JP4766434B2 - 電力系統の脱調検出方法およびその装置 - Google Patents

電力系統の脱調検出方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の連係線の両側の発電機群の間に生ずる脱調を確実に検出できる電力系統の脱調検出方法および電力系統の脱調検出装置に関するものである。
従来、この種の電力系統の脱調検出装置は、周知のとおり、電力系統の連線の両側に設置されている発電機群の間に生ずる脱調を検出する装置として提供されている。
この電力系統の脱調検出装置は、いくつかの脱調検出方式を採用したものが提案されているが、インピーダンス変化から脱調を検出する方式と、送電線の両端電圧の位相差から脱調を検出する方式を採用したものが現在では主流である。
まず、インピーダンス変化から脱調を検出する方式を採用した電力系統の脱調検出装置について説明すると、インピーダンス変化から脱調を検出する方式には二重円方式あるいは3ゾーン方式がある。
二重円方式を採用した電力系統の脱調検出装置は、送電線の端子に設置した継電器のインピーダンス特性から脱調を検出するようにしたものである。これは、継電器が接地点からみるインピーダンスを2つの大小同心円に区分し、小さい円の内側にできる第1の領域と、小さい円の外側と大きい円の内側にできる第2の領域と、大きい円の外側にできる第3の領域とに分け、通常の運転状態では継電器がみるインピーダンスは大きい円の外側にできる第3の領域に位置している。電力系統が脱調すると、継電器がみるインピーダンスは、第3の領域から第2の領域、第2の領域から第1の領域へと緩慢に移行してゆくが、第2の領域に一定時間超えた後に第3の領域に移行したときに、脱調が発生したと判断するものである。
また、3ゾーン方式を採用した電力系統の脱調検出装置は、上記二重円方式と同様に、あらかじめ3つの領域(第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーン)を設定しておき、この状態において継電器が見るインピーダンスが緩慢に第1の
ゾーン、第2のゾーン、第3のゾーンと移行する際に、第2のゾーンに移動しているときに一定時間を超えた後に、第3のゾーンに移行したときに、脱調が発生したと判断するものである。
さらに、送電線の両端電圧の位相差から脱調を検出する方式を採用した電力系統の脱調検出装置は、送電線の両端電圧をそれぞれ検出し、各検出電圧を伝送手段で他の電圧検出地点に伝送し合い、両端電圧の位相角差が180度以上になったときに、当該検出地点において脱調が発生したと判断するものである。
しかしながら、インピーダンスの変化から脱調を検出しようとする電力系統の脱調検出装置によれば、各領域を各インピーダンスが通過する時間差から脱調を検出するものであるが、インピーダンスが通過する領域の決め方が困難であり、領域の決め方によっては、脱調ではないのに脱調と判断したり、脱調が発生しているのに脱調ではないと判断したりしまうことがあり、判断の信頼性が悪かった。
また、インピーダンスの変化から脱調を検出しようとする電力系統の脱調検出装置によれば、各領域の通過時間が短い場合には、脱調と判断できなくなることがあった。
さらに、送電線両端電圧の位相差から脱調を検出する電力系統の脱調検出装置によれば、送電線の両端電圧を伝送手段で伝送を行う必要があることから、設備費が増大化する。
このような不都合を解消した電力系統の脱調検出装置としては、電圧と電流の位相角差の測定間隔毎の変化分を求め、前記位相格差の測定間隔毎の変化分が所定の閾値以下のときに、前記位相角差が脱調判定用位相角差より大きいときに送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断するものである(特開平10−336883号公報(以下、従来技術という))。
この従来技術の電力系統の脱調検出装置によれば、従来のようにゾーンを設定したり、特別な伝送手段を用いる必要がなく、母線を含む送電線の電圧および電流を測定して高い判定精度で脱調を判定することができる。
しかしながら、上述した従来の技術の電力系統の脱調検出装置によれば、特定の位相角差になったときに、現実に脱調していないのにもかかわらず、脱調と判断するという不都合があった。
本発明は、上述した不都合を解消し、電力系統の連線の両側の発電機群の間に生ずる脱調を確実に検出できる電力系統の脱調検出方法およびその装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る電力系統の脱調検出方法は、電力系統から電圧と電流を取込み、これらを基に将来の電圧と電流の位相角差を推定し、この推定された位相角差から脱調を推定し、その推定結果から脱調と判断する電力系統の脱調検出方法において、電力系統の送電線から電圧および電流を取り込む第1のステップと、前記第1のステップで得た電圧および電流の平均値を算出する第2のステップと、前記第2のステップで算出した電圧の平均値の最大値および最小値を求めるとともに前記第2のステップで算出した電流の平均値の最大値と最小値を求め、これら最大値および最小値を記憶しておく第3のステップと、前記第1のステップで得た電圧および電流を基に、将来の判断時点の位相角差位相を推定し、その推定結果から脱調を推定する第4のステップと、将来の判断時点までの所定区間における電圧の平均値を推定する第5のステップと、将来の判断時点までの所定区間における電流の平均値を推定する第6のステップと、前記第4のステップで脱調と推定された場合に、前記第5のステップで推定した電圧の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記第6のステップで推定した電流の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する第7のステップとを備えたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項2記載の発明に係る電力系統の脱調検出装置は、電力系統から電圧と電流を取込み、これらを基に将来の電圧と電流の位相角差を推定し、この推定された位相角差から脱調を推定し、その推定結果から脱調と判断する電力系統の脱調検出装置において、電力系統の送電線から電圧および電流を取り込む電圧および電流取込手段と、前記電圧および電流取込手段で得た電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段で算出した電圧の最大値および最小値を求めるとともに前記平均値算出手段で算出した電流の平均値の最大値と最小値を求め、これら最大値および最小値を記憶しておく最大・最小判定記憶手段と、将来の判断時点までの所定区間における電圧の平均値を推定する電圧推定手段と、将来の判断時点までの所定区間における電流の平均値を推定する電流推定手段と、前記脱調推定手段で脱調と推定された場合に、前記電圧推定手段で推定した電圧の平均値が前記最大・最小判定記憶手段で記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記電流推定手段で推定した電流の平均値が前記最大・最小判定記憶手段で記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する脱調判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明に係る電力系統の脱調検出方法は、電圧と電流の位相角差に基づいて送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する電力系統の脱調検出方法において、電力系統の送電線の電圧および電流を取り込む第1のステップと、前記第1のステップで得た電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める第2のステップと、前記第1のステップで得た現在および過去の数時点の電圧および電流のを用いて二次関数に模擬した後、当該二次関数の係数を推定し、推定した係数が正で関数が下に凸なら最小値とし、推定した係数が負で関数が上に凸なら最大値とし、これらを記憶しておく第3のステップと、前記取り込んだ電圧および電流から位相角差を求める第4のステップと、前記第4のステップで得た位相角差が90度を超えた時点で、前記第2のステップで得た判断時点の測定電圧の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電圧の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記第2のステップで得た判断時点の測定電流の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統の間に脱調が発生したと判断する第5のステップと、を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項4記載に係る発明は、前記請求項3記載の電力系統の脱調検出方法において、前記第3のステップは、係数をAv,Bv,Cv、電圧をVとすると、V=Avt2+Bvt+Cvと模擬し、係数をAi,Bi,Ci、電流をIとすると、I=Ait2+Bit+Ciと模擬し、最小自乗法によって係数Av,Aiを推定し、係数Avが正で関数が下に凸ならば電圧Vは最小値とし、係数Aiが負で関数が上に凸ならば電流Iは最値とし、それぞれを記憶しておくことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明に係る電力系統の脱調検出装置は、電圧と電流の位相角差に基づいて送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する電力系統の脱調検出装置において、電力系統の送電線の電圧および電流を取り込む電圧および電流取込み手段と、前記電圧および電流取込み手段で得た電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める平均値算出手段と、前記電圧および電流取込み手段で得た現在および過去の数時点の電圧および電流のを用いて二次関数に模擬した後、当該二次関数の係数を推定し、推定した係数が正で関数が下に凸なら最小値とし、推定した係数が負で関数が上に凸なら最大値とし、これらを記憶しておく最大・最小推定記憶手段と、前記取り込んだ電圧および電流から位相角差を求める位相角差演算手段と、前記位相角差演算手段で得た位相角差が90度を超えた時点で、前記平均値算出手段で得た判断時点の測定電圧の平均値が前記最大・最小推定記憶手段で記憶しておいた電圧の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記平均値算出手段で得た判断時点の測定電流の平均値が前記前記最大・最小推定記憶手段で記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統の間に脱調が発生したと判断する脱調判定手段と、を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項6記載の発明は、前記請求項5記載の電力系統の脱調検出装置において、前記最大・最小推定記憶手段は、係数をAv,Bv,Cv、電圧をVとすると、V=Avt2+Bvt+Cvと模擬し、係数をAi,Bi,Ci、電流をIとすると、I=Ait2+Bit+Ciと模擬し、最小自乗法によって係数Av,Aiを推定し、係数Avが正で関数が下に凸ならば電圧Vは最小値とし、係数Aiが負で関数が上に凸ならば電流Iは最大値とし、それぞれを記憶しておくことを特徴とする。
請求項1および2記載の発明によれば、過去のデータから判断時点までの位相角差、電圧および電流を推定することにより、早めに脱調を判断できるので、脱調が発生に伴う弊害を早め対処することができる。
請求項3ないし6記載の発明によれば、従来のようにゾーンを推定したり、特別な伝送手段を用いることなく、母線を含む送電線の電圧および電流を測定して高い判定精度で脱調を判定でき、かつ、特定な条件になっても確実に脱調を判定することができるほか、電力系統の傾向に基づく判定ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態(請求項1および2に相当)]
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出方法および電力系統の脱調検出装置を説明するためのものである。
ここで、図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む電力系統全体を示すブロック図である。この図1において、電力系統1aは母線2aを介して送電線3の一端に接続され、また、電力系統1bは母線2bを介して送電線3の他端に接続されることにより、二つの電力系統1a,1bが送電線3で連係されることになる。また、送電線3に付した記号u,v,wは相の名称をであり、uはu相を、vはv相を、wはw相を示している。
ここで、u相,v相,w相の母線2aに電圧変成器4u,4v,4wの一次巻線を接続することにより、電圧変成器4u,4v,4wの二次巻線から送電線3の電圧Vu,Vv,Vwに比例した所定の電圧信号を取り出すことができる。また、u相,v相,w相の母線2aに変流器5u,5v,5wの一次側を設置することにより、変流器5u,5v,5wの二次巻線から送電線3に流れる電流Iu,Iv,Iwに比例した所定の電流信号を取り出すことができる。前記各電圧変成器4u,4v,4wの二次巻線と、前記各変流器5u,5v,5wの二次巻線とは電力系統の脱調検出装置6の入力部に接続されている。
前記電力系統の脱調検出装置6は、大別して、電圧および電流取込み手段であるアナログ・デジタル変換装置7と、電力系統の脱調検出プログラムを実行し前記アナログ・デジタル変換装置7から得た電圧・電流デジタルデータに基づいて脱調を判断するデジタル演算処理装置9とから構成されている。
アナログ・デジタル変換装置7は、前記各電圧変成器4u,4v,4wの二次巻線から得られた電圧信号を取込み、ノイズ等を除去して電圧信号の基本成分を取り出す電圧用フィルタ71u,71v,71wと、前記各変流器5u,5v,5wの二次巻線から得られた電流信号を取込み、ノイズ等を除去して電流の基本成分を取り出す電流用フィルタ72u,72v,72wと、電圧用フィルタ71u,71v,71wから得られた電圧の基本成分をサンプルホールド指令時点でサンプルホールドし当該サンプルホールドした電圧値をデジタル信号に変換する電圧用A/D変換手段73u,73v,73wと、電流用フィルタ72u,72v,72wから得られた電流の基本成分をサンプルホールド指令時点でサンプルホールドし当該サンプルホールドした電流値をデジタル信号に変換する電流用A/D変換手段74u,74v,74wとから構成されている。なお、以下では、説明を簡単にするため、1相のみについて説明する。
前記デジタル演算処理装置9は、少なくとも、各種の演算処理を実行する処理装置本体91と、所定のデータ入力に使用するキーボード92と、所定の指令などを行うためのマウス93と、前記処理装置本体91で処理された結果を表示するディスプレイ94とから構成されている。
前記処理装置本体91は、各種演算処理を行う中央演算処理ユニット11と、オペレーティングシステムや電力系統の脱調検出プログラムや各種一時データを記憶する主メモリ12と、入力装置用インターフェース13と、オペレーティングシステム等を主メモリ12に展開したり入出力デバイスの読み込みを行わせる基本プログラムが格納されたROM14と、ハードディスク用インターフェース15と、オペレーティングシステムや各種プログラム等を格納するハードディスク装置16と、A/D変換用インターフェース17と、ディスプレイ用インターフェース18と、これらを接続するバスライン19とから構成されている。
電圧用A/D変換手段73u,73v,73wおよび電流用A/D変換手段74u,74v,74wは、A/D変換用インターフェース17に接続されている。キーボード92およびマウス93は、入力装置用インターフェース13に接続されている。ハードディスク装置16は、ハードディスク用インターフェース15に接続されている。ディスプレイ94は、ディスプレイ用インターフェース18に接続されている。
ハードディスク装置16には、オペレーティングシステムと、本発明の電力系統の脱調検出方法および電力系統の脱調検出装置を実現させるための電力系統の脱調検出プログラムとが格納されている。
また、ハードディスク装置16からオペレーティングシステムと、前記電力系統の脱調検出プログラムとを読出して主メモリ12に展開し、これらプログラムを中央演算処理ユニット11が実行することにより、以下に説明する電力系統の脱調検出装置が実現され、これにより電力系統の脱調検出方法も実現される。
図2は、図1に示すデジタル演算処理装置によって実現された電力系統の脱調検出装置の機能ブロックを示すブロック図である。この図2において、図1と同一構成要素は同一の符号を付して説明を省略する。
この電力系統の脱調検出装置6は、既に説明したが、電力系統1aの送電線3の電圧および電流を母線2aから取込む電圧および電流取込み手段であるアナログ・デジタル変換装置7と、前記アナログ・デジタル変換装置7からのデジタル信号を取込み電力系統の脱調検出プログラムを実行するデジタル演算処理装置9とから構成されている。
デジタル演算処理装置9は、電力系統の脱調検出プログラムを実行することにより、前記アナログ・デジタル変換装置7で取り込んだ電圧および電流を記憶するサンプリングデータ記憶手段95と、前記サンプリングデータ記憶手段95からのデータを取り出し判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を測定する平均値算出手段96と、前記平均値算出手段96で得た電圧の平均値の最大値および最小値を求めるとともに電流の平均値の最大値と最小値を求め、これら最大値および最小値を記憶しておく最大・最小判定記憶手段97と、前記取り込んだ電圧および電流から実効電圧および実効電流を求め、これら実効電圧および実効電流に基づいて位相角差を算出する位相角差演算手段98と、この位相角差演算手段98の出力のうち、実効値を記憶する実効値データ記憶手段99と、前記位相角差演算手段98からの位相角差を記憶する位相角差データ記憶手段100と、前記位相角差データ記憶手段100からの位相角差を取込み、当該位相角差が90度を超えたと判断した場合に、その判断時点にける前記平均値算出手段95から得た現在の測定電圧の平均値が前記最大・最小判定手段97に記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心した一定の範囲に入っていて、かつ、当該判断時点における前記平均値算出手段95から得た現在の測定電流の平均値が前記最大・最小判定手段97に記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調と判断する脱調判定手段101とからなる。
なお、サンプリングデータ記憶手段95、最大・最小判定手段97の記憶エリアおよび実効値データ記憶手段99は、デジタル演算処理装置9が動作中の場合であって最新値は主メモリ12上に作成されており、一定時間経過した後には、ハードディスク装置16の所定のエリアに作成されている。
このように構成された電力系統の脱調検出装置の動作を図1および図2を基に、図3ないし図5を参照して説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置で処理される電圧および電流のサンプリング状態を説明するための図であり、横軸には時刻tを、縦軸には電圧Vおよび電流Iが取られている。図4は、電力系統において脱調発生前後の発電機内部電圧および母線電圧・送電線電流などのベクトル関係を説明するための図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置において処理される脱調判定を説明するための図であり、横軸には時刻tが、縦軸には、位相角差Δθ、電圧Vおよび電流Iがそれぞれ取られている。
電圧用フィルタ71u,71v,71wは、各電圧変成器4u,4v,4wを介して得られる電圧を取込み、ノイズ成分や高周波成分を除去し基本波成分を電圧用A/D変換手段73u,73v,73wに送出する。同様に、電流用フィルタ72u,72v,72wは、各変流器5u,5v,5wを介して得られた電流を取込み、ノイズ成分や高周波成分を除去し基本波成分を電流用A/D変換手段74u,74v,74wに送出する。以下では、1相分についてのみに着目して説明するものとする。
デジタル演算処理装置9からのサンプリング指令(例えば600[Hz]でサンプリング)を電圧用A/D変換手段73uおよび電流用A/D変換手段74uが受信すると、図3に示すように30度毎に電圧サンプル値Vm-2,Vm-1,Vm,…が電圧用A/D変換手段73uで、電流サンプル値Im-2,Im-1,Im,…が電流用A/D変換手段74uでサンプリングされる。このサンプリング値は、電圧用A/D変換手段73uでデジタル電圧に、電流用A/D変換手段74uでデジタル電流に、それぞれ変換される。ここで、図2において、mは現在のサンプリング時点、m−1は一つ前のサンプリング時点、m−2は前々回のサンプリング時点をそれぞれ示している。
これら電圧用A/D変換手段73uからのデジタル電圧および電流用A/D変換手段74uからのデジタル電流は、サンプリングデータ記憶手段95に格納される。なお、電圧用A/D変換手段73v,73wも、電流用A/D変換手段74v,74wも同様にサンプリングデータ記憶手段95に格納される。
位相角差演算手段98は、サンプリングデータ記憶手段95から前回と今回の電圧Vm-1,Vmと、電流Im-1,Imとを取り出し、次の数式(1),(2)に基づいて電圧実効値Vと電流実効値Iを求める。
2 =Vm2 +Vm-12 …(1)
2 =Im2 +Im-12 …(2)
上記数式により位相角差演算手段98で算出された電圧実効値Vと電流実効値Iは、実効値データ記憶手段99に格納される。
一方、平均値算出手段96は、サンプリングデータ記憶手段95から所定の期間の電圧および電流を取り出し、判断時点までの所定区間における電圧の平均値Vhと電流の平均値Ihを算出し、最大・最小判定手段97に与える。
最大・最小判定手段97は、前記平均値算出手段96で得た電圧の平均値の最大値Vhmaxおよび最小値Vhminを求めるとともに電流の平均値の最大値Ihmaxおよび最小値Ihminを求め、これら最大値(Vhmax,Ihmax)および最小値(Vhmin,Ihmin)を記憶する。
また、位相角差演算手段98は、実効値データ記憶手段99に記憶されている電圧Vおよび電流Iを基に下記数式(4)から位相角差を算出する。この数式(4)で位相角差が算出できる理由を説明する。ここで、位相角差をθとすると、電圧および電流の間ではと、次の数式(3)が成立する。
VIcos(θ)=V×Im+Vm-3×Im-3 …(3)
この数式(3)を変形すると、
θ=arc cos{(Vm×Im+Vm-3×Im-3)÷VI}…(4)
となり、数式(4)から位相角差θが算出できることが分かる。
この位相角差演算手段98で順次算出された位相角差θは、位相角差データ記憶手段100に格納される。
次に、図4を参照して位相角差θと図1に示す電力系統1a,1bとの関係を説明する。まず、二つの電力系統1a,1bは送電線3で連係されているので、これの説明を簡単にするために、図4(a)に示すように、発電機Gおよび発電機Sとなる電力系統とする。また、発電機Gの内部電圧をEG、発電機Sの内部電圧をESとする。また、母線2aをNで表し、母線Nの電圧をVとし、かつ、送電線をTLとし、送電線TLの電流をIとする。以上の約束の基に、電力系統の条件に応じて図4(b)ないし図4(d)の関係が成立する。
脱調前では、定常状態あるいは動揺中のいずれでも脱調となる前であれば、図4(b)に示すように、両発電機G,Sの内部電圧EG,ESの間の位相角差θは、180度以内である。また、一般に、送電線TLの抵抗値はリアクタンス値と比較してきわめて小さいので、抵抗を無視するものとする。
このとき、電流Iと発電機G,Sの間の電位差(EG−ES)はほぼ直交する。言い換えれば、ノードNの電圧Vと電流Iとの位相角差θは90度以下となる。
次に、脱調時点では、図4(c)に示すように、発電機G,Sの間の電圧EG,ESの位相角差が拡大し、180度となると、脱調と判断する時点では母線電圧Vと送電線電流Iは直交し、位相角差θは90度となる。
さらに、脱調した後では、図4(d)に示すように、両発電機G,Sの間の電圧EG,ESは180度を超え、母線電圧Vと送電線電流Iとの位相角差θは90度以上になり、脱調となる。
この図4に示すベクトル関係は、発電機G,Sの電圧EG,ESを用いたが、送電線3の両端の母線2a,2bの電圧関係でも同じである。
したがって、脱調判定手段101は、上述した関係を利用し、位相角差データ記憶手段100から取り出した位相角差データを基に、図5に示すように、当該位相角差θが90度を超えたと判断した場合に、その判断時点tr にける前記平均値算出手段96から得た現在時点の測定電圧の平均値Vhが前記最大・最小判定手段97に記憶しておいた電圧の平均値の最小値Vhminを中心した一定の範囲に入っていて、かつ、当該判断時点trにおける前記平均値算出手段96から得た現時点の測定電流の平均値Ihが前記記憶しておいた電流の平均値の最大値Ihmaxを中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線3の両側の電源系統1a,1bに脱調が発生したと判断している。
したがって、本発明の第1の実施の形態によれば、上述したとおり、電圧Vの平均値Vhの最大値Vhmaxおよび最小値Vhminを求めるとともに電流Iの平均値Ihの最大値Ihmaxと最小値Ihminを求め、これら最大値および最小値を記憶しておき、前記電圧Vおよび電流Iから位相角差θを求め、当該位相角差θが90度を超えた場合に、測定電圧の平均値Vhが前記記憶しておいた電圧Vの平均値の最小値Vhminを中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、当該判断時点の測定電流Iの平均値Ihが前記記憶しておいた電流の平均値の最大値Ihmaxを中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断しているので、90度の時点で脱調が確実に判定でき、かつ、あらかじめゾーンの設定や、通信網を用いることなく、確実に母線を含む送電線の両端の発電機群の脱調を検出することができる。
[第2の実施の形態(請求項3および4に相当)]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む系統全体を示す図である。
本発明の第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6aでも、図1に示すハードウエアを利用する。すなわち、この第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6aは、アナログ・デジタル変換装置7と、デジタル演算処理装置9aとから構成されることになる。
この第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6aが第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6と異なるところは、デジタル演算処理装置9aが第2の実施の形態を4実現するための電力系統の脱調検プログラムを実行することにより、実現される点にある。したがって、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
この第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6aのデジタル演算処理装置9aは、図6に示すように、サンプリングデータ記憶手段95と、平均値算出手段96と、最大・最小判定記憶手段97と、位相角差演算手段98と、実効値データ記憶手段99と、位相角差データ記憶手段100と、前記位相角差データ記憶手段100から順次取り出したデータを基に、将来の判断時点の位相角差位相を推定し、その推定結果から脱調を推定する脱調推定手段105と、前記平均値算出手段96から順次取り出した電圧データを基に判断時点の電圧の平均値を推定する電圧推定手段106と、前記平均値算出手段96から順次読み出した電流データを基に判断時点の電流の平均値を推定する電流推定手段107と、前記脱調推定手段105によって判断時点で脱調と推定された場合に、前記推定した電圧の平均値が前記最大・最小判定記憶手段97に記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記予測した電流の平均値が前記最大・最小判定記憶手段97に記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する脱調判定手段108とから構成されている。
脱調推定手段105は、過去の複数時点の位相角差を用いて、位相角差が例えば二次予測式であれば、二次予測式のパラメータを推定する位相格差パラメータ推定手段1051と、この位相格差パラメータ推定手段1051で推定されたパラメータを持つ二次予測式で、将来の時刻に対する位相角差θを予測する位相角差予測手段1052と、前記位相角差予測手段1052で予測される位相角差θと脱調判定用位相角差θcとを用いて脱調を予測する脱調予測手段1053とからなる。
このように構成された電力系統の脱調検出装置6aの動作を説明する。
母線2aの電圧および電流を取込み、アナログ・デジタル変換装置7でデジタル電圧およびデジタル電流に順次変換し、デジタル演算処理装置9aのサンプリングデータ記憶手段95に記憶させる。
また、このサンプリングデータ記憶手段95から順次読み出した電圧および電流を基に、位相角差演算手段98で数式(1)および(2)に基づいて実効電圧Vおよび実効電流Iを算出し、実効値データ記憶手段99に格納する。
位相角差演算手段98は、実効値データ記憶手段99から順次読み出された実効電圧Vおよび実効電流Iを基に、数式(4)により位相角差θを算出し、位相角差データ記憶手段100に記憶させる。
一方、サンプリングデータ記憶手段95から順次デジタル電圧およびデジタル電流を読出し、平均値算出手段96により所定期間の電圧の平均値および電流の平均値を算出し、最大・最小判定記憶手段97に与える。最大・最小判定記憶手段97は、電圧および電流の平均値の最大値および最小値をそれぞれ求め、記憶しておく。
また、電圧推定手段106は、前記平均値算出手段96から得られた電圧の平均値の過去の推移から将来の判断時点の電圧の平均値を推定し、脱調判定手段108に与える。
同様に、電流推定手段107は、前記平均値算出手段96から得られた電流の平均値の過去の推移から将来の判断時点の電圧の平均値を推定し、脱調判定手段108に与える。
さらに、最大・最小判定記憶手段97に記憶されていた電圧の平均値の最小値と、電流の平均値の最大値とは、脱調判定手段108に与えられる。
また、脱調推定手段105の位相格差パラメータ推定手段1051により、過去の複数時点の位相角差を用いて、位相角差が例えば二次予測式であれば、二次予測式のパラメータを推定し、この位相格差パラメータ推定手段1051で推定されたパラメータを持つ二次予測式で位相角差予測手段1052により、将来の判定時刻に対する位相角差θを予測し、前記位相角差予測手段1052で予測される位相角差θと脱調判定用位相角差θcとを用いて脱調予測手段1053で脱調を予測し、その予測結果を脱調判定手段108に与える。
脱調判定手段108は、前記脱調推定手段105によって判断時点で脱調と推定された場合に、前記電圧推定手段106で推定した電圧の平均値が前記最大・最小判定記憶手段97に記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記電流推定手段107で予測した電流の平均値が前記最大・最小判定記憶手段97に記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する。
このように第2の実施の形態によれば、将来の判断時点での位相角差、電圧および電流を用いることにより脱調を早めに予測できるので、脱調による弊害に早めに対処できる。
[第3の実施の形態(請求項5ないし8に相当)]
図7および図8は、本発明の第3の実施の形態を説明するためのものである。ここに、図7は、本発明の第3の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む系統全体を示す図である。
本発明の第3の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6bでも、図1に示すハードウエアを利用する。すなわち、この第3の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置6bは、アナログ・デジタル変換装置7と、デジタル演算処理装置9bとから構成されることになる。
前記デジタル演算処理装置9bは、電力系統の脱調検出プログラムを実行することにより、前記アナログ・デジタル変換装置7で取り込んだ電圧および電流を記憶するサンプリングデータ記憶手段95と、前記電圧および電流取込み手段で得た電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める平均値算出手段96と、前記サンプリングデータ記憶手段95からの電圧のデータおよび電流のデータを取り出し、当該電圧データおよび電流データをそれぞれ二次関数の形式に模擬し、当該二次関数の係数を推定し、係数が負で関数が下に凸ならば最小値あるいは係数が正で関数が上に凸なら最大値と推定し記憶する最大・最小推定記憶手段130と、前記取り込んだ電圧および電流から電圧実効値および電流実効値を求め、これら電圧実効値および電流実効値に基づいて位相角差を算出する位相角差演算手段98と、この位相角差演算手段98の出力のうち、実効値を記憶する実効値データ記憶手段99と、前記位相角差演算手段98からの位相角差を記憶する位相角差データ記憶手段100と、前記位相角差データ記憶手段100からの位相角差を取込み、当該位相角差が90度を超えたと判断した場合に、その判断時点にける前記平均値算出手段95から得た現在の測定電圧の平均値が前記最大・最小推定記憶手段130に記憶しておいた電圧の最小値を中心した一定の範囲に入っていて、かつ、当該判断時点における前記平均値算出手段95から得た現在の測定電流の平均値が前記最大・最小推定記憶手段130に記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調と判断する脱調判定手段101とからなる。
ここで、前記最大・最小推定記憶手段130は、
係数をAv,Bv,Cv、電圧をVとすると、
V=Avt2+Bvt+Cv …(5)
数式5のように模擬し、
係数をAi,Bi,Ci、電流をIとすると、
I=Ait2+Bit+Ci …(6)
数式(6)のように模擬し、
これら数式に最小自乗法を適用して係数Av,Aiを推定し、
係数Avが正で関数が下に凸ならば電圧Vは最小値とし、係数Aiが負で関数が上に凸ならば電流Iは最大値とし、それぞれを記憶する。
上述したように構成された第3の実施の形態の動作を図8を参照して説明する。ここに、図8は、本発明の第3の実施の形態に係る海産物の貯蔵方電力系統の脱調検出装置の動作を説明するための特性図であり、横軸に時間tを、縦軸に電圧Vを、それぞれ取ったものである。
まず、サンプリングデータ記憶手段95には、アナログ・デジタル変換装置7を介して電力系統1aの送電線(母線2a)から電圧および電流が取り込まれる。
前記平均値算出手段96は、前記サンプリングデータ記憶手段95に格納されている電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める。
前記最大・最小推定記憶手段130は、次のように電圧の最大値あるいは電流の最小値を推定し、記憶している。すなわち、図8に示すように、現在時刻をtkとすると、一定時間間隔の過去の数時点tk-n,…,tk-2,tk-1,tkで測定した電圧値Vk-n,…,Vk-2,Vk-1,Vk を用いて、上記数式5の二次関数の形の式の係数Avを、最小自乗法で推定する。
そして、推定した係数Avが推定した係数が正で関数が下に凸なら最小値とし、推定した係数が負で関数が上に凸なら最大値とし、これらを記憶する。電流Iについても、上述同様に計算し、記憶しておく。
前記位相角差演算手段98は、前記サンプリングデータ記憶手段95に格納されている電圧および電流から電圧実効値および電流実効値を求め、これら電圧実効値および電流実効値に基づいて位相角差を算出する。
前記脱調判定手段101は、前記位相角差演算手段98で得た位相角差が90度を超えたと判定すると、その時点において前記平均値算出手段96で得た判断時点の測定電圧の平均値が前記最大・最小推定記憶手段130で記憶しておいた電圧の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記平均値算出手段96で得た判断時点の測定電流の平均値が前記最大・最小推定記憶手段130で記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統の間に脱調が発生したと判断している。
このような第3の実施の形態によっても、電圧変動の波形あるいは電流変動の波形の傾向に従った電圧および電流の傾きを用いることにより、電力系統の傾向に基づく脱調を早めに検出でき、脱調による弊害に早めに対処できる。
本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む電力系統全体を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係り、図1に示すデジタル演算処理装置によって実現された電力系統の脱調検出装置の機能ブロックを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置で処理される電圧および電流のサンプリング状態を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係わり、電力系統において脱調発生前後の発電機内部電圧および母線電圧・送電線電流などのベクトル関係を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置において処理される脱調判定を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む系統全体を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電力系統の脱調検出装置を含む系統全体を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る海産物の貯蔵方電力系統の脱調検出装置の動作を説明するための特性図である。
符号の説明
1a,1b 電力系統
2a,2b 母線
3 送電線
4u,4v,4w 電圧変成器
5u,5v,5w 変流器
6,6a,6b 電力系統の脱調検出装置
7 アナログ・デジタル変換装置
9,9a,9b デジタル演算処理装置
11 中央演算処理ユニット
12 主メモリ
13 入力装置用インターフェース
14 ROM
15 ハードディスク用インターフェース
16 ハードディスク装置
17 A/D変換用インターフェース
18 ディスプレイ用インターフェース
19 バスライン
91 処理装置本体
92 キーボード
93 マウス
94 ディスプレイ
95 サンプリングデータ記憶手段
96 平均値算出手段
97 最大・最小判定記憶手段
98 位相角差演算手段
99 実効値データ記憶手段
100 位相角差データ記憶手段
101 脱調判定手段
105 脱調推定手段
106 電圧推定手段
107 電流推定手段
108 脱調判定手段
130 最大・最小推定記憶手段

Claims (6)

  1. 電力系統から電圧と電流を取込み、これらを基に将来の電圧と電流の位相角差を推定し、この推定された位相角差から脱調を推定し、その推定結果から脱調と判断する電力系統の脱調検出方法において、
    電力系統の送電線から電圧および電流を取り込む第1のステップと、
    前記第1のステップで得た電圧および電流の平均値を算出する第2のステップと、
    前記第2のステップで算出した電圧の平均値の最大値および最小値を求めるとともに前記第2のステップで算出した電流の平均値の最大値と最小値を求め、これら最大値および最小値を記憶しておく第3のステップと、
    前記第1のステップで得た電圧および電流を基に、将来の判断時点の位相角差位相を推定し、その推定結果から脱調を推定する第4のステップと、
    将来の判断時点までの所定区間における電圧の平均値を推定する第5のステップと、
    将来の判断時点までの所定区間における電流の平均値を推定する第6のステップと、
    前記第4のステップで脱調と推定された場合に、前記第5のステップで推定した電圧の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記第6のステップで推定した電流の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する第7のステップと、
    を備えたことを特徴とする電力系統の脱調検出方法。
  2. 電力系統から電圧と電流を取込み、これらを基に将来の電圧と電流の位相角差を推定し、この推定された位相角差から脱調を推定し、その推定結果から脱調と判断する電力系統の脱調検出装置において、
    電力系統の送電線から電圧および電流を取り込む電圧および電流取込手段と、
    前記電圧および電流取込手段で得た電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、
    前記平均値算出手段で算出した電圧の最大値および最小値を求めるとともに前記平均値算出手段で算出した電流の平均値の最大値と最小値を求め、これら最大値および最小値を記憶しておく最大・最小判定記憶手段と、
    将来の判断時点までの所定区間における電圧の平均値を推定する電圧推定手段と、
    将来の判断時点までの所定区間における電流の平均値を推定する電流推定手段と、
    前記脱調推定手段で脱調と推定された場合に、前記電圧推定手段で推定した電圧の平均値が前記最大・最小判定記憶手段で記憶しておいた電圧の平均値の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記電流推定手段で推定した電流の平均値が前記最大・最小判定記憶手段で記憶しておいた電流の平均値の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する脱調判定手段と、
    を備えたことを特徴とする電力系統の脱調検出装置。
  3. 電圧と電流の位相角差に基づいて送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する電力系統の脱調検出方法において、
    電力系統の送電線の電圧および電流を取り込む第1のステップと、
    前記第1のステップで得た電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める第2のステップと、
    前記第1のステップで得た現在および過去の数時点の電圧および電流のを用いて二次関数に模擬した後、当該二次関数の係数を推定し、推定した係数が正で関数が下に凸なら最小値とし、推定した係数が負で関数が上に凸なら最大値とし、これらを記憶しておく第3のステップと、
    前記取り込んだ電圧および電流から位相角差を求める第4のステップと、
    前記第4のステップで得た位相角差が90度を超えた時点で、前記第2のステップで得た判断時点の測定電圧の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電圧の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記第2のステップで得た判断時点の測定電流の平均値が前記第3のステップで記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統の間に脱調が発生したと判断する第5のステップと、
    を備えたことを特徴とする電力系統の脱調検出方法。
  4. 前記第3のステップは、
    係数をAv,Bv,Cv、電圧をVとすると、
    V=Avt2+Bvt+Cv
    と模擬し、
    係数をAi,Bi,Ci、電流をIとすると、
    I=Ait2+Bit+Ci
    と模擬し、
    最小自乗法によって係数Av,Aiを推定し、
    係数Avが正で関数が下に凸ならば電圧Vは最小値とし、係数Aiが負で関数が上に凸ならば電流Iは最値とし、それぞれを記憶しておくことを特徴とする請求項3記載の電力系統の脱調検出方法。
  5. 電圧と電流の位相角差に基づいて送電線の両側の電源系統に脱調が発生したと判断する電力系統の脱調検出装置において、
    電力系統の送電線の電圧および電流を取り込む電圧および電流取込み手段と、
    前記電圧および電流取込み手段で得た電圧と電流を基に、判断時点までの所定区間における電圧の平均値と電流の平均値を求める平均値算出手段と、
    前記電圧および電流取込み手段で得た現在および過去の数時点の電圧および電流のを用いて二次関数に模擬した後、当該二次関数の係数を推定し、推定した係数が正で関数が下に凸なら最小値とし、推定した係数が負で関数が上に凸なら最大値とし、これらを記憶しておく最大・最小推定記憶手段と、
    前記取り込んだ電圧および電流から位相角差を求める位相角差演算手段と、
    前記位相角差演算手段で得た位相角差が90度を超えた時点で、前記平均値算出手段で得た判断時点の測定電圧の平均値が前記最大・最小推定記憶手段で記憶しておいた電圧の最小値を中心とした一定の範囲に入っていて、かつ、前記平均値算出手段で得た判断時点の測定電流の平均値が前記前記最大・最小推定記憶手段で記憶しておいた電流の最大値を中心とした一定の範囲に入っているときに、送電線の両側の電源系統の間に脱調が発生したと判断する脱調判定手段と、
    を備えたことを特徴とする電力系統の脱調検出装置。
  6. 前記最大・最小推定記憶手段は、
    係数をAv,Bv,Cv、電圧をVとすると、
    V=Avt2+Bvt+Cv
    と模擬し、
    係数をAi,Bi,Ci、電流をIとすると、
    I=Ait2+Bit+Ci
    と模擬し、
    最小自乗法によって係数Av,Aiを推定し、
    係数Avが正で関数が下に凸ならば電圧Vは最小値とし、係数Aiが負で関数が上に凸ならば電流Iは最大値とし、それぞれを記憶しておくことを特徴とする請求項5記載の電力系統の脱調検出装置。
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