JP5157737B2 - 新規な含金属化合物 - Google Patents

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Description

本発明は屈折率の高い光学材料の原料である新規な重合可能なエピチオ基を有する化合物およびこれを重合して得られる硬化物を光学材料として使用することに関するものである。本光学材料は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、光学用接着剤、光学材料用基板、光学フィルム、光学フィルター、光学性能改善用塗膜、情報記録基板等の光学製品に有用である。
高屈折率材料開発を志向してエピチオ基と金属を有する化合物が提案されているが屈折率は低かった(特許文献1、2参照)。また、1,4,6,9−テトラチア−5−ゲルマ[4.4]ノナ−2,7−ジエンとビス(メルカプトメチル)−1,4,6,9−テトラチア−5−ゲルマ−スピロ[4.4]ノナンの共重合、テトラキス(エピチオプロピルチオ)錫の単独重合も提案されているが(特許文献3、4、5、6参照)着色するという問題があった。
特許3400406号公報 特許3705993号公報 特開2007−269648号公報 特開2007−269649号公報 特開2007−271744号公報 特開2006−169190号公報
本発明の課題は高屈折率を有し、かつ、色調が実用可能なレベルの光学製品を与えることができる新規な化合物および組成物並びに光学材料を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、一般式(1)で表される化合物
(式中、MはSn,GeまたはPbを表し、
Aは下記一般式(2)のエピチオ基を表す。
Rは水素またはC1〜C4の炭化水素基を表す。)
(式中、kは0または1を表し、mは1または2を表し、nは0または1を表す。)
で表される新規なエピチオ化合物、およびこれら化合物を含む組成物を重合硬化して得られる硬化物は高屈折率を有し、色調が実用可能な光学製品を提供できることを見出し本発明に至った。
一般式(1)で表される化合物を含む組成物により、高い屈折率を有しかつ、色調が実用可能な樹脂光学材料を得る事が可能となった。
本発明の一般式(1)により表される化合物は、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)または鉛(Pb)から選ばれる金属を含むテトラチアスピロノナン骨格に2個以上のエピチオ基が結合していることを特徴とするものである。
一般式(1)の化合物としては、以下の化学式(1-1)〜(1-10)の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物は、好ましくは化学式(1−1)または(1−2)の化合物である。
一般式(1)中のMはSn,GeまたはPbから選ばれるが、好ましくはSnまたはGeであり、より好ましくはSnである。
一般式(1)の化合物は、ジチオール化合物とハロゲン化金属化合物を原料として下記反応式(1)により製造することができる(実施例1参照)。
(式中、MはSn,GeまたはPbを表し、
Xは塩素(Cl),臭素(Br),またはヨウ素(I)を表し、
Aは下記一般式(2)の含エピチオ基を表す。
Rは水素またはC1〜C4の炭化水素基を表す。)
(式中、kは0または1を表し、mは1または2を表し、nは0または1を表す。)
反応式(1)での金属ハロゲン化合物とチオール化合物の使用量は通常、金属ハロゲン化合物1モルに対しチオール化合物が1〜5モルであるが、好ましくは1.5〜3モル、より好ましくは1.8〜2.2モルである
例示化合物(1−1)、(1−6)を製造する際には、ハロゲン化金属化合物、メルカプトメチルチイランを原料として、下記反応式(2)によっても製造することができる。
(式中、MはSn、Geを表し、XはCl、Br、Iを表す。)
反応式(2)での金属ハロゲン化物とメルカプトメチルチイランの使用量は通常、金属ハロゲン化物1モルに対しメルカプトメチルチイランが0.5〜10モルであるが、好ましくは2〜6モル、より好ましくは3.7〜4.3モルである。
反応式(1)および(2)は溶媒の存在または無溶媒下で、塩基の存在または非存在下で、金属ハロゲン化物およびチオール化合物を同時あるいは任意の順序で加熱あるいは冷却して行われる。また、反応後、洗浄、抽出、溶媒や不純物の留去、脱水、乾燥、ろ過および精製(抽出、クロマト分離、蒸留、再結晶)等を必要に応じて任意の順序で行ってもよい。
反応式(1) および(2)で用いられる溶媒としては、特に限定されるものでないがジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの含塩素系溶媒、石油エーテル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなど非プロトン性極性溶媒、水などがあげられる。
反応式(1) および(2)では反応を効率よく行うために生成するハロゲン化水素の補足剤として塩基を使用することが好ましい。塩基としては、特に限定されるものではないがトリエチルアミン、トリメチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、sec−ブチルアミン、ピリジン、ピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。
反応式(1) および(2)での反応温度は通常、−78℃〜200℃の範囲であり、好ましくは、−78℃〜100℃である。さらに好ましくは−78℃〜50℃である。
反応式(1) および(2)での反応時間は原料、塩基、反応温度等により影響されるが、通常1分〜100時間である。好ましくは、5分〜50時間であり、さらに好ましくは10分〜10時間である。
一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物は、硬化触媒の存在下あるいは非存在下に、加熱重合し樹脂を製造することができる。重合時に硬化触媒を使用する場合、硬化触媒としては、アミン類、ホスフィン類、第四級アンモニウム塩類、第四級ホスホニウム塩類、第三級スルホニウム塩類、第二級ヨードニウム塩類、鉱酸および鉱酸の半エステル類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、過酸化物類、アゾ系化合物類、アルデヒドとアミン系化合物の縮合物類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、酸性リン酸エステル類等をあげることができる。
先に一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物を重合硬化する際の硬化触媒を例示したが、重合硬化の効果を発現するものであればこれら列記化合物に限定されるものではない。また、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。本発明で使用する触媒の添加量は、一般式(1)で表される化合物を少なくとも一つ含む組成物100重量部に対して、0.0001〜10.0重量部であり、好ましくは0.0005〜5.0重量部である。
一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物には、色調・耐酸化性・耐候性等の色調改良、引張り強度・曲げ強度・アオリ強度・耐衝撃性等の機械的強度改良、屈折率改良、耐熱性改良、染色性改良、くもり・脈理等の外観改良等に各種性能の改善を目的として、組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物を性能改良剤として添加し、硬化重合することも可能である。この場合は、この反応のために必要に応じて重合硬化触媒を別途加える。また、本発明組成物の重合前に本発明組成物を除いた性能改良剤同士、または、性能改良剤と本発明組成物とにより、予備反応してもよい。この性能改良剤としては、例えば、色調改良にはチオール化合物等があげられ、機械的強度改良にはチオール化合物、イソシアネート化合物、イソチアシナネート化合物等があげられ、屈折率改良にはイオウ原子を有する無機化合物、含イオウ金属化合物、セレン原子を有する無機化合物があげられ、耐熱性改良にはチオール化合物、イソシアネート化合物等があげられ、染色性改良にはカルボン酸、メルカプトカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミド、1,3−ジケトン、1,3−ジカルボン酸、3−ケトカルボン酸およびそのエステル類、並びに不飽和基を有する化合物、チオール化合物、イソシアネート化合物等があげられ、外観改良にはエポキシ化合物、エピチオ化合物等があげられる。また、その他フェノール類を含むアルコール類、カルボン酸無水物類、片末端に官能基を有するポリブテン等も性能改良剤として添加することができる。これら化合物は、必要な物性が保持し得るまで問題の無い範囲で添加することができる。
性能改良剤としてのチオール化合物を例示すれば、具体例としては、メルカプタン類、チオフェノール類、およびビニル、芳香族ビニル、メタクリル、アクリル、アリル等の不飽和基を有するメルカプタン類、チオフェノール類等があげられる。以下さらに具体例を示す。
メルカプタン類の中でモノメルカプタン類を例示すれば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、アリルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、tert−ノニルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、4−クロロベンジルメルカプタン、メチルチオグリコーレート、エチルチオグリコーレート、n−ブチルチオグリコーレート、n−オクチルチオグリコーレート、メチル(3−メルカプトプロピオネート)、エチル(3−メルカプトプロピオネート)、3−メトキシブチル(3−メルカプトプロピオネート)、n−ブチル(3−メルカプトプロピオネート)、2−エチルヘキシル(3−エルカプトプロピオネート)、n−オクチル(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、2−メルカプトプロパノール、2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、2−フェニル−2−メルカプトエタノール、2−フェニル−2−ヒドロキシエチルメルカプタン、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール、メルカプトメチルチイラン等があげられる。
メルカプタン類の中でポリメルカプタン類を例示すれば、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,1−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、1,4−ジメルカプト−2,3−ジチアブタン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,4−チオフェンジチオール、1,2−ジメルカプト−3−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、グリセリルジチオグリコーレート、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チア−ヘプタン、1,2−エピチオ−6,7−ジメルカプト−4−チア−ヘプタン、3,11−ビス(4−メルカプト−2−チアブチル)−1,4,7,9,12,15−ヘキサチア−8−スタナ−スピロ[7.7]ペンタデカン、テトラキス(4−メルカプト−1,3−ジチアブチル)スズ、テトラキス(メルカプトメチルジチアニルメチルチオ)スズ、ビス(メルカプトメチル)−1,4,6,9−テトラチア−5−ゲルマ−スピロ[4.4]ノナン等およびこれらの2量体〜20量体といったオリゴマーをあげることができる。
チオフェノール類を例示すれば、チオフェノール、4−tert−ブチルチオフェノール、2−メチルチオフェノール、3−メチルチオフェノール、4−メチルチオフェノール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、2−ヒドロキシチオフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、4−ヒドロキシチオフェノール等のチオフェノール類をあげることができる。
不飽和基を有するメルカプタン類、チオフェノール類を以下に具体的に示す。
不飽和基を有するメルカプタン類としては、アリルメルカプタン、2−ビニルベンジルメルカプタン、3−ビニルベンジルメルカプタン、4−ビニルベンジルメルカプタン等があげられ、不飽和基を有するチオフェノール類としては、2−ビニルチオフェノール、3−ビニルチオフェノール、4−ビニルチオフェノール等をあげることができる。
性能改良剤のイソシアネート化合物を例示すれば、具体例としては、モノイソシアネート類、ポリイソシアネート類およびこれらのポリイソシアネート類のビュレット型反応による2量体、これらのポリイソシアネート類の環化3量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加物等がある。
モノイソシアネート類を例示すれば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、iso−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等があげられる。
ポリイソシアネート類を例示すればジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアネートメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートメチルノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタン、3,4−ジイソシアネートセレノファン、2,6−ジイソシアネート−9−セレナビシクロノナン、ビス(イソシアネートメチル)セレノファン、3,4−ジイソシアネート−2,5−ジセレノラン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナトヘキシル)イソシアヌル酸、ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(4−イソシアナート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナートメチル−4−イソシアナート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナート−2−チアプロピル)−1,4−ジチアン、1,3,5−トリイソシアナートシクロヘキサン、1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(イソシアネートメチルチオ)メタン、1,5−ジイソシアネート−2−イソシアネートメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアネートエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(イソシアネートメチルチオ)プロパン、1,1,6,6−テトラキス(イソシアネートメチル)−2,5−ジチアヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(イソシアネートメチル)−2,4−ジチアペンタン、1,2−ビス(イソシアネートメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン、1,5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン、テトライソシアナトゲルマニウム、テトラ(イソシアナトエチルチオ)ゲルマニウム、イソシアナトメチル(トリイソシアナト)ゲルマニウム,3−イソシアナトプロピル(トリイソシアナト)ゲルマニウム、トリ(ビニルチオ)イソシアナトゲルマニウム、ジ(ビニルチオ)ジイソシアナトゲルマニウム、ビニルチオトリイソシアナトゲルマニウム等があげられる。
イソチアシアネート化合物としては、上記に記載されているイソシアネート化合物中のイソシアネート基の全部または一部をイソチオシアネート基に変えた化合物等をあげることができる。
性能改良剤のイオウ原子を有する無機化合物を例示すれば、硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫化炭素、硫化アンモニウム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、チオ炭酸塩、硫酸およびその塩、硫化水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、過硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、二塩化硫黄、塩化チオニル、チオホスゲン等のハロゲン化物、硫化ホウ素、硫化窒素、硫化珪素、硫化リン、硫化砒素、硫化セレン、金属硫化物、金属水硫化物等があげられる。
性能改良剤の含硫黄金属化合物を例示すれば、1,4,7,9,12,15−ヘキサチア−8−スタナ−スピロ[7.7]ペンタデカン、1,4,7,9,12,15−ヘキサチア−8−ジルコニウム−スピロ[7.7]ペンタデカン、テトラキス(ジチオラニルメチルチオ)スズ、テトラキス(ジチオラニルメチルチオ)ジルコニウム、テトラキス(ジチアニルメチルチオ)スズ、テトラキス(ジチアニルメチルチオ)ジルコニウム、テトラキス(n−ブチルチア)スズ、テトラキス(n−ブチルチア)ジルコニウム、2,2−ジメチル−2−スタナ−1,3,6−トリチアシクロオクタン、2,2−ジ(n−ブチル)−2−スタナ−1,3,6−トリチアシクロオクタン、2,2−ジ(フェニル)−2−スタナ−1,3,6−トリチアシクロオクタン等があげられる。
性能改良剤のセレン原子を有する無機化合物の具体例としては、硫黄原子を含む無機化合物の具体例としてあげたセレノ硫化炭素と硫化セレンを除き、セレン、セレン化水素、二酸化セレン、二セレン化炭素、セレン化アンモニウム、二酸化セレン等のセレン酸化物、セレン酸およびその塩、亜セレン酸およびその塩、セレン酸水素塩、セレノ硫酸およびその塩、セレノピロ硫酸およびその塩、四臭化セレン、オキシ塩化セレン等のハロゲン化物、セレノシアン酸塩、セレン化ホウ素、セレン化リン、セレン化砒素、金属セレン化物等があげられる。
性能改良剤のカルボン酸類を例示すれば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、メチルメルカプトプロピオネート、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸等をあげることができる。
性能改良剤のメルカプトカルボン酸類を例示すれば、チオグリコール酸、2−チオプロピオン酸、3−チオプロピオン酸、チオ乳酸、メルカプトコハク酸、チオリンゴ酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプト安息香酸、2−メルカプトニコチン酸、3,3−ジチオイソ酪酸、ジチオグリコール酸、ジチオプロピオン酸等をあげることができる。
性能改良剤のヒドロキシカルボン酸類を例示すれば、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシプロピオン酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、α−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシ酢酸、γ−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸等があげられる。
性能改良剤のアミド類を例示すれば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ベンズアミド、トルアミド、4−ヒドロキシベンズアミド、3−ヒドロキシベンズアミド等をあげることができる。
性能改良剤の1,3−ジケトン類としては、アセチルアセトン、シクロヘキサン−1,3,5−トリオン等があげられ、性能改良剤の1,3−ジカルボン酸およびそのエステル類としては、マロン酸、2−メチルマロン酸等およびそれらのモノ、ジエステル類があげられ、性能改良剤の3−ケトカルボン酸およびそのエステル類としては、アセト酢酸およびそのエステル類等があげられる。
性能改良剤の不飽和基を有する化合物として、アルコール類、フェノール類、メルカプタン類、チオフェノール類、メルカプトアルコール類、カルボン酸類、アミド類がある。
不飽和基を有するアルコール類を例示すれば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1,3−ジメタクリロキシ−2−プロパノール、1,3−ジアクリロキシ−2−プロパノール、1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロパノール、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのペンタメタクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのペンタアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、シンナミルアルコール、4−ビニルベンジルアルコール、3−ビニルベンジルアルコール、2−(4−ビニルベンジルチオ)エタノール、2−(3−ビニルベンジルチオ)エタノール、1,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、1,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、2,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、2,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートビス(アクリレート)、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートビス(メタクリレート)、2−ヒドロキシエチルシアヌレートビス(アクリレート)、2−ヒドロキシエチルシアヌレートビス(メタクリレート)、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3オール、プロパギルアルコール等のモノヒドロキシ化合物があげられ、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノ(アクリレート)、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノ(メタクリレート)、2−ヒドロキシエチルシアヌレートモノ(アクリレート)、2−ヒドロキシエチルシアヌレートモノ(メタクリレート)等のポリヒドロキシ化合物があげられ、また、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン等の後述するエポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸の付加反応で生成する不飽和ポリヒドロキシ化合物等をあげることができる。
不飽和基を有するフェノール類としては、2−ビニルフェノール、3−ビニルフェノール、4−ビニルフェノール等をあげることができ、不飽和基を有すメルカプトアルコール類としては、2−(4−ビニルベンジルチオ)−2−メルカプトエタノール、2−(3−ビニルベンジルチオ)−2−メルカプトエタノール等をあげることができる。
不飽和基を有するカルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、マレイン酸、フマル酸、フタル酸モノアリルエステル、ケイ皮酸等をあげることができ、不飽和基を有するアミド類としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のα、β−不飽和カルボン酸類のアミド、N−ビニルホルムアミド等をあげることができる。
性能改良剤のエポキシ化合物としては、フェノール系エポキシ化合物、アルコール系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、アミン系エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物等をあげることができる。
フェノール系エポキシ化合物を例示すれば、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルフォン、ビスフェノールエーテル、ビスフェノールスルフィド、ビスフェノールスルフィド、ハロゲン化ビスフェノールA、ノボラック樹脂等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるフェノール系エポキシ化合物があげられる。
アルコール系エポキシ化合物を例示すれば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシ化合物があげられる。
グリシジルエステル系エポキシ化合物を例示すれば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の多価カルボン酸化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系エポキシ化合物があげられる。
アミン系エポキシ化合物を例示すれば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、1,2−、1,3−または1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−または1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、m−またはp−フェニレンジアミン、2,4−または2,6−トリレンジアミン、m−またはp−キシリレンジアミン、1,5−または2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン等の一級ジアミンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物があげられ、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル-1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル-1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−または2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)−メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)−エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)−ブタン等の2級ジアミンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物もあげられる。
脂環式エポキシ化合物を例示すれば、3,4−エポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクリヘキサンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−3,4−エポキシシクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等があげられる。
不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物を例示すれば、シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物があげられる。
また、上述の多価アルコール、フェノール化合物とジイソシアネートおよびグリシドール等から製造されるウレタン系エポキシ化合物等もあげることができる。
性能改良剤のエピチオ化合物の具体例としては、上記に記載されているエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全てをエピチオ化して得られるエピチオ化合物、1,2−エピチオ−6,7−ジメルカプト−4−チア−ヘプタン、メルカプトメチルチイランをあげることができる。
これら性能改良剤は、単独でも2種類以上を混合して使用しても良く、一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物100重量部に対して0.001〜100重量部で使用可能である。
本発明組成物にはこれらの性能改良剤ばかりでなく、さらには、一般式(1)の化合物のオリゴマー類、および一般式(1)の化合物合成時に用いた溶媒、塩基類、酸類等の洗浄剤類、未反応原料または副生成物も問題にならない範囲で含まれても良い。
一般式(1)で表される化合物を含む組成物を重合硬化して光学材料を得る際、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、重合調整剤、粘度調整剤、離型剤、密着剤等の添加剤を加え、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
これら添加剤の添加量は、組成および用いる性能改良剤の種類により調節されるが、一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物100部に対して0.0000001から20部添加される。
一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物を重合硬化して得られる光学材料は、本発明組成物に所望に応じて性能改良剤、添加剤を混合後、ガラスや金属製の型に注入し、加熱によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。本発明組成物、添加剤は、その一部または全量を注型前に触媒の存在または非存在下、撹拌または非撹拌下、−78〜200℃で、1分〜100時間かけて予備的に反応せしめた後組成物を調製して注型を行う事も可能である。
一般式(1)で表される化合物を含む本発明組成物、性能改良剤、添加剤の混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であればよいが、過度の加温・加熱および必要以上に長い処理時間は本発明組成物、性能改良剤、添加剤等の間で好ましくない反応が起こり、さらには粘度の上昇を来たし注型操作を困難にする等の不都合が生じるため適当ではない。本発明組成物、性能改良剤、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に脱ガス操作を行う事は、後の注型重合硬化中の気泡発生を防止する点からは好ましい方法である。この時の減圧度は0.1mmHgから700mmHg程度で行うが、好ましいのは10mmHgから300mmHgである。さらに、型への注入に際して、0.1〜5μm程度の孔径のミクロフィルター等で不純物等を濾過し除去することは本発明の光学材料の品質をさらに高める上からも好ましい。
硬化時間は0.1〜200時間、通常1〜100時間であり、硬化温度は−10〜160℃、通常−10〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間の保持、0.1℃〜100℃/hの昇温、0.1℃〜100℃/hの降温およびこれらの組み合わせで行うことができる。また、硬化終了後、材料を50から150℃の温度で10分から5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止、防曇性付与表面処理、防汚性付与表面処理等を行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、物性測定方法を以下に示す。
マススペクトル測定:日本電子製JMS−700を用いて、電解脱離法により測定した。
1H-NMR:日本電子製NMR装置LA−500を用いて測定した。
屈折率:アタゴ製アッベ屈折率測定機NAR−4Tを用い、D線での屈折率を25℃で測定した。
外観:φ30×2.5mm厚の硬化物を目視により観察。
実施例1
撹拌機、温度計、窒素導入管を装着したフラスコにテトラクロロスズ0.05モル、脱水ジエチルエーテル500mL、文献既知(特開2003-226718)の1,2−エピチオ−6,7−ジメルカプト−4−チアヘプタン(化学式4)0.1モルを仕込み、フラスコ内液温を10℃とした。そこへ、トリエチルアミン0.2モルをフラスコ内液温を10℃に保ちながら30分で滴下し、その後、10℃で2時間反応させた。反応後、副生したトリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液を0.2N−リン酸水溶液、続いて水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒のジエチルエーテルを除去して生成物を得た。この生成物をスチレンジビニルベンゼン共重合体固定相、クロロホルム移動相とした液体クロマトグラフィーにより生成物を分取し、13.5g(収率50%)得た。
上記生成の物構造決定のための各種分析結果を示す。
元素分析:
(1-1)化合物の理論値(%)(C,H,S)=(26.7,3.7,47.5)
分析値(%)(C,H,S)=(27.5、4.3,46.7)
マススペクトル分析:
(1-1)化合物の分子量理論値:540
分子量分析値:540

H-NMR(ppm):2.27(m、2H)、2.58(m、2H)、2.60(m、2H)、2.83(m、4H)、3.05(m、2H)、3.09(m、2H)、3.10(m、2H)、3.44(m、2H)、3.69(m、2H)
以上の結果より得られた生成物は、例示化合物(1−1)であることが分かった。
実施例2
実施例1で得た化合物(例示化合物(1−1))100重量部、テトラブチルホスホニウムブロマイド0.1重量部を混合し、減圧により脱泡し、重合用組成物とした。この組成物を2枚のガラス板とゴム製リングから構成される厚さ2.5ミリメートルのモールドに注入し、50℃で8時間加熱し、その後、50℃より10時間かけて100℃まで一定速度昇温させ、最後に100℃で2時間加熱し、重合硬化させた。50℃まで放冷後、モールドから離型し硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率、外観を表1に示す。
実施例3、実施例4および実施例5
例示化合物(1−1)の代わりに、表1に示す組成を使用する以外は実施例2を繰り返した。硬化物の屈折率、外観を表1に示す。
比較例1
例示化合物(1−1)の代わりに、表1に示す組成および重合触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド0.1重量部でなく、ジシクロヘキシルメチルアミン0.032部を混合し、減圧により脱泡し、重合用組成物とした。この組成物を2枚のガラス板とゴム製リングから構成される厚さ2.5ミリメートルのモールドに注入し、60℃で10時間、その後、90℃で5時間、さらに110℃で3時間加熱し、重合硬化させた。50℃まで放冷後、モールドから離型し硬化物を得た。硬化物の屈折率、外観を表1に示す。
比較例2
例示化合物(1−1)の代わりに、表1に示す組成および重合触媒として、テトラブチルホスホニウムブロマイド0.1重量部でなく、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.33部を混合し、減圧により脱泡し、重合用組成物とした。この組成物を2枚のガラス板とゴム製リングから構成される厚さ2.5ミリメートルのモールドに注入し、30℃から120℃まで20時間かけて昇温させ、重合硬化させた。50℃まで放冷後、モールドから離型し硬化物を得た。硬化物の屈折率、外観を表1に示す。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される化合物
    (式中、MはSn,GeまたはPbを表し、
    Aは下記一般式(2)のエピチオ基を表す。
    Rは水素を表す。)
    (式中、kは0または1を表し、mは1または2を表し、nは0または1を表す。)
  2. 一般式(1)でMがSnである請求項1記載の化合物。
  3. 一般式(1)で表される化合物を含む組成物。
  4. 請求項3記載の組成物を重合硬化させて得られる硬化物。
  5. 請求項3記載の組成物を重合硬化して得られる光学材料。
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