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は238gであった。濃縮残渣は3−(2,3−エポキシプロピルチオ)チエタン(以下、化合物Iとする)であった。
【0203】
攪拌機と温度計を備えた反応器中にチオ尿素80g、酢酸63g、水100gを仕込み攪拌しているところへ、化合物I165gを20℃に維持しながら滴下し装入した。3時間熟成後、トルエン100mlを装入し、25%アンモニア水72gを15℃に維持しながら滴下し装入した。2時間熟成後、水層を破棄した後、トルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、濃縮残渣は3−(2,3−エピチオプロピルチオ)チエタン(以下、化合物Jとする)であった。
【0204】
得られた、化合物Jの同定データーを以下に示す。
【0205】
【表8】
【0206】
【化37】
【0207】
実施例9
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gとアリルブロマイド181g、メタノール100mlを装入し攪拌しているところへ、28%ナトリウムメトキシド290gを5℃に維持しながら滴下し装入した。10℃にて2時間熟成後、トルエン500mlと水1000mlを装入し、攪拌の後、水層を破棄した後、得られたトルエン層を食塩水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は198gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、3−(アリルチオ)チエタン(以下、化合物Kとする)であった。化合物Kの安定性は○であった。
【0208】
得られた、化合物Kの同定データーを以下に示す。
【0209】
【表9】
【0210】
【化38】
【0211】
実施例10
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gとトルエン500mlを装入し攪拌しているところへ、3−クロロプロピオン酸クロライド180gとピリジン120gを35℃に維持しながら同時に滴下し装入した。40℃にて2時間熟成後、水1000mlを装入し、攪拌の後、水層を破棄した。得られたトルエン層を水で2回洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水した。得られたトルエン溶液は3−(3−クロロプロピオニルチオ)チエタン(以下、化合物Lとする)を含有する溶液であった。
【0212】
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物Lのトルエン溶液を装入し攪拌しているところへ、トリエチルアミン150gを20℃に維持しながら滴下し装入した。25℃にて2時間熟成後、トルエン100mlと水500gを装入し攪拌後、水層を破棄した後、トルエン層を水で2回水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後濃縮した。濃縮残渣は210gであった。この残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行った後、分析を行った結果、3−(アクリロイルチオ)チエタン(以下、化合物Mとする)であった。
【0213】
得られた、化合物Mの同定データーを以下に示す。
【0214】
【表10】
【0215】
【化39】
【0216】
実施例11
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A159gとトルエン500mlを装入し攪拌しているところへ、メタクリル酸クロライド136gとピリジン120gを10℃に維持しながら同時に滴下し装入した。10℃にて2時間熟成後、水1000mlを装入し、攪拌の後、水層を破棄した。得られたトルエン層を水で2回洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後、濃縮した。濃縮残渣は232gであった。濃縮残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトにて精製し、124gの液状物を得た。分析の結果、液状物は3−(メタクリロイルチオ)チエタン(以下、化合物Nとする)であった。
【0217】
得られた、化合物Jの同定データーを以下に示す。
【0218】
【表11】
【0219】
【化40】
【0220】
実施例12
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A106gとトルエン500ml、トリエチルアミン0.5gを装入し攪拌しているところへ、化合物M160gを10℃に維持しながら滴下し装入した。10℃にて2時間熟成後、重曹水溶液1000mlを装入し、攪拌の後、水層を破棄した。得られたトルエン層を水で2回洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後、濃縮した。濃縮残渣は220gであった。濃縮残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトにて精製し、184gの液状物を得た。分析の結果、液状物は1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン(以下、化合物Oとする)であった。化合物Oの安定性は○であった。
【0221】
得られた、化合物Oの同定データーを以下に示す。
【0222】
【表12】
【0223】
【化41】
【0224】
実施例13
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A106gとトルエン500ml、トリエチルアミン0.5gを装入し攪拌しているところへ、化合物N174gを10℃に維持しながら滴下し装入した。10℃にて2時間熟成後、重曹水溶液1000mlを装入し、攪拌の後、水層を破棄した。得られたトルエン層を水で2回洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水、濾過後、濃縮した。濃縮残渣は224gであった。濃縮残渣をヘキサン、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトにて精製し、196gの液状物を得た。分析の結果、液状物は1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルプロパン−1−オン(以下、化合物Pとする)であった。化合物Pの安定性は○であった。
【0225】
得られた、化合物Pの同定データーを以下に示す。
【0226】
【表13】
【0227】
【化42】
【0228】
実施例14
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A106gを装入したところへ、15%苛性ソーダ水溶液267gを10℃にて滴下しながら装入し、次いで、クロロ酢酸エチル125gを10℃にて滴下しながら装入した。室温にて1時間熟成した後、静置し分液させた。分液後の下層を取り出し、MeOH500ml溶解させた後、抱水ヒドラジン63gを10℃にて滴下しながら装入した後、40℃にて熟成を行った。熟成終了後室温にて一晩撹拌を行い、析出してきた結晶体を濾過の上取り出した。得られた濾塊を乾燥させたところ152gの白色結晶を得た。得られた白色結晶150gを15%塩酸250gへ分割装入した後、トルエントルエン300mlを装入した。次いで、30%亜硝酸ソーダ水溶液300gを5℃にて滴下しながら装入し、装入後熟成を行った。熟成終了後有機層を取り出し、5℃にて硫酸マグネシウムにて脱水し濾過したトルエン溶液を80℃のトルエン溶液へ滴下した。滴下終了後内温を110℃まで昇温し熟成を行った。熟成終了後トルエン溶液の濃縮を行い、濃縮残査89gを得た。得られた濃縮残査の単蒸留を行い、100Paにて88℃の留分72gを回収した。回収した留分の分析の結果、3−(イソシアナトメチルチオ)チエタン(以下、化合物Qとする)であった。化合物Qの安定性は○であった。
【0229】
得られた、化合物Qの同定データーを以下に示す。
【0230】
【表14】
【0231】
【化43】
【0232】
実施例15
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物A106gを装入したところへ、15%苛性ソーダ水溶液534gを10℃にて滴下しながら装入し、次いで、クロロエチルアミン塩酸塩127gを200gの水に溶解させた水溶液を10℃にて滴下しながら装入し、30℃にて2時間熟成した。熟成後静置の後、分液した下層158gを回収した。次いで回収した下層の単蒸留を行い60Paにて89℃の留分109gを回収した。回収した留分は、分析の結果、3−(アミノエチルチオ)チエタン(以下、化合物Rとする)であった。化合物Rの安定性は○であった。
【0233】
得られた、化合物Rの同定データーを以下に示す。
【0234】
【表15】
【0235】
【化44】
【0236】
実施例16
攪拌機と温度計を備えた反応器中に化合物R75gと30%苛性ソーダ水溶液70gを装入したところへ、二硫化炭素46gを40℃にて滴下しながら装入した。滴下後70℃にて1時間熟成後、トルエン200mlを装入した。次いで、クロロ蟻酸メチル57gを50℃にて滴下しながら装入し、滴下後2時間熟成した。次いで、反応液を静置し有機層を取り出した。取り出した有機層を硫酸マグネシウムで脱水した後、濾過、濃縮を行った。濃縮残査は92gであった。得られた濃縮残査の単蒸留を行い、130Paにて155℃の留分を回収した。回収した留分は、分析の結果、3−(イソチオシアナトエチルチオ)チエタン(以下、化合物Sとする)であった。化合物Sの安定性は○であった。
【0237】
得られた、化合物Sの同定データーを以下に示す。
【0238】
【表16】
【0239】
【化45】
【0240】
実施例17
室温20℃にてビーカーに化合物C30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてジメチル錫ジクロライド0.15gを仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好な無色なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.701、νe=36、比重=1.41であった。
【0241】
実施例18
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてジメチル錫ジクロライド0.15gを仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.739、νe=33、比重=1.47であった。
【0242】
実施例19
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてトリフルオロ酢酸0.09gを仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.738、νe=33、比重=1.47であった。
【0243】
実施例20
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.15gを窒素雰囲気下で仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.737、νe=33、比重=1.47であった。
【0244】
実施例21
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸エチル0.15gを窒素雰囲気下で仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.737、νe=33、比重=1.47であった。
【0245】
実施例22
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解後、触媒としてBF3・ジエチルエーテラート0.15gを窒素雰囲気下で装入し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.739、νe=33、比重=1.47であった。
【0246】
実施例23
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解後、触媒としてBF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で装入し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.739、νe=33、比重=1.47であった。
【0247】
実施例24
室温20℃にてビーカーに化合物D30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解後、触媒としてBF3・t−ブチルメチルエーテルコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で装入し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.739、νe=33、比重=1.47であった。
【0248】
実施例25
室温20℃にてビーカーに添加剤として4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン3gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物D30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液中に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.735、νe=33、比重=1.47であった。
【0249】
実施例26
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン3gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物D30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.736、νe=33、比重=1.47であった。
【0250】
実施例27
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン3gと化合物D30g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に、硬化触媒としてBF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で添加後混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.736、νe=33、比重=1.47であった。
【0251】
実施例28
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物D30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.738、νe=33、比重=1.47であった。
【0252】
実施例29
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物E30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.721、νe=35、比重=1.44であった。
【0253】
実施例30
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物F30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.734、νe=34、比重=1.45であった。
【0254】
実施例31
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物G30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.698、νe=30、比重=1.39であった。
【0255】
実施例32
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物H30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.702、νe=35、比重=1.41であった。
【0256】
実施例33
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物J30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.703、νe=36、比重=1.41であった。
【0257】
実施例34
室温20℃にてビーカーに窒素雰囲気下、化合物M30gに光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.15gを添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し、メタルハライドランプ(100W/cm)を使用して紫外線を300秒間照射して重合を行った。重合後室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.661、νe=35、比重=1.36であった。
【0258】
実施例35
室温20℃にてビーカーに窒素雰囲気下、化合物N30gに光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.15gを添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し、メタルハライドランプ(100W/cm)を使用して紫外線を300秒間照射して重合を行った。重合後室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.648、νe=36、比重=1.34であった。
【0259】
実施例36
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物O30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.684、νe=36、比重=1.38であった。
【0260】
実施例37
室温20℃にてビーカーに添加剤として1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1.5gに触媒BF3・THFコンプレックス0.15gを窒素雰囲気下で混合した後に、化合物P30gに紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを撹拌溶解した後に添加し、十分に攪拌し混合した。混合液に不溶物は観測されなかったが、得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.677、νe=37、比重=1.35であった。
【0261】
実施例38
室温20℃にてビーカーに4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン16.0g、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015g、BF3・ジエチルエーテラート0.2g、内部離型剤として、ZelecUN(酸性燐酸エステル)0.03g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを混合したところへ、化合物Q14.0gを添加し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.696、νe=35、比重=1.43であった。
【0262】
実施例39
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン15.8g、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015g、BF3・ジエチルエーテラート0.2g、内部離型剤として、ZelecUN(酸性燐酸エステル)0.03g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを混合したところへ、化合物Q14.2gを添加し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.726、νe=32、比重=1.49であった。
【0263】
実施例40
室温20℃にてビーカーに1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン14.5g、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03g、BF3・ジエチルエーテラート0.2g、内部離型剤として、ZelecUN(酸性燐酸エステル)0.03g、紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03gを混合したところへ、化合物S15.5gを添加し、十分に攪拌し混合した。得られた混合液を濾過し、不溶物を取り除いた後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明性に優れ、歪みのない外観良好なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.753、νe=26、比重=1.52であった。
【0264】
実施例41
実施例23、25、26、38、39で得られたレンズについて、耐衝撃性試験を行った。結果はいずれも○であった。
【0265】
比較例1
ポリエピスルフィド化合物として、特開平9−110979に記載の方法で合成したビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド(以下化合物Tと称す)を合成し、安定性試験を行った。その結果、安定性は×であった。室温20℃にてビーカーに化合物E30gと紫外線吸収剤としてバイオソーブ583(共同薬品社製)0.03g、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミド0.15gを仕込み、30分攪拌し粉体を十分に溶解した。得られた混合液を濾過した後、1.3kPa以下の減圧下十分に脱泡を行った。脱泡した液をガラスモールドとテープで成形されたモールド中へ注入し温度プログラミング可能の重合炉内へ入れ、30℃〜120℃まで徐々に昇温し、20時間で重合を行った。室温付近まで冷却後、ガラスモールドを離型し樹脂を得た。得られた樹脂は、透明なものであった。
得られた樹脂の光学物性及び比重を測定したところ、屈折率ne=1.704、νe=36、比重=1.41であった。
得られたレンズの耐衝撃性試験を行ったところ結果は×であり実施例41と比較すると耐衝撃性に劣っていた。
【0266】
【発明の効果】
本発明により、高屈折率分野における光学材料、特にポリエピスルフィド化合物を原料とする樹脂代替品としての高屈折率化に有用な化合物が得られ、また、その保存安定性の高さから、取り扱い性が非常によく、更には、得られる樹脂の光学物性が高い上に耐衝撃性も高く、特にメガネレンズの分野で高屈折率化、薄型化に貢献する。
Claims (16)
- 下記式(1)で表される構造を有する含硫環状化合物。
Yは硫黄原子、Rは、チア化されていてもよい置換または未置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは0〜3の整数を表す。
X1は、下記式(2)で表される部分構造のうち、R2からR7の内、いずれか一つを置き換えた構造を有する。X1で置き換えた以外の、R2からR7は、それぞれ独立に水素原子、または、置換または未置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
(ただし、下記式(14)に示す化合物を除く。))
- 前記式(1)中、R1が、水素原子、反応性末端基、または、反応性末端基を有する直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基及びそのチア体またはアラルキル基である、請求項1に記載の含硫環状化合物。
- 下記式(3)で表される構造を有する請求項1または2に記載の含硫環状化合物。
- 下記式(4)で表される構造を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の含硫環状化合物。
- 含硫環状化合物が3−メルカプトチエタン、3−(アクリロイルチオ)チエタン、3−(メタクリロイルチオ)チエタン、3−(2,3−エピチオプロピルチオ)チエタン、3−(アリルチオ)チエタン、3−(イソシアナトメチルチオ)チエタン、3−(アミノエチルチオ)チエタン、3−(イソチオシアナトエチルチオ)チエタンのいずれかである請求項1乃至4のいずれかに記載の含硫環状化合物。
- 下記式(5)で表される構造を有する含硫環状化合物。
- 含硫環状化合物がビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)スルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、ビス(3−チエタニルチオメチル)スルフィド、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,2−ビス(チエタニルチオメチル)ベンゼン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン−2−メチルのいずれかである請求項6乃至8のいずれかに記載の含硫環状化合物。
- 3−チエタノール及び/または3−ハロゲノチエタン及び/または3−メルカプトチエタンから誘導されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の含硫環状化合物の製造方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の含硫環状化合物を含有する重合性組成物。
- 請求項11に記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂。
- 請求項12に記載の樹脂からなる光学材料。
- 請求項11に記載の重合性組成物を注型重合することを特徴とする樹脂の製造方法。
- 請求項11に記載の重合性組成物を硬化触媒として、トリハロゲン化ホウ素系化合物及びそのコンプレックスまたは、トリハロゲノメタンスルホン酸及びそのエステル、無水物から選ばれる一つ以上の化合物を使用して硬化樹脂を得ることを特徴とする樹脂の製造方法。
- 請求項11に記載の重合性組成物に樹脂改質剤として、SH基及び/またはNH基及び/またはNH2基を1つ以上有する化合物から選ばれる一つ以上の化合物を添加して硬化樹脂を得ることを特徴とする樹脂の製造方法。
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