JP4599038B2 - エピスルフィド組成物の重合性を改良する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い屈折率および高い透明性が要求されるプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード等の光学材料等の樹脂分野に好適に使用される樹脂及びその樹脂の原料となる重合性組成物に関するものであり、特に眼鏡用プラスチックレンズの原料として好適に使用されるエピスルフィド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。プラスチックレンズ用樹脂には、さらなる高性能化が要求されてきており、高屈折率化、高アッベ数化、低比重化、高耐熱性化等が求められてきた。これまでにも様々なレンズ用樹脂素材が開発され使用されている。その中でも代表的な例として、ポリチオウレタンに使用されるチオールのイオウ含有率を上げる事により、屈折率の高いポリチオウレタン樹脂が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。さらに、更なる高屈折率化を目指し、高イオウ含有化合物であるエピスルフィド組成物からなるポリスルフィド樹脂(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6等参照)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−46213号公報
【特許文献2】
特開平4−161410号公報
【特許文献3】
特開昭63−188660号公報
【特許文献4】
WO−89/10575公報報
【特許文献5】
特開平9−110979公報
【特許文献6】
特開平11−322930公報
【0004】
しかし、上記公報に記載のエピスルフィド組成物の製造方法では反応条件により得られるエピスルフィド組成物の品質にばらつきがあり、特にエピスルフィド組成物を硬化させる際の重合性にばらつきが出る場合がある。重合性を示す尺度として、エピスルフィド組成物と硬化触媒を混合した後に観測される、硬化による熱量が発生する時間を用いることができる。エピスルフィド組成物に硬化触媒を混合した重合性組成物を一定温度で保温し、重合性組成物の内温を計測し、保温開始から組成物の内温が最大となるまでに経過した時間を測定し、この時間が所定時間の範囲内であれば、光学物性の良好な硬化樹脂が得られる。しかし製造方法の反応条件により得られるエピスルフィド組成物の重合性にばらつきが発生し、所定時間範囲よりも速くなったものでは、得られる硬化樹脂に脈離が発生する場合がある。また所定時間範囲よりも遅くなった場合では、硬化樹脂の色相悪化や光学物性の低下が見られ、満足しうる硬化樹脂を得ることができない場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、重合性の遅いエピスルフィド組成物を、良好な光学物性の硬化樹脂が得られる重合性に改良させるためのエピスルフィド組成物の精製方法を見出すことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行ってきた。その結果、重合性の遅いエピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して1×10−6〜1×10 −2 倍の物質量の塩基で、且つその塩基を含有する水溶液の濃度が1×10 −3 〜10.0wt%である、塩基性水溶液で処理することにより、重合性が改良されたエピスルフィド組成物を得ることを可能とする方法を見出し、本発明に至った。尚、本発明でいう塩基を含有する水溶液で処理する手法は重合性の遅いエピスルフィド組成物を、良好な光学物性の硬化樹脂が得られる重合性に改良させることが目的であり、特開2001−163874号公報及び、特開2001−163871号公報及び、特開2001−163872号公報等記載の反応溶液中の無機・有機塩を取り除くことが目的である水洗及び特開2001−163876号公報記載の硬化樹脂の白濁を抑制することが目的である有機溶媒による洗浄等とは全く別の目的であり、得られる効果も異なっている。
【0007】
即ち、本発明は
[1]下記式(1)
【0008】
【化4】
で表されるエピスルフィド化合物を含有するエピスルフィド組成物を、シリカゲルカラム精製した後、エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して、1×10−6〜1×10−2倍の物質量の塩基で、且つその塩基を含有する水溶液の濃度が1×10−3〜10.0wt%である、塩基性水溶液で処理することを特徴とするエピスルフィド組成物の重合性を改良する方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
重合性の遅いエピスルフィド組成物を、良好な光学物性の硬化樹脂が得られる重合性に改良させるためのエピスルフィド組成物の精製方法としては以下の方法が挙げられる。重合性の遅いエピスルフィド組成物を無溶媒あるいは溶媒で希釈した後、エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して1×10-6〜10.0倍の物質量の塩基を含有する水溶液と混合し撹拌する。本発明でいう処理とは、混合し撹拌することを意味する。処理後、水での洗浄、酸による中和、あるいは減圧下で塩基性化合物を取り除き、溶存溶媒を留去することで、重合性が改良されたエピスルフィド組成物を得ることができる。その後、特開2001−163873号公報記載のエピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物純度を向上させることが目的であるカラム処理及び、特開2001−163876号公報記載の硬化樹脂の白濁を抑制することが目的である有機溶媒による洗浄等の精製を行っても良い。尚、本発明での処理はエピスルフィド組成物製造時のいかなるタイミングで行なっても良い。
【0013】
本発明での処理に用いられる塩基性水溶液に含有している塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、燐酸一水素二ナトリウム、アンモニア等の無機塩基化合物及び、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ter−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、2,3−、あるいは4−メチルベンジルアミン、o−、m−、あるいはp−メチルアニリン、o−、m−、あるいはp−エチルアニリン、アミノモルホリン、ナフチルアミン、フルフリルアミン、α−アミノジフェニルメタン、トルイジン、アミノピリジン、アミノフェノール、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、メトキシエチルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2,2−ジエトキシエチルアミン等の単官能1級アミン化合物及び、エチレンジアミン、1,2−、あるいは1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−、m−あるいはp−ジアミノベンゼン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−、あるいは4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、2,7−ジアミノフルオレン、1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタレン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノピリジン、2,4−、あるいは2,6−ジアミノトルエン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、1,3−、あるいは1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、2−、あるいは4−アミノピペリジン、2−、あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−、あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン等の1級ポリアミン化合物及び、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジフェニルアミン、N−メチルアミン、N−エチルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジナフチルアミン、1−メチルピペラジン、モルホリン等の単官能2級アミン化合物及び、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジエチル−1,7−ジアミノヘプタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン化合物等及び、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルジベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、α−、β−、あるいはγ−ピコリン、2,2’−ビピリジル、1,4−ジメチルピペラジン、ジシアンジアミド、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪族及び芳香族3級アミン類等の有機塩基化合物が挙げられるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。
【0014】
これら塩基性化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。好ましいものは無機塩基化合物であり、より好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニアである。
【0015】
処理に用いる塩基性化合物の物質量は、エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して1×10−6〜1×10 −2 倍の物質量で用いられ、好ましくは、1×10−4〜1×10−2倍の物質量で用いられる。処理に用いる塩基性化合物の水溶液濃度は、好ましくは1×10 −3 〜10.0%の範囲で用いられる。
【0016】
エピスルフィド組成物は溶媒で希釈しても使用することができる。希釈する場合、用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ナフタリン、テトラリン、ビフェニル等の芳香族炭化水素化合物及び、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン、クロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物及び、エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類及び、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類及び、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類等が挙げられるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。
【0017】
これら溶媒は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0018】
処理温度は好ましくは−10℃〜50℃であり、より好ましくは0℃〜30℃である。処理時間は処理温度、組成比、不純物等の様々な要因により異なるが、1分〜24時間である。
【0020】
本発明に関わるエピスルフィド化合物を含む重合性組成物とは、分子内に1つ以上のエピチオ基を有するエピスルフィド化合物を少なくとも1種類含有する組成物である。これらの組成物には、これら化合物の2量体、3量体、4量体などのポリスルフィドオリゴマ−類、重合抑制剤として添加した無機酸類及び有機酸類、溶媒その他副生物等の有機化合物、無機化合物も問題にならない範囲で含まれる。
【0021】
本発明に関わるエピスルフィド化合物を含む重合性組成物は、主に得られる樹脂の屈折率等の光学物性の調節や耐衝撃性、比重等の諸物性を調節するためや、モノマーの粘度、その他の取扱い性を調整するためなど、樹脂の改良をする目的で、樹脂改質剤を加えることができる。
【0022】
樹脂改質剤としては、本発明に関わるエピスルフィド化合物を含む重合性組成物に含まれる以外のエピスルフィド化合物、アミン化合物、エポキシ樹脂、チオール化合物、メルカプト有機酸、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物、イソシアナート化合物、イソチオシアナート化合物が挙げられる。
【0023】
樹脂改質剤として添加を可能とするアミン化合物の好ましいものの具体例としては、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ter−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、2,3−、あるいは4−メチルベンジルアミン、o−、m−、あるいはp−メチルアニリン、o−、m−、あるいはp−エチルアニリン、アミノモルホリン、ナフチルアミン、フルフリルアミン、α−アミノジフェニルメタン、トルイジン、アミノピリジン、アミノフェノール、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、メトキシエチルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2,2−ジエトキシエチルアミン等の単官能1級アミン化合物及び、
エチレンジアミン、1,2−、あるいは1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,2−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−、m−あるいはp−ジアミノベンゼン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−あるいは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−、あるいは4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、2,7−ジアミノフルオレン、1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタレン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノピリジン、2,4−、あるいは2,6−ジアミノトルエン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、1,3−、あるいは1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、2−、あるいは4−アミノピペリジン、2−、あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−、あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン等の1級ポリアミン化合物及び、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジフェニルアミン、N−メチルアミン、N−エチルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジナフチルアミン、1−メチルピペラジン、モルホリン等の単官能2級アミン化合物及び、
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジエチル−1,7−ジアミノヘプタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン化合物等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらアミン化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0024】
エポキシ樹脂の好ましいものの具体例としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物及び、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物及び、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物及び、一級及び二級ジアミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等その他、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらエポキシ樹脂は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0025】
チオール化合物の好ましいものの具体例としてはメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトチオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトチオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス3−メルカプトプロピオネート)、1,1,1−トリメチルメルカプトエタン、1,1,1−トリメチルメルカプトプロパン、2,5−ジメルカプトメチルチオファン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス{(2−メルカプトエチル)チオメチル}−1,4−ジチアン、1,3−シクロヘキサンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン等の脂肪族チオール及び、
ベンジルメルカプタン、チオフェノール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,2,5−トリメルカプトベンゼン等の芳香族チオール等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらチオール化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。これら例示化合物のうち、1,2,3−トリメルカプトプロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチルー1,11−ジメルカプトー3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタンが好ましく、4,8−ジメルカプトメチルー1,11−ジメルカプトー3,6,9−トリチアウンデカンがより好ましい。
【0026】
メルカプト有機酸の好ましいものの具体例としては、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらメルカプト有機酸は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0027】
有機酸及びその無水物の好ましいものの具体例としては、チオジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸無水物、メチルナルボルナン酸無水物、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これら有機酸及びその無水物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0028】
オレフィン化合物の好ましいものの具体例としては、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブチキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物及び、
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物及び、
スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物及び、ジイソプロペニルベンゼン等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらオレフィン化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0029】
イソシアナート化合物の好ましいものの具体例としては、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、n−プロピルイソシアナート、イソプロピルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、sec−ブチルイソシアナート、tert−ブチルイソシアナート、ペンチルイソシアナート、ヘキシルイソシアナート、ヘプチルイソシアナート、オクチルイソシアナート、デシルイソシアナート、ラウリルイソシアナート、ミリスチルイソシアナート、オクタデシルイソシアナート、3−ペンチルイソシアナート、2−エチルヘキシルイソシアナート、2,3−ジメチルシクロヘキシルイソシアナート、2−メトキシフェニルイソシアナート、4−メトキシフェニルイソシアナート、α−メチルベンジルイソシアナート、フェニルエチルイソシアナート、フェニルイソシアナート、o−、m−、p−トリルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、ベンジルイソシアナート、イソシアナトメチルビシクロヘプタン等の単官能イソシアナート化合物及び、
ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアナート化合物及び、
イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアナート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンイソシアナート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアナート化合物及び、
フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4−ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート化合物及び、
ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン等の含硫脂肪族ポリイソシアナ−ト化合物及び、
ジフェニルスルフィド−2,4−ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソシアナート等の芳香族スルフィド系ポリイソシアナート化合物及び、
ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソシアナート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3−ジイソシアナート等の芳香族ジスルフィド系ポリイソシアナート化合物及び、
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン等の含硫複素環化合物等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらイソシアナート化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0030】
イソチオシアナート化合物の好ましいものの具体例としては、メチルイソチオシアナート、エチルイソチオシアナート、n−プロピルイソチオシアナート、イソチオプロピルイソシアナート、n−ブチルイソチオシアナート、sec−ブチルイソチオシアナート、tert−ブチルイソチオシアナート、ペンチルイソチオシアナート、ヘキシルイソチオシアナート、ヘプチルイソチオシアナート、オクチルイソチオシアナート、デシルイソチオシアナート、ラウリルイソチオシアナート、ミリスチルイソチオシアナート、オクタデシルイソチオシアナート、3−ペンチルイソチオシアナート、2−エチルヘキシルイソチオシアナート、2,3−ジメチルシクロヘキシルイソチオシアナート、2−メトキシフェニルイソチオシアナート、4−メトキシフェニルイソチオシアナート、α−メチルベンジルイソチオシアナート、フェニルエチルイソチオシアナート、フェニルイソチオシアナート、o−、m−、p−トリルイソチオシアナート、シクロヘキシルイソチオシアナート、ベンジルイソチオシアナート、イソチオシアナトメチルビシクロヘプタン等の単官能イソチオシアナート化合物及び、
ヘキサメチレンジイソチオシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソチオシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソチオシアナート、ブテンジイソチオシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソチオシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソチオシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソチオシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソチオシアナート、1,8−ジイソチオシアナト−4−イソチオシアナートメチルオクタン、ビス(イソチオシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソチオシアナトエチル)エーテル、リジンジイソチオシアナトメチルエステル、リジントリイソチオシアナート、キシリレンジイソチオシアナート、ビス(イソチオシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソチオシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソチオシアナート、ビス(イソチオシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソチオシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソチオシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソチオシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソチオシアナート、2,6−ジ(イソチオシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソチオシアナート化合物及び、
イソホロンジイソチオシアナート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアナート、シクロヘキサンジイソチオシアナート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソチオシアナート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンイソチオシアナート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアナート化合物及び、
フェニレンジイソチオシアナート、トリレンジイソチオシアナート、エチルフェニレンジイソチオシアナート、イソプロピルフェニレンジイソチオシアナート、ジメチルフェニレンジイソチオシアナート、ジエチルフェニレンジイソチオシアナート、ジイソチオプロピルフェニレンジイソチオシアナート、トリメチルベンゼントリイソチオシアナート、ベンゼントリイソチオシアナート、ビフェニルジイソチオシアナート、トルイジンジイソチオシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアナート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソチオシアナート、ビベンジル−4,4−ジイソチオシアナート、ビス(イソチオシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソチオシアナート、フェニルイソチオシアナトエチルイソチオシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソチオシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソチオシアナート等の芳香族ポリイソチオシアナート化合物及び、
ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトメチル)スルホン、ビス(イソチオシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソチオシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソチオシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソチオシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソチオシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソチオシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソチオシアナト−2−イソチオシアナトメチル−3−チアペンタン等の含硫脂肪族ポリイソチオシアナ−ト化合物及び、
ジフェニルスルフィド−2,4−ジイソチオシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソチオシアナート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソチオシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソチオシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソチオシアナート等の芳香族スルフィド系ポリイソチオシアナート化合物及び、
ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアナート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソチオシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソチオシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソチオシアナート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソチオシアナート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアナート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3−ジイソチオシアナート等の芳香族ジスルフィド系ポリイソチオシアナート化合物及び、
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン等の含硫複素環化合物等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。また、これらイソチオシアナート化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0031】
これら数種の樹脂改質剤はいずれも単独種でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0032】
本発明に関わる重合性組成物は、硬化触媒存在下あるいは不存在下に、加熱あるいは常温放置により重合がなされ、樹脂を製造することができる。ただし、硬化触媒不存在下では重合が良好に進行せず重合不良となるまたは重合しない場合がある。本発明に用いる硬化触媒としては本発明の樹脂改質剤以外のアミン類、ホスフィン類、ルイス酸類、ラジカル重合触媒類、カチオン重合触媒類等が通常用いられる。
【0033】
硬化触媒の好ましいものの具体例としては、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルジベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、α−、β−、あるいはγ−ピコリン、2,2’−ビピリジル、1,4−ジメチルピペラジン、ジシアンジアミド、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪族及び芳香族3級アミン類及び、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン等のホスフィン類及び、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、塩化アルミ、フッ化アルミ、トリフェニルアルミ、テトラクロロチタン、酢酸カルシウム等のルイス酸及び、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒及び、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ砒酸等のカチオン重合触媒等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。これら硬化触媒は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
【0034】
硬化触媒の添加量は、式(1)で示されるエピスルフィド化合物を含有するエピスルフィド組成物の総重量に対して好ましくは、0.001〜10.0wt%の範囲で用いられ、0.01〜1.0wt%の範囲がより好ましい。
【0035】
本発明の硬化樹脂を得るための代表的な重合方法としては、注型重合が挙げられる。即ち、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に、本発明に関わる重合性組成物を注入し、オーブン中や水中など加熱可能装置内で加熱することにより硬化させ、樹脂を取り出すことができる。ここで重合性組成物には必要に応じて硬化触媒および樹脂改質剤を混合しておいても良い。また必要に応じて脱泡等の処理を行っても何ら差し支えない。本発明の硬化樹脂を得るための重合法、重合条件等は、用いる硬化触媒等の種類や量、単量体の種類や割合によって、一概に限定する事はできない。
【0036】
成型モールドに注入された本発明に関わる重合性組成物の加熱重合条件は、式(1)で示される化合物、及び樹脂改質剤の種類、硬化触媒の種類、成型モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定できないが、およそ−50〜200℃の温度で0.1〜100時間かけて行われる。
【0037】
場合によっては、10℃から150℃の温度範囲で保持するかまたは徐々に昇温し、1〜80時間で重合させれば好ましい結果を与えることがある。
【0038】
更に本発明に関わる重合性組成物は、紫外線等の照射により重合時間の短縮を図ることも可能である。この際には、ラジカル重合触媒等の硬化触媒等を添加しても良い。
【0039】
本発明の樹脂の成形の際には、目的に応じて公知の成形法におけると同様に、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、染料、充填剤等の種々の物質を添加しても良い。
【0040】
取り出した樹脂成形体については、必要に応じてアニール等の処理を行っても良い。更に本発明の樹脂は、注型重合時の成型モールドを変えることにより種々の形態の成形体として得ることができ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード等の光学材料、透明樹脂としての各種の用途に使用することができる。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として好適である。
【0041】
更に本発明の光学材料を用いたレンズでは、必要に応じて、反射防止、高硬度付与、耐摩擦性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、ファッション性付与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理等の物質的あるいは化学的処理を施すことができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。実施例及び比較例については、下記式(7)で示されるビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(以下、化合物Aと略す)に基づく結果を記した。
【0043】
【化7】
【0044】
得られた樹脂の色相及び、重合性(発熱ピーク時間)の測定方法は以下の方法により行なった。
・色相 厚さ9mmの樹脂平板を作成し、色彩色差計(ミノルタ社製)において黄色度(以下YIと略す)を測定した。
・発熱ピーク時間 化合物Aを含有するエピスルフィド組成物30gに、硬化触媒としてN,N−ジシクロヘキシルメチルアミン0.03gとN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.006g、さらに樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチルー1,11−ジメルカプトー3,6,9−トリチアウンデカン3gを添加した重合性組成物を30℃で保温し、重合組成物の温度を計測し、保温開始から組成物の温度が最大となるまでに経過した時間(発熱ピーク時間)を測定した。発熱ピーク時間が6時間から9時間の範囲で は、良好な光学物性の硬化樹脂が得られる。
【0045】
製造例
撹拌棒と温度計を備えた1000mlの反応フラスコにチオ尿素81.6g(1.07mol)と89%ギ酸55.4g(1.07mol)と水209.4gを装入し、20℃に保温した後に、ビス(β−エポキシプロピル)ジスルフィド96.5g(94.1wt%、0.51mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後20℃で3時間撹拌した後に、メチルエチルケトン280.9g装入し、10%アンモニア水溶液191.6gを10℃に保温しながら、1時間かけて滴下した。滴下終了後10℃で3時間撹拌した。静置後下層の水層を廃棄し、有機層を1wt%酢酸水溶液で洗浄した。得られた有機層は溶媒を留去した後、1000mlのシクロヘキサンを加え、30分撹拌した後、シクロヘキサンに不溶解な成分を除去した。得られたシクロヘキサン溶液は粒径75〜150μmのシリカゲル(30g)を充填したカラム管(D/L=0.8)に、カラム系内おける溶液の滞留時間は30分で通過させた。シリカゲルカラム処理したシクロヘキサン溶液からシクロヘキサンを減圧留去することにより、化合物Aを含有する組成物80.6g(95.0wt%)が得られた。その後、イソプロピルアルコール25gを加え、15分間攪拌した。静置後下層を脱溶媒することで、化合物Aを含有する組成物79.8g(95.0wt%、0.36mol)が得られた。
以上の製造例で100バッチ製造を行い、各100バッチそれぞれの化合物Aを含有する組成物は以下の操作で重合を行った。
化合物Aを含有する組成物30gに、硬化触媒としてN,N−ジシクロヘキシルメチルアミン0.03gとN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.006g、さらに樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチルー1,11−ジメルカプトー3,6,9−トリチアウンデカン3gを添加して撹拌した。この混合溶液を成型モールドに注入し、30℃から120℃まで徐々に昇温し、24時間かけて重合を終了させた。
100バッチ中99バッチは発熱ピーク時間が6時間から9時間の範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。しかし1バッチのみ、得られた硬化樹脂のYI値は16.2と黄色みが強く、また発熱ピーク時間は14.1時間と、良好な光学物性の硬化樹脂が得られる発熱ピーク時間の範囲よりも遅かった。この重合性の遅い化合物Aを含有する組成物を組成物Bとする。
【0046】
実施例1
撹拌棒と温度計を備えた1000mlの反応フラスコに組成物B100g(95.0wt%、0.45mol)とメチルエチルケトン402.5gを混合し、溶解させた。内温を10℃で保ちながら撹拌したところに、滴下ロートで0.02wt%炭酸カリウム水溶液300.06g(4.3×10-4mol:エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して4.8×10-4倍の物質量)を30分間で滴下し、2時間攪拌した。静置後下層の水層を廃棄し、有機層を1wt%酢酸水溶液で洗浄した。得られた有機層は溶媒を留去した後、1000mlのシクロヘキサンを加え、30分撹拌した後、シクロヘキサンに不溶解な成分を除去した。得られたシクロヘキサン溶液は粒径75〜150μmのシリカゲル(30g)を充填したカラム管(D/L=0.8)に、カラム系内おける溶液の滞留時間は30分で通過させた。シリカゲル処理したシクロヘキサン溶液からシクロヘキサンを減圧留去し、イソプロピルアルコール25gを加え、15分間攪拌した。静置後下層を脱溶媒することで、化合物Aを含有する組成物99g(95.0wt%、0.45mol)が得られた。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は14.1で、発熱ピーク時間は7.0時間と所定時間範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。
【0047】
実施例2
「実施例1」の炭酸カリウムを炭酸水素カリウム(炭酸水素カリウム水溶液の濃度及び物質量は「実施例1」の炭酸カリウム水溶液の濃度及び物質量と同様)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は14.8で、発熱ピーク時間は7.2時間と所定時間範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。
【0048】
実施例3
「実施例1」の炭酸カリウムを炭酸ナトリウム(炭酸ナトリウム水溶液の濃度及び物質量は「実施例1」の炭酸カリウム水溶液の濃度及び物質量と同様)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は14.8で、発熱ピーク時間は6.7時間と所定時間範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。
【0049】
実施例4
「実施例1」の炭酸カリウムを炭酸水素ナトリウム(炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度及び物質量は「実施例1」の炭酸カリウム水溶液の濃度及び物質量と同様)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は15.2で、発熱ピーク時間は7.0時間と所定時間範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。
【0050】
実施例5
「実施例1」の炭酸カリウムをアンモニア(アンモニア水溶液の濃度及び物質量は「実施例1」の炭酸カリウム水溶液の濃度及び物質量と同様)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は14.7で、発熱ピーク時間は7.1時間と所定時間範囲内に収まり、良好な光学物性の硬化樹脂が得られた。
【0052】
比較例1
「実施例1」の0.02wt%炭酸カリウム水溶液300.06g(4.3×10-4mol:エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して4.8×10-4倍の物質量)を0.02wt%炭酸カリウム水溶液0.03g(0.4×10-7mol:エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して0.5×10-7倍の物質量)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。硬化樹脂のYI値は15.9で、発熱ピーク時間は14.0時間と重合性は改良されなかった。
【0053】
比較例2
「実施例1」の0.02wt%炭酸カリウム水溶液300.06g(4.3×10-4mol:エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して4.8×10-4倍の物質量)を30wt%炭酸カリウム水溶液4554g(9.9mol:エピスルフィド組成物中のエピスルフィド化合物のエピチオ基総物質量に対して11倍の物質量)に変更して、組成物B100gを「実施例1」と同様な操作で処理を行なった。しかし得られた組成物中の化合物A純度の著しい低下がみられた。また得られた組成物は「製造例」記載の重合処方で硬化を行なった。発熱ピーク時間は3.2時間と所定時間範囲よりも速くなり、得られた硬化樹脂には脈離が見られた。
【0054】
【発明の効果】
本発明により、エピスルフィド化合物を含有する重合性組成物の重合性を改良することができ、高い屈折率および高い透明性が要求されるプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード等の光学材料等の樹脂分野、特にメガネレンズの分野に貢献する。
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