JP2001163873A - エピスルフィド化合物の精製方法 - Google Patents

エピスルフィド化合物の精製方法

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JP2001163873A
JP2001163873A JP35069299A JP35069299A JP2001163873A JP 2001163873 A JP2001163873 A JP 2001163873A JP 35069299 A JP35069299 A JP 35069299A JP 35069299 A JP35069299 A JP 35069299A JP 2001163873 A JP2001163873 A JP 2001163873A
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episulfide compound
compound
bis
epithiopropylthio
column
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JP35069299A
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English (en)
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Nobuo Kawato
伸雄 河戸
Hiroyuki Morijiri
博之 森尻
Chitoshi Shimakawa
千年 島川
Akinori Ryu
昭憲 龍
Seiichi Kobayashi
誠一 小林
Yoshinobu Kanemura
芳信 金村
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学物性に優れ、非常に高い屈折率を有する
ポリスルフィド硬化樹脂の原料であるエピスルフィド化
合物の色相を改善するための精製方法を提供する。 【解決手段】 1分子内に下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜10の炭
化水素基または水素原子を示す。)で示される構造を1
個以上有するエピスルフィド化合物を該化合物に不活性
な有機溶媒に溶解し、D/L値(Dはカラム径、Lはカ
ラム長)が0.1〜2.0の範囲で、カラム系内おける
溶液の滞留時間が2時間以下の範囲でシリカゲル処理、
または糖類等のOH体吸着用活性炭等を用いて活性炭処
理した後、溶媒を溜去することで特定の不純物を除去し
た色相が改善されたエピスルフィド化合物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い屈折率および
高い透明性が要求されるプラスチックレンズ、プリズ
ム、光ファイバー、情報記録媒体用基板、フィルター、
発光ダイオード等の光学材料等の樹脂分野に好適に使用
される重合性組成物、特に眼鏡用プラスチックレンズの
原料として好適に使用されるエピスルフィド化合物の精
製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ、軽量で割れにくく、染色が可能なため、近年、眼鏡
レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してき
ている。これらのプラスチックレンズに要求され続けて
いる性能は光学性能としては高屈折率、高アッべ数、物
理的性質としては高耐熱性、低比重である。
【0003】これらの性能の内、高耐熱性、低比重につ
いては現在の高屈折率プラスチックレンズでも高いレベ
ルで実現されてきている。現在、これらの目的に広く用
いられる樹脂としては、ジエチレングリコールビス(ア
リルカーボネート)(以下、D.A.Cと称す)をラジ
カル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性に優
れていること、軽量であること、染色性に優れているこ
と、切削性および研磨性等の加工性が良好であること
等、種々の特長を有している。しかしながら、この樹脂
は、屈折率ndが1.50前後と低く、レンズの中心厚
やコバ厚が厚くなってしまい、より屈折率の高いレンズ
用樹脂が望まれていた。
【0004】D.A.C樹脂よりも屈折率を高くしたも
のとして、樹脂中に硫黄原子を導入した、ポリウレタン
樹脂(特開昭63−46213号公報等)や含硫O−
(メタ)アクリレ−ト樹脂(特開平1−128966号
公報、特開平3−217412号公報、特開平4−16
1410号公報等)やチオ(メタ)アクリレ−ト樹脂
(特開昭63−188660号公報、特開平3−590
60号公報等)が知られている。ポリチオウレタン樹脂
は、高屈折率で耐衝撃性が良好である等、バランスの優
れた樹脂である。
【0005】しかしながら、屈折率とアッベ数に関して
屈折率が上昇するほどアッベ数が低くなると言った相反
する物性であるため両方を同時に向上させることは非常
に困難である。そこで、アッベ数の低下を抑えながら、
高屈折率化を行う検討が盛んに行われている。
【0006】これらの検討の中で最も代表的な提案は、
WO−89/10575、特開平9−110979号公
報及び、特開平9−71580号公報及び、特開平9−
255781号公報及び、特開平11−183702号
公報及び、特開平11−189592号公報及び、特願
平11−068448公報で(チオ)エポキシ化合物を
使用する方法である。
【0007】上記記載の(チオ)エポキシ化合物は合成
時に副生する不純物により黄色く着色する場合があり、
着色した化合物を原料として重合した硬化樹脂も同様に
黄色くなり、眼鏡レンズその他の用途において要求性能
を十分に満足しない場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の光学物
性に優れ、非常に高い屈折率を有するポリスルフィド硬
化樹脂の原料であるエピスルフィド化合物の色相を改善
するための精製方法を見出すことを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を行ってきた。その結果、エピスル
フィド化合物の良好な精製方法を見出し、本発明に至っ
た。
【0010】即ち、本発明は1分子内に下記式(1)
【0011】
【化4】 (式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜10の炭
化水素基または水素原子を示す。)で示される構造を1
個以上有するエピスルフィド化合物を有機溶媒に溶解し
た後、D/L値(Dはカラム径、Lはカラム長を示す)
が0.1〜2.0の範囲で、カラム系内おける溶液の滞
留時間が2時間以下の範囲でシリカゲル処理、または活
性炭処理することにより、特定の不純物を除去して当該
化合物の色相を改善することを特徴とする精製方法及
び、1分子内に下記式(2)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R4、R5、R6、はそれぞれ炭素
数1〜10の炭化水素基または水素原子、R7は炭素数
1〜10の2価の炭化水素基を示す。)で示される構造
を1個以上有するエピスルフィド化合物を有機溶媒に溶
解した後、D/L値(Dはカラム径、Lはカラム長を示
す)が0.1〜2.0の範囲で、カラム系内おける溶液
の滞留時間が2時間以下の範囲でシリカゲル処理、また
は活性炭処理することにより、特定の不純物を除去して
当該化合物の色相を改善することを特徴とする精製方
法、前記式(1)又は(2)で示される構造を1個以上
有するエピスルフィド化合物が下記式(3)で表される
化合物である上記記載のエピスルフィド化合物の精製方
法、及び
【0014】
【化6】
【0015】前記シリカゲル処理を行った後に活性炭処
理を行う前記精製方法に関するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明でシリカゲル処理及び活性炭処理を
行うための展開溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキ
サン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イ
ソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン
などの飽和炭化水素化合物またはベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプ
ロピルベンゼン、ナフタリン、テトラリン、ビフェニル
などの芳香族炭化水素化合物または塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサ
クロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリク
ロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘ
キシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン、クロロトルエン、クロロナフタリンなどの
ハロゲン化炭化水素化合物またはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノ
ール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデ
カノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、ベンジ
ルアルコールなどのアルコール類またはエチルエーテ
ル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、メチルフェニルエ
ーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエー
テル、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類またはアセトン、メチルアセトン、エ
チルメチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケ
トン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピ
ルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類または酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢
酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、安息香
酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香
酸ブチル、安息香酸ベンジルなどのエステル類などであ
る。
【0018】これらは単独でも2種類以上を混合しても
使用することができる。単独で用いられるもの中で好ま
しいものは脂肪族炭化水素化合物であり、より好ましい
のはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン
などが挙げられる。
【0019】使用する溶媒の量は、得られたエピスルフ
ィド化合物の総重量に対して、0.1〜100倍の質量
比の範囲で用いられ、好ましくは0.5〜20倍の質量
比の範囲で用いられる。0.1倍以下の質量比の範囲に
おいては、エピスルフィド化合物の抽出効率が悪く、ま
た100倍以上の範囲においては作業性、経済性が悪
い。
【0020】本発明で用いられるシリカゲルの粒径は5
〜20μm、20〜40μm、40〜60μm、45〜
75μm、75〜150μm、150〜425μmなど
であり、好ましくは45〜75μm、75〜150μm
である。D/L値は0.1〜2.0の範囲で用いられ
る。使用するシリカゲルの量は、得られたエピスルフィ
ド化合物の総重量に対して、0.01〜2.0倍の質量
比の範囲で用いられ、好ましくは、0.1〜0.5倍の
質量比の範囲で用いられる。0.01倍以下の質量比の
範囲においては黄色の色相を持つ不純物を十分に除くこ
とができず、2.0倍以下の質量比の範囲においては作
業性が悪い。カラム系内おける溶液の滞留時間は2時間
以下の範囲で用いられ、好ましくは1時間以下の範囲で
用いられる。2時間以上の範囲においてはシリカゲルと
の接触時間が長くなることによりエピスルフィド化合物
の劣化が起こり、黄色の色相を持つ化合物が副生する。
【0021】本発明で用いられる活性炭は、糖類等のO
H体吸着用活性炭、金属Cr添着炭、気層メルカプタン
吸着炭、アルカリ添着炭などが挙げられる。使用する活
性炭の量は、エピスルフィド化合物を抽出した溶液の総
重量に対して、0.1〜50.0%の質量比の範囲で用
いられ、好ましくは、3.0〜7.0%の質量比の範囲
で用いられる。0.1%以下の範囲においては黄色の色
相を持つ不純物を十分に除くことができず、また50.
0%以上の範囲においては作業性が悪い。
【0022】エピスルフィド化合物に上記記載の有機溶
媒を混合し撹拌する。撹拌温度は−20℃〜50℃であ
り、好ましくは10℃〜30℃である。−20℃以下の
範囲においては抽出効率が悪く、50℃以上の範囲にお
いてはエピスルフィド化合物の劣化が促進され、収率及
び純度が低下する場合がある。撹拌時間は温度、化合物
の組成、不純物等の様々な要因により異なるが、約1分
〜24時間である。静置後、有機溶媒に溶解しない成分
は除去し、シリカゲルを充填したカラムに抽出した溶液
を通過させる。または、活性炭を充填したカラムで処理
する。処理した溶液の溶媒を留去することにより、色相
が改善されたエピスルフィド化合物が得られる。さら
に、抽出した溶液をシリカゲル処理後、活性炭処理する
ことで、より高純度のエピスルフィド化合物が得られ
る。
【0023】本発明によって精製したエピスルフィド化
合物は、光学物性に優れ、非常に高い屈折率を有する光
学用樹脂を与える。そのエピスルフィド化合物として
は、例えばビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β
−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−
エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−
ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビ
ス(βエピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、
1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、
1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、
1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチ
ルペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタ
ン、1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルチオ)
プロパン、2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)プ
ロパン、2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−1−(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,
5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エ
ピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,
5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタ
ン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサ
ン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)
−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チア
ヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−
ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)−4,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8
−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチア
オクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス
[{2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル}チオメ
チル]−2−(β−エピチオプロピルチオ)エタン、
1,1,2,2−テトラキス[{2−(β−エピチオプ
ロピルチオ)エチル}チオメチル]エタン、1,11−
ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β
−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチ
アウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビ
ス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−
エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチア
ウンデカン等の鎖状脂肪族のβ−エピチオプロピルチオ
化合物、及び、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロ
ピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(β−エピチ
オプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、
2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
1,4−ジチアン、2,5−ビス[{2−(β−エピチ
オプロピルチオ)エチル}チオメチル]−1,4−ジチ
アン等の環状脂肪族のβ−エピチオプロピルチオ化合
物、及び、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
ベンゼン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメ
チル)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピル
チオメチル)ベンゼン、ビス{4−(β−エピチオプロ
ピルチオ)フェニル}メタン、2,2−ビス{4−(β
−エピチオプロピルチオ)フェニル}プロパン、ビス
{4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル}スルフ
ィド、ビス{4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニ
ル}スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピ
ルチオ)ビフェニル等の芳香族β−エピチオプロピルチ
オ化合物等を挙げることができるが、これらの例示化合
物のみに限定されるものではない。これらの化合物は単
独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例及び比較例については、前記式(3)で示されるビス
(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(以下、化合物
Aと略す)に基づく結果を記した。
【0025】実施例1 化合物A100g(72.0質量%,0.34mol)
に1000mlのシクロヘキサンを加え、30分撹拌し
た後、シクロヘキサンに不溶解な成分を除去した。粒径
75〜150μmのシリカゲル(30g)を充填したカ
ラム管(D/L=0.8)に、カラム系内おける溶液の
滞留時間は30分で不溶成分を除去したシクロヘキサン
溶液を通過させた。シリカゲル処理したシクロヘキサン
溶液からシクロヘキサンを減圧留去することにより、純
度97.0質量%の化合物A(精製品)66.4g
(0.31mol)が得られた。処理した化合物A(精
製品)について色相を調べたところ、処理前の化合物A
と比べてYI値で23減少していた。
【0026】実施例2 化合物A100g(72.0質量%,0.34mol)
に1000mlのシクロヘキサンを加え、30分撹拌し
た後、シクロヘキサンに不溶解な成分を除去した。糖類
等のOH体吸着用活性炭(44g)を充填したカラム管
に、不溶成分を除去したシクロヘキサン溶液を通過させ
た。活性炭処理したシクロヘキサン溶液からシクロヘキ
サンを減圧留去することにより、純度86.7質量%の
化合物A(精製品)80.1g(0.33mol)が得
られた。処理した化合物A(精製品)について色相を調
べたところ、処理前の化合物Aと比べてYI値で17減
少していた。
【0027】実施例3 「CPG」(東洋カルゴン(株)製、糖類等のOH体吸
着用活性炭)、「FCA」(東洋カルゴン(株)製、金
属Cr添着炭)、「BPL」(東洋カルゴン(株)製、
気層メルカプタン吸着炭)、「IVP」(東洋カルゴン
(株)製、アルカリ添着炭)、「Sulfsorb」
(東洋カルゴン(株)製、金属Cr添着炭)を用いて、
実施例2と同様な処方で処理した。「FCA」、「BP
L」、「IVP」、「Sulfsorb」は化合物Aの
原料であるビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフ
ィド(下記式(4))を選択的に吸着した。それぞれの
吸着率は46.9,40.9,63.0,35.1%で
ある。「CPG」は化合物(4)(吸着率58.5%)
以外に、黄色の色相を持つ下記式(5)、(6)の化合
物をそれぞれ56.1、37.8%の吸着率で吸着し
た。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】実施例4 化合物A100g(72.0質量%,0.34mol)
に1000mlのシクロヘキサンを加え、30分撹拌し
た後、シクロヘキサンに不溶解な成分を除去した。粒径
75〜150μmのシリカゲル(30g)を充填したカ
ラム管(D/L=0.8)に、カラム系内おける溶液の
滞留時間は30分で不溶成分を除去したシクロヘキサン
溶液を通過させた。さらに、シリカゲル処理したシクロ
ヘキサン溶液を糖類等のOH体吸着用活性炭である「C
PG」(44g)を充填したカラム管に通過させた。活
性炭処理したシクロヘキサン溶液からシクロヘキサンを
減圧留去することにより、純度99.4質量%の化合物
A(精製品)65.6g(0.31mol)が得られ
た。処理した化合物A(精製品)について色相を調べた
ところ、処理前の化合物Aと比べてYI値で29減少し
ていた。
【0032】比較例1 使用するシリカゲルの量を30gから5gに変更した以
外は実施例1と同様な操作を行った。処理した化合物A
(精製品)について色相を調べたところ、処理前の化合
物Aと比べてYI値で10しか減少しなかった。
【0033】比較例2 カラム系内おける溶液の滞留時間を30分から3時間に
変更した以外は実施例1と同様な操作を行った。処理し
た化合物A(精製品)について色相を調べたところ、処
理前の化合物Aと比べてYI値で8しか減少しなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明により、光学物性に優れ、非常に
高い屈折率を有する光学用樹脂を与えるエピスルフィド
化合物の色相を改善することができ、高い屈折率および
高い透明性が要求されるプラスチックレンズ、プリズ
ム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダ
イオード等の光学材料等の樹脂分野、特にメガネレンズ
の分野でレンズの薄型に貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島川 千年 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 龍 昭憲 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 小林 誠一 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 金村 芳信 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内に下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜10の炭
    化水素基または水素原子を示す。)で示される構造を1
    個以上有するエピスルフィド化合物を有機溶媒に溶解し
    た後、D/L値(Dはカラム径、Lはカラム長を示す)
    が0.1〜2.0の範囲で、カラム系内おける溶液の滞
    留時間が2時間以下の範囲でシリカゲル処理、または活
    性炭処理することにより、特定の不純物を除去して当該
    化合物の色相を改善することを特徴とする精製方法。
  2. 【請求項2】 1分子内に下記式(2) 【化2】 (式中、R4、R5、R6、はそれぞれ炭素数1〜10の
    炭化水素基または水素原子、R7は炭素数1〜10の2
    価の炭化水素基を示す。)で示される構造を1個以上有
    するエピスルフィド化合物を有機溶媒に溶解した後、D
    /L値(Dはカラム径、Lはカラム長を示す)が0.1
    〜2.0の範囲で、カラム系内おける溶液の滞留時間が
    2時間以下の範囲でシリカゲル処理、または活性炭処理
    することにより、特定の不純物を除去して当該化合物の
    色相を改善することを特徴とする精製方法。
  3. 【請求項3】 前記エピスルフィド化合物が下記式
    (3)で表される化合物である請求項1又は2記載のエ
    ピスルフィド化合物の精製方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 前記シリカゲル処理の後、前記活性炭処
    理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載のエピスルフィド化合物の精製方法。
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